JP2010249479A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換性能を向上させることのできる熱交換器を提供する。
【解決手段】オイルクーラ11は、オイル室24の外周縁に設けられて該オイル室24にオイルを供給するオイル入口管31と、オイル室24の外周縁にオイル入口管31と近接して設けられてオイル室24からオイルを排出するオイル出口管32と、オイル入口管31からオイル出口管32に至るオイルの流れが旋回流となるように整流するためのオイル用整流部61とを備えた。そして、オイル用整流部61は、オイル室24の外周縁からその径方向に延びてオイル入口管31とオイル出口管32とを仕切るオイル用仕切板62、同オイル用仕切板62の先端からオイル室24の周方向におけるオイル入口管31側に延びる第1のオイル用指向板63と、同周方向におけるオイル出口管32側に延びる第2のオイル用指向板64とから構成される。
【選択図】図3
【解決手段】オイルクーラ11は、オイル室24の外周縁に設けられて該オイル室24にオイルを供給するオイル入口管31と、オイル室24の外周縁にオイル入口管31と近接して設けられてオイル室24からオイルを排出するオイル出口管32と、オイル入口管31からオイル出口管32に至るオイルの流れが旋回流となるように整流するためのオイル用整流部61とを備えた。そして、オイル用整流部61は、オイル室24の外周縁からその径方向に延びてオイル入口管31とオイル出口管32とを仕切るオイル用仕切板62、同オイル用仕切板62の先端からオイル室24の周方向におけるオイル入口管31側に延びる第1のオイル用指向板63と、同周方向におけるオイル出口管32側に延びる第2のオイル用指向板64とから構成される。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関の潤滑油や自動変速機の作動油等のオイルと、内燃機関の冷却水との間で熱交換を行う熱交換器に関する。
従来、この種の熱交換器として、複数のプレートを積層することでオイルが流通するオイル室と、冷却水が流通する冷却水室とを交互に形成した、いわゆるハウジングレス式のオイルクーラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、図7に示すように、このオイルクーラ81は外形が円形状に形成されており、そのオイル室82には、自動変速機からのオイルを同オイル室82に供給するオイル入口管83と、同オイル室82からオイルを排出するオイル出口管84とが、その中心を挟むように離間して設けられている。そして、オイルは、同図中に矢印で示すようにオイル入口管83からオイル出口管84に向かって直線状に流れるようになっている。また、図8に示すように、冷却水室85には、内燃機関の冷却系からの冷却水を同冷却水室85に供給する冷却水入口管86と、同冷却水室85から冷却水を排出する冷却水出口管87とが、その中心を挟むように離間して設けられている。そして、冷却水は、オイルと同様に、冷却水入口管86から冷却水出口管87に向かって直線状に流れるようになっている。
ところで、上記従来のオイルクーラ81では、オイル入口管83とオイル出口管84とを結ぶ直線上においてはオイルの流速が速いが、同直線から離れるにつれてその流速が遅くなる。つまり、オイル室82における破線内ではオイルが流れるものの、同破線の外側である周辺部ではオイルがほとんど流れず、淀みが生じることとなる。なお、図7において、オイルの流速の大きさを矢印の長さによって表している。
このようにオイルの淀みが生じると、オイルが流れる流域、すなわち冷却水との間で熱交換が行われる面積(熱交換面積)が減少することで、単位時間当りの熱交換量が減少してオイルクーラの熱交換性能が低下するという問題がある。また、オイルの淀みが生じることにより、オイル室82における実効的な流路断面積が小さくなるため、圧力損失が増大する。そして、圧力損失が増大してオイルの流速(流量)が減少することでも、単位時間当りの熱交換量が減少してオイルクーラの熱交換性能が低下するという問題がある。
なお、上記のような問題は、ハウジングレス式の熱交換器に限らず、複数のプレートを積層することでオイル室のみを区画形成し、このオイル室を構成するプレートを冷却水が流通するハウジング内に収容した、いわゆるハウジング式の熱交換器においても同様に発生し得る。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、熱交換性能を向上させることのできる熱交換器を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、複数の第1プレートを積層することにより区画形成される外形円形状のオイル室を流通するオイルと前記第1プレートに接触する冷却水との間で熱交換を行う熱交換器において、前記オイル室の外周縁に設けられて該オイル室にオイルを供給するオイル入口管と、前記オイル室の外周縁に前記オイル入口管と近接して設けられて前記オイル室からオイルを排出するオイル出口管と、前記オイル入口管から前記オイル出口管に至る前記オイル室でのオイルの流れが旋回流となるように整流するためのオイル用整流部とを備え、前記オイル用整流部は、前記オイル室の外周縁からその径方向に延びて前記オイル入口管と前記オイル出口管とを仕切るオイル用仕切板、前記オイル入口管から前記オイル室に流入するオイルの流れを同オイル室の周方向に指向させる第1のオイル用指向板、及び前記オイル室から前記オイル出口管に流出するオイルの流れを同オイル室の周方向に指向させる第2のオイル用指向板を含むことをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、複数の第1プレートを積層することにより区画形成される外形円形状のオイル室を流通するオイルと前記第1プレートに接触する冷却水との間で熱交換を行う熱交換器において、前記オイル室の外周縁に設けられて該オイル室にオイルを供給するオイル入口管と、前記オイル室の外周縁に前記オイル入口管と近接して設けられて前記オイル室からオイルを排出するオイル出口管と、前記オイル入口管から前記オイル出口管に至る前記オイル室でのオイルの流れが旋回流となるように整流するためのオイル用整流部とを備え、前記オイル用整流部は、前記オイル室の外周縁からその径方向に延びて前記オイル入口管と前記オイル出口管とを仕切るオイル用仕切板、前記オイル入口管から前記オイル室に流入するオイルの流れを同オイル室の周方向に指向させる第1のオイル用指向板、及び前記オイル室から前記オイル出口管に流出するオイルの流れを同オイル室の周方向に指向させる第2のオイル用指向板を含むことをその要旨とする。
上記構成では、オイル入口管とオイル出口管とを近接して配設するとともに、オイル室におけるオイルの流れを旋回流とするためのオイル整流部を備えるようにしている。こうした構成によれば、オイル入口管からオイル室に流入するオイルの流入方向及びオイル室からオイル出口管に流出するオイルの流出方向が、整流部、具体的にはその仕切板及び一対の指向板によって規制されるようになる。このようにオイルの流入方向及び流出方向が整流部によって規制されることにより、オイル入口管からオイル出口管に至るオイルの流れが旋回流となる。そして、オイル室におけるオイルの流れが旋回流となることで、オイル室に淀みが生じることが抑制され、オイルが流れる流域、換言すればオイルと冷却水との熱交換面積が増大するようになる。これにより、単位時間当りの熱交換量を増加させて熱交換器の熱交換性能を向上させることができるようになる。また、淀みの発生が抑制されることで、オイル室における実効的な流路断面積が増大して圧力損失が減少するようになるため、オイル室を流れるオイルの流速(流量)を増大させることができ、単位時間当りの熱交換量を増加させて熱交換器の熱交換性能を向上させることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器において、前記各第1プレートの間に第2プレートが介在されることにより、前記オイル室と冷却水が流通する外形円形状の冷却水室とが交互に区画形成されるとともに、前記冷却水室の外周縁に設けられて該冷却水室に冷却水を供給する冷却水入口管と、前記冷却水室の外周縁に前記冷却水入口管と近接して設けられて前記冷却水室から冷却水を排出する冷却水出口管と、前記冷却水入口管から前記冷却水出口管に至る前記冷却水室での冷却水の流れが旋回流となるように整流するための冷却水用整流部とを備え、前記冷却水用整流部は、前記冷却水室の外周縁からその径方向に延びて前記冷却水入口管と前記冷却水出口管とを仕切る冷却水用仕切板、前記冷却水入口管から前記冷却水室に流入する冷却水の流れを同冷却水室の周方向に指向させる第1の冷却水用指向板、及び前記冷却水室から前記冷却水出口管に流出する冷却水の流れを同冷却水室の周方向に指向させる第2の冷却水用指向板を含むことをその要旨とする。
ところで、冷却水室において冷却水が直線状に流れる場合(図8参照)には、上述したオイルが直線状に流れる場合と同様に、冷却水の淀みが生じるため、冷却水が流れる流域及び冷却水の流速(流量)の減少によっても、熱交換器の熱交換性能が低下するという問題が同様に発生する。
この点、上記構成では、冷却水入口管と冷却水出口管とを近接して配設するとともに、冷却水室における冷却水の流れを旋回流とするための冷却水整流部を備えるようにしている。このように冷却水室における冷却水を旋回流することで、上記請求項1の作用と同様に、冷却水の流域(熱交換面積)を増大させるとともに、圧力損失を低減して冷却水の流速(流量)を増大させることができ、単位時間当りの熱交換量を増加させて熱交換器の熱交換性能をより向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の熱交換器において、前記オイル入口管と前記オイル出口管、及び前記冷却水入口管と前記冷却水出口管は、前記オイルの旋回方向と前記冷却水の旋回方向とが互いに逆方向となるように前記オイル室及び前記冷却水室にそれぞれ設けられたことをその要旨とする。
上記構成では、オイルの旋回方向と冷却水の旋回方向とが互いに逆方向となるようにすることで、オイルと冷却水との相対速度が速くなるようにしている。このため、単位時間当たりに、プレートを介して熱交換するオイル及び冷却水の流量を増大させ、単位時間当りの熱交換量をより増加させて熱交換性能を一層向上させることができる。
また、オイル入口管に近いほどオイルの温度は高く、オイル出口管に近づくにつれて冷却水との間で熱交換が行われることによりオイルの温度は低くなる一方、冷却水入口管に近いほど冷却水の温度は低く、冷却水出口管に近づくにつれてオイルとの間で熱交換がされることにより冷却水の温度は高くなる。
この点、上記構成によれば、オイルの旋回方向と冷却水の旋回方向とが互いに逆方向であるため、オイル入口管付近の温度の高いオイルは、冷却水出口管に近づき温度がやや高くなった冷却水との間で熱交換が行われ、オイル出口管に近づき温度が低下したオイルは、冷却水入口管付近の温度の十分に低い冷却水との間で熱交換が行われる。従って、オイル及び冷却水の流域の広範囲に亘ってオイルと冷却水との温度差を維持することができ、単位時間当りの熱交換量をより増加させて熱交換性能をより向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱交換器において、前記オイル室が前記第1プレートの積層方向に複数形成されてなるものであり、前記各第オイル室におけるオイル流の旋回中心には、前記各オイル室同士を連通する連通管が設けられたことをその要旨とする。
旋回流においては、その径方向外側に向かうほど流速が増大するものの、中心に向かうにつれて流速が減少するようになる。また、各オイル室のうち下流側に位置するオイル室ほどオイル入口管からそのオイル室に流入するオイルの圧力が低下するため、オイル入口管からオイル室に流入するオイルの量も減少するようになる。
この点、上記構成では、オイル室におけるオイル流の旋回中心に各オイル室同士を連通する連通管を設けているため、上流側に位置するオイルの圧力が高いオイル室から下流側に位置するオイルの圧力が低いオイル室へ同連通管を通じてオイルが流れるようになり、下流側に位置するオイル室でのオイルの流速が増大する。これにより、圧力損失の増大を防止して、熱交換器の熱交換性能をより一層向上させることができる。
以下、本発明にかかる熱交換器を自動変速機のオイルクーラに具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示す熱交換器としてのオイルクーラ11は、自動車等の車両に搭載される自動変速機(図示略)に用いられるオイルと、内燃機関(図示略)の冷却系を流れる冷却水との間での熱交換を行うためのものである。このオイルクーラ11は略円柱状に形成されており、同オイルクーラ11には自動変速機との間でオイルを循環させるためのオイルホース12,13と、内燃機関の冷却系との間で冷却水を循環させるための冷却水ホース14,15とがそれぞれ接続されている。
図1に示す熱交換器としてのオイルクーラ11は、自動車等の車両に搭載される自動変速機(図示略)に用いられるオイルと、内燃機関(図示略)の冷却系を流れる冷却水との間での熱交換を行うためのものである。このオイルクーラ11は略円柱状に形成されており、同オイルクーラ11には自動変速機との間でオイルを循環させるためのオイルホース12,13と、内燃機関の冷却系との間で冷却水を循環させるための冷却水ホース14,15とがそれぞれ接続されている。
図2に示すように、オイルクーラ11は、ベース21上に複数の第1プレート22と複数の第2プレート23とが交互に積層されることで、オイルが流通する複数(本実施形態では3つ)のオイル室24と、冷却水が流通する複数(本実施形態では2つ)の冷却水室25とが交互に形成されている。このように本実施形態のオイルクーラ11は、いわゆるハウジングレス式のオイルクーラとして構成されている。
詳述すると、各第1及び第2プレート22,23は、それぞれ略円板状に形成されており、各オイル室24及び各冷却水室25はその外形がそれぞれ円形状に形成されている。なお、各オイル室24及び各冷却水室25には、熱交換性能を高めるためのインナフィン(図示略)が第1プレート22と第2プレート23とにより挟持された状態でそれぞれ介在されている。また、上段の第1プレート22の上側には、同第1プレート22を覆うカバー26が取り付けられている。図1及び図2に示すように、このカバー26の外周縁には、オイルホース12,13が接続されるオイル用開口51,52が形成されるとともに、冷却水ホース14,15が接続される冷却水用開口53,54が形成されている。
図2〜図4に示すように、各第1プレート22には、その積層方向に延びるオイル入口管31と、オイル入口管31に隣接するとともに同積層方向に延びるオイル出口管32とがそれぞれ形成されている。これらオイル入口管31及びオイル出口管32は、各第1プレート22の外周縁においてカバー26のオイル用開口51,52と対応する位置に形成されている。そして、上段の第1プレート22のオイル入口管31及びオイル出口管32は、オイル用開口51,52を介してオイルホース12,13に接続されている。
また、本実施形態では、図3及び図5に示すように、中段及び下段の第1プレート22には、その中心よりもオイル入口管31及びオイル出口管32に近接した位置に第1プレート22の積層方向に延びる連通管33がそれぞれ形成されている。
一方、図2〜図4に示すように、各第2プレート23には、その積層方向に延びる冷却水入口管41と、冷却水入口管41に隣接するとともに同積層方向に延びる冷却水出口管42とがそれぞれ形成されている。これら冷却水入口管41及び冷却水出口管42は、各第2プレート23の外周縁においてカバー26の冷却水用開口53,54と対応する位置に形成されている。そして、上段の第2プレート23の冷却水入口管41及び冷却水出口管42は、冷却水用開口53,54を介して冷却水ホース14,15に接続されている。
本実施形態では、オイルホース12,13と冷却水ホース14,15とは、オイルクーラ11の中心を挟んで対向するようにその外周縁に配設されており、オイル入口管31及びオイル出口管32と、冷却水入口管41及び冷却水出口管42とは、オイルクーラ11の中心を挟んで対向するようにそれぞれオイル室24及び冷却水室25の外周縁に配設されている。更に、オイル入口管31とオイル出口管32との周方向に沿った位置関係と、冷却水入口管41と冷却水出口管42との周方向に沿った位置関係が逆となるように構成されている。具体的には、オイル出口管32はオイル入口管31の周方向一方側に隣接して設けられており、冷却水出口管42は冷却水入口管41の周方向他方側に隣接して設けられている。
また、上段及び中段の第1プレート22における外周縁には、冷却水入口管41及び冷却水出口管42と対応する位置に貫通孔35,36が形成されている。一方、各第2プレート23における外周縁には、オイル入口管31及びオイル出口管32と対応する位置に貫通孔45,46が形成されている。更に、図3及び図5に示すように、各第2プレート23には、第1プレート22の連通管33と対応する位置に貫通孔47が形成されている。
そして、図2に示すように、中段及び下段の各第1プレート22のオイル入口管31及びオイル出口管32は、それらの上側に配置される各第2プレート23の貫通孔45,46にそれぞれ挿入されている。また、図5に示すように、中段及び下段の各第1プレート22の連通管33は、それらの上側に配置される各第2プレート23の貫通孔47にそれぞれ挿入されている。これにより、各オイル室24はオイル入口管31、オイル出口管32、及び連通管33によって連通された状態となる。
一方、図2に示すように、各第2プレート23の冷却水入口管41及び冷却水出口管42は、それらの上側に配置される各第1プレート22の貫通孔35,36にそれぞれ挿入されている。これにより、各冷却水室25は冷却水入口管41及び冷却水出口管42によって連通された状態となる。
図3に示すように、オイル室24にはその内部におけるオイルの流れを整流するためのオイル用整流部61が設けられている。このオイル用整流部61は、オイル室24の外周縁からその径方向に延びてオイル入口管31とオイル出口管32とを仕切るオイル用仕切板62と、同オイル用仕切板62の先端からオイル室24の周方向におけるオイル入口管31側に延びる第1のオイル用指向板63と、同周方向におけるオイル出口管32側に延びる第2のオイル用指向板64とから構成されている。なお、第1及び第2のオイル用指向板63,64は、連通管33よりも径方向外側、すなわちオイル入口管31及びオイル出口管32と連通管33との間に配設されている。
また、図4に示すように、冷却水室25にはその内部における冷却水の流れを整流するための冷却水用整流部71を備えている。この冷却水用整流部71は、冷却水室25の外周縁からその径方向に延びて冷却水入口管41と冷却水出口管42とを仕切る冷却水用仕切板72と、同冷却水用仕切板72の先端から冷却水室25の周方向における冷却水入口管41側に延びる第1の冷却水用指向板73と、同周方向における冷却水出口管42側に延びる第2の冷却水用指向板74とから構成されている。
次に、本実施形態のオイルクーラ11の作用について、オイル及び冷却水の流れを中心に説明する。
図2に示すように、オイルホース12から供給されるオイルはオイル入口管31を通じて各オイル室24に供給され、同オイルはオイル出口管32からオイルホース13に排出される。また、冷却水ホース14から供給される冷却水は冷却水入口管41を通じて各冷却水室25に供給され、同冷却水は冷却水出口管42から冷却水ホース15に排出される。なお、図2において、オイルの流れを実線で表すとともに、冷却水の流れを破線で表している。
図2に示すように、オイルホース12から供給されるオイルはオイル入口管31を通じて各オイル室24に供給され、同オイルはオイル出口管32からオイルホース13に排出される。また、冷却水ホース14から供給される冷却水は冷却水入口管41を通じて各冷却水室25に供給され、同冷却水は冷却水出口管42から冷却水ホース15に排出される。なお、図2において、オイルの流れを実線で表すとともに、冷却水の流れを破線で表している。
各オイル室24においては、図3に示すように、オイル入口管31からオイル室24に流入するオイルの流入方向及びオイル出口管32に流出するオイルの流出方向がオイル用整流部61によって規制される。具体的には、オイル入口管31からオイル室24に流入されるオイルは、オイル用仕切板62及び第1のオイル用指向板63によりオイルの流れが規制されることで、同オイル室24の周方向におけるオイル出口管32の反対側に流入するようになる。また、オイル室24からオイル出口管32に流出するオイルは、オイル用仕切板62及び第2のオイル用指向板64によりオイルの流れが規制されることで、同オイル室24の周方向におけるオイル入口管31の反対側から流出するようになる。このようにオイルの流入方向及び流出方向がオイル用整流部61によって規制されることにより、オイル入口管31からオイル出口管32に至るオイル室24でのオイルの流れが旋回流となる。なお、図3において、オイルの流速の大きさを矢印の長さによって表している。
また、各冷却水室25においては、図4に示すように、冷却水入口管41から冷却水室25に流入する冷却水の流入方向及び冷却水出口管42に流出する冷却水の流出方向が冷却水用整流部71によって規制される。そして、オイル用整流部61によるオイルの流れの規制と同様に、冷却水の流入方向及び流出方向が冷却水用整流部71によって規制されることにより、冷却水入口管41から冷却水出口管42に至る冷却水室25での冷却水の流れが旋回流となる。ここで、オイル入口管31とオイル出口管32との周方向に沿った位置関係と、冷却水入口管41と冷却水出口管42との周方向に沿った位置関係が逆であるため、オイルの旋回方向と冷却水の旋回方向とが逆方向になる。なお、図4において、冷却水室の流速の大きさを矢印の長さによって表している。
更に、各オイル室24の圧力は、上流(図5におけるの上段)側にあるオイル室24の方が下流(図5における下段)側にあるオイル室よりも高くなる。そして、各オイル室24は連通管33によって連通されているため、上段のオイル室24から中段及び下段の各オイル室24に連通管33を通じてオイルが流れるようになる。なお、図5において、オイルの流速の大きさを矢印の長さによって表している。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態によれば、オイル入口管31からオイル出口管32に至るオイル室24でのオイルの流れが旋回流となり、オイル室24に淀みが生じることが抑制される。このようにオイル室24に淀みが生じることが抑制されることで、オイルが流れる流域、換言すればオイルと冷却水との熱交換面積が増大するようになる。これにより、単位時間当りの熱交換量を増加させてオイルクーラ11の熱交換性能を向上させることができるようになる。また、淀みの発生が抑制されることで、オイル室24における実効的な流路断面積が増大して圧力損失が減少するようになるため、オイル室24を流れるオイルの流速(流量)を増大させることができ、単位時間当りの熱交換量を増加させてオイルクーラ11の熱交換性能を向上させることができるようになる。
(1)本実施形態によれば、オイル入口管31からオイル出口管32に至るオイル室24でのオイルの流れが旋回流となり、オイル室24に淀みが生じることが抑制される。このようにオイル室24に淀みが生じることが抑制されることで、オイルが流れる流域、換言すればオイルと冷却水との熱交換面積が増大するようになる。これにより、単位時間当りの熱交換量を増加させてオイルクーラ11の熱交換性能を向上させることができるようになる。また、淀みの発生が抑制されることで、オイル室24における実効的な流路断面積が増大して圧力損失が減少するようになるため、オイル室24を流れるオイルの流速(流量)を増大させることができ、単位時間当りの熱交換量を増加させてオイルクーラ11の熱交換性能を向上させることができるようになる。
(2)また、本実施形態によれば、冷却水室25における冷却水が旋回流となり、冷却水室25に淀みが生じることが抑制される。これにより、上記(1)と同様に、冷却水の流域(熱交換面積)を増大させるとともに、圧力損失を低減させて冷却水の流速(流量)を増大させることができ、単位時間当りの熱交換量を増加させてオイルクーラ11の熱交換性能をより向上させることができる。
(3)オイル入口管31とオイル出口管32との間の周方向に沿った位置関係と、冷却水入口管41と冷却水出口管42との間の周方向に沿った位置が逆になるようにしたため、オイルの旋回方向と冷却水の旋回方向とが逆方向になり、オイルと冷却水との相対速度が速くなる。このため、単位時間当たりに、第1及び第2プレート22,23を介して熱交換するオイル及び冷却水の流量を増大させ、単位時間当りの熱交換量をより増加させて熱交換性能をより向上させることができる。
また、オイルの旋回方向と冷却水の旋回方向とが互いに逆方向であるため、オイル入口管31付近の温度の高いオイルは、冷却水出口管42に近づき温度がやや高くなった冷却水との間で熱交換が行われ、オイル出口管32に近づき温度が低下したオイルは、冷却水入口管41付近の温度の十分に低い冷却水との間で熱交換が行われる。従って、オイル及び冷却水の流域の広範囲に亘ってオイルと冷却水との温度差を維持することができ、単位時間当りの熱交換量をより増加させて熱交換性能を一層向上させることができる。
(4)連通管33をオイル室24の中心よりもオイル入口管31及びオイル出口管32に近接し、これらとの間にオイル用整流部61を挟む位置、すなわち各オイル室24におけるオイル流の略旋回中心に設けた。
ここで、旋回流においては、その径方向外側に向かうほど流速が増大するものの、中心に向かうにつれて流速が減少するようになる。また、各オイル室24のうち下流側に位置するオイル室24ほどオイル入口管31からそのオイル室24に流入するオイルの圧力が低下するため、オイル入口管31からオイル室24に流入するオイルの量も減少するようになる。
この点、本実施形態では、オイル室24におけるオイル流の旋回中心に各オイル室24同士を連通する連通管33を設けているため、上流側に位置するオイルの圧力が高いオイル室24から下流側に位置するオイルの圧力が低いオイル室24へ同連通管33を通じてオイルが流れるようになり、下流側に位置するオイル室24でのオイルの流速が増大する。これにより、圧力損失の増大を防止して、オイルクーラ11の熱交換性能をより一層向上させることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、オイル用仕切板62、第1及び第2のオイル用指向板63,64を一体にしてオイル用整流部61を構成したが、これに限らない。例えば、図6(a)に示すように、これらオイル用仕切板62、第1及び第2のオイル用指向板63,64を各別の部材としてもよい。このように構成してもオイル室24におけるオイルの流れが旋回流となるため、上記実施形態の(1)に準じた作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、オイル用仕切板62、第1及び第2のオイル用指向板63,64を一体にしてオイル用整流部61を構成したが、これに限らない。例えば、図6(a)に示すように、これらオイル用仕切板62、第1及び第2のオイル用指向板63,64を各別の部材としてもよい。このように構成してもオイル室24におけるオイルの流れが旋回流となるため、上記実施形態の(1)に準じた作用効果を奏することができる。
また、例えば図6(b)に示すように、2枚のオイル用仕切板62を用い、各オイル用仕切板62と第1のオイル用指向板63及び第2のオイル用指向板64とをそれぞれ一体にしてオイル用整流部61を構成してもよい。このように構成しても上記実施形態の(1)に準じた作用効果を奏することができる。
同様に、冷却水用仕切板72と、第1及び第2の冷却水用指向板73,74を一体にして冷却水用整流部71を構成せずともよく、例えばこれを図6(a),(b)にて示す形状としてもよい。
・上記実施形態では、第1プレート22にのみ、各オイル室24同士を連通する連通管33を設けたが、これに限らず、第1プレート22に連通管33を設けるとともに、第2プレート23に各冷却水室25同士を連通する連通管を設けるようにしてもよい。また、第2プレート23にのみ、各冷却水室25同士を連通する連通管を設けるようにしてもよい。このように構成しても上記実施形態の(4)に準じた作用効果を奏することができる。また、第1及び第2プレート22,23の双方に連通管33を設けなくてもよい。
・上記実施形態では、オイルの旋回方向と冷却水の旋回方向とが互いに逆方向となるようにしたが、オイルの旋回方向と冷却水の旋回方向とが互いに同方向となるようにしてもよい。
・上記実施形態では、冷却水室25における冷却水の流れが旋回流となるようにしたが、これに限らず、例えば冷却水入口管41と冷却水出口管42とを隣接して配設せず、冷却水入口管41から冷却水出口管42に向かって冷却水が直線状に流れるようにしてもよい。
・上記実施形態では、オイルクーラ11は、自動変速機のオイルと内燃機関の冷却水との間で熱交換を行うようにしたが、これに限らず、内燃機関のオイルと冷却水との間で熱交換を行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、本発明をハウジングレス式のオイルクーラ11に適用したが、これに限らず、複数のプレートを積層することでオイル室のみを形成し、この積層されたプレートを冷却水が流通するハウジング内に収容した、いわゆるハウジング式のオイルクーラに適用してもよい。
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)請求項2〜4のいずれか一項に記載の熱交換器において、前記冷却水室が前記第2プレートの積層方向に複数形成されてなるものであり、前記各冷却水室における前記冷却水流の旋回中心には、前記各冷却水室同士を連通する連通管が設けられたことを特徴とする熱交換器。
(イ)請求項2〜4のいずれか一項に記載の熱交換器において、前記冷却水室が前記第2プレートの積層方向に複数形成されてなるものであり、前記各冷却水室における前記冷却水流の旋回中心には、前記各冷却水室同士を連通する連通管が設けられたことを特徴とする熱交換器。
旋回流においては、その径方向外側に向かうほど流速が増大するものの、中心に向かうにつれて流速が減少するようになる。また、各冷却水室のうち下流側に位置する冷却水室ほど冷却水入口管からその冷却水室に流入する冷却水の圧力が低下するため、冷却水入口管から冷却水室に流入する冷却水の量も減少するようになる。
上記構成によれば、冷却水室における冷却水流の旋回中心に各冷却水室同士を連通する連通管を設けているため、上流側に位置する冷却水の圧力が高い冷却水室から下流側に位置する冷却水の圧力が低い冷却水室へ同連通管を通じて冷却水が流れるようになり、下流側に位置する冷却水室での冷却水の流速が増大する。これにより、圧力損失の増大を防止して、熱交換器の熱交換性能をより一層向上させることができる。
11…オイルクーラ、12,13…オイルホース、14,15…冷却水ホース、21…ベース、22…第1プレート、23…第2プレート、24…オイル室、25…冷却水室、26…カバー、31…オイル入口管、32…オイル出口管、33…連通管、35,36,45,46,47…貫通孔、41…冷却水入口管、42…冷却水出口管、51,52…オイル用開口、53,54…冷却水用開口、61…オイル用整流部、62…オイル用仕切板、63…第1のオイル用指向板、64…第2のオイル用指向板、71…冷却水用整流部、72…冷却水用仕切板、73…第1の冷却水用指向板、74…第2の冷却水用指向板。
Claims (4)
- 複数の第1プレートを積層することにより区画形成される外形円形状のオイル室を流通するオイルと前記第1プレートに接触する冷却水との間で熱交換を行う熱交換器において、
前記オイル室の外周縁に設けられて該オイル室にオイルを供給するオイル入口管と、
前記オイル室の外周縁に前記オイル入口管と近接して設けられて前記オイル室からオイルを排出するオイル出口管と、
前記オイル入口管から前記オイル出口管に至る前記オイル室でのオイルの流れが旋回流となるように整流するためのオイル用整流部とを備え、
前記オイル用整流部は、前記オイル室の外周縁からその径方向に延びて前記オイル入口管と前記オイル出口管とを仕切るオイル用仕切板、前記オイル入口管から前記オイル室に流入するオイルの流れを同オイル室の周方向に指向させる第1のオイル用指向板、及び前記オイル室から前記オイル出口管に流出するオイルの流れを同オイル室の周方向に指向させる第2のオイル用指向板を含むことを特徴とする熱交換器。 - 請求項1に記載の熱交換器において、
前記各第1プレートの間に第2プレートが介在されることにより、前記オイル室と冷却水が流通する外形円形状の冷却水室とが交互に区画形成されるとともに、
前記冷却水室の外周縁に設けられて該冷却水室に冷却水を供給する冷却水入口管と、
前記冷却水室の外周縁に前記冷却水入口管と近接して設けられて前記冷却水室から冷却水を排出する冷却水出口管と、
前記冷却水入口管から前記冷却水出口管に至る前記冷却水室での冷却水の流れが旋回流となるように整流するための冷却水用整流部とを備え、
前記冷却水用整流部は、前記冷却水室の外周縁からその径方向に延びて前記冷却水入口管と前記冷却水出口管とを仕切る冷却水用仕切板、前記冷却水入口管から前記冷却水室に流入する冷却水の流れを同冷却水室の周方向に指向させる第1の冷却水用指向板、及び前記冷却水室から前記冷却水出口管に流出する冷却水の流れを同冷却水室の周方向に指向させる第2の冷却水用指向板を含むことを特徴とする熱交換器。 - 請求項2に記載の熱交換器において、
前記オイル入口管と前記オイル出口管、及び前記冷却水入口管と前記冷却水出口管は、前記オイルの旋回方向と前記冷却水の旋回方向とが互いに逆方向となるように前記オイル室及び前記冷却水室にそれぞれ設けられたことを特徴する熱交換器。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱交換器において、
前記オイル室が前記第1プレートの積層方向に複数形成されてなるものであり、
前記各第オイル室におけるオイル流の旋回中心には、前記各オイル室同士を連通する連通管が設けられたことを特徴とする熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009102030A JP2010249479A (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | 熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009102030A JP2010249479A (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | 熱交換器 |
Publications (1)
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JP2010249479A true JP2010249479A (ja) | 2010-11-04 |
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ID=43312013
Family Applications (1)
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JP2009102030A Pending JP2010249479A (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | 熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010249479A (ja) |
-
2009
- 2009-04-20 JP JP2009102030A patent/JP2010249479A/ja active Pending
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