JP2010249193A - チェーンテンショナ装置 - Google Patents
チェーンテンショナ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010249193A JP2010249193A JP2009097629A JP2009097629A JP2010249193A JP 2010249193 A JP2010249193 A JP 2010249193A JP 2009097629 A JP2009097629 A JP 2009097629A JP 2009097629 A JP2009097629 A JP 2009097629A JP 2010249193 A JP2010249193 A JP 2010249193A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- arm
- sub
- chain
- sub arm
- support shaft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
Abstract
【課題】メンテナンス等において、無端チェーンを簡便に取り外して交換作業を効率的に遂行すること。
【解決手段】第2支軸36bに揺動自在に軸支され、メインアーム34との接点から第2支軸36bまでの離間距離が、テンショナリフタ54との接点から第2支軸36bまでの離間距離よりも大きく設定されるサブアーム38を備え、前記サブアーム38には、前記テンショナリフタ54との接点から前記第2支軸36bまでの離間距離よりも大きく設定された離間位置に固定孔50が設けられ、前記固定孔50に固定ピン48を挿通し、前記固定ピン48の一端部がシリンダブロック14の係止用凹部52と係合することによって、前記サブアーム38がエンジン本体へ固定される。
【選択図】図3
【解決手段】第2支軸36bに揺動自在に軸支され、メインアーム34との接点から第2支軸36bまでの離間距離が、テンショナリフタ54との接点から第2支軸36bまでの離間距離よりも大きく設定されるサブアーム38を備え、前記サブアーム38には、前記テンショナリフタ54との接点から前記第2支軸36bまでの離間距離よりも大きく設定された離間位置に固定孔50が設けられ、前記固定孔50に固定ピン48を挿通し、前記固定ピン48の一端部がシリンダブロック14の係止用凹部52と係合することによって、前記サブアーム38がエンジン本体へ固定される。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば、車両のエンジン等に使用される無端チェーンに対して所定の張力を付与することが可能なチェーンテンショナ装置に関する。
例えば、自動車等の車両において、エンジンのクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するために、無端チェーンからなるタイミングチェーンが用いられている。このタイミングチェーンの緩み側にテンショナアームを当接させて所定の張力を付与することにより、前記タイミングチェーンの張力を調整するテンショナ装置が知られている。
この種のテンショナ装置に関し、例えば、特許文献1には、エンジン側のスライド面にスライド自在に支持されたブレードシュー(テンショナアーム)と、前記ブレードシューのチェーン摺動面と逆側に配設されたブレードスプリングとを備えたブレードテンショナにおいて、メンテナンス時にブレードシューをチェーンから離れた離反位置に固定するストッパ機構を設けることが開示されている。このストッパ機構は、エンジン側のスライド面に形成された切り欠きに対して着脱自在に装着され、ブレードシューに当接するストッパピンによって構成される。
ところで、長期間の使用によってチェーンの伸びが増大し前記チェーンのメンテナンスが必要となる場合があり、さらに、カムシャフト、ロッカアーム等のエンジンヘッド回りの部品のメンテナンスが必要となる場合がある。この場合、従前に使用していたチェーンを取り外して、新たなチェーンと交換するチェーン交換作業等が必要となる。
そこで、前記特許文献1に開示されたストッパ機構を用いてチェーン交換作業を行う場合、ストッパピンによって固定されるブレードシューが比較的長尺な部材で構成されているために、前記ブレードシューに撓みが発生して長尺なブレードシューを所定位置に固定する作業が煩雑となる。この結果、チェーンの交換作業を短時間で効率的に遂行することが困難となる。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、メンテナンス等において、無端チェーンを簡便に取り外して交換作業を効率的に遂行することが可能なチェーンテンショナ装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、駆動軸に設けられた駆動スプロケットと従動軸に設けられた従動スプロケットとに巻き掛けられた無端チェーンと、第1支軸に揺動自在に軸支され前記無端チェーンに摺接して所定の張力を付与するメインアームと、前記メインアームを前記無端チェーンに向けて付勢する付勢力を発生させるテンショナリフタと、第2支軸に揺動自在に軸支されて前記メインアームと前記テンショナリフタとの間に介在し、前記メインアームとの接点から前記第2支軸までの離間距離が、前記テンショナリフタとの接点から前記第2支軸までの離間距離よりも大きく設定されるサブアームとを備え、前記サブアームには、前記テンショナリフタとの接点から前記第2支軸までの離間距離よりも大きく設定された離間位置に設けられ、固定部材が挿通されることによって前記サブアームをエンジン本体へ固定可能な固定孔が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、サブアームとテンショナリフタとの接点から第2支軸の軸心までの離間距離(D2)に対し、サブアームとメインアームとの接点から第2支軸の軸心までの離間距離(D1)が大きく設定され(D1>D2)、このように設定されたサブアーム自体のレバー比(D1/D2)によってサブアームを小さな力で変位させることができ、チェーンの組付乃至交換作業やメンテナンス作業を簡便に且つ効率的に行うことができる。
また、本発明によれば、固定孔に挿通される固定部材を介してサブアームがエンジン本体に固定されることにより、同時に、テンショナリフタの付勢力を容易に規制することができる。すなわち、特許文献1に示されるように、ストッパピン等によってメインアームを固定すると、長尺物からなるメインアームに撓みが発生してチェーン交換作業に手間がかかり煩雑となるが、これに対して本発明では、メインアームと比較して小型軽量に形成されたサブアームを固定部材で固定することにより、固定作業を容易に遂行することができる。
さらに、本発明によれば、サブアームに形成された固定孔が、第2支軸の軸心からテンショナリフタとサブアームとの接点までの離間距離(D2)よりも大きい離間距離(D3)に設定され(D2<D3)、このように設定されたサブアームにおける固定孔とのレバー比(D3/D2)によって、固定部材に付与される荷重を低減することができ、前記固定部材の強度(例えば、外径の縮径、比較的軟質な材料の使用等)や固定孔の内径をできるだけ小さく設定することができる。
換言すると、サブアームの揺動中心に対するレバー比(D3/D2)に反比例してサブアームを固定する際に必要な荷重を小さくすることができるため、無端チェーンの組付乃至交換作業やメンテナンス作業における負荷を軽減することができる。この結果、本発明では、サブアームに固定孔を形成した場合であっても、前記固定孔の内径をできるだけ小さく設定することができるため、サブアームに対する剛性低下を抑制することができる。
また、本発明は、前記サブアームと前記メインアームとの接点と、前記サブアームと前記テンショナリフタとの接点と、前記第2支軸の軸心とを結ぶ仮想線が略三角形状に設定され、前記固定孔は、前記サブアームの各辺に囲繞される範囲内に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、サブアームとメインアームとの接点と、サブアームとテンショナリフタとの接点と、第2支軸の軸心とを結ぶ仮想線が略三角形状に設定され、テンショナリフタによる付勢力が前記サブアームの一辺に沿って伝達されることにより、前記付勢力をメインアームに対して効率的に伝達することができる。
また、本発明によれば、固定孔が、サブアームの各辺に囲繞される範囲内に設けられることにより、サブアームの大型化を抑制して、剛性の低下を抑制することができる。さらに、前記サブアームに、各辺に沿って延在するリブを設けることにより、サブアームの剛性の低下をより一層抑制することができる。
本発明によれば、メンテナンス等において、無端チェーンを簡便に取り外して交換作業を効率的に遂行することが可能なチェーンテンショナ装置が得られる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るチェーンテンショナ装置が組み込まれたエンジンからチェーンカバーを外した状態の一部省略正面図、図2は、図1の要部拡大図である。
図1に示されるように、車両用のエンジン10は、下部側から上部側に向かって、クランクケース12と、シリンダブロック14と、シリンダヘッド16と、ヘッドカバー18とを有し、これらが一体的に組み付けられて構成される。前記クランクケース12と前記シリンダブロック14との間には、クランクシャフト20が回転自在に軸支される。また、前記シリンダヘッド16と前記ヘッドカバー18との間には、インテークカムシャフト(吸気カムシャフト)22及びエキゾーストカムシャフト(排気カムシャフト)24が回転自在に軸支される。
なお、クランクケース12、シリンダブロック14、シリンダヘッド16及びヘッドカバー18は、エンジン本体として機能するものである。また、クランクシャフト20は、駆動軸として機能するものであり、インテークカムシャフト22及びエキゾーストカムシャフト24は、それぞれ従動軸として機能するものである。
前記クランクシャフト20の一端部には、駆動スプロケット26が前記クランクシャフト20と一体的に回転可能に連結される。また、前記インテークカムシャフト22及び前記エキゾーストカムシャフト24の一端部には、それぞれ、一対の従動スプロケット28a、28bが前記インテークカムシャフト22及び前記エキゾーストカムシャフト24と一体的に回転可能に連結される。
この場合、前記駆動スプロケット26と、一対の従動スプロケット28a、28bとの間には、それぞれ、無端チェーンからなるタイミングチェーン30が巻き掛けられる。
前記駆動スプロケット26と他方の従動スプロケット28bとの間であって、直線状に延在するタイミングチェーン30の張り側の弦には、前記タイミングチェーン30に摺接する第1固定用チェーンガイド32aが複数のボルトで固定される。また、一対の従動スプロケット28a、28b間であってタイミングチェーン30の近接部位には、前記タイミングチェーン30に摺接する第2固定用チェーンガイド32bが複数のボルトで固定される。
さらに、前記駆動スプロケット26と一方の従動スプロケット28aとの間であって、湾曲して延在するタイミングチェーン30の緩み側の弦には、前記タイミングチェーン30に摺接するメインアーム34が配設される。このメインアーム34は、所定の曲率半径で湾曲した長尺状からなり、例えば、樹脂製材料によって形成される。前記メインアーム34の上端部は、シリンダヘッド16に軸着された第1支軸36aによって揺動自在に軸支されると共に、前記メインアーム34の下端部側には、後記するサブアーム38に当接する凸部40が設けられる。
駆動スプロケット26の僅かに上方でメインアーム34の下端部側には、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属製材料によって形成されたサブアーム38が配設される。このサブアーム38は、略三角形(略直角三角形)状を呈し、その上端部には、メインアーム34の凸部40に当接して前記メインアーム34を押圧する第1当接部42aが設けられる。
また、サブアーム38の下端部で一方の角部には、後記するプランジャ60に当接する第2当接部42bが設けられ、他方の角部には、シリンダブロック14に軸着された第2支軸36bが設けられる。この場合、サブアーム38は、前記第2支軸36bを揺動中心として揺動自在に軸支される。
図3(a)は、サブアームの固定孔に対して固定ピンが挿入される前の状態を示す一部切り欠き斜視図、図3(b)は、前記固定孔に対して固定ピンが挿入された状態を示す一部切り欠き斜視図、図4は、メインアーム、サブアーム及びテンショナリフタ間の接点の位置関係、及び固定孔の位置関係を示す一部省略正面図、図5は、図4のV−V線に沿った縦断面図である。
サブアーム38の表裏両面には、図2、図3及び図5に示されるように、複数の肉抜き用凹部44が形成されると共に、略三角形状の各辺に沿って延在するリブ46が設けられる。複数の肉抜き用凹部44が形成されることにより、サブアーム38の軽量化に寄与することができる。また、略三角形状の各辺に沿って延在するリブ46が設けられることにより、後記する固定孔50が形成された場合であっても、サブアーム38の剛性低下を抑制することができる。
サブアーム38の第1当接部42aの近接部位には、図3に示されるように、表裏を貫通する固定孔50が形成され、例えば、メンテナンス時等において、前記固定孔50に対して略円柱状の固定ピン(固定部材)48が挿入されることにより、前記サブアーム38をシリンダブロック14の所定位置に固定することができる。この点については、後記する。
前記固定孔50に近接するシリンダブロック14の壁面には、固定ピン48の外径に対応する略円形状の係止用凹部52が形成され(図3(a)参照)、前記固定孔50を貫通した固定ピン48の一端部が前記係止用凹部52内に挿入されて係止される(図3(b)参照)。
サブアーム38の下部側には、第2当接部42bに当接して前記サブアーム38を押圧することにより、メインアーム34をタイミングチェーン30に向けて付勢する付勢力を発生させるテンショナリフタ54が配設される。このテンショナリフタ54は、サブアーム38を介してメインアーム34をタイミングチェーン30に押し付けることにより、前記タイミングチェーン30の緩みを防止して所定の張力を付与するものである。
このテンショナリフタ54は、例えば、油圧式からなり、複数のボルトによってクランクケース12に固定される。テンショナリフタ54は、図2に示されるように、テンショナハウジング56と、前記テンショナハウジング56に形成された摺動孔58に沿って摺動可能に設けられた有底円筒状のプランジャ60と、ばね力によって前記プランジャ60がテンショナハウジング56から突出する方向に押圧するコイルスプリング62と、前記摺動孔58内に作動油を供給するチェックバルブ64と、前記摺動孔58に連通する排出孔66から作動油を排出するリリーフバルブ68とを備える。
チェックバルブ64は、ばね部材70のばね力によって着座部に着座するボール72を有し、図示しないオイルポンプから油路74を介して供給された作動油が前記ボール72を押圧して着座部から離間させることにより、摺動孔58内に作動油が充填される。
この場合、図4に示されるように、サブアーム38とメインアーム34との接点S1(第1当接部42aと凸部40との接触点S1)から第2支軸36bの軸心Oまでの離間距離D1は、サブアーム38とテンショナリフタ54との接点S2(第2当接部42bとプランジャ60との接触点S2)から第2支軸36bの軸心Oまでの離間距離D2よりも大きく設定される(D1>D2)。
また、サブアーム38に形成された固定孔50(中心点)は、前記第2支軸36bの軸心Oから前記テンショナリフタ54とサブアーム38との接点S2までの離間距離D2よりも大きい離間距離D3に設定された離間位置に設けられ(D2<D3)、固定ピン48が前記固定孔50に挿通されることによって前記サブアーム38をシリンダブロック14(エンジン本体)へ固定することができる。
さらに、サブアーム38とメインアーム34との接点S1と、サブアーム38とテンショナリフタ54との接点S2と、第2支軸36bの軸心Oとを結ぶ仮想線Tは、図2に示されるように、略三角形状に設定される。さらにまた、サブアーム38に形成された固定孔50は、サブアーム38の各辺に囲繞される範囲内に設けられる。
本実施形態に係るチェーンテンショナ装置が組み込まれたエンジン10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
エンジン10の回転駆動に伴って、駆動スプロケット26及び一対の従動スプロケット28a、28bに巻き掛けられたタイミングチェーン30が回転する。その際、クランクシャフト20の回転速度の変動等に起因してタイミングチェーン30の張力が変動すると、動力伝達性能が低下すると共に、タイミングチェーン30の耐久性が劣化するおそれがある。
そこで、駆動スプロケット26及び一対の従動スプロケット28a、28bに懸架されたタイミングチェーン30の緩み側の弦の張力が減少し、タイミングチェーン30に対するメインアーム34の接触面圧が低下すると、コイルスプリング62のばね力の作用によってプランジャ60がサブアーム38を押圧する方向(図2の矢印X1方向)に変位する。同時に、油路74を介して供給された高圧の作動油がボール72を押圧して着座部から離間させることによりチェックバルブ64が弁開状態となって、前記作動油が摺動孔58に充填される。前記摺動孔58に充填された作動油によってプランジャ60が外部に突出する方向に押圧される。
従って、前記テンショナリフタ54のプランジャ60によって押圧されたサブアーム38は、第2支軸36bの軸心Oを揺動中心として時計回り方向に所定角度だけ揺動し(図2の二点鎖線参照)、さらに、前記サブアーム38の押圧力がメインアーム34に伝達されることにより、メインアーム34は、第1支軸36aを揺動中心として反時計回り方向に所定角度だけ揺動する(図2の二点鎖線参照)。
この結果、メインアーム34は、第1支軸36aを揺動中心として反時計回り方向に沿って所定角度だけ揺動することにより、タイミングチェーン30の緩み側の弦を押圧し前記タイミングチェーン30の張力を増大させることができる。
前記とは反対に、駆動スプロケット26及び一対の従動スプロケット28a、28bに懸架されたタイミングチェーン30の緩み側の弦の張力が増大すると、タイミングチェーン30からメインアーム34及びサブアーム38側に付与される荷重によってプランジャ60が縮退する方向(図2の矢印X2方向)に変位し、摺動孔58に充填された作動油の内圧が上昇することによりボール72が着座部に着座してチェックバルブ64が弁閉状態となる。その際、リリーフバルブ68が弁開状態となって排出孔66を介して作動油が排出される。
このように、タイミングチェーン30の張力の増減に対応してテンショナリフタ54のプランジャ60が摺動孔58に沿って進退動作することにより、タイミングチェーン30の張力を安定させることができ、これによって動力伝達性能の低下を防止すると共に、タイミングチェーン30の耐久性の劣化を阻止することができる。
なお、本実施形態では、図4に示されるように、サブアーム38とテンショナリフタ54との接点S2(第2当接部42bとプランジャ60との接触点S2)から第2支軸36bの軸心Oまでの離間距離D2に対し、サブアーム38とメインアーム34との接点S1(第1当接部42aと凸部40との接触点S1)から第2支軸36bの軸心Oまでの離間距離D1が大きく設定され(D1>D2)、各接点間におけるサブアーム38のレバー比(D1/D2)が上記のように設定されることにより、サブアーム38は、テンショナリフタ54のプランジャ60の進退動作(伸縮動作)を増幅(増大)させてメインアーム34に伝達することができる。
前記とは逆に、例えば、タイミングチェーン30にバタつき等が発生した場合、メインアーム34から伝達される入力荷重をサブアーム38で収縮させることができ、テンショナリフタ54の良好な追従性を得ることができる。
ところで、長期間の使用によってタイミングチェーン30の伸びが増大し前記タイミングチェーン30のメンテナンスが必要となる場合があり、さらに、インテークカムシャフト22、エキゾーストカムシャフト24、ロッカアーム等のエンジンヘッド回りの部品のメンテナンスが必要となる場合がある。この場合、従前に使用していたタイミングチェーン30を取り外して、新たなタイミングチェーン30と交換するチェーン交換作業等が必要となる。
図6(a)〜(c)は、チェーン交換作業の手順を示す説明図である。
先ず、図6(a)に示されるように、作業者は、メインアーム34をタイミングチェーン30から離間する方向に僅かに揺動させて、サブアーム38に形成された固定孔50とシリンダブロック14の壁面に形成された係止用凹部52との軸心の位置合わせを行う。
先ず、図6(a)に示されるように、作業者は、メインアーム34をタイミングチェーン30から離間する方向に僅かに揺動させて、サブアーム38に形成された固定孔50とシリンダブロック14の壁面に形成された係止用凹部52との軸心の位置合わせを行う。
すなわち、固定孔50と係止用凹部52との軸心同士の位置合わせを行う際、本実施形態では、図4に示されるように、サブアーム38とテンショナリフタ54との接点S2(第2当接部42bとプランジャ60との接触点S2)から第2支軸36bの軸心Oまでの離間距離D2に対し、サブアーム38とメインアーム34との接点S1(第1当接部42aと凸部40との接触点S1)から第2支軸36bの軸心Oまでの離間距離D1が大きく設定され(D1>D2)、メインアーム34の凸部40でサブアーム38の第1当接部42aを押圧することにより、このように設定されたサブアーム38自体のレバー比(D1/D2)によってサブアーム38を小さな力で変位させることができ、簡便に位置合わせを行うことができる。
図6(b)に示されるように、固定孔50と係止用凹部52とが同軸に位置合わせされた状態において、作業者は、サブアーム38の固定孔50に対して固定ピン48を挿入して前記サブアーム38をシリンダブロック14の所定位置に固定する。挿入された固定ピン48は、前記固定ピン48の一端部が係止用凹部52内に到達して係止される。
本実施形態では、固定ピン48でサブアーム38が固定されることにより、同時に、テンショナリフタ54のプランジャ60の変位を容易に規制することができる。すなわち、特許文献1に示されるように、ストッパピン等によってメインアーム34を固定すると、長尺物からなるメインアーム34に撓みが発生して、固定孔50と係止用凹部52との位置合わせに手間がかかり煩雑となるが、これに対して本実施形態では、メインアーム34と比較して小型軽量に形成されたサブアーム38を固定ピン48で固定することにより、固定作業を容易に遂行することができる。
サブアーム38が固定ピン48によって固定されることより、メインアーム34は、タイミングチェーン30から離間してフリー状態となる。従って、タイミングチェーン30に対して何ら荷重が付与されていない状態となり、作業者は、図6(c)に示されるように、従前使用していたタイミングチェーン30を外して、新たなタイミングチェーン30と簡便に交換することができる。
このように、本実施形態では、メンテナンス等において、タイミングチェーン30を簡便に取り外して、タイミングチェーン30の交換作業を容易に遂行することができる。
また、本実施形態では、サブアーム38に形成された固定孔50(中心点)が、前記第2支軸36bの軸心Oから前記テンショナリフタ54とサブアーム38との接点S2までの離間距離D2よりも大きい離間距離D3に設定され(D2<D3)、このように設定されたサブアーム38における固定孔50とのレバー比(D3/D2)によって、固定ピン48に付与される荷重を低減することができ、前記固定ピン48の強度(外径の縮径、比較的軟質な材料の使用等)や固定孔50の内径をできるだけ小さく設定することができる。
換言すると、サブアーム38の揺動中心(軸心O)に対するレバー比(D3/D2)に反比例してサブアーム38を固定する際に必要な荷重を小さくすることができるため、タイミングチェーン30の組付乃至交換作業やメンテナンス作業における負荷を軽減することができる。
この結果、本実施形態では、サブアーム38に固定孔50を形成した場合であっても、前記固定孔50の内径をできるだけ小さく設定することができるため、サブアーム38に対する剛性低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、サブアーム38とメインアーム34との接点S1と、サブアーム38とテンショナリフタ54との接点S2と、前記第2支軸36bの軸心Oとを結ぶ仮想線Tが略三角形状に設定され、テンショナリフタ54のプランジャ60による付勢力が前記サブアーム38の一辺に沿って伝達されることにより、前記付勢力をメインアーム34に対して効率的に伝達することができる。
さらにまた、従来では、例えば、タイミングチェーン30を組み付けるときにテンショナリフタ54のプランジャ60の不要な伸張を規制するために、前記プランジャ60の外周面にラック部(図示せず)を設けると共に、前記プランジャ60の先端部が当接する部位にプレート(図示せず)を設ける場合があるが、本実施形態では、このようなラック部及びプレートを不要として部品点数を削減し、製造コストを低減することができる。
またさらに、従来では、例えば、テンショナリフタ54のプランジャ60の前進(伸張)のみを許容して前記プランジャ60の後退(収縮)を阻止する周知のノーバック機構(図示せず)を設ける場合があるが、本実施形態では、このようなノーバック機構が不要になると共に、テンショナリフタ54を取り外すことがなく固定されたそのままの状態でタイミングチェーン30の交換作業を遂行することができる。
またさらに、本実施形態では、例えば、メインアーム34を樹脂製材料で形成し、サブアーム38をアルミニウム等の軽金属製材料で形成することにより、サブアーム38を固定するための固定孔50を形成した場合であっても、サブアーム38に対する剛性低下を抑制することができる。その際、本実施形態では、サブフレーム38の各辺に沿って延在するリブ46(図5参照)を設けることにより、前記リブ46との共働作用で剛性低下をより一層抑制することができる。
加えて、固定ピン48の固定孔50からの脱落を防止するために、前記固定孔50に挿入される前記固定ピン48の外径を前記固定ピン48の軸方向に沿って徐々に拡径するように形成して前記固定孔50に押し込むようにしてもよいし、又は前記固定ピン48とサブアーム38若しくはエンジン本体(シリンダブロック14)との間に係止する機構を設けてもよい。
10 エンジン
12 クランクケース(エンジン本体)
14 シリンダブロック(エンジン本体)
16 シリンダヘッド(エンジン本体)
18 ヘッドカバー(エンジン本体)
20 クランクシャフト(駆動軸)
22、24 カムシャフト(従動軸)
26 駆動スプロケット
28a、28b 従動スプロケット
30 タイミングチェーン(無端チェーン)
34 メインアーム
36a 第1支軸
36b 第2支軸
38 サブアーム
46 リブ
48 固定ピン(固定部材)
50 固定孔
52 係止用凹部
54 テンショナリフタ
S1、S2 接点
O 軸心
T 仮想線
12 クランクケース(エンジン本体)
14 シリンダブロック(エンジン本体)
16 シリンダヘッド(エンジン本体)
18 ヘッドカバー(エンジン本体)
20 クランクシャフト(駆動軸)
22、24 カムシャフト(従動軸)
26 駆動スプロケット
28a、28b 従動スプロケット
30 タイミングチェーン(無端チェーン)
34 メインアーム
36a 第1支軸
36b 第2支軸
38 サブアーム
46 リブ
48 固定ピン(固定部材)
50 固定孔
52 係止用凹部
54 テンショナリフタ
S1、S2 接点
O 軸心
T 仮想線
Claims (3)
- 駆動軸に設けられた駆動スプロケットと従動軸に設けられた従動スプロケットとに巻き掛けられた無端チェーンと、
第1支軸に揺動自在に軸支され前記無端チェーンに摺接して所定の張力を付与するメインアームと、
前記メインアームを前記無端チェーンに向けて付勢する付勢力を発生させるテンショナリフタと、
第2支軸に揺動自在に軸支されて前記メインアームと前記テンショナリフタとの間に介在し、前記メインアームとの接点から前記第2支軸までの離間距離が、前記テンショナリフタとの接点から前記第2支軸までの離間距離よりも大きく設定されるサブアームと、
を備え、
前記サブアームには、前記テンショナリフタとの接点から前記第2支軸までの離間距離よりも大きく設定された離間位置に設けられ、固定部材が挿通されることによって前記サブアームをエンジン本体へ固定可能な固定孔が設けられることを特徴とするチェーンテンショナ装置。 - 請求項1記載のチェーンテンショナ装置において、
前記サブアームと前記メインアームとの接点と、前記サブアームと前記テンショナリフタとの接点と、前記第2支軸の軸心とを結ぶ仮想線が略三角形状に設定され、
前記固定孔は、前記サブアームの各辺に囲繞される範囲内に設けられることを特徴とするチェーンテンショナ装置。 - 請求項2記載のチェーンテンショナ装置において、
前記サブアームには、各辺に沿って延在するリブが設けられることを特徴とするチェーンテンショナ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009097629A JP2010249193A (ja) | 2009-04-14 | 2009-04-14 | チェーンテンショナ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009097629A JP2010249193A (ja) | 2009-04-14 | 2009-04-14 | チェーンテンショナ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010249193A true JP2010249193A (ja) | 2010-11-04 |
Family
ID=43311758
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009097629A Pending JP2010249193A (ja) | 2009-04-14 | 2009-04-14 | チェーンテンショナ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010249193A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20090258737A1 (en) * | 2008-04-14 | 2009-10-15 | Honda Motor Co., Ltd. | Chain tensioner device |
-
2009
- 2009-04-14 JP JP2009097629A patent/JP2010249193A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20090258737A1 (en) * | 2008-04-14 | 2009-10-15 | Honda Motor Co., Ltd. | Chain tensioner device |
US8137225B2 (en) * | 2008-04-14 | 2012-03-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Chain tensioner device |
US8771118B2 (en) | 2008-04-14 | 2014-07-08 | Honda Motor Co., Ltd. | Chain tensioner device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101647418B1 (ko) | 체인 텐셔너 | |
KR101618163B1 (ko) | 체인 텐셔너 | |
JP5205070B2 (ja) | 無端伝動帯用テンショナ | |
JP5080299B2 (ja) | 無端伝動帯用テンショナ | |
JP5905665B2 (ja) | ロッカーアーム装置 | |
JP2010091055A (ja) | チェーンテンショナ | |
EP2340379B1 (en) | Tensioning device | |
CN108799426B (zh) | 链条张紧装置 | |
JP3415612B1 (ja) | チェーン張力付与装置 | |
JP2006342962A (ja) | チェーンテンショナ | |
JP2009275911A (ja) | チェーンテンショナ装置 | |
JP2007092668A (ja) | アーム式動弁装置 | |
EP2300734B1 (en) | Tensioning device | |
JP3580424B2 (ja) | 油圧式テンショナ | |
JP2010249193A (ja) | チェーンテンショナ装置 | |
US6059678A (en) | Rachet tensioner | |
US10746061B1 (en) | Hydraulic type scissors gear | |
JP2005133829A (ja) | 油圧式テンショナ | |
JP5039503B2 (ja) | 動弁装置の潤滑構造 | |
TW201250141A (en) | Tension-applying member, tension-applying-member assembly, engine, and saddle-type vehicle | |
JP5285341B2 (ja) | テンショニング装置 | |
JP4017427B2 (ja) | 油圧式テンショナリフタ | |
JP2019011742A (ja) | エンジンの潤滑油供給機構 | |
JP2007211615A (ja) | 内燃機関の動弁装置 | |
TWI541430B (zh) | Single cylinder SOHC engine and single cylinder SOHC engine with swing arm |