JP2010241380A - ハイブリッド車両およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガス還流の利用によりエネルギ効率が向上するように内燃機関をより適正に運転する。
【解決手段】エンジンの始動判定に用いられる始動判定パワーPrefは、EGR弁を介した排ガス還流の実行が許容されておらず、かつ空調ユニットの作動が指示されていない場合には第1の値PHに設定され(ステップS170)、排ガス還流の実行が許容されている場合には第1の値PHよりも小さい第2の値PLに設定される(ステップS150)。これにより、エンジン22の運転停止中に排ガス還流が許容されている場合には、排ガス還流が許容されていない場合に比べてエンジン22が始動されやすくなり、排ガス還流を伴ってエンジン22を運転する機会を増やすことで車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、それぞれ走行用の動力を出力可能な内燃機関と電動機とを備えたハイブリッド車両およびその制御方法に関する。
従来、運転条件に応じて均質燃焼運転と成層燃焼運転とを切り替えると共に、成層燃焼運転時には排ガス還流(EGR)を実行する直接噴射式エンジンの制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この制御装置は、エンジン始動に際して冷却水温度が基準温度に達するまで第1暖機運転としての均質燃焼運転を実行し、冷却水温度が基準温度に達した時点から燃焼室温度が目標燃焼室温度に達するまで第2暖機運転としての成層燃焼運転を実行し、燃焼室温度が目標燃焼室温度に達すると引続き定常運転としての成層燃焼運転を実行する。また、第2暖機運転の実行中には、EGR率が燃焼室温度に応じて定常運転時のEGR率よりも小さい値に補正される。
特開2006−299816号公報
上述のように排ガス還流を利用することによりNOxを低減しつつエンジンの燃費の改善を図ることが可能となり、排ガス還流と成層燃焼運転とを組み合わせれば、より一層の燃費改善を図ることができる。従って、いわゆるハイブリッド車両に排ガス還流を実行可能なエンジンを適用すれば、車両全体のエネルギ効率を向上させることができると考えられるが、排ガス還流の利用によるエネルギ効率向上の効果をより大きなものとするためには、エンジンをより適正に運転することが必要となる。
そこで、本発明のハイブリッド車両およびその制御方法は、排ガス還流の利用によりエネルギ効率が向上するように内燃機関をより適正に運転することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車両およびその制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明のハイブリッド車両は、
走行用の動力を出力可能であると共に排気系から吸気系へと排ガスを還流させるための排ガス還流手段を有する内燃機関と、前記内燃機関を始動させるためのクランキングを実行可能な電動クランキング手段と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記電動クランキング手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置とを含むハイブリッド車両であって、
走行に要求される要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、
前記設定された要求トルクに基づいて前記内燃機関に要求される要求機関パワーを設定する要求機関パワー設定手段と、
前記排ガス還流手段による前記排気系から前記吸気系への排ガス還流の実行が許容されていない場合には前記内燃機関の始動判定に用いられる始動判定パワーを第1の値に設定すると共に、前記排ガス還流の実行が許容されている場合には前記始動判定パワーを前記第1の値よりも小さい第2の値に設定する始動判定パワー設定手段と、
前記内燃機関の運転が停止されている最中に前記設定された要求機関パワーが前記設定された始動判定パワー未満となる場合には、前記内燃機関が運転されることなく前記要求トルクに基づくトルクが得られるように前記内燃機関と前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御し、前記内燃機関の運転が停止されている最中に前記設定された要求機関パワーが前記設定された始動判定パワー以上となる場合には、前記電動クランキング手段のクランキングにより前記内燃機関が始動されると共に前記要求トルクに基づくトルクが得られるように前記内燃機関と前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えるものである。
このハイブリッド車両では、内燃機関の運転が停止されている最中に当該内燃機関に要求される要求機関パワーが始動判定パワー未満となる場合には、内燃機関が運転されることなく要求トルクに基づくトルクが得られるように内燃機関と電動クランキング手段と電動機とが制御される。また、内燃機関の運転が停止されている最中に要求機関パワーが始動判定パワー以上となる場合には、電動クランキング手段のクランキングにより内燃機関が始動されると共に要求トルクに基づくトルクが得られるように内燃機関と電動クランキング手段と電動機とが制御される。そして、内燃機関の始動判定に用いられる始動判定パワーは、排ガス還流手段による排ガス還流の実行が許容されていない場合には第1の値に設定されると共に、排ガス還流の実行が許容されている場合には第1の値よりも小さい第2の値に設定される。これにより、内燃機関の運転停止中に排ガス還流が許容されている場合には、内燃機関の運転停止中に排ガス還流が許容されていない場合に比べて内燃機関が始動されやすくなり、排ガス還流を伴って内燃機関を運転する機会を増やすことで車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。従って、このハイブリッド車両では、排ガス還流の利用によりエネルギ効率が向上するように内燃機関をより適正に運転することが可能となる。
更に、前記排ガス還流の実行は、前記内燃機関の温度が所定温度以上であるときに許容されてもよい。これにより、内燃機関が充分に暖機される前に排ガス還流を伴って当該内燃機関が運転されたり、当該内燃機関が始動されやすくなったりすることを抑制すると共に、内燃機関が充分に暖機された後に排ガス還流を伴って内燃機関を運転する機会を増やして車両全体のエネルギ効率を向上させることが可能となる。
また、前記ハイブリッド車両は、前記内燃機関を熱源として利用すると共に前記蓄電装置からの電力により作動する電動圧縮機を有する車室用空気調和装置を更に備えてもよく、前記始動判定パワー設定手段は、前記排ガス還流の実行が許容されていないときに前記車室用空気調和装置の作動が指示されている場合には、前記始動判定パワーを予め定められた空調時用の値に設定するものであってもよい。このように、排ガス還流の実行が許容されていないときの始動判定パワーを車室用空気調和装置の作動状態に応じて設定することにより、空調性能を確保しつつエネルギ効率が向上するように内燃機関をより適正に運転することが可能となる。
そして、前記ハイブリッド車両は、動力を入出力可能な前記電動クランキング手段としての発電用電動機と、前記内燃機関の機関軸と前記発電用電動機の回転軸と駆動輪に連結される駆動軸との3軸に接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する動力分配手段とを更に備えてもよく、前記電動機は、前記駆動軸または該駆動軸とは異なる他の車軸に動力を入出力可能であってもよい。
この場合、前記動力分配手段は、前記発電用電動機の前記回転軸に接続される第1要素と、前記内燃機関の前記機関軸に接続される第2要素と、前記駆動軸に接続される第3要素とを有すると共に、これら3つの要素が互いに差動回転できるように構成された遊星歯車機構であってもよい。
本発明によるハイブリッド車両の制御方法は、
走行用の動力を出力可能であると共に排気系から吸気系へと排ガスを還流させるための排ガス還流手段を有する内燃機関と、前記内燃機関を始動させるためのクランキングを実行可能な電動クランキング手段と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記電動クランキング手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置とを含むハイブリッド車両の制御方法であって、
(a)前記排ガス還流手段による前記排気系から前記吸気系への排ガス還流の実行が許容されていない場合には前記内燃機関の始動判定に用いられる始動判定パワーを第1の値に設定すると共に、前記排ガス還流の実行が許容されている場合には前記始動判定パワーを前記第1の値よりも小さい第2の値に設定するステップと、
(b)前記内燃機関の運転が停止されている最中に前記内燃機関に要求される要求機関パワーがステップ(a)にて設定された始動判定パワー未満となる場合には、前記内燃機関が運転されることなく走行に要求される要求トルクに基づくトルクが得られるように前記内燃機関と前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御し、前記内燃機関の運転が停止されている最中に前記要求機関パワーがステップ(a)にて設定された始動判定パワー以上となる場合には、前記電動クランキング手段のクランキングにより前記内燃機関が始動されると共に前記要求トルクに基づくトルクが得られるように前記内燃機関と前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御するステップと、
を含むものである。
この方法によれば、内燃機関の運転停止中に排ガス還流が許容されている場合には、内燃機関の運転停止中に排ガス還流が許容されていない場合に比べて内燃機関が始動されやすくなり、排ガス還流を伴って内燃機関を運転する機会を増やすことで車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。従って、この方法を採用すれば、排ガス還流の利用によりエネルギ効率が向上するように内燃機関をより適正に運転することが可能となる。
本発明の実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。 エンジン22の概略構成図である。 実施例のハイブリッドECU70により実行されるエンジン停止時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 始動判定パワーとして設定される値PL,PHおよびPacの関係を例示する説明図である。 変形例に係るハイブリッド自動車20Bの概略構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。同図に示すハイブリッド自動車20は、エンジン22と、エンジン22のクランクシャフト(機関軸)26に図示しないダンパを介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに連結された減速ギヤ35と、この減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、図示しない車室内を空気調和(冷暖房)する空調ユニット90と、ハイブリッド自動車20の全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」という)70等とを備えるものである。
エンジン22は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料と空気との混合気を燃焼室120内で爆発燃焼させ、混合気の爆発燃焼に伴うピストン121の往復運動をクランクシャフト26の回転運動へと変換することにより動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン22では、図2からわかるように、エアクリーナ122により清浄された空気がスロットルバルブ123を介して吸気管126内に取り入れられ、吸入空気には燃料噴射弁127からガソリン等の燃料が噴射される。こうして得られる空気と燃料との混合気は、可変バルブタイミング機構として構成された動弁機構130により駆動される吸気バルブ131を介して燃焼室120に吸入されると共に点火プラグ128からの電気火花によって爆発燃焼させられる。エンジン22からの排気ガスは、排気バルブ132や排気マニホールド140を介して一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)といった有害成分を浄化する排ガス浄化触媒(三元触媒)141cを含む浄化装置141へと送出され、浄化装置141にて浄化された後、外部へと排出される。また、エンジン22は、浄化装置141の後段の排気管に接続されて排ガスをサージタンク(吸気系)へと還流させるEGR管142と、このEGR管142の中途に設けられて排気系から吸気系へと還流される排ガス(EGRガス)の還流量(EGR量)を調節するEGR弁143と、EGR管142内のEGRガスの温度を検出する温度センサ144等を含む。
このように構成されるエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24により制御される。エンジンECU24は、図2に示すように、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に各種処理プログラムを記憶するROM24b、データを一時的に記憶するRAM24c、図示しない入出力ポートおよび通信ポート等を含む。そして、エンジンECU24には、エンジン22の状態等を検出する各種センサからの信号が図示しない入力ポートを介して入力される。例えば、エンジンECU24には、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ180からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ181からの冷却水温Tw、燃焼室120内の圧力を検出する筒内圧センサ182からの筒内圧力、吸気バルブ131や排気バルブ132を駆動する動弁機構130に含まれるカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ133からのカムポジション、スロットルバルブ123の位置を検出するスロットルバルブポジションセンサ124からのスロットルポジション、エンジン22の負荷としての吸入空気量を検出するエアフローメータ183からの吸入空気量GA、吸気管126に取り付けられた吸気温度センサ184からの吸気温度Tair、吸気管126内の負圧を検出する吸気圧センサ185からの吸気負圧Pi、排気マニホールド140の浄化装置141の上流側に配置された空燃比センサ186からの空燃比AF、浄化装置141の触媒床の温度(排ガス浄化触媒141cの温度)を検出する触媒温度センサ187からの触媒床温Tcat、EGR管142の温度センサ144からのEGRガス温度等が入力ポートを介して入力される。そして、エンジンECU24は、エンジン22を駆動するための様々な制御信号を図示しない出力ポートを介して出力する。例えば、エンジンECU24は、スロットルバルブ123の位置を調節するスロットルモータ125への駆動信号や燃料噴射弁127への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル129への制御信号、動弁機構130への制御信号、EGR弁143への駆動信号等を出力ポートを介して出力する。また、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ180からのクランクポジションを用いてエンジン22の回転数Neを算出する。更に、エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31と噛合すると共にリングギヤ32と噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを有し、これら3つの要素が互いに差動回転できるように構成されたシングルピニオン式遊星歯車機構である。かかる動力分配統合機構30の第1要素であるサンギヤ31にはモータMG1の回転軸が、第2要素であるキャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、第3要素であるリングギヤ32には駆動軸としてのリングギヤ軸32aと減速ギヤ35とを介してモータMG2の回転軸がそれぞれ連結されている。動力分配統合機構30は、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側とにそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからデファレンシャルギヤ38を介して最終的に駆動輪である車輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびMG2は、いずれも発電機として作動すると共に電動機として作動可能な周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介して二次電池であるバッテリ50と電力のやり取りを行う。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれか一方により発電される電力を他方のモータで消費できるようになっている。従って、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電され、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとることにすれば、バッテリ50は充放電されないことになる。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する図示しない回転位置検出センサからの信号や、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等が入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号等が出力される。また、モータECU40は、回転位置検出センサから入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンを実行し、モータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。更に、モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号等に基づいてモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
バッテリ50は、リチウムイオン二次電池あるいはニッケル水素二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理される。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからのバッテリ温度Tb等が入力される。バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70に出力する。更に、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量SOCを算出したり、当該残容量SOCに基づいてバッテリ50の充放電要求パワーPb*を算出したり、残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50の充電に許容される電力である許容充電電力としての入力制限Winとバッテリ50の放電に許容される電力である許容放電電力としての出力制限Woutとを算出したりする。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定すると共に、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定可能である。
空調ユニット90は、ハイブリッド自動車20の車室内に調和空気を導くための空気通路を画成する空調ダクト91や、この空調ダクト91内で空気流を発生させるブロワ92、主として車室内の冷房時に空調ダクト91内を流通する空気を冷却するための冷凍サイクル93、主として車室内の暖房時に空調ダクト91内を流通する空気を加熱するためのヒータコア98、空調ユニット90全体を制御する空調用電子制御ユニット(以下、「空調用ECU」という)100等を含む。
空調ダクト91は、例えば車室内の前方側に配置され、ブロワ92の近傍に位置するように形成された外気吸込口および内気吸込口や、デフロスタ吹出口、フェイス吹出口およびフット吹出口等を有する。そして、外気吸込口および内気吸込口の近傍には内外気切替ダンパ91aが配置され、デフロスタ吹出口、フェイス吹出口およびフット吹出口に対しては吹出口切替ダンパ91b,91c,91dが配置されている。ブロワ92は、空調ダクト91と一体化されたスクロールケースや当該ケース内に回転自在に配置された遠心ファン、この遠心ファンを回転駆動するブロワモータ等を含む遠心式送風機として構成されている。冷凍サイクル93は、空調ダクト91内に配置されたエバポレータ(蒸発器)94や、エバポレータ94で蒸発した冷媒ガスを吸入・圧縮するコンプレッサ(圧縮機)95、コンプレッサ95により圧縮された高温・高圧の冷媒ガスを冷却して液化させるコンデンサ(凝縮器)96、液化した冷媒を減圧・膨張させる膨張弁97、図示しない気液分離器、レシーバタンク等を含む。実施例においてコンプレッサ95は、インバータを介してバッテリ50に接続されるモータにより駆動される電動圧縮機として構成されている。ヒータコア98は、エバポレータ94の下流側で空気通路を部分的に塞ぐように空調ダクト91内に配置されており、エンジン22を冷却したエンジン冷却水の供給を受けて当該エンジン冷却水を熱源としてエバポレータ94側からの空気を加熱する。また、エバポレータ94とヒータコア98との間には、エアミックスダンパ99が配置されている。空調用ECU100は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されている。そして、空調用ECU100には、車室内のインストルメントパネル等に設けられたA/Cオンオフスイッチ(空調実行指示スイッチ)101からの空調オンオフ信号や、温度設定スイッチ102からの設定温度信号、車室内の温度が設定温度に保たれるようにする自動空調制御の実行を選択するためのA/Cオートスイッチ(自動空調選択スイッチ)103からの自動空調指令信号、更には図示しないセンサからの室温や外気温、日射量等が入力される。空調用ECU100は、これらの入力信号に基づいて各ダンパ91a〜91d、ブロワ92、コンプレッサ95、エアミックスダンパ99等を制御する。そして、空調用ECU100も、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、必要に応じて空調ユニット90の状態に関するデータや、暖房を実行する際のエンジン運転要求等をハイブリッド用電子制御ユニット70に送信する。
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74や、データを一時的に記憶するRAM76、図示しない入出力ポートおよび通信ポート等を備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)80からのイグニッション信号、シフトレバー81の操作位置であるシフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBS、車速センサ87からの車速V等が入力ポートを介して入力される。そして、ハイブリッドECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52、空調用ECU100等と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52、空調用ECU100等と各種制御信号やデータのやり取りを行っている。
上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*が計算され、この要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される。エンジン22とモータMG1およびMG2の運転制御モードとしては、要求トルクTr*に見合うパワーがエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力されるパワーのすべてが動力分配統合機構30とモータMG1およびMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求トルクTr*とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合うパワーがエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力されるパワーの全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1およびMG2とによるトルク変換を伴って要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22を停止して要求トルクTr*に基づくトルクをリングギヤ軸32aに出力するようにモータMG2を駆動制御するモータ運転モード等がある。また、実施例のハイブリッド自動車20では、トルク変換運転モードや充放電運転モードのもとで所定条件が成立すると、エンジン22を自動的に停止・始動させる間欠運転が実行される。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にハイブリッド自動車20がモータ運転モードのもとで走行しているときの動作について説明する。図3は、実施例のハイブリッドECU70により実行されるエンジン停止時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の運転が停止された状態でハイブリッド自動車20が走行している最中に所定時間ごとに(例えば、数msecごとに)繰り返し実行されるものである。
図3のルーチンの開始に際して、ハイブリッドECU70のCPU72は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ87からの車速V、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2、バッテリ50の残容量SOC、入出力制限Win,Woutおよび充放電要求パワーPb*、EGR許可フラグFegr、空調要求フラグFacといった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、モータECU40から通信により入力される。また、バッテリ50の残容量SOC、入出力制限Win,Woutおよび充放電要求パワーPb*は、バッテリECU52から通信により入力される。EGR許可フラグFegrは、エンジンECU24により設定されるものであってエンジンECU24から通信により入力される。実施例において、エンジンECU24は、例えば水温センサ181からの冷却水温Twが所定温度(例えば40〜70℃程度の値)未満であるときにEGR弁143を介した排ガス還流の実行を禁止すべくEGR許可フラグを値0に設定すると共に、冷却水温Twが所定温度以上であるときにEGR弁143を介した排ガス還流の実行を許容すべくEGR許可フラグを値1に設定する。空調要求フラグFacは、空調ユニット90の運転/停止を指示するためのA/Cオンオフスイッチ101がオフされているときに値0に設定されると共に、当該A/Cオンオフスイッチ101がオンされているときに値1に設定されるものであり、空調用ECU100から通信により入力される。
ステップS100のデータ入力処理の後、入力した残容量SOCが予め定められた下限残容量Sref(例えば20〜40%)以上であるか否かを判定する(ステップS110)。残容量SOCが下限残容量Sref以上であれば、ステップS100にて入力した車速Vが予め定められた間欠禁止車速Vref未満であるか否かを判定する(ステップS120)。間欠禁止車速Vrefは、例えばエンジン22の運転が必要となって間欠運転を禁止すべき車速域の下限値として設定され、バッテリ50の状態やエンジン22の状態、ハイブリッド自動車20の走行状態等に応じて変化するように設定されてもよいものである。そして、ステップS120にて車速Vが間欠禁止車速Vref未満であると判断された場合には、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて車輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定した上で、エンジン22に要求される要求パワーPe*を設定する(ステップS130)。実施例では、アクセルオン状態でのアクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係が図4に例示する要求トルク設定用マップとして予め定められており、このマップからアクセル開度Accと車速Vとに対応した要求トルクTr*が導出・設定される。また、実施例において、要求パワーPe*は、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものと充放電要求パワーPb*とロスLossとの総和として計算される。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除するか、あるいは車速Vに換算係数を乗じることによって求めることができる。
次いで、ステップS100に入力したEGR許可フラグFegrが値0であるか否か、すなわちEGR弁143を介した排ガス還流の実行が禁止されているか否かを判定する(ステップS140)。EGR許可フラグFegrが値1であってEGR弁143を介した排ガス還流の実行が許容されている場合には、運転停止されているエンジン22の始動判定に用いられる始動判定パワーPrefを排ガス還流が許容されているときの値PLに設定する(ステップS150)。また、EGR許可フラグFegrが値0であってEGR弁143を介した排ガス還流の実行が禁止されている場合には、更にステップS100にて入力した空調要求フラグFacが値0であるか否かを判定する(ステップS160)。排ガス還流の実行が禁止されており、かつ空調要求フラグFacが値0であって空調ユニット90による空気調和の実行が指示されていない場合には、エンジン22の始動判定に用いられる始動判定パワーPrefを排ガス還流が禁止されているときの値PHに設定する(ステップS170)。これに対して、排ガス還流の実行が禁止されており、かつ空調要求フラグFacが値1であって空調ユニット90による空気調和の実行が指示されている場合には、エンジン22の始動判定に用いられる始動判定パワーPrefを予め定められた空調時用の値Pacに設定する(ステップS180)。
EGR弁143を介した排ガス還流の実行が許容されているときに始動判定パワーPrefとして設定される値PLは、エンジン22やモータMG2の特性等に基づいて定められ、排ガス還流を伴ってエンジン22を比較的効率よく運転することができる領域における下限またはその近傍のパワーである。また、EGR弁143を介した排ガス還流の実行が禁止されているときに始動判定パワーPrefとして設定される値PHは、排ガス還流を伴うことなくエンジン22を比較的効率よく運転することができる領域における下限またはその近傍のパワーである。ここで、エンジン22が充分に暖機されておりEGR弁143を介した排ガス還流が実行されるときには、負荷が比較的小さいときからエンジン22の熱効率を良好に保つことができる。従って、実施例のハイブリッド自動車20では、排ガス還流の実行が許容されているときに始動判定パワーPrefとして設定される値PLを排ガス還流の実行が禁止されているときに始動判定パワーPrefとして設定される値PHよりも小さく定めて、それにより、エンジン22の運転停止中に排ガス還流が許容されている場合には、排ガス還流が許容されていない場合に比べてエンジン22が始動されやすくなるようにしている。また、実施例において、排ガス還流の実行が禁止されており、かつ空調ユニット90による空気調和の実行が指示されているときに始動判定パワーPrefとして設定される空調時用の値Pacは、車室内の空気調和に際して熱源を確保したりコンプレッサ95の電力消費に伴うバッテリ50の残容量低下を補ったりするために、上述の値PHよりも小さく、かつ上述の値PLよりも大きい値として定められている。すなわち、実施例において、始動判定パワーPrefとして設定される値PL,PHおよびPacは、図5に示すように、PL<Pac<PHという関係を有する。
ステップS150,S170またはS180にて始動判定パワーPrefを設定したならば、ステップS130にて設定した要求パワーPe*が始動判定パワーPref未満であるか否かを判定する(ステップS190)。そして、要求パワーPe*が始動判定パワーPref未満であれば、エンジン22を始動させる必要がないとみなして、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*をそれぞれに値0に設定すると共に(ステップS200)、モータMG1に対するトルク指令Tm1*を値0に設定する(ステップS210)。次いで、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとステップS210にて設定したモータMG1に対するトルク指令Tm1*とモータMG1,MG2の現在の回転数Nm1,Nm2とを用いてモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(1)および式(2)に従い計算する(ステップS220)。更に、要求トルクTr*と減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮モータトルクTm2tmpを次式(3)に従い計算する(ステップS230)。そして、モータMG2に対するトルク指令Tm2*をトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値に設定する(ステップS240)。このようしてモータMG2に対するトルク指令Tm2*を設定することにより、リングギヤ軸32aに出力するトルクをバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内に制限することができる。こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*をエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS250)、本ルーチンを一旦終了させる。この場合、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm2*に従ってモータMG2が駆動されるようにインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(1)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(2)
Tm2tmp=Tr*/Gr …(3)
一方、ステップS110にてバッテリ50の残容量SOCが下限残容量Sref未満であると判断された場合には、エンジン22からの動力の少なくとも一部を用いたモータMG1の発電によるバッテリ50の充電を可能とするために、エンジン始動フラグをオンし(ステップS260)、本ルーチンを終了させる。また、ステップS120にて車速Vが間欠禁止車速Vref以上であると判断された場合には、エンジン22からの動力をリングギヤ軸32aに出力可能として加速性能等を確保すべく、エンジン始動フラグをオンし(ステップS260)、本ルーチンを終了させる。そして、ステップS190にて要求パワーPe*が始動判定パワーPref以上であると判断された場合には、バッテリ50からの電力では要求パワーPe*に相当するパワーを賄いきれないとみなして、エンジン始動フラグをオンし(ステップS260)、本ルーチンを終了させる。
上述のようにしてステップS260にてエンジン始動フラグがオンされると、ハイブリッドECU70により図示しないエンジン始動時駆動制御ルーチンが実行されることになる。エンジン始動時駆動制御ルーチンは、モータMG1およびMG2により入出力されるパワーがバッテリ50の入力制限Winと出力制限Woutとの範囲内に収まるようにしながら、モータMG1によりエンジン22をクランキングしてエンジン22を始動させると共に、エンジン22のクランキングに伴ってリングギヤ軸32aに作用する駆動トルクに対する反力としてのトルクをキャンセルしつつ要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにモータMG2を駆動制御するものである。
そして、かかるエンジン始動時駆動制御ルーチンが終了するとエンジン始動フラグがオフされ、その後、ハイブリッドECU70により図示しないエンジン運転時用の駆動制御ルーチンが実行される。エンジン運転時用の駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッドECU70により、上述のステップS130と同様にして設定される要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標運転ポイントである目標回転数Ne*および目標トルクTe*が設定される。この際、目標回転数Ne*および目標トルクTe*は、図5に示すように、エンジン22を効率よく動作させるために予め定められた動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定となることを示す相関曲線との交点として求めることができる。そして、ハイブリッドECU70から目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいてスロットル開度制御(吸入空気量調節制御)、燃料噴射制御、点火時期制御、バルブタイミング制御等を実行すると共に、EGR許可フラグFegrが値1に設定されていれば、エンジン22の回転数Neや吸入空気量GA等に応じた目標排ガス還流量を設定し、設定した量の排ガスが排気系から吸気へと還流されるようにEGR弁143を制御する。実施例では、冷却水温Twが所定温度以上であってエンジン22が充分に暖機されていれば、アイドル状態や高負荷状態を除いた比較的広い運転領域においてEGR弁143を介した排ガス還流が実行される。また、エンジンECU24は、EGR弁143を介した排ガス還流が実行されるときに、成層燃焼運転が実行されるように燃料噴射制御等を実行する。これにより、広範な運転領域において排ガス還流とエンジン22の成層燃焼運転とを実行してエンジン22の運転時における燃費をより一層向上させることが可能となる。
以上説明したように、実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の運転が停止されている最中に当該エンジン22に要求される要求パワーPe*が始動判定パワーPref未満となる場合には、エンジン22が運転されることなく要求トルクTr*に基づくトルクが得られるようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とが制御される(ステップS200〜S250)。また、エンジン22の運転が停止されている最中に要求パワーPe*が始動判定パワーPref以上となる場合には、モータMG1のクランキングによりエンジン22が始動されると共に要求トルクTr*に基づくトルクが得られるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される(ステップS260)。そして、上記実施例において、エンジン22の始動判定に用いられる始動判定パワーPrefは、EGR弁143を介した排ガス還流の実行が許容されておらず、かつ空調ユニット90の作動が指示されていない場合には値PH(第1の値)に設定され(ステップS170)、排ガス還流の実行が許容されている場合には当該値PHよりも小さい値PL(第2の値)に設定される(ステップS150)。これにより、エンジン22の運転停止中に排ガス還流が許容されている場合には、エンジン22の運転停止中に排ガス還流が許容されていない場合に比べてエンジン22が始動されやすくなり、排ガス還流を伴ってエンジン22を運転する機会を増やすことで車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。従って、実施例のハイブリッド自動車20では、排ガス還流の利用によりエネルギ効率が向上するようにエンジン22をより適正に運転することが可能となる。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の温度を示す冷却水温Twが所定温度以上であるときにEGR弁143を介した排ガス還流の実行が許容される。これにより、エンジン22が充分に暖機される前に排ガス還流を伴って当該エンジン22が運転されたり、当該エンジン22が始動されやすくなったりすることを抑制すると共に、エンジン22が充分に暖機された後に排ガス還流を伴ってエンジン22を運転する機会を増やして車両全体のエネルギ効率を向上させることが可能となる。更に、実施例のハイブリッド自動車20では、排ガス還流の実行が許容されていないときに空調ユニット90の作動が指示されている場合には、始動判定パワーPrefが予め定められた空調時用の値Pacに設定される(ステップS180)。このように、排ガス還流の実行が許容されていないときの始動判定パワーPrefを空調ユニット90の作動状態に応じて設定することにより、空調性能を確保しつつエネルギ効率が向上するようにエンジン22をより適正に運転することが可能となる。
なお、上述のハイブリッド自動車20では、駆動軸としてのリングギヤ軸32aとモータMG2とがモータMG2の回転数を減速してリングギヤ軸32aに伝達する減速ギヤ35を介して連結されているが、減速ギヤ35の代わりに、例えばHi,Loの2段の変速段あるいは3段以上の変速段を有したモータMG2の回転数を変速してリングギヤ軸32aに伝達する変速機を採用してもよい。また、実施例のハイブリッド自動車20は、モータMG2の動力を動力分配統合機構30のリングギヤ32に接続されたリングギヤ軸32aに出力するものであるが、本発明の適用対象はこれに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図6に示す変形例に係るハイブリッド自動車20Bのように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32a(車輪39a,39b)とは異なる車軸(図6における車輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものに適用されてもよい。
ここで、上記実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明しておく。すなわち、上記実施例等では、EGR管142やEGR弁143等を有するエンジン22が「内燃機関」に相当し、動力を入出力可能なモータMG1が「電動クランキング手段」に相当し、リングギヤ軸32aに動力を出力可能なモータMG2が「電動機」に相当し、モータMG1およびMG2と電力をやり取り可能なバッテリ50が「蓄電装置」に相当し、図3のステップS130の処理を実行するハイブリッドECU70が「要求トルク設定手段」および「要求機関パワー設定手段」に相当し、図3のステップS140〜S180の処理を実行するハイブリッドECU70が「始動判定パワー設定手段」に相当し、図3のステップS190〜S260の処理を実行するハイブリッドECU70、エンジンECU24およびモータECU40との組み合わせが「制御手段」に相当し、コンプレッサ95とヒータコア98とを有する空調ユニット90が「車室用空気調和装置」に相当し、モータMG1の回転軸に接続されるサンギヤ31とエンジン22のクランクシャフト26に接続されるキャリア34と駆動軸としてのリングギヤ軸32aに接続されるリングギヤ32とを有すると共にこれら3つの要素が互いに差動回転できるように構成された動力分配統合機構30が「動力分配手段」および「遊星歯車機構」に相当する。
ただし、「内燃機関」は、排ガス循環を実行可能なものであればガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力するエンジン22に限られず、水素エンジンといったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「「電動機」や「発電用電動機」は、モータMG1,MG2のような同期発電電動機に限られず、誘導電動機といったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「蓄電装置」は、バッテリ50のような二次電池に限られず、電動機と電力をやり取り可能なものであればキャパシタといったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「要求トルク設定手段」は、アクセル開度と車速とに基づいて要求トルクを設定するものに限られず、例えばアクセル開度のみに基づいて要求駆動力を設定するもののような他の如何なる形式のものであっても構わない。「要求機関パワー設定手段」は、要求トルクに基づいて内燃機関に要求される要求機関パワーを設定するものであれば如何なる形式のものであっても構わない。「制御手段」は、単一の電子制御ユニット等のように、ハイブリッドECU70とエンジンECU24とモータECU40との組み合わせ以外の他の如何なる形式のものであっても構わない。いずれにしても、これら実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行われるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、ハイブリッド車両の製造産業等において利用可能である。
20,20B ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a,72 CPU、24b,74 ROM、24c,76 RAM、26 クランクシャフト、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、38 デファレンシャルギヤ、39a〜39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルストロークセンサ、87 車速センサ、90 空調ユニット、91 空調ダクト、91a 内外気切替ダンパ、91b 吹出口切替ダンパ、92 ブロワ、93 冷凍サイクル、94 エバポレータ、95 コンプレッサ、97 膨張弁、98 ヒータコア、99 エアミックスダンパ、100 空調用ECU(空調用電子制御ユニット)、101 A/Cオンオフスイッチ、102 温度設定スイッチ、103 A/Cオートスイッチ、120 燃焼室、121 ピストン、122 エアクリーナ、123 スロットルバルブ、124 スロットルバルブポジションセンサ、125 スロットルモータ、126 吸気管、127 燃料噴射弁、128 点火プラグ、129 イグニッションコイル、130 動弁機構、131 吸気バルブ、132 排気バルブ、133 カムポジションセンサ、140 排気マニホールド、141 浄化装置、141c 排ガス浄化触媒、142 EGR管、143 EGR弁、144 温度センサ、180 クランクポジションセンサ、181 水温センサ、182 筒内圧センサ、183 エアフローメータ、184 吸気温度センサ、185 吸気圧センサ、186 空燃比センサ、187 触媒温度センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (6)

  1. 走行用の動力を出力可能であると共に排気系から吸気系へと排ガスを還流させるための排ガス還流手段を有する内燃機関と、前記内燃機関を始動させるためのクランキングを実行可能な電動クランキング手段と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記電動クランキング手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置とを含むハイブリッド車両であって、
    走行に要求される要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、
    前記設定された要求トルクに基づいて前記内燃機関に要求される要求機関パワーを設定する要求機関パワー設定手段と、
    前記排ガス還流手段による前記排気系から前記吸気系への排ガス還流の実行が許容されていない場合には前記内燃機関の始動判定に用いられる始動判定パワーを第1の値に設定すると共に、前記排ガス還流の実行が許容されている場合には前記始動判定パワーを前記第1の値よりも小さい第2の値に設定する始動判定パワー設定手段と、
    前記内燃機関の運転が停止されている最中に前記設定された要求機関パワーが前記設定された始動判定パワー未満となる場合には、前記内燃機関が運転されることなく前記要求トルクに基づくトルクが得られるように前記内燃機関と前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御し、前記内燃機関の運転が停止されている最中に前記設定された要求機関パワーが前記設定された始動判定パワー以上となる場合には、前記電動クランキング手段のクランキングにより前記内燃機関が始動されると共に前記要求トルクに基づくトルクが得られるように前記内燃機関と前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド車両。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両において、
    前記排ガス還流の実行は、前記内燃機関の温度が所定温度以上であるときに許容されるハイブリッド車両。
  3. 請求項1または2に記載のハイブリッド車両において、
    前記内燃機関を熱源として利用すると共に前記蓄電装置からの電力により作動する電動圧縮機を有する車室用空気調和装置を更に備え、
    前記始動判定パワー設定手段は、前記排ガス還流の実行が許容されていないときに前記車室用空気調和装置の作動が指示されている場合には、前記始動判定パワーを予め定められた空調時用の値に設定するハイブリッド車両。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載のハイブリッド車両において、
    動力を入出力可能な前記電動クランキング手段としての発電用電動機と、
    前記内燃機関の機関軸と前記発電用電動機の回転軸と駆動輪に連結される駆動軸との3軸に接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する動力分配手段とを更に備え、
    前記電動機は、前記駆動軸または該駆動軸とは異なる他の車軸に動力を入出力可能であるハイブリッド車両。
  5. 請求項4に記載のハイブリッド車両において、
    前記動力分配手段は、前記発電用電動機の前記回転軸に接続される第1要素と、前記内燃機関の前記機関軸に接続される第2要素と、前記駆動軸に接続される第3要素とを有すると共に、これら3つの要素が互いに差動回転できるように構成された遊星歯車機構であるハイブリッド車両。
  6. 走行用の動力を出力可能であると共に排気系から吸気系へと排ガスを還流させるための排ガス還流手段を有する内燃機関と、前記内燃機関を始動させるためのクランキングを実行可能な電動クランキング手段と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記電動クランキング手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置とを含むハイブリッド車両の制御方法であって、
    (a)前記排ガス還流手段による前記排気系から前記吸気系への排ガス還流の実行が許容されていない場合には前記内燃機関の始動判定に用いられる始動判定パワーを第1の値に設定すると共に、前記排ガス還流の実行が許容されている場合には前記始動判定パワーを前記第1の値よりも小さい第2の値に設定するステップと、
    (b)前記内燃機関の運転が停止されている最中に前記内燃機関に要求される要求機関パワーがステップ(a)にて設定された始動判定パワー未満となる場合には、前記内燃機関が運転されることなく走行に要求される要求トルクに基づくトルクが得られるように前記内燃機関と前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御し、前記内燃機関の運転が停止されている最中に前記要求機関パワーがステップ(a)にて設定された始動判定パワー以上となる場合には、前記電動クランキング手段のクランキングにより前記内燃機関が始動されると共に前記要求トルクに基づくトルクが得られるように前記内燃機関と前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御するステップと、
    を含むハイブリッド車両の制御方法。
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