JP2010247107A - 分離膜モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】バッフル板を備える分離膜モジュールの分離性能を向上する。
【解決手段】流体の入口配管3と出口配管4を備えた筒状のモジュール容器2に、流体中の成分を分離する筒状の分離膜7を内挿して備える。この分離膜7は一端が封止され、分離膜7の開口端は、モジュール容器2の一端に備えられる密閉部材9に貫設される。また、モジュール容器2に、分離膜7が遊貫される孔8が形成されたバッフル板6を備える。そして、入口配管3の内径をD1、モジュール容器2の内径をD2とした時、D2/D1<4を満たすように入口配管3の内径を設定する。なお、分離膜7の先端部と入口配管3との距離の最小値dを、d=(D2−D1)/2tanθ(θ=50°)とすることで、分離膜7表面付近で流体がよどむことを防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、分離膜モジュールの構造に係るものである。特に、モジュール内部にバッフル板を備え、このバッフル板でゼオライト分離膜単管を複数本束ねたものに関する。ゼオライト分離膜モジュールは、主に有機溶媒の脱水用途(エタノール脱水、IPA(イソプロピルアルコール)脱水等)に用いられる。
現在、エタノールの脱水、IPA脱水、その他水分を大量に含んだ有機溶媒廃液からの脱水精製等に用いられるゼオライト分離膜モジュール構造として、二重管構造とバッフル板構造がある。
二重管構造は、クリアランス(隙間)を1〜数mmに保つように管の中にゼオライト分離膜を入れる構造である(例えば、特許文献1、2)。
二重管構造は、バッフル板とゼオライト分離膜との間の隙間を極力小さくでき、供給液の流速を上げることができるため、比較的良い性能を得ることができる。しかし、一本のゼオライト膜に対し、1本の外管が必要で、コスト的な問題を生じる。また、膜(支持体)の反り・変形の影響を受けやすく、モジュール設計が難しい。
一方、バッフル板構造は、チューブ状の分離膜が遊貫して備えられるバッフル板を適当な間隔でモジュール容器内に配置する構造である(例えば、特許文献3〜13)。
バッフル板構造は、比較的簡単な設計でよく、製造コストも安い。しかし、二重管構造と比較して膜表面の流速を上げて攪拌することが難しいため、通常は切り欠きの付いたバッフル板を使用してできるだけ供給液の流路を蛇行させた構造とすることが主流である。
実際のバッフル板構造では、バッフル板とゼオライト分離膜との間に隙間(クリアランス)があり、僅かながらこの隙間から供給液が抜けるため、理想的な蛇行流とはならない。
そこで、バッフル板とゼオライト分離膜との間に存在する隙間を接着剤(セラミック系、エポキシ系、シリコン系)などで完全に埋める、又はゼオライト分離膜を通すバッフル板の孔を小さくして隙間をなくす対策が考えられる(例えば、特許文献14、15)。
しかし、流体が流れることにより生じる振動やモジュール外部から伝達する機械的振動等によりバッフル板とゼオライト分離膜が擦れあい、分離膜表面を傷める可能性がある。また、モジュールは、比較的高温で使用されるため、接着部分の溶剤耐性によっては亀裂を生じることもある。
したがって、バッフル板とゼオライト膜との間の隙間は、通常1mm程度開けておくのが一般的である。
また、他のバッフル板構造としては、バッフル板の外周が全てモジュール容器に内接するようにバッフル板が配置される構造のものがある(例えば、特許文献16)。
このバッフル板構造では、バッフル板とバッフル板に遊貫して備えられるゼオライト分離膜との隙間を流体が通過するので、ゼオライト分離膜表面を通過する流体を乱流状態にすることができる。
一般的に、ゼオライト分離膜表面に流れる供給液の流速は速い方が良い。これは、膜表面で水分が膜に吸着・透過するため、流速が遅いと水濃度が下がり時間と共に水が透過しなくなるためである。すなわち、膜表面の供給液を絶えず攪拌し、新鮮な供給液を膜表面に供給することが望ましい。
適切な流速の目安としては、膜表面を流れる流体が乱流状態となっているか否かで判断できる。膜表面の流体が乱流状態であれば、流体が渦巻きながら激しく攪拌されていることを示している。つまり、膜表面の流体の流速は、速い方が望ましく、さらに乱流状態であることが望ましい。
特開2006−263574号公報 特許第3764894号公報 特許第3760415号公報 特開2006−224019号公報 特開2002−137972号公報 特開2007−167794号公報 特開2000−312811号公報 特開2001−219037号公報 特開2002−154880号公報 特許第4013794号公報 特開2004−105815号公報 特許第2541831号公報 特許第3617942号公報 特許第2023454号公報 特開2004−34025号公報 特開2004−122083号公報
以上、従来技術において説明したように、モジュール設計の容易さや製造コストが安価である理由から二重管構造と比較してバッフル板構造が望ましい。
しかしながら、バッフル板とゼオライト分離膜との間の隙間等、機械的なパラメータを最適化することは容易ではない。バッフル板の切り欠き部分についても、開口形状、開口面積によって、モジュール容器内部の流れが変わるため、理想的な蛇行流を得る形状に設計することは非常に困難である。
故に、モジュール容器の流体の流れに関して、詳細に検討された報告例は少ない。特に、沸点付近の有機溶媒(エタノール/水、IPA/水混合溶液)を供給液とした場合に、モジュール容器を最適化することに関する報告例はない。
さらに、バッフル板とこのバッフル板に遊貫して備えられるゼオライト分離膜との隙間を流体が通過する構成のゼオライト分離膜モジュールにおいては、ゼオライト分離膜表面によどみが発生しないように、モジュール容器内に備えられるバッフル板の間隔を狭くする必要がある。しかし、バッフル板の枚数が増加すると、分離膜モジュール全体の圧力損失が大きくなる、コストがかかる等の問題を生じる。
したがって、本発明は、バッフル板を備えた分離膜モジュールにおいて、モジュール容器内の流体の流れ、特に分離膜表面付近の流れを良好にすることを目的としている。
上記目的を達成する本発明の分離膜モジュールは、流体の入口配管と出口配管を備えた筒状のモジュール容器に、前記流体中の成分を分離する筒状の分離膜を内挿して備え、前記モジュール容器内に前記分離膜が遊貫される孔が形成された板を複数備えた分離膜モジュールであり、前記分離膜の表面付近の流体が前記分離膜の長さ方向全体に渡って乱流状態となるように、前記入口配管の内径と前記モジュール容器の内径の比率を決定したことを特徴としている。
上記分離膜モジュールにおいて、前記入口配管と前記モジュール容器は同軸上に配置され、前記入口配管の内径をD1、前記モジュール容器の内径をD2とすると、D2/D1<4であるとよい。
また、上記分離膜モジュールにおいて、前記入口配管の端部とこれと対向する前記分離膜との先端との距離の最小値dは、前記入口配管の内径をD1、前記モジュール容器の内径をD2とすると、d=(D2−D1)/2tanθ(θ=50°)であるとよい。
なお、上記分離膜モジュールにおいて、前記出口配管の断面積の合計は、前記入口配管の断面積以上であればよい。
そして、上記分離膜モジュールに備えられる分離膜は、ゼオライト分離膜が例示される。
以上の発明によれば、分離膜モジュールの分離性能を向上することができる。
本発明の実施形態に係る分離膜モジュールの構造を示す図。 本発明の実施形態に係る分離膜モジュールの断面図(図1におけるA−A断面)。 本発明の実施形態に係る分離膜モジュールの入口配管部分での流速分布の模式図。 本発明の実施形態に係る分離膜モジュール内に備えられる分離膜付近のレイノルズ数。 (a)本発明の実施形態に係る分離膜モジュールの断面図(出口配管が一つの場合)、(b)本発明の実施形態に係る分離膜モジュールの断面図(出口配管が二つの場合)。
本発明に係るゼオライト分離膜モジュールは、モジュール容器内に備えられるゼオライト分離膜の表面付近を流れる供給液が乱流となるように、供給液が導入される入口配管の内径の寸法を最適化したものである。また、前記供給液が乱流となる条件において、ゼオライト分離膜モジュールの分離性能が向上するように、入口配管とゼオライト分離膜の先端との距離の寸法を最適化したものである。
本発明に係るゼオライト分離膜モジュール構造について図1、図2を参照して説明する。
図2は、図1で示されるゼオライト分離モジュール1のA−A断面図である。
本発明に係るゼオライト分離膜モジュール1は、図1に示すように、供給液が導入される入口配管3と濃縮液が排出される出口配管4を備えた筒状のモジュール容器2と、モジュール容器2に内接してバッフル板6と、バッフル板6に形成された孔8に遊貫して備えられるゼオライト分離膜7より構成される。入口配管3とモジュール容器2は同軸に接続されている。
入口配管3から導入された供給液は、バッフル板6とゼオライト分離膜7との隙間を通る。ゼオライト分離膜7により供給液から水等が分離された濃縮液が出口配管4から排出される。
図2に示すように、バッフル板6には、複数の孔8が形成され、この孔8に筒状のゼオライト分離膜7が遊貫して備えられる。なお、バッフル板6は、バッフル板固定用スペーサ10により固定される。
図1及び、図2に示すように、ゼオライト分離膜7は筒状であり、入口配管3と対向する一端がが封止されている。一方、ゼオライト分離膜7の他端は、開口端であり、モジュール容器2の一端に備えられる密閉部材9に貫設して備えられる。
そして、ゼオライト分離膜7の開口端は、ゼオライト分離膜7を透過した液を排出するための排出配管5と連通している。通常、透過液は真空引きにより排出される。
したがって、構造上の利便性から、モジュール容器2の一端に排出配管5を備え、モジュール容器2の他端には入口配管3が備えられる。モジュール容器2、入口配管3、排出配管5及び、ゼオライト分離膜7は、同軸上に配置され、出口配管4はモジュール容器2に対して垂直方向に設けられる。
また、出口配管4の内径は、入口配管3の内径と同じか、若しくは入口配管3の内径以上であるとよい。出口配管4は、基本的に1箇所備えればよいが、構造上2箇所以上備える必要がある場合は、出口配管4の合計断面積が入口配管3の断面積以上となるようにする。
なお、分離膜モジュール1のコスト・容量を抑えるためには、入口配管3の端部とゼオライト分離膜7の先端部分の距離(d)はできるだけ短い方がよい。しかしながら、この距離(d)が短すぎると分離膜モジュール1に流入する流体がモジュール容器2全体まで拡散することができない。
本発明に係るゼオライト分離膜モジュール構造について具体的な実施例を挙げて詳細に説明する。ただし、ゼオライト分離膜の寸法や、温度、流速等の設定条件、及びバッフル板の数やバッフル板に形成される孔の大きさ等は実施例に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない範囲で適宜選択可能である。
図1において、モジュール容器2に充填されるゼオライト分離膜7の本数は、モジュール容器2の内径の寸法に依存する。そこで、本発明の実施例では直径φ12mmのゼオライト分離膜7(長さ500mm)を31本モジュール容器2に充填した。モジュール容器2は、100A5Sステンレス配管(内径110mm)を使用した。バッフル板6は6枚備え、バッフル板6間の距離は、およそ85mmに設定した。
バッフル板6及びゼオライト分離膜7の具体的な寸法について図2を参照して説明すると、バッフル板6の外径φ=109〜110mm、バッフル板6に形成される孔の径φ=16〜17mm(ゼオライト分離膜7とのクリアランス2〜2.5mm)、ゼオライト分離膜7の外径φ=12mm、バッフル板6固定用スペーサ10(1/8B、外径φ≒10mm)に設定した。
本発明の実施形態に係るゼオライト分離膜モジュール1は、入口配管3の内径をD1、モジュール容器2の内径をD2とした場合、式(1)の関係を満たす。
D2/D1<4 …(1)
(より好ましくは、D2/D1<3)
すなわち、本実施例では、モジュール容器2の内径が110mmであるので、入口配管3の内径を30mm以上に設定した。
ここで、本発明の実施形態に係るゼオライト分離膜モジュール1の入口配管3部分における流速分布の模式図を図3に示す。図3において、モジュール容器2の内部で無色の部分は、流速が0.015m/s(0.9m/min)以下のよどんだ部分である。
図3に示すように入口配管3部分において、入口配管3からモジュール容器2に流れる液体は、θ>50°の領域(モジュール容器2の角部)で完全によどんでいる。
そこで、入口配管3の内径側とモジュール容器2の接続口から50°の角度でモジュール容器2の壁方向に伸ばした線とモジュール容器2の壁面との交点をとり、ゼオライト分離膜7表面付近で、よどみ(図中、モジュール容器2内の白い部分)が生じないようなゼオライト分離膜7と入口配管3との距離の最小値dを決める。
具体的には、ゼオライト分離膜7表面付近でよどみが生じないために、ゼオライト分離膜7の先端と入口配管3との最小距離dを、入口配管3の内径をD1、モジュール容器2の内径をD2とし、式(2)より算出することができる。
d=(D2−D1)/2tanθ (θ=50°)…(2)
tanθの角度θについては、ゼオライト分離膜7及びバッフル板6がない場合25°程度である。一方、ゼオライト分離膜7及びバッフル板6がある場合は、ゼオライト分離膜7先端部分で攪拌が促進されるため角度θを大きくとっても差しさわりがなく、実施例ではθ=50°としている。
例えば、モジュール容器2の内径を110mm、入口配管3の内径を39mmとした場合、
d=(110−39)/2tan50°≒30mm
である。よって、ゼオライト分離膜7の表面付近でよどみが生じないようにするためには、ゼオライト分離膜7と入口配管3との距離がこの距離d以上になるようにゼオライト分離膜7をモジュール容器2内に配置すればよいことになる。
なお、図3において、モジュール容器2内において外周部に配置されるゼオライト分離膜7の先端部分でよどみが発生しているが、バッフル板6の位置調整等でよどみを低減することが可能である。
表1に、モジュール容器2の内径を110mmとした時の、入口配管3の内径D1に対応した最短距離dを示した。
Figure 2010247107
(解析手法)
本発明に係るD1、D2、dの条件を検証するために、流体解析ソフト(シーディ‐アダプコジャパン株式会社、Star−CCM+ Ver.3.04)を用いて、モジュール容器2内の流体の状態を解析した。
流体解析ソフトを用いることにより、実際に可視化して測定することが困難な透明な流体(エタノール/水、IPA等)の流れを解析することができる。
(物性値)
計算に用いた物性値を表2に示す。流体は、水/エタノール溶液(エタノール濃度90%)を基準とした。通常、アルコール(エタノール、IPA等)脱水は75℃付近で行われているため、この温度における密度、粘性係数を条件とした。(なお、IPA/水及びエタノール/水の物性値は殆ど変わらない。)物性値は(社)アルコール協会が出展しているデータを用いた(密度は75℃での実測値がないため、近似計算式により求めた)。
Figure 2010247107
(判定基準)
分離膜モジュール1は、分離膜7表面付近の流れを乱流状態にし、絶えず攪拌を行うことが最良とされる。乱流状態かどうかは、一般的に式(3)で示される式に基づいて算出されるレイノルズ数Reの値で判断される。
Re=UD/ν=ρUD/μ …(3)
U:代表速度(m/s)、D:代表寸法(m)、ν:動粘性係数(m2/s)
ρ:密度(kg/m3)、μ:粘性係数(Pa・s)
ここで、代表速度Uは、分離膜7表面付近(分離膜7表面自体は計算上流速0となるので、分離膜7表面から0.5mm程度離れた場所と定義する)を流れる流体の流速であり、代表寸法Dは、モジュール容器2の内径とする(モジュール容器2内には分離膜7が存在するが、一般的には配管の内径が用いられるため、この定義とする)。
一般的に、レイノルズ数が2300(文献により2320)を超えると乱流、それ以下は層流であることが経験的に知られている。そこで、本発明の実施例では、この指標を用いて分離膜7の表面が層流か乱流かを判断する。そして、分離膜7の表面を流れる供給液の流れが乱流である場合、供給液の流れが適切であると判断する。
(解析結果)
本発明の実施例及び比較例における解析結果を表3に示す。なお、この解析において、ゼオライト分離膜モジュールに導入される流体の流速は、配管を流れる流体が乱流状態となる流速であるとよい。モジュール配管の内径が110mmの場合、10L/min以上であれば配管を流れる流体が乱流状態となるので、本発明の実施例において、流速は10L/minと設定した。
Figure 2010247107
比較例1、2及び実施例1〜4は、図1に示すゼオライト分離膜モジュール1において、入口配管3及び出口配管4の内径の寸法が異なっている。
表3の実施例3(入口配管3及び出口配管4の内径39mm)は、分離膜モジュール1全体の圧力(圧力損失1)が十分低く、局所的にレイノルズ数が大きい部分(流速が速すぎる部分)がなく、かつ乱流条件(Re>2300)を満たす有効範囲が430mmと非常に長い。
一方、比較例1では、入口配管3及び出口配管4が細すぎてモジュール1全体の圧力損失(圧力損失1)が大きく、最大レイノルズ数が高すぎ、かつ有効範囲も短い。
図4に、入口配管3(及び出口配管4)の内径が15mmである場合と39mmである場合の、ゼオライト分離膜7(モジュール容器2の中央部及び外周部に配置された)付近でのレイノルズ数を示している。
図4の横軸の数値は、ゼオライト分離膜7の位置を示している(ゼオライト分離膜7の封止された端部を0mm、ゼオライト分離膜7の開口端部を500mmとしている)。
図4に示すように、バッフル板6が設置されている場所(図4中、距離100mm、190mm、270mm、360mm、440mm付近)では、レイノルズ数が増加している。
図4において、レイノルズ数が2300のライン(図4において、境界として示すライン)と各計算値とを比較すると、実施例3(入口配管3の内径39mm)では、長さ500mmのゼオライト分離膜7表面のうち、430mmの範囲が乱流条件を満たしている(有効範囲430mm)。
一方、比較例1(入口配管の内径15mm)では、長さ500mmのゼオライト分離膜7表面のうち360mmしか乱流条件を満たしていない(有効範囲360mm)。
表3に示すように、実施例1から実施例4のゼオライト分離膜モジュール1は、設計上の閾値である圧力損失1(分離膜モジュール1全体での圧力損失)が約100Pa以下、最大レイノルズ数が約40000以下、有効範囲が400mm以上を満たす。
このとき、入口配管3の内径D1とモジュール容器2の内径D2の関係は、D2/D1<4.0を満たしている。特に、有効範囲の長い実施例3、実施例4では、D2/D1<3.0を満たしている。
また、出口配管4の内径及び出口配管4の本数についても検討した。検討したゼオライト分離膜モジュール1の概略を図5に、検討結果を表4に示す。
Figure 2010247107
図3の場合と同様に、図5において、モジュール容器2内の白い部分はよどみを表し、黒い部分は乱流状態を表している。
図5(a)は、表4の実施例3の模式図であり、内径39mmの入口配管3と内径39mmの出口配管4をそれぞれ一つ備えている。実施例3は、有効範囲も広く、ゼオライト分離膜モジュール1全体の圧力損失(圧力損失1)も低い。
一方、実施例2は、出口配管4の内径が入口配管3の内径に対して小さく(断面積比=0.59)、分離膜モジュール1全体の圧力損失(圧力損失1)がやや大きく、有効範囲が狭くなる膜が存在する。
それに対し、実施例2と同様の配管を用いても、図5(b)に示すように配管数を1つ増やすことにより断面積比(出口配管4の断面積の和/入口配管3の断面積)を1以上にした実施例5では、実施例3と同等の有効範囲を有し、実施例3よりもモジュール1全体の圧力損失(圧力損失1)が小さくなる効果が確認できる。
以上、本発明の分離膜モジュールによれば、モジュール容器の内径に対する入口配管の内径の比率を所定の比率より大きくすることにより、中央に配置した分離膜の先端部分にかかる過大な流速を低減し(レイノルズ数を低減)、モジュール全体の圧力損失を1/10程度に減らすことができる。さらに、モジュール内に備えられる分離膜表面で供給液が乱流となる範囲(いわゆる、有効範囲)を広くする効果が得られる。
例えば、バッフル板の間隔が50cmを超える長さの場合でも、バッフル板間の分離膜表面を流れる流体を分離膜の長さ方向全体に渡って乱流状態とすることができる。すなわち、分離膜表面を流れる供給液がレイノルズ数2300以上の乱流条件を満たし、膜表面でのよどみをなくすことができる。
したがって、モジュール容器内に備えるバッフル板の枚数が少ない、モジュール全体の圧力損失が少ない構成で、分離膜表面を流れる流体を乱流状態とすることができる。
また、入口配管端部と分離膜先端部との距離の最小値dを式(2)で定めることにより、モジュール容器の長さ方向の寸法を最適化することができる。
そして、出口配管の断面積(出口配管が複数ある場合は、出口配管の断面積の総和)を入口断面積と同等若しくはそれ以上に設定することにより、モジュール全体の圧力損失を低減することができる。
なお、本発明の実施例において、分離膜はゼオライト分離膜に限るものではない。また、バッフル板は、モジュール容器に必ずしも気密に設ける必要はない。そして、モジュールに供給される供給液は、表2に示される物性値に近い溶液で有効である。
1…ゼオライト分離膜モジュール(分離膜モジュール)
2…モジュール容器
3…入口配管
4…出口配管
5…排出配管
6…バッフル板(板)
7…ゼオライト分離膜(分離膜)
8…バッフル板の孔

Claims (5)

  1. 流体の入口配管と出口配管を備えた筒状のモジュール容器に、前記流体中の成分を分離する筒状の分離膜を内挿して備え、
    前記モジュール容器内に前記分離膜が遊貫される孔が形成された板を複数備えた分離膜モジュールにおいて、
    前記分離膜の表面付近の流体が前記分離膜の長さ方向全体に渡って乱流状態となるように、前記入口配管の内径と前記モジュール容器の内径の比率を決定した
    ことを特徴とする分離膜モジュール。
  2. 前記入口配管と前記モジュール容器は同軸上に配置され、
    前記入口配管の内径をD1、前記モジュール容器の内径をD2とすると、
    D2/D1<4
    である
    ことを特徴とする請求項1に記載の分離膜モジュール。
  3. 前記入口配管の端部とこれと対向する前記分離膜の先端との距離の最小値dは、前記入口配管の内径をD1、前記モジュール容器の内径をD2とすると、
    d=(D2−D1)/2tanθ (θ=50°)
    である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の分離膜モジュール。
  4. 前記出口配管の断面積の合計は、前記入口配管の断面積以上である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の分離膜モジュール。
  5. 前記分離膜は、ゼオライト分離膜である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4いずれか1項に記載の分離膜モジュール。
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