JP2010239204A - 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】押圧部の色によらずに、原稿台に置かれた原稿の画像の傾きを補正することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】紙指紋情報登録が指示された場合、スキャナ部が押圧部の画像を読み取って画像処理した押圧部の表面のパターン情報を記憶させる。また、スキャナ部が原稿台に載置される原稿が押圧部に押圧された状態で、スキャナ部が原稿を読み取って画像処理した原稿の表面のパターン情報とを比較して、斜行量を検出する(S1603)。そして、検出した斜行量に応じて、原稿の表面のパターン情報を補正した後、サーバに登録して管理する(S1606)。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体に関するものである。
従来、画像処理装置の一例であるMFP(MultiFunctionalPeripheral)には、原稿台ガラス上に載置された原稿の画像を読み取って、読み取られた画像の傾きを補正するものがある。(特許文献1参照)
このような画像処理装置では、原稿の紙の色である白画素を検出し、検出された白画素に基づいて原稿の輪郭を抽出し、抽出された原稿の輪郭に基づいて、読み取られた原稿の画像の傾きを補正する。
特開平10−191026号公報
しかしながら、従来の画像処理装置では、原稿の紙の色と、原稿を原稿台に押圧する押圧部の色とを異ならせる必要がある。例えば、押圧部の色が白色である場合、通常の白色系の用紙に印刷された原稿の画像の傾きを補正することはできなかった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、押圧部の色によらずに、原稿台に置かれた原稿の画像の傾きを補正することができる仕組みを提供することである。
上記目的を達成する本発明の画像処理装置は以下に示す構成を備える。
原稿台に置かれた原稿を押圧する押圧部を備える画像処理装置であって、前記原稿と前記押圧部の表面のパターン情報を読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取られた前記押圧部の表面のパターン情報を記憶する記憶手段と、前記読取手段によって読み取られた前記原稿の画像の表面のパターン情報を、前記記憶手段に記憶された前記押圧部の表面のパターン情報と比較する比較手段と、前記読取手段によって読み取られた原稿の表面のパターン情報と、前記押圧部の表面のパターン情報との比較結果に基づいて、前記原稿の斜行量を検出する検出手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、押圧部の色によらずに、原稿台に置かれた原稿の画像の傾きを補正することができる。
画像処理システムの構成を示すブロック図である。 図1に示した画像処理装置の外観を示す図である。 画像処理装置のコントローラの構成を示すブロック図である。 圧縮部3が処理するタイルデータを概念的に説明する図である。 スキャナ画像処理部の内部構成を説明するブロック図である。 プリンタ画像処理部における画像処理の流れを説明する図である。 図3に示した操作部に表示されるUIの一例を示す図である。 画像処理装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。 紙指紋情報取得部が取得する紙指紋情報取得位置を示す模式図である。 画像処理装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。 画像処理装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。 画像処理装置における画像処理例を説明する模式図である。 画像処理装置における画像処理例を説明する模式図である。 画像処理装置における画像処理例を説明する模式図である。 画像処理装置における画像処理例を説明する模式図である。 画像処理装置における斜行量算出処理を説明する図である。 画像処理装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。 画像処理装置における原稿端部の検出処理を説明する図である。 画像処理装置における原稿端部の検出処理を説明する図である。 画像処理装置における原稿端部の検出処理を説明する図である。 画像処理装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す画像処理システムの構成を示すブロック図である。この画像形成システムではホストコンピュータ40、サーバ60及び3台の画像処理装置10,20,30がLAN50に接続されているが、本発明における画像処理システムにおいては、これらの接続数に限られることはない。
また、本実施形態では接続方法としてLANを適用しているが、これに限られることはない。例えば、WAN(公衆回線)などの任意のネットワーク、USBなどのシリアル伝送方式、セントロニクスやSCSIなどのパラレル伝送方式なども適用可能である。
図1において、ホストコンピュータ(以下、PCと称する)40はパーソナルコンピュータの機能を有している。このPC40はLAN50やWANを介してFTPやSMBプロトコルを用いファイルを送受信したり電子メールを送受信したりすることができる。また、PC40から画像処理装置10、20、30に対して、プリンタドライバを介して印字命令を行うことが可能となっている。また、サーバ60は、PC40や画像処理装置10、20、30とデータの送受を行うことができる。
画像処理装置10と画像処理装置20は同じ構成を有する装置である。画像処理装置30はプリント機能のみの画像処理装置であり、画像処理装置10や20が有するスキャナ部を有していない。以下では、説明を簡単にするために、画像処理装置10、20のうちの画像処理装置10に注目して、その構成を詳細に説明する。
画像処理装置10は、画像入力デバイスであるスキャナ部13、画像出力デバイスであるプリンタ部14、画像処理装置10全体の動作制御を司るコントローラ11、ユーザインタフェース(UI)である操作部12から構成される。コントローラ11は、LAN50を介して外部装置と通信する他、公衆回線を介して外部装置と通信することもできる。
<画像処理装置10(図2)>
図2は、図1に示した画像処理装置10の外観を示す図である。本例に示す画像処理装置10は、スキャナ部13は、原稿を載置するための原稿台と、原稿フィーダ201を有する。また、原稿フィーダ201は、裏側に原稿台に載置された原稿を原稿台に押圧するための押圧部を有する。
スキャナ部13は、原稿台に置かれた原稿を読み取るための複数のCCDを有している。この各CCDの感度がそれぞれ異なっていると、たとえ原稿上の各画素の濃度が同じであったとしても、各画素がそれぞれ違う濃度であると認識されてしまう。
そのため、スキャナ部13では、最初に押圧部を露光走査し、露光走査して得られた反射光の量を電気信号に変換してコントローラ11に出力している。なお、後述するように、コントローラ11内のシェーディング補正部500は、各CCDから得られた電気信号を元に、各CCDの感度の違いを認識している。
そして、この認識された感度の違いを利用して、原稿上の画像をスキャンして得られた電気信号の値を補正している。
さらに、シェーディング補正部500は、後述するコントローラ11内のCPU301からゲイン調整の情報を受取ると、当該情報に応じたゲイン調整を行う。ゲイン調整は、原稿を露光走査して得られた電気信号の値を、どのように輝度信号値に割り付けるかを調整するために用いられる。
このゲイン調整により、原稿を露光走査して得られた電気信号の値を高い輝度信号値に変換したり、低い輝度信号値に変換したりすることができるようになっている。続いて、この原稿上の画像をスキャンする構成について説明する。
スキャナ部13は、原稿上の画像を露光走査して得られた反射光をCCDに入力することで画像の情報を電気信号に変換する。さらに、電気信号をR,G,B各色からなる輝度信号に変換し、当該輝度信号を画像データとしてコントローラ11に対して出力する。
なお、原稿は原稿フィーダ201のトレイ202にセットされる。ユーザが操作部12から読み取り開始を指示すると、コントローラ11からスキャナ部13に原稿読み取り指示が与えられる。スキャナ部13は、この指示を受けると原稿フィーダ201のトレイ202に原稿があれば1枚ずつフィードして、原稿の読み取り動作を行う。
ただし、本実施形態においては、原稿の読み取り方法は原稿フィーダ201による自動送り方式ではなく、原稿を不図示のガラス面上に載置した後、露光部を主走査方向に往復動作させることで原稿の読み取りを行う方法を用いることが好ましい。
このため、以降特別な記載がない場合、原稿をガラス面上に載置した状態で読取処理を行うものとする。また、本実施形態が原稿フィーダ201による自動送り方式に適用できないわけではない。
プリンタ部14は、コントローラ11から受取った画像データを用紙上に形成する画像形成デバイスである。なお、本実施形態において画像形成方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式となっているが、本発明はこれに限られることはない。
例えば、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に印字するインクジェット方式などでも適用可能である。
また、プリンタ部14には、異なる用紙サイズ又は異なる用紙向きを選択可能とする複数の用紙カセット203、204、205が設けられている。排紙トレイ206には印字後の用紙が排出される。
<コントローラ11の詳細説明(図3)>
図3は、図1に示した画像処理装置10のコントローラ11の構成をより詳細に説明するためのブロック図である。
図3において、コントローラ11はスキャナ部13やプリンタ部14と電気的に接続されており、一方ではLAN50やWAN331を介してPC40や外部の装置などと接続されている。これにより画像データやデバイス情報の入出力が可能となっている。
CPU301は、ROM303に記憶された制御プログラム等に基づいて接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御すると共に、コントローラ11内部で行われる各種処理についても統括的に制御する。
RAM302は、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ画像データを一時記憶するためのメモリでもある。このRAM302は、SRAM及びDRAMにより構成されている。ROM303には装置のブートプログラムなどが格納されている。HDD304はハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データを格納することが可能となっている。HDD304は、スキャナ部13の押圧部の表面のランダムな凹凸パターン情報をあらかじめ記憶している。
操作部I/F305は、システムバス310と操作部12とを接続するためのインターフェース部である。この操作部I/F305は、操作部12に表示するための画像データをシステムバス310から受取り、操作部12に出力すると共に、操作部12から入力された情報をシステムバス310へと出力する。
NetworkI/F部306は、LAN50及びシステムバス310に接続し、情報の入出力を行う。Modem307はWAN331及びシステムバス310に接続しており、情報の入出力を行う。2値画像回転部308は送信前の画像データの方向を変換する。
2値画像圧縮・伸張部309は、送信前の画像データの解像度を所定の解像度や相手能力に合わせた解像度に変換する。なお、圧縮及び伸張にあたってはJBIG、MMR、MR、MHなどの方式が用いられる。画像バス330は画像データをやり取りするための伝送路であり、PCIバスなどで構成されている。
スキャナ画像処理部312は、スキャナ部13からスキャナI/F311を介して受取った画像データに対して、補正、加工、及び編集を行う。なお、スキャナ画像処理部312は、受取った画像データがカラー原稿か白黒原稿、文字原稿、写真原稿などを判定する。そして、その判定結果を画像データに付随させる。こうした付随情報を属性データと称する。このスキャナ画像処理部312で行われる処理の詳細については後述する。
圧縮部313は画像データを受取り、この画像データを32画素×32画素のブロック単位に分割する。なお、この32×32画素の画像データをタイルデータと称する。
図4は、図3に示した圧縮部313が処理するタイルデータを概念的に説明する図である。
図4に示す原稿(読み取り前の紙媒体)において、このタイルデータに対応する領域をタイル画像と称する。なおタイルデータには、その32×32画素のブロックにおける平均輝度情報やタイル画像の原稿上の座標位置がヘッダ情報として付加されている。
さらに圧縮部313は、複数のタイルデータからなる画像データを圧縮する。伸張部316は、複数のタイルデータからなる画像データを伸張した後にラスタ展開してプリンタ画像処理部315に送る。
プリンタ画像処理部315は、伸張部316から送られた画像データを受取り、この画像データに付随させられている属性データを参照しながら画像データに画像処理を施す。画像処理後の画像データは、プリンタI/F314を介してプリンタ部14に出力される。このプリンタ画像処理部315で行われる処理の詳細については後述する。
画像変換部317は、画像データに対して所定の変換処理を施す。この画像変換部317は以下に示すような処理部により構成される。
画像変換部317において、伸張部318は、受取った画像データを伸張する。圧縮部319は受取った画像データを圧縮する。回転部320は、受取った画像データを回転する。変倍部321は受取った画像データに対し解像度変換処理(例えば600dpiから200dpi)を行う。色空間変換部322は、受取った画像データの色空間を変換する。この色空間変換部322は、マトリクス又はテーブルを用いて公知の下地飛ばし処理を行ったり、公知のLOG変換処理(RGB→CMY)を行ったり、公知の出力色補正処理(CMY→CMYK)を行ったりすることができる。
2値多値変換部323は、受取った2階調の画像データを256階調の画像データに変換する。逆に、多値2値変換部324は、受取った256階調の画像データを誤差拡散処理などの手法により2階調の画像データに変換する。
合成部327は受取った2つの画像データを合成し1枚の画像データを生成する。なお、2つの画像データを合成する際には、合成対象の画素同士が持つ輝度値の平均値を合成輝度値とする方法や、輝度レベルで明るい方の画素の輝度値を合成後の画素の輝度値とする方法が適用される。
また、暗い方を合成後の画素とする方法の利用も可能である。さらに合成対象の画素同士の論理和演算、論理積演算、排他的論理和演算などで合成後の輝度値を決定する方法なども適用可能である。これらの合成方法はいずれも周知の手法である。間引き部326は受取った画像データの画素を間引くことで解像度変換を行い、1/2,1/4,1/8などの画像データを生成する。移動部325は受取った画像データに余白部分をつけたり余白部分を削除したりする。
RIP328は、PC40などから送信されたPDLコードデータを元に生成された中間データを受取り、ビットマップデータ(多値)を生成する。329は圧縮部で、ビットマップデータに対して圧縮処理を施す。
<スキャナ画像処理部312の詳細説明(図5)>
図5は、図3に示したスキャナ画像処理部312の内部構成を説明するブロック図である。なお、スキャナ画像処理部312は、スキャナ部13から出力されるRGB各8bitの輝度信号からなる画像データをスキャナI/F311を介して受取る。
図5において、シェーディング補正部500は、この輝度信号に対してシェーディング補正する。シェーディング補正とは、上述したように、CCDの感度のばらつきによって原稿の明るさが誤認識されてしまうことを防止するための処理である。さらに、上述したように、このシェーディング補正部500は、CPU301からの指示によりゲイン調整を行うことができるようになっている。504は入力ガンマ補正部である。
続いて、この輝度信号は、マスキング処理部501によりCCDのフィルタ色に依存しない標準的な輝度信号に変換される。
フィルタ処理部502は、受取った画像データの空間周波数を任意に補正する。この処理部は、受取った画像データに対して、例えば7×7のマトリクスを用いた演算処理を行う。ところで、複写機や複合機では、図7に示す操作部12に表示された画面上の704タブの押し下げによりコピーモードとして文字モードや写真モードや文字/写真モードを選択することができる。ここでユーザにより文字モードが選択された場合には、フィルタ処理部502は文字用のフィルタを画像データ全体にかける。
また、写真モードが選択された場合には、写真用のフィルタを画像データ全体にかける。また、文字/写真モードが選択された場合には、後述の文字写真判定信号(属性データの一部)に応じて画素ごとに適応的にフィルタを切り替える。つまり、画素ごとに写真用のフィルタをかけるか文字用のフィルタをかけるかが決定される。なお、写真用のフィルタには高周波成分のみ平滑化が行われるような係数が設定されている。これは、画像のざらつきを目立たせないためである。また、文字用のフィルタには強めのエッジ強調を行うような係数が設定されている。これは、文字のシャープさを出すためである。
ヒストグラム生成部503は、受取った画像データを構成する各画素の輝度データをサンプリングする。より詳細に説明すると、主走査方向、副走査方向にそれぞれ指定した開始点から終了点で囲まれた矩形領域内の輝度データを、主走査方向、副走査方向に一定のピッチでサンプリングする。
そして、サンプリング結果を元にヒストグラムデータを生成する。フィルタ処理部502から送られてきた画像データより生成されたヒストグラムデータは、下地飛ばし処理を行う際に下地レベルを推測するために用いられる。
カラーモノクロ判定部505は、受取った画像データを構成する各画素が有彩色であるか無彩色であるかを判定し、その判定結果をカラーモノクロ判定信号(属性データの一部)として画像データに付随させる。
文字写真判定部506は、画像データを構成する各画素が文字を構成する画素なのか、網点を構成する画素なのか、網点中の文字を構成する画素なのか、ベタ画像を構成する画素なのかを各画素の画素値と各画素の周辺画素の画素値とに基づいて判定する。なお、どれにもあてはまらない画素は、白領域を構成している画素である。そして、その判定結果を文字写真判定信号(属性データの一部)として画像データに付随させる。
紙指紋情報変換部507は、マスキング処理部501から入力されたRGBの画像データをグレイスケールの画像データおよびマスクデータへと変換する。なお、紙指紋情報変換処理については、図8を用いて後述する。原稿などの紙は、太さ20〜30ミクロン程度の植物の繊維が絡まってできており、紙指紋情報(パターン情報)とは、その絡まりによって作り出される凹凸パターンのことである。また、本実施形態では、スキャナ部13が有する押圧部も、独自の凹凸パターンを持ち、当該凹凸パターンも紙指紋情報と呼ぶ。
斜行量検出部508は、紙指紋情報変換部507から入力される紙指紋データと、予めHDD304などのメモリに記憶された、押圧部のランダムな凹凸パターン情報との紙指紋照合処理を行い、原稿斜行量を検出する。なお、紙指紋照合処理については図9を用いて説明する。また、原稿斜行量検出方法については、図10、図11、図12、図13、図14を用いて後述する。
紙指紋情報取得部509では、図15に示すように画像データの所望の位置から紙指紋情報を取得し、取得した紙指紋情報を斜行量補正部510へと送る。
斜行量補正部510では、斜行量検出部508にて検知した斜行量を用いて、原稿の画像の紙指紋情報の斜行を補正する。なお、ここで使用される斜行の補正方法は、「ニアレストネイバー法」、「バイリニア法」、「バイキュービック法」のいずれの補正方法を用いても構わない。また、斜行量補正部510にて補正した紙指紋情報は不図示のデータバスを用いてRAM302に送る。
<プリンタ画像処理部315の詳細説明(図6)>
図6は、図3に示したプリンタ画像処理部315における画像処理の流れを説明する図である。
図6において、下地飛ばし処理部601は、スキャナ画像処理部312で生成されたヒストグラムを用いて画像データの下地色を除去する。モノクロ生成部602はカラーデータをモノクロデータに変換する。
Log変換部603は輝度濃度変換を行う。このLog変換部603は、例えば、RGB入力された画像データを、CMYの画像データに変換する。出力色補正部604は出力色補正を行う。例えばCMY入力された画像データを、テーブルやマトリックスを用いてCMYKの画像データに変換する。
出力側ガンマ補正部605は、この出力側ガンマ補正部605に入力される信号値と、複写出力後の反射濃度値とが比例するように補正を行う。中間調補正部606は、出力するプリンタ部の階調数に合わせて中間調処理を行う。例えば、受取った高階調の画像データに対し2値化や32値化などを行う。
<操作画面の説明>
図7は、図3に示した操作部12に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。本例は、画像処理装置10における初期画面である。
図7において、表示部701は、画像処理装置10がコピーできる状態にあるか否かを表示し、かつ設定したコピー部数を表示する。原稿選択タブ704は、原稿のタイプを選択するためのタブであり、このタブが押し下げられると文字、写真、文字/写真モードの3種類の選択メニューをポップアップ表示される。
フィニッシングタブ706は、各種フィニッシングに関わる設定を行うためのタブである。両面設定タブ707は、両面読込み及び両面印刷に関する設定を行うためのタブである。読み取りモードタブ702は、原稿の読み取りモードを選択するためのタブである。このタブが押し下げられるとカラー/ブラック/自動(ACS)の3種類の選択メニューがポップアップ表示される。
なお、カラーが選択された場合にはカラーコピーが、ブラックが選択された場合にはモノクロコピーが行われる。また、ACSが選択された場合には、上述したモノクロカラー判定信号によりコピーモードが決定される。
708は紙指紋情報登録タブで、紙指紋情報登録処理を選択するためのタブである。紙指紋情報登録処理については、後述する。709は紙指紋情報照合タブで、紙指紋情報照合処理を選択するためのタブである。この紙指紋情報照合処理については、後述する。
710はシステム状況タブで、システムの状況を示すためのタブである。このシステム状況タブ710が押し下げられると、画像処理装置10内のHDD304に保存されている画像データの一覧が表示画面に表示されるようになっている。710は応用モードタブである。
<画像処理装置における紙指紋情報取得処理>
図8Aは、本実施形態を示す画像処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図5に示した紙指紋情報変換部507が行う紙指紋情報取得処理例である。なお、S801〜S803は紙指紋情報変換部507が実行する各ステップを示す。なお、S801〜S803は、紙指紋情報変換部507内の回路によって行われてもよいし、CPU301がROM303に記憶されたプログラムを実行することにより紙指紋情報変換部507に処理させるものであってもよい。
図8Bは、図5に示した紙指紋情報取得部509が取得する紙指紋情報取得位置を説明する模式図である。本例は、原稿が原稿台に斜行した状態で載置された状態を示す。
S801で、紙指紋情報変換部507において取得した画像データをグレイスケールの画像データに変換する。そして、S802では、S801においてグレイスケールの画像データへ変換された画像において、印刷や手書きの文字といった誤判定の要因となりうるものを取り除いて照合を行うためのマスクデータを作成する。
ここで、マスクデータは"0"or"1"の2値データである。グレイスケールの画像データにおいて、輝度信号値が第1の閾値(つまり、明るい)以上である画素については、マスクデータの値を"1"に設定する。
また、輝度信号値が第1の閾値未満である画素についてはマスクデータの値を"0"に設定する。以上の処理を、グレイスケールの画像データに含まれる各画素に対して行う。そして、S803では、S801においてグレイスケールに変換された画像データ及び、S802において作成されたマスクデータの2つのデータを紙指紋情報として取得する。
なお、一般的には、S801においてグレイスケールに変換された画像データ自体のことを紙指紋情報と称することもあるが、本実施形態では、上記二つのデータを紙指紋情報と称することにする。
原稿の原本性を保証するために用いられる紙指紋情報を取得するための位置を紙指紋情報取得位置と呼ぶ。その例を図8Bに示す。
<サーバへの紙指紋情報登録処理>
CPU301は、紙指紋情報取得部509によって取得し、RAM302に格納した所定領域の紙指紋情報を読出し、当該読出された紙指紋情報をサーバ106に登録しておくことができる。このように、紙指紋情報をサーバに登録しておき、後で、当該登録された紙指紋情報と、読み取られた原稿の紙指紋情報を比較して、一致するか否かを判定することによって原稿の原本性を保証することができる。この登録は、CPU301がRAM302内に格納されたプログラムを実行することによって行われる。
ここで、図9を用いて、図7に示す紙指紋情報登録タブ708がユーザにより押下された後にスタートキーが押下された際に、実行される紙指紋情報登録処理について説明する。
図9は、本実施形態を示す画像処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、紙指紋情報登録処理である、なおS1601〜S1607は各ステップを示し、各ステップは、CPU301がROM303に記憶された制御プログラムをRAM302にロードして実行することで実現される。
S1601では、CPU301は、スキャナ部13で読み取られた原稿を、画像データとしてスキャナI/F311を介してスキャナ画像処理部312に送るように制御する。次に、S1602では、図5に記載のスキャナ画像処理部312は、一般的なゲイン調整値よりも小さいゲイン調整値を、シェーディング補正部500に設定する。そして、画像データに対して、上記小さいゲイン調整値を適用することで得られた各輝度信号値を紙指紋情報変換部507に対して出力する。紙指紋情報変換部507は、図8に示すような方法で、前記画像データを紙指紋情報に変換する処理を行う。
そして、S1603では、例えば、S1602で得られた紙指紋情報と、HDD304に予め記憶された押圧部のランダムな凹凸パターンとを比較して、読み取られた原稿の画像の斜行量を検出する。なお、押圧部の表面のランダムな凹凸パターン(押圧部の紙指紋情報ともいう。)は、スキャナ部13によって予め読み取られて、HDD304に記憶されているものとする。押圧部の表面の凹凸パターンを読み取ってHDD304に記憶する処理は、工場出荷時に設定されていても良いし、ユーザが、任意のタイミングで読取指示を行って登録できるようにしてもよい。ユーザが、任意のタイミングで読取り指示を行って登録できるようにすることで、押圧部の表面の凹凸パターンの情報を更新することができ、更新されたパターン情報を原稿の斜行補正に用いることができ、斜行補正の精度が向上する。また、CPU301が、画像処理装置の起動時や、所定の時間ごとに、自動的に押圧部の表面の凹凸パターンを取得して登録するようにしてもよい。それによって、ユーザが指示をせずとも、HDD304に記憶された押圧部の表面パターン情報は更新される。
この際、CPU301から不図示のデータパスを用い、予めHDD304に記憶された押圧部の紙指紋情報を斜行量検出部508へ送る。本ステップでは、前述した押圧部の紙指紋情報と紙指紋情報変換部507から送られてきた紙指紋情報と照合処理を行い、照合の結果に基づいて原稿の斜行量と輪郭(エッジ)を検出する。斜行量の検出の仕方については、後で詳述する。
そして、S1604では、斜行量検出部508から送られる原稿の輪郭の情報および図8に示すような予め設定されている紙指紋抽出位置に基づいて、紙指紋データから矩形の紙指紋情報を抽出する。次に、S1605では、斜行量検出部508にて検出された斜行量を示すデータに基づき、斜行量補正部510にて、S1604で抽出された紙指紋データの斜行を補正する。その後、当該補正された紙指紋情報を不図示のデータバスを用いてRAM302に送る。なお、ここで得られる斜行量を示すデータは、原稿の画像の斜行を補正するために用いてもよい。その場合、斜行量を示すデータをRAM302に保持しておき、CPU301が、原稿のが像を当該斜行量を示すデータを用いて補正すればよい。紙指紋取得技術では、白色の原稿上の領域から繊維のパターンを取得する場合、暗めの画像データを得ることは必須である。そのため、本実施例では、スキャナ画像処理部312が一般的なゲイン調整値よりも小さいゲイン調整値を設定することで、紙指紋情報取得用の暗い画像データを得た。しかしながら、暗い画像データを得る方法としてはこれに限られない。例えば、光量を落としてスキャンするような方法も考えられる。
そして、S1606では、CPU301は、サーバ60に管理番号を発行するよう要求し、サーバ60によって発行された管理番号と紙指紋情報と紙指紋情報取得領域の情報とをそれぞれ関連付けてサーバ60に登録する。
なお、紙指紋情報取得領域の情報とは、どの部分の紙指紋情報を取得したかを示す位置座標情報のことであり、CPU301が紙指紋情報取得領域の位置座標値に基づいて決定する。サーバ60に登録した紙指紋情報は、後に、原稿の原本性を保証するために用いることができる。
次に、S1607では、サーバ60に登録された紙指紋情報に対応する管理番号を表示画面に表示するようにCPU301は制御して、本処理を終了する。
<紙指紋照合処理>
上述した方法で、原稿の紙指紋情報をサーバ60に登録しておけば、後に、スキャナで読み取った原稿の原本性を、当該原稿の紙指紋情報と、サーバ60に登録しておいた紙指紋情報とを比較することによって保証することができる。
例えば、後にスキャナ部13で読み取られた原稿が原本であれば、新たに読み取られた原稿の画像から抽出された紙指紋情報は、サーバ60に登録された紙指紋情報と一致する。
一方、後にスキャナ部13で読み取られた原稿が複写されたものであれば、新たに読み取られた原稿の画像から抽出された紙指紋情報が、サーバ60に登録された紙指紋情報と一致しない。そのため、新たに読み取られた原稿の画像から抽出された紙指紋情報が、サーバ60に登録された紙指紋情報と一致するか否かによって、新たに読み取られた原稿が原本か否かを確かめることができる。
CPU301は、斜行量補正部510からRAM302に送られてきた紙指紋情報を読出し、当該読出された紙指紋情報と、サーバ60に登録されている紙指紋情報とを比較することができる。
図10は、本実施形態を示す画像処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、紙指紋情報照合処理である、なおS901〜S903は各ステップを示し、各ステップは、CPU301がROM303に記憶された制御プログラムをRAM302にロードして実行することで実現される。
まず、S901では、サーバ60に、予め記憶されている紙指紋情報を取得し、RAM302に格納する。次に、S902では、斜行量補正部510から送られてきた(新たに読み取られた原稿の)紙指紋情報と、S901で、取出された(サーバに登録されていた)紙指紋情報との照合をする。照合にあたっては、まず、登録されていた紙指紋情報と取出された紙指紋情報とが夫々異なった位置から取得された可能性があることを懸念して、位置ずれ補正を行う。この位置ずれ補正は以下のような手法となっている。
<位置ずれ補正>
まず、数1を用いて2つの紙指紋情報の誤差値E(i,j)(2つの紙指紋情報の位置を(i,j)ずらしたときの)を(2n−1)×(2m−1)個求める。
Figure 2010239204
なお、数1において、αはS901で取出された(登録されていた)紙指紋情報中のマスクデータである。fはS901で取出された(登録されていた)紙指紋情報中のグレイスケール画像データである。αはS902で斜行量補正部510から送られてきた(今、取出されたばかりの)紙指紋情報中のマスクデータである。fはS902で斜行量補正部510から送られてきた(今、取出されたばかりの)紙指紋情報中のグレイスケール画像データである。
具体的な方法について図11〜図14を用いて説明する。
図11〜図14は、本実施形態を示す画像処理装置における画像処理例を説明する模式図である。図11は、それぞれ登録されている紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報のイメージ状態を表す。
図11において、それぞれイメージIM1、IM2は、横n画素、縦m画素から構成されているものとする。数1に示した関数において、i,jをそれぞれ−n+1〜n−1、−m+1〜m−1の範囲でそれぞれ1画素毎にずらし、登録されていた紙指紋情報と今回得られたばかりの紙指紋情報の誤差値E(i,j)を(2n−1)×(2m−1)個求める。即ち、E(−n+1,−m+1)〜E(n−1,m−1)を求める。
図12の(A)は、登録されている紙指紋情報の左上1画素に対して、今回得られた紙指紋情報の右下1画素だけ重なっているイメージ状態を表す。この状態において、数1の関数により求まる値をE(−n+1,−m+1)とする。図12の(B)は、図12の(A)よりも今回得られた紙指紋情報を右に1画素分だけ移動したイメージ図を表す。この状態において、数1の関数により求まる値をE(−n+2,−m+1)とする。同様に今回得られたばかりの紙指紋情報を移動させながら演算を行う。
図12の(C)では、今回得られたばかりの紙指紋情報を、登録されていた紙指紋情報と重なるところまで移動させており、これによりE(0,−(m−1))が求まる。さらに、図12の(D)では、今回得られた紙指紋情報を右端まで移動して、E(n−1,−m+1)を求める。このように、横方向にずらすと、E(i,j)のうちのiが1ずつ加算される。
同様に図13の(A)では、図12の(A)よりも、縦方向である下に1画素だけ今回得られた紙指紋情報を移動して、E(−n+1,−m+2)の値を求める。
さらに図13の(B)は、図13の(A)に対して、今回得られた紙指紋情報を右端まで移動してE(n−1,−m+2)の値を求める。
図14の(A)は、登録されている紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報が,同じ位置の場合を表し、このときのE(i,j)の値をE(0,0)とする。
同様に、それぞれの紙指紋情報が少なくとも1画素以上重なるように画像をずらしながら演算を行う。最後に図14の(B)のように、E(n−1,m−1)を求める。このようにして、(2n−1)×(2m−1)個の誤差値E(i,j)の集合を求める。ここで、この数1の意味を考えるために、i=0,j=0であり、かつ、α(x,y)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)であり、かつ、α(x−i,y−j)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)の場合を考えてみることにする。つまり、α(x,y)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)であり、かつ、α(x−i,y−j)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)の場合のE(0,0)を求めることにする。
なお、i=0,j=0とは、図14の(A)のように、登録されていた紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報が同じ位置であることを示す。
ここで、α(x,y)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)は、登録されていた紙指紋情報の全ての画素が明るいことを示す。言い換えると、登録されていた紙指紋情報が取得された際には、紙指紋取得領域上には一切トナーやインクなどの色材やゴミがのっていなかったことを示す。
また、α(x−i,y−j)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)は、今回取得した紙指紋情報の全ての画素が明るいことを示す。言い換えると、今取得されたばかりの紙指紋情報が取得された際には、紙指紋取得領域上には一切トナーやインクなどの色材やゴミがのっていなかったことを示す。
このように、α(x,y)=1とα(x−i,y−j)=1とが全ての画素において成り立つ時、数1は、数2と表されることになる。
Figure 2010239204
E(0,0)={f(x,y)−f(x,y)}
ここで、{f(x,y)−f(x,y)}は、登録されていた紙指紋情報中のグレイスケール画像データと、今取出されたばかりの紙指紋情報中のグレイスケール画像データとの差の二乗値を示す。
従って、数1は、二つの紙指紋情報同士の各画素における差の二乗を合計したものになる。つまり、f(x,y)とf(x,y)とが似ている画素が多ければ多いほど、このE(0,0)は、小さな値を取ることになる。
以上説明したのは、E(0,0)の求め方であるが、同じようにして他のE(i,j)を求めていく。ちなみに、f(x,y)とf(x,y)とが似ている画素が多ければ多いほどE(i,j)が小さな値を取ることから、
E(k,l)=min{E(i,j)}である場合、登録されていた紙指紋情報を取得した際の位置と、今取得されたばかりの紙指紋情報を取得した際の位置とは、互いにk,lずれていたことがわかる。
<αの意義>
数1の分子は、{f(x,y)−f(x−i,y−j)}に対してαとαとがかけられた結果を意味する(正確には、さらにΣ記号により合計値が求められている)。このαとαは、濃い色の画素は0、薄い色の画素は1を示す。
従って、αとαとのうちどちらか一方(又は両方)が0の場合には、αα{f(x,y)−f(x−i,y−j)}は0になることになる。
即ち、どちらか一方(または両方)の紙指紋情報において対象とする画素が濃い色であった場合には、その画素における濃度差は考慮しないことを示している。これは、ゴミや色材がのってしまった画素を無視するためである。
この処理により、Σ記号により合計する数が増減するため、総数α(x,y)α(x−i,y−j)で割ることで正規化を行う。なお、式の分母にあるα(x,y)α(x−i,y−j )が0になる誤差値E(i,j)は、後述の誤差値の集合(E(−(n−1),−(m−1))〜E(n−1,m−1))には含めないものとする。
<マッチング度合いの決定方法>
上述したように、E(k,l)=min{E(i,j)}である場合、登録されていた紙指紋情報を取得した際の位置と、新たに読み取られた原稿の紙指紋情報を取得した際の位置とは互いにk,lずれていたことがわかる。
続いて、二つの紙指紋情報がどれだけ似ているのかを示す値(この値を、マッチング度合いと称する)を、そのE(k,l)及び他のE(i,j)を使って求める。
まず、数1の関数により求まった誤差値の集合(例えば、E(0,0)=10*,E(0,1)=50,E(1,0)=50,E(1,1)=50)から平均値(40)を求める。…(A)
なお、*は、値とは関係がなく、一例として記載しただけである。
次に、平均値(40)から各誤差値(10*,50,50,50)を引いて、新たな集合(30*,−10,−10,−10)を求める。・・・・(B)
そして、この新たな集合から標準偏差(30×30+10×10+10×10+10×10=1200,1200/4=300,300=103=約17)を求める。なお、ここで表記される、Xは、sqrt(X)を意味する。
そして、上記新たな集合を17で割り、商を求める(1*,−1,−1,−1)。・・・・(C)
そして、求められた値のうちの最大値をマッチング度合い(1*)とする。なお、この1*という値は、E(0,0)=10*という値と対応した値である。E(0,0)というのは、今回の場合、E(0,0)=min{E(i,j)}を満たす値である。
<マッチング度合いの決定方法の概念的な説明>
上記マッチング度合いの決定方法を行う処理は、結局、複数の誤差値集合の中で最も小さな誤差値が、平均的な誤差値とどれだけ離れているかを計算する…(A及びB)。そして、その離れ具合を標準偏差で割ることでマッチング度合いを求める…(C)。最後にマッチング度合いを閾値と比較することで、照合結果を得る…(D)。
なお、標準偏差は、「各誤差値と平均値との差」の平均的な値を意味する。言い換えると、標準偏差は、集合の中で大体どれくらいのばらつきが全体的に生じているかを示す値である。このような全体的なばらつき値で上記離れ具合を割ることで、min{E(i,j)}が集合E(i,j)の中でどれだけ小さいか(突出して小さいか、ちょっと小さいか)がわかることになる。
そして、min{E(i,j)}が集合E(i,j)の中で非常に突出して小さい場合に有効と判断し、それ以外の場合に無効と判断する。…(D)
<min{E(i,j)}が集合E(i,j)の中で非常に突出して小さい場合のみ有効と判断する理由>
ここで、登録されていた紙指紋情報と、今取得されたばかりの紙指紋情報とが、同じ紙から取得されたと仮定する。すると、登録されていた紙指紋情報と、今取得されたばかりの紙指紋情報とが極めて一致する場所(ずれ位置)があるはずである。この時、このずれ位置では、登録されていた紙指紋情報と、今取得されたばかりの紙指紋情報とが極めて一致するため、E(i,j)は非常に小さくなるはずである。
一方、このずれ位置から少しでもずらすと、登録されていた紙指紋情報と今取得されたばかりの紙指紋情報には何ら関連性がなくなる。従って、E(i,j)は通常の大きな値になるはずである。そのため、「二つの紙指紋情報が同じ紙から取得された」という条件は、「最も小さなE(i,j)が集合E(i,j)の中で突出して小さい」という条件と一致する。以下、紙指紋情報照合処理に基づくS903以降の処理を説明する。
S903では、S902において求められた2つの紙指紋情報のマッチング度合いと所定の閾値との比較を行って、「有効」「無効」を決定する。なお、マッチング度合いのことを類似度と称することもある。また、マッチング度合いと所定の閾値との比較結果のことを、照合結果と称することもある。
<斜行量検出方法>
図15は、本実施形態を示す画像処理装置における斜行量算出処理を説明する図である。本例は、読み取られた原稿画像データの斜行量を算出する方法を示す図である。
図15において、原稿がガラス台に傾いた状態で置かれた場合に、原稿の1辺と読取センサとの角度α(斜行量)を算出するためには、原稿端部の点A(x1,y1)および点B(x2,y2)の検知が必要となる。そこで、まず原稿端部の検出方法について説明する。
図16は、本実施形態を示す画像処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、原稿端部の検出処理である、なおS1101〜S1104は各ステップを示し、各ステップは、図5に示した斜行量検出部508が実行することで実現される。
図17〜図19は、本実施形態を示す画像処理装置における原稿端部の検出処理を説明する図である。なお、図17は、照合部の一致面積とマッチング度合いの関係を示し、図18は、マッチング度合いの閾値を示し、図19は、斜行量検出領域を示す。
まず、S1101にて、斜行量検出部508は、読み取った原稿の表面のパターン情報に対応する画像データ領域の紙指紋情報と予めメモリに記憶された押圧部の表面の凹凸パターン情報を読み取った紙指紋情報とで照合処理を行う。
そして、S1102にて、斜行量検出部508は、S1101での照合結果であるマッチング度合いと所定の閾値との比較処理を行う。前述のS1101にて算出したマッチング度合いが所定の閾値より大きい、つまり照合が一致していると斜行量検出部508が判断した場合は、S1103で、小さければS1104に遷移する。
S1102で照合が一致していると斜行量検出部508が判断した場合、その領域には原稿がないと判断し、S1103へ進み、斜行量検出部508は、副走査方向(図15に示す右方向)に1dot進み、再度S1101に遷移する。照合ステップとしてのS1102にて、異なる領域があれば、この領域において、原稿部の存在を検出したこととなる。ここで、マッチング度合いと照合領域における一致する面積の割合に関しては、図17に示すように面積に対し比例関係にある。
つまり、図18に示すように、前述のマッチング度合いの閾値を一致面積が50%になる場合に、あらゆる原稿エッジの直線が必ず原稿中心を通ることとなる。これにより、はじめにマッチング度合いが閾値以下となった領域の中心付近が原稿の端部の点を示すこととなる(S1104)。
このように押圧部の凹凸パターンとの照合処理を用いることで、原稿端部を通る点を算出ことができる。図19に示すように、照合処理をLine1、2の2箇所(x1およびx2)で行うことにより、原稿端部の点A(x1,y1)および点B(x2,y2)を検出することが可能である。この原稿端部の点Aおよび点Bにより、原稿斜行量αは以下の式からCPU301が算出することができる。
tanα=ABS(y1−y2)/ABS(x1−x2)
以上のようにして、CPU301は、紙指紋情報を用いて原稿の斜行量を算出することができる。
なお、予め決めておく照合位置2点(x1およびx2)の距離および照合時の副走査方向への移動幅により算出可能な原稿の斜行量の精度が決定される。
<紙指紋情報照合処理が指示された際の動作>
続いて、図7に示した紙指紋情報照合タブ709がユーザにより押下され、その後、管理番号が入力された後にスタートキーが押下された際の動作について図20を用いて説明する。
図20は、本実施形態を示す画像処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、紙指紋情報照合処理例である。なお、S1701〜S1704は各ステップを示し、各ステップは、CPU301がROM303に記憶された制御プログラムをRAM302にロードして実行することで実現される。
S1701では、CPU301は、スキャナ部13で読み取られた原稿を、画像データとしてスキャナI/F311を介してスキャナ画像処理部312に送るように制御する。次に、S1702では、スキャナ画像処理部312は、前述した紙指紋情報登録時と同様に、読み取られた画像データに対して図5に示す処理を行い、新たな画像データと共に属性データを生成する。また、この属性データを画像データに付随させる。さらに、S1702で、CPU301は、入力された管理番号を元に紙指紋情報取得位置を決定する。そして、CPU301は、上記決定された紙指紋情報取得位置と斜行量を示すデータに基づいて、斜行が補正された紙指紋情報を取得する。そして、当該取得された紙指紋情報を不図示のデータバスを用いてRAM302に送る。
さらに、S1702では、CPU301は、入力された管理番号と関連付けられた状態でサーバ60に登録されている紙指紋情報を取得する。そして、当該取得された情報はシステムバス310を用いてNetworkI/F部306からRAM302に送られる。
次に、S1703では、CPU301は、サーバ60に登録されていた紙指紋情報と、斜行量補正部510から出力されてRAM302に保存されている紙指紋情報とを照合する。この照合処理については、図10に示した紙指紋情報照合処理と同じである。サーバ60に登録されている紙指紋情報も、RAM302に保存されている紙指紋情報も、斜行が補正されたものであるため、照合処理の精度を向上させることができる。
そして、S1704では、CPU301は、紙指紋情報照合処理により得られた結果を操作部12の表示画面上に表示するように制御して、本処理を終了する。
なお、S1704では、例えばスキャナ部13によって読み取られた原稿から抽出された紙指紋情報が、サーバ60に登録された紙指紋情報と一致するCPU301が判断した場合、CPU301は、次のように制御する。例えば、CPU301は、表示画面上に、スキャンされた原稿が原本であることを示す情報を表示する。
また、スキャナ部13によって読み取られた原稿から抽出された紙指紋情報が、サーバ60に登録された紙指紋情報と一致しないとCPU301が判断した場合、CPU301は、表示画面上に、スキャンされた原稿が原本ではないことを示す情報を表示する。
このように、スキャナ部13で読み取られる原稿の紙指紋情報を用いることによって、押圧部の色に関わらず、原稿の画像の斜行を補正することができる。また、原稿が傾いた状態で原稿台に置かれた場合であっても、原稿の紙指紋情報の斜行を補正し、斜行補正された紙指紋情報を用いて、スキャナ部13で読み取られた原稿が原本であるか否かをユーザに通知することができる。
なお、上述した実施形態では、スキャナ部13の押圧部の表面の凹凸パターンを紙指紋情報と呼んで説明したが、押圧部は紙でなくてもよいことは言うまでもない。例えば、紙以外の部材であっても、表面の凹凸を検出して、原稿の紙指紋情報と比較できるものであればよい。また、原稿の表面の凹凸パターンについても、原稿は紙でなくても、凹凸パターンが検知できるものであれば、本発明を適用することができる。
上述の実施形態では、原稿の一部の矩形領域の紙指紋情報をサーバ60に登録した後、原本を保証するために取得して用いる例について説明した。原稿全体の紙指紋情報をサーバ60に登録した後、取得して用いるようにしてもよいし、原稿の複数の矩形領域の紙指紋情報をサーバ60に登録した後、取得して用いるようにしてもよい。また、領域は必ずしも矩形でなくてもよく、円形など、画像処理装置が特定できる領域であればよい。
また、原本を保証するために登録した、矩形の紙指紋情報は、サーバ60に登録する以外に、画像処理装置内のメモリや、画像処理装置に接続された携帯可能な記憶媒体に記憶するようにしてもよい。
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をCPU等の処理装置にて実行することでも実現できる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
507 紙指紋情報変換部
508 斜行量検出部
509 紙指紋情報取得部
510 斜行量補正部

Claims (10)

  1. 原稿台に置かれた原稿を押圧する押圧部を備える画像処理装置であって、
    前記原稿と前記押圧部の表面のパターン情報を読み取る読取手段と、
    前記読取手段によって読み取られた前記押圧部の表面のパターン情報を記憶する記憶手段と、
    前記読取手段によって読み取られた前記原稿の画像の表面のパターン情報を、前記記憶手段に記憶された前記押圧部の表面のパターン情報と比較する比較手段と、
    前記読取手段によって読み取られた原稿の表面のパターン情報と、前記押圧部の表面のパターン情報との比較結果に基づいて、前記原稿の斜行量を検出する検出手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記検出手段によって検出された斜行量に基づいて、原稿の表面のパターン情報を補正する補正手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記補正手段によって斜行が補正されたパターン情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記原稿のパターン情報を外部装置に登録する登録手段とを、さらに有することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記原稿の画像の表面のパターン情報を外部装置から受信する受信手段をさらに有し、
    前記受信手段によって受信したパターン情報と、前記補正手段によって斜行が補正された原稿の表面のパターン情報とを照合する照合手段と、
    前記照合手段による照合結果に基づいて、前記原稿が原本であるか否かをユーザに通知する通知手段とをさらに有することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 原稿台に置かれた原稿を押圧する押圧部を備える画像処理装置における画像処理方法であって、
    前記原稿と前記押圧部の表面のパターン情報を読み取る読取ステップと、
    前記読取ステップによって読み取られた前記押圧部の表面のパターン情報を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
    前記読取ステップによって読み取られた前記原稿の画像の表面のパターン情報を、前記記憶手段に記憶された前記押圧部の表面のパターン情報と比較する比較ステップと、
    前記読取ステップによって読み取られた原稿の表面のパターン情報と、前記押圧部の表面のパターン情報との比較結果に基づいて、前記原稿の斜行量を検出する検出ステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
  6. 前記検出ステップによって検出された斜行量に基づいて、原稿の表面のパターン情報を補正する補正ステップをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
  7. 前記補正ステップによって斜行が補正されたパターン情報を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップによって取得された前記原稿のパターン情報を外部装置に登録する登録ステップとを、さらに有することを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
  8. 前記原稿の画像の表面のパターン情報を外部装置から受信する受信ステップをさらに有し、
    前記受信ステップによって受信したパターン情報と、前記補正ステップによって斜行が補正された原稿の表面のパターン情報とを照合する照合ステップと、
    前記照合ステップによる照合結果に基づいて、前記原稿が原本であるか否かをユーザに通知する通知ステップとをさらに有することを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  10. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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