JP2010249762A - 果実検査方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非破壊的で果実に何ら損傷や障害を与えず、かつ、視認可能な手法で、果実の食害を確実に検査することができる果実検査方法及び装置を提供する。
【解決手段】静磁場発生手段により、被検査物である果実が配置される検査空間に静磁場を発生させ、勾配磁場発生手段により、検査空間に勾配磁場を発生させ、遮蔽手段により、検査空間を囲い、ラジオ波を遮蔽し、検出コイルにより、検査空間に配置された被検査物の検査部位にラジオ波により誘導される磁気共鳴信号を検出し、検出コイルにより検出された磁気共鳴信号により被検査物の複数の断層の磁気共鳴画像を生成し、磁気共鳴画像生成手段により生成された複数の断層の磁気共鳴画像に基づいて、被検査物である果実の食害を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置を用いて果実を検査する果実検査方法及び装置に関し、特に、小型永久磁石を利用した超小型MRI装置を用いた果実検査方法及び装置に関する。
リンゴ等の果実の流通過程において、害虫による食入被害を検査することの重要性が広く認識されている。これら検査は、通常、熟練した農園関係者や流通業者により、収穫時や出荷時の目視により行われている。熟練者による目視検査により、食害果の流通は低い水準に抑えられており、国内市場だけであれば、現状の目視検査の水準で十分であると考えられている。
近年、我が国の果物は非常に美味であるとの評価が高まり、諸外国への輸出の対象とされるに至り、これまでの目視検査が再検討されている。果実を諸外国へ輸出する場合、輸入国にとっては、食害果を排除するだけでなく、植物防疫及び自然生態系保全の点において果物に付着した害虫の侵入を完全に防止することが義務である必須事項である。
そこで、より確実に害虫による食入被害の有無を検査しなければならず、目視による検査を補助として、機械による非破壊的な検査が求められている。
非破壊的な検査手法として、近赤外光の果実による吸収を利用した検査装置の開発が試みられている(非特許文献1参照)。また、食害果の検査ではないが、果実の糖度等の品質や、果実内の空洞の有無等を、非破壊的な手法により検査する装置が知られている(特許文献1、特許文献2参照)。
Toyoshima, S., T. Nakamoto, M. Takahashi and T. Masuda (2006), An experiment to detect apple infested by the peach fruit moth, Carposina sasakii Matsumura (Lepidoptera: Carposinidae), using near-infrared spectroscopy. Bull. Natl. Insect. Fruit Tree Sci. 5: 87- 94.
特開平11−142354号公報 特開2007−120998号公報
近赤外光が果実の組織により吸収されることを利用した検査では、透過率及び吸収率の変化が明瞭となるのは、果実の食害がかなり進んだ段階であり、その峻別が困難である。検査の判断基準を厳しくすると健全な果実を誤認して選別することとなり、収穫の歩留まりが低く、生産益を下げ、採算割れを起こすおそれがある。
本発明の目的は、非破壊的で果実に何ら損傷や障害を与えず、かつ、視認可能な手法で、果実の食害を確実に検査することができる果実検査方法及び装置を提供することにある。
本発明の一態様による果実検査装置は、被検査物である果実が配置される検査空間に静磁場を発生させる静磁場発生手段と、前記検査空間に勾配磁場を発生させる勾配磁場発生手段と、前記検査空間を囲い、ラジオ波を遮蔽する遮蔽手段と、前記検査空間に配置された前記被検査物の検査部位にラジオ波により誘導される磁気共鳴信号を検出する検出コイルと、前記検出コイルにより検出された磁気共鳴信号により前記被検査物の複数の断層の磁気共鳴画像を生成する磁気共鳴画像生成手段と、前記磁気共鳴画像生成手段により生成された複数の断層の磁気共鳴画像に基づいて、前記被検査物である果実の食害を検出する食害有無検出手段とを有することを特徴とする。
上述した果実検査装置において、前記検出コイルは、前記被検査物の外周を巡るソレノイドコイル、又は、前記被検査物を部分的に囲う短軸長ソレノイドコイルであり、前記被検査物に対するラジオ波の共鳴周波数を変更することにより、又は、前記検出コイルの軸方向に対する前記被検査物の位置を変更することにより、前記磁気共鳴画像生成手段が、前記被検査物の複数の断層面の磁気共鳴画像を生成するようにしてもよい。
上述した果実検査装置において、前記検出コイルは、前記被検査物の表面に近接する表面コイルであり、前記検出コイルに近接する前記被検査物の表面の位置を変更することにより、又は、前記被検査物に対するラジオ波の共鳴周波数を変更することにより、前記磁気共鳴画像生成手段が、前記被検査物の複数の断層の磁気共鳴画像を生成するようにしてもよい。
上述した果実検査装置において、前記静磁場発生手段は、重量500〜2000Kgの小型永久磁石であるようにしてもよい。
本発明の一態様による果実検査方法は、静磁場発生手段により、被検査物である果実が配置される検査空間に静磁場を発生させ、勾配磁場発生手段により、前記検査空間に勾配磁場を発生させ、遮蔽手段により、前記検査空間を囲い、ラジオ波を遮蔽し、検出コイルにより、前記検査空間に配置された前記被検査物の検査部位にラジオ波により誘導される磁気共鳴信号を検出し、前記検出コイルにより検出された磁気共鳴信号により前記被検査物の複数の断層の磁気共鳴画像を生成し、前記磁気共鳴画像生成手段により生成された複数の断層の磁気共鳴画像に基づいて、前記被検査物である果実の食害を検出することを特徴とする。
以上の通り、本発明によれば、被検査物である果実が配置される検査空間に静磁場を発生させる静磁場発生手段と、検査空間に勾配磁場を発生させる勾配磁場発生手段と、検査空間を囲い、ラジオ波を遮蔽する遮蔽手段と、検査空間に配置された被検査物の検査部位にラジオ波により誘導される磁気共鳴信号を検出する検出コイルと、検出コイルにより検出された磁気共鳴信号により被検査物の複数の断層の磁気共鳴画像を生成する磁気共鳴画像生成手段と、磁気共鳴画像生成手段により生成された複数の断層の磁気共鳴画像に基づいて、被検査物である果実の食害を検出する食害有無検出手段とを有するようにしたので、非破壊的で果実に何ら損傷や障害を与えず、かつ、視認可能な手法で、果実の食害を確実に検査することができる。
本発明の一実施形態による果実検査装置の一例(短軸長ソレノイドコイル型)の概要を示す図である。 本発明の一実施形態による果実検査装置の他の例(表面コイル型)の概要を示す図である。 被検査物であるリンゴにおけるモモシンクイガ食入被害を示す図である。 本発明の一実施形態による果実検査装置(短軸長ソレノイドコイル型)のMRI画像を示す図である。 本発明の一実施形態による果実検査装置(表面コイル型)のMRI画像を示す図である。 本発明の一実施形態による果実検査装置(短軸長ソレノイドコイル型)における検出コイルと果実の検出位置の関係を説明するための図である。 本発明の一実施形態による果実検査装置(表面コイル型)における検出コイルと果実の検出位置の関係を説明するための図である。 リンゴの典型的な食害について説明するための図である。 本発明の一実施形態による果実検査装置(表面コイル型)を用い、リンゴを順次回転させて撮像したMRI画像を示す図である。 本発明による果実検査装置で用いる検出コイルの具体例を示す図である。
[一実施形態]
本発明の一実施形態による果実検査方法及び装置について図面を用いて説明する。
(果実検査装置)
本実施形態の果実検査装置について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態の果実検査装置の一例を示す図であり、図2は本実施形態の果実検査装置の他の例を示す図である。
本実施形態の果実検査装置は、永久磁石を装備した超小型磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置を検出器として、果実内部組織の害虫による食害を検出する装置である。MRI装置をセンサー(検出器)として使用することが特徴であり、それによって果実外部からは視認できない、果実内部の食害組織、食害孔、食害の原因を為す幼虫および集積した虫糞を視覚的に捉え、食入被害果を選別する。
(果実検査装置(短軸長ソレノイドコイル型))
本実施形態の果実検査装置の一例について説明する。
本実施形態の果実検査装置は、図1に示すように、被検査物の果実Aに磁気共鳴画像法に必要な強磁場を印加するための永久磁石12が設けられている。永久磁石12は、500Kg〜2000Kgと、MRI装置用としては非常に軽量であり、必要面積が1平方メートル程度と非常に小型である。磁極間隔が約160mmで、磁場強度が0.2〜0.4テスラである。
永久磁石12の内側には、勾配磁場を印加するための磁場勾配コイル14が設けられている。磁場勾配コイル14には磁場勾配制御部16が接続されている。磁場勾配制御部16により磁場勾配コイル14による勾配磁場の強度、立上がり立下がり、及びバイアスを制御する。
磁場勾配コイル14の内側には、検出コイル20が設けられている。外来するラジオ波ノイズを遮蔽すると共に、NMR信号励起パルスとNMR信号の外部への漏れを防止するために、被検査物である果実Aと検出コイル20とをラジオ波遮蔽ハウジング22により囲んでいる。検出コイル20にはRF送受信機24が接続されている。RF送受信機24により、被検査物である果実Aからの磁気共鳴信号を取得する。
図1に示す検出コイル20は、被検査物である果実Aの外周を巡るソレノイドコイルであり、被検査物である果実Aを部分的に囲う短軸長ソレノイドコイルである。
被検査物である果実Aは、搬送装置26により、図1において紙面上下方向に搬送され、検出コイル20内に載置されて、順番に検査される。搬送装置26には搬送駆動制御部28が接続されている。搬送駆動制御部28は搬送装置26を駆動制御して、被検査物である果実Aを図1の上下方向に搬送する。
コアコンピューター30は、本実施形態の果実検査装置の全体を制御するためのものであり、具体的には、例えば、Windows(登録商標)OSやLinuxOS等が搭載されたパーソナルコンピューターである。コアコンピューター30には、液晶ディスプレイ32、キーボード34、マウス36が接続されている。
本実施形態の果実検査装置の動作について説明する。
被検査物である果実Aは、手作業により搬送装置26上にセットされる。果実Aは、搬送装置26により搬送され、検出コイル20内で数秒間停止し、MRI(磁気共鳴画像法)装置による果実Aの撮像が行われる。その後、搬送装置26により運び出される。
MRI装置により得られた信号(画像、プロフィルまたはスペクトル信号)は、搬送装置26と同調した贋造判定プログラムにより、食害の判断が行われる。その判断結果により搬送装置26で搬送された果実Aの不良品は選別される。
(果実検査装置(表面コイル型))
本実施形態の果実検査装置の他の例について説明する。
本実施形態の果実検査装置の他の例は、図2に示すように、図1に示す果実検査装置と基本的な構成は同じであるが、検出コイルの形体が異なり、それに伴い搬送装置の構造が異なる。
図2に示す果実検査装置の検出コイル40は、被検査物である果実Aの表面近傍に位置する表面コイルとして構成されている。被検査物である果実Aの表面を部分的に囲うコイルである。
また、ラジオ波の出入りを遮蔽するために、被検査物である果実Aと検出コイル40とをラジオ波遮蔽ハウジング42により囲んでいる。検出コイル40にはRF送受信機24が接続されている。RF送受信機24により、被検査物である果実Aからの磁気共鳴信号を取得する。
被検査物である果実Aは、搬送装置(図示せず)により、図2において紙面に対して垂直方向に搬送され、検出コイル40位置に載置されて、順番に検査される。搬送装置(図示せず)には搬送駆動制御部28が接続されている。搬送駆動制御部28は搬送装置(図示せず)を駆動制御して、被検査物である果実Aを図2の紙面垂直方向に搬送する。
(リンゴ果実に食入したモモシンクイガ幼虫の検出例)
図3に被検査物であるリンゴにおけるモモシンクイガ食入被害の画像を示す。図3A、Bはリンゴを切断した切断面の写真であり、図3C、Dは本実施形態の果実検査装置によるMRI画像である。図3B、Dはそれぞれ図3A、Cの拡大した画像である。
本実施形態の果実検査装置によるMRI画像において検出できるのは、図3Dに示すように、成熟幼虫a、集積した虫糞bと、食害孔cである。
成熟幼虫aは、信号がやや強い短いひも状(数mm〜十数mm)で、しばしば屈曲した体勢を取る。集積した虫糞bは通常非常に強い信号となる。食害孔cは信号源が欠落しているためにMRI画像において暗く黒くなる。
MRI画像から上記の特徴に基づいて、成熟幼虫a、集積した虫糞b、食害孔cを検出する。
なお、図3C、DのMRI画像は、MRI撮像シークエンスとして、三次元スピンエコー法により撮像した。この方法は撮像に多少時間がかかるために特殊な検査用であり、搬送機を止めて使用されるため、オートメーション化した果実検査装置の撮像には適していない。通常のオートメーション化した果実検査装置の撮像法としては、より高速で撮像できる二次元高速グラディエントエコー法、二次元高速スピンエコー法、及び二次元エコープラナー法が望ましい。また、任意スライス位置選択撮像法もしくはマルチスライス撮像法を適宜組み合わせることが望ましい。
(果実検査装置(短軸長ソレノイドコイル型)のMRI画像)
図4に本実施形態の果実検査装置(短軸長ソレノイドコイル型)のMRI画像を示す。
図4AのMRI画像は、リンゴの縦断層画像である。食害は果芯維管束に沿って進行していることがわかる。図4BのMRI画像は、リンゴの横断層画像である。図4のリンゴの縦断層画像で視認される食害は画像下側に在る食害孔(矢印)である。
図4C〜FのMRI画像は、信号取り込みを1回とし、マトリックスを変えて撮像したリンゴの横断層画像である。図4EのMRI画像からわかるように、32エンコードでは食害が明瞭に認められ、撮像時間はFLASH(Fast Low−Angle Shot)法なら一イメージ3.2秒であることがわかる。超高速撮像法(ワンショットイメージング法)を使用すれば、約1秒で充分である。
(果実検査装置(表面コイル型)のMRI画像)
図5に本実施形態の果実検査装置(表面コイル型)のMRI画像を示す。
図5AのMRI画像は、リンゴの縦断層画像である。食害は果芯維管束に沿って進行していることがわかる。図5BのMRI画像は、リンゴの横断層画像である。縦断層画像で視認される食害は画像下側に在る食害孔(矢印)である。
図5C〜FのMRI画像は、信号取り込みを1回とし、マトリックスを変えて撮像したリンゴの横断層画像である。図5EのMRI画像からわかるように、32エンコードで食害が明瞭に認められ、撮像時間はFLASH(Fast Low−Angle Shot)法なら一イメージ3.2秒であることがわかる。超高速撮像法(ワンショットイメージング法)を使用すれば、約1秒で充分である。
(検出コイルと果実の検出位置)
図6及び図7を用いて、本実施形態の果実検査装置における検出コイルと果実の検出位置との関係について説明する。
図6は、果実検査装置(短軸長ソレノイドコイル型)により撮像した場合について示している。図6(a)に示す検出位置a、b、cにおけるMRI画像を図6(b)に示す。検出位置a(0mm)は、短軸長ソレノイドコイル型の検出コイル20の軸方向の中心横断層であり、検出位置b(−10mm)は中心から10mm下方の横断層であり、検出位置c(−20mm)は、中心から20mm下方の横断層である。
図6(b)からわかるように、検出コイル20の中心断層に近い検出位置a(0mm)や検出位置b(−10mm)は感度が高いが、中心断層から外れた検出位置c(−20mm)は感度が低くなることがわかる。
図7は、果実検査装置(表面コイル型)により撮像した場合について示している。図7(a)に示す検出位置a、b、cにおけるMRI画像を図7(b)に示す。検出位置a(0mm)は、表面コイル型の検出コイル40面の横断層であり、検出位置b(+10mm)はコイル面から10mm上方へ離れた横断層であり、検出位置c(+20mm)は、コイル面から20mm上方へ離れた横断層である。
図7(b)からわかるように、検出コイル20面に近い検出位置a(0mm)は感度が高いが、コイル面から離れた検出位置b(−10mm)や、検出位置c(−20mm)は感度が低くなることがわかる。
(リンゴの食害に対する適切な撮像面)
図8を用いて、リンゴの典型的な食害について説明する。図8Aはリンゴの縦断層画像であり、図8Bはリンゴの横断層画像である。
図8Aのリンゴの縦断層画像からは、リンゴの食害は髄線に沿って起こる傾向があることがわかる。図8Bのリンゴの横断層画像からは、リンゴでは果芯維管束が食害されることがわかる。
このような食害状況を捉えるためには、リンゴの果芯(髄線)に注目して、図8Aにおいて右方向からの矢印で示したような数枚の水平断層画像を撮像することが適切である。又は、図8Aにおいて一点波線で示したようなサイコロ状の六面の断層画像を撮像することが適切である。
図1の果実検査装置(短軸長ソレノイドコイル型)を用いる場合には、被検査物である果実Aを短軸長ソレノイドコイル20の軸方向に、断続的もしくは連続的に移動させながら、もしくは被検査物に対するラジオ波の共鳴周波数を変化させて、矢印で示す果実Aの水平方向の任意の横断層画像を1枚から数枚撮像することが適切である。
図2の果実検査装置(表面コイル型)を用いる場合には、被検査物である果実Aに対する表面コイル型の検出コイル40の相対的位置を変えることにより、一点鎖線で示す果実Aの六側面画像を撮像することが適切である。この場合も、被検査物に対するラジオ波の共鳴周波数を変化させることにより任意の複数の横断層画像を撮像することができる。
図9は果実検査装置(表面コイル型))を用い、表面コイル40の設置位置を変える代わりに、被検査物であるリンゴAを順次回転させて撮像されたMRI画像である。リンゴ果実に食入する虫は、リンゴ果実の外から侵入し、果実内を食害した後に外部へ脱出するので、虫による食害はリンゴ果実のいずれかの側面画像において必ず捉えることができる。図9では、図9Bと図9Eの画像において食害孔(矢印)が検出された。
(本実施形態の効果)
以上の通り、通常のMRI装置は、巨大で、高価で、取り扱いが煩雑であるから経済性、設置性および操作性等の諸条件の面から果実の害虫食入被害検査には応用不可能とされてきたが、本実施形態によれば、永久磁石を用いた超小型のMRI装置を用いることにより、果実断層の磁気共鳴画像を基に果実の食入被害を検査することができる。
また、本実施形態によれば、リンゴ等の果実に食入したモモシンクイガの食入被害を可視的に捉えることができる。食害孔が検出された果実は、商品価値がないことは言うまでもなく、生虫の存在確率が高い。本実施形態による果実検査装置を用いれば選別にあたり、確実に食害果を除去することができ、生産性を不必要に低下させることがない。
また、本実施形態による果実検査装置を用いて、オートメーション食害果選別機を構成することができ、モモシンクイガ食入被害果の流通を極めて低い水準に保持でき、生産地の評価を維持し、輸出検疫上の法律的規制に合致させることができる。
また、本実施形態によれば、リンゴ等の果実に食入したモモシンクイガの食入被害を可視的に捉えることができるので、リンゴ生育過程における生態学的研究による害虫駆除法の改善に寄与することができる。
また、本実施形態によれば、MRI装置による果実検査装置を実現する際の障壁である経済性、設置性および操作性を、MRI装置に超小型永久磁石を用い、汎用のパーソナルコンピューターによる分光器を採用することにより克服している。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態の果実検査装置における検出コイルに限らず、様々な形態の検出コイルを使用することができる。
例えば、図10Aの検出コイルは被検査物を巡る一般的なソレノイドコイルである。この検出コイルは被検査物に対する検出強度の偏りが少ないという特徴がある。撮像時間の要求が緩い検査に適する。
また、図10Bの検出コイルは被検査物を部分的に囲う短軸長ソレノイドコイルである。この検出コイルは被検査物に対する検出感度がよいという特徴がある。軸方向に直角な断層画像に重要な意味を持つ被検査物に適する。
また、図10C、図10Dの検出コイルは被検査物の表面に位置させる表面コイルである。図10Cは被検査物の上面と下面に近接する2つの検出コイルである。図10Dは被検査物の左側面と右側面に近接する2つの検出コイルである。この検出コイルは被検査物に対する検出強度の偏りが少ないという特徴がある。表面内の浅い組織の画像に重要な意味を持つ被検査物に適する。
また、上記実施形態の果実検査装置ではリンゴを検査したが、リンゴ以外の他の果実も検査することが可能である。例えば、ナシ、イチゴ、スイカ、メロン、ジャガイモ、サツマイモ、オレンジ、マンゴー、サクランボ、カキ、ミカン等の果実等を検査することが可能である。
また、上記実施形態の果実検査装置ではリンゴの食害を検査したが、食害以外のリンゴ等の果実の状態、例えば、糖度、鮮度、空洞、発酵、ボケ、萎び等の状態を検査することが可能である。
また、上記実施形態の果実検査装置では果実1個に対する検査の例を示したが、複数の果実を同時に検査することも可能である。
また、本発明は、果実検査以外に、油糧種子の品質及び油脂含量の検査装置としての実施形態が考えられる。この実施形態では、検出コイルは、図6に示す短軸長ソレノイドコイル型を基本としたものでよく、検査装置は、図2に示す表面コイル型の検査装置を利用する。果実に代えて非磁性容器に入れたトウモロコシ等の穀粒や、ナタネ、大豆等の種子、オリーブ、ヤシ等の果実等の比検査物を搬送装置(図示せず)に載置し、画像に加えてスペクトル情報が頻用される。用途は、食品原料管理および育種母本評価である。本変形実施形態は、経済性、設置性及び操作性に優れている。
12…永久磁石
14…磁場勾配コイル
16…磁場勾配制御部
20…検出コイル
22…ラジオ波遮蔽ハウジング
24…RF送受信機
26…搬送装置
28…搬送駆動制御部
30…コアコンピューター
32…液晶ディスプレイ
34…キーボード
36…マウス
40…検出コイル
42…ラジオ波遮蔽ハウジング

Claims (5)

  1. 被検査物である果実が配置される検査空間に静磁場を発生させる静磁場発生手段と、
    前記検査空間に勾配磁場を発生させる勾配磁場発生手段と、
    前記検査空間を囲い、ラジオ波を遮蔽する遮蔽手段と、
    前記検査空間に配置された前記被検査物の検査部位にラジオ波により誘導される磁気共鳴信号を検出する検出コイルと、
    前記検出コイルにより検出された磁気共鳴信号により前記被検査物の複数の断層の磁気共鳴画像を生成する磁気共鳴画像生成手段と、
    前記磁気共鳴画像生成手段により生成された複数の断層の磁気共鳴画像に基づいて、前記被検査物である果実の食害を検出する食害有無検出手段と
    を有することを特徴とする果実検査装置。
  2. 請求項1記載の果実検査装置において、
    前記検出コイルは、前記被検査物の外周を巡るソレノイドコイル、又は、前記被検査物を部分的に囲う短軸長ソレノイドコイルであり、
    前記被検査物に対するラジオ波の共鳴周波数を変更することにより、又は、前記検出コイルの軸方向に対する前記被検査物の位置を変更することにより、前記磁気共鳴画像生成手段が、前記被検査物の複数の断層面の磁気共鳴画像を生成する
    ことを特徴とする果実検査装置。
  3. 請求項1記載の果実検査装置において、
    前記検出コイルは、前記被検査物の表面に近接する表面コイルであり、
    前記検出コイルに近接する前記被検査物の表面の位置を変更することにより、又は、前記被検査物に対するラジオ波の共鳴周波数を変更することにより、前記磁気共鳴画像生成手段が、前記被検査物の複数の断層の磁気共鳴画像を生成する
    ことを特徴とする果実検査装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の果実検査装置において、
    前記静磁場発生手段は、重量500〜2000Kgの小型永久磁石である
    ことを特徴とする果実検査装置。
  5. 静磁場発生手段により、被検査物である果実が配置される検査空間に静磁場を発生させ、
    勾配磁場発生手段により、前記検査空間に勾配磁場を発生させ、
    遮蔽手段により、前記検査空間を囲い、ラジオ波を遮蔽し、
    検出コイルにより、前記検査空間に配置された前記被検査物の検査部位にラジオ波により誘導される磁気共鳴信号を検出し、
    前記検出コイルにより検出された磁気共鳴信号により前記被検査物の複数の断層の磁気共鳴画像を生成し、
    前記磁気共鳴画像生成手段により生成された複数の断層の磁気共鳴画像に基づいて、前記被検査物である果実の食害を検出する
    ことを特徴とする果実検査方法。
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