JP2010247192A - 圧延機における形状制御方法及び制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧延機における形状制御に用いられる、VCロールやロールベンダー等を制御する油圧装置の操作量が上限または下限となった場合にあっても、形状制御精度の悪化を有利に抑制することが可能な、形状制御方法を提供すること。
【解決手段】ワークロールベンダー7やVCロール8を制御する油圧装置の操作量が上限または下限となった時点で、クーラント装置6a,6bからワークロール4a,4bに供給されるクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくとも前記クーラント装置の応答時間以上の時間間隔で一定量だけ減少/増加させて、前記油圧装置の操作量の上下限の状態が解消されるまで、クーラント流量の減少または増加を継続するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧延機における形状制御方法及び制御装置に係り、特に、形状制御に用いるVCロールやロールベンダー等の操作量が上限または下限となった場合にあっても、形状制御精度の悪化を抑制するための、形状制御技術に関するものである。
従来より、上下の圧延ロール間に被圧延材を通して圧延する圧延機において、かかる被圧延材の圧延形状を良好に制御することは、製品品質を確保するのみならず、板の破断などの操業トラブルを防止するためにも、極めて重要となっている。そして、そのような被圧延材の形状制御は、一般に、圧延機に設置された、VCロールやロールベンダー等の圧延ロールのプロフィルを制御するための油圧力を調節する油圧装置と、圧延ロールに供給されるクーラント流量を調節するクーラント装置とを用いて、行われているのである。
しかしながら、それらの装置を用いて行う被圧延材の形状制御にあっては、一方の制御装置の操作量が上下限に達すると、他方の制御装置のみでの形状制御となり、被圧延材の圧延形状の制御精度が悪化してしまうといった問題を内在するものであった。例えば、圧延ロールを制御する油圧装置の操作量が、上限或いは下限となると、前記油圧装置による圧延形状制御が不可能となってしまい、その場合の被圧延材の形状制御は、クーラント装置による制御のみとなってしまうため、板形状を目標形状に制御することが困難となるのである。そこで、このような問題に対処するために、従来より各種の方法が、提案されてきている。
例えば、特公平6−98368号公報(特許文献1)においては、クーラント流量に対するロールクラウン変化の大きい、即ち、クーラントの影響係数が大きく、許容される最小クーラント流量より大きい領域をクーラント制御範囲として、このクーラント制御範囲内で、ワークロールベンダー制御と中間ロールベンダー制御を行う冷間圧延機のロールに供給するクーラント流量を制御して、被圧延材の形状制御を行うようにした冷間圧延機の形状制御方法が明らかにされている。
また、特許第2749337号公報(特許文献2)では、サイズ、材質等の種類の異なる被圧延材を、クーラントの流量調整を含む自動形状制御を実行しながら連続圧延する際に、被圧延材の種類の変化する箇所が圧延機に入る前に、該箇所が圧延機に入ったときの圧延機の設定値、即ち、ワークロールベンダ等の設定値を事前に算出し、かかる事前に算出された圧延機の設定値が、該圧延機の動作範囲を超えるか否かを判定し、圧延機の設定値が該圧延機の動作範囲を超えるときには、該設定値が前記動作範囲内に収まるように、該設定値への変更より前に前記クーラント流量の変更を開始する圧延材の連続形状制御圧延方法が、明らかにされている。
一方、特許第2720542号公報(特許文献3)にあっては、被圧延材の幅方向に定めた複数の各ゾーンで幅方向の張力分布を検出して、かかる検出値から板形状の低次成分及び高次成分を抽出し、これに基づいて目標とする板形状を得るべく、ロールシフター等の低次成分制御アクチュエータやワークロールベンダ等の高次成分制御用アクチュエータを制御する際に、高次成分制御用アクチュエータの出力が飽和状態に達したときは、前記各ゾーンの形状検出値に予め求めた低次単独成分抽出因数を乗じ、その総和を求めて低次成分及び高次成分に代わる板形状の低次単独成分を抽出し、これに基づいて低次成分制御用アクチュエータを制御する圧延機の平坦度制御方法が、明らかにされている。
さらに、特許第4090083号公報(特許文献4)には、ベンダ、VCロール等の応答の速いアクチュエータと、クーラント等の応答の遅いアクチュエータをそれぞれグループ分けし、各グループでアクチュエータの制御を行う制御器の何れかの操作量が飽和した場合に、被圧延材の形状と目標形状との偏差を、それぞれのグループに対して配分する形状偏差の各装置への配分比を変化させて、飽和状態を回避する圧延機の形状制御装置が、明らかにされている。
更にまた、特開昭63−177910号公報(特許文献5)では、ワークロールベンダー力及び中間ロールベンダー力のうちの一方が操作限界に達したとき、板中央部および板端部の形状が目標形状となるように、他方のロールベンダー力の制御系のゲインを修正して、この他方のロールベンダー力のみを調節すると共に、板中央部および板端部以外の形状が目標形状となるように、ロールクーラント供給量のロール軸方向分布を調節して、板形状を制御する板圧延における形状制御方法が、明らかにされている。また、これと類似の方法として、特公平7−24849号公報(特許文献6)には、ワークロールベンダー及び中間ロールベンダーのベンディング力、中間ロールのロール軸方向シフト量並びにロールクーラントのロール軸方向流量分布を調節して板形状を制御する方法において、前記ロールベンダーの一つが操作限界にあるときは、板側端近傍および板中央がフラットあるいは両部分の板波の高さが実質的に等しくなるように、中間ロールシフト量を修正すると共に、板幅クォーター部周辺がフラットとなるように、クーラント流量分布を修正する板圧延における形状制御方法が、明らかにされている。
このように、各種の手法が提案されているのではあるが、圧延ロールを制御する油圧装置の操作量が上限或いは下限となり、被圧延材の形状制御がクーラント装置による制御のみとなった場合に、早期に形状制御精度を回復する方法としては、何れも、充分な効果を発揮するものではなかったのであった。
例えば、特許文献1や特許文献2にて明らかにされている制御方法にあっては、ワークロールベンダー等の油圧装置を制御する設定値に飽和が生じないように、予めクーラントの流量を変更するものであり、実際の油圧装置の飽和状態を検出して対処するものではないため、実際に圧延を行う際においては、予め想定した状況との誤差が生じると、結果として、油圧装置の飽和状態を回避出来ないといった問題が発生する恐れがあった。
また、特許文献3の制御方法にあっては、クーラント装置等の高次成分制御用アクチュエータへの制御出力が飽和した場合の、ロールシフター等の低次成分制御アクチュエータへの対策、即ち、圧延ロールを制御する油圧装置への対策であり、前述したような、圧延ロールを制御する油圧装置の操作量が上限或いは下限となった場合に、有効な対策ではないのである。
さらに、特許文献4にて明らかにされている圧延機の形状制御装置では、グループ分けされたアクチュエータの操作量が飽和した場合に、各アクチュエータに配分される被圧延材の形状と目標形状との形状偏差の配分比を変更するとのことであるが、例えば、ベンダやVCロール等を制御する油圧装置が上限方向に飽和した場合に、かかる油圧装置の飽和状態を回復させるためには、ロールの熱クラウンを成長させる必要があるが、単純に形状偏差の各アクチュエータへの配分を変更するだけでは、ロールの熱クラウン成長に時間を要してしまい、アクチュエータの飽和状態を回復させるための効果が不十分となる可能性があった。
さらに、特許文献5や特許文献6にて明らかにされている形状制御方法にあっては、ワークロールベンダーや中間ロールベンダーが操作限界となった場合に、クーラント流量分布を修正するものであるが、形状制御に使用するクーラント流量の総量を積極的に増加、或いは減少するものではないため、特許文献4のものと同様に、ロールの熱クラウンコントロールに時間を要してしまい、その効果が不十分となるものであった。
特公平6−98368号公報 特許第2749337号公報 特許第2720542号公報 特許第4090083号公報 特開昭63−177910号公報 特公平7−24849号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、圧延機において形状制御に用いられる、VCロールやロールベンダー等を制御する油圧装置の操作量が、上限または下限となった場合にあっても、形状制御精度の悪化を有利に抑制することが可能な、圧延機における形状制御方法及びそのための装置を提供することにある。
そして、本発明にあっては、かくの如き課題の解決のために、被圧延材の形状制御を行うために、圧延ロールのプロフィルを制御する油圧装置と、圧延ロールにクーラントを供給するクーラント装置とを備えた圧延機において、該被圧延材を形状制御するに際して、かかる形状制御中に前記油圧装置の操作量が上限となった時点で、前記クーラント装置のクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくとも前記クーラント装置の応答時間以上の時間間隔で一定量だけ減少させ、又は該形状制御中に前記油圧装置の操作量が下限となった時点で、前記クーラント装置のクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくとも前記クーラント装置の応答時間以上の時間間隔で一定量だけ増加させ、そしてその後、前記油圧装置の操作量の上限または下限の状態が解消されるまで、前記クーラント流量の減少または増加を継続することを特徴とする圧延機における形状制御方法を、その要旨とするものである。
これにより、形状制御中に圧延ロールのプロフィルを制御する油圧装置の操作量が上限または下限となった時点で、クーラント装置のクーラント流量を、形状制御に実用上支障のないように予め定めた範囲内において減少または増加させることにより、ロールの熱クラウンを積極的に変化させて、かかる油圧装置の操作量を上下限状態から早期に回復させることが可能となる。
また、本発明にあっては、被圧延材の形状制御を行うために、圧延ロールのプロフィルを制御する油圧装置と、圧延ロールにクーラントを供給するクーラント装置とを備えた圧延機において、形状制御中に前記油圧装置の操作量が上限または下限となったことを判定する判定手段と、該判定手段によって前記油圧装置の操作量が上限となったと判断された時点で、前記クーラント装置のクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくとも前記クーラント装置の応答時間以上の時間間隔で一定量だけ減少させる一方、前記操作量が下限と判断された時点で、前記クーラント装置のクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくとも前記クーラント装置の応答時間以上の時間間隔で一定量だけ増加させるクーラント流量減少/増加手段と、前記油圧装置の操作量の上限または下限状態が解消されるまで、前記クーラント流量の減少または増加を継続する継続手段とを設けたことを特徴とする圧延機における形状制御装置をも、その要旨としている。
これにより、圧延ロールのプロフィルを制御する油圧装置が上限または下限となったと判断された時点において、クーラント装置から圧延ロールに供給されるクーラント流量を、被圧延材の形状制御に実用上支障のないように予め定めた範囲内において、継続的に変更させることで、前記油圧装置の操作量を上下限状態から早期に回復させることが可能となる。
従って、このような本発明に従う圧延機における形状制御方式によれば、被圧延材の形状制御に用いるVCロールやロールベンダー等の油圧装置の操作量が、上限または下限となった場合にあっても、圧延ロールに供給するクーラント流量を適切に調節することで、前記油圧装置の操作量を、上下限状態から早期に回復させることが出来、その結果、かかる油圧装置の飽和による形状制御精度の悪化を、効果的に抑制することが可能となるのである。
本発明に従う形状制御装置の一例を概略的に示すブロック図である。 本発明の効果を実験により検証した結果を示すグラフであって、(a)は、VCロールを制御する油圧装置のVC圧力の推移を示し、(b)は、被圧延材の目標形状との形状偏差の推移を示し、(c)は、クーラント装置から圧延ロールに供給されるクーラント量を示している。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う圧延機における形状制御方法を採用した圧延工程の一実施形態が、一般的な4段圧延機を例にとって、概略的に示されている。そこにおいて、被圧延材1は、圧延機3によって目的の厚さまで圧延された後に、コイル2として巻き取られるようになっている。ここで、圧延機3は、上下のワークロール4a,4bと上下のバックアップロール5a,5bとから構成された、一般的なシングルスタンド形式の4段圧延機であって、被圧延材の形状制御手段として、上下ワークロール4a,4bに対してそれぞれクーラントを供給するクーラント装置6a,6bを備えていると共に、ワークロールのプロフィルを調節する油圧装置として、ワークロールベンダー7と下バックアップロール5bとして構成されるVCロール8とを備えている。
また、そのような圧延機3を、本発明に従う形状制御方法を用いて制御する制御装置9は、形状制御中にワークロールベンダー7やVCロール8の油圧装置の操作量が上限または下限となったことを判定する判定手段10と、かかる判定手段10によって前記油圧装置の操作量が上限となったと判断された時点で、クーラント装置6a,6bのクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくともクーラント装置6a,6bの応答時間以上の時間間隔で一定量だけ減少させ、前記操作量が下限と判断された時点で、クーラント装置6a,6bのクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくともクーラント装置6a,6bの応答時間以上の時間間隔で一定量だけ増加させるクーラント流量減少/増加手段11と、前記油圧装置の操作量の上限または下限状態が解消されるまで、前記クーラント流量の減少または増加を継続する継続手段12とから、構成されている。
ここで、かかる圧延機3における被圧延材1の圧延は、以下のようにして行われることとなる。即ち、先ず、被圧延材1の形状制御中に、上下ワークロール4a,4bのプロフィルを制御するワークロールベンダー7やVCロール8の油圧装置において、どちらか一方或いは両方の操作量が、油圧装置が機械的に備えている能力の全部を使用した状態、或いはその能力の最低となる状態の操作量となると、判定手段10によって、前記油圧装置の操作量が上限または下限となったと判定される。なお、かかる油圧装置の操作量の上限または下限の判定は、実際の操作限界となった場合だけでなく、例えば上限の90%或いは下限の90%等の多少の余裕をもった範囲の操作量にて、判定するようにしてもよい。
そして、そのように判定手段10にて油圧装置の操作量が上限または下限となったと判断された時点で、クーラント流量減少/増加手段11によって、クーラント装置6a,6bからワークロール4a,4bに供給されるクーラント流量の減少または増加が実行されることとなる。即ち、かかる判定手段10にて油圧装置の操作量が上限となったと判断されると、クーラント装置6a,6bから供給されるクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくともクーラント装置6a,6bの応答時間以上の時間間隔で、一定量だけ減少させる一方、前記操作量が下限と判断されると、前記クーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくとも前記クーラント装置の応答時間以上の時間間隔で、一定量だけ増加させるように、クーラント流量減少/増加手段11からクーラント装置6a,6bに対しての制御が実行されるのである。
その後、前記油圧装置の操作量の上限或いは下限状態が解消されたと判断されるまで、継続手段12によって、かかるクーラント流量の減少または増加した状態を、クーラント流量減少/増加手段11に対して継続するように指示が行われて、被圧延材1の圧延が行われることとなる。
このように、本発明に従う圧延機における形状制御方法を採用した圧延機3によれば、被圧延材1の形状制御に用いるVCロール8やワークロールベンダー7の油圧装置の操作量が上限または下限となった場合において、ワークロール4a,4bに対して供給するクーラントの流量を、クーラント装置6a,6bの応答時間以上の時間間隔で、一定量だけ減少または増加させるという制御を、前記油圧装置の上下限状態が解消されるまで継続して行い、ワークロール4a,4bの熱クラウンのコントロールを積極的に行うようにしているところから、かかる形状制御に用いる油圧装置の操作量が上下限状態となっても、早期に回復させることが可能となり、その結果、被圧延材1の形状制御精度の悪化を、効果的に抑制することが可能となるのである。
ところで、かかる本発明の効果を検証するために、図1に示されるような構成とされた圧延機と被圧延材を用意し、アルミニウム箔圧延に際して、本発明に従う形状制御を実施した場合の実験を行い、かかる実験によって、本発明の効果の検証を行った。ここにおいて、被圧延材はアルミニウム合金箔材とし、圧延機の出側での板厚が17μm、同じく出側での板幅が1105mmとなるような圧延条件とした。また、VCロール8やワークロールベンダー7の油圧装置の操作量が上下限となった際に、クーラント装置6a,6bから供給されるクーラント流量を増減する範囲としては、形状制御に使用するクーラント総流量の5〜95%とされる。なお、かかるクーラント流量の増減範囲は、形状制御や被圧延材とワークロールとの間の潤滑を保つための必要量等を考慮すると、好ましくは20〜80%程度の範囲とされることとなる。
さらに、そのようにクーラント流量を減少または増加させる時間間隔としては、ここでは600秒とし、クーラント流量を減少または増加させる量としては、形状制御に使用するクーラント総流量に対して、それぞれ2%とした。なお、かかるクーラント流量を増減させる時間間隔は、使用するクーラント装置の応答時間に応じて、適宜に設定されることとなるが、圧延機において好適に使用されるクーラント装置においては、一般に、10〜600秒程度の時間間隔とされることが望ましい。また、一定量において増減されるクーラント流量にあっても、ここでは、減少・増加のどちらも同じ量としたが、それぞれを違う一定量に設定することも可能である。更にまた、その量にあっても、圧延機の規模や圧延条件に応じて適宜に設定されるものであるが、形状制御に使用するクーラント総流量に対して、一般に1〜10%程度の範囲に設定されることが好ましい。
そして、このように準備された圧延機と被圧延材を用いて、本発明の効果を実験にて検証した結果を、図2に示す。図2の各グラフにおいては、ワークロールのプロフィルを制御する油圧装置の一つであるVCロール8の操作量である圧力の実績が、上限の状態となった場合に、本発明の形状制御方法に従って形状制御が開始された状態を示している。
それら図2の各グラフにおいて、本発明を実施しない状態では、(a)に示されるように、VCロール8の操作量(VC圧力)が上限であるため、圧延材1の形状偏差は、(b)に示されるように、目標形状に対して耳歪み側に大きな状態、即ち、板両端部の形状が大きく伸び側になってしまっている。このときのクーラント流量は、(c)に示されるように、形状偏差に応じて増減されているが、VCロールの操作量が上限となってしまっているため、充分な形状制御を行うことが出来ず、形状偏差を0に収束出来ていない。
そこで、このような状態において、圧延途中で本発明を実施すると、VCロール8の操作量(VC圧力)が上限であると判断され、この場合は、直ちに、それまでのクーラント流量を減少させるように、クーラント装置6が制御される。このような制御によって、ワークロール4a,4bの熱クラウンが成長する方向となり、形状偏差が目標値に向かって制御されているのがわかる。そして、更に本発明に従う形状制御方法を継続することによって、形状偏差が0に収束すると共に、VCロール8の操作量(VC)圧力を、上限から回復させることが出来、以後、VCロール8の操作量に余裕をもった状態で、形状偏差を0に維持出来ていることがわかる。
以上の結果から明らかなように、本発明に従う圧延機における形状制御方法によれば、形状制御に用いるVCロール、ロールベンダー等の油圧装置の操作量が上限または下限となった場合に、圧延ロールに供給するクーラント流量を適切に調節することで、前記油圧装置の操作量を上下限状態から回復させて、形状制御精度の悪化を効果的に抑制出来ることが確認された。
以上、本発明の代表的な実施形態についてそれぞれ詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、前記した実施の形態においては、本発明に従う圧延機における形状制御方法を適用する圧延機として、図1に示すようなシングルスタンド式の4段圧延機を例示したのであるが、その他にも、圧延において一般的に用いられている2段圧延機や6段圧延機、或いはそれら以外の種々の圧延機に対して実施することも、勿論可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施されるものであり、またそのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
1 被圧延材
2 コイル
3 圧延機
4a,4b ワークロール
5a,5b バックアップロール
6a,6b クーラント装置
7 ワークロールベンダー
8 VCロール
9 制御装置
10 判定手段
11 クーラント流量減少/増加手段
12 継続手段

Claims (2)

  1. 被圧延材の形状制御を行うために、圧延ロールのプロフィルを制御する油圧装置と、圧延ロールにクーラントを供給するクーラント装置とを備えた圧延機において、該被圧延材を形状制御するに際して、
    かかる形状制御中に前記油圧装置の操作量が上限となった時点で、前記クーラント装置のクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくとも前記クーラント装置の応答時間以上の時間間隔で一定量だけ減少させ、又は
    該形状制御中に前記油圧装置の操作量が下限となった時点で、前記クーラント装置のクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくとも前記クーラント装置の応答時間以上の時間間隔で一定量だけ増加させ、
    そしてその後、前記油圧装置の操作量の上限または下限の状態が解消されるまで、前記クーラント流量の減少または増加を継続することを特徴とする圧延機における形状制御方法。
  2. 被圧延材の形状制御を行うために、圧延ロールのプロフィルを制御する油圧装置と、圧延ロールにクーラントを供給するクーラント装置とを備えた圧延機において、
    形状制御中に前記油圧装置の操作量が上限または下限となったことを判定する判定手段と、
    該判定手段によって前記油圧装置の操作量が上限となったと判断された時点で、前記クーラント装置のクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくとも前記クーラント装置の応答時間以上の時間間隔で一定量だけ減少させる一方、前記操作量が下限と判断された時点で、前記クーラント装置のクーラント流量を、予め定めた範囲内において、少なくとも前記クーラント装置の応答時間以上の時間間隔で一定量だけ増加させるクーラント流量減少/増加手段と、
    前記油圧装置の操作量の上限または下限状態が解消されるまで、前記クーラント流量の減少または増加を継続する継続手段と、
    を設けたことを特徴とする圧延機における形状制御装置。

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