JP2010240231A - 模型眼 - Google Patents

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Abstract

【課題】 異なる波長に対して同一の屈折力を提供可能ないわゆる色収差フリーの模型眼を提供する。
【解決手段】 本発明の模型眼60は、光を拡散する模擬眼底と、眼科用検査装置1Aから射出された光束を入射光束P1として模擬眼底64に導きかつ模擬眼底64において拡散された拡散反射光P2を屈折力較正を行うための所定のディオプターを提供する射出光束P2’として眼科用検査装置に向けて射出する光学系とからなり、この光学系は、第1反射鏡軸O1を有しかつ第1反射面を有する第1反射鏡62と、第1反射鏡62と模擬眼底64との間に配置されかつ第2反射面を有する第2反射鏡63とを含み、眼科用検査装置1Aからの入射光束P1は、第1反射面と第2反射面とをこの順に経由して模擬眼底64に導かれ、模擬眼底64からの拡散反射光は、第2反射面と第1反射面とをこの順に経由して第1反射面から射出光束P2’として射出される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、眼科用検査機器又は眼科用検査装置の較正に用いる模型眼に関する。
従来から、眼科用検査機器又は眼科用検査装置が知られている。これらの機器又は装置では、被検眼に測定用のパターン像を測定光として投影し、被検眼において反射された測定光の反射像を受像して、人間や動物等の被検眼の屈折度等の眼光学特性を図っている。
これらの機器又は装置では、測定光に主として近赤外線を用いている。可視光を被検者の眼に直接入射させて測定を行うと、被検者がまぶしさを感じるからである。
模型眼は、その機器や装置に用いる測定光の波長により機器や装置の較正を行うことができるように製作されている。この模型眼は、例えば、レンズ系により構成されている(例えば、特許文献1参照。)。そのレンズ系の光学材料には透明ガラス等が用いられている。
特開2000−237142号公報
ところで、人は可視光で対象物を見ており、近赤外光で対象物を見ているわけではない。これに対して、眼光学特性値としての屈折度等の測定には、近赤外の波長の光が用いられているので、必ずしも、近赤外光を用いて得られた眼光学特性値が可視光を用いて得られた眼光学特性値に一致しているとは限らない。近時、この光の波長の相違に関する関心が高まりつつある。
そこで、可視光と近赤外光との両方を用いて被検眼の眼光学特性を測定する検査機器又は検査装置が開発されつつある。
ところが、従来の模型眼には、波長によって屈折力が異なるレンズ系が用いられている。従って、この開発中の機器又は装置の較正を従来の模型眼を用いて検査を行うと、可視光の波長を用いて測定することにより得られた眼屈折特性値と近赤外光を用いて測定することにより得られた眼屈折特性値とが異なることになる。
これでは、いずれの眼屈折特性値が正しいのか、判断がつかないことになり、いずれの波長を用いて測定しても、同一の眼屈折特性値が得られる模型眼の開発が望まれる。
本発明は、異なる波長に対して同一の屈折力を提供可能ないわゆる色収差フリーの模型眼を提供することを目的とする。
請求項1に記載の模型眼は、光を拡散する模擬眼底と、眼科装置から射出された光束を入射光束として前記模擬眼底に導きかつ該模擬眼底において拡散された拡散反射光を屈折力較正を行うための所定のディオプターを提供する射出光束として前記眼科用検査装置に向けて射出する光学系とからなり、
前記光学系は、第1反射鏡軸を有しかつ第1反射面を有する第1反射鏡と、該第1反射鏡と前記模擬眼底との間に配置されかつ第2反射面を有する第2反射鏡とを含み、前記眼科用検査装置からの入射光束は、前記第1反射面と前記第2反射面とをこの順に経由して前記模擬眼底に導かれ、該模擬眼底からの拡散反射光は、前記第2反射面と前記第1反射面とをこの順に経由して該第1反射面から前記射出光束として射出されることを特徴とする。
請求項2に記載の模型眼は、前記第1反射面の反射鏡は前記第1反射鏡軸からオフセットした位置に形成され、前記第2反射面は、前記第1反射面のオフセットに起因して生じる非点収差が打ち消されるように、前記第2反射面の曲面が形成されると共に配設されていることを特徴とする。
請求項3に記載の模型眼は、前記第1反射面は、放物面、楕円面、双曲面等のコーニック面によって形成され、前記第1反射鏡の第1反射鏡軸は前記コーニック面の軸であり、該コーニック面の軸は前記入射光束の光軸に対して平行にオフセットされ、前記第2反射鏡は前記コーニック面の軸が存在する側に配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の模型眼は、前記模擬眼底から前記第1反射鏡までの光学距離を変更して前記ディオプターを変化させるために、前記第1反射鏡と前記第2反射鏡との相対的距離を変更する距離変更部を有することを特徴とする。
請求項5に記載の模型眼は、前記第1反射鏡を構成する部材の一部に模擬眼底として用いるための拡散部分が設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の模型眼は、前記模擬眼底と前記光学系とが筐体内に設けられ、前記眼科用検査装置の対物レンズから前記第1反射鏡までの光学的距離が実質的に人間の目の瞳位置と同一となるように前記眼科用検査装置と前記筐体とを連結するアダプター部材を有することを特徴とする。
請求項7に記載の模型眼は、前記アダプター部材は、異なる作動距離を有する眼科用検査装置に対して較正を行うことができるように、前記眼科用検査装置の対物レンズから前記第1反射鏡までの光学的距離が変更可能であることを特徴とする。
請求項8に記載の模型眼は、前記第1反射鏡から前記第2反射鏡までの間隔が前記眼科用検査装置の作動距離よりも小さく設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、模型眼を構成する光学系を反射光学系のみから構成したので、異なる波長に対して同一の屈折力を提供可能ないわゆる色収差フリーの模型眼を提供できる。
特に、請求項4に記載の発明によれば、1個の模型眼により複数種類のディオプター値の較正を行うことができる。
特に、請求項5に記載の発明によれば、第1反射鏡を構成する部材の一部に模擬眼底として用いるための拡散部分が形成されているので、第1反射鏡の位置調整の完了と同時に模擬眼底の位置調整が完了するため、模型眼を作製する際の位置調整作業の迅速化を図ることができる。
請求項6ないし請求項8に記載の発明によれば、眼科用検査装置を較正する際に眼科用検査装置と模型眼との光学距離の設定を容易に行うことができるという効果を奏する。
特に、請求項7に記載の発明によれば、異なる作動距離を有する眼科用検査装置に対して光学距離の設定が容易である。
特に、請求項8に記載の発明によれば、第1反射鏡から第2反射鏡までの間隔が眼科用検査装置の作動距離よりも小さいので、第2反射鏡が波面収差測定装置に当たる等、波面収差測定装置と模型眼との干渉を避けることができる。
図1は本発明に係わる模型眼が適用される眼科用検査装置としての波面収差測定装置の光学系を示す説明図である。 図2は図1に示す波面収差測定装置の電気回路の要部構成を示すブロック回路図である。 図3は本発明に係わる模型眼の実施例1を説明するための模式的光学系を示す説明図であって、「0」ディオプターを提供する模型眼を示す説明図である。 図4は本発明に係わる模型眼の実施例1を説明するための模式的光学系を示す説明図であって、「−5」ディオプターを提供する模型眼を示す説明図である。 図5は本発明に係わる模型眼の実施例1を説明するための模式的光学系を示す説明図であって、「−10」ディオプターを提供する模型眼を示す説明図である。 図6は本発明に係わる模型眼の実施例2を説明するための模式的光学系を示す説明図であって、「0」ディオプターを提供する位置に模擬眼底が位置している場合の模型眼を示す説明図である。 図7は本発明に係わる模型眼の実施例2を説明するための模式的光学系を示す説明図であって、「−5」ディオプターを提供する位置に模擬眼底が位置している場合の模型眼を示す説明図である。 図8は本発明に係わる模型眼の実施例2を説明するための模式的光学系を示す説明図であって、「−10」ディオプターまでのディオプターを提供する位置に模擬眼底が位置している場合の模型眼を示す説明図である。 図9は本発明に係わる模型眼を用いての補正データの作成の一例を説明するフローチャートである。 図10は本発明に係わる模型眼の実施例3を説明するための模式的光学系を示す説明図であって、第1反射鏡を構成する部材の一部に眼底面として用いるための拡散部分を設けた例を示す説明図である。
この実施例では、以下に、本発明に係わる模型眼が適用される眼特性測定装置として波面収差測定装置を例示して説明する。しかし、本発明に係わる模型眼は眼屈折度を測定する眼屈折度測定装置にも適用される。
図1は本発明に係わる模型眼が適用される波面収差測定装置を示している。この図1において、符号1Aは波面収差測定装置を示している。この波面収差測定装置1Aは、照明光学系1と、受光光学系2と、前眼部照明系3と、前眼部観察系4と、第1調整光学系5と、第2調整光学系6と、固視光学系7と、光学系移動手段8とを備えている。なお、図1において、符号Eは被検眼、符号Efは網膜(眼底)、符号Ecは角膜(前眼部)、符号Egは水晶体である。また、図2はその波面収差測定装置のブロック回路図を示している。その波面収差測定装置は、演算部9と、制御部10と、入力部11と、表示部12と、記憶部13と、第1の駆動部14と、第2の駆動部15とを備えている。
本発明に係わる模型眼(後述する)は、図1において、被検眼Eが置かれている位置に配置されるものである。
以下、本発明に係わる模型眼が適用される波面収差測定装置1Aの光学系の大略構成、ブロック回路図の大略構成、この波面収差測定装置の作用の概略を説明し、その後に、本発明に係わる模型眼の詳細を説明する。
(照明光学系1の構成)
照明光学系1は、被検眼Eの眼底Efに照明光束としてのスポット光を照射するのに用いられる。この照明光学系1は、例えば、光源部16、集光レンズ17、絞り18、集光レンズ19、ビームスプリッタ20、21、22、集光レンズ(対物レンズ)23、ロータリプリズム24を有する。集光レンズ17は照明光束を絞り18の近傍に集光する。集光レンズ19と集光レンズ(対物レンズ)23との間にビームスプリッタ20、21、22が配置されている。ビームスプリッタ20は照明光束を反射し、眼底Efからの反射光束を透過するダイクロイックミラーにより構成される。ビームスプリッタ21は照明光束及び反射光束を反射し、後述する固視光束を透過する波長選択性ミラーにより構成されている。
ビームスプリッタ22は、照明光束、反射光束及び固視光束を反射し、後述する観察光束を透過させるダイクロイックミラーにより構成される。ロータリプリズム24は、眼底Efにより反射される光の反射むら等に起因する光量分布の均一化を図る役割を果たす。
なお、被検眼Eからビームスプリッタ22までの光学要素は照明光学系1、受光光学系2、固視光学系7、前眼部観察系4及び第2の調整光学系6について共通であり、ビームスプリッタ22からビームスプリッタ21までの光学要素は照明光学系1、受光光学系2及び固視光学系7について共通であり、ビームスプリッタ21からビームスプリッタ20までの光学要素は、照明光学系1及び受光光学系2について共通である。
光源部16は、複数の波長の光を発生する。光源部16から複数の波長の光が切り替えて射出される。ここでは、光源部16は2個の光源25、26と、ツリー型のファイバーカプラー27と、1本のファイバー28とから構成されている。光源25、26は波長の異なる光を発生する。光源25、26の発光・消灯制御(オン・オフ)は波長選択信号S1、S2により行われる。各ファイバ−29、30に入射した光は、ファイバー28の射出端から射出される。
(受光光学系2の構成)
受光光学系2は、眼底Efからの反射光束を受光部31に導く役割を果たす。この受光光学系2は、例えば、受光部31、ハルトマン板32、集光レンズ33、絞り34、集光レンズ35、反射板36、集光レンズ37を有する。被検眼Efからビームスプリッタ20までの光学系は照明光学系1の光学系と共通である。反射板36は眼底Efからの反射光束の光軸を光源部16からの照明光束の光軸の方向と平行にする役割を果たす。集光レンズ33は絞り34を通過した反射光束を平行光束に変換してハルトマン板32に導く。ハルトマン板32は、反射光束を複数の分割光束に分割するマイクロレンズアレイを有する。眼底Efからの反射光束は、ハルトマン板32によって複数の分割光束に分割される。各分割光束は受光部31の受光面上に集光される。受光部31は、ハルトマン板32によって分割された複数の分割光束を受光する。受光部31からの受光信号S4を解析することにより波面収差が求められる。この波面収差の波長に基づく変化に基づき波面の色収差が求められる。その受光信号S4は演算部9に送信される。
(光学系移動手段8の構成)
光学系移動手段8は、照明光学系1、受光光学系2及び固視光学系(後述する)7を含む点線包囲部分(図1参照)を一体的に移動させる役割を有する。このために、例えば、照明光学系1、受光光学系2及び固視光学系7は1個のステージ上に配置される。光学系移動手段8は移動制御信号S3によって制御される。
この光学系移動手段8は、例えば、光源部16からの照明光束が眼底Efにおいて反射されたとして、その反射光束に基づき受光部31から出力される受光信号のピークが最大となる方向に照明光学系1、受光光学系2及び固視光学系(後述する)7を移動させ、受光強度が最大となる位置で停止させるようにこれらの光学系の位置を調整する。
(前眼部照明系3の構成)
前眼部照明系3は、前眼部Ecを所定パターンの照明光によって照明する役割を有する。この前眼部照明系3の光源には、例えば、プラチドリング(PLACIDO' S DISC)若しくはケラトリング等のリング状光源38を用いる。このリング状光源38から発せられる光の波長には、照明光学系1から発せられる照明光の波長(560nm、840nm)とは異なる領域の波長(例えば、940nm)を用いても良い。このリング状光源38は制御信号S6により制御される。プラチドリングを用いると、複数の同心輪帯からなるパターンの指標が前眼部Ecに投影される。ケラトリングを用いると、角膜の曲率中心付近のみのパターンが角膜に投影される。なお、前眼部照明系3の光源として点状光源を用いても良い。
(前眼部観察系4の構成)
前眼部観察系4は、前眼部照明系3から照射された照明光束でかつ被検眼Efの前眼部Ecにおいて反射された観察光束を用いて前眼部Ecを観察する役割を有する。この前眼部観察系4は、例えば、受光部39、テレセントリック絞り40、集光レンズ41、42、43、ビームスプリッタ44を有する。被検眼Eからビームスプリッタ22までの光学要素は照明光学系1等と共通である。集光レンズ42と集光レンズ43との間に配設されたビームスプリッタ44は前眼部Efにおいて反射された観察光束を受光部39に向けて透過し、第2調整光学系(後述する)6から射出された射出光束を反射するダイクロイックミラーによって構成される。集光レンズ41は反射光束を集光光束に変換して受光部39に導く。受光部39は例えばCCDによって構成されている。このCCDにはプラチドリング、ケラトリング等のリング状パターンが受光される。受光部39は受光信号S7を演算部9に送信する。
(第1調整光学系5の構成)
第1調整光学系5は、被検眼Eに対する装置本体の作動距離調整(角膜頂点から集光レンズ23までの光学距離(作動距離Zs)、すなわち、被検眼Eに対する照明光学系1及び受光光学系2の光軸方向の位置調整を主として行う役割を果たす。この第1調整光学系5は、光源部45、受光部46、集光レンズ47、48を有する。この作動距離Zsの調整は、例えば、光源部45から射出された光束を集光レンズ47により平行光束に変換して被検眼Eに向けて照射し、この被検眼Eからの反射光束を集光レンズ48を介して受光部46により受光することにより行われる。受光部46には、一次元CCD、ポジションセンシングデバイス(PSD)等が用いられる。光源部45は制御信号S9により制御される。受光部46の受光信号S10は演算部9に送信される。受光信号S10は演算部9により作動距離調整に用いられる。被検眼Eが適正な作動距離Zsから前後に外れている場合、光源部45に対応するスポット像は、受光部46の光軸に対して上又は下に形成される。被検眼Eが適正な作動距離にある場合、受光部46の光軸上に、光源部45に対応するスポット像が形成される。
(第2調整光学系6の構成)
第2調整光学系6は、例えば、被検眼EのXY方向(被検眼Eの近傍の照明光学系1及び受光光学系2の光軸と垂直な面内)のアライメント調整を行う役割を果たす。第2調整光学系6は、アライメント用光源部49と集光レンズ50とを有する。被検眼Eからビームスプリッタ44までの光学要素は前眼部観察系4と共通である。アライメント用光源部49は制御信号S5によって制御される。
(固視光学系7の構成)
固視光学系7は、例えば、被検眼Eに、固視や雲霧をさせる為の視標を投影する役割を有する。この固視光学系7は、光源部(例えば、ランプ)51、固視標52、集光レンズ53、反射板54を有する。被検眼Eからビームスプリッタ21までの光学要素は照明光学系1等と共通である。反射板54は固視光学系7における光源部51からの固視光束の光軸の方向を照明光学系1における光源部16からの照明光束の光軸の方向及び受光光学系2における受光部31に向かう反射光束の光軸の方向と一致させる役割を有する。光源部51は制御信号S11によって制御される。光源部51からの固視光束に基づく固視標52を眼底Efに投影することによって、被検眼Eにその固視標像を観察させる。これにより、被検眼Eの視線が固視標52によって固定される。なお、この光学系全体において、被検眼Eの眼の瞳(虹彩)、ロータリープリズム24、受光光学系2のハルトマン板32、照明光学系1の絞り18は共役とされている。
(電気回路の構成)
演算部9は、波面収差演算部91、色収差演算部92、再測定判定部93、波長選択部94、光学特性解析部95を備えている。波面収差演算部91は受光部31で受光された各波長の光について波面収差を演算して求める。色収差演算部は92は波面収差演算部91で求められた各波長での波面収差に基づき波面の色収差を求める。再測定判定部93は求めるべき波面の色収差が、前回までの測定の波長における測定で十分であるか、不十分であり波長を追加又は変更して次回の測定を行うべきか否かを判定する。波長選択部94は、再測定判定部93において次回の測定を行うと判定された場合には、追加又は変更する波長を選択する。光学特性解析部95は、受光部31又は受光部39で受光された各波長の光に基づいて測定された波面収差及びその他の測定データから被検眼に関する種々の光学特性を解析する。この光学特性解析部95では、例えば、点像分布係数(PSF)、被検眼の伝達特性を示すMTF(Modulation Transfer Function)、視力、瞳径、コントラスト感度等を解析する。
演算部9には、受光光学系2の受光部31からの受光信号S4と、前眼部観察系4の受光部39からの受光信号S7と、第1の調整光学系5の受光部46からの受光信号S10とが入力される。演算部9は、受光光学系2からの受光信号S4、前眼部観察系4からの受光信号S7に基づいて被検眼Eの光学特性(例えば、波面収差、波面の色収差)を求める。また、第1の調整光学系5からの受光信号S10に基づいて被検眼Eの作動距離Zsを演算する。演算部9は、これら演算結果に応じた信号又は他の信号・データを、光学系及び電気系の制御を行う制御部10と、表示部12と、記憶部13とにそれぞれ適宜出力する。
制御部10は、演算部9からの信号に基づいて、照明光学系1の光源25、26の点灯、消灯を制御したり、光学系移動手段8を制御したり、第1の調整光学系5の光源部45、第2の調整光学系6の光源部49、前眼部照明系3の光源38、固視光学系7の光源部51、第1の駆動部14及び第2の駆動部15を制御する。制御部10は、演算部9の演算結果に応じた信号に基づいて制御を行う。すなわち、照明光学系1の光源25、26に波長選択信号S1、S2を送信し、波長の切り替えを制御したり、第1の調整光学系5の光源部45、第2の調整光学系6の光源部49、前眼部照明系3の光源部38、固視光学系7の光源部51に制御信号S9、S5、S6、S11を送信して制御したり、第1の駆動部14を駆動してロータリープリズム108の回動を制御する回動制御信号S8を送信させたり、第2の駆動部15を駆動して光学系移動手段8に移動制御信号S3を送信させる。また、制御部10は波面収差測定装置1Aの機能を発揮させるための諸制御を行う。さらに、制御用プログラムを用いて光源部16から射出される光の波長の切り替え等に関して自動制御を行っても良い。
入力部11は、操作者が、各種データを入力するためのキーボード、表示部12に表示されたボタン、アイコン、位置、領域等を支持するためのポインティングデバイスを有する。表示部12は測定結果、演算結果、解析結果や操作者がデータを入力、指示するためのウインドウ等を表示する。記憶部13は被検眼Eに関するデータ、波面収差の演算に用いるデータ、測定における設定データ等を記憶する。また、測定を自動的に行う場合等の制御用プログラムを記憶することもできる。更に、記憶部13は、波面収差測定装置1Aの光学系の波面収差を補正するための補正データを記憶する補正データ記憶部13aを有する。
第1の駆動部14は、ロータリープリズム24を回動させるものであり、図示しない適宜のレンズ移動手段に対して回動制御信号S8を出力してレンズ移動手段を駆動する。第2の駆動部15は、例えば、演算部9に入力された受光部31からの受光信号S4に基づいて、照明光学系1、受光光学系2及び固視光学系7の主要部を一体的に光軸方向に移動させる光学系移動手段8を駆動する。第2の駆動部15は、光学系移動手段8に対して移動制御信号S3を出力して駆動する。受光光学系2等を光軸方向に移動させることにより、球面成分の補償を行うことができる。
この波面収差測定装置1Aの波面収差の測定の詳細は、本発明には、直接的には関係しないので、その測定の詳細については省略することにし、次に、本発明に係わる色収差が生じない模型眼60についての説明を図3〜図8を参照しつつ説明する。ここで、色収差が生じないとは、実用上色収差を無視できる範囲も含まれるものとする。
(模型眼60の実施例1)
図3は、屈折力特性が「0」ディオプターの模型眼60を示している。この模型眼60の筐体61の内部には反射光学系が配置されている。この反射光学系は第1反射鏡62、第2反射鏡63、模擬眼底64から大略構成されている。その筐体61には円筒状取付部61aが設けられている。この円筒状取付部61aの内周壁にはネジ部61bが形成されている。この円筒状取付部61aの外周部には目盛り61cが設けられている。波面収差測定装置1Aにはその筐体1Bの前部に対物鏡筒部1Cが設けられている。その模型眼60はアダプター部材(取り付け金具)としての位置決め筒65を介して対物鏡筒部1Cに固定される。位置決め筒65にはその外周部にネジ部65aが設けられている。その位置決め筒65が対物鏡筒部1Cに突き当てられた状態で、模型眼60はその位置決め筒65に螺合される。位置決め筒65は波面収差測定装置1Aの集光レンズ(対物レンズ)23から後述する第1反射鏡までの光学的距離が実質的に人間の目の瞳位置と同一となるように、波面収差測定装置1Aと模型眼60とを連結する役割を果たす。
その模型眼60は目盛り61cを見ながら、模型眼60と波面収差測定装置1Aとの螺合量を調整する。これにより、作動距離(集光レンズ23から第1反射鏡までの光学的距離に相当)Zsの異なる波面収差測定装置1Aに対する模型眼60の位置決めが行われる。すなわち、その位置決め筒65を用いることにより、異なる作動距離を有する眼科用検査装置について、ディオプターの較正を行うことができるように、眼科用検査装置の集光レンズ(対物レンズ)23から後述する第1反射鏡までの光学的距離が変更可能とされている。
波面収差測定装置1Aは細い光束P1を射出する。正常眼(0ディオプターの眼)は、この光束(入射光束)P1が平行光束として入射したとき、眼底Efで像を結んだ後、眼底Efで反射されて平行光束としての射出光束を眼から射出する。模型眼60はこの「0」ディオプターの正常眼に模して作成される。
すなわち、第1反射鏡62の第1反射面は放物面鏡62aの一部を用いて作成される。第1反射鏡62はその放物面鏡62aの反射鏡軸O1からオフセットした位置に配置されている。第2反射鏡63の第2反射面は平面鏡により構成されている。この第2反射鏡63は第1反射鏡62により反射された光束を折り曲げて模擬眼底64に向けて反射する。模擬眼底64は放物面鏡62aの焦点位置に配置される。いわゆる放物面鏡62aは反射鏡軸O1に平行に入射した光束を焦点位置に集光する役割を果たす。模擬眼底64は例えば拡散板により構成される。
光束P1は、第1反射鏡62、第2反射鏡63により反射されて、模擬眼底64に照射される。この光束P1は模擬眼底64において拡散され、拡散反射光P2となる。この拡散反射光P2の一部は第2反射鏡63に向けて反射され、この第2反射鏡63により光路を折り曲げられて、第1反射鏡62に導かれる。第1反射鏡62には視野絞り66が設けられている。その拡散反射光P2はその視野絞り66によって光束の径が絞られて、屈折力較正を行うための所定のディオプターを提供するために集光レンズ23の光軸に平行な射出光束P2’として波面収差測定装置1Aに戻る。波面収差測定装置1Aは、この射出光束P2’に基づき波面収差を測定する。なお、第2反射鏡63は、光束の折り曲げのみに使用されており、放物面鏡62aに焦点距離fの短いものを使用する場合には、設けなくとも良い。
図4は屈折力特性が「−5」ディオプターの模型眼60を示している。筐体61の構成、位置決め筒65の構成については、図3に示す屈折力特性が「0」ディオプターの模型眼60の構成と同じなので、その詳細な説明は省略する。
「−5」ディオプターの眼は、光束P1が平行光束として入射したとき、眼底Efよりも手前で像を結ぶ。眼底Efとの共役点は基準位置(瞳又は眼鏡の位置)から1/5mの点である。従って、模擬眼底64により反射された射出光束P2’が基準位置から1/5mに集光するように第1反射鏡62と第2反射鏡63との形状を決定する。
ここでは、第1反射鏡62は双曲面鏡62bの一部を用いて構成されている。第2反射鏡63は球面鏡63aの一部を用いて構成されている。その第1反射鏡62は双曲面鏡62bの反射鏡軸O2からオフセットした位置に配置されている。第2反射鏡63は球面鏡63aの反射鏡軸O3からオフセットした位置に配置されている。すなわち、第1反射鏡62の反射鏡軸O2は光束P1の光束中心O4に対して下側にオフセットされ、第2反射鏡63の反射鏡軸O3は光束P1の光束中心O4に対して上側にオフセットされている。双曲面鏡62bは、光束P1の光束中心O4と反射鏡軸O3とを一致させた状態で、光束P1が入射した場合、集光する特徴を有する。
光束P1は、第1反射鏡62が偏心した位置に設けられているので、この第1反射鏡62により角度をもって反射されることになり、軸ずれが生じる。従って、幾何光学的には、完全に集光されないが、双曲面鏡62bの形状を工夫することにより、収差の少ない光学系が実現できる。第2反射鏡63も第1反射鏡62と同様に双曲面鏡を用いて構成でき、この場合には、設計上収差のほとんどない光学系を形成できる。すなわち、第2反射鏡63を双曲面鏡を用いて形成することにより、第1反射面のオフセットに起因して生じる非点収差を打ち消すことができる。しかしながら、模型眼60を実際に組立てる際の公差が厳しくなる。その一方、第2反射鏡63に球面鏡63aの一部を用いることにすると、組み立て状の公差をやや緩やかにすることができる。
「−5」ディオプターの模型眼60を用いて波面収差測定装置1Aを較正する場合には、波面収差測定装置1Aから射出された光束P1は、第1反射鏡62で反射され、第2反射鏡63で再反射されて、模擬眼底64において集光するような発散光束となる。模擬眼底64において拡散反射された拡散反射光P2は、第2反射鏡63、第1反射鏡62を経て、第1反射鏡62の視野絞り66によって光束径が絞られ、射出光束P2’として波面収差測定装置1Aに向けて収束されつつ戻る。
図5は屈折力特性が「−10」ディオプターの模型眼60を示している。
「−10」ディオプターの眼も、「−5」ディオプターの眼と同様に、光束P1が平行光束として入射したとき、眼底Efよりも手前で像を結ぶ。眼底Efとの共役点は基準位置(瞳又は眼鏡の位置)から1/10mの点である。従って、模擬眼底64で反射された射出光束P2’が基準位置から1/10mに集光するように第1反射鏡62と第2反射鏡63との形状を決定する。
ここでも、図4に示す模型眼60と同様に、第1反射鏡62の第1反射面は双曲面鏡62bの一部を用いて構成されている。第2反射鏡63の第2反射面は球面鏡63aの一部を用いて構成されている。その第1反射鏡62は双曲面鏡62bの反射鏡軸O2からオフセットした位置に配置されている。第2反射鏡63は球面鏡63aの反射鏡軸O3からオフセットした位置に配置されている。すなわち、第1反射鏡62の反射鏡軸O2は光束P1の光束中心O4に対して下側にオフセットされ、第2反射鏡63の反射鏡軸O3は光束P1の光束中心O4に対して上側にオフセットされている。
光束P1は、第1反射鏡62が偏心した位置に設けられているので、この第1反射鏡62により角度をもって反射されることになり、軸ずれが生じる。従って、幾何光学的には、完全に集光されないが、双曲面鏡の形状を工夫することにより、収差の少ない光学系が実現できる。
「−10」ディオプターの模型眼60を用いて波面収差測定装置1Aを較正する場合には、波面収差測定装置1Aから射出された光束P1は第1反射鏡62で反射され、第2反射鏡63で再反射されて、模擬眼底64において集光するような発散光束となる。模擬眼底64において拡散反射された拡散反射光P2は、第2反射鏡63、第1反射鏡62を経て、第1反射鏡62の視野絞り66によって光束径が絞られ、射出光束P2’として波面収差測定装置1Aに収束されつつ戻る。
図3ないし図5に示す模型眼60についての放物面鏡62a、双曲面62bの形状の具体例を以下に説明する。
放物面鏡62a、双曲面62bは、一般に下記の式(1)を用いて表される。
Figure 2010240231
この(1)式は、放物面鏡62aの頂点を座標原点(0,0)として、互いに直交するx、y、z方向の点の位置座標の関係を示している。その(1)式において、符号zは反射鏡軸O1、O2に平行な方向の点の位置座標、x、yは反射鏡軸O1、O2に対して直交する平面内における位置座標を示し、符号cは面の曲率、kはコーニック係数、放物面鏡62aではk=−1であり、双曲面鏡62bでは、k<−1である。
具体的には、「0」ディオプターの模型眼60の場合、開口数NA=0.05として、放物面鏡62aの焦点距離fを60mm(曲率半径を120mm)、放物面鏡62aの非点収差量を0.0000μm(RMS:Root Mean Square)、コマ収差量を0.0000μm(RMS)に設計した。なお、第2反射鏡64が平面鏡であるので合成焦点距離は60mmである。
また、「−5」ディオプターの模型眼60の場合、開口数=0.048として、コーニック係数を「−1.59」、双曲面鏡62bの焦点距離fを95mm(曲率半径を190mm)、球面鏡63aの焦点距離fは80mm、非点収差量0.0020μm(RMS)、コマ収差量0.0022μm(RMS)である。なお、合成焦点距離fは60.8mmである。
また、「−10」ディオプターの模型眼60の場合、開口数=0.050として、双曲面鏡62bの焦点距離fは101.8mm、球面鏡63aの焦点距離fは67.7mm、非点収差量0.0026μm(RMS)、コマ収差量0.0059μm(RMS)である。なお、合成焦点距離fは57.67mmである。
この実施例1では、第1反射鏡の第1反射面を放物面又は双曲面により形成したが、楕円面を用いて形成しても良い。
(模型眼60の実施例2)
図3ないし図5に示す構造の模型眼では、眼の屈折力の特性に対応させて、模型眼60をそれぞれ準備する必要がある。この実施例2では、第1反射鏡62と第2反射鏡63との光学距離を変化させることにより、ディオプターを変更可能ないわゆる色収差フリーの模型眼を1個の模型眼60を用いて提供可能としたものである。
図6ないし図8はディオプターを変更可能な色収差フリーの模型眼60を示している。この模型眼60には、実施例1と同様に、第1反射鏡62の第1反射面には放物面鏡62aの一部が用いられ、第2反射鏡63の第2反射面には平面鏡が用いられ、模擬眼底64には拡散板が用いられている。第1反射鏡62は筐体61に固定されている。この筐体61の内部には、可動筐体67が配置されている。この可動筐体67には、第2反射鏡63と模擬眼底64とが固定されている。その可動筐体67は、模擬眼底64から第1反射鏡62までの光学距離を変更してディオプターを変更するために、第1反射鏡62から第2反射鏡63までの光学距離を変更する距離変更部としての役割を有する。
可動筐体67は上下方向ステージ68に載置されている。その上下方向ステージ68は、例えば昇降モータにより昇降される。上下方向ステージ68には、例えば、一対の前後方向レール(図示を略す)が設けられている。可動筐体67は、例えば、一対の前後方向レールに案内されて前後方向に可動可能とされている。その可動筐体67は例えば後方に向けて付勢されている。この可動筐体67の後部には、例えば、マイクロメータ69が設けられている。このマイクロメータ69は、上下方向ステージ68に取り付けられ、可動筐体67は、上下方向ステージ68とそのマイクロメータ69とにより上下前後方向の移動量が設定される。
その図6には、「0」ディオプターの眼、図7には「−5」ディオプターの眼、図8には「−10」ディオプターの眼の位置に対応させたときの可動筐体67のセット位置がそれぞれ図示されており、上下方向ステージ68の上下動量とマイクロメータ69のスピンドルの進出量とを調節することにより、第1反射鏡62から第2反射鏡63までの光軸間距離が変更され、模型眼60の屈折力を「0」ディオプターから「−10」ディオプターまでの間で連続的に変更可能である。
第1反射鏡61から第2反射鏡62までの光学距離が長くなると、開口数NAが小さくなるので、例えば、可動筐体67が「0」ディオプターに対応する位置にセットされたときの開口数NAが0.06となるように設計したとき、第1反射鏡62の放物面鏡62aの曲率半径を−101.6mmとし、第2反射鏡63は平面とすると、「−5」ディオプターに対応する位置にセットされたときの開口数NAは0.05、「−10」ディオプターに対応する位置にセットされたときの開口数NAは0.04となる。
この場合、可動筐体67が「0」ディオプターに対応する位置にセットされたときの非点収差量は0.0000μm(RMS)、コマ収差量は0.0000μm(RMS)、可動筐体67が「−5」ディオプターの位置にセットされたときの非点収差量は0.013μm(RMS)、コマ収差量は0.0457μm(RMS)、可動筐体67が「−5」ディオプターの位置にセットされたときの非点収差量は0.042μm(RMS)、コマ収差量は0.1058μm(RMS)である。
この実施例2では、図3ないし図5に示す「−5」、「−10」ディオプターの模型眼に比べると、非点収差、コマ収差が大きくなるが、実質的に波面収差の測定には問題のない範囲内である。
この実施例2の模型眼60によれば、ディオプターの異なる複数個の模型眼60を準備しなくとも、1個の模型眼60を用いて、模型眼60のディオプターを変更できるので、保管が容易、波面収差測定装置1Aに取り付けたまま、ディオプターを変更できる等のメリットがあり、非常に便利である。
なお、この実施例2の模型眼60の光学特性は実施例1の模型眼60(図3ないし図5参照)と同一なので、その詳細な説明は省略する。
(模型眼60の実施例3)
図10は、本発明に係わる模型眼の実施例3を説明するための模式的光学系を示す説明図であって、第1反射鏡62を構成する部材の一部に眼底面として用いるための拡散部分を設けた例を示す説明図である。
図4の模型眼では、第1反射鏡62は双曲面62bの一部を用いて構成されているが、この双曲面62bと模擬眼底64の位置が非常に接近しているような設計の場合には、第1反射鏡62を構成する部材の一部に模擬眼底64を形成することができる。
すなわち、図10に示すように、双曲面62bと模擬眼底64とが接近している模型眼では、第1反射鏡62の模擬眼底64に相当する箇所を加工して拡散面とすることにより、第1反射鏡62と模擬眼底64とを共通の部材に形成することができる。
このように、第1反射鏡62を構成する部材の一部分に模擬眼底64の眼底面として用いるための拡散部分を設けることにすれば、第1反射鏡62の位置調整が完了すると、同時に模擬眼底64の位置調整も完了するので、模擬眼底64の公差を考える必要はなくなり、模型眼を作製する際の位置調整作業の迅速化を図ることができる。
(波面収差補正データの作成手順)
この波面収差測定装置1Aによる波面収差の測定の詳細は、本発明には、直接的には関係しないので、その測定の詳細については省略することにし、本発明に係わる模型眼60を用いての波面収差の補正について図9に示すフローチャートを用いて説明する。
この補正データの作成は、例えば、前述の3個の模型眼60を用いてそれぞれ行う。まず、模型眼60を固定する(S1)。波面収差測定装置1の光軸に模型眼60の光軸を合わせるように、位置決め筒65を用いて、模型眼60を対物鏡筒部1Cに固定する。次に、演算部9の波長選択部94により、照明光学系1の光源部16からの照明光束の波長が設定される(S2)。波長選択部94は測定に使用する波長を設定する。これにより、測定に使用する波長が複数の場合、その順序も設定される。なお、測定に使用する波長が複数の場合、その個数も設定される。
ここでは、光源25は近赤外域の光源(波長840nm)、光源26は可視域の光源(波長560nm)とする。測定に使用する波長はこれらの光源の波長とする。また、個数を「2」とする。実際の測定では、近赤外域の波長の光を用いての測定が行われ、ついで、可視域の波長の光を用いての測定が行われるので、補正データの作成の際の測定順序も、光源25を用いての測定、光源26を用いての測定の順に行なう。
制御部10は照明光学系1の光源25,26に波長選択信号S1、S2を送信し、光源25を点灯し、光源26を消灯する。これにより、近赤外域の波長で波面収差の測定が行なわれる(S3)。
波面収差の測定(S3)の後に、演算部90は、再測定判定部93において、所定個数の波長で測定したか否かを判定する(S4)。ここでは、所定個数は「2」であるので、可視域の波長の光を用いての測定がなされていないと判定された場合、光源26の照明光束の波長が選択又は設定される(S2)。制御部10は照明光学系1の光源25、26に波長選択信号S1、S2を送信し、光源25を消灯し、光源26を点灯する。これにより、可視域の波長で波面収差の測定が行われる(S3)。波面収差の測定(S3)の後に、再測定判定部93により測定に使用する波長の個数数が所定の個数に達したか否かを判定する(S4)。所定の個数に達するまで波面収差の測定が繰り返される(S2〜S4)。ここでは、所定個数が「2」なので、イエスと判定され、S5に移行する。S.5では、補正データの作成が実行される。この模型眼60による波面収差の測定データは、補正データ記憶部13aに記憶される。この補正データは、装置内部の波面収差として記憶される。色収差解析において、被検眼Eを測定することにより得られた波面収差の測定値からこの補正データ記憶部13aに記憶保存された装置内部の波面収差を差し引くことにより、装置内部の波面の色収差補正が行なわれる。なお、ここでは、2個の波長について、装置内部の光学系の波面収差を測定して、補正データを得ることにしたが、なるべく、多くの波長について、装置内部の光学系の波面収差を測定するのが望ましい。また、この実施例では、波面収差測定装置1Aについてのみの構成について模型眼60を用いる場合について説明したが、本発明の模型眼60はこれ以外の眼科用検査装置にも適用できるものである。
1A…眼科用検査装置
60…模型眼
62…第1反射鏡
63…第2反射鏡
64…拡散板(模擬眼底)

Claims (8)

  1. 光を拡散する模擬眼底と、眼科用検査装置から射出された光束を入射光束として前記模擬眼底に導きかつ該模擬眼底において拡散された拡散反射光を屈折力較正を行うための所定のディオプターを提供する射出光束として前記眼科用検査装置に向けて射出する光学系とからなり、
    前記光学系は、第1反射鏡軸を有しかつ第1反射面を有する第1反射鏡と、該第1反射鏡と前記模擬眼底との間に配置されかつ第2反射面を有する第2反射鏡とを含み、前記眼科用検査装置からの入射光束は、前記第1反射面と前記第2反射面とをこの順に経由して前記模擬眼底に導かれ、該模擬眼底からの拡散反射光は、前記第2反射面と前記第1反射面とをこの順に経由して該第1反射面から前記射出光束として射出されることを特徴とする模型眼。
  2. 前記第1反射面の反射鏡は前記第1反射鏡軸からオフセットした位置に形成され、前記第2反射面は、前記第1反射面のオフセットに起因して生じる非点収差が打ち消されるように、前記第2反射面の曲面が形成されると共に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の模型眼。
  3. 前記第1反射面は、放物面、楕円面、双曲面等のコーニック面によって形成され、前記第1反射鏡の第1反射鏡軸は前記コーニック面の軸であり、該コーニック面の軸は前記入射光束の光軸に対して平行にオフセットされ、前記第2反射鏡は前記コーニック面の軸が存在する側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の模型眼。
  4. 前記模擬眼底から前記第1反射鏡までの距離を変更して前記ディオプターを変化させるために、前記第1反射鏡と前記第2反射鏡との相対的距離を変更する距離変更部を有することを特徴とする請求項1記載の色収差フリー模型眼。
  5. 前記第1反射鏡を構成する部材の一部に模擬眼底として用いるための拡散部分が設けられていることを特徴とする請求項1記載の模型眼。
  6. 前記模擬眼底と前記光学系とが筐体内に設けられ、前記眼科用検査装置の対物レンズから前記第1反射鏡までの光学的距離が実質的に人間の目の瞳位置と同一となるように前記眼科用検査装置と前記筐体とを連結するアダプター部材を有することを特徴とする請求項1に記載の模型眼。
  7. 前記アダプターは、異なる作動距離を有する眼科用検査装置に対して較正を行うことができるように、前記眼科用検査装置の対物レンズから前記第1反射鏡までの光学的距離が変更可能であることを特徴とする請求項6に記載の模型眼。
  8. 前記第1反射鏡から前記第2反射鏡までの間隔が前記眼科用検査装置の作動距離よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の模型眼。
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