JP2010243071A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷蔵庫内の酸素濃度を低減することによって食品の酸化劣化は抑制できるものの、酸素濃度が2%以下になると、反って劣化が促進される食品もある。従って、酸素濃度が2%以下にならないようにすることが必要であった。
【解決手段】本発明の冷蔵庫1は、少なくとも、酸素除去及び富化機構(機構A)2と、機構Aにより酸素濃度が制御される空間(空間)3と、空間3内の酸素濃度を検知する機構(機構B)4とを備えた構成である。機構A2による酸素の除去によって、空間3における酸素濃度を大気中よりも低い範囲で任意の酸素濃度に制御する。次に、食品の呼吸等により空間3の酸素濃度が規定下限値に到達したことを機構B4が検知すると、機構A2が富化の方向に働き、空間3を元の任意の酸素濃度に戻す。これにより、空間3内の酸素濃度が2%以下になることを防ぐ。
【選択図】図1

Description

本発明は食品の長期保存を可能にした冷蔵庫に関するものである。
従来、食品を保存する室内の酸素濃度を低減することによって、食品の長期保存を狙った冷蔵庫がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1に記載された従来の冷蔵庫は、チルド室内あるいは冷凍室内の酸素濃度を低減する低減手段と、これら室内の酸素濃度を検出する検出手段と、この検出手段の検出量に基づいて前記低減手段の動作を停止する停止手段とを含む酸素濃度制御装置を備えた構成である。
特許文献2に記載された従来の冷蔵庫は、チルド室内あるいは冷凍室内の酸素濃度を低減する低減手段と、これら室内の酸素濃度を検出する検出手段と、前記低減手段の動作を停止する停止手段と、前記チルド室内あるいは冷凍室内に食品を出し入れするための開閉扉と、前記チルド室内あるいは冷凍室内に外部空気を流入させる空気導入孔とを設け、前記低減手段は、前記チルド室あるいは冷凍室の開閉扉が閉まっている状態で動作し、かつ前記低減手段が停止しているときに、前記開閉扉を開放可能としたことを特徴とする。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作を説明する。なお、特許文献1と特許文献2は、食品の鮮度保持に対する動作・作用は同じである。
まず、チルド室あるいは冷凍室内の酸素濃度を低減する低減手段を備えたことで保存した食品の酸化劣化を防ぐ。さらに、室内の酸素濃度を検出する検出手段と、検出手段の検出量に基づいて低減手段の動作を停止する停止手段を備えたことで、室内が低酸素になりすぎることを防止し、赤身の魚や肉類のメト化反応を抑制する。これにより、食品鮮度を長期間にわたって維持することができるものである。
特開2000−337758号公報 特開2008−134054号公報
しかしながら、上記従来の冷蔵庫は、検出手段の検出量に基づいて低減手段の動作を停止手段が停止する構成であるため、保存する食品の呼吸量が小さいチルド室や冷凍室では有効であるが、この構成を野菜や果物のように呼吸量の大きい食品を保管する野菜室や冷蔵室に適用すると、酸素濃度の低減を規定値で停止したとしても、食品の呼吸を停止することは難しいため、食品の呼吸により室内が無酸素の状態になってしまうという課題を有していた。
酸素濃度の低減は、酸化抑制という観点から様々な食品の保存にとって有効であるため、チルド室や冷凍室のみならず、他の温度帯の保存室にも利用できることが望ましい。その一方で、極端な酸素濃度の低減は、肉魚類のメト化や野菜・果物類の呼吸障害といった弊害を生み出すため、この対処が必要となる。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、酸素除去機構を備えることで、食品を保存するための空間の酸素濃度を低減して食品の酸化を抑制するとともに、前記空間内の酸素濃度を検知する機構と酸素富化機構を備えることで、呼吸量の多い食品を保存した場合
においても、酸素濃度の極端な低減を防止することにより、食品の長期保存を可能とした冷蔵庫を提供することを目的とするものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、少なくとも、酸素除去及び富化機構(機構A)と、前記機構Aにより酸素濃度を制御される空間と、前記空間内の酸素濃度を検知する機構(機構B)とを備えた構成である。
まず、前記機構Aによる酸素の除去によって、前記空間における酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低い範囲で任意の酸素濃度に制御する。次に、保存している食品の呼吸等により前記空間の酸素濃度が規定下限値に到達したことを前記機構Bが検知すると、前記機構Aが富化の方向に働き、前記空間内を元の任意の酸素濃度に戻す。
前記機構Aが酸素除去だけでなく富化の方向にも働くことができることによって、前記空間に呼吸量の多い食品を保存しても、前記空間内の酸素濃度は極端に下がりすぎることなく、狙いの酸素濃度に保つことが可能となる。
本発明の冷蔵庫は、前記空間が、チルド室や冷凍室に限らず、他の温度帯の空間でもよいため、様々な食品の長期保存が可能である。
請求項1に記載の発明は、少なくとも、酸素除去及び富化機構(機構A)と、前記機構Aにより酸素濃度を制御される空間と、前記空間内の酸素濃度を検知する機構(機構B)とを備えた冷蔵庫であって、前記機構Aによる酸素の除去によって、前記空間における酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低い範囲で任意の酸素濃度に制御可能であり、かつ、前記空間の酸素濃度が規定下限値に到達したことを、前記機構Bが検知すると、前記機構Aが富化の方向に働くことにより、前記空間の酸素濃度を2%超に保つことを特徴とする冷蔵庫であることにより、食品を保存するための空間の酸素濃度を低減することで食品の酸化を抑制するとともに、前記機構Aが富化の方向にも働くことができることで呼吸量の多い食品を保存した場合においても、酸素濃度の極端な低減を防止することにより、極端な酸素濃度の低減による弊害を抑制できる。これにより、様々な食品の長期保存が可能となる。
請求項2に記載の発明は、前記空間の酸素濃度が規定上限値に到達したことを、前記機構Bが検知すると、前記機構Aが除去の方向に働くことにより、前記空間の酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低い範囲で任意の酸素濃度に保つことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫であることにより、前記空間内の酸素濃度の上昇を抑制することが可能であるため、食品の酸化を抑制できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の前記空間内の酸素濃度が、2%超15%以下であることにより、酸化抑制と低酸素障害抑制が両立できるため、食品の長期保存が可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の機構Aが、冷蔵庫の熱源の温度以下の温度域で酸素の除去及び富化が可能であることにより、酸素の除去や富化に冷蔵庫の熱源を利用できるため、専用の熱源を備える必要がなく、低コスト化になる。なお、例えば冷蔵庫の熱源とは、運転中に常温よりも温度が高くなる構成部品を指し、例えば、除霜ヒーター、コンプレッサー、ファンモーターなどがある。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の機構Aが、常温以下の温度域で酸素の除去及び富化が可能であることにより、機構の取り付け場所の制約が請求項4よりさらに少なくなるため、より冷蔵庫の設計の自由度が向上する。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の空間が、野菜室または冷蔵室の温度帯の空間であることを特徴とする。ここで、野菜室または冷蔵室の温度帯とは、一般に野菜室は5〜8℃、冷蔵室は2〜5℃であることから、この温度帯(2〜8℃)を指す。この温度帯の空間には野菜や果物などを保存することが多いが、これらのように呼吸量の多い食品を保存しても前記空間内の酸素濃度が極端に下がりすぎることがないために、食品の長期保存が可能になる。
なお、前記空間は野菜室または冷蔵室と呼ばれる保存室全体であっても良いし、前記保存室のうちの一部分に壁等によって仕切られることにより設けられた空間であっても良い。特に後者の場合、すぐに使い切る食品と使い切るのに日数がかかる食品とを分けて保存できる、保存する食品を特定すれば前記空間内をその食材に最適な酸素濃度に設定できる、などのメリットがあるため、より望ましい。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の機構Aが、酸素ポンプであることを特徴とする。酸素ポンプは電流の付加で酸素の電気分解と電解合成を行う機構であるため、比較的容易に酸素濃度の制御ができる。
酸素ポンプとは、固体電解質を用いた機構を指し、その機構は、外部より電流を流すことにより電極反応が生じることを利用したもので、膜内をHが移動することで、−電極で(式1)の反応によって酸素を消費し、+電極で(式2)の反応によって酸素を生成するものである。
+4H+4e→2HO(式1)
2HO→O+4H+4e(式2)
なお、固体電解質にはセラミック型や固体高分子型があるが、特に指定するものではない。
酸素ポンプを使用すると、−電極側では、(式1)に示したように、酸素の消費とともに水を発生するため、庫内の酸素濃度が下がると同時に湿度が上がる。このため、野菜等の乾燥による劣化も抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の酸素ポンプが、固体高分子型であることにより、常温常圧での駆動が可能であることから、外部から熱を与える必要がなく、より容易に酸素濃度の制御ができる。
前述の通り、固体電解質には、セラミック型と固体高分子型があるが、セラミック型の駆動には600℃の温度が必要であるのに対し、固体高分子型は常温での駆動が可能であるため、冷蔵庫での適用においては、セラミック型よりも固体高分子型のほうが望ましい。特に冷媒として可燃性冷媒を使用する冷蔵庫では固体高分子型が望ましい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図である。
図1において、冷蔵庫1は、少なくとも、酸素除去及び富化機構(機構A)2と、前記機構Aにより酸素濃度が制御される空間3と、前記空間3内の酸素濃度を検知する機構(機構B)4とを備えた構成である。
また、冷蔵庫1は、内箱5と外箱6とで構成され、内箱5と外箱6の間に断熱材7を充填することにより庫内への外部からの熱の侵入を抑制している。
冷蔵庫1の冷却方式について説明する。冷媒を圧縮機8で圧縮することで高温高圧のガスとし、これを凝縮器で放熱することで液化する。次に液化した冷媒をキャピラリーチューブで減圧し、蒸発器9で気化し、周囲から熱を奪うことで庫内を冷やす。冷媒は再びサクションパイプを通り、圧縮機8に戻る。
以上のように構成された冷蔵庫1について、以下その動作、作用を説明する。
まず、空間3の酸素濃度は、機構A2による酸素の除去により、大気中の酸素濃度よりも低い範囲で任意の酸素濃度に制御可能である。さらに、空間3内の酸素濃度が、食品の呼吸等により減ることで規定下限値に到達した場合には、それを機構B4が検知すると、機構A2が富化の方向に働く。これにより、空間3内は初期の任意の酸素濃度まで戻る。
上記のように、機構A2が酸素除去だけでなく、富化の方向にも働くことができることにより、空間3内に呼吸量の多い食品を保存する場合でも、空間3内の酸素濃度は2%超に保たれる。
また、本構成の冷蔵庫1は、空間3内の酸素濃度がリークなどにより、規定上限値に到達したことを機構B4が検知すると、機構A2が除去の方向に働くことにより、空間3内の酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低い条件に保つことも可能である。なお、このときの上限値は、食品の酸化抑制効果を得るためには、15%以下であることが望ましい。
本発明の冷蔵庫1における空間3に食品を保存したところ、酸素濃度を制御しない通常の冷蔵庫で保存した場合に比べて、酸化劣化が抑制された。また、酸素濃度が2%超であることによって、低酸素による弊害も発生しなかった。
以上のように、本発明の冷蔵庫1は、機構A2と機構B4の働きにより、空間3内を食品の保存に適した酸素濃度に保つことが出来るため、食品の長期保存が可能となる。
ここで、機構A2や機構B4の種類は特に指定するものではなく、また、機構A2、空間3、機構B4の場所は必ずしも図1に記載の場所である必要はなく、自由に設定可能である。
機構A2には、酸素ポンプや酸素吸脱着材などがあるが、酸素の除去と富化を行うことができる機構であれば特に指定するものではない。
酸素ポンプとは、固体電解質を用いた機構を指し、その機構は、外部より電流を流すことにより電極反応が生じることを利用したもので、膜内をHが移動することで、−電極で(式1)の反応によって酸素を消費し、+電極で(式2)の反応によって酸素を生成するものである。
固体電解質にはセラミック型や固体高分子型があり、特に指定するものではないが、セラミック型の駆動には600℃の温度が必要であるのに対し、固体高分子型は常温での駆動が可能であるため、冷蔵庫での適用においては、セラミック型よりも固体高分子型のほ
うが望ましい。特に冷媒として可燃性冷媒を使用する冷蔵庫では固体高分子型が望ましい。
また、固体高分子型の酸素ポンプは、イオン交換膜の表裏両面に少なくともガス拡散電極を有した構造であり、電極の外側には電圧低下の抑制を狙いとして集電体を有していても良い。
また、交換膜や電極に使用する材料は特に指定するものではないが、その能力から交換膜は、Nafion膜が望ましく、電極は、Pt触媒担持電極が望ましい。
また、酸素吸脱着材とは、材料中の遷移金属の酸化還元、構造中へのインターカレーション、材料の電荷バランスの崩れ(材料がプラスに帯電し、マイナスの酸素を取り込むことでバランスを取ろうとする)、酸素格子欠陥よる酸素の移動、多孔体への出入りなどにより酸素を吸脱着する材料であるが、特に指定するものではなく、これらの機構が複数組み合わさったものでも良い。
また、その材料としては、セリア系固溶体、層状化合物(デラフォサイト型層状酸化物など)、マイエナイト、カルシウムフェライト、血液類似物質(鉄系包接錯体、銅二核錯体など)などがあり、特に指定するものではないが、環境適正を考慮すると、PR−TR指定物質であるコバルトを含まない材料であることが望ましい。
なお、機構A2は、酸素の除去や富化に外部からの入力、例えば、温度、圧力、電流、還元ガスなどを必要としないことが望ましいが、必要としてもかまわない。外部からの入力を必要とする場合は、冷蔵庫1の熱源が利用できることが望ましい。
ここで、冷蔵庫1の熱源とは、運転中に常温よりも温度が高くなる構成部品を指し、例えば、除霜ヒーター、コンプレッサー、ファンモーターなどがあり、中でも除霜ヒーターは最大で500℃程度の温度になる。
熱源の利用方法について、機構Aとして酸素吸脱着材を用いた場合を例に挙げて説明する。
まずは、酸素吸脱着材として、吸脱着ともに常温より高い温度が必要であり、かつ酸素の脱着に温度以外の外部入力を必要とするものを仮定した場合について説明する。
機構A2を熱源の近傍に設置する。酸素除去を行う場合は、前記空間内の気体を、機構A2まで送って酸素を吸着させ、酸素が除去された気体を空間3に戻す。酸素富化を行う場合は、吸着した酸素を外部からの入力を利用して脱着させ、その酸素を空間3に送る、などの方法が考えられる。
次に、酸素吸脱着材として、酸素の吸着が常温以下の温度で可能、かつ酸素の脱着に必要な外部入力が温度であるものを仮定した場合について説明する。
まず、空間3内の気体を機構Aに吸着させ、酸素を吸着した状態の機構A2を熱源付近まで動かし、熱源で加熱することで酸素を脱着させ、脱着した酸素を空間3に送るなどの方法が考えられる。
なお、上記は熱源の利用方法の一例を示したものであり、熱源の利用方法はこの限りではなく、機構A2の特性や冷蔵庫1の各室のレイアウト、その他部品のレイアウトなど、状況に応じて自由に設定できる。
また、機構B4には、酸素センサーなどがあるが、酸素濃度を検知できる機構であれば、特に指定するものではない。また、設置場所も、空間3内の酸素濃度を検知できる場所であれば特に指定するものではない。
また、空間3の温度帯は特に指定するものではなく、冷蔵室、冷凍室、野菜室、チルド室、パーシャル室など様々な温度帯の空間が考えられる。
また、空間3は、いわゆる冷蔵室、冷凍室、野菜室などと呼ばれる保存室全体であっても良いし、前記保存室のうちの一部分に壁等によって仕切られることにより設けられた空間であっても良い。その仕切り方や仕切る材料についても特に指定するものではない。
また、空間3の数は特に指定するものではなく、単数でも複数でも良い。
また、空間3は、酸素濃度の変化によって大気圧よりも減圧になることから、空間3を形成する壁の強度を高めておくことが望ましい。また、圧力差により空間の外から中へ気体が侵入する可能性や、ガス成分差により空間の内外のガス交換が発生する可能性があるため、空間3を形成する壁と壁の間のシール性を高めておくことが望ましい。
また、冷蔵庫1は、冷凍室を有するいわゆる冷凍冷蔵庫であっても良く、他にも野菜室やチルド室など様々な温度帯の保存室を有している構成であっても良い。
また、冷蔵庫1の冷却方式も、上記の方式に限らず、気化圧縮型、気化吸収型、ペルチェ効果型など、特に指定するものではない。
我々は、「食品を保存する環境の酸素濃度」と「食品の鮮度」の関係を評価したところ、酸素濃度の適度な低減は食品の酸化劣化を抑制することを確認した。しかし、その一方で、多くの食品で、酸素濃度が低すぎると弊害が生じることがわかった。低酸素による弊害について実験を例に用いて説明する。
カットしたキャベツを、酸素濃度を2%、5%、21%(残りは窒素)とした空間内で、5℃にて7日間保存した。
このとき、酸素濃度21%の空間で保存したものには切断面に変色(黒ずみ)が見られたが、5%や2%で保存したものでは変色が見られなかった。しかしながら、2%で保存したもののみ、大気環境へ移した後、数時間内に変色が発生した。おそらく、酸素が低い環境から酸素濃度が高い環境に移ったことで、呼吸が過剰となり、急激に劣化したと考える。
ほうれん草やモロヘイヤでも同様の実験を行うと、2%で保存したもののみ、大気環境へ移した後、数時間内にしなびれが発生した。これも同様の原因が考えられる。
次に、マグロの切り身と牛肉を、酸素濃度を2%、5%、21%とした空間内で、−2℃にて3日間保存した。
酸素濃度と酸価、過酸化物価、生菌数を確認したところ、酸素濃度が低いほど酸化や菌の繁殖は抑制されていた。
外観は、酸素濃度21%、5%の空間で保存したものは鮮やかな赤色を呈していたが、2%では褐色に変色した。変色はメト化によるものと推測する。
このように、実験では、食品を保存する環境の酸素濃度を大気中よりも低くすることで酸化抑制の効果が得られる一方で、2%以下になると弊害が発生することが判明した。
従って、本発明の冷蔵庫は、前記機構Aによる酸素の除去によって、前記空間における酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低い範囲で任意の規定値に制御する。次に、保存した食品の呼吸等により、前記空間内の酸素が減少し、前記空間の酸素濃度が規定下限値に到達したことを前記機構Bが検知すると、前記機構Aが富化の方向に働く。これにより、前記空間内の酸素濃度が2%以下になることを防ぐ。
前記機構Aが酸素除去だけでなく、富化の方向にも働くことができることにより、前記空間内に呼吸量の多い食品を保存する場合でも、前記空間内の酸素濃度は極端に下がりすぎることなく、狙い通りの酸素濃度に保つことが可能となる。
例えば以下のような使い方が考えられる。前記空間内の酸素濃度を5%に、規定下限値を3%に設定する場合を想定する。まず、食品(野菜など呼吸量の多い食品)を前記空間に入れ、扉を閉める。前記機構Aにより前記空間内の酸素濃度が5%になるまで酸素を除去する。ここで、前記機構Aの動作を止める。次に、食品の呼吸により、前記空間内の酸素濃度が3%になったことを機構Bが検知すると、前記機構Aが富化の方向に働く。これにより前記空間内の酸素濃度を5%に戻す。
なお、上記は一例であるため、前記空間における酸素濃度は、2%超かつ大気中の酸素濃度よりも低い範囲であれば特に指定するものではなく、保存する食品に合わせて任意に設定できる。また、狙いの酸素濃度に設定する方法としては、前記機構Aの動作を止めるなどの方法を取ることが考えられるが、その方法は特に指定するものではない。また、前記規定下限値も、2%超かつ大気中の酸素濃度よりも低い範囲であれば特に指定するものではない。
ここで、前記機構Aには、酸素ポンプや酸素吸脱着材などがあるが、酸素の除去と富化を行うことができる機構であれば特に指定するものではない。なお、前記機構Aは、酸素の除去や富化に外部からの入力、例えば、温度、圧力、電流、還元ガスなどを必要としないことが望ましいが、必要としてもかまわない。その外部からの入力の種類も特に指定するものではない。
また、前記機構Bは、酸素センサーなどがあるが、酸素濃度を検知できる機構であれば、特に指定するものではない。また、設置場所も、前記空間内の酸素濃度を検知できる場所であれば特に指定するものではない。
さらに、前記空間の温度帯は特に指定するものではなく、冷蔵室、冷凍室、野菜室、チルド室、パーシャル室など様々な温度帯の空間が考えられる。
また、前記空間は、いわゆる冷蔵室、冷凍室、野菜室などと呼ばれる保存室全体であっても良いし、前記保存室のうちの一部分に壁等によって仕切られることにより設けられた空間であっても良い。
また、前記空間の数は特に指定するものではなく、単数でも複数でも良い。
また、前記空間は、酸素濃度の変化によって大気圧よりも減圧になることから、空間を形成する壁の強度を高めておくことが望ましい。また、圧力差により空間の外から中へ気体が侵入する可能性や、ガス成分差により空間の内外のガス交換が発生する可能性がある
ため、空間を形成する壁と壁の間のシール性を高めておくことが望ましい。
また本発明は、空間の酸素濃度が規定上限値に到達したことを、機構Bが検知すると、機構Aが除去の方向に働くことにより、空間の酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低い範囲で任意の酸素濃度に保つことを特徴とするものであり、これにより、前記空間内の酸素濃度の上昇を抑制することが可能であるため、食品の酸化を抑制できる。
例えば以下のような使い方が考えられる。前記空間内の酸素濃度を10%に、規定上限値を15%に設定する場合を想定する。まず、食品を前記空間に入れ、扉を閉める。前記機構Aにより前記空間内の酸素濃度が10%になるまで酸素を除去する。ここで、前記機構Aの動作を止める。次に、前記空間内の酸素濃度が上昇し、前記空間内の酸素濃度が15%になったことを前記機構Bが検知すると、前記機構Aが除去の方向に働く。これにより前記空間内の酸素濃度を10%に戻す。
なお、前記空間内における酸素濃度の上昇の原因としては、また、圧力差による空間の外から中への気体の侵入や、ガス成分差による前記空間の内外のガス交換等が考えられる。
なお、上記は一例であるため、空間における酸素濃度は、2%超かつ大気中の酸素濃度よりも低い範囲であれば特に指定するものではなく、保存する食品に合わせて任意に設定が可能である。また、前記規定上限値は、大気中の酸素濃度よりも低い値であれば特に指定するものではないが、酸化劣化抑制効果を確保するためには15%以下が望ましい。
また本発明は、空間内の酸素濃度が2%超15%以下であることにより、酸化抑制と低酸素障害抑制が両立できるため、食品の長期保存が可能になる。
なお、我々は、様々な食品を用いて実験を行った結果、この範囲が食品の保存に適していることを確認した。2%超が適している原因については前述の通りであるため、ここでは説明を省略し、15%以下が適している原因について説明する。
カットしたキャベツを、酸素濃度を5%、10%、15%、21%とした空間内で、5℃にて7日間保存した。
このとき、酸素濃度が低いほど、切断面の変色が抑制されることを確認した。
また、ビタミンCの量は、10%近傍がもっとも良好であり、15%を超えると21%とほぼ同等の数値となり、効果がほとんど得られなかった。
ほうれん草やモロヘイヤのビタミンC量でも、同様の傾向であった。
従って、前記空間内の酸素濃度は、15%以下が望ましい。
以下、実施例を用いて、実施の形態をより詳細に説明する。
(実施例1)
冷蔵庫1において、空間3は、冷蔵室のうちの一部分を壁で仕切ることにより設けられた空間であり、また、機構A2として酸素ポンプを、機構B4として酸素センサーを使用した。酸素ポンプは固体高分子型であり、イオン交換膜としてNafion膜、電極としてPt触媒担時電極を使用した構成である。なお、この酸素ポンプは常温での駆動が可能
である。
空間3の酸素濃度を10%、規定下限値を3%、規定上限値を15%に設定し、キャベツ、ほうれん草、モロヘイヤを保存した。
空間3内の酸素濃度は以下のようにして制御される。
まず、食品を空間3に入れ、扉を閉める。機構A2により前記空間内の酸素濃度が10%になるまで酸素を除去する。ここで、機構A2の動作を止める。次に、食品の呼吸により、空間3内の酸素濃度が3%になったことを機構B4が検知すると、機構A2が富化の方向に働く。これにより空間3内の酸素濃度を10%に戻す。
空間3に7日間保存した食品の外観、ビタミンCの残存量を評価したところ、酸素濃度を制御しない同温度帯の冷蔵室で保存した場合に比べて、外観も良好であり、ビタミンCの残存量も多かったことから、酸化劣化が抑制されたことを確認した。また、機構A2と機構B4の働きによって、空間3内は適度な酸素濃度に保たれ、極度の低酸素状態になることがなかったため、酸欠による弊害(キャベツの変色、ほうれん草やモロヘイヤのしなびれ)も発生しなかった。
なお、本実施例では、空間3内の酸素濃度は規定上限値には到達しなかったが、到達した場合には、空間3内の酸素濃度が15%になったことを機構B4が検知すると、機構A2が除去の方向に働き、前記空間内の酸素濃度を10%に戻すことも可能である。
(実施例2)
冷蔵庫1において、空間3は、チルド室のうちの一部分を壁で仕切ることにより設けられた空間であり、また、機構A2、機構B4は、実施例1と同様の材料を用いた。
空間3の酸素濃度を15%、規定下限値を5%、規定上限値を20%に設定し、牛肉、マグロを保存した。
空間3内の酸素濃度の制御方法は実施例1同様であるため、説明は省略する。
空間3に3日間保存した食品の酸価、過酸化物価、生菌数を評価したところ、酸素濃度を制御しないチルド室で保存した場合に比べて、酸化や菌の繁殖が抑制されていた。また、機構A2と機構B4の働きによって、空間3内は適度な酸素濃度に保たれ、極度の低酸素状態になることがなかったため、酸欠による弊害(褐変)も発生しなかった。
以上、実施例では食品の一例として、キャベツ、ほうれん草、モロヘイヤ、牛肉、マグロを使用したが、保存可能な食品はこれらに限定されることなく、他の食品の保存も可能である。
また、空間3の温度帯は、実施例の温度帯に限定されることなく、他の温度帯であっても良い。
また、空間3は、野菜室やチルド室と呼ばれる保存室全体であっても、実施例のように保存室のうちの仕切られた一部分の空間であっても良い。特に後者の場合、すぐに使い切る食品と使い切るのに日数がかかる食品とを分けて保存できる、保存する食品を特定すれば前記空間内をその食材に最適な酸素濃度に設定できる、などのメリットがあるため、より望ましい。
また、空間3における酸素濃度は、2%超かつ大気中の酸素濃度よりも低い範囲であれば特に指定するものではなく、保存する食品に合わせて任意に設定できる。また、狙いの酸素濃度に設定する方法も、実施例に挙げた方法に限定されるものではなく、他の方法であっても良い。また、前記規定下限値も、2%超かつ大気中の酸素濃度よりも低い範囲であれば、特に指定するものではない。
以上のように、本発明にかかる冷蔵庫は、食品の酸化劣化や、極度の酸素不足による呼吸障害やメト化が抑制できるために長期保存が可能となる。従って、一般家庭用冷蔵庫に限らず、業務用冷蔵庫や倉庫などにも適用できる。また、食品を運送する際の劣化も抑制できるため、冷蔵車や冷凍車などの運搬手段などにも適用できる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図
1 冷蔵庫
2 酸素除去及び富化機構(機構A)
3 機構Aにより酸素濃度が制御される空間
4 酸素濃度を検知する機構(機構B)

Claims (8)

  1. 少なくとも、酸素除去及び富化機構(以下、機構Aと称す)と、前記機構Aにより酸素濃度が制御される空間と、前記空間内の酸素濃度を検知する機構(以下、機構Bと称す)とを備えた冷蔵庫であって、前記機構Aによる酸素の除去によって、前記空間における酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低い範囲で任意の酸素濃度に制御可能であり、かつ、前記空間内の酸素濃度が規定下限値に到達したことを、前記機構Bが検知すると、前記機構Aが富化の方向に働くことにより、前記空間の酸素濃度を一定に保つことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記空間の酸素濃度が規定上限値に到達したことを、前記機構Bが検知すると、前記機構Aが除去の方向に働くことにより、前記空間の酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低い範囲で任意の酸素濃度に制御可能であることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記空間の酸素濃度が、2%超15%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記機構Aが、冷蔵庫の熱源の温度以下の温度域で酸素の除去及び富化が可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記機構Aが、常温以下の温度域で酸素の除去及び富化が可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記空間が、野菜室または冷蔵室の温度帯の空間であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記機構Aが、酸素ポンプであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  8. 前記酸素ポンプが、固体高分子型であることを特徴とする請求項7に記載の冷蔵庫。
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