JP2010241859A - 有機無機複合ゲル - Google Patents

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Abstract

【課題】材料として十分な強度と伸びを併せ持ち、更に、広い温度範囲で高い水膨潤性を有するゲルであって、加えて乾燥した状態でも柔軟性を有するものであり、更に、ゲル状態においては、膨潤−収縮が温度、塩濃度、pHなどの外部刺激により変化する刺激−応答性のゲルを提供する。
【解決手段】ラジカル重合性モノマー(A)の重合体と、水膨潤性粘土鉱物(B)とが形成する三次元網目の中に、水(C)が包含されている有機無機複合ゲルであって、
前記ラジカル重合性モノマー(A)が、重合前は親水性であるがそれ自身の単独重合体が疎水性となる親水性モノマー(A1)を99〜40モル%と、重合前は親水性であり、それ自身の単独重合体が親水性となる親水性モノマー(A2)を1〜60モル%を含むことを特徴とする有機無機複合ゲルを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、材料として優れた強度と伸張性を併せ持ち、水に対して高い膨潤性を示し、更に、温度、塩濃度、pHなどにより水膨潤率が大きく変化する刺激応答性の有機無機複合ゲル及びその乾燥物に関するものである。
インテリジェント材料としてのゲルの用途に関する提案は古くからあった(例えば、非特許文献1,2)。1980年代にゲルの体積転移現象が発見されてから、インテリジェント材料としてのゲルの研究が促進され、非常に多くの研究が行われるようになり、同時にドラックデリバリー、アクチュエーター、ケミカルバルブなど様々な分野への応用展開に対する提案がなされ注目されてきた(非特許文献3)。ポリ−N−プロピルアクリルアミド(PNIPA)の水性ゲルは、32℃付近で膨潤−収縮の体積転移を示すことから広く研究が行われている(非特許文献1、2、3)。しかし、該ゲルは、インテリジェント材料として利用するには脆弱であり、利用範囲が限定されるという問題があった。また、メトキシエチルアクリレート(MEA)とN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)から得られる共重合体が温度応答性のゲルとなることも知られている(非特許文献4)。このゲル系ではPNIPA系とは異なり転移温度域を制御できるという利点があるものの、ゲルの膨潤度が小さいとか、やはりインテリジェント材料として利用するには脆弱であるという問題があった。
有機架橋剤で三次元網目を形成させる通常のゲル(以後このゲルを有機架橋ゲルと称する)においては、脆弱であることが応用展開を図る上での共通の問題点であった。この脆弱性を克服する方法として、ラジカル重合性モノマーの重合体と粘土鉱物とからなる有機無機ナノコンポジット型の水性ゲルに関する技術が開示されている(特許文献1、非特許文献5など)。該有機無機ナノコンポジット型ゲルは、靱性に優れ、十分な強度と高い伸縮性を合わせ持つことから、ソフトマテリアルとしてのゲル材料の応用分野を新たに切り開くことができうる材料として注目されている。特許文献1には、刺激応答性を示すPNIPAに関する例が開示されており、32℃付近で膨潤−収縮の体積転移を示し、優れた靱性を有するゲルについて示されている。しかし、このゲルにおいては、水に対する膨潤度(ゲル中の水質量/ゲルの乾燥質量)は30倍未満であり、インテリジェント材料としては、十分なものでは無かった。特に、これらゲルは乾燥すると高分子材料に特有な伸張性や柔軟性が全く失われ、固く非常に脆くなるため、ある程度の水を含んだ状態で使用しなければならないという問題、更に、転移温度域が固定され、異なる温度域で利用できないなどの問題があり、インテリジェント材料として利用できる領域・範囲が限定されるという問題があった。
一方、MEA系については、特許文献2においてMEA単独の重合体やMEAとイソプロピルアクリルアミド(NIPA)との共重合体と粘土鉱物からなる有機無機複合体に関して開示されている。この文献にて開示されている有機無機複合体は実質的に水を含有しない乾燥状態の複合体に関するものである。また、実施例では水に分散した水膨潤性粘土鉱物の存在下でMEAとNIPAの混合モノマーを重合した高分子複合体を製造する工程が記載されているが、合成途中で得られるゲルは水とポリマーが完全に相分離したゲルで材料として利用するには非常に弱く、更に、最終的に得られる高分子複合体は水膨潤能力が極めて低い複合体であり、特に、温度変化により水膨潤能力が極端に低下するものであった。
特開2002−53629号公報 特開2005−232402号公報(特許請求の範囲、実施例15)
季刊化学総説「有機高分子ゲル」、日本化学会編、学会出版センター(1990) 荻野一善、長田義仁、伏見隆夫、山内愛造、「ゲル」、産業図書、(1991) T. Tanaka, D.J. Fillmore, S.-T. Sun, I. Nishio, G. Swislow, A. Shah, Phys. Rev. Lett., Vol. 38, page 1636 (1980). Karl F. Mueller, Polymer, Vol. 33, No. 16, page 3470-3476 (1992). Kazutoshi Haraguchi, Toru Takehisa, Advanced Materials, Vol. 14, No. 16, page 1120-1124, (2002).
本発明の目的は、材料として十分な強度と伸びを併せ持ち、更に、広い温度範囲で高い水膨潤性を有するゲルであって、加えて乾燥した状態でも柔軟性を有するものであり、更に、ゲル状態においては、膨潤−収縮が温度、塩濃度、pHなどの外部刺激により変化する刺激−応答性のゲルを提供することにある。
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意研究した結果、2種類の異なる性質を示すラジカル重合性モノマーの共重合体と粘土鉱物からなる3次元網目内に水を含有するゲルが上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ラジカル重合性モノマー(A)の重合体と、水膨潤性粘土鉱物(B)とが形成する三次元網目の中に、水(C)が包含されている有機無機複合ゲルであって、
前記ラジカル重合性モノマー(A)が、重合前は親水性であるがそれ自身の単独重合体が疎水性となる親水性モノマー(A1)を99〜40モル%と、重合前は親水性であり、それ自身の単独重合体が親水性となる親水性モノマー(A2)を1〜60モル%を含むことを特徴とする有機無機複合ゲルを提供するものである。
本発明の有機無機複合ゲルは、材料として十分な強度と伸びを併せ持ち、且つ、乾燥した場合にも柔軟性を有するものであり、更に、広い温度範囲で水に対する高い膨潤性を示し、ゲルの膨潤−収縮が温度、塩濃度、溶媒組成、pHなどにより変化する刺激−応答性のゲルである。
実施例1及び実施例14の乾燥ゲルを水と温水に交互に浸漬し、ゲルの膨潤度の経時変化を測定した図である。 実施例2及び実施例14の乾燥ゲルを水と温水に交互に浸漬し、ゲルの長さの経時変化を測定した図である。 実施例12及び実施例13の乾燥ゲルを水と温水に交互に浸漬し、ゲルの膨潤度の経時変化を測定した図である。 実施例15及び実施例16の乾燥ゲルを水と塩化ナトリウム水溶液に交互に浸漬し、ゲルの膨潤度の経時変化を測定した図である。 水溶液の塩化ナトリウム濃度を変化させた際に定長で固定した実施例17のゲルに発現する応力の変化を示した図である。 実施例18のゲルをガラス板にはさみ、ゲルの温度を25℃とし5分間保持し、次いで50℃とし5分間保持する操作を6回繰り返し、温度変化に伴うゲルの透明性変化を測定した図である。 実施例19で用いたゲル15の乾燥フィルム、及び実施例20で用いたゲル1の乾燥フィルムを水/エタノールの質量比を変化させて浸漬させ、膨潤度を測定した図である。 リドカイン塩酸塩を含浸した実施例22のゲル(ゲル1)を純水に入れ、温度を変化させたときのリドカインの放出量の変化を示す図である。
本発明の有機無機複合ゲルが有する特徴は、(1)高い水膨潤性、(2)外部刺激により水膨潤度が変化する刺激応答性、(3)優れた力学的性質である。
(1)本発明の有機無機複合ゲルは優れた水膨潤性を示す。水膨潤度(R)は、ゲル中の水の質量(W)とゲルの乾燥質量(W:通常はポリマー質量とクレイ質量の和)の比(R=W/W)により表される。本発明の有機無機複合ゲルは通常、最大膨潤度(Rmax)は5倍以上、好ましくは10倍以上、特に好ましくは20倍以上のものであり、更に、最大膨潤度100倍以上の超膨潤性の能力を有するものは特に好ましい。最大膨潤度(Rmax)の上限は特に規定されないが、通常、1000倍以下である。1000倍を越えると機械的強度が弱くなるなどの問題が生じる場合がある。なお、本発明のゲルは通常最大膨潤度(Rmax)以下の膨潤度で使用される。
本発明においてゲルの水膨潤度は、ゲルの質量(W)を測定した後、ゲルを乾燥させてゲルの乾燥質量(W)を得ることにより、R=(W−W)/Wとして得ることができる。また、本発明において、ゲルの乾燥質量は、仕込値から水以外の質量を乾燥質量として算出することも可能であるが、ゲルを通常の乾燥機の中で100℃以下の温度で乾燥させた後、更に、80〜120℃の温度で2時間以上、真空乾燥させることにより実験的に得る方法が好ましい。
(2)本発明の有機無機複合ゲルは、ゲルの水膨潤度が温度、塩(イオン)濃度、pH、溶媒組成、電場、或いは有機化合物存在やその濃度などに依存して変化する。変化の割合は、最大膨潤度(Rmax)と最小膨潤度(Rmin)の比(Rmax/Rmin)が3以上、好ましくは5以上である。変化の割合が3未満の場合、刺激応答ゲルとして、十分な性質が得られない場合がある。本発明のゲルは水を含まない乾燥した状態(最小膨潤度がゼロの場合)においても柔軟性を有する材料となり、フィルムなどとして使用可能である。そのため、変化の割合の上限は算術的に特に無いが、通常の場合、変化の割合の上限は1000である。
ゲルを膨潤収縮させる刺激となるものとしては、ゲルの雰囲気の温度、水溶液中の塩の濃度や水溶液のpH、溶媒組成、電場、或いは有機化合物の濃度などである。
温度は、ゲル中で水溶液が凍結する温度を超える温度で、且つ、ゲル中の水溶液が沸騰する温度未満の温度域で使用可能であるが、通常、0〜100℃の範囲である。本発明のゲルは水溶液のpHに依存し、膨潤度が変化する。膨潤度が変化するpHの領域は使用するモノマーの種類や組成、或いは水溶液の種類などにより異なるため、規定できない。超酸や超塩基の状態の場合も可能であるが、通常、pHは0〜14の範囲である。本発明のゲルは水溶液中の塩濃度の変化により、ゲルの膨潤度が変化する。塩としては、塩化ナトリウム、塩化カルシュウム、塩化アルミニウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸胴などの水溶性の有機・無機塩を挙げることができる。本発明の有機無機複合ゲルは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシュウム、アルムニウム、アンモニウムなどのカチオン濃度や塩化イオン、硝酸イオン、硫酸イオンなどのアニオン濃度といったイオン濃度に応答してゲルの膨潤度が変化するものと思われ、上記塩に限らず本発明の目的とする膨潤度変化を誘起するものであれば制限されない。また、濃度範囲についても特に限定されなく、飽和溶解度以下の濃度で利用される。また、本発明では刺激の要因は複数であっても良い。
(3)また、本発明の有機無機複合ゲルは、ゲルとして機械的に優れた靱性、つまり強さと伸びを併せ持つものである。材料としての強さ、伸びは、引張破壊試験を行った際の最大強度と破断伸度により知ることができる。本発明の有機無機複合ゲルは、破断伸度((破断時の長さ−初期長さ)×100/初期長さ)が、通常100%以上、好ましくは150%以上、特に好ましくは200%以上の延伸性を示すものであり、最大強度が5kPa以上、好ましくは10kPa以上のものである。伸張度と最大強度の上限は特に限定されないが、通常、伸張度は5000%以下、最大強度は10MPa以下である。尚、ゲルの強度や破断伸度はゲルの膨潤度により大きく異なり、膨潤度が大きくなるほど、強度や破断伸度は低くなる。強度と破断伸度に対する上記値は、水膨潤度が3〜8倍のゲルに対するものである。
本発明で使用するラジカル重合性モノマー(A)は、重合前は親水性であり、そのモノマーを単独重合して単独重合体となったときには疎水性となる親水性のラジカル重合性モノマー(A1)と、重合前は親水性であり、そのモノマーを単独重合して単独重合体となったときにも親水性である親水性のラジカル重合性モノマー(A2)を併用して用いる。
本発明における重合前に親水性で、重合後に疎水性となる親水性のラジカル重合性モノマー(A1)は、モノマーの状態では1質量%以上、好ましくは2質量%以上の濃度で水に溶解する単官能のラジカル重合性モノマーで、該モノマー(A1)を水溶液中で単独重合させた場合、重合後に、不溶となり沈殿したり、或いは、水を吐き出し白濁ゲルとなるものである。このようなラジカル重合性モノマーとしては、下記構造式(1)及び(2)の(メタ)アクリル酸エステルや、更に、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートやメトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのラジカル重合性モノマーを挙げることができるが、下記構造式(1)及び(2)の(メタ)アクリル酸エステル系のラジカル重合性モノマーが好ましく用いられる。構造式(1)のラジカル重合性モノマーとして、メトキシエチル(メタ)アクリレートやエトキシエチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。構造式(2)のラジカル重合性モノマーとしては、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらを併用することも可能である。中でもメトキシエチルアクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートが特に好ましく用いられる。
Figure 2010241859
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは分岐していても良い炭素数1〜4のアルキレン基、Rは分岐しても良い炭素数1〜2のアルキル基を表す。)
Figure 2010241859
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは分岐していても良い炭素数3〜4のアルキレン基を表す。)
一方、重合前は親水性であり、重合後も親水性である親水性のラシカル重合性モノマー(A2)とは、モノマーの状態では1質量%以上、好ましくは2質量%以上、特に好ましくは5質量%の濃度で水に溶解する単官能のラジカル重合性モノマーであり、該モノマー(A2)を水溶液中で単独重合させた場合、重合後も20℃〜50℃の全温度域で水に可溶であり、或いは、溶液全体が透明なゲルとなるモノマーであり、水と分離しないものである。尚、重合後、重合物の溶解性を確認する際、水で希釈しても構わない。
ところで、20℃〜50℃の温度範囲において親水性と疎水性が変化するモノマーとしては、下限臨界共溶温度(LCST)を示すイソプロピルアクリルアミド(NIPA)やジエチルアクリルアミド(DEAA)等が知られているが、このようなモノマーを使用すると、有機無機複合ゲルの水膨潤能力が低くなり、更に温度変化により水膨潤能力が極端に低下するため、本発明では主成分として使用することはできない。勿論、本発明の目的を損なわない範囲での使用は可能であるが、本発明の有機無機複合ゲルを製造する際の必須成分ではない。
ラジカル重合性モノマー(A2)としては、N−メチルアクリルアミド、メタアクリルアミド、アクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、下記構造式3のジメチルアクリルアミド、下記構造式4のアクリロイルモルホリン、下記構造式5のポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、好ましいものとして下記構造式(3)〜(5)のラジカル重合性モノマーを挙げることができる。
Figure 2010241859
Figure 2010241859
Figure 2010241859
(式中、Rは水素原子又はメチル基、nは3〜15の整数である。)
上記重合前は親水性で重合後疎水性である親水性モノマー(A1)と重合前は親水性で重合後も親水性である親水性モノマー(A2)との混合の割合は使用目的などにより異なるが、通常、親水性モノマー(A1)99〜40モル%、親水性モノマー(A2)1〜60モル%、好ましくは親水性モノマー(A1)98〜50モル%、親水性モノマー(A2)2〜50モル%である。親水性モノマー(A2)が60モル%を越える場合、外部刺激に応答するゲルの膨潤−収縮に伴う水膨潤度の変化率が十分では無かったり、損なわれる場合がある。また、本発明の目的を損なわない範囲内で、通常、全モノマー中の20モル%以下の範囲、好ましくは10モル%以下の範囲で、その他のラジカル重合性モノマーを使用することは可能である。
ゲルの膨潤度が外部刺激により膨潤収縮する性質は主としてゲルのネットワーク構造を形成するポリマーの性質に依存することが知られている。本発明で使用する重合前は親水性で重合後に疎水性となる親水性モノマー(A1)と重合前は親水性で重合後も親水性である親水性モノマー(A2)は、一般にはそれぞれ単独の重合物としては外部刺激により膨潤−収縮しないが、共重合化することにより膨潤度は外部刺激により膨潤−収縮を示すようになる。
本発明の水膨潤性粘土鉱物(B)は、層状粘土鉱物であり、層間が水で膨潤し易い水膨潤性層状粘土鉱物である。水に均一分散可能な水膨潤性層状粘土鉱物が好ましく用いられる。特に好ましくは水中で分子レベル、すなわち単一層、若しくはそれに近いレベルで剥離し均一分散可能な水膨潤性層状粘土鉱物である。層状粘土鉱物としては、具体的には、水膨潤性スメクタイトや水膨潤性雲母などの膨潤性粘土鉱物が用いられる。より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリロナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。これら水膨潤性粘土鉱物は混合して用いても構わない。
上記水膨潤性粘土鉱物は前記ラジカル重合性モノマーを含有する溶液中で微細かつ均一に分散することが必要で、特に該溶液中に溶解することが望ましい。ここで溶解とは、粘土鉱物の沈殿を生じるような大きな凝集体が無い状態を意味する。より好ましくは1〜10層程度のナノメーターレベルの厚みで分散しているもの、特に好ましくは1〜2層程度の厚みで分散しているものである。
有機架橋剤を使用した通常のゲルの場合、脆弱であったり、或いは、膨潤度が極めて小さいなどの問題があり、刺激応答性ゲルとしての用途が大きく制限されるという問題があった。本発明では、有機架橋剤の代わりに上記水膨潤性粘土鉱物を使用することにより、伸びや強度など力学的性質に優れたゲルが得られる。更に、驚くべきことに、本発明の有機無機複合ゲルでは、極めて高い水膨潤度のゲルが得られる。本発明の有機無機複合ゲルのネットワークを形成する高分子は疎水性高分子がメジャー成分であり、それ単独では膨潤しないか、或いは膨潤しても膨潤度は極めて小さい。しかしながら、マイナー成分として、親水性ポリマーを共重合化することにより、親水性ポリマー単独のゲルに匹敵する膨潤度や、或いは親水性ポリマー単独のゲルの膨潤度を遙かに越えた非常に大きな水膨潤性を示すゲルが得られる。
ラジカル重合性モノマー(A)に対する水膨潤性粘土鉱物(B)の(水膨潤性粘土鉱物の質量/ラジカル重合性モノマーの質量)質量比は0.01〜10であることが好ましく、より好ましくは0.03〜2、特に好ましくは0.05〜1である。かかる質量比はかかる範囲であるならば、本発明の目的とする力学的性質、膨潤性、刺激応答性などを好ましく得ることができる。
本発明の有機無機複合ゲルは、ラジカル重合性モノマー(A)の重合体と水膨潤性粘土鉱物(B)とが形成する三次元網目の中に水(C)が包含されているものである。水膨潤性粘土鉱物(B)が架橋点となってラジカル重合性モノマー(A)の重合体の三次元網目構造を形成しているものであり、その中に上述した水媒体(C)が含有されているものである。ラジカル重合性モノマー(A)の重合体と水膨潤性粘土鉱物(B)との複合体がゲルを形成する能力があることが、ラジカル重合性モノマー(A)の重合体と水膨潤性粘土鉱物(B)とが三次元網目を形成していることを意味している。
本発明の有機無機複合ゲルでは、通常の高分子ゲルで使用される多官能のラジカル重合性モノマーなどの有機架橋剤を使用する必要はない。しかし、本発明の目的とする効果に影響が無い範囲内で使用することは可能である。使用可能な量は使用する有機架橋剤の種類などにより異なるが通常、ラジカル重合性モノマー(A)1モルに対して0.001〜10モル%、好ましくは0.002〜5モル%、特に好ましくは0.005〜1モル%の範囲である。通常、10モル%を越えると得られるゲルの靱性が低下したり、刺激応答性が損なわれる場合がある。有機架橋剤は、公知の有機架橋剤が使用可能で、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどの多官能アクリルアミドや、ジエチレングリコール(メタ)アクリレートやジポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類などが挙げられる。使用する条件で重合溶液に可溶なものが用いられ、水溶性の有機架橋剤が好ましく用いられる。これら有機架橋剤は、通常、ラジカル重合性モノマー(A)と一緒に添加され、使用される。
本発明の有機無機複合ゲルの製造法は、例えば、ラジカル重合性モノマー(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)と水(C)が含まれる溶液中でラジカル重合性モノマー(A)を重合させる方法などが挙げられる。具体的には、ラジカル重合性モノマー(A)、水膨潤性粘土鉱物(B)、水(C)が含まれる均質混合溶液を調製した後、公知の重合開始剤と必要に応じて触媒を添加して、モノマーが重合を開始する温度で保持しラジカル重合性モノマー(A)を重合させて、ラジカル重合性モノマー(A)の重合体と水膨潤性粘土鉱物(B)とからなる三次元網目構造体中に水(C)が含まれる有機無機複合ゲルを形成させる方法を挙げることができる。
未反応モノマーやオリゴマー或いは重合開始剤などを除去する目的で得られた有機無機複合ゲルを必要に応じて、水や熱水、或いは水蒸気などを用いて洗浄することも可能である。
ラジカル重合性モノマー(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)との良好な均質溶液を調製することを目的として、水と均質に混合する有機溶媒を混合して使用することも可能である。水に均質に混合する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒などが挙げられる。溶媒の量は特に規定されないが、通常、重合に使用する全溶媒中の60質量%以下、好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えて使用する場合、水膨潤性粘土鉱物(B)の分散性を損なう場合がある。また、重合によっては酸素の存在を嫌うものもあり、使用する水(C)又は水溶液は真空脱気処理や或いは窒素やアルゴンなどで溶存酸素を置換する方法は好ましい。
重合を行う際の水(C)又は水溶液の使用量は使用するモノマーや粘土鉱物の種類や量、ゲルの使用目的などにより異なるため一概には規定できないが、通常、モノマー(A)と粘土鉱物(B)の合計質量100質量部に対して、水又は水溶液量は200〜10000質量部、好ましくは250〜5000質量部が使用される。10000質量部を越えるとゲル化が困難になる場合があり、200質量部未満では重合溶液の調製が難しくなる場合がある。
上述したラジカル重合性モノマー(A)を重合させる重合反応は、例えば、過酸化物の存在、加熱又は紫外線照射などの慣用の方法を用いたラジカル重合により行わせることができる。ラジカル重合開始剤及び触媒としては、慣用のラジカル重合開始剤及び触媒のうちから適宜選択して用いることができる。特に好ましいものとして、粘土鉱物と強い相互作用を有するカチオン系ラジカル重合開始剤を挙げることができる。
具体的には、重合開始剤としては、過酸化物、例えば、ペルオキソ二硫化カリウムやペルオキソ二硫化アンモニウム、アゾ化合物、例えば、和光純薬工業株式会社製のVA−044、V−50、V−501、VA−057などが好ましく用いられる。その他、ポリエチレンオキシド鎖を有するラジカル開始剤なども用いられる。
また触媒として、3級アミン化合物であるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンやβ−ジメチルアミノプロピオニトリルなどが好ましく用いられる。
重合温度は用いる重合溶液やラジカル重合性モノマー、重合触媒及び開始剤の種類などに合わせて設定される。通常、0〜100℃の範囲が用いられる。重合時間も触媒、開始剤、重合温度、重合溶液量などの重合条件により異なり、一概には規定できないが、一般に数十秒〜数十時間の間で行う。また、重合の雰囲気も窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気で行うことは好ましい。
本発明の有機無機複合ゲルは、重合溶液を任意の形状の容器に注入したりすることにより、重合後、任意の形状のゲルとして得ることが可能であり、例えば、塊状、ロット状、フィルム状、塗膜状、袋状、球状、粒子状など任意の形状のゲルを得ることが可能である。
本発明の有機無機複合ゲルは、ゲル中の水が無くなり、乾燥した状態でも柔軟な有機無機複合体となる。本発明における柔軟な状態とは、フィルムやロットなど折り曲げ可能な形状の場合、90°、特に好ましくは180°折り曲げても、フィルムにクラックが生じたり、破壊したりすることのないことである。尚、折り曲げる際のフィルム厚は0.2〜0.5mmの範囲である。また、本発明の有機無機複合ゲルの乾燥物は柔軟性と共に、十分な強度と延伸性を有している。引張破壊試験を行った際の破断伸度は50%以上、好ましくは100%以上であり、最大強度は0.5MPa以上、好ましくは1MPa以上である。なお、本発明の有機無機複合ゲルの乾燥物の形状はフィルム状やロット状に限られるものでは無く、有機無機複合ゲルの形成可能な形状の乾燥物が含まれる。ゲルを乾燥させる方法は特に制限は無く、公知の乾燥法が可能である。例えば、室温での風乾、加熱乾燥、及び/又は減圧による乾燥法などを挙げることができる。
また、この乾燥物を再度水に浸漬させると再び有機無機複合ゲルが得られる。本発明の有機無機複合ゲルにおいては、ゲルを一端乾燥させた後に、水で再膨潤させることで乾燥前に比べて強度の非常に高いゲルが得られる場合があり、特に好ましい。
また、水以外にも他の有機溶媒で膨潤させることも可能であり、混合溶媒とすることも可能である。本発明の有機無機複合ゲルは、混合溶媒系では溶媒組成により膨潤度が変化するため、好ましい。
これら有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、グリセリンなどのアルコール系溶媒、アセトンや2−ブタノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、クロロホルムや塩化メチレンなどのハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドなどの単独の有機溶媒や有機溶媒同士の混合溶媒、或いは水との混合溶媒が使用される。
次いで本発明を実施例により、より具体的に説明するが、もとより本発明は以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
(合成例1)
ラジカル重合性モノマーとして、2−メトキシエチルアクリレート(MEA)(アクリックス C−1:東和合成株式会社製)とジメチルアクリルアミド(DMAA:興人株式会社製)を使用した。粘土鉱物は水膨潤性の合成ヘクトライト(商品名 ラポナイトXLG、日本シリカ株式会社製)を120℃で2時間真空乾燥させて用いた。水は18Ωの超純水を用い、水は使用前に予め3時間以上窒素でバブリングさせて含有酸素を除去してから使用した。
内部を窒素置換した100mLの丸底フラスコに純水48g入れたものに、撹拌下で2.0gの合成ヘクトライトと4.6gのMEA、1.5gのDMAAを入れ(MEA/DMAA=7/3 モル/モル)、35℃で撹拌し透明な均質溶液を得た。この溶液を氷浴に入れ、10分間ゆっくりと撹拌した後、触媒としてテトラメチルエチレンジアミン(TEMED)32μLを加え、次いで、予め調製した純水10gとペルオキソ二硫化カリウム(KPS:関東化学株式会社製)0.2gからなる重合開始剤の水溶液2mLを撹拌下で加えた。厚さ3mm、幅10mmのシリコンゴムをスペーサとし、15cm2のガラス板2枚を用いてゲル調製容器を作成した。重合溶液を窒素雰囲気下でゲル調製容器中に入れた。尚、ゲル調製容器内への重合溶液の導入は窒素雰囲気としたグローブボックス内で行った。20℃で24時間保持することで重合を進行させた。重合溶液は液全体がゲル化していた。得られたゲル1は薄く乳白濁化していたが、十分な強度と伸縮性を有するゲルであった。ゲル1の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表1にまとめている。得られたゲル1の膨潤度(R=6.3)は仕込値から算出した膨潤度(R=6.2)とほぼ一致していた。
尚、約5gのゲル(W)を1日間風乾した後、80℃で5時間熱風乾燥させ、更に、100℃で3時間真空乾燥させて、ゲルの乾燥質量(W)を求め、R=(W−W)/Wよりゲルの膨潤度(R)を算出した。
(合成例2)
合成ヘクトライト量を0.8g、MEAを5.2g、DMAA1.0g(MEA/DMAA=8/2 モル/モル)とした以外は合成例1と同じ方法でゲル2を調製した。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル2は白濁化していたが、強度と伸びは良好であった。ゲル2の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表1にまとめている。得られたゲル2の膨潤度(R=7.0)は仕込値から算出した膨潤度(R=7.1)とほぼ一致していた。
(合成例3)
MEAを5.9g、DMAA0.5g(MEA/DMAA=9/1 モル/モル)とし、TEMEDを添加しない以外は合成例1と同じ方法で重合溶液を調製し、ゲル調製容器に導入した。重合温度を50℃とし24時間重合を続けた。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル3は白濁化していたが、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル3の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表1にまとめている。得られたゲル3の膨潤度(R=6.0)は仕込値から算出した膨潤度(R=6.0)と一致していた。
(合成例4)
MEAを5.2g、DMAA1.0g(MEA/DMAA=8/2 モル/モル)とした以外は合成例3と同じ方法でゲル4を調製した。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル4は薄く乳白濁化していたが、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル4の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表1にまとめている。得られたゲル4の膨潤度(R=6.0)は仕込値から算出した膨潤度(R=6.1)とほぼ一致していた。
(合成例5)
MEAを3.9g、DMAA2.0g(MEA/DMAA=6/4 モル/モル)とした以外は合成例1と同じ方法でゲル5を調製した。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル5は無色透明であり、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル5の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表1にまとめている。得られたゲル5の膨潤度(R=6.4)は仕込値から算出した膨潤度(R=6.3)とほぼ一致していた。
(合成例6)
合成ヘクトライト量を4.0gとした以外は合成例1と同じ方法でゲル6を調製した。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル6は無色透明で、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル6の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表1にまとめている。得られたゲル6の膨潤度(R=5.0)は仕込値から算出した膨潤度(R=5.1)とほぼ一致していた。
(合成例7)
MEAを1.6g、DMAA3.8g(MEA/DMAA=2.5/7.5 モル/モル)とした以外は合成例1と同じ方法でゲル7を調製した。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル7は無色透明で、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル7の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表2にまとめている。得られたゲル7の膨潤度(R=6.9)は仕込値から算出した膨潤度(R=6.8)とほぼ一致していた。
(合成例8)
MEAを6.5g、DMAAを用いない(MEA/DMAA=10/0 モル/モル)以外は合成例2と同じ方法でゲル8を調製した。得られたゲルは真っ白で、非常に弱いものであった。重合液全体がゲル化しているのでは無く、水の吐き出しが見られた。均質なゲルでは無く、水とポリマーが相分離しているようであった。ゲル8の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表2にまとめている。得られたゲル8の膨潤度(R=4.0)は仕込値から算出した膨潤度(R=6.8)よりかなり小さかった。
(合成例9)
MEAを0g、DMAA5.0g(MEA/DMAA=0/10 モル/モル)とした以外は合成例1と同じ方法でゲル9を調製した。重合後、重合液全体がゲル化しており、得られたゲル9は無色透明で強度、伸び共に良好であった。ゲル9の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表2にまとめている。得られたゲル9の膨潤度(R=7.1)は仕込値から算出した膨潤度(R=7.1)と一致していた。
(合成例10)
合成ヘクトライト量を0.8g、MEAの代わりに、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)(ライトエステル HOP−A、共栄社化学株式会社製)4.6g(HPA/DMAA=7/3 モル/モル)を用いて、合成例1と同様な方法でゲル10を調製した。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル10は透明で、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル10の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表2にまとめている。得られたゲル10の膨潤度(R=7.3)は仕込値から算出した膨潤度(R=7.2)とほぼ一致していた。
(合成例11)
HPAを5.2g、DMAA1.0g(HPA/DMAA=8/2 モル/モル)とした以外は合成例10と同じ方法でゲル11を調製した。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル11は薄く乳白濁化していたが、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル11の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表2にまとめている。得られたゲル11の膨潤度(R=7.1)は仕込値から算出した膨潤度(R=7.1)と一致していた。
(合成例12)
合成ヘクトライト量を0.8g、DMAAの代わりに、アクリロイルモルホリン(ACMO)(興人株式会社製)2.1g(MEA/ACMO=7/3 モル/モル)を用いて、合成例1と同様な方法でゲル12を調製した。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル12は乳白濁化していたが、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル12の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表2にまとめている。得られたゲル12の膨潤度(R=6.6)は仕込値から算出した膨潤度(R=6.7)とほぼ一致していた。
(合成例13)
DMAAの代わりに、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(3EGA)(ライトアクリレート MTG−A、共栄社化学株式会社製)3.3g(MEA/3EGA=7/3 モル/モル)を用いて、合成例1と同様な方法でゲル13を調製した。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル13は透明であり、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル13の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表3にまとめている。得られたゲル13の膨潤度(R=5.1)は仕込値から算出した膨潤度(R=5.0)とほぼ一致していた。
(合成例14)
MEAを5.9g、DMAAの代わりに、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(9EGA)(ライトアクリレート 130A、共栄社化学株式会社製:構造式(5)の化合物であり、Rは水素原子、nは9)2.4g(MEA/9EGA=90/10 モル/モル)を用いて、合成例1と同様な方法でゲル14を調製した。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル14は透明であり、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル14の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表3にまとめている。得られたゲル14の膨潤度(R=4.8)は仕込値から算出した膨潤度(R=4.9)とほぼ一致していた。
(合成例15)
合成ヘクトライト量を0.8g、MEAを4.6g、DMAA1.5g(MEA/DMAA=7/3 モル/モル)とした以外は合成例2と同じ方法でゲル15を調製した。得られたゲルは乳白濁化していたが、強度と伸びは良好であった。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル15は薄く白濁化していたが、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル15の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表3にまとめている。得られたゲル15の膨潤度(R=7.2)は仕込値から算出した膨潤度(R=7.2)と一致していた。
(参考例1)
DMAA 5g(1モル/L)を48gの脱気水(20℃)に入れ、撹拌すると透明な均質溶液が得られた。DMAAは水に良く溶解し水溶性であることが確認できた。合成例1と同じ手順でTEMEDとKPS水溶液を添加して、20℃で24時間保持することでポリジメチルアミノアクリレート(PDMAA)を調製した。重合後、溶液全体が無色透明なゲルとなっていた。水を加えると膨潤して行く様子が見られ、ゲルを50℃としても透明性に変化は見られなかった。DMAAは重合後も親水性であることが確認された。
(参考例2)
MEA 3.3g(0.5モル/L)を48gの脱気水(20℃)に入れ、撹拌すると透明な均質溶液が得られた。MEAは水に良く溶解し水溶性であることが確認できた。合成例1と同じ手順でTEMEDとKPS水溶液を添加して、20℃で24時間保持することでポリメトキシエチルアクリレート(PMEA)を調製した。得られたPMEAは微粒子状になって溶液中に析出沈殿していた。純水を加え、0.1質量%以下まで希釈したが、微粒子か溶解する様子は見られなかった。MEAはモノマーでは水に可溶で親水性だが、重合後は析出し疎水性であることが確認された。
(参考例3)
ACMO2.8g(1モル/L)を48gの脱気水(20℃)に入れ、撹拌すると透明な均質溶液が得られた。ACMOは水に良く溶解し水溶性であることが確認できた。合成例1と同じ手順でTEMEDとKPS水溶液を添加して、20℃で24時間保持することでポリアクリロイルモルホリン(PACMO)を調製した。重合後、溶液全体が無色透明なゲルとなった。ゲルの温度は20℃であった。水を加えると膨潤して行く様子が見られ、ゲルを50℃としても透明性に変化は見られなかった。ACMOは重合後も親水性であることが確認された。
(参考例4)
3EGA2.2g(0.5モル/L)を48gの脱気水(20℃)に入れ、撹拌すると透明な均質溶液が得られた。3EGAは水に良く溶解し水溶性であることが確認できた。合成例1と同じ手順でTEMEDとKPS水溶液を添加して、20℃で24時間保持することでポリトリエチレングリコールアクリレート(P3EGA)を調製した。重合後、溶液全体が無色透明なゲルとなった。ゲルの温度は20℃であった。水を加えると膨潤して行く様子が見られ、ゲルを50℃としても透明性に変化は見られなかった。3EGAは重合後も親水性であることが確認された。
(参考例5)
HPA2.6g(1モル/L)を48gの脱気水(20℃)に入れ、撹拌すると透明な均質溶液が得られた。HPAは水に良く溶解し水溶性であることが確認できた。合成例1と同じ手順でTEMEDとKPS水溶液を添加して、20℃で24時間保持することでポリヒドロキシプロピルアクリレート(PHPA)を調製した。白濁したゲルが得られた。白濁ゲルは水を吐き出しており、分離している様子が確認できた。室温(20℃)で静置したところ、水をどんどん吐き出し、ゲルが縮んでいく様子が見られた。HPAはモノマーでは水に可溶で親水性だが、重合後、ゲルは疎水性であることが確認された。
(合成例16)
粘土鉱物の代わりに有機架橋剤としてN,N−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬株式会社製)77mg(0.01モル/水1L)を使用、合成例1と同じように有機架橋ゲル1を調製した。有機架橋ゲル1は白濁しており、触れたら壊れるほど非常に脆かった。
(合成例17)
DMAAの代わりに、アクリロイルモルホリン(ACMO)(興人株式会社製)2.1g(MEA/ACMO=7/3 モル/モル)を用いて、合成例1と同様な方法でゲル16を調製した。重合後、重合溶液全体がゲル化していた。得られたゲル16は乳白濁化していたが、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル16の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表3にまとめている。得られたゲル16の膨潤度(R=5.8)は仕込値から算出した膨潤度(R=5.7)とほぼ一致していた。
(合成例18)
特許文献2の実施例15に記載されているものと同じ組成のゲル17を調製した。ラジカル重合性モノマーとして、MEAを4.6g、イソプロピルアクリルアミド(NIPA)を1.0g、粘土鉱物として、XLGを0.4g使用して、合成例1と同様な方法でゲル17を調製した。得られたゲルは真っ白で、非常に弱いものであった。重合液全体がゲル化しているのでは無く、水の吐き出しが見られ、水とポリマーが相分離しているようであった。ゲル17の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表3にまとめている。得られたゲル17の膨潤度(R=3.8)は仕込値から算出した膨潤度(R=8.3)よりかなり小さかった。
(合成例19)
ラジカル重合性モノマーとして、NIPAだけを5.7g、粘土鉱物として、XLGを2.0g使用して、合成例1と同様な方法でゲル18を調製した。得られたゲルは無色透明で、十分な強度と伸縮性を有していた。ゲル18の合成に使用したモノマー量、クレイ量、水量、得られたゲルの膨潤度を表3にまとめている。ゲル18は重合液全体がゲル化しており、膨潤度(R=6.5)は仕込値から算出した膨潤度(R=6.5)と一致していた。
Figure 2010241859
Figure 2010241859
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(実施例1)
合成例1で得られたゲル1の引張破断試験を行った。強度、伸びとも良好であった。結果を表4に示している。3℃、20℃、37℃、50℃、70℃の恒温水槽を用意し、ゲル1の各温度での膨潤度を測定した。結果は表4にまとめている。最大膨潤度は3℃でR=120と非常に大きい。40℃から70℃にかけて、膨潤度Rは70から2へ大きく変化した。変化率は10倍以上あった。
ゲル1を乾燥させたところ、柔軟なフィルム(厚さ約300ミクロン)が得られた。フィルムを180°折り曲げたが、クラックが発生したり、破壊することは無かった。ゲル1の乾燥物の引張破壊試験を行った。結果は表4に示している。強度、伸び共に優れていた。
ゲル1の乾燥フィルムを純水に浸漬し、乾燥前と同じ膨潤度(R=6.3)まで再膨潤させた。引張破断試験を行ったところ強度315kPa、破断伸度880%であった。破断伸度は乾燥前のゲルに比べ若干低下しているが、800%を越え、非常に大きな延伸性を示す。一方、強度は乾燥前の115kPaに比べ、3倍近く向上した。ゲルを一度、乾燥させることで力学的特性が著しく向上した。
乾燥させたゲル1を正方形に切り(20×20×0.3mm)、20時間の間20℃の水に浸漬し、ゲルの膨潤度の経時変化を測定した。次いで、60℃の水に4時間浸漬させ、ゲルの膨潤度の経時変化を測定した。この繰り返しを7回繰り返した。ゲルの膨潤度の変化を経時的に測定した。結果は図1(△印のプロット)に示す。20℃の水に浸漬させるとゲルの膨潤度は経時的増加し、20時間後、膨潤度(R=W/W)は100近くまでとなった。60℃の水に浸漬すると収縮し、4時間後、膨潤度(R)は20程度まで低下した。この操作を7回繰り返したが、再現性良く膨潤−収縮を繰り返した。
尚、引張破断試験は、島津製作所製の引張試験器(オートグラフAGS−H)を用いて測定した。幅5mm、厚み2mm、長さ60mmの試験片を用いて、試験長30mm、引張速度毎分100mmで測定を行った。水への浸漬時間は約7日間で膨潤度はほぼ飽和した。
(実施例2)
合成例2で得られたゲル2の引張破断試験を行った。白濁していたが強度、伸び共に良好なゲルであった。結果を表4に示している。3℃、20℃、37℃、50℃、70℃の恒温水槽を用意し、ゲル2の各温度での膨潤度を測定した。結果は表4にまとめている。最大膨潤度は3℃でR=160と非常に大きい。20℃から50℃にかけて、膨潤度Rは60から4へ非常に大きな変化をした。温度応答性を示すことが確認された。変化率は10倍以上あった。
ゲル2を乾燥させたところ、柔軟なフィルム(厚さ約300ミクロン)が得られた。フィルムを180°折り曲げたが、クラックが発生したり、破壊することは無かった。ゲル2の乾燥物の引張破壊試験を行った。結果は表4に示している。強度、伸び共に優れていた。ゲル2の乾燥フィルムを純水に浸漬し、乾燥前と同じ膨潤度(R=7.0)まで再膨潤させた。引張破断試験を行ったところ強度325kPa、破断伸度1070%であった。乾燥前のゲルに比べ、破断伸度は低下したが、1000%を越え、非常に大きな伸びを示した。一方、強度は乾燥前の48kPaに比べ、6倍以上向上した。ゲルを一度、乾燥させることで力学的特性が著しく向上した。
ゲルを細長く切り(50×3×0.3mm)、1時間の間20℃の水に浸漬し、次いで、30分間の間50℃の水に浸漬させ、ゲルの長さ変化の時間変化を測定した。結果は図2に示す。20℃の水に浸漬させるとゲルの長さは1.8倍に長くなり、50℃の水に浸漬するとほぼ元の長さにもどった。7回繰り返したが再現性良く、膨潤−収縮を繰り返した。
(実施例3−5)
合成例3−5で得られたゲル3−5の引張破断試験を行った。いずれのゲルも強度、伸びとも良好であった。結果を表4に示している。3℃、20℃、37℃、50℃、70℃の恒温水槽を用意し、ゲル3−5の各温度での膨潤度を測定した。結果は表4にまとめている。いずれのゲルも膨潤度は温度に大きく依存した。最大膨潤度は、実施例3がRmax=30、実施例4がRmax=60、実施例5がRmax=250であった。転移域は、実施例3は3−37℃、実施例4が20−50℃、実施例5は50−70℃であり、転移温度域はMEAとDMAAの組成により変化するのが判る。また、実施例5において、80℃の水に3時間浸漬させたところ、膨潤度R=約5となった。膨潤度の変化率はいずれの場合も10倍以上あった。
ゲル3−5を乾燥させたところ、いずれの場合も柔軟なフィルム(厚さ約300ミクロン)が得られた。フィルムを180°折り曲げたが、いずれのフィルムでもクラックが発生したり、破壊することは無かった。ゲル3−5の乾燥物の引張破壊試験を行った。結果は表4に示している。いずれの場合も強度、伸び共に優れていた。
(実施例6)
合成例6で得られたゲル6の引張破断試験を行った。ゲル6は透明性に優れ、非常に良好な特性のゲルであった。結果を表5に示している。3℃、20℃、37℃、50℃、70℃の恒温水槽を用意し、ゲル6の各温度での膨潤度を測定した。結果は表5にまとめている。最大膨潤度は3℃でRmax=55であった。50℃から70℃にかけて、膨潤度Rは30から8へ大きく変化した。温度応答性を示すことが確認された。膨潤度の変化率は5倍以上であった。
(比較例1)
MEAとDMAAの混合の割合が25/75(モル/モル)のゲル7については、引張破断特性は強度も高く、伸びも大きく、力学的性質は良好であった。しかし、ゲルの膨潤度の温度依存性を測定したが、膨潤度に温度依存性は見られなかった。表5に結果を示している。また、ゲル7を乾燥させたが、柔軟性に乏しく、脆いものであった。乾燥フィルムを180°折り曲げようとしたが、折り曲げることができなく、途中で破壊した。3〜70℃の純水に浸漬させ、膨潤度を比較したが、膨潤度の温度依存性は見られなかった。
(比較例2)
DMAAを含まないMEAとDMAAの混合の割合が100/0(モル/モル)のゲル8は、白濁しており、非常に弱いものであった。引張破壊試験を行ったが、直ぐに破壊され、強度は1kPa以下、伸びも20%程であった。乾燥させると透明で柔軟なフィルムが得られたが、水に浸漬させても膨潤することは無く、膨潤度は0.1程度であった。
(比較例3)
MEAを含まないMEAとDMAAの混合の割合が0/100(モル/モル)のゲル9については、引張破断特性は強度も高く、伸びも大きく、良好であった。結果は表5に示している。しかし、ゲルの最大膨潤度は100以下であり、実施例に比べて小さく、しかもゲルの膨潤度に温度依存性は見られなかった。表5に結果を示している。実施例1は最大膨潤度が100を越え、DMAA単独のゲルの膨潤度より著しく高い膨潤性を示すのが確認できる。また、ゲル9を乾燥させたが、柔軟性に乏しかった。フィルムを180°折り曲げようとしたが、折り曲げることができなく、途中で破壊した。3〜70℃の純水に浸漬させ、膨潤度を比較したが、温度依存性は見られなかった。
(実施例7、8)
合成例10と11で得られたゲル10、11の引張破壊試験を行った。良好な力学的特性を有するのが確認された。結果は表6に示す。水膨潤度の温度依存性を測定した。最大膨潤度は実施例7が80−85(3−37℃)、実施例8が50−55(3−37℃)であった。転移域は、実施例7が50−70℃で、実施例8が37−50℃で、HPAとDMAAの組成の違いにより転移域が変化した。転移域を挟んで水膨潤度に大きな変化が見られた。変化率はいずれも10倍以上であった。結果を表6に示す。
ゲル10と11を乾燥させたところ、いずれの場合も柔軟なフィルム(厚さ約300ミクロン)が得られた。フィルムを180°折り曲げたが、いずれのフィルムでもクラックが発生したり、破壊することは全く無かった。ゲル10と11の乾燥物の引張破壊試験を行った。結果は表6に示している。いずれの場合も強度、伸び共に優れていた。
(実施例9)
ゲル12の引張破壊試験を行った。結果は表6に示している。強度、伸び共に優れていた。合成例12で得られたゲル12を乾燥させたところ、乾燥フィルムが得られた。フィルムを180°折り曲げたが、クラックが発生したり、破壊することは無かった。乾燥フィルムの引張破壊試験を行った。結果は表6に示している。非常に高強度のフィルムが得られた。
膨潤度の温度依存性を測定したところ、最大膨潤度は3℃でRmax=250であった。転移域は20−50℃の間で、水膨潤度は200から8へと大きく変化した。変化率は10倍以上であり、温度依存性を示すのが確認された。表6に結果を示す。
(実施例10)
合成例13で得られたゲル13を乾燥させたところ、柔軟な乾燥フィルムが得られた。フィルムを180°折り曲げたが、クラックが発生したり、破壊することは無かった。ゲル13の乾燥物の引張破壊試験を行った。結果は表6に示す。強度、伸び共に優れていた。
乾燥フィルムを水に浸漬させたところ、良好なゲルが得られた。膨潤度の温度依存性を測定したところ、最大膨潤度は3℃でRmax=150であった。転移域は37−50℃の間で、水膨潤度は90から3へと大きく変化した。変化率は10倍以上であった。表6に結果を示す。更に、純水、生理食塩水(0.15M)、1Mの塩化ナトリウム溶液に乾燥フィルムを浸漬させて膨潤度を調べたところ、純水に対してR=120、生理食塩水(0.15M)に対してR=12、1Mの塩化ナトリウム溶液に対して、R=1.7であった。非常に大きな塩化ナトリウム濃度依存性を示すことが確認された。また、膨潤度R=4の場合の再膨潤ゲルの引張破壊試験を行った。表6に結果を示す。非常に強いゲルであった。
(実施例11)
合成例14で得られたゲル14を乾燥させたところ、極めて柔軟な乾燥フィルムが得られた。フィルムを180°折り曲げたが、クラックが発生したり、破壊することは無かった。ゲル14の乾燥物の引張破壊試験を行った。結果は表6に示している。強度、伸び共に優れていた。
乾燥フィルムを水に浸漬させたところ、良好なゲルが得られた。膨潤度の温度依存性を測定したところ、最大膨潤度は3℃でRmax=70であった。転移域は50−70℃の間に見られ、水膨潤度は20から0.5へと大きく変化した。変化率は10倍以上であった。表6に結果を示す。乾燥フィルムを再膨潤(R=4)させ、引張破壊試験を行った。力学的に優れたゲルであることが確認された。結果は表6に示す。
(実施例12)
合成例15で得られたゲル15を乾燥し、ゲル15の乾燥フィルムを得た。乾燥フィルムを180°折り曲げても破壊することは無かった。ゲル15の乾燥フィルムをpH6の塩酸水溶液(20℃)に1日間浸漬させた後、ゲルの膨潤度を測定した。引き続き、pH3の塩酸水溶液(20℃)に1日間浸漬させて、膨潤度を測定した。この操作を3回繰り返した。結果は図3に示す。ゲルの膨潤度は100以上で非常に大きく、ゲルの膨潤度はpH応答性を示した。pH6で膨潤、pH3で収縮し、変化率は大きく、再現良く変化するのが判る。
(実施例13)
合成例2で得られたゲル2の乾燥フィルムに対して、実施例12と同じ操作を行いゲルのpH応答性を調べた。結果は図3に示す。ゲルの膨潤度はpH応答性を示し、再現良く変化するのが判る。
(実施例14)
合成例15で得られたゲル15を乾燥させ、乾燥フィルムを得た。乾燥させたゲル15を正方形に切り(20×20×0.3mm)、20時間の間20℃の水に浸漬し、実施例1と同じ条件でゲルの膨潤度の時間変化を測定した。次いで、50℃の水に4時間浸漬させ、ゲルの膨潤度の時間変化を測定した。結果は図1に示す。20℃の水に浸漬させるとゲルの膨潤度は増加し、20時間後、膨潤度(R=W/W)は100近くまでとなった。50℃の水に浸漬するとゲルは収縮し、4時間後、膨潤度(R)は20程度まで低下した。この操作を7回繰り返したが、再現性良く膨潤−収縮を繰り返した。
(実施例15)
合成例1で得られたゲル1に対して、塩濃度応答性を調べた。合成例1で得られたゲル1を乾燥し、ゲル1の乾燥フィルムを得た。ゲル1の乾燥フィルムを純水に8時間浸漬させて、膨潤度の時間変化を調べた。浸漬は20℃で行った。次いで、0.6Mの塩化ナトリウム水溶液にゲルを8時間浸漬させ、膨潤度の時間変化を測定した。この操作を6回連続して行った。結果は図4に示す(△のプロット)。純水に浸漬させると膨潤度が増し、塩化ナトリウム水溶液に浸漬されると収縮した。初回の純水に対する膨潤度のみ、R=130と小さかったが、2回目以降は再現良く膨潤−収縮を繰り返した。
(実施例16)
合成例2で得られたゲル2に対して、実施例15と同じ操作を行いゲルの塩濃度応答性を調べた。結果は図4に示す(◇のプロット)。ゲルの膨潤度は塩化ナトリウム濃度応答性を示し、再現良く変化するのが判る。
(実施例17)
合成例4で得られたゲル4を室温で乾燥し、柔軟な乾燥フィルムとした。乾燥ゲルフィルムを20分間水に浸漬させ、膨潤度R=4の再膨潤ゲル4(幅10mm、長さ60mm、厚み3mm)を得た。再膨潤ゲル4を水槽内に入れ、ゲルの一端を水槽の底に固定し、ゲルの他方を引張試験器に取り付けた。ゲルの長さを定長に保ち、水槽内の水を3モル/Lの塩化ナトリウム水溶液とし、応力の発生を測定した。およそ7分後、25kPaで応力が飽和したため、水槽内の水溶液を純水に交換し、応力の変化を測定した。およそ5分後、応力がゼロとなり、水槽内の純水を3モル/Lの塩化ナトリウム水溶液に交換した。図5に水溶液の塩化ナトリウム濃度を変化させた際に定長で固定したゲル4に発現する応力の変化を示している。塩化ナトリウム濃度を変化させることで、強い応力を発現させ、変化させることが可能であることが判る。また、周期的に塩濃度を変化させることで、再現性良く応力発生と脱応力を繰り返した。
(実施例18)
合成例15で得られたゲル15を室温で乾燥し、柔軟な乾燥フィルムを得た。乾燥ゲルフィルムを20分間水に浸漬させ、膨潤度R=4の再膨潤ゲル15(幅10mm、長さ60mm、厚み1mm)を得た。ゲル15をガラス板にはさみ、ゲルの温度を25℃とし5分間保持し、次いで50℃とし5分間保持した。この操作を6回繰り返し、温度変化に伴うゲルの透明性変化を測定した。結果は図6に示している。25℃では透明で光透過率はほぼ100%だが、50℃に昇温すると白濁し、光透過率は20%程度まで低下した。昇降温を6回繰り返したが、温度変化に伴い、再現性良く、光透過率が変化した。
光透過率は、日本分光株式会社製の紫外可視光吸収スペクトロメーター(V530)を用いた。温度制御は付属のペルチェ式温度コントローラー(EHC477T)を使用した。
(実施例19)
合成例15で得られたゲル15を乾燥させ、乾燥フィルムを得た。水のみ、水/エタノール(7/3質量比)、水/エタノール(1/1質量比)、水/エタノール(8/2質量比)、エタノール(100%)を用意し、乾燥させたゲル15を正方形に切り(20×20×0.3mm)、エタノール水溶液に浸漬させ、膨潤度を測定した。図7にエタノール量と膨潤度の関係を示す。エタノール量が増すほど、膨潤度は低下し、膨潤度は溶媒組成依存性を示した。
(実施例20)
合成例1で得られたゲル1に対して、実施例19と同じようにエタノール水溶液に対する膨潤度を調べた。結果は図7に示す。エタノール量が増すほど、膨潤度は低下し、膨潤度は溶媒組成依存性を示した。
(実施例21)
合成例1で得られたゲル1を乾燥させ、乾燥フィルムを得た。乾燥させたゲル1を正方形に切り(20×20×0.3mm)、20℃の純水に24時間浸漬させた。膨潤度はR=80であった。次いで、1Mの塩化カルシウム溶液(20℃)に24時間浸漬させたところ、ゲルは膨潤度10まで収縮した。更に、20℃の純水に24時間浸漬させたところ、膨潤度は90となり、続けて1Mの塩化カルシウム溶液(20℃)に24時間浸漬させたところ、ゲルは膨潤度12まで収縮した。塩化カルシウムの存在により、ゲルの膨潤度が再現性良く応答性することが確認された。
(実施例22)
合成例1で得られたゲル1を乾燥させて、乾燥フィルムを得た。10質量%のリドカイン塩酸塩水溶液を調製し、ゲル1の乾燥フィルム(10×15×0.2mm2)を20℃で1日間浸漬させた。膨潤度は20倍となった。リドカイン塩酸塩を含浸したゲル1を50mLの純水に入れ、20℃に保持し、30分おきに水を入れ替えた。5.5−6時間の間に放出されたリドカイン量を紫外可視分光度計で測定したところ、2.3mgであった。6−6.5時間の間、水温を37℃に昇温した。6−6.5時間の間に放出されたリドカイン量は4.1mgとほぼ倍になっていた。この様子を図8に示している。次いで、6.5−7時間の間、水温を20℃に戻した。6.5−7時間の間に放出されたリドカイン量は1.8mgと半分以下となった。20℃−37℃の温度変化に伴って、リドカインの放出量が変化することが確認できる。8−8.5時間の間、水温を50℃とした。8−8.5時間の間に放出されたリドカイン量は6.4mgと多量のリドカインが放出された。ゲル中に含浸されたリドカインはゲルの環境温度に伴って、放出量が変化することが確認された。
(比較例4)
合成例17で得た有機架橋ゲル1の膨潤度の温度依存性を測定した。温度依存性は見られるものの、実施例1に比べ、膨潤度は桁違いに小さいものであった。また、引張強度を測定したが、非常に弱く、強度は1kPa以下、50%以下の延伸倍率で破断した。結果は表7に示す。
(実施例23)
合成例17で得られたゲル16を乾燥させ、乾燥フィルムを得た。乾燥フィルムを180°折り曲げても破壊することは無かった。乾燥フィルムを水に浸漬させたところ、良好なゲルが得られた。乾燥前と同じ膨潤度(R=5.8)に再膨潤させ、再膨潤ゲルで引張破壊試験を行った。非常に良く伸び(800%)、強いゲル(250kPa)が得られた。結果を表7に示す。一方、乾燥前のゲル12の引張破壊試験を行ったところ、破断伸度1230%、強度が58kPaであった。一端、ゲルを乾燥させることにより、破断伸度が若干低下するが、強度が4倍以上向上した。
膨潤度の温度依存性を測定したところ、最大膨潤度は3℃でRmax=250であった。転移域は50−70℃の間で、水膨潤度は95から4へと大きく変化した。変化率は10倍以上であった。表7に結果を示す。温度刺激応答性を示した。更に、純水、生理食塩水(0.15M)、1Mの塩化ナトリウム溶液に乾燥フィルムを浸漬させて膨潤度を調べたところ、純水に対してR=250、生理食塩水(0.15M)に対してR=10、1Mの塩化ナトリウム溶液に対して、R=1.5であった。非常に大きな塩化ナトリウム濃度依存性を示すことが確認された。
(比較例5)
NIPAを用いたゲル17は白濁しており、非常に弱いものであった。引張破壊試験を行ったところ、強度は6kPa、伸びは500%であった。水とポリマーが完全に相分離しており、伸張性は有するものの非常に弱いゲルであることが確認された。一方、実施例2で得られたゲル2は白濁化しているがゲル17に比べ、強度、伸びともに優れていることが判る。ゲル17を乾燥させると透明で柔軟なフィルムが得られたが、水に浸漬させて膨潤度を測定した。膨潤度は3℃で膨潤度が最大(R=7)であり、ある程度の膨潤性を示すが、ゲルは白濁しており、強度も弱く、このゲルの引張強度は約3kPaであった。本発明が目的とするゲルとは全く異なり、水とポリマーが完全に分離状態にある単なる含水物であった。一方、20℃で膨潤度はR=0.8、50℃ではR=0.2であった。NIPAは本来、温度により膨潤度が変化する温度応答性のゲルであり、ゲル17もある程度の温度応答性を示す。しかし、得られたゲルは非常に弱く、材料として使用可能なものでは無かった。DMAAを同じ量(20モル%)使用した実施例2のゲル2に比べ、膨潤度も強度も大きく劣るものであった。膨潤度、ゲルの引張試験の結果が表7にまとめている。
(比較例6)
合成例19で得られたゲル18は十分な強度と伸びを示すものであった。引張破壊試験の結果を表7に示している。ゲル18を乾燥させると非常に固く、脆いフィルムとなった。折り曲げようとするとたちどころに破壊してしまい、プラスチック材料の特徴である柔軟性と靱性は全く見ることができなかった。ゲル18は乾燥物させた状態で使用することが極めて困難な材料であった。ゲル18の膨潤度の温度依存性を調べた。20℃以下で最大膨潤度はR=12であった。膨潤度は十分なものとは云えない。20℃と37℃の間で膨潤度が大きく変化し、温度応答性が見られた。一方、70℃での膨潤度は0.4であったが、ゲルとしての柔軟性や伸張性に乏しく、非常に固く、脆いものであった。折り曲げると途中で破壊された。膨潤度の結果を表7にまとめている。
Figure 2010241859
Figure 2010241859
Figure 2010241859
Figure 2010241859

Claims (7)

  1. ラジカル重合性モノマー(A)の重合体と、水膨潤性粘土鉱物(B)とが形成する三次元網目の中に、水(C)が包含されている有機無機複合ゲルであって、
    前記ラジカル重合性モノマー(A)が、重合前は親水性であるがそれ自身の単独重合体が疎水性となる親水性モノマー(A1)を99〜40モル%と、重合前は親水性であり、それ自身の単独重合体が親水性となる親水性モノマー(A2)を1〜60モル%を含むことを特徴とする有機無機複合ゲル。
  2. 前記親水性モノマー(A1)が、下記構造式(1)又は(2)である請求項1記載の有機無機複合ゲル。
    Figure 2010241859
    (式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは分岐していても良い炭素数1〜4のアルキレン基、Rは分岐していても良い炭素数1〜2のアルキル基を表す。)
    Figure 2010241859
    (式中、Rは水素原子又はメチル基、R4は分岐していても良い炭素数3〜4のアルキレン基を表す。)
  3. 前記親水性モノマー(A2)が、下記構造式(3)〜(5)から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の有機無機複合ゲル。
    Figure 2010241859
    Figure 2010241859
    Figure 2010241859
    (式中、Rは水素原子又はメチル基、nは3〜15の整数である。)
  4. 温度、塩濃度、pH又は溶媒組成の変化に伴って、ゲルの水膨潤度(R)が変化し、且つ、水膨潤度(R)(水膨潤度(R)=有機無機複合ゲル中の水の質量/有機無機複合ゲルの乾燥物の質量)の最大値(Rmax)と最小値(Rmin)の比(Rmax/Rmin)が3以上である請求項1〜3のいずれかに記載の有機無機複合ゲル。
  5. 最大水膨潤度(Rmax)が100倍以上である請求項1〜4のいずれかに記載の有機無機複合ゲル。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の有機無機複合ゲルの乾燥物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の有機無機複合ゲルを乾燥させた後、再度水媒体(C)で再膨潤させて得られる有機無機複合ゲル。
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