JP2010236503A - 負圧ポンプ - Google Patents

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Jiro Suzuki
治朗 鈴木
Nobuyuki Kobayashi
伸之 小林
Takashi Kajitani
高 梶谷
Taira Izawa
平 井澤
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Abstract

【課題】万一、水が侵入したとしても水が抜けやすい負圧ポンプを提供することを課題とする。
【解決手段】ロータを収納するロータ室の最下位置に臨むように、ポンプ・アウト孔64がロータの軸に平行に設けられ、このポンプ・アウト孔64の出口からロータの軸に直交する向きに下方へ向けてアウト溝65が設けられ、このアウト溝65の下端が排気室97に繋がっている。
【効果】ロータ室51へ水が侵入しても、この水は残さずにポンプ・アウト孔64及びアウト溝65を介して排出される。
【選択図】図12

Description

本発明は、負圧ポンプ、例えば車両に備えられる負圧ブースタの負圧室内を負圧にする負圧ポンプに関する。
図16は従来の倍力ブレーキ装置の原理図である。
基本的なブレーキ操作は、ブレーキペダル200を踏むと、プッシュロッド201が押され、このプッシュロッド201でマスターシリンダ202を作動させ、ブレーキ油路203、203から高圧のブレーキ液を車輪ブレーキに供給することで行われる。一般的には操作者の操作力を軽減するために、倍力ブレーキ装置210が用いられる。
倍力ブレーキ装置210は、ダイヤフラム211とリターンばね212とを収納した負圧ブースタ213と、この負圧ブースタ213の負圧室214から延ばした負圧管215と、この負圧管215の先端に接続した負圧ポンプ216とからなる。この種の負圧ポンプ216として、自動車用電気エアポンプが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
負圧ポンプ216を作動させると、負圧管215、負圧室214内及び変圧室217内が負圧になっている。この状態でブレーキペダル200を踏むと負圧室214と変圧室217とが遮断され、変圧室217に空気が導入され、負圧室214と変圧室217との差圧により、ダイヤフラム211がリターンばね212を圧縮させる側へ変形し、プッシュロッド201を押し出す。結果、小さな踏力で大きな制動力が得られる。
特許文献1の技術を次図で説明する。
図17は従来の負圧ポンプの断面図であり、負圧ポンプ216では、モータ217でベーン付きロータ218を回すと、ポンプ入口部219が負圧になる。ポンプ入口部219を介して吸引された空気は、ベーン付きロータ218で加圧され、加圧された空気がカバー部220に溜められる。ここに溜められた空気は、ポンプ吐出口221から、大気へ放出される。
なお、特許文献1の図3(FIG.3)は、負圧ポンプの分解斜視図であって、符号(13)が、アウトレット開口であって、ポンプで加圧された空気は、このアウトレット開口(13)から、キャップ(8)へ放出される。
アウトレット開口(13)は、図17の符号223に位置に設けられている。アウトレット開口を、ポンプ・アウト孔と読み替えると、ポンプ・アウト孔223は、ロータ218を回転自在に収納するロータ室の最下位置224より高い位置に設けられている。
しかも、ポンプ・アウト孔223は、ポンプ吐出口221から大きく離れた位置に設けられている。
ところで、雨中を走行する場合、車両に搭載している負圧ポンプ216の周囲の空気に多量の水分が含まれる。
雨中走行中にモータ217が停止した場合には、水分がカバー部220内やベーン付きロータ218へ侵入し、作動性が損なわれる虞がある。
そのため、万一、ロータ室へ水が侵入した場合には、この水を迅速に排出する必要がある。
しかし、特許文献1の負圧ポンプでは、ポンプ・アウト孔223が、ロータ室の最下位置224より高い位置に設けられているため、排水が不十分となる。
しかも、ポンプ・アウト孔223が、ポンプ吐出口221から大きく離れた位置に設けられているため、迅速な排水性は望めない。
米国特許第6491505号明細書
本発明は、万一、水が侵入したとしても水が抜けやすい負圧ポンプを提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、ポンプ部の出口側に排気室を備え、この排気室を介して空気を外へ排出する負圧ポンプであって、
前記ポンプ部は、ロータを回転自在に収納するロータ室を有するケースと、空気を吸入するポンプ・イン孔を有し前記ロータ室の一方の開口を塞ぐ前蓋と、加圧した空気を吐出するポンプ・アウト孔を有し前記ロータ室の他方の開口を塞ぐ底蓋とを備えると共に前記排気室は前記ポンプ部の最下位置に設けられ、
前記ロータ室の最下位置に臨むように、ポンプ・アウト孔が前記ロータの軸に平行に設けられ、このポンプ・アウト孔の出口から前記ロータの軸に直交する向きに下方へ向けてアウト溝が設けられ、このアウト溝の下端が前記排気室に繋がっていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、排気室の底は高低差がでるように階段形状とされ、最も低位の下段部に、前記アウト溝の下端が対面していることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、排気室の底に、空気を排出する複数の通孔が設けられており、複数の通孔は、前記底の下段部と上段部とに各々設けられていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、ポンプ・アウト孔が、ロータ室の最下位置に配置され、このようなポンプ・アウト孔の出口からアウト溝が下方へ向けて延ばされている。
万一、ロータ室へ水が侵入しても、この水は残さずにポンプ・アウト孔及びアウト溝を介して排出される。
したがって、本発明によれば、万一、水が侵入したときに水が抜けやすい負圧ポンプを提供することができる。
請求項2に係る発明では、排気室の底は高低差がでるように階段形状とされ、最も低位の下段部に、アウト溝の下端が対面している。
排出された水は、排気室の底の下段部に集められる。下段部に通孔を設ければ、溜まり水を効率よく排出することができる。
請求項3に係る発明では、複数の通孔が、下段部と上段部とに各々設けられている。万一、下段部に設けた通孔が水で塞がれても、上段部に設けた通孔で排気を継続させることができる。
本発明に係る負圧ポンプの配置例を示す図である。 負圧ポンプの分解斜視図である。 ポンプ部の分解斜視図である。 負圧ポンプの外観図である。 排気室リッドを説明する図である。 第2排気室の構造を説明する図である。 負圧ポンプの要部断面図である。 図7の8−8線断面図である。 モータ軸の拡大断面図である。 ボルト穴の配列を説明する図である。 図8の11−11線断面図である。 図7の要部拡大図である。 逆止弁の構造及び作用を説明する図である。 モータ停止時の作用を説明する図である。 最終排気口が複数であることの作用説明図である。 従来の倍力ブレーキ装置の原理図である。 従来の負圧ポンプの断面図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。本発明の負圧ポンプは、車両用負圧ブースタ用に好適であるが、用途は任意である。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、本発明の負圧ポンプ10は、車両に備えられる負圧ブースタ11の負圧室12内を、負圧にする真空ポンプの一種である。
負圧ポンプ10を作動させると、負圧管13、負圧室12内及び変圧室19内が負圧になっている。この状態でブレーキペダル20を踏むと負圧室12と変圧室19とが遮断され、変圧室19に空気が導入され、負圧室12と変圧室19との差圧により、ダイヤフラム14がリターンばね15を圧縮させる側へ変形し、プッシュロッド16を押し出す。結果、小さな踏力で大きな制動力が得られる。負圧ポンプ10は、車両の側のブラケット17にボルト18で固定される。
負圧ポンプ10の構造を以下に詳しく述べる。
図2に示されるように、負圧ポンプ10は、モータ軸21がインボリュートスプライン軸であるモータ22と、このモータ22をビス23、23で取付けることができるねじ穴24、24を有するベースプレート25と、このベースプレート25の表面に設けられている第1雌ねじ穴26、26及び第2雌ねじ穴27、27に、合計4本の長いボルト28をねじ込むことで取付けられるポンプ部50と、このポンプ部50を覆うと共に、ベースプレート25の表面に設けられている第3雌ねじ穴29(合計4個)にビス71をねじ込むことで取付けられるカバー部70と、このカバー部70の入口部72に着脱可能に挿入される逆止弁100、フィルタ35及び接続部(接続部品)40と、からなる。
ベースプレート25は、モータ22などをマウントするため及び車体に接続するための基盤であって、厚くて、剛性に富む金属製とすることが望まれる。
一方、カバー部70は、樹脂成形品とすることができる。樹脂成形品であれば、構造が複雑な排気室(詳細後述)を容易に製造することができる。
ベースプレート25は、車両に固定できるように、ねじ座31、31を一体的に備え、中央に、モータ22の円柱状のボス32が嵌合できるように、丸穴33が設けられている。
また、第1雌ねじ穴26は、第2雌ねじ穴27より一回り大径であって、位置決め中空ピン34、34を挿入することができる。位置決め中空ピン34の作用は後述する。
フィルタ35は、網部36の縁をリング部37で囲ってなる平板形状のものである。
接続部40は、負圧管(図1、符号13)が接続される接続部材であり、ビス41でカバー部70に脱着可能に固定することができ、この例ではホース差込部42を有する。
図3はポンプ部50の分解斜視図であり、ポンプ部50は、非円断面のロータ室51が設けられ、複数(この例では4個)のボルト穴52、53(ただし、ボルト穴52は位置決め中空ピンに対応する穴径であるため、ボルト穴53より大径である。)が設けられているケース54と、複数のベーン溝55が放射状に設けられ、中心にインボリュートスプライン穴56が設けられ、非円断面のロータ室51に回転自在に収納されるロータ57と、複数のベーン溝55に各々移動自在に収納されるベーン58と、複数のボルト穴59、59が設けられ、2個のポンプ・イン孔60、60が設けられている前蓋61と、複数のボルト穴62、63(ボルト穴62は、位置決め中空ピンに対応する穴径であるため、ボルト穴63より大径である。)が設けられ、2個のポンプ・アウト孔64、64が設けられ、ポンプ・アウト孔64から径外方へアウト溝65が設けられている底蓋66と、ケース54にロータ57及びベーン58を収納し、前後を前蓋61及び底蓋66で塞いだ状態で、ボルト穴59、52(又は53)、62(又は63)に通される複数(この例では4本)の長いボルト28とからなる。
図3及び図2に基づいて、組立てられた負圧ポンプ10の外観は、図4に示す通りであり、ベースプレート25に、ビス23でモータ22が取付けられ、このモータ22へ給電する中間コネクタ130がビス131で取付けられると共に、ビス71でカバー部70が取付けられている。
カバー部70の一部が図左下へ筒形(この例では角筒形状)の排気室壁73が延ばされて、この排気室壁73の先端が排気室リッド74で閉じられている。
排気室リッド74は、図5に示されるように、矩形で、且つ中央にカバー部70側へ窪ませた球面部75を有するリッド本体76と、このリッド本体76の縁からカバー部70側へ延ばした挿入片77(挿入片77の数は4個である。)と、挿入片77の各々に設けた爪78とからなる。隣り合う挿入片77と挿入片77との間は、繋がっておらずに、この隙間79が排気通路の一部となる。排気室リッド74は、形状が複雑であるので、金属よりは樹脂が好適である。樹脂成形品であれば、軽量で複雑な形状にすることができる。
一方、排気室壁73の先端に、コ字断面の最終排気口81(この例では4個)が形成され、排気室壁73の内面に複数(例えば6個)の係合部82が設けられている。これらの係合部82に爪78が係合することで、排気室リッド74が排気室壁73に固定される。原則として、排気室リッド74は、外すことができない。コ字断面の最終排気口81は、排気室リッド74を取付けた後は、四方形(矩形)の排気口になる。
排気室壁73内には、排気室リッド74側へ突出する環状凸部84が設けられ、この環状凸部84を貫通して1個の第1通孔85が設けられ、環状凸部84の内側に第2通孔86、86及び第3通孔87設けられている。
排気室90(図7)は、仕切部88によって複数の排気室、実施例では第1排気室97と第2排気室98に区画され、ロータ室51側から第1排気室97と第2排気室98が直列に配置されている。
これらの通孔85〜87は、仕切部88に貫通形成されており、後に説明するが、仕切部88の奥に第1排気室97があり、仕切部88の手前に、後述する最終排気口81にて外部へ排気する第2排気室98があり、これらの2つの排気室を連通する役割を果たす。
そして、仕切部88には、環状凸部84の外側に障壁89(4個)が立てられている。
この障壁89の作用を、図6に基づいて説明する。
排気室壁73内に、4個の通孔85、86、86、87が設けられ、排気時に排出流体(空気)が図面奥から手前に流される。排出流体は、矢印(1)や矢印(2)のルートを通って最終排気口81から排出される。
一方、最終排気口81は、大気に開放されているために、外から水が排気室壁73内に侵入する可能性はある。その場合、侵入水は、先ず矢印(3)のように挿入片77に衝突する。そののち、90°方向を変え、矢印(4)のように障壁89の端部と挿入片77との間の隙間91を通る。または、侵入水の一部は、矢印(5)のように障壁89の外面と挿入片77との間の隙間92を通る。このように、第2排気室98内をラビリンス形状とすることにより第1排気室97への水分の侵入を防いでいる。
次に、図4に示した負圧ポンプの要部の断面構造を説明する。
図7に示すように、モータ22のフランジ93とベースプレート25との間はOリングなどのシール材94によりシールされている。同様に、カバー部70とベースプレート25との間もシール材95によりシールされている。また、カバー部70と前蓋61との間がシール材96によりシールされている。
モータ22は、円柱状のボス32が丸穴33に嵌合することで、ベースプレート25に対して正確に位置決めされる。すなわち、丸穴33の中心に、モータ軸21の中心が合致する。モータ軸21は底蓋66を貫通した後、ロータ57に係合している。
このロータ57を収納するケース54の下方に第1排気室97が設けられ、この第1排気室97の下方に第2排気室98が設けられている。
次に、接続部40とフィルタ35と逆止弁100との取付け構造を説明する。
先ず、接続部40は、カバー部70の入口部72に上から挿入することで取り外し可能に備えられ、逆止弁100は、カバー部70の入口部72に収納した状態で、接続部40で固定されている。なお、上下、前後は、図中に明示した矢印による。
そして、接続部40と逆止弁100で、フィルタ35が挟まれている。
次に、ポンプ部50の断面構造を、図7の8−8線断面図である図8に基づいて説明する。
モータ軸21にロータ57が取付けられ、このロータ57にベーン58が移動自在に取付けられ、このロータ57をケース54に収納し、このケース54をカバー部70で囲った形態が明示されている。そして、係合部82に爪78が係合することで、排気室壁73の開口に排気室リッド74が取外し不能に取付けられていることが分かる。
モータ軸21とロータ57との嵌合関係は、図9に示されるように、モータ軸21が6条(図面表裏方向に延びている。)のインボリュート歯99を有するインボリュートスプライン軸である。対応するインボリュートスプライン穴56がロータ57の中心に設けられている。
インボリュート歯99は歯面が湾曲面であり、ロータ57の中心をモータ軸21の中心に合わせる作用(調心作用)を備えている。すなわち、回転中に、ロータ57の中心がモータ軸21の中心から、ずれたとしても、調心作用により、自動的にロータ57の中心がモータ軸21の中心に合わされる。このように中心が合致すると、心振れが無くなる。
ロータ57のロータ室51内での偏摩耗が無くなり、負圧ポンプ自身の耐久性が向上する。このとき、図2において、モータ22をモータ軸21を含めて予め組付けた後、ベースプレート25と共にモータ軸21をロータ57に嵌合する。よって、モータ22を組付けるだけで前記調心作用により、モータ軸21とロータ57との中心が合わされるので、組付けが容易になる。
ところで、図8において、4本のボルト28の中心は、正方形又は長方形の頂点に配置されていない。この理由を次に説明する。
図10(a)に示すように、ボルト穴59a〜59d(位置を明確にするために、符号59にa〜dを添えた。)は、少なくとも1つ、実施例では2つのボルト穴59b、59dが、位相をずらして配置されている。
仮に、前蓋61が表裏を逆にしてケース54に当てられた場合には、図10(b)に示すように全てのボルト穴59a〜59dがケース54側のボルト穴52、53とずれてしまい、ボルトを差し込むことができない。前蓋61を回転させても、ずれは解消しない。したがって、表裏を間違えるような誤組みを防止することができる。
また、前蓋61が正規の方位に対して、右又は左に90°回転した場合には、図10(c)に示すように、ボルト穴59a〜59dがケース54側のボルト穴52、53とずれてしまい、ボルトを差し込むことができない。前蓋61を回転させれば、ずれは解消できる。したがって、誤って90°回転させてしまったような誤組みを防止することができる。
次に、図8に示す2本の位置決め中空ピン34、34の作用を、図8の11−11線断面図である図11に基づいて説明する。
図11に示すように、第1雌ねじ穴26に、位置決め中空ピン34を挿入する。次に、底蓋66のボルト穴62及びケース54のボルト穴52の下端を、位置決め中空ピン34の上半部に嵌合する。次に前蓋61をケース54載せて、この状態で、ボルト28を第1雌ねじ穴26にねじ込む。
2本の位置決め中空ピン34、34は、図8に示すように、いわゆる対角に配置されているため、図8の紙面方向(モータ軸21直角方向)での、ベースプレート25に対するケース54の位置決めが正確になされる。
次に、排気室の構造を、図7の要部拡大図である図12に基づいて説明する。
図12に示されるように、第1排気室97の床を構成する仕切部88の上面は、上段部88aと下段部88bとからなる、階段形状とされている。そして、上段部88aに、第1排気室97と第2排気室98とを繋ぐ第1通孔85が設けられ、下段部分88bに、第1排気室97と第2排気室98とを繋ぐ第2通孔86と第3通孔87が設けられている。
そして、第1通孔85と、第2通孔86と、第3通孔87は、上部開口のレベルが互いに異なる。すなわち第3通孔87より第2通孔86の方が、Δh1だけ高い。また、第1通孔85は、第3通孔87よりΔh2だけ高い(Δh1<Δh2)。
加えて、底蓋66に設けられているアウト溝65は、底蓋66の最下位位置に配置されている。
仮に、最終排気口81から外の水が第2排気室98へ侵入したとしても、第2排気室98の上位に第1排気室97があるため、第1排気室97に浸水するまでは時間が稼げる。
また、水が第1排気室97に侵入したとしても、先ず、第3通孔87が塞がれるが、第1通孔85及び第2通孔86は開状態が保たれるため、負圧ポンプの排気性能が維持される。
さらに、水で第2通孔86が塞がれたとしても、第1通孔85は、開状態が保たれるため、負圧ポンプの排気性能が維持される。
また、負圧ポンプが停止した時に、負圧ポンプの下部が溜まり水に漬かることで、ケース54の内部に水が侵入することがあっても、ケース54の内部に侵入した水は、最下位位置に配置されているポンプ・アウト孔64及びアウト溝65を介して、迅速に排出される。この際、最終排気口81が、侵入した水を排出するドレーンとしての機能を果たす。
次に、逆止弁100の構造と作用を説明する。
図13に示すように、逆止弁100は、ニードル101を有する傘状の弁体102と、この弁体102が上昇して被さることで流路103を閉じる弁座部104と、この弁座部104を一体的に有し且つ弁体102を移動自在に収納する弁箱105とからなる。なお、弁箱105は、シール材106を備えた箱基部107と、通孔108を有し、弁体102を移動可能に収納し、箱基部107に嵌込まれるケース部109とで構成されている。
弁体102は、負圧ポンプの作動時においてリターンスプリング102aにて閉弁方向に付勢される。
負圧ポンプの運転時に、ポンプ部50の入口はホース差込部42より低圧になる。この圧力差で、図13に示されるように、リターンスプリング102aの付勢力に抗して弁座部104から弁体102が離れ、逆止弁100が開状態になる。すると、矢印(7)のように空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、フィルタ35で濾過される。この空気は、矢印(8)のように通孔108を通るなどして、逆止弁100を通過し、矢印(9)のようにポンプ・イン孔60からポンプ部50に入る。
ポンプ部50で加圧され、矢印(10)のように、ポンプ・アウト孔64、アウト溝65、第1排気室97を介して第2排気室98に至り、矢印(11)のように、最終排気口81、81から外へ排出される。
次に、モータ22が止まったとき(負圧ポンプ停止時)の状態を、図14で説明する。
ここで、逆止弁100とポンプ部50との間の閉空間(ほぼ、前蓋61の外面とカバー部70の内面で囲われる空間に相当)を、吸入室110と呼ぶ。この吸入室110の容積をV1とする。
また、ポンプ部50を便宜的に、二分し、前蓋61側の容積をV2、底蓋66側の容積をV3とする。更に、第1排気室97の容積をV4、第2排気室98の容積をV5とする。
モータ22が止まると、図14に示すように、逆止弁100が閉じる。モータ22が止まる直前の状態は、容積V1と容積V2の領域が負圧領域であり、容積V3〜V5の領域が正圧領域である。モータ22が止まった瞬間にこのバランスが崩れる。
すなわち、容積V3〜V5の領域から、容積V1〜V2の領域へ空気の供給が行われ、全ての領域が大気圧に戻るように変化する。
本発明では、容積V1<容積V5の関係が保たれるように、吸入室110と第2排気室98の大きさを設定した。容積V2と容積V3は等しい。
モータ22の停止に伴って、空気の移動が起こるが、(V1+V2)<(V3+V5)であるため、容積V5に余剰が発生する。
結果、仮に、外の水分を含んだ空気が第2排気室98へ逆流したとしても、第2排気室98で余剰空気に混合するだけであり、水分を含んだ空気が、ポンプ室50や吸込室110へ侵入する心配が無くなる。
次に、図6で説明したように、最終排気口81が、4つの排気室壁73で囲われた矩形断面の第2排気室98の四隅の同一端面上に設けられている。4個の最終排気口81を設けたことによる作用を、図15で説明する。
図15(b)は、負圧ポンプ10の正面図であり、この負圧ポンプ10が矢印(20)のように回転(ローリング)することがある。このときには、左側面図である図15(a)に示す最終排気口81L、81L(Lは左を示す添え字。)が上昇する。このことによって、右側面図である図15(c)に示す最終排気口81R、81R(Rは右を示す添え字)から水分が排出されると共に、図15(a)の最終排気口81L、81Lからは排気が継続される。
また、図15(a)に示す矢印(21)のように負圧ポンプ10が回転することがある。このときには2個の最終排気口81L、81Lのうち、モータ22に近い方の最終排気口81Lが上位になり、ここから排気が継続されると共に他方の最終排気口から水分が排出される。
このように、4個の最終排気口81を巧みに配置したことにより、負圧ポンプ10が傾いても、排気が継続可能となる。
以上の説明した本発明は、次のようにまとめることができる。
本発明は、図13に示すように、ポンプ部50の出口側に排気室97、98を備え、この排気室97、98を介して空気を外へ排出する負圧ポンプであって、
図3に示すように、ポンプ部50は、ロータ57を回転自在に収納するロータ室51を有するケース54と、空気を吸入するポンプ・イン孔60を有し前記ロータ室51の一方の開口を塞ぐ前蓋61と、加圧した空気を吐出するポンプ・アウト孔64を有し前記ロータ室51の他方の開口を塞ぐ底蓋66とを備えると共に前記排気室97、98は前記ポンプ部50の最下位置に設けられ、図12に示すように、前記ロータ室51の最下位置に臨むように、ポンプ・アウト孔64がロータの軸に平行に設けられ、このポンプ・アウト孔64の出口からロータの軸に直交する向きに下方へ向けてアウト溝65が設けられ、このアウト溝65の下端が排気室97に繋がっていることを特徴とする。
この発明では、ポンプ・アウト64孔が、ロータ室51の最下位置に配置され、このようなポンプ・アウト孔64の出口からアウト溝65が下方へ向けて延ばされている。
万一、ロータ室51へ水が侵入しても、この水は残さずにポンプ・アウト孔64及びアウト溝65を介して排出される。
したがって、本発明によれば、万一、水が侵入したときに水が抜けやすい負圧ポンプを提供することができる。
好ましくは、排気室97の底は高低差がでるように階段形状とされ、最も低位の下段部88bに、アウト溝65の下端が対面するようにする。
排出された水は、排気室の底の下段部88bに集められる。下段部88bに通孔を設ければ、溜まり水を効率よく排出することができる。
好ましくは、排気室の底に、空気を排出する複数の通孔85、87が設けられており、複数の通孔85、87は、底の下段部88bと上段部88aとに各々設けられる。
万一、下段部88bに設けた通孔87が水で塞がれても、上段部88aに設けた通孔85で排気を継続させることができる。
尚、本実施例では、排気室は、第1排気室と第2排気室とで構成したが、1つ(1室)又は3つ(3室)以上であっても良い。
また、本実施例は、負圧ポンプとしてベーンポンプを説明したが、負圧ポンプはベーンポンプに限られるものではない。
さらに、本発明の負圧ポンプは、車両に備えられる負圧ブースタの負圧室内を、負圧にするための車両用の負圧ポンプに好適であるが、用途を格別に限定するものではなく、一般機械用、汎用機械用、一般設備用に適用することは差し支えない。
本発明の負圧ポンプは、車両に備えられる負圧ブースタの負圧室内を、負圧にするための車両用の負圧ポンプに好適である。
10…負圧ポンプ、50…ポンプ部、51…ロータ室、54…ケース、57……ロータ、60…ポンプ・イン孔、61…前蓋、64…ポンプ・アウト孔、66…底蓋、88a…上段部、88b…下段部、97…第1排気室、98…第2排気室。

Claims (3)

  1. ポンプ部の出口側に排気室を備え、この排気室を介して空気を外へ排出する負圧ポンプであって、
    前記ポンプ部は、ロータを回転自在に収納するロータ室を有するケースと、空気を吸入するポンプ・イン孔を有し前記ロータ室の一方の開口を塞ぐ前蓋と、加圧した空気を吐出するポンプ・アウト孔を有し前記ロータ室の他方の開口を塞ぐ底蓋とを備えると共に前記排気室は前記ポンプ部の最下位置に設けられ、
    前記ロータ室の最下位置に臨むように、ポンプ・アウト孔が前記ロータの軸に平行に設けられ、このポンプ・アウト孔の出口から前記ロータの軸に直交する向きに下方へ向けてアウト溝が設けられ、このアウト溝の下端が前記排気室に繋がっていることを特徴とする負圧ポンプ。
  2. 請求項1記載の負圧ポンプにおいて、
    前記排気室の底は高低差がでるように階段形状とされ、最も低位の下段部に、前記アウト溝の下端が対面していることを特徴とする負圧ポンプ。
  3. 請求項2記載の負圧ポンプにおいて、
    前記排気室の底に、空気を排出する複数の通孔が設けられており、複数の通孔は、前記底の下段部と上段部とに各々設けられていることを特徴とする負圧ポンプ。
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