JP2010237468A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】補給トナーのロット変更に伴うトナー特性変動によるトナー濃度検知手段の検知誤差を抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置CMは、トナー濃度検知センサ140を有する2成分現像方式の現像装置4と、この現像装置4にトナーを補給する、トナー特性情報の入出力が可能な前述の記憶手段145を有するトナー補給機構150とを備え、画像形成装置には、トナー濃度検知センサ140に与える入力制御電圧を変更可能なセンサ制御手段151と、現像装置4の通紙枚数を取得すると、入力画像面積率データを取得する画像面積率取得手段153と、データを読み込むデータ処理装置(本体制御装置)154と、を備え、それぞれの手段からの情報に基づいて、トナー濃度検知センサ140の入力制御電圧を変更するように構成している。
【選択図】図20

Description

本発明は、トナーと磁性キャリアを含む2成分の現像剤を用いて現像する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
従来から、トナーと磁性キャリアを含む2成分の現像剤を用いた現像装置を備える画像形成装置が広く用いられている。この種の画像形成装置として、現像に伴ってトナーを消費する現像装置内の現像剤に対して、必要に応じてトナー収容器からトナーを補給することで、現像剤のトナー濃度を所定範囲内に維持するものがある。
例えば、現像剤中におけるトナーとキャリアとの比率(例えば重量比)を示すトナー濃度が高すぎると、形成した画像中に地肌汚れが発生したり、細部解像力の低下が生じたりする。一方、トナー濃度が低くなると、ベタ画像部の濃度が低下したり、潜像担持体へのキャリア付着が発生したりする。そのため、現像装置内における現像剤中のトナー濃度を検知してトナー補給動作を制御し、現像剤中のトナー濃度が常に適正範囲内となるようにトナー濃度制御を行うことが重要である。
トナー濃度を検知する方法としては、一般に、現像装置内の所定の検出領域内に存在する2成分現像剤中のトナーの量又は磁性キャリアの量を検知する方法が用いられる。この方法の代表的な例としては、透磁率センサ(検出手段)を用いたものが挙げられる。透磁率センサは、その検出領域内に存在する現像剤中の磁性キャリアの磁気特性を電気信号(周波数、電圧等)としてとらえて出力するものである。
透磁率センサの出力値は、実用的トナー濃度範囲内では、検出領域内に存在する磁性キャリアの量の増加に応じて単調減少するので、この出力値に基づいて現像剤中のトナー濃度を検知することができる。しかし、現像剤の透磁率は、トナー濃度以外の要因によっても変化することが知られている。
例えば、現像剤の帯電量が変化すれば、トナー濃度が同じでも現像剤中のキャリア同士の静電気的反発力が変化するので、現像剤の嵩密度が変化する。帯電量が上昇すれば、電気的に同極性のキャリア同士の反発力が増すために、現像剤の嵩密度が低下する。
嵩密度が低下すると、現像剤の透磁率は低くなり、透磁率検知方式によるトナー濃度検知センサの出力値は低くなる。すなわち、嵩密度が低下すると、透磁率検知方式にてはトナー濃度が高いとする出力値となる。
一般に現像剤の嵩密度は、現像剤耐久や使用環境、攪拌停止時間等によってある傾向を持って変化するために、トナー濃度検知センサの出力値は、これら、現像剤耐久や使用環境、攪拌停止時間等により変化する。
このような透磁率検知方式によるトナー濃度検知センサのトナー濃度検知精度の向上、並びに安定化のための様々な技術が、従来から提案されている(例えば、特許文献1乃至4参照)。
特許文献1には、現像器の使用開始からの累積駆動時間を取得する駆動時間取得部と、絶対湿度を取得する絶対湿度取得部と、記憶部とを備える技術が開示されている。記憶部は、複数の絶対湿度について、前記累積駆動時間と、センサに与える入力制御電圧との関係をそれぞれ記憶し、初期設定では、センサが所定電圧を実際に示す初期入力制御電圧と、記憶部の関係において初期設定時の絶対湿度での入力制御電圧との差分値から、補正量ΔVを求める。そして画像形成時には、記憶部で記憶された関係に補正量ΔVを適用した上で、その時点での累積駆動時間と絶対湿度から求めた入力制御電圧をトナー濃度センサに付与する。
特許文献2には、透磁率検知方式のトナー濃度センサと、このトナー濃度センサに与える入力制御電圧を変更可能な制御部と、現像器の使用開始からの累積駆動時間を取得する駆動時間取得部と、絶対湿度を取得する絶対湿度取得部と、記憶部とを備える技術が開示されている。
記憶部は、複数の絶対湿度(2.0、6.0、16.0g/m3)について、前記累積駆動時間と、前記トナー濃度センサに与える前記入力制御電圧との関係をそれぞれ記憶する。そして温度センサ及び湿度センサにより得られた絶対湿度が5.0g/m3だった場合、2.0g/m3、6.0g/m3それぞれの関係での累積駆動時間に対する入力制御電圧を取得し、その2つの入力制御電圧の間を絶対湿度の差の比で内分する電圧(線形補間)を入力制御電圧とする。
特許文献3には、透磁率検知方式のトナー濃度センサに与える入力制御電圧を制御するともに、このセンサの出力電圧と所定の基準電圧Vstdとを比較し、この比較結果に基づいてトナー補給のための供給スクリュを制御する制御部を備え、この制御部は、現像剤のトナーの目標濃度を所定量以上に変更する時は、入力制御電圧を変更する技術が開示されている。
一方、目標濃度の変更量が所定量を下回った時は、入力制御電圧を変更せずに前記基準電圧Vstdを変更するという制御方式によりトナー濃度検知誤差の低減を試みている。
特許文献4には、未使用の2成分現像剤でトナー濃度一定の条件下にてトナー濃度センサの外部入力電圧を変化させてトナー濃度センサで2成分現像剤のトナー濃度を検出し、トナー濃度センサから適正なトナー濃度検出信号が得られるように外部入力電圧を調整するモードを有し、外部入力電圧の変化量に対するトナー濃度センサの出力変化量を利用して、2成分現像剤が未使用の現像剤から大きくトナー濃度が変化した場合に外部入力電圧を変更し、トナー濃度センサの出力を補正するトナー濃度センサ出力補正手段を備える技術が開示されている。
しかしながら、上述した透磁率検知方式によるトナー濃度検知センサのトナー濃度検知精度の向上、並びに安定化のために存在する様々な技術においていずれもトナーの入れ換えの際に生じるトナー製造ロットバラツキによるトナー特性値の変化、それに伴うトナー濃度検知センサへの影響は考慮されていない。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、トナー濃度検知手段を備えた現像手段へのトナーの入れ換え時に、セットされたトナーの特性値データに基づきトナー濃度検知手段に供給する制御電圧を可変として各トナーに適した制御電圧を供給することによって、補給トナーのロット変更に伴うトナー特性変動によるトナー濃度検知手段の検知誤差を抑制できる画像形成装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、2成分現像方式の現像装置と、該現像装置にトナーを補給するトナー補給機構を備え、前記現像装置は透磁率検知方式により2成分現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知センサを有し、前記トナー補給機構は、トナー容器を収容するトナー容器収容体を有し、前記トナー濃度検知センサに与える入力制御電圧を変更可能なセンサ制御手段と、前記現像装置の通紙枚数を取得する通紙枚数取得手段と、入力画像面積率データを取得する画像面積率取得手段と、を備える画像形成装置において、前記トナー容器は、該トナー容器内に含まれるトナー特性情報の書き込み読み出しが可能な記憶手段を有し、画像形成装置本体に、前記記憶手段に対してデータを記憶させるデータ処理装置を有し、前記トナー容器の保有するデータが更新された際に、前記トナー特性情報と、前記通紙枚数情報と、前記画像面積率の情報とに基づいて、前記トナー濃度検知センサの入力制御電圧を変更する画像形成装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記トナー特性情報とは、トナーの体積平均粒径情報である請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記トナー特性情報とは、トナーの形状係数情報である請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記トナー特性情報とは、トナーの円形度情報である請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記トナー特性情報とは、トナーの凝集度情報である請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記記憶手段は、IDチップである請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、トナー入れ替え時のトナー特性の変化に伴うトナー濃度検知誤差を防止し、高精度のトナー濃度制御が可能な画像形成装置を提供することができる。さらに、適正な画像濃度が安定して得られる画像形成装置を提供することができる。
本実施の形態に係る複写機の全体構成を示す概略図である。 4つのプロセスカートリッジのうちの1つが備える現像装置、及び感光体を示す拡大構成図である。 現像剤搬送路内の現像剤の流れを説明する現像装置の斜視図である。 現像装置内の現像剤の流れを説明する模式図である。 現像装置の供給スクリュの回転中心における断面を図3中の矢印J方向から見た断面説明図である。 図4とは異なる構成の現像装置内の現像剤の流れを説明する模式図である。 現像装置の外観斜視図である。 現像装置の供給搬送路の搬送方向下流端近傍を示す拡大模式図である。 現像装置から攪拌スクリュ、回収スクリュ、及びドクタブレードを取り外した状態の手前側端部近傍を示す斜視図である。 現像装置について図9の状態からさらに供給スクリュを取り外した状態の手前側近傍を図9とは異なる方向から見た斜視図である。 現像装置について図10の状態からさらに現像ローラを取り外した状態を示す斜視図である。 現像装置について図11と同じ状態の現像装置を図3と略同じ方向から見た場合の斜視図である。 図2と同じ方向から見た供給搬送路の搬送方向下流端近傍の現像装置を示す断面図である。 図5と同じ方向から見た供給搬送路の搬送方向下流端近傍の現像装置を示す側方断面図である。 図2と同じ方向から見た供給搬送路の搬送方向下流端近傍の現像装置を示す断面図である。 図5と同じ方向から見た供給搬送路の搬送方向下流端近傍の現像装置を示す側方断面図である。 図2と同じ方向から見た供給搬送路の搬送方向下流端近傍の現像装置を示す断面図である。 現像装置にトナーを補給するトナー補給機構を示す斜視図である。 図18のトナー補給機構のトナー容器を示す斜視図である。 本発明の制御系を概略するブロック回路図である。 形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 トナー濃度とトナー濃度検知センサ出力電圧との関係をグラフで示す図である。 トナー濃度検知センサの制御電圧とトナー濃度検知センサの出力の関係をグラフで示す図である。 通紙枚数とトナー濃度検知誤差の推移をグラフで示す図である。 トナー濃度検知誤差の推移の評価結果を表として示す図である。 トナー濃度検知誤差の推移の評価結果を表として示す図である。 トナー濃度検知誤差の推移の評価結果を表として示す図である。 トナー濃度検知誤差の推移の評価結果を表として示す図である。 トナー体積平均粒径5μmトナーに対応した制御テーブルを示す図である。 トナー濃度検知誤差の推移の評価結果をグラフで示す図である。
以下、図面を参照して、本発明をタンデム型のカラー画像形成装置に適用した実施の形態について説明する。この画像形成装置として、複数の感光体が並行配設されたタンデム型のカラーレーザ複写機(以下、単に「複写機CM」という)の一実施形態について説明する。
図1は本実施の形態に係る複写機の全体構成を示す概略図である。この複写機CMはプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置400なども備えている。
プリンタ部100はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kからなる画像形成ユニット20を備えている。各符号の数字の後に付されたY、M、C、Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の部材であることを示している(以下同様)。
プロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kの他には、光書き込みユニット21、中間転写ユニット17、2次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などが記載されている。
光書き込みユニット21は、図示してない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザ光を照射する。プロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kは、ドラム状の感光体1、帯電器、現像装置4、ドラムクリーニング装置、除電器などを有している。
以下、イエロー用のプロセスカートリッジ18Yについて説明する。帯電手段である帯電器によって感光体1Yの表面が一様帯電される。帯電処理が施された感光体1Yの表面には、光書き込みユニット21によって変調及び偏向されたレーザ光が照射される。
これにより照射部(露光部)の感光体1Yの表面の電位が減衰する。この表面の電位の減衰により、感光体1Y表面にイエロー用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段である現像装置4Yによって現像されてトナー像となる。イエロー用の感光体1Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト110に1次転写される。1次転写後の感光体1Yの表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。
イエロー用のプロセスカートリッジ18Yにおいて、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体1Yは除電器によって除電される。そして、帯電器によって一様帯電せしめられて初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ18Yについても同様である。
次に、中間転写ユニットについて説明する。中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110、ベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、2次転写バックアップローラ16、4つの1次転写バイアスローラ62Y、62M、62C、62Kなども有している。
中間転写ベルト110は、張架ローラ14を含む複数のローラによってテンション張架されている。そして、図示してないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動させられる。
4つの1次転写バイアスローラ62Y、62M、62C、62Kはそれぞれ中間転写ベルト110の内周面側に接触するように配設され、図示してない電源から1次転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト110をその内周面側から感光体1Y、1M、1C、1Kに向けて押圧してそれぞれ1次転写ニップを形成する。各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、例えば、感光体1Yとこれに対向する1次転写バイアスローラ62Yとの間に1次転写電界が形成される。
感光体1Y上に形成された上述のYトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト110上に1次転写される。このYトナー像の上には、感光体1M、1C、1K上に形成されたM、C、Kトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト110上には多重トナー像である4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の2次転写ニップで図示してない記録媒体である転写紙に2次転写される。2次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟みこむベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。
次に、2次転写装置22について説明する。中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している2次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は少なくともいずれか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動させられる。
2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方のローラは、中間転写ユニット17の2次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト110及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト110と、2次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する2次転写ニップが形成されている。
そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の2次転写バイアスが図示してない電源によって印加される。この2次転写バイアスにより、2次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト110上の4色のトナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。
後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の4色のトナー像に同期するように2次転写ニップに送り込まれた転写紙には、この2次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色のトナー像が2次転写される。なお、このように一方の張架ローラ23に2次転写バイアスを印加する2次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
複写機CMの本体の下部に設けられた給紙装置200には、内部に複数の転写紙を紙束の状態で複数枚重ねて収容可能な給紙カセット44が、鉛直方向に複数重なるように配置されている。それぞれの給紙カセット44は、紙束の一番上の転写紙に給紙ローラ42を押し当てている。そして、給紙ローラ42を回転させることにより、一番上の転写紙が給紙路46に向けて送り出される。
給紙カセット44から送り出された転写紙を受け入れる給紙路46は、複数の搬送ローラ対47と、給紙路46内の末端付近に設けられたレジストローラ対49とを有している。そして、転写紙をレジストローラ対49に向けて搬送する。レジストローラ対49に向けて搬送された転写紙はレジストローラ対49のローラ間に挟まれる。
一方、中間転写ユニット17において、中間転写ベルト110上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って2次転写ニップに進入する。レジストローラ対49はローラ間に挟み込んだ転写紙を2次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。
これにより、2次転写ニップでは、中間転写ベルト110上の4色トナー像が転写紙に密着する。そして、転写紙上に2次転写されて白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は紙搬送ベルト24の無端移動に伴って2次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト24上から定着装置25に送られる。
定着装置25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら無端移動させ得るベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており紙搬送ベルト24から受け取った転写紙をここに挟み込む。
ベルトユニットにおける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される一方のローラは、内部に図示してない熱源を有しており、この熱源の発熱によって定着ベルト26を加熱する。加熱された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が転写紙に定着させられる。
定着装置25内で定着処理された転写紙は、複写機CM本体の図中左側板の外側に設けたスタック部57上にスタックされるか、もう一方の面にもトナー像を形成するために上述の2次転写ニップに戻されるかする。
図示してない原稿のコピーがとられる際には、例えば、シート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上にセットされる。ただし、その原稿が本状に綴じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。
このようにして原稿がセットされた後、図示してないコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読み取り動作がスタートする。ただし、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読み取り動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。
原稿読み取り動作では、まず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射させられ、結像レンズ35を通過した後、読み取りセンサ36に入射させられる。読み取りセンサ36は入射光に基づいて画像情報を構築する。
このような原稿読み取り動作と並行して、各プロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18K内の各機器や、中間転写ユニット17、2次転写装置22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読み取りセンサ36によって構築された画像情報に基づいて、光書き込みユニット21が駆動制御されて、各感光体1Y、1M、1C、1K上にY、M、C、Kトナー像が形成される。これらのトナー像は、中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
また、原稿読み取り動作の開始とほぼ同様に、給紙装置200内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つが選択回転させられ、ペーパーバンク43内に多段に収容される給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。
送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて反転給紙路46に侵入した後、搬送ローラ対47によって2次転写ニップに向けて搬送される。このような給紙カセット44からの給紙に代えて、詳述はしないが手差しトレイ51から給紙が行われる場合がある。
複写機CMは、2色以上のトナーからなる多色画像を形成する場合には、中間転写ベルト110をその上部張架面がほぼ水平になる姿勢で張架して、上部張架面にすべての感光体1Y、1M、1C、1Kを接触させる。これに対し、Kトナーのみからなるモノクロ画像を形成する場合には、図示してない機構により、中間転写ベルト110を図中左下に傾けるような姿勢にして、その上部張架面を感光体1Y、1M、1Cから離間させる。
そして、4つの感光体1Y、1M、1C、1Kのうち、感光体1Kだけを図中反時計回りに回転させて、Kトナー像だけを作像する。この際、Y、M、Cについては、感光体1だけでなく、現像装置4も駆動を停止させて、感光体1や現像装置4の各部材及び現像装置4内の現像剤の不要な消耗を防止する。
複写機CMは、この複写機CM内の各機器の制御を司るCPU等から構成される図示してない制御部と、液晶ディスプレイや各種キーボタン等から構成される図示してない表示部と、を備えている。操作者は、この操作表示部に対するキー入力操作により、制御部に対して命令を送ることで、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードについて、3つのモードの中から1つを選択することができる。この3つの片面プリントモードとは、ダイレクト排出モード、反転排出モード、及び反転でカール排出モードである。
図2は4つのプロセスカートリッジのうちの1つが備える現像装置、及び感光体を示す拡大構成図である。4つのプロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kは、それぞれ扱うトナーの色が異なる点以外はほぼ同様の構成になっているので、図2では、現像装置4及び感光体1に付すY、M、C、Kという添え字を省略している。
図2に示すように、感光体1は図中矢印G方向に回転しながら、その表面を図示してない帯電手段により帯電される。帯電された感光体1の表面は、図示してない露光装置から照射されたレーザ光により形成された静電潜像に現像装置4からトナーを供給され、トナー像を形成する。
現像装置4は、図中矢印I方向に表面移動しながら感光体1の表面の静電潜像にトナーを供給し、現像する現像剤担持体である現像ローラ5を有している。この現像ローラ5は回転可能な現像スリーブを備え、その内部に複数の磁極からなる図示してない磁性体が配置されている。この磁性体は現像ローラ5の表面上で現像剤を保持するために必要である。
また、現像ローラ5に現像剤を供給しながら、現像ローラ5の軸線方向に沿って図2の奥方向に現像剤を搬送する供給搬送部材である供給スクリュ8を有している。現像ローラ5の供給スクリュ8との対向部から表面移動方向下流側には、現像ローラ5に供給された現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制手段であるドクタブレード12を備えている。
現像ローラ5の感光体1との対向部である現像領域よりも表面移動方向下流側では、現像領域を通過し、現像ローラ5の表面から離脱した現像済みの現像剤を回収する回収搬送路7が現像ローラ5と対向する。
回収搬送路7は、回収した回収現像剤を現像ローラ5の軸線方向に沿って供給スクリュ8と同方向に搬送する回収搬送部材である、軸方向に平行に配置されたらせん状の回収スクリュ6を備えている。供給スクリュ8を備えた供給搬送路9は現像ローラ5の横方向に、そして回収スクリュ6を備えた回収搬送路7は現像ローラ5の下方に並設されている。
なお、現像ローラ5からの現像剤の離脱は、先に述べた現像スリーブ内部にある磁性体を、離脱させたい個所のみ磁極がない状態に設定することにより、現像剤の分離・離脱を可能としている。また、離脱させたい個所に反発磁界が形成されるような磁極配置の磁性体を用いてもよい。
現像装置4は、供給搬送路9の下方で回収搬送路7に並列して攪拌搬送路10を設けている。攪拌搬送路10は、現像ローラ5の軸線方向に沿って現像剤を攪拌しながら供給スクリュ8とは逆方向である図中手前側に搬送する攪拌搬送部材である、軸線方向に平行に配置された、らせん状の攪拌スクリュ11を備えている。
供給搬送路9と攪拌搬送路10とは仕切り壁としての第1仕切り壁133によって仕切られている。第1仕切り壁133の供給搬送路9と攪拌搬送路10とを仕切る個所は、図中手前側と奥側との両端が開口部となっており、供給搬送路9と攪拌搬送路10とが連通している。
なお、供給搬送路9と回収搬送路7とも第1仕切り壁133によって仕切られているが、第1仕切り壁133の供給搬送路9と回収搬送路7とを仕切る個所には開口部を設けていない。
また、攪拌搬送路10と回収搬送路7との2つの現像剤搬送路は仕切り部材としての第2仕切り壁134によって仕切られている。この第2仕切り壁134は、図中手前側が開口部となっており、攪拌搬送路10と回収搬送路7とが連通している。
現像剤搬送部材である供給スクリュ8、回収スクリュ6及び攪拌スクリュ11は樹脂もしくは金属のスクリュからなっており、各スクリュの径はすべてφ22(mm)で、スクリュピッチは供給スクリュ8が50(mm)の2条巻き、回収スクリュ6及び攪拌スクリュ11が25(mm)の1条巻き、回転数はすべて約600(rpm)に設定している。
現像ローラ5上にステンレスからなるドクタブレード12によって薄層化された現像剤を感光体1との対向部である現像領域まで搬送し現像を行う。現像ローラ5の表面はV溝あるいはサンドブラスト処理されており、φ25(mm)のAl(アルミ)もしくはSUS(ステンレス鋼)素管からなり、ドクタブレード12及び感光体1とのギャップは0.3(mm)程度となっている。
現像後の現像剤は回収搬送路7にて回収を行い、図2中の断面手前側に搬送され、非画像領域部に設けられた第1仕切り壁133の開口部で、攪拌搬送路10へ現像剤が移送される。なお、攪拌搬送路10における現像剤搬送方向上流側の第1仕切り壁133の開口部の付近で攪拌搬送路10の上側に設けられた、後述するトナー補給口95から攪拌搬送路10にトナーが搬送される。
図3は現像剤搬送路内の現像剤の流れを説明する現像装置の斜視図である。図4は現像装置内の現像剤の流れを説明する模式図である。次に、3つの現像剤搬送路内での現像剤の循環について説明する。図3及び図4において、各矢印は現像剤の移動方向を示している。
攪拌搬送路10から現像剤の供給を受けた供給搬送路9では、現像ローラ5に現像剤を供給しながら、供給スクリュ8の搬送方向下流側に現像剤を搬送する。そして、現像ローラ5に供給され、現像に用いられず供給搬送路9の搬送方向下流端まで搬送された余剰現像剤は第1仕切り壁133の余剰開口部92から攪拌搬送路10に供給される(図4中の矢印E)。
一方、現像ローラ5に供給された現像剤は、現像領域で現像に用いられた後、現像ローラ5から分離・離脱して回収搬送路7に受け渡される。現像ローラ5から回収搬送路7に受け渡され、回収スクリュ6によって回収搬送路7の搬送方向下流端まで搬送された回収現像剤は第2仕切り壁134の回収開口部93から攪拌搬送路10に供給される(図4中の矢印F)。
そして、攪拌搬送路10は、供給された余剰現像剤と回収現像剤とを攪拌し、攪拌スクリュ11の搬送方向下流側であり、供給スクリュ8の搬送方向上流側に搬送し、第1仕切り壁133の供給開口部91から供給搬送路9に供給される(図4中の矢印D)。
攪拌搬送路10では、攪拌スクリュ11によって、回収現像剤、余剰現像剤及び移送部で必要に応じて補給されるトナーを、回収搬送路7及び供給搬送路9の現像剤と逆方向に攪拌搬送する。そして、搬送方向下流側で供給開口部91によって連通している供給搬送路9の搬送方向上流側に攪拌された現像剤を移送する。
なお、攪拌搬送路10の下方には、後述する透磁率センサからなるトナー濃度検知センサが設けられ、このトナー濃度検知センサは被検知対象である現像剤の透磁率に基づく特性、すなわち、キャリアの密度を検知することで現像剤中のトナー濃度を測定している。センサ出力により後述するトナー補給制御装置を作動し、後述するトナー収容部からトナー補給を行っている。
図4に示す現像装置4では、供給搬送路9と回収搬送路7とを備え、現像剤の供給と回収とを異なる現像剤搬送路で行うので、現像済みの現像剤が供給搬送路9に混入することがない。このため、供給搬送路9の搬送方向下流側ほど現像ローラ5に供給される現像剤のトナー濃度が低下することを防止することができる。また、回収搬送路7と攪拌搬送路10とを備え、現像剤の回収と攪拌とを異なる現像剤搬送路で行うので、現像済みの現像剤が攪拌の途中に落ちることがない。
これにより、十分に攪拌がなされた現像剤が供給搬送路9に供給されるため、供給搬送路9に供給される現像剤が攪拌不足となることを防止することができる。このように、供給搬送路9内の現像剤のトナー濃度が低下することを防止し、供給搬送路9内の現像剤が攪拌不足となることを防止することができるので現像時の画像濃度を一定にすることができる。
なお、図4に示すように、現像装置4の下部から上部への現像剤の移動は矢印Dのみである。矢印Dで示す現像剤の移動は、攪拌スクリュ11の回転で攪拌搬送路10の下流側に現像剤を押し込むことによって、現像剤を盛り上がらせて供給搬送路9に現像剤を搬送するものである。このような現像剤の移動は、現像剤に対してストレスを与えることになり、現像剤の寿命低下の一因となる。
このような現像剤を下方から上方に持ち上げる際に、現像剤にストレスがかかり現像剤中のキャリアの膜の削れ又はトナーのスペント化がその個所で発生し、それに伴い画像品質の安定性が保たれなくなってしまう。
よって、矢印Dで示す現像剤の移動における現像剤のストレスを軽減することで現像剤の長寿命化を図ることができる。現像剤の長寿命化を図ることにより、現像剤の劣化を防止して常に画像濃度ムラの無い画像品質の安定した現像装置を提供することができる。
本実施の形態の現像装置4では、図2に示すように、供給搬送路9を攪拌搬送路10の斜め上方になるように配置している。斜め上方に配置することにより、供給搬送路9を攪拌搬送路10の垂直上方に設けて現像剤を持ち上げるものに比べて、矢印Dで示す現像剤の移動における現像剤のストレスを軽減することができる。
さらに、現像装置4では、供給搬送路9と攪拌搬送路10とを斜めに配置することで、図2に示すように、攪拌搬送路10の上部壁面が供給搬送路9の下部壁面よりも高い位置となるように配置している。
供給搬送路9を攪拌搬送路10に対して垂直上方に持ち上げることは、重力に逆らって現像剤を攪拌スクリュ11の圧力によって持ち上げるので現像剤にストレスがかかる。一方、攪拌搬送路10の上部壁面が供給搬送路9の下部壁面よりも高い位置となるように配置することで、攪拌搬送路10の最高点に存在する現像剤が供給搬送路9の最下点に重力に逆らわず流れ込むことができるので、現像剤にかかるストレスを低減することができる。
なお、攪拌搬送路10の現像剤搬送路下流側の、攪拌搬送路10と供給搬送路9とが連通している部分の攪拌スクリュ11の軸にフィン部材を設けてもよい。このフィン部材は攪拌スクリュ11の軸方向に平行な辺と、攪拌スクリュ11の軸方向に直交する辺とから構成される板状の部材である。このフィン部材で現像剤を掻き上げることにより、攪拌搬送路10から供給搬送路9へ、より効率的な現像剤の受け渡しを行うことができる。
また、現像装置4では、現像ローラ5と供給スクリュ8との中心間距離Aが、現像ローラ5と攪拌スクリュ11との中心間距離Bよりも短くなるように、供給スクリュ8と攪拌スクリュ11とを配置している。これにより供給搬送路9から現像ローラ5に現像剤を無理なく供給することができ、装置の小型化を図ることもできる。
また、攪拌スクリュ11は、図2中の手前側から見て反時計回り方向(図中矢印C方向)に回転しており、現像剤は攪拌スクリュ11の形状に沿って現像剤を持ち上げて供給搬送路9に移送させている。これにより、現像剤を効率良く持ち上げることが可能にとなり現像剤にかかるストレスもより低減することができる。
図5は現像装置の供給スクリュの回転中心における断面を図3中の矢印J方向から見た断面説明図である。図中Hは、現像剤担持体である現像ローラ5が潜像担持体である感光体1にトナーを供給する現像領域を示している。この現像領域Hの現像ローラ5の回転軸の軸線方向の幅が現像領域幅αである。
図5に示すように、現像装置4は攪拌搬送路10から供給搬送路9に現像剤を持ち上げる箇所である供給開口部91と、供給搬送路9から攪拌搬送路10に現像剤を落下させる余剰開口部92がともに現像領域幅α内に設けられている。
図6は図4とは異なる構成の現像装置内の現像剤の流れを説明する模式図である。図6に示す現像装置4は、供給開口部91と余剰開口部92とを現像領域幅αの外側に設けている。供給開口部91を現像領域幅αの外側に設けているため、供給搬送路9の搬送方向上流側は現像ローラ5よりも供給搬送路9の上流側領域β分長くなっている。また、余剰開口部92を現像領域幅αの外側に設けているため、供給搬送路9の搬送方向下流側は現像ローラ5よりも供給搬送路9の下流側領域γ分長くなっている。
一方、図4に示す構成の現像装置4では、供給開口部91を現像領域幅α内に設けているため、給搬送路9の搬送方向上流側は、図6の現像装置4よりも供給搬送路9の搬送方向上流側領域β分短くすることができる。また、余剰開口部92を現像領域幅α内に設けているため、供給搬送路9の搬送方向下流側は図6の現像装置4よりも供給搬送路9の下流側領域γ分短くすることができる。
このように、図4の現像装置4は供給開口部91と余剰開口部92とを現像領域幅α内に設けているため、図6に示す現像装置4に比べて、現像装置4の上部の省スペース化を図ることができる。
図7は現像装置の外観斜視図である。次に、上述した現像装置4の供給搬送路9、攪拌搬送路10及び回収搬送路7からなる現像剤搬送路へのトナーを補給する位置について説明する。図7に示すように、トナーを補給するトナー補給口95を、攪拌スクリュ11を備える攪拌搬送路10の搬送方向上流端部の上方に設けている。このトナー補給口95は現像ローラ5の幅方向端部よりも外側に設けてあるので、現像領域幅αよりも外側となっている。
このトナー補給口95を設けた個所は供給搬送路9の搬送方向の延長線上であり、図6における供給搬送路9の下流側領域γの空いたスペースに該当する。余剰開口部92を現像領域幅α内に設けることで空いたスペースにトナー補給口95を設けることにより、現像装置4の小型化を図ることができる。また、トナー補給口95としては、攪拌搬送路10の搬送方向上流部の上方に限らず、回収搬送路7の下流端部の上方に設けても良い。
さらに、回収搬送路7から攪拌搬送路10へ現像剤の受け渡しを行う個所である回収開口部93の真上にトナー補給口95を設けるようにしても良い。回収開口部93の真上のスペースも余剰開口部92を現像領域幅α内に設けることで空いたスペースであるので、この位置にトナー補給口95を設けることにより、現像装置4の小型化を図ることができる。さらに、受け渡し部である回収開口部93では現像剤が混ざり易いため、この位置で補給を行うことによってより効率良く現像剤の攪拌を行うことができる。
図4を用いて説明した現像装置4のように、攪拌搬送路10の搬送方向下流端から供給搬送路9の搬送方向上流端に現像剤を受け渡す供給開口部91と、供給搬送路9の下流端から攪拌搬送路10の搬送方向上流端に現像剤を受け渡す余剰開口部92とを現像領域幅α内に設けているため、従来の現像装置に比べて、現像装置4の上部の省スペース化を図ることができ、現像装置4全体の省スペース化を図ることができる。
また、余剰開口部92を現像領域幅α内に設けることで空いたスペースにトナー補給口95を設けることにより、現像装置4の小型化を図ることができる。さらに、回収搬送路7から攪拌搬送路10への現像剤受け渡し部である回収開口部93の上方からトナー補給を行うことにより効率良く現像剤の攪拌を行うことができる。また、画像形成装置としての複写機CMのプリンタ部100の現像手段として現像装置4を備えることにより、装置全体の省スペース化を図ることができる。
トナー補給口95へは、トナー補給手段であるトナー補給制御装置によって、トナー収容体内のトナーが補給される。なお、本発明では、トナー収容体内にトナーとキャリアを混合した現像剤を収容し、トナー補給量に応じてキャリアを補給するための補給用現像剤を収容する、現像剤収容体を兼ねることができる。
現像剤収容体内のキャリアは現像装置内の現像剤に用いられるキャリアと同じことが好ましい。これにより補給用現像剤が供給されても、現像装置中の現像剤が初期剤の特性を維持し易く、画質の変化を抑制できる。
補給用現像剤中のキャリア濃度としては、1質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がとくに好ましい。1質量%より少ない場合には、現像剤劣化の抑制効果が現われにくく、30質量%を超える場合には現像剤の排出量が多すぎてコストアップにつながる。
トナー収容体が現像剤収容体を兼ねない場合には、図示してないキャリア補給制御装置によって、図示してないキャリア収容体内のキャリアがトナー補給口から現像装置内に補給される。
本実施の形態の現像装置4では、供給搬送路9の搬送方向下流端に到達した余剰現像剤を供給搬送路9の搬送方向下流端に搬送する循環搬送路は攪拌搬送路10である。また、循環搬送路である攪拌搬送路10内の現像剤に対して搬送力を付与する循環搬送部材は攪拌スクリュ11である。さらに、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に設けられ、通過した現像剤が循環搬送路である攪拌搬送路10に受け渡される循環開口部は余剰開口部92である。
また、現像装置4は、通過した現像剤が現像装置4の装置外に排出される現像剤排出口94を供給搬送路9に備える。現像剤排出口94を通過した現像剤は排出搬送路2に受け渡され、排出搬送部材である排出スクリュ2a(図2)が回転することによって現像装置4の装置外に搬送され、現像装置4からの排出がなされる。排出搬送路2は、供給搬送路9の搬送方向下流側で排出仕切り壁135を挟んで供給搬送路9と隣り合うように設けられ、現像剤排出口94は供給搬送路9と排出搬送路2とを連通するように排出仕切り壁135に設けられた開口である。
図8は現像装置の供給搬送路の搬送方向下流端近傍を示す拡大模式図である。図8に示すように、第2の実施の形態の現像装置4は、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達し、循環開口部である余剰開口部92に入らなかった現像剤を、現像剤排出口94の近傍である余剰開口部92の近傍で滞留させる現像剤滞留手段としての供給下流端壁面80を備えている。さらに、現像剤排出口94は、余剰開口部92よりも上方で、かつ、供給下流端壁面80によって滞留した滞留現像剤のうち、現像剤排出口94の位置に達した現像剤を通過させるように設けている。
言い換えると、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達した現像剤Pのうち、余剰開口部92に入ることができず、余剰開口部92から溢れ出た余剰現像剤が供給下流端壁面80によって塞ぎ止められ、滞留現像剤Tとなる。そして、この滞留現像剤Tの嵩が増加した時に、余剰開口部92よりも上方に設けられた現像剤排出口94に到達した現像剤が、矢印Kで示すように現像剤排出口94を通って現像装置4の装置外に排出される。
滞留現像剤Tの量は、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達する現像剤量(図中の矢印L)と余剰開口部92を通過する現像剤量(図中の矢印E)とのバランスによって増減する。現像装置4を駆動している状態では循環に要する量の現像剤Pが常に余剰開口部92を介して供給搬送路9から攪拌搬送路10へ受け渡されている。
そして、余剰開口部92を介して供給搬送路9から攪拌搬送路10へ受け渡される現像剤量(図中の矢印E)よりも供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達する現像剤量(図中の矢印L)の方が多い状態では滞留現像剤Tの量は増加し、逆の状態では滞留現像剤Tの量は減少する。
また、滞留現像剤Tが存在している状態では、循環に要する現像剤の必要量は余剰開口部92を介して攪拌搬送路10に常に受け渡される状態であるため、攪拌搬送路10に向かう現像剤量が不足することはない。すなわち、滞留現像剤Tが存在している状態では、攪拌搬送路10に必要量の現像剤が向かうことで攪拌搬送路10から攪拌搬送路9へも必要量の現像剤が供給されるため、現像装置4内の現像剤量が必要量を維持している状態である。
また、現像装置4の外に排出される現像剤は滞留現像剤Tのうち現像剤排出口94の位置に達した現像剤であるので、滞留現像剤Tが現像剤排出口94の位置に達しない程度の量になると、現像装置4の外に現像剤が排出されなくなる。この時、現像装置4の外に現像剤が排出されない状態で滞留現像剤Tが存在しているため、現像装置4内の現像剤量が必要量を維持した状態となる。
そして、この現像装置4であれば、現像装置4内の現像剤量が増加していない状態で、供給搬送路9内を搬送される現像剤Pが波打ち、部分的に現像剤の嵩が高くなる現象が生じても、現像剤が排出され続けることを防止することができる。詳しくは、滞留現像剤Tが少量でも増加すると現像剤排出口94の位置に達する状態で、現像剤の嵩が高くなった部分が供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達すると、余剰開口部92を通過する現像剤量を超越した分の現像剤は現像剤排出口94から排出される。
しかし、現像剤の嵩が低くなった部分が供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達した時に滞留現像剤Tの量が減少し、滞留現像剤Tが現像剤排出口94の位置に達しない程度の嵩となる。その後、現像剤の嵩が高くなった部分や低くなった部分が供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達しても、滞留現像剤Tの量(嵩)が増減するだけで、現像剤が排出されなくなる。
また、滞留現像剤Tが少量でも増加すると現像剤排出口94の位置に達する状態でなければ、現像剤の嵩が高くなった部分や低くなった部分が供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達しても、滞留現像剤Tの量(嵩)が増減するだけで、現像剤が排出されない。
このように、現像剤が排出され続けるのを防止することができるので、現像装置4内の現像剤量が増加していない状態で、供給搬送路9内を搬送される現像剤Pが波打ち、部分的に現像剤の嵩が高くなる現象が生じても、現像装置4内の現像剤Pの必要量を維持することができる。
このように、現像装置4内の現像剤Pの必要量を確保することができるので、感光体1に安定した現像剤の供給を行うことができる。これにより、感光体1上の静電潜像を良好にトナー像化することができ、画像抜けなどの異常画像の発生を防止し、良好な画像形成を行うことができる。
なお、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍とは、例えば、供給搬送路9から攪拌搬送路10へと現像剤が受け渡される現像剤受け渡し部と供給搬送路9の搬送方向で同位置となる個所である。言い換えると、供給スクリュ8による搬送力が終了するところであり、供給下流端壁面80によって現像剤が塞ぎ止められる部分のことである。ここに現像剤排出口94を設けることにより、供給スクリュ8によって搬送された後、供給下流端壁面80によって受け止められ、最終的に滞留した現像剤のうち現像剤排出口94の高さまで到達したものを排出することが可能になる。
図9は現像装置から攪拌スクリュ、回収スクリュ、及びドクタブレードを取り外した状態の手前側端部近傍を示す斜視図である。図10は現像装置について図9の状態からさらに供給スクリュを取り外した状態の手前側近傍を図9とは異なる方向から見た斜視図である。図11は現像装置について図10の状態からさらに現像ローラを取り外した状態を示す斜視図である。図12は現像装置について図11と同じ状態の現像装置を図3と略同じ方向から見た場合の斜視図である。
図9乃至図12を参照して説明すると、供給スクリュ8の回転方向は、図2で言うところの右回り(矢印Mの方向)であって、現像ローラ5に対して現像剤を下方から持ち上げて供給する方向に回転している。ここで、供給スクリュ8の回転方向を左回りにし、現像剤を上から振り掛けるようにして現像ローラ5に現像剤を供給すると、現像剤が飛び散りながら現像ローラ5に供給される。
一方、供給スクリュ8の回転方向を図2に示すように右回りにすると、現像剤が溜まっている供給搬送路9の下方から現像剤を持ち上げるようにして現像ローラ5に現像剤が供給されるようになる。現像剤が飛び散りながら供給するよりも、下方から持ち上げるようにして供給する方が現像剤の供給性が安定するため、現像装置4では供給スクリュ8の回転方向を図2で言うところの右回りに設定している。
とくに、本実施の形態の現像装置4のように、現像ローラ5に供給した現像剤を供給搬送路9へ戻さず、回収搬送路7へ回収するものでは、現像剤量は供給搬送路9の下流に行くにしたがって減少していく。このため、現像剤が溜まっている下方から汲み上げて現像ローラ5に供給するものの方が現像剤の供給性の面では優れている。
ここで、供給搬送路9内では、搬送されることで供給搬送路9内を移動する勢いや、現像剤搬送スクリュである供給スクリュ8の回転する力によって供給搬送路9内の現像剤は飛び跳ねる。そして、現像剤搬送路のうちの供給搬送路9の所定の高さに現像剤排出口94を設けただけの構成であると、飛び跳ねた現像剤が飛翔して現像剤排出口94を通過して排出されることがある。
現像剤が飛び跳ねて排出される場合、供給搬送路9内の現像剤排出口94を設けた位置を搬送される現像剤が適正の量の状態や、適正な量を下回る状態であっても、飛び跳ねた現像剤が排出されるおそれがある。このように飛び跳ねた現像剤が排出される状態であると、現像装置4内の現像剤が適正な量以下の状態であるにも拘わらず現像剤排出口94から現像剤が排出されることがあり、現像装置4内の現像剤量が必要量を下回り、感光体1への現像剤の供給が不安定になるおそれがある。そして、感光体1への現像剤の供給が不安定になると画像抜けなどの異常画像が発生する。
なお、本実施の形態のように現像剤排出口94の金方で現像剤を滞留させることにより、現像剤排出口94近傍で現像剤が飛び跳ねることを防止することができる。しかし、現像剤排出口94近傍の現像剤が飛び跳ねることを防止しても、現像剤排出口94から離れた個所の現像剤が飛び跳ねて、現像剤排出口94から排出されるおそれがある。
このような不具合を防止するために、現像装置4は、現像剤搬送スクリュである供給スクリュ8が現像剤を搬送するために回転することによって飛翔した現像剤が現像剤排出口94に向かう経路を塞ぐ卑小現像剤排出防止部材として、ブロック部材3を備えている。ブロック部材3を備え、供給スクリュ8の搬送動作によって飛翔した現像剤が現像剤排出口94へ向かう経路を塞ぐため、飛び跳ねた現像剤が排出されることを防止し、現像装置4内の現像剤量が増加しているにも拘わらず現像剤が排出されることを防止することができる。
このため、現像装置4内の現像剤の必要量を確保することができ、感光体1に安定した現像剤の供給を行うことができる。これにより、感光体1上の静電潜像を良好にトナー像化することができ、画像抜けなどの異常画像の発生を防止し、良好な画像形成を行うことができる。
ブロック部材3は、その底面が供給搬送路9の上部に供給スクリュ8の形状に沿ったR形状の樹脂製の部材である。供給スクリュ8の形状に沿ったR形状であることにより、供給スクリュ8全体を覆うようにブロック部材3の底面を全体的に供給スクリュ8に近接することが可能になる。このため、現像剤の跳ね上げを起こす供給スクリュ8の上方を覆い、供給スクリュ8によって跳ね上げられた現像剤が飛翔して現像剤排出口94に到達することを防止することができる。
また、図12に示すように、供給搬送路9の現像剤排出口94周辺でブロック部材3が突出した形状となっているため、ブロック部材3に対して供給スクリュ8の搬送方向上流側の供給搬送路9よりも、ブロック部材3を設けた個所の供給搬送路9が狭くなっている。このため、ブロック部材3を設けた位置の方が供給搬送路9の容量に対する現像剤量が多くなる。
そのため、現像剤に対して搬送力の付与が無くなる供給搬送路9の搬送方向下流端部近傍で、ブロック部材3の側壁と、排出仕切り壁135との間に現像剤がせり上がる状態となる。これにより、供給スクリュ8が現像剤に埋まるような状態となり、供給スクリュ8の回転による現像剤の跳ね上げが抑えられるとともに、供給スクリュ8の羽部の上部分が現像剤面から出ている時に発生する供給スクリュ8の跳ね上げによる現像剤面の変化が現像剤排出口94付近では緩和される。このため、現像装置4内の現像剤の増減に対して感度の良い排出が可能となる。
このようなブロック部材3を備えることで、現像剤の供給により現像装置4内の現像剤量が増加し、供給搬送路9内の現像剤の嵩が上昇した場合、増加した分に相当する現像剤が現像剤排出口94から溢れ出す構成となっている。
図13は図2と同じ方向から見た供給搬送路の搬送方向下流端近傍の現像装置を示す断面図である。図14は図5と同じ方向から見た供給搬送路の搬送方向下流端近傍の現像装置を示す側方断面図である。
図13及び図14には、現像装置4内の現像剤量が少ない状態、すなわち、滞留現像剤が現像剤排出口94の位置に達しない程度の量の状態の現像装置4の現像剤の流れを示している。図中、Pは現像剤を示している。
図13及び図14に示すように、現像装置4内の現像剤量が少ない場合は供給搬送路9から循環搬送路である攪拌搬送路10への現像剤の供給がスムーズに行われる。その結果、供給搬送路9と攪拌搬送路10との境界である第1仕切り壁133に設けられた余剰開口部92で現像剤Pが溢れて滞留現像剤の嵩が増加することがない。このため、現像装置4外へ現像剤Pを排出する現像剤排出口94へ現像剤はほとんど導かれず、現像剤量が少ない状態で現像剤が排出されることを防止することができる。
図15は図2と同じ方向から見た供給搬送路の搬送方向下流端近傍の現像装置を示す断面図である。図16は図5と同じ方向から見た供給搬送路の搬送方向下流端近傍の現像装置を示す側方断面図である。図15及び図16は、現像装置4内の現像剤量が多い状態、すなわち、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の滞留現像剤の嵩が現像剤排出口94の位置に到達した状態の現像装置4の現像剤Pの流れを示している。
図15及び図16に示すように、現像装置4内の現像剤量が多い場合は、供給搬送路9から攪拌搬送路10へ現像剤Pが移動する余剰開口部92の近傍で現像剤Pが滞留する。その結果、供給搬送路9の搬送方向最下流部の現像剤Pは行き場がなくなり、滞留現像剤は上方向に嵩が上昇して行く。そして、現像剤排出口94の高さまで嵩が上昇すると、現像剤Pが現像剤排出口94を通過して排出搬送路2へと排出され、排出搬送路2内の排出スクリュ2aによって現像装置4外部に排出されることになる。
現像装置4は、供給搬送路9の搬送方向最下流部の滞留現像剤の嵩が現像剤排出口94の高さを越えた場合に、現像剤排出口94の高さまで到達した現像剤を排出するものであるので、現像剤排出口94からの現像剤の排出によって供給搬送路9を搬送する現像剤が不足することを防止することができる。
これにより、供給搬送路9から現像ローラ5への必要量の現像剤を供給することができ、現像ローラ5から感光体1に安定した現像剤の供給を行うことができる。このため、感光体1上の静電潜像を良好にトナー像化することができ、画像抜けなどの異常画像の発生を防止し、良好な画像形成を行うことができる。
図14では、現像装置4内の現像剤が少ない状態について説明したが、現像装置4内の現像剤が排出されず、現像剤量が安定した状態では、供給搬送路9の搬送方向最下流端近傍に現像剤が滞留した状態となっている。以下、この状態の詳細について説明する。
現像装置4は、供給搬送路9の搬送方向最下流端近傍で滞留する滞留現像剤の嵩が所定の高さ(現像剤排出口94の高さ)を越えた場合にその一部を排出する構成である。すなわち、現像剤排出口94及び排出搬送路2は、供給搬送路9の搬送方向最下流端近傍の滞留現像剤の嵩が、現像剤排出口94の高さまで到達した現像剤を排出するものである。
よって、供給搬送路9の搬送方向最下流端近傍に、現像剤排出口94の高さに到達しない程度の嵩で滞留現像剤が存在する状態で現像装置4内の現像剤量が安定した状態となる。これは、供給搬送路9を搬送されるその搬送方向最下流端に到達する現像剤量と、供給搬送路9、余剰開口部62を通って攪拌搬送路10に受け渡される現像剤量との均衡により、供給搬送路9の搬送方向最下流端近傍に現像剤排出口94で排出される高さに到達しない程度の嵩で現像剤が滞留している状態である。
この状態からトナー補給制御装置によってプレミックストナーが供給されて現像装置4内の現像剤量が増加すると、供給搬送路9から攪拌搬送路10に受け渡される現像剤量(図4中の矢印E)よりも、供給搬送路9を搬送され、その搬送方向最下流端に到達する現像剤量(図4中の矢印L)の方が多くなる。
この時、供給搬送路9の搬送方向最下流端近傍に滞留する現像剤の量が増加し、その嵩が上昇する。これにより、滞留する現像剤の嵩が現像剤排出口94に到達した場合に、その嵩が現像剤排出口94の位置よりも低くなるように滞留する現像剤の一部として、現像剤排出口94に到達した現像剤を排出する。
なお、滞留する現像剤は飛び跳ねにくく、現像装置4内の現像剤量の増減に合わせて現像剤の嵩が変化する。そして、滞留現像剤の嵩が所定の高さ(現像剤排出口94)を越えた時に現像剤を排出することにより、現像装置4内の現像剤量が増加した時に増加量分の現像剤が排出されるため、現像装置4内の現像剤量を制度良く一定の範囲内に維持することができる。
これにより、供給搬送路9を搬送される現像剤量が安定するため、供給搬送路9を搬送する現像剤が不足ことを防止することができ、供給搬送路9から現像ローラ5へ必要量の現像剤を供給することがでる。このため、現像ローラ5から感光体1に安定した現像剤の供給を行うことができ、感光体1上の静電潜像を良好にトナー像化することができるため、画像抜けなどの異常画像の発生を防止し、良好な画像形成を行うことができる。
また、現像装置4内の現像剤量の変化によって現像剤の嵩が変化する個所である供給搬送路9の搬送方向下流端近傍で溢れた現像剤を、排出仕切り壁135に設けた現像剤排出口94によって現像剤を排出する構成であるため、簡単な構成で精度良く現像装置4内の現像剤を入れ換えることができる。
さらに、供給搬送路9と攪拌搬送路10とが供給循環仕切り壁である第1仕切り壁133を挟んで、上下で隣り合うように設けられ、供給搬送路9の搬送方向下流端に到達した現像剤は、供給搬送路9と攪拌搬送路10とを連通するように設けられた開口である余剰開口部92を通って、攪拌搬送路10へ移動する構成である。
そして、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の滞留現像剤の嵩は、供給スクリュ8によってその下流端まで時間当たり搬送される現像剤量と、余剰開口部92を時間当たりに通過する現像剤量との差によって変化する。供給スクリュ8によって搬送される現像剤量又は余剰開口部92を時間当たりに通過する現像剤量は、現像装置4内の現像剤量の変化によって変わり、現像装置4内の現像剤量が増加すると供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の現像剤の嵩が上昇するため、簡単な構成で精度良く現像装置4内の現像剤を入れ換えることができる。
現像装置4の排出開口部である現像剤排出口94と循環開口部である余剰開口部92とは、供給搬送路9の現像剤搬送方向における位置の少なくとも一部が重複する。本実施の形態の現像装置4では、図4、図14及び図16に示すように、現像剤排出口94と余剰開口部92とが、供給搬送路9の現像剤搬送方向について同じ位置にある。このような構成により、余剰開口部92の近傍で現像剤を滞留させることで、供給搬送路9から攪拌搬送路10に受け渡す現像剤量と、現像装置4の外に排出する現像剤量のバランスをとることが容易となる。
また、現像剤排出口94は余剰開口部92よりも上方に設けられているため、現像装置4内の現像剤量が適性量である状態では、供給搬送路9の搬送方向下流端に到達した現像剤は、下方にある余剰開口部92のみを通過し、攪拌搬送路10に移動して現像装置4内を循環する。そして、現像装置4内の現像剤量が増加し、搬送方向下流端の滞留現像剤の嵩が上方にある現像剤排出口94の高さまで到達すると、その高さを越える現像剤が現像剤排出口94を通過して、現像装置4の外部に排出される。
この構成では、現像剤排出口94を余剰開口部92よりも上方に配置するという簡易な構成で、攪拌搬送路10に供給すべき現像剤量が攪拌搬送路10に供給されない状態で現像剤が現像装置4の外に排出されることを防止しつつ、現像装置4内の現像剤量が所定量を超えた場合は、装置の外に排出することができる。これにより、余剰開口部92を介して現像剤を循環させつつ、現像剤排出口94で増加した分の現像剤を精度良く排出して現像剤を入れ換える構成を実現することができる。
また、供給搬送路9、攪拌搬送路10及び回収搬送路7を備える一方向循環の現像装置4では、供給搬送路9の搬送方向下流端に到達する現像剤は現像に寄与しなかった余剰現像剤である。一方向循環の現像装置4では、この余剰現像剤が滞留する位置で、プレミックストナーの補給によって増加した現像剤を排出することが適している。これは、以下の理由による。
回収搬送路7は、現像ローラ5に担持された現像領域を通過した現像剤を搬送するため、現像装置4内の現像剤量が変化しても回収搬送路7内に搬送される現像剤はほとんど変化せず、現像剤の嵩の上昇によって現像剤を排出することができない。
攪拌搬送路10は、現像装置4内の現像剤量が増加すると、搬送する現像剤量が増加してその嵩も上昇する。しかし、搬送される現像剤の飛び跳ねや搬送量のムラによって、現像剤量が増加しなくても現像剤が排出され、供給搬送路9に必要量の現像剤を受け渡すことができなくなるおそれがある。さらに、供給搬送路9の途中で排出する構成も、現像装置4内の現像剤量が増加していなくても、現像剤の嵩が増加することがあり、排出した位置よりも搬送方向下流側で現像剤が不足するおそれがあるので不適切である。
このような理由により、一方向循環の現像装置4では、供給搬送路9の搬送方向下流端に到達する現像剤が滞留する位置で、プレミックストナーの補給によって増加した分の現像剤を排出することが適している。
図17は図2と同じ方向から見た供給搬送路の搬送方向下流端近傍の現像装置を示す断面図である。図2及び図17を参照して説明すると、現像装置4内の現像剤量が少ない状態、すなわち、滞留現像剤が現像剤排出口94の位置に達しない程度の量の状態の現像装置4の現像剤の流れを示している。図中、Pは現像剤を示している。
図2及び図17に示すように、現像装置4内の現像剤量が少ない場合は供給搬送路9から循環搬送路である攪拌搬送路10への現像剤の供給がスムーズに行われる。その結果、供給搬送路9と攪拌搬送路10との境界である第1仕切り壁133に設けられた余剰開口部92で現像剤Pが溢れて滞留現像剤の嵩が増加することがない。
このため、現像装置4外へ現像剤Pを排出する現像剤排出口94へ現像剤はほとんど導かれず、現像剤量が少ない状態で現像剤が排出されることを防止することができる。その他の構成については図2及び図13で詳細に説明しているので同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
図17には、トナー濃度検知センサを取り付けた現像装置を断面図で示している。ここでは、透磁率検知方式によるトナー濃度検知センサ140を用いている。透磁率検知方式のトナー濃度センサ140は、被検知対象である現像剤の透磁率に基づく特性、すなわち、キャリアの密度を検知することによって現像剤中のトナー濃度を測定している。
例えば、トナー濃度が低い時には磁性体であるキャリアの密度が相対的に多いので透磁率は高くなり、トナー濃度センサ140の出力は高出力となり、逆にトナー濃度が高い時には磁性体であるキャリアの密度が相対的に低くなるので、透磁率は低くなりトナー濃度センサ140の出力は低出力となる。
図17では現像剤を現像ローラ5へ供給する現像剤搬送経路の下部に取り付けているが、トナー濃度センサ140の取り付け位置はこれに限られない。一般に現像ローラ5で一度現像された残存現像剤はトナー成分が減少しているため回収されることが多い。
そこで、一般に現像ローラ5へ現像剤を供給する、現像前の現像剤搬送経路に存在する現像剤のトナー濃度を測定できるように設置することが好ましい。このトナー濃度検知センサ140の検知結果に基づき別途収納しているトナーを現像装置4に供給し、現像剤Pのトナー濃度を適正な範囲に管理することがなされる。
図18は現像装置にトナーを補給するトナー補給機構を示す斜視図である。図19は図18のトナー補給機構のトナー容器を示す斜視図である。図18のトナー補給機構150において、符号4は各色の作像ユニット18(図1)毎に設けられる現像装置であり、その各現像装置4へ補給するトナーを収納したトナー収納手段としてのトナー容器141は、本実施の形態では図18の左下から右上に向かって、ブラック・マゼンタ・シアン・イエローの4つが複写機CM(図1)の本体に設けられたセット部(図示せず)にセットされて配置されている。
各色トナー容器141から各現像装置4へトナーを補給する機構は同一であるので、図18で一番手前に位置するブラック用のトナー容器に符号141を付して代表して説明する。
トナー容器141をセットするセット部には、容器141内に挿入されるノズル90が図示していない機枠に設けられており、ノズル142と粉体ポンプ70とがトナー補給チューブ143で接続されている。トナー容器141をセット部へセットすることにより、ノズル先端がトナー容器141の下部に装着されている取り付け部材101の弁室内に挿入され、トナー容器141内と粉体ポンプ70が連通する。
上記粉体ポンプ70は、駆動モータ71により回転駆動される駆動シャフト72に装着された駆動シャフトギヤ73から連絡ギヤ74を介して駆動される。粉体ポンプ70としては周知の構成のモーノポンプを採用することが可能である。粉体ポンプ70により移送されたトナーは、いったんサブホッパ75に収納され、サブホッパ75下部のトナー補給口76より現像装置4へトナーが供給される。
図19に斜視図で示してあるトナー容器141は、袋状のトナー収容体144と取り付け部材101(排出用部材)とで構成されている。トナー収納体144は軟包材と呼ばれる厚さ50〜300μm程度のフィルム状の樹脂を溶着して袋状に形成したもの、又は成形樹脂で形成されている。
また、記憶手段145にはトナー容器固有のID情報が記録されている。この固有情報は、例えば、トナーの製造年月日や製造ロットなど、トナー容器に入っているトナー固有の情報が記録されている。また記憶手段145は、IDチップやバーコードなど、本体側の読み取り装置と連携し自動読み込みが可能でるものが好ましい。
トナーの入れ換え時に、セットされたトナーの特性値情報を取得する記憶手段145をIDチップとすることによって画像形成装置本体側が非接触で情報を読み取ることが可能となり、手入力での煩雑さや入力エラーを防ぐことが可能となる。
図20は本発明の制御系を概略するブロック回路図である。図20において、2成分現像方式の現像装置4と、この現像装置4にトナーを補給するトナー補給機構150を備え、現像装置4は透磁率検知方式により2成分現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知センサ140を有している。
トナー補給機構150は、トナー容器141を収容するトナー容器収容体144を有している。画像形成装置には、トナー濃度検知センサ140に与える入力制御電圧を変更可能なセンサ制御手段151と、現像装置4の通紙枚数を取得すると、入力画像面積率データを取得する画像面積率取得手段153と、を備えている。
トナー容器141は、このトナー容器141内に含まれるトナー特性情報の書き込み読み出しが可能な前述の記憶手段145を有し、画像形成装置本体に、記憶手段145に対してデータを記憶させるデータ処理装置(本体制御装置)154を有し、トナー容器141の保有するデータが更新された際に、記憶手段145からのトナー特性情報と、通紙枚数取得手段152からの通紙枚数情報と、画像面積率取得手段153からの画像面積率の情報に基づいて、トナー濃度検知センサ140の入力制御電圧を変更するように構成している。
図21は形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。トナーの形状係数SF−1について述べれば、この状係数SF−1は100〜180、の範囲にあることが好ましい。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入し、当該トナーの粒子100個について解析して計算した。
トナー入れ換え時のトナー形状係数情報に基づきトナー濃度検知センサ140の制御電圧をコントロールすることでトナー濃度検知誤差を防止し、高精度のトナー濃度制御が可能な画像形成装置を提供することができる。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり、従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
次に、本発明において好適に用いられるトナー円形度について説明する。本発明に用いるトナーは、平均円形度が0.93〜1.00であることが好ましい。本発明では、下記式(2)より得られた値を円形度と定義する。
この円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
円形度A=L0/L・・・式(2)
(ここでL0は粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長を示し、Lは、粒子の投影像の周囲長を示す。)
平均円形度が0.93〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体との接触面積が小さいために転写性に優れる。トナー粒子に角がないため、現像装置内での現像剤の攪拌トルクが小さく、攪拌の駆動が安定するために異常画像が発生しない。
ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、転写で転写媒体に圧接する際に、その圧力がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、感光体、帯電部材等の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
トナー入れ替え時のトナー円形度情報に基づきトナー濃度検知センサ140の制御電圧をコントロールすることでトナー濃度検知誤差を防止し、高精度のトナー濃度制御が可能な画像形成装置を提供することができる。
次に、円形度の測定方法について説明する。円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
次に、凝集度の測定方法は以下の通りに行う。測定装置は、ホソカワミクロン社(製)のパウダーテスターを使用し、振動台の上に、次の手順で附属部品をセットする。
(イ)バイブロシュート
(ロ)パッキン
(ハ)スペースリング
(ニ)フルイ(3種類)上>中>下
(ホ)オサエバー
次に、ノブナットで固定し、振動台を作動させる。測定条件は次のとおりである。
フルイ目開き(上)75μm
フルイ目開き(中)45μm
フルイ目開き(下)22μm
振巾目盛1mm
試料採取量2g
振動時間15秒
測定後、次の計算から凝集度を求める。
上段のフルイに残った粉体の重量%×1・・・(a)
中段のフルイに残った粉体の重量%×0.6・・・(b)
下段のフルイに残った粉体の重量%×0.2・・・(c)
上記3つの計算値の合計をもって、劣化後凝集度(%)とする。
すなわち、凝集値(%)=(a)+(b)+(c)
トナー入れ替え時のトナー凝集度情報に基づきトナー濃度検知センサ140の制御電圧をコントロールすることでトナー濃度検知誤差を防止し、高精度のトナー濃度制御が可能な画像形成装置を提供することができる。
図22はトナー濃度とトナー濃度検知センサ出力電圧との関係をグラフで示す図である。ここでは、トナー濃度検知センサ140(図17)の制御電圧を固定とし、トナー濃度4%、7%、10%の初期現像剤と実機中で画像面積率5%で1万枚通紙を行った後の、トナー濃度4%、7%、10%の劣化現像剤でセンサ出力を測定した結果である。
図22から、同一トナー濃度であっても劣化剤ではトナー濃度検知センサ140の出力電圧が低下し、例えば、トナー濃度7%の劣化剤では初期設定時の制御電圧のままではトナー濃度を10%以上と認識してしまい、トナーの過補給状態を引き起こし、トナー飛散やトナー落ち画像の発生など画像品質の低下を引き起こすことが想定される。このことより所定の通紙条件においてトナー濃度検知センサ140の制御電圧を調整しなくてはならないことが認識できる。
図23はトナー濃度検知センサの制御電圧とトナー濃度検知センサの出力の関係をグラフで示す図である。使用する透磁率センサであるトナー濃度検知センサによって多少のバラツキはあるが、概ね制御電圧とセンサ出力との関係は図23に示すようにほぼ一定の関係にある。
このことより、トナー濃度検知誤差ΔTCに対する制御電圧補正値ΔVtcntを下記式(3)により見積もることが可能となる。
ΔVtcnt=センサ感度×ΔTC×α・・・式(3)
ここでαは図22に示す、VtcntとVtとの傾きを表す。
すなわち、式(3)の関係に基づき、或る所定枚数の画像出力が行われた際に、各条件に対応した制御電圧の補正を行うことによってトナー濃度検知センサの検知誤差を低減することが可能となる。
図1に示す画像形成装置CM、及び図17に示す現像装置4を用いて、画像面積率5%、20%、50%、70%のベタ画像を1万枚通紙し、所定の通紙間隔でトナー濃度検知誤差を測定し通紙時の検知誤差推移を評価した。ここでトナー濃度検知誤差は実測のトナー濃度からセンサ出力検出結果から変換した変換トナー濃度を引いた値である。
図24は通紙枚数とトナー濃度検知誤差の推移をグラフで示す図である。図24から、画像面積率によりトナー濃度検知誤差の推移が異なることが分かる。例えば、画像面積率5%の低画像面積で通紙を行った場合には通紙初期で検知誤差が大きく拡大し5000枚ほど通紙したところで誤差の拡大が停止しほぼ一定の値で推移することが分かる。
一方、画像面積率40%での通紙の場合5%の場合と比較し急激な検知誤差の拡大はみられず、通紙枚数に対し緩やかに増加していることが分かる。一方、画像面積率70%の場合には画像面積率5%の場合と同様に通紙初期で検知誤差が大きく拡大しその後一定の値で推移することが分かる。
また、ここで、画像面積率5%と70%で検知誤差の符号が異なる。これは画像面積率5%の場合、トナーの入力量が少ないため、通紙でトナー及びキャリアが劣化した状態となり、現像剤の嵩密度が減少したことにより濃度検知センサが、キャリア密度が低い状態と誤検知し実際のトナー濃度よりも高めに検知していると思われる。
一方で画像面積率70%の場合、トナーの入力量が多いため嵩密度が高くなり、これにより濃度検知センサがキャリア密度が高い状態と誤検知し実際のトナー濃度よりも低めに検知していると思われる。この結果より、画像面積率により現像剤の嵩密度が変動するため通紙時の画像面積率を考慮した制御電圧の補正が必要となる。
また、画像面積率ごとで検知誤差の収束する通紙枚数が異なることも分かる。これより通紙枚数と画像面積率を考慮し最適なタイミングでの制御電圧の補正が必要となる。また、検知誤差をもたらす原因として現像剤の嵩密度の寄与が考えられるため、嵩密度変動に寄与するトナー特性値にも注意を要する。
ここで、上記実験と同様に、図1に示す画像形成装置CM、及び図17に示す現像装置4を用いて5000枚の通紙評価を行った。通紙時の画像面積率は40%とした。ここでは現像剤の嵩密度変動に寄与するトナー特性値としてトナーの体積平均粒径に注目し、トナーの体積平均粒径が4μm、5μm、6μmの3つのトナーを用いてそれぞれ通紙評価を行った。
図25はトナー濃度検知誤差の推移の評価結果を表として示す図である。評価項目は同様にトナー濃度検知誤差の推移を評価した。図25から、トナーの体積平均粒径が小さいほど検知誤差が大きいことが分かる。これは小粒径トナーほど初期剤からの嵩密度変動が大きいためと考えられる。
すなわち、小粒径トナーほど単位体積中の接触表面積は大きくなるためトナー間、又はキャリア間の非静電的付着力が増加し易くなるため初期的な嵩密度変動が激しいと考えられる。
トナー入れ換え時のトナー体積平均粒径情報に基づきトナー濃度検知センサ140の制御電圧をコントロールすることでトナー濃度検知誤差を防止し、高精度のトナー濃度制御が可能な画像形成装置を提供することができる。
これよりトナーの体積平均粒径が小さいものほどトナー濃度検知センサ140の制御電圧を高めに補正する必要があることが分かる。ここで上記実験と同様に、図1に示す画像形成装置CM、及び図17に示す現像装置4を用いて5000枚の通紙評価を行った。通紙時の画像面積率は40%とした。
ここでは現像剤の嵩密度変動に寄与するトナー特性値としてトナーの形状係数SF−1に注目し、トナーの形状係数SF−1が、110、130、150の3つのトナーを用いてそれぞれ通紙評価を行った。
図26はトナー濃度検知誤差の推移の評価結果を表として示す図である。評価項目としては同様にトナー濃度検知誤差の推移を評価した。結果を図26に示す。図26から、形状係数SF−1が大きいものほど、すなわち、形状が不定形なものほど検知誤差が少なく、逆に真球に近いトナーほど検知誤差が大きいことが分かる。
これは真球トナーほどその周りに存在するキャリアやトナーとの接触表面積が多いため、非静電的付着力の増加により嵩密度が変化し易いためと考えられえる。かかる結果からトナーの形状係数SF−1が小さいものほどトナー濃度検知センサの制御電圧を高めに補正する必要があることが分かる。
ここで上記実験と同様に、図1に示す画像形成装置CM、及び図17に示す現像装置4を用いて5000枚の通紙評価を行った。通紙時の画像面積率は40%とした。ここでは現像剤の嵩密度変動に寄与するトナー特性値としてトナーの円形度に注目し、トナーの円形度が0.93、0.95、0.97の3つのトナーを用いてそれぞれ通紙評価を行った。
図27はトナー濃度検知誤差の推移の評価結果を表として示す図である。評価項目としては同様にトナー濃度検知誤差の推移を評価した。図27から、円形度が高いものほど検知誤差が大きい。これは前記形状係数SF−1の場合と同様に真球に近いほど非静電的付着力の増加に伴う初期的な嵩密度変動が多きいためと考えられる。また円形度の高いトナーほどトナー添加剤、とくに外添剤の離脱、剥離が発生し易く、通紙初期で大きく嵩密度が変動するものと考えられる。
ここで上記実験と同様に、図1に示す画像形成装置CM、及び図17に示す現像装置4を用いて5000枚の通紙評価を行った。通紙時の画像面積率は40%とした。ここでは現像剤の嵩密度変動に寄与するトナー特性値としてトナーの凝集度に注目し、トナーの凝集度が20%、40%、60%の3つのトナーを用いてそれぞれ通紙評価を行った。
図28はトナー濃度検知誤差の推移の評価結果を表として示す図である。評価項目としては同様にトナー濃度検知誤差の推移を評価した。図28から、凝集度20%のトナーでは初期1000枚の通紙で検知誤差が約3%程度まで拡大し、その後ほぼ同じ水準で推移している。これより凝集度の低いものほど検知誤差が拡大し易いものと考えられる。これは現像剤の流動性変化に起因するものと考えられ、凝集度が低いものほど初期的な流動性の変化が激しいものと考えられる。
実施例1は、図1に示す画像形成装置CM、及び図17に示す現像装置4を用いて画像面積率5%、20%、50%、70%のベタ画像をそれぞれ5000枚ずつ合計2万枚の通紙評価を行った。つまり、最初の5000枚は画像面積率5%で通紙し、その後画像面積率を20%として5000枚の通紙を行なう、というように5000枚おきに画像面積率を増やして通紙評価を行った。
図29はトナー体積平均粒径5μmトナーに対応した制御テーブルである。図30はトナー濃度検知誤差の推移の評価結果をグラフで示す図である。図30には後述する実施例、比較例の結果も重ねて表示している。
ここではトナーの体積平均粒径5μmのトナーを用い、図29に示す通紙枚数、及び画像面積率情報の関係に従いトナー濃度検知センサ140の制御電圧を可変として通紙を行った。
ここで図29に示す制御方法について具体的に説明する。ここには画像形成装置CMから取得した画像面積率累積平均情報と累積通紙枚数の情報に基づきトナー濃度検知センサ140の制御電圧の変更量ΔVtcntを指定している。例えば、図29(a)の1行目では、入力された画像データの画像面積率が0%以上10%未満であり、かつ累積通紙枚数が2000枚以上連続で通紙されたと検知された場合にトナー濃度検知センサ140の制御電圧を0.35Vだけプラスさせる。
また、図29(a)の5行目では入力された画像データの画像面積率が70%以上であり、かつ累積通紙枚数が2000枚以上連続通紙されたと検知された場合にトナー濃度検知センサ140の制御電圧を0.35Vだけマイナスするという制御方法である。図30にはこのトナー濃度検知誤差の推移を実施例1として示している。図30から、大きなトナー濃度検知誤差が発生することなく、通紙条件によらず正確にトナー濃度を検知できていることが分かる。
比較例1は、実施例1と同様のトナー、及び機械、現像器条件で通紙評価を行った。ただし、トナー濃度検知センサ140の制御電圧は可変とせず、初期設定時のままで通紙評価を行った。トナー濃度検知誤差の推移を図30に比較例1として示す。図30から通紙モードによりトナー濃度検知誤差が大きく変動している(暴れている)ことが分かる。
実施例2は、実施例1と同様に、図1に示す画像形成装置CM、及び図17に示す現像装置4を用いて画像面積率5%、20%、50%、70%のベタ画像をそれぞれ5000枚ずつ合計2万枚の通紙評価を行った。
ここではトナーの形状係数SF−1が130のトナーを用い、図29(b)に示す通紙枚数、及び画像面積率情報の関係に従いトナー濃度検知センサ140の制御電圧を可変として通紙を行った。トナー濃度検知誤差の推移を図30に実施例2として示す。図30から大きなトナー濃度検知誤差が発生することなく、通紙条件によらず正確にトナー濃度を検知できていることが分かる。
実施例3は、実施例1と同様に図1に示す画像形成装置CM、及び図17に示す現像装置4を用いて画像面積率5%、20%、50%、70%のベタ画像をそれぞれ5000枚ずつ合計2万枚の通紙評価を行った。
ここではトナーの円形度0.95のトナーを用い、図29(c)に示す通紙枚数、及び画像面積率情報の関係に従いトナー濃度検知センサ140の制御電圧を可変として通紙を行った。トナー濃度検知誤差の推移を図30に実施例3として示す。図30から大きなトナー濃度検知誤差が発生することなく、通紙条件によらず正確にトナー濃度を検知できていることが分かる。
実施例4は、実施例1と同様に図1に示す画像形成装置CM、及び図17に示す現像装置4を用いて画像面積率5%、20%、50%、70%のベタ画像をそれぞれ5000枚ずつ合計2万枚の通紙評価を行った。
ここではトナーの凝集度40%のトナーを用い、図29(d)に示す通紙枚数、及び画像面積率情報の関係に従いトナー濃度検知センサ140の制御電圧を可変として通紙を行った。トナー濃度検知誤差の推移を図30に実施例4として示す。図30から大きなトナー濃度検知誤差が発生することなく、通紙条件によらず正確にトナー濃度を検知できていることが分かる。
比較例2は、実施例4と同様のトナー、及び機械、現像器条件で通紙評価を行った。ただし、トナー濃度検知センサ140の制御電圧は可変とせず、初期設定時のままで通紙評価を行った。トナー濃度検知誤差の推移を図30に比較例2として示す。図30から通紙モードによりトナー濃度検知誤差が大きく変動して(暴れて)いることが分かる。
以上の結果から、トナーの入れ換えが実施された際には、トナー特性値とその特性値に対応した画像面積率、及び通紙枚数ごとの制御電圧補正テーブルを参照することによりトナー濃度検知センサ140の誤検知を低減することが可能となり、通紙条件によらずトナー濃度を安定に制御することが可能となる。
本発明は、トナーを用いた画像形成装置に限らず、インクカートリッジなどの、サプライの交換が実行される画像形成装置においても適用し得る。
CM 画像形成装置、4 現像装置、140 トナー濃度検知センサ、141 トナー容器、144 トナー容器収容体、145 記憶手段、150 トナー補給機構、151 センサ制御手段、152 通紙枚数取得手段、153 画像面積率取得手段、154 データ処理装置
特開2008−122471公報 特開2008−122466公報 特開2008−122539公報 特開2007−256469公報

Claims (6)

  1. 2成分現像方式の現像装置と、該現像装置にトナーを補給するトナー補給機構と、を備え、
    前記現像装置は透磁率検知方式により2成分現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知センサを有し、
    前記トナー補給機構は、トナー容器を収容するトナー容器収容体を有し、前記トナー濃度検知センサに与える入力制御電圧を変更可能なセンサ制御手段と、前記現像装置の通紙枚数を取得する通紙枚数取得手段と、入力画像面積率データを取得する画像面積率取得手段と、を備える画像形成装置において、
    前記トナー容器は、該トナー容器内に含まれるトナー特性情報の書き込み読み出しが可能な記憶手段を有し、画像形成装置本体に、前記記憶手段に対してデータを記憶させるデータ処理装置を有し、前記トナー容器の保有するデータが更新された際に、前記トナー特性情報と、前記通紙枚数情報と、前記画像面積率の情報とに基づいて、前記トナー濃度検知センサの入力制御電圧を変更することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記トナー特性情報とは、トナーの体積平均粒径情報であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記トナー特性情報とは、トナーの形状係数情報であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記トナー特性情報とは、トナーの円形度情報であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記トナー特性情報とは、トナーの凝集度情報であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記記憶手段は、IDチップであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
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