JP2010233236A - 主要被写体に応じた画質の向上 - Google Patents

主要被写体に応じた画質の向上 Download PDF

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Abstract

【課題】 画像を特徴付ける被写体である主要被写体の画質を向上させること。
【解決手段】CPU411は、主要被写体画像データの判定処理が終了した画像データGDを取得し、特定された主要被写体画像データにおける色彩値を取得し、主要被写体画像データの色彩値に基づいて、主要被写体を類別する。CPU411は、類別された主要被写体に対応する補正基準値を取得し、主要被写体画像データを解析して、主要被写体画像データの特性値を取得する。CPU411は、主要被写体画像データの特性値と取得した補正基準値とを用いて、両者の差分を低減または解消するように補正量を算出し、算出した補正量を適用して主要被写体画像データに対する画質調整を実行する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像データに対する画質調整処理技術に関する。
ディジタルスチルカメラ等において生成されたディジタル画像データに対しては、撮像後に任意の画質調整処理が可能であり、例えば、ユーザはレタッチソフトを用いて画質調整処理を行うことができる。一方で、的確な画質調整処理には、経験や慣れを要するため、ユーザの手を煩わせることなく基準値を用いた、いわゆる自動画質補正の技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−92956号公報
しかしながら、自動画質調整技術では、画像を特徴付ける主要被写体の細かな相違を考慮することなく一括りにして判別し、判定された主要被写体に対して画一的な画質調整処理が実行される。したがって、本来、主要被写体が有する詳細な特徴を活かした画質調整処理を実行することができず、必ずしも主要被写体を見栄え良く出力することができなかった。したがって、主要被写体のバリエーションに応じた画質調整処理技術が望まれる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、画像を特徴付ける被写体である主要被写体の画質を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、画像処理装置を提供する。本発明の第1の態様に係る画像処理装置は、画像データにおける、画像を特徴付ける被写体である主要被写体に対応する主要被写体画像データを決定する主要被写体画像データ決定手段と、決定された主要被写体画像データの特性を取得する特性取得手段と、前記取得された特性に対応する補正条件を取得する補正条件取得手段と、前記取得された補正条件を用いて前記主要被写体画像データの画質を調整する画質調整手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る画像処理装置によれば、画像を特徴付ける被写体である主要被写体に対応する主要被写体画像データを決定し、決定された主要被写体画像データの特性に対応する補正条件を取得し、取得された補正条件を用いて主要被写体画像データの画質を調整することができる。したがって、画像を特徴付ける被写体である主要被写体の画質を向上させることができる。
本発明の第1の態様に係る画像処理装置において、前記補正条件は、前記取得された特性に対応する、補正基準値であり、前記画質調整手段は、前記取得した特性の値と前記補正基準値との差分を解消または低減するように前記主要被写体画像データの画質を調整しても良い。かかる場合には、主要被写体画像データの画質の基準値となる補正基準値に対して主要被写体画像データの画質を任意の程度にて近似または一致させることができる。
本発明の第1の態様に係る画像処理装置において、前記主要被写体画像データは、同一の主要被写体について異なる色域毎に複数個の主要被写体画像データに類別され、前記補正基準値は、類別された前記主要被写体画像データ毎に複数個用意されていても良い。かかる場合には、主要被写体画像データに対してさらに適合した画質調整を施すことが可能となり、主要被写体の画質をさらに向上させることができる。
本発明の第1の態様に係る画像処理装置において、前記主要被写体画像データの決定は、前記画像データを複数の画像データ領域に分割し、各画像データ領域の位置情報と色域情報とを用いて実行されても良い。かかる場合には、主要被写体画像データの決定精度をより向上させることができる。
本発明の第2の態様は、画像を特徴付ける被写体である主要被写体の画質を向上させる画像処理装置を提供する。本発明の第2の態様に係る画像処理装置は、画像データにおける、前記主要被写体に対応する主要被写体画像データを特定する主要被写体画像データ特定手段と、前記特定された主要被写体画像データの色彩値を取得する色彩値取得手段と、前記取得された色彩値を用いて前記主要被写体を類別する主要被写体類別手段と、前記類別された主要被写体に対応する基準色彩値を取得する基準色彩値取得手段と、前記取得された色彩値と基準色彩値とを用いて前記主要被写体画像データの画質を調整する画質調整手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る画像処理装置によれば、特定された主要被写体画像データの色彩値を用いて主要被写体を類別し、類別された主要被写体に対応する基準色彩値を取得し、取得された色彩値と基準色彩値とを用いて主要被写体画像データの画質を調整することができる。したがって、画像を特徴付ける被写体である主要被写体の画質を向上させることができる。
本発明の第2の態様に係る画像処理装置において、前記画質調整手段は、
前記色彩値と基準色彩値との差分が解消または低減されるように補正量を決定する補正量決定手段と、前記決定された補正量を前記色彩値に適用して前記主要被写体領域における画像データの画質を補正する画質補正手段とを備えても良い。かかる場合には、主要被写体の基準値となる基準色彩値に対して主要被写体領域における画像データの画質を任意の程度にて近似または一致させることができる。
本発明の第2の態様に係る画像処理装置において、前記補正量決定手段は、前記差分の符号に応じて変更される計算式に従って前記補正量を決定するものとしても良い。
これによれば、色彩値と基準色彩値との差分の符号に応じて、柔軟な画質調整をすることができる。
本発明の第2の態様に係る画像処理装置において、更に、前記画像データにおいて前記補正量以下の低補正量で補正をする対象となる低補正対象データを、前記色彩値に基づいて決定する低補正対象データ決定手段と、前記低補正量を前記色彩値に適用して前記低補正対象データの画質を補正する低補正実行手段とを備えるものとしても良い。
本発明によれば、低補正対象データに対して低補正量で補正をすることにより、主要被写体画像データの画像部分と他の画像部分との間に違和感が生じる事態を抑制し、画像全体としての調和を図ることができる。
前記低補正対象データは、前記画像データにおける前記主要被写体画像データ以外のデータであっても良い。また、前記低補正対象データは、少なくとも一部が前記主要被写体画像データに含まれているデータであっても良い。低補正対象データの少なくとも一部が主要被写体画像データに含まれている場合、その含まれている部分は、低補正実行手段により補正するものとしても良い。あるいは、画質調整手段により補正するものとしても良い。
本発明の第2の態様に係る画像処理装置において、前記主要被写体は、同一の主要被写体について異なる色域毎に複数個の主要被写体に類別され、前記基準色彩値は、類別された前記主要被写体毎に複数個用意されていても良い。かかる場合には、主要被写体画像データに対してさらに適合した画質調整を施すことが可能となり、主要被写体の画質をさらに向上させることができる。
本発明の第2の態様に係る画像処理装置において、前記画質調整手段は、類別された前記主要被写体の種類に応じて変更される計算式に従って、前記色彩値と基準色彩値との差分が解消または低減されるように補正量を決定する補正量決定手段と、前記決定された補正量を前記色彩値に適用して前記主要被写体データにおける少なくとも一部の画像データの画質を補正する画質補正手段とを備えものとしても良い。
これによれば、異なる色域毎に類別された主要被写体の種類に応じて、柔軟な画質調整をすることができる。
本発明の第2の態様に係る画像処理装置において、前記主要被写体画像データの特定は、前記画像データを複数の画像データ領域に分割し、各画像データ領域の位置情報と色域情報とを用いて実行されても良い。かかる場合には、主要被写体画像データの決定精度をより向上させることができる。
本発明の第1または第2の態様に係る画像処理装置において、前記色域は、色相、彩度、明度をパラメータとしても良い。かかる場合には、主要被写体の決定、類別をより精度良く実行することができる。
本発明の第3の態様は、画像処理方法を提供する。本発明の第3の態様に係る画像処理方法は、画像データにおける、画像を特徴付ける被写体である主要被写体に対応する主要被写体画像データを決定し、決定された主要被写体画像データの特性を取得し、前記取得された特性に対応する補正条件を取得し、前記取得された補正条件を用いて前記主要被写体画像データの画質を調整することを特徴として備える。
本発明の第3の態様に係る画像処理方法によれば、本発明の第1の態様に係る画像処理装置と同様の作用効果を得ることができると共に、本発明の第3の態様に係る画像処理方法は、本発明の第1の態様に係る画像処理装置と同様にして種々の態様にて実現され得る。
本発明の第4の態様は、画像を特徴付ける被写体である主要被写体の画質を向上させる画像処理方法を提供する。本発明の第4の態様に係る画像処理方法は、画像データにおける、前記主要被写体に対応する主要被写体画像データを特定し、前記特定された主要被写体画像データの色彩値を取得し、前記取得された色彩値を用いて前記主要被写体を類別し、前記類別された主要被写体に対応する基準色彩値を取得し、前記取得された色彩値と基準色彩値とを用いて前記主要被写体画像データの画質を調整することを特徴として備える。
本発明の第4の態様に係る画像処理方法によれば、本発明の第2の態様に係る画像処理装置と同様の作用効果を得ることができると共に、本発明の第4の態様に係る画像処理方法は、本発明の第2の態様に係る画像処理装置と同様にして種々の態様にて実現され得る。
本発明の第3または第4の態様に係る方法は、この他にも、プログラム、およびプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体としても実現され得る。
本実施例に係る画像処理装置を含む画像処理システムの概略構成を示す説明図である。 本実施例に係る画像処理装置の概略構成を示す説明図である。 本実施例に係るカラープリンタ40が備える制御回路41によって実現される機能モジュールのブロック図である。 処理対象となる画像の一例を模式的に示す説明図である。 本実施例に係るカラープリンタにおいて実行される主要被写体判定処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。 本実施例に係るカラープリンタにおいて実行される主要被写体の判定処理の過程を模式的に示す説明図である。 画像データの領域(画素データ群)の解析結果の一例を示す説明図である。 本実施例に係るカラープリンタにおいて実行される主要被写体の判定処理の他の過程を模式的に示す説明図である。 図8に続く主要被写体の判定処理の過程を模式的に示す説明図である。 画素データ群を示す色相を決定するために用いられる判定しきい値を格納するテーブルの一例を模式的に示す説明図である。 画素データ群(色域領域)に対応する被写体を決定するために用いられる被写体判定条件の一例を示す説明図である。 本実施例に係る画像処理装置によって実行される主要被写体に対する画質調整処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。 主要被写体に対する画質調整処理において用いられる類別色彩値および補正基準値を格納するテーブルの一例を示す説明図である。 主要被写体に対する画質調整処理において用いられる基準色彩値を格納するテーブルの一例を示す説明図である。 詳細に類別された主要被写体に対して画像調整処理を実行する際に用いられる各種の値を格納したテーブルを示す説明図である。 主要被写体画像データの彩度のヒストグラムである。 低補正対象データに関する説明図である。 低補正対象データBに関する下限値Dを示す説明図である。 限定した低補正対象データに適合する低補正量を示す説明図である。 画像データGDにおける補正対象範囲を示す説明図である。 低補正対象データのすべてが主要被写体画像データに含まれている場合の説明図である。 低補正対象データのすべてが主要被写体画像データに含まれている場合の補正対象範囲を示す説明図である。
以下、本発明に係る画像処理装置、および画像処理方法について図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
図1および図2を参照して本実施例に係る画像処理装置を含む画像処理システムについて説明する。図1は本実施例に係る画像処理装置を含む画像処理システムの概略構成を示す説明図である。図2は本実施例に係る画像処理装置の概略構成を示す説明図である。
画像処理システムは、画像データ生成装置としてのディジタルスチルカメラ10、画像データGDに対する画像処理を実行する画像処理装置としての表示装置20、パーソナルコンピュータ30、カラープリンタ40を備えている。
ディジタルスチルカメラ10は、光の情報をディジタルデバイス(CCDや光電子倍増管といった光電変換素子)に結像させることによりディジタル画像データを取得(生成)するカメラである。ディジタルスチルカメラ10は、例えば、各構成画素に対してR、G、Bの各フィルタが所定の規則に従って配置されたCCDを備え、被写体に対応したディジタル画像データを生成する。より具体的には、Rフィルタを有する画素においては、R成分の画素データを直接取得する他、周囲の画素データを基にしてG成分、B成分の画素データを補間演算によって生成する。生成された画像データは、記憶装置としてのメモリカードMCに保存される。ディジタルスチルカメラ10における画像データの保存形式としては、非可逆圧縮保存方式としてJPEGデータ形式、可逆圧縮保存方式としてTIFFデータ形式が一般的であるが、この他にもRAWデータ形式、GIFデータ形式、BMPデータ形式等の保存形式が用いられ得る。なお、画像データ生成装置としては、この他にもスキャナ等の撮像装置が用いられても良い。
表示装置20は、画像を表示するための表示ディスプレイ21を有する、例えば、電子式の写真フレームとして機能する表示装置であり、スタンドアローンにて後述するカラープリンタ40における画像処理と同等の画像処理を画像データに対して実行し、出力画像を表示する。表示装置20は、例えば、記憶媒体、赤外線通信および電波式通信といった無線通信を介して、あるいは、ケーブルを介してディジタルスチルカメラ10、ネットワーク上のサーバ(図示しない)から画像データを取得する。表示ディスプレイ21は、例えば、液晶表示ディスプレイ、有機EL表示ディスプレイであり、各表示ディスプレイパネル毎に独自の画像出力特性を有する。
パーソナルコンピュータ30は、例えば、汎用タイプのコンピュータであり、CPU、RAM、ハードディスク等を備えて、後述するカラープリンタ40における画像処理と同等の画像処理を実行する。パーソナルコンピュータ30は、この他にも、メモリカードMCを装着するためのメモリカードスロット、ディジタルスチルカメラ10等からの接続ケーブルを接続するための入出力端子を備えている。
カラープリンタ40は、カラー画像の出力が可能なプリンタであり、本実施例では、スタンドアローンにて、画像データに対する画像処理を実行して、画像を出力する。カラープリンタ40は、図2に示すように、制御回路41、入出力操作部42、印刷画像出力部43、メモリカードスロット44、データ入出力部45を備えている。
制御回路41は、画像データに対する画像処理、解析処理等の各種演算処理を実行する中央演算装置(CPU)411、画像処理が施された画像データ、演算結果等の各種データを一時的に格納するランダムアクセスメモリ(RAM)412、CPU111によって実行されるプログラム、画像を特徴付ける被写体である主要被写体を識別するための被写体判定条件の各パラメータを示すテーブル等を格納するリードオンリメモリ(ROM)/ハードディスクドライブ(HDD)413を備えている。
入力操作部42は、外部からの入力を受け付けるインターフェース部であり、例えば、キー操作部、スクロール操作部、タッチパネル式操作部として実現される。
印刷画像出力部43は、制御回路41から出力される印刷用画像データに基づいて、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の色インクを印刷媒体上に噴射してドットパターンを形成することによって画像を形成するインクジェット方式の印刷画像出力部である。あるいは、カラートナーを印刷媒体上に転写・定着させて画像を形成する電子写真方式の印刷画像出力部である。色インクには、上記4色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)、ブルー、レッドを用いても良い。
メモリカードスロット44は、各種メモリカードを装填するための装填部であり、メモリカードスロット14に装填されたメモリカードに対する読み出しまたは書き込みは、制御回路41によって実行される。
データ入出力部45は、接続ケーブルCV等が接続される端子、信号変換処理機能を有し、外部器機との間で画像データをやりとりするために用いられる。
図3を参照してカラープリンタ40が備える制御回路41によって実現されるモジュールの概略について説明する。図3は本実施例に係るカラープリンタ40が備える制御回路41によって実現される機能モジュールのブロック図である。なお、図3に示す各モジュールは、CPU411単独で、あるいは制御回路41として実現され、また、ハードウェア、ソフトウェアのいずれによっても実現され得る。
画像データは、画像データ取得モジュールM1によって制御回路41に取得され、主要被写体画像データ決定モジュールM2に送られる。主要被写体画像データ決定モジュールM2は、画像データを複数の領域(複数の画素データ群)に分割し、各分割領域毎に色域情報および位置情報を取得する。主要被写体画像データ決定モジュールM2は、取得した各分割領域の色域情報および位置情報と、主要被写体判別情報とを用いて、画像を特徴付ける主要被写体に対応する画像データの領域、すなわち主要被写体画像データを決定する。なお、主要被写体は、同一種または異種の主要被写体が画像中に1または複数存在し得る。
主要被写体および主要被写体に対応する画像データの領域が決定されると、特性取得モジュールM3は、主要被写体画像データについての特性(例えば、統計値、色彩値)を取得する。補正条件取得モジュールM4は、取得した主要被写体画像データの特性(例えば、統計値、色彩値)に対応する補正条件を取得する。補正条件は、各主要被写体種毎に複数用意されており、主要被写体の特性に応じてより適切な画質調整が可能となる。
画質調整モジュールM5は、取得した補正条件を適用して主要被写体画像データに対する画質調整処理を実行する。主要被写体が複数存在する場合には、画質調整モジュールM5は、各主要被写体に対応する画像データ領域に対して画質調整処理を実行する。画質調整モジュールM5はまた、補正条件として補正基準値を取得し、主要被写体画像データの特性値と補正基準値との差分を解消または低減するように補正量を決定し、決定した補正量を適用することで主要被写体画像データの画質を調整しても良い。補正のレベルの決定は、一律であってもよく、あるいは、画像データに関連づけられている画像データに対する画像処理条件を指定する画像処理制御情報に従って決定されても良い。
補正条件取得モジュールM4に代えて、主要被写体類別モジュールM6および基準色彩値取得モジュールM7を備えても良い。主要被写体類別モジュールM6は、取得した主要被写体対応データを用いて主要被写体をさらに詳細に、たとえば、明るい空、普通の空、暗い空に類別する。基準色彩値取得モジュールM7は、類別された主要被写体に対応する基準色彩値を取得する。すなわち、類別された主要被写体の理想的な色彩値、たとえば、明るい空、普通の空、暗い空の理想的な色彩値を取得する。
補正量決定モジュールM51は、主要被写体画像データおよび取得された基準色彩値との色域差を低減または解消するように補正量を決定する。補正のレベルの決定は、一律であってもよく、あるいは、画像データに関連づけられている画像データに対する画像処理条件を指定する画像処理制御情報に従って決定されても良い。
画質補正モジュールM52は、決定された補正量を主要被写体画像データに適用して、主要被写体画像データに対する画質補正を実行する。主要被写体が複数存在する場合には、画質補正処理は、各主要被写体に対応する画像データ領域に対して実行される。
画像出力モジュールM8は、画質調整が施された画像データを用いて出力画像を出力する。
図4〜図11を参照して、本実施例に係る画像処理装置としてのカラープリンタ40にて実行される主要被写体判別処理について説明する。図4は処理対象となる画像の一例を模式的に示す説明図である。図5は本実施例に係るカラープリンタにおいて実行される主要被写体判定処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。図6は本実施例に係るカラープリンタにおいて実行される主要被写体の判定処理の過程を模式的に示す説明図である。図7は画像データの領域(画素データ群)の解析結果の一例を示す説明図である。図8は本実施例に係るカラープリンタにおいて実行される主要被写体の判定処理の他の過程を模式的に示す説明図である。図9は図8に続く主要被写体の判定処理の過程を模式的に示す説明図である。図10は画素データ群を示す色相を決定するために用いられる判定しきい値を格納するテーブルの一例を模式的に示す説明図である。図11は画素データ群(色域領域)に対応する被写体を決定するために用いられる被写体判定条件の一例を示す説明図である。
本処理ルーチンの対象となる画像データGDは図4に示す画像に対応する画像データGDである。以下の説明で用いる、画像上方、画像中央、画像下方、画像縁部はそれぞれ図4に示す部位、領域を指す。
図5の処理ルーチンは、例えば、カラープリンタ40のメモリスロット44にメモリカードMCが差し込まれたとき、あるいは、ケーブルCVを介してカラープリンタ40にディジタルスチルカメラ10が接続されたときに開始される。
制御回路41(CPU411)は、画像処理を開始すると、選択された画像データGDを取得してRAM412に一時的に格納する(ステップS100)。一般的に、ディジタルスチルカメラ10において生成された画像データGDは、YCbCrデータであるため、CPU411は、選択された画像データGDが開かれるとYCbCrデータをRGBデータへと変換する。画像データGDの選択は、例えば、カラープリンタ40と有線または無線にて接続されているディジタルスチルカメラ10上において行われていても良く、あるいは、カラープリンタ40上において、メモリカードMCに格納されている画像データGDの中から選択されても良い。さらには、ネットワークを介してサーバ上に格納されている複数の画像データGDから選択されても良い。
CPU411は、選択された画像データGDを図6に示すように複数の領域、例えば64の領域(画素データ群)に分割する(ステップS110)。ただし、図6は説明を容易にするため画像データGDがメモリ上に展開された仮想状態を模式的に示している。具体的に説明すると、画像データGDは複数の画素データから構成されており、各画素データには、例えば、x−y座標で示される位置情報が割り振られている。そこで、位置情報を利用して、画像を複数の領域に分割した各領域と各領域に対応する画素データ群とを対応付けることで、図6に示すように画像の分割領域と画像データGDの仮想的な分割領域とを対応付けることができる。本明細書中では、画像の分割領域に併せて分割された画像データGDの分割単位を、画像データGDの領域または画素データ群という。
CPU411は、画像データGDを領域単位にて解析し(ステップS120)、画像データGDの各領域の色域(色彩値)を決定する(ステップS130)。以降の説明では説明を簡潔にするため、色域のパラメータとして色相を用いる場合について説明する。具体的には、CPU411は、例えば、RGB画像データGDをHSV画像データに変換し、画像データの各領域単位にて色相について、図7に示すようなヒストグラムを生成する。ここで、HSV色空間は、色相H、彩度S、輝度Vによって画像データGDを表す色空間である。画像データGDの色相Hは、この他にもHSL色空間へと画像データGDを変換することによっても得ることができる。RGB画像データGDをHSV画像データへと変換するにあたっては、R,G,B成分を有する各画素データに対して以下の式(1)〜(3)が適用される。
Figure 2010233236
ここで、Vmax=max{R,G,B}、Vmin=min{R,G,B}である。Vmax=Vminの場合には、色相は不定(無彩色)となる。また、色相H<0の場合には、算出された色相Hに2πを加える。この結果、色相Hの値域は0〜2πとなるが、本実施例では、値域を0〜360度として色相Hを表す。
図7に示すヒストグラムにおいて、肌色に対応する色相範囲はRfl、緑色に対応する色相範囲はRgr、空色に対応する色相範囲はRsk、赤色に対応する色相範囲はRrdにてそれぞれ示されている。図7に例示するヒストグラムでは、空色の色相が高い頻度で現れており、解析の対象となった画像データGDの領域が空を中心とする被写体に対応するものであることが推察できる。
CPU411は、画像データGDの各領域を構成する全画素データ数に対する特定の色相を示す画素データ数の割合を求め、その中で最も高い割合を示す特定の色相範囲の割合を最大割合Humaxに決定する。具体的には、各画素データは、R、G、B成分によって特定の色相を表しているので、特定の色相について各色相を示す画素データ数をそれぞれ算出し、次の式(4)を用いて、画像データGDの各領域における各色相の割合Hurateを算出する。
Figure 2010233236
CPU411は、各色相の割合Hurateと画像データGDの各領域の色相(各領域を代表する色相、各領域が示す色相)を判定するための色相判定しきい値(Huref_sk、Huref_gr、Huref_fl、Huref_rd)を用いて(図10参照)、画像データGDの各領域の色相を決定する。ここで、色相判定しきい値は、色相毎に値が異なっており、複数の色相が色相判定しきい値を満たす場合には、例えば、より低い(小さい)値の色相判定しきい値に対応する色相を、画像データGDの領域の色相とすればよい。
CPU411は、画像データGDの各領域について色相を決定すると、隣接する同一色域の領域を関連付けて、色域領域を決定する(ステップS140)。ここで、色域領域は、画像データ上における主要被写体に対応する領域、すなわち、主要被写体画像データと同義である。色域領域の決定は、具体的には次の通り実行される。図6に示すように、左上の領域(0,0)から矢印Xが示す方向へと各領域を走査して各領域の色域を判定し、同一の色域の領域については同一の符号を付していく。図6の例では、空色の色相を示す領域にはSn、肌色の色相を示す領域にはFnの符号、赤色の色相を示す領域にはRnが付される(nは同一色相の色域領域を区別するための番号)。CPU411は、右上の領域(7,0)に到達したところで、矢印Yが示す方向へ1つ移動し、同様にして矢印Xが示す方向へと領域の走査、領域の色域の判定を右下の領域(7,7)まで繰り返して実行する。図6の例では、空色の色域を示す色域領域が2つ(A1、A2)存在し、肌色の色域を示す色域領域が1つ(A3)存在する。CPU411は、主要被写体画像データに対する画質調整時に利用するために、各色域領域(主要被写体画像データ)についての色域の値をRAM412に一時的に格納する。
色域領域の決定処理の他の例について、図8および図9を参照して説明する。図8に示すように、この他の例では、当初、空色の色域を示す色域領域が3つ(A4、A5、A6)存在し、肌色の色域を示す色域領域が1つ(A7)存在する。これは、領域(0,3)の隣接領域に空色を示す領域が存在しないからである。しかしながら、領域(0,3)から始まる空色の色域領域A5は領域(7,3)において空色の色域領域A4の領域(7,2)と隣接する。そこで、CPU411は、図9に示すように、空色の色域領域A4と空色の色域領域A5は同一の色域領域A4であると判定し、色域領域A5の各領域にはS1の符号をふり直し、新たに色域領域A4を決定する。
CPU411は、色域領域を決定すると、各色域領域、例えば、図6においてはA1〜A3の位置情報を取得する(ステップS150)。既述の通り、各領域を構成する画素データには予め位置情報が割り振られているので、例えば、この位置情報を利用して各色域領域の境界位置を特定し、各色域領域の位置情報として取得する。
CPU411は、ROM/HDD413から位置条件(被写体判定条件)を取得する(ステップS160)。位置条件(被写体判定条件)は、色域領域が所定の被写体に該当するか否かを、色域領域の色域と位置情報にて判定するために用いられる判定条件であり、例えば、図11に示すようなテーブルとしてROM/HDD413に格納されている。具体的な手法の一例について説明する。
CPU411は、先ず色域領域の色相に基づいて、各色域領域に対応する主要被写体候補を「空、緑、人」のいずれかに絞る。図6の例では、色域領域A1、A2は空色を示すため、「空」が主要被写体候補となり、色域領域A3は肌色を示すため、「人(顔)」が主要被写体候補となる。
CPU411は次に、色域領域A1、A2の位置情報と、空に対応する位置条件とを対比して主要被写体を決定し(ステップS170)、本処理ルーチンを終了する。位置条件は、空に対しては画像上方かつ画像縁部と接していることが、緑色に対しては画像下方かつ画像縁部と接していることが、肌色に対しては画像中央であることが規定されている。言い換えれば、位置条件は、空に対しては領域(x,0):0≦x≦7、領域(0,y):0≦y≦2、領域(7,y):0≦y≦5のいずれかを含むことが規定されている。また、緑に対しては領域(x,7):0≦x≦7、領域(0,y):4≦y≦7、領域(7,y):4≦y≦7のいずれかを含むことが規定されている。さらに、人に対しては領域(x,y):2≦x≦5、2≦y≦5のいずれかを含むことが規定されている。
この条件を考慮すると、色域領域A1は、位置条件を満たす領域、例えば、領域(0,0)を含むので、対応する主要被写体は「空」であると決定することができる。一方、色域領域A2は、位置条件を満たす領域を含んでいないので、対応する主要被写体は「空」でないと決定することができる。色域領域A2は、例えば、空色の被服に該当する。
色域領域A3は、位置条件を満たす領域、例えば、領域(3,4)を含むので、対応する主要被写体は「人(顔)」であると決定することができる。
・主要被写体に応じた画質の調整
図12および図13を参照して判別された主要被写体に対応する画像データに対する画像処理について説明する。図12は本実施例に係る画像処理装置によって実行される主要被写体に対する画質調整処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。図13は主要被写体に対する画質調整処理において用いられる類別色彩値および補正基準値を格納するテーブルの一例を示す説明図である。
CPU411は、主要被写体画像データの判定処理が終了した画像データGDを取得し(ステップS200)、特定された主要被写体画像データ(画像データ上の主要被写体に対応する領域、色域領域)における色彩値を取得する(ステップS210)。なお、主要被写体画像データの色彩値は、主要被写体画像データを判定する際に取得し、RAM412に格納済みである。
CPU411は、主要被写体画像データの色彩値に基づいて、主要被写体を類別する(ステップS220)。すなわち、主要被写体画像データに対してより適切な画質調整処理を施すために、同一種の主要被写体を更に詳細な主要被写体に分類する。図13の例では、空について、さらに詳細に、明るい空(薄曇りの空)、普通の空、暗い空(快晴の夏空)に分類するためにの類別色彩値が例示されている。類別色彩値は、例えば、複数の画像について統計的に求められた値が用いられる。具体的には、CPU411は、次の式(5)を用いて、主要被写体画像データの色彩値(H,S,B)と図13に示す類別色彩値(Hcs,Scs,Bcs)との差分C(距離)を求め、差分C(距離)の最も小さい類別色彩値に対応する主要被写体を、主要被写体画像データが対応する詳細な主要被写体とする。ここで、ΔH=Hcs−H、ΔS=Scs−S、ΔB=Bcs−Bである。
Figure 2010233236
CPU411は、類別された主要被写体(詳細な主要被写体)に対応する補正基準値を取得する(ステップS230)。補正基準値は、たとえば、図13に示すように、類別された各詳細主要被写体毎に、各種画質パラメータについて、各詳細主要被写体が最も見栄えよく出力されように設定されている。すなわち、補正基準値は、詳細主要被写体に関して理想的な各種画質パラメータの値を規定している。ここで、画質パラメータは、画像データの画質に関わるパラメータであり、例えば、シャドウ、ハイライト、明度、コントラスト、カラーバランス、記憶色補正のパラメータが含まれる。
CPU411は、以降、RGBデータの画像データGDに対して各種処理を実行する。CPU411は、主要被写体画像データを解析して、主要被写体画像データの特性値(統計値)を取得する(ステップS240)。特性値(統計値)には、例えば、主要被写体画像データ中におけるR、G、B成分のヒストグラム、最大輝度、最小輝度等が含まれる。
CPU411は、主要被写体画像データの特性値と取得した補正基準値とを用いて、両者の差分を低減または解消するように補正量を算出する(ステップS250)。主要被写体画像データの特性値と取得した補正基準値の差分の低減の度合い、すなわち、補正のレベルの決定は、一律であってもよく、あるいは、画像データGDに画像処理制御情報が関連付けられている場合には、画像処理制御情報によって規定されている補正レベルに従って決定されても良い。ここで、画像処理制御情報は、関連付けられている画像データに対する画像処理条件を指定する情報であり、例えば、画質に関わる一または複数のパラメータの値が含まれている。
CPU411は、算出された補正量を適用して主要被写体画像データに対する画質調整を実行する(ステップS250)。画質調整処理は、例えば、シャドウ、ハイライト、明度、コントラスト、カラーバランス、記憶色補正の各画質パラメータについては、撮像画像データGDのRGB成分の入力レベルと出力レベルとを対応付けるトーンカーブ(Sカーブ)を用いて実行される。トーンカーブを用いた画質調整処理では、各画質調整パラメータに対する補正量を用いて、RGB成分またはR、G、Bの各成分について各トーンカーブが変更される。
具体的には、トーンカーブには、実験的に、各画質パラメータについて、補正量を適用するポイントが定められており、補正量が適用されることによって、そのポイントにおけるトーンカーブの通過点が変更され、入力−出力特性が変更される。したがって、主要被写体画像データに対して、変更後のR、G、B各トーンカーブを適用すれば、主要被写体画像データのRGBの各成分について入力−出力変換が行われ、画質が調整された主要被写体画像データが得られる。
各画質パラメータに対する補正量を用いた画質調整処理(自動画質調整処理)についてまとめれば、例えば、以下のように具体的に実行される。なお、基準値とは補正基準値を意味する。
・コントラスト、シャドー、ハイライトについては、主要被写体画像データからシャドウポイントとハイライトポイントとを検出して基準値に基づき補正量を決定し、決定された補正量を用いてヒストグラムの伸張を実行する。また、輝度標準偏差に基づいて補正量を求め、求めた補正量を用いてトーンカーブを変更(補正)する。
・明るさについては、主要被写体画像データの領域から計算される輝度値に基づいて、画像が暗い(露出不足)か明るい(露出超過)であるかを判定し、基準値に基づいて補正量を取得し、取得した補正量を用いてトーンカーブの補正を実行する。
・カラーバランスについては、主要被写体画像データのR成分、G成分、B成分の各ヒストグラムからカラーバランスの偏りを分析し、R成分、G成分、B成分の各トーンカーブからRGB各成分に対する基準値に基づいてそれぞれの補正量を取得し、取得した補正量を用いてカラーバランスを調整する。
・彩度については、主要被写体画像データの彩度分布を分析し、基準値に基づいて補正量を決定し、決定した修正補正量を用いて、彩度の強調を実行する。
・シャープネスについては、主要被写体画像データの周波数とエッジの強度分布を解析し、基準値に基づいてアンシャープマスクの適用量(補正量)を決定し、決定された補正量(適用量)にてアンシャープマスクを実施することにより画質調整が実行される。基準値は、周波数分布に基づいて決定され、高周波画像データ(風景、植物等)ほど基準値が小さくなり、低周波画像データ(人物、空等)ほど基準値が大きくなる。また、アンシャープマスクの適用量は、エッジ強度分布に依存しており、ぼけた特性を有する画像データほどその適用量が大きくなる。
CPU411は、先に判別された全ての主要被写体について画質調整処理が完了したか否かを判定し(ステップS270)、画質調整処理を行うべき主要被写体が残っている場合には(ステップS270:No)、ステップS210〜ステップS260を再度実行する。CPU411は、画質調整処理を行うべき主要被写体が残っていないと判定した場合には(ステップS270:Yes)、印刷用画像データを生成し(ステップS280)、本処理ルーチンを終了する。
以上説明したとおり、本実施例に係る画像処理装置としてのカラープリンタ40によれば、画像データ全体ではなく、判別された主要被写体に対応する主要被写体画像データ毎に画質調整処理を実行することができる。したがって、画像に含まれる、各主要被写体に対して、それぞれ見栄えが良くなる画質調整処理を施すことができる。画像を特徴付ける被写体である主要被写体の見栄え(画質)が向上することによって、出力画像全体の画質をも向上させることができる。
また、判別された主要被写体をさらに詳細に分類し、分類された主要被写体毎に最適な画質調整処理を実行することができる。すなわち、特定された主要被写体をさらに特徴付けることによって、主要被写体画像データに対する画質調整処理の精度を向上させることができる。例えば、「空」が主要被写体である場合には、明るい空、普通の空、暗い空、鮮やかな空、くすんだ空、青い空、赤い空ではそれぞれ、見栄えが良い、画質が高いとされる基準は異なる。したがって、同じ空であっても、どのような「空」であるかをより詳細に特定し、特定された空に最も適した画質調整処理を実行することによって、主要被写体の見栄えをさらに向上させることができる。
・その他の実施例:
(1)上記実施例では、主要被写体画像データに対する画質調整処理がRGBデータの主要被写体画像データに対して、すなわち、RGB色空間にて、実行されているが、HSV画像データの主要被写体画像データ、すなわち、HSV色空間にて実行されてもよい。かかる場合には、CPU411は、主要被写体画像データの色彩値と基準色彩値とを用いて、両者の差分を低減または解消するように補正量を算出する。基準色彩値は、詳細主要被写体画像を見栄え良く出力するための色彩値であり、例えば、図14に示すように、類別された各詳細主要被写体画像に対して、色相H、彩度S、明度(輝度)Vについてそれぞれ規定されている。図14は主要被写体に対する画質調整処理において用いられる基準色彩値を格納するテーブルの一例を示す説明図である。
色彩値を用いた補正量の決定処理は、両色彩値の差分を低減または解消するように実行され、両色彩値の差分の低減の度合い、すなわち、補正のレベルの決定は、一律であってもよく、あるいは、画像データGDに画像処理制御情報が関連付けられている場合には、画像処理制御情報によって規定されている補正レベルに従って決定されても良い。色彩値を用いる場合には、HSV色空間にて画質調整処理が実行されるので、より正確な画質調整処理を実行することができる。すなわち、画質調整処理の精度を向上させることができる。
HSB色空間において画質調整処理が実行される場合には、基準色彩値を用いることなく、類別色彩値を用いて補正量を決定しても良い。すなわち、類別色彩値と基準色彩値とは、必ずしも別の色彩値である必要はなく、詳細主要被写体の理想、目標となるべき色彩値を類別色彩値として用いる場合には、基準色彩値としても用いられ得る。かかる場合には、主要被写体画像の類別処理と補正量の決定処理を同時に実行することができる。
(2)上記実施例において、一の画像データ中に異なる種類の主要被写体画像データが含まれる場合には、異種主要被写体画像データの存在を考慮して各主要被写体画像データに適用される補正量を決定しても良い。かかる場合には、画質調整によって各主要被写体画像データがそれぞれ目立ってしまう(浮き上がってしまう)事態を抑制し、画像全体としての調和を図ることができる。具体的には、例えば、各主要被写体画像データの境界部分における補正量を低減させたり、補正の指標となる補正基準値、基準色彩値として、各主要被写体の相互距離に応じて重み付処理が施された補正基準値、基準色彩値を用いることによって実行され得る。
(3)上記実施例では「空」を主要被写体の例として用いているが、この他にも、「人(顔)、「植物」等についても同様の効果を得ることができる。例えば、「人(顔)」の場合には、薄ピンク系の肌、薄黄色系の肌、濃い黄色系の肌、濃い茶系の肌とに分類することが可能である。また、「植物」の場合には、淡い緑(新緑)、濃い緑(常緑樹)、中間の緑とに分類することが可能である。
(4)上記実施例では、色域領域の位置情報として色域領域を構成する各領域の位置情報を用いているが、色域領域を構成する各画素データの位置情報を用いても良い。かかる場合には、より具体的に、位置条件との対比を行うことが可能となり、色域領域の位置判定精度をさらに向上させることができる。
上記実施例では、主要被写体の判定に際して、同一色域を有する隣接領域を関連付けた色域領域を用いているが、色域領域を用いることなく領域単位、または画素データ単位にて主要被写体の判定を行っても良い。領域単位で主要被写体の判定が行われる場合には、先ず、各領域について対応する主要被写体を決定し、後に同一の主要被写体に対応する全領域をまとめることにより、主要被写体に対応する画像データGDの領域を形成することができる。より詳細には、位置条件(被写体判定条件)として、所定の主要被写体に対応する領域が満たすべき領域の色域および位置情報を規定しておき、各領域の色域および位置情報と対比することによって実行される。
あるいは、画素データ単位で主要被写体の判定が行われる場合には、先ず、各画素データについて対応する主要被写体を決定し、後に同一の主要被写体に対応する全画素データをまとめることにより、主要被写体に対応する画像データGDの領域(画素データ群)を形成することができる。より詳細には、位置条件(被写体判定条件)として、所定の主要被写体に対応する画素データが満たすべき領域の色域および位置情報を規定しておき、各画素データの色域および位置情報と対比することによって実行される。かかる場合には、色域および位置の両面から、より正確に主要被写体を特定することができる。
(5)上記実施例では画像データGDの各領域(画素データ群)の色域のパラメータとして色相Hのみを用いた場合について説明しているが、色相Hに加えて、彩度S、明度(輝度)Vの少なくとも1つをパラメータとして加え、総合的に判断しても良い。さらに、HSV色空間に代えて、RGB色空間、または、YCbCr色空間にて、画像データGDの各領域(画素データ群)の色域を特定しても良い。
(6)上記実施例では、画像処理装置として、カラープリンタ40が用いられているが、この他にも、表示装置20、パーソナルコンピュータ30が用いられても良い。かかる場合にも上記実施例と同等の効果を得ることができる。
(7)上記実施例では、画像処理がソフトウェア的に、すなわちコンピュータプログラムの態様にて実行されているが、上記各処理(ステップ)を実行する論理回路を備えた画像処理ハードウェア回路を用いて実行されてもよい。かかる場合には、411の負荷を軽減することができると共に、より高速な各処理を実現することができる。画像処理ハードウェア回路は、例えば、表示装置20およびカラープリンタ40に対しては実装回路として、パーソナルコンピュータ30に対してはアドオンカードとして実装され得る。
(8)以下、上記その他の実施例(1)の一例を詳細に説明する。一例において、主要被写体画像データが他の画像データから浮き上がる事態を、低補正対象データを設けることにより抑制する方法についても説明する。図15は、詳細に類別された主要被写体に対して画像調整処理を実行する際に用いられる各種の値を格納したテーブルを示す説明図である。詳細に類別された主要被写体は、以下、類別主要被写体と呼ぶ。格納されている各種の値は、「類別色彩値」「基準色彩値」「係数」である。「係数」については後述する。これらの値を用いて補正量及び低補正対象データを算出する。なお、図15における類別主要被写体の種類は(3)で述べたものである。
補正量の算出においては、主要被写体画像データの色彩値と類別色彩値に基づいて、主要被写体を類別した後(図12のステップS220)、基準色彩値と主要被写体画像データの色彩値の差分を求める。ここでいう主要被写体画像データの色彩値とは、主要被写体画像データの各画素における色彩値の平均値である。以下、その平均値を(AveH,AveS,AveV)と示す。
なお、彩度や明度に関する色彩値及び基準色彩値は、0以上100以下の数値で表現し、色彩値及び基準色彩値が大きい値であればあるほど、彩度や明度が高いことを示す。色相に関する色彩値及び基準色彩値は、0以上360以下の数値で表現する。色相環において、色相レッドの値を0で表現し、レッド→イエロ→グリーン→シアン→ブルー→マゼンタ→レッドと色相環を周回するに従って色相を表現する値を大きくする。色相環を1周してレッドに戻ったところで、色相レッドは360で表現する。つまり、色相レッドは0または360で表現する。
主要被写体が「明るい空」と類別された場合、基準色彩値と主要被写体画像データの色彩値の差分(difH,difS,difV)は、図15のテーブルを参照し、式(6a)〜式(6c)に従って求めることができる。
difH = Hrefsb ― AveH ・・・(6a)
difS = Srefsb ― AveS ・・・(6b)
difV = Vrefsb ― AveV ・・・(6c)
差分の正負により、補正の方向が定まる。すなわち、彩度や明度などの差分が正の場合は、彩度や明度などを上げる方向に補正し、彩度や明度などの差分が負の場合は、彩度や明度などを下げる方向に補正する。色相の差分が正の場合は、色相値を大きくする方向に色相を補正し、色相の差分が負の場合は、色相値を小さくする方向に補正する。色相値を大きくする方向は、色相環における、イエロ→シアンの方向や、シアン→マゼンタの方向や、マゼンタ→イエロの方向である。色相に関する色彩値を小さくする方向は、色相環における、シアン→イエロの方向や、マゼンタ→シアンの方向や、イエロ→マゼンタの方向である。
次に、求められた差分に「係数」を掛けて、仮補正量を求める。「係数」は、図15に示したように「色相」「彩度」「明度」についてそれぞれ2種類存在する。差分(difH,difS,difV)が、正の場合は括弧内における左側の係数を使用し、負の数の場合は括弧内における右側の係数を使用する。すなわち、図15では補正の方向に応じた係数が定められている。「明るい空」の仮補正量(traH,traS,traV)は、図15のテーブルの一行目を参照し、式(7a1)〜式(7c2)に従って求めることができる。
(if difH≧0) traH = difH × 0 ・・・(7a1)
(if difH<0) traH = |difH| × 1 ・・・(7a2)
(if difS≧0) traS = difS × 0 ・・・(7b1)
(if difS<0) traS = |difS| × 1 ・・・(7b2)
(if difV≧0) traV = difV × 0 ・・・(7c1)
(if difV<0) traV = |difV| × 0 ・・・(7c2)
補正量(enhH,enhS,enhV)は、仮補正量の平方根である。この理由は、補正量の変化が緩やかになるようにするためである。即ち、補正量は以下の式(8a)〜式(8c)により求めることができる。
enhH = sign(difH)・(traH)1/2 ・・・(8a)
enhS = sign(difS)・(traS)1/2 ・・・(8b)
enhV = sign(difV)・(traV)1/2 ・・・(8c)
ここで、sign(x)は任意の数xの符号を示す関数であり、x>0であればsign(x)は+1、x<0であればsign(x)は−1、x=0であればsign(x)は0を示す。ここでは、補正量(enhH,enhS,enhV)は仮補正量の平方根にするものとしたが、これに限らず、補正量(enhH,enhS,enhV)に仮補正量をそのまま用いるものとしても良い。
なお、補正量(enhH,enhS,enhV)は式(9a)〜式(9c)で表現することができる。
enhH = sign(difH)・(|difH|×A1)1/2 ・・・(9a)
enhS = sign(difS)・(|difS|×A2)1/2 ・・・(9b)
enhV = sign(difV)・(|difV|×A3)1/2 ・・・(9c)
ここで、A1は色相の係数、A2は彩度の係数、A3は明度の係数である。
以上の補正量算出方法では、係数A1〜A3に、類別主要被写体の種類、及び補正の方向(色彩値の差分(difH,difS,difV)の正負)に応じて適正な値を設定することで、類別主要被写体の種類及び補正の方向に応じた補正量を算出することができる。なお、ここでは、類別主要被写体の種類及び補正の方向に応じた補正量を算出しているが、類別主要被写体の種類及び補正の方向のうちの少なくとも一方に応じた補正量を算出するものとしても良い。補正の方向のみに応じた補正量を算出する場合は、主要被写体が詳細に類別されている必要はなく、主要被写体は少なくとも「空」「緑」などに類別されていれば良い。
類別主要被写体の種類及び補正の方向のうちの少なくとも一方に応じた補正量を算出する方法は、以上のように係数A1〜A3を用いる方法に限らず、一般に、類別主要被写体の種類及び補正の方向のうちの少なくとも一方に応じて変更される計算式に従って補正量を算出するものとしても良い。
式(9a)〜式(9c)において、補正量(enhH,enhS,enhV)は、基準色彩値と主要被写体画像データの色彩値の差分(difH,difS,difV)を低減または解消するように決定されており、色彩値の差分の低減の度合いは、係数A1〜A3(以下、まとめて係数Aという)の値を変更することにより調整可能であることが分かる。係数Aは、実際の主要被写体画像データの色彩値をどの程度変更するかを示し、主要被写体画像データが画像全体の中で違和感を生じないように、類別主要被写体の種類及び補正の方向に応じて設定される。
ここでの例では、係数Aとして0,1,2,4のいずれかの値を設定することにより補正量を算出する。例えば、A=0の場合は補正をしないことを意味し、A=1の場合は、普通程度の補正を、A=2の場合はやや強い補正を、A=4の場合は強い補正をすることを意味する。
なお、式(9a)より、A>|difH|の場合は、補正量の絶対値|enhH|が、基準色彩値と主要被写体画像データの色彩値の差分の絶対値|difH|より大きくなるので、主要被写体画像データの色彩値が基準色彩値までも越える補正を行なうことになる。また、主要被写体画像データの色彩値を変更しすぎると、主要被写体画像データの画像部分に違和感が生じてしまう。よって、係数Aは一般に大きく設定しすぎない方が良い。ここでは係数Aの上限は4に設定した。彩度Sや明度Vに対しても同様である。
以下、係数Aの値を図15のように設定した理由のいくつかについて述べる。
1 主要被写体が「空」の場合
1.1 色相
difHが正の場合には、色相をシアン→マゼンタ方向に補正すべきことを意味している。しかし、類別主要被写体が「明るい空」の場合、シアン→マゼンタ方向に過度に補正をすると、色相が空全体の中でマゼンタに近い部分(例えば雲)が、赤みがかるという不都合が生じる。よって、類別主要被写体が「明るい空」の場合、シアン→マゼンタ方向の補正は行なわないものとし、係数Aは「0」に設定した。
difHが負の場合には、色相をマゼンタ→シアン方向に補正すべきことを意味している。しかし、類別主要被写体が「暗い空」の場合、マゼンタ気味のままにしておいた方が濃さがあって好ましいため、マゼンタ→シアン方向の補正は行なわないものとし、係数Aは「0」に設定した。
1.2 彩度
difSが正の場合には、彩度を上げる方向に補正すべきことを意味している。しかし、類別主要被写体が「明るい空」の場合、明るい空は比較的淡く、元々彩度が高めであるから、彩度を過度に上げると、空の彩度が高くなり過ぎて画像全体から違和感が生じてしまう可能性がある。よって、彩度は上げないものとし、係数Aは「0」に設定した。一方、類別主要被写体が「暗い空」の場合、元々彩度が低めであるから、彩度を高くして空を強調するために、係数Aは「2」に設定した。
difSが負の場合には、彩度を下げる方向に補正すべきことを意味している。しかし、類別主要被写体が「明るい空」の場合、彩度を過度に下げると比較的淡い空が濃くなり、画像が不自然で見映えが悪くなる可能性がある。よって、彩度は過度に下げないものとし、係数Aは「1」に設定した。類別主要被写体が「暗い空」の場合、元々彩度が低めであるから、彩度を下げるとより濃くなり、画像の見映えが悪くなる可能性がある。よって、彩度は下げないものとし、係数Aは「0」に設定した。
なお、「明るい空」は補正によって画像全体の中で違和感を生じやすいので、補正量は全体的に小さい方が良く、係数Aは小さく設定している。「暗い空」は、補正量を大きくしても画像全体の中で違和感を生じにくいので、係数Aは大きい値に設定しても良い。
2 主要被写体が「緑」の場合
2.1 色相
difHが正の場合には、色相をイエロ→シアン方向に補正すべきことを意味している。しかし、類別主要被写体が新緑などの「淡い緑」の場合、新緑は黄緑に近い方が映えるため、普通程度の補正をするものとし、係数Aは「1」に設定した。類別主要被写体が常緑樹などの「濃い緑」の場合、青緑に近づけた方が映えるため、強い補正をするものとし、係数Aは「4」に設定した。
2.2 彩度
difSが正の場合には、彩度を上げる方向に補正すべきことを意味している。しかし、類別主要被写体が「淡い緑」の場合、淡い緑は元々彩度が高めであるから、彩度を過度に上げると彩度が高くなり過ぎて画像全体から違和感が生じてしまう可能性がある。よって、彩度は過度に上げないものとし、係数Aは「1」に設定した。一方、類別主要被写体が「濃い緑」の場合、元々彩度が低めであるから、彩度を高くして緑を強調するために、係数Aは「4」に設定した。
difSが負の場合には、彩度を下げる方向に補正すべきことを意味している。しかし、類別主要被写体が「淡い緑」の場合、彩度を下げると「淡い緑」が濃くなり、画像が不自然で見映えが悪くなる可能性がある。よって、彩度は下げないものとし、係数Aは「0」に設定した。類別主要被写体が「濃い緑」の場合、元々彩度が低めであるから、彩度を下げるとより濃くなり、画像の見映えが悪くなる可能性がある。よって、彩度は下げないものとし、係数Aは「0」に設定した。
なお、「淡い緑」は、補正によって画像全体の中で違和感を生じやすいので、補正量は全体的に小さい方が良く、係数Aも小さく設定している。「濃い緑」は、補正量を大きくしても画像全体の中で違和感を生じにくいので、係数Aも大きい値に設定しても良い。
3 主要被写体が「肌」の場合
3.1 色相
difHが正の場合には、色相をマゼンタ→イエロ方向に補正すべきことを意味している。しかし、類別主要被写体が「薄ピンク系の肌」の場合、イエロ方向に補正すると青かぶりする可能性がある。そこで、補正をしないものとし、係数Aは「0」に設定した。
3.2 彩度
difSが正の場合には、彩度を上げる方向に補正すべきことを意味している。しかし、類別主要被写体が「薄ピンク系の肌」の場合、元々彩度が高めであるから、彩度を過度に上げると彩度が高くなり過ぎて画像全体から浮いてしまい不自然になる。よって、彩度は上げないものとし、係数Aは「0」に設定した。
difSが負の場合には、彩度を下げる方向に補正すべきことを意味している。しかし、類別主要被写体が「濃い黄色系の肌」の場合、元々彩度が低めであるから、彩度を過度に下げると顔色が悪くなる。よって、彩度は下げないものとし、係数Aは「0」に設定した。類別主要被写体が「濃い茶色系の肌」の場合も、元々彩度が低めであるから、彩度を過度に下げると顔色が悪くなる。よって、彩度は下げないものとし、係数Aは「0」に設定した。
3.3 明度
difVが正の場合には、明度を上げる方向に補正すべきことを意味している。肌は明るい方がユーザに好まれるため、普通程度の補正をするものとし、係数Aは「1」に設定した。
difVが負の場合には、明度を下げる方向に補正すべきことを意味している。しかし、類別主要被写体が「濃い茶色系の肌」の場合は、白飛びの時などに有効であるため、普通程度の補正をするものとし、係数Aは「1」に設定した。
なお、「薄ピンク系の肌」は、補正によって画像全体の中で違和感を生じやすいので、補正量は全体的に小さい方が良く、係数Aも小さく設定している。
主要被写体画像データに対しては、補正量(enhH,enhS,enhV)で補正を行なうものとする。次に、補正量(enhH,enhS,enhV)から低補正対象データを求める。ここで、「低補正対象データ」とは、画像データGD中のデータであって、補正量(enhH,enhS,enhV)以下の低補正量で補正をする対象となるデータのことである。低補正対象データを求めるために、まず、主要被写体画像データにおける彩度の最大値Smaxと最小値Sminを求める。なお、ここでは彩度についての例を説明するが、明度や色相に対しても彩度と同様の処理を行なう。
図16は、主要被写体画像データの彩度のヒストグラムである。彩度は0〜100の値に設定されている。本実施例における主要被写体画像データの彩度の最大値Smaxは「80」、最小値Sminは「50」である。
図17は、低補正対象データに関する説明図である。横軸は彩度であり、縦軸は彩度の補正量である。図17では、50以上80以下の範囲が主要被写体画像データの彩度に相当し、主要被写体画像データに対しては、補正量enhSで補正を行なうことを示している。そして、主要被写体画像データの彩度の近傍の彩度を有するデータを低補正対象データとする。
図17(a)に低補正対象データとして低補正対象データAと低補正対象データBを示した。主要被写体画像データと、低補正対象データAと、低補正対象データBを併せた補正対象範囲は、図17(a)において斜線で示した範囲のデータである。
低補正対象データAは、画像データGD中のデータであって、その彩度Shが以下の不等式(10a),(10b)を共に成立させるデータである。
Smax < Sh ≦ Smax+enhS×10 ・・・(10a)
Sh ≦ 100 ・・・(10b)
一方、低補正対象データBは、その彩度Shが、以下の不等式(10c),(10d)を共に成立させるデータである。
Smin―enhS×10 ≦ Sh < Smin ・・・(10c)
0 ≦ Sh ・・・(10d)
彩度は0以上100以下の値であるため、不等式(10b),(10d)が設定されている。また、不等式(10a),(10b)から分かるように、低補正対象データは主要被写体画像データの彩度の最大値Smaxと最小値Sminと、補正量enhSに基づいて決定する。不等式(10a),(10c)に用いるenhS×10は、経験値であり、これ以外の値も適用可能である。
低補正対象データに対しては、主要被写体画像データに対する補正量enhSより小さい補正量(以下、低補正量と呼ぶ)で彩度の補正を行なう。具体的には、低補正対象データAの低補正量は、図17(a)の太線Aのように、彩度が増加するに従って補正量enhSを直線的に減少させ、彩度がSmax+enhS×10であるデータに対する低補正量が0になるよう設定する。つまり、低補正対象データAの彩度の低補正量y1を示す式は、式(11)になる。
y1 =― Sh/10+enhS+Smax/10 ・・・(11)
一方、低補正対象データBの低補正量は、図17(a)の太線Bのように、彩度が減少するに従って補正量enhSを直線的に減少させ、彩度がSmin―enhS×10であるデータに対する低補正量が0になるよう設定する。つまり、低補正対象データBの彩度の低補正量y2を示す式は、式(12)になる。
y2 = Sh/10+enhS―Smin/10 ・・・(12)
低補正対象データAの彩度の補正後の値z1は、補正前の彩度Shに低補正量y1を加えた値、つまりSh+y1なので、式(13)で表わされる。
z1=9Sh/10+enhS+Smax/10 ・・・(13)
補正後の彩度値z1は、彩度がとり得る最大値である100以下とすることが好ましい。図17(b)は、補正後の彩度が0以上100以下となるように低補正対象データの範囲を調整した例を示す説明図である。このとき、低補正対象データAは、彩度Shが、下記の不等式(14)を成立させる範囲のデータとなる。
Sh ≦ (100―enhS―Smax/10)×10/9 ・・・(14)
図17(b)中の彩度値d1は、不等式(14)中の(100―enhS―Smax/10)×10/9の値を示している。
同様に、低補正対象データBの彩度の補正後の値z2はSh+y2なので、式(15)で表わされる。
z2=11Sh/10+enhS―Smin/10 ・・・(15)
補正後の値z2が0以上になる範囲とするためには、低補正対象データBの彩度Shを、次の不等式(16)を成立させる範囲のデータとすれば良い。
Sh ≧ (―enhS+Smin/10)×10/11 ・・・(16)
図17(b)中の彩度値d2は、不等式(16)中の(―enhS+Smin/10)×10/11の値を示している。この例では、d2が(Smin―enhS×10)より小さいので、不等式(10c),(10d),(16)より求まる低補正対象データBは、図17(b)で示す範囲のデータになる。
ところで、画像データGD中、彩度が低い画像データの彩度を上げる補正を行なうと、画像データGD中の無彩色に近いデータの彩度が過度に高くなってしまう可能性がある。よって、無彩色とのつながりがなめらかにするため、彩度が小さい画像データは低補正対象データBから除外することが望ましい。そこで、補正対象データの範囲に低彩度側の下限値Dを設定するものとしても良い。
図18は、低補正対象データBに関する下限値Dを示す説明図である。下限値Dは、例えば25であっても良いし、他の値であっても良い。このとき、低補正対象データBは、彩度Shが次の不等式(17)を成立させる範囲に限定される。
D ≦ Sh ・・・(17)
不等式(10c),(17)より求まる低補正対象データBは、図18で示す範囲のデータになる。なお、下限値Dは、enhS>0の場合、つまり彩度を上げる補正を行なう場合のみ設定するものとしても良い。
低補正量は、不等式(10b),(10d)または不等式(17)により、低補正対象データの範囲を限定してから、限定した低補正対象データに適合するように求めるものとしても良い。図19は、限定した低補正対象データに適合する低補正量を示す説明図である。不等式(10b)で限定した場合、図19の太線Aで示すように、低補正対象データAの低補正量は、彩度が100であるデータに対する低補正量が0になるよう設定する。不等式(17)で限定した場合、図19の太線Bで示すように、低補正対象データBの低補正量は、彩度がDであるデータに対する低補正量が0になるよう設定する。
色相と明度についても同様に、各々低補正対象データと低補正量を求め、補正対象範囲を求める。なお、明度の場合も彩度と同様に、低明度側の下限値Dを設定するものとしても良い。これは、低補正対象データBを求める際、シャドウ部の明度を過度に上昇させることにより、補正した画像部分に違和感が生じてしまうことを避けるためである。ここでは、彩度と色相と明度のすべてについて低補正対象データとなった画像データを、補正対象の低補正対象データとする。但し、彩度と色相と明度のいずれかで低補正対象データとなった画像データを、補正対象の低補正対象データとするものとしても良い。
図20は、画像データGDにおける補正対象範囲を示す説明図である。図20の画像データGDにおいて、領域S1が主要被写体画像データに相当する。領域O1と領域O2と領域O3内に低補正対象データが含まれている場合、補正対象範囲は、領域S1と、領域O1,O2,O3内の低補正対象データとなる。図20では、太い実線で示した枠内に補正対象範囲を含んでいる。画像データGDに対する画質補正は、決定された補正量(enhH,enhS,enhV)を主要被写体画像データに適用し、低補正量を低補正対象データに適用する。
このように、本実施例では、主要被写体画像データ以外の低補正対象データに対しても、低補正量で補正をすることにより、主要被写体画像データが他の画像データから浮き上がる事態を抑制し、画像全体としての調和を図ることができる。
なお、低補正量は、主要被写体画像データに対する補正量enhSより小さければ良く、上記したように補正量enhSを直線的に減少させるという設定に限らず、段階的に減少させるという設定を適用しても良い。
低補正対象データは、図20で示したように、主要被写体画像データに隣接している領域に存在するとは限らず、領域S2内など、主要被写体画像データから離れた領域に存在する場合もある。
上記実施例では、低補正対象データは主要被写体画像データ以外のデータであるものとしたが、これに限らず、低補正対象データは少なくとも一部が主要被写体画像データに含まれるものとしても良い。つまり、各主要被写体画像データの一部における補正量を低減させて、主要被写体画像データが他の画像データから浮き上がる事態を抑制するものとしても良い。
図21は、低補正対象データのすべてが主要被写体画像データに含まれている場合の説明図である。主要被写体画像データの中で、その彩度Shが以下の不等式(18a)を成立させるデータを低補正対象データAとし、その彩度Shが以下の不等式(18b)を成立させるデータを低補正対象データBとしている。
Smax―enhS×10 < Sh ≦ Smax ・・・(18a)
Smin ≦ Sh < Smin+enhS×10 ・・・(18b)
この場合、低補正対象データAと低補正対象データBは主要被写体データに含まれ、補正対象範囲は主要被写体画像データと一致する。
図22は、低補正対象データのすべてが主要被写体画像データに含まれている場合の補正対象範囲を示す説明図である。太線の枠内が補正対象範囲である。主要被写体画像データに相当する領域S1のうち、図中において斜線が施されている領域は、低補正量で補正される低補正対象データを含んだ領域である。
以上、図16〜図22により説明した、低補正対象データを設定した補正処理は、主要被写体が詳細に類別されていない場合、つまり類別主要被写体以外の主要被写体に対しても適用可能である。
その他の実施例(8)において説明した補正処理は、上述したトーンカーブ補正などの補正を実行した後に実行することが望ましい。更に、以上の補正処理は、HSV色空間以外の色空間、例えばRGB色空間において実行しても良い。
(9)上記実施例では画像解析により主要被写体画像データを決定しているが、画像データの付帯情報に主要被写体画像データを指定する情報(例えば位置情報など)が含まれている場合、そのような付帯情報に基づいて主要被写体画像データを決定しても良い。
以上、実施例に基づき本発明に係る画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10...ディジタルスチルカメラ
20...表示装置
25...表示ディスプレイ
30...パーソナルコンピュータ
31...表示ディスプレイ
40...カラープリンタ
41...制御回路
411...中央演算装置(CPU)
412...ランダムアクセスメモリ(RAM)
413...ハードディスク(HDD)/ROM
42...入力操作部
43...印刷画像出力部
44...メモリカードスロット
45...データ入出力部
MC...メモリカード
GD...画像データ

Claims (15)

  1. 画像処理装置であって、
    画像データにおける、画像を特徴付ける被写体である主要被写体に対応する主要被写体画像データを決定する主要被写体画像データ決定手段と、
    決定された前記主要被写体画像データの特性を取得する特性取得手段と、
    前記取得された特性に対応する補正条件を取得する補正条件取得手段と、
    前記取得された補正条件を用いて前記主要被写体画像データの画質を調整する画質調整手段とを備える画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記補正条件は、前記取得された特性に対応する、補正基準値であり、
    前記画質調整手段は、前記取得した特性の値と前記補正基準値との差分を解消または低減するように前記主要被写体画像データの画質を調整する画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置において、
    前記主要被写体画像データは、同一の主要被写体について異なる色域毎に複数個の主要被写体画像データに類別され、
    前記補正基準値は、類別された前記主要被写体画像データ毎に複数個用意されている画像処理装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記主要被写体画像データの決定は、前記画像データを複数の画像データ領域に分割し、各画像データ領域の位置情報と色域情報とを用いて実行される画像処理装置。
  5. 画像を特徴付ける被写体である主要被写体の画質を向上させる画像処理装置であって、
    画像データにおける、前記主要被写体に対応する主要被写体画像データを特定する主要被写体画像データ特定手段と、
    前記特定された主要被写体画像データの色彩値を取得する色彩値取得手段と、
    前記取得された色彩値を用いて前記主要被写体を類別する主要被写体類別手段と、
    前記類別された主要被写体に対応する基準色彩値を取得する基準色彩値取得手段と、
    前記取得された色彩値と基準色彩値とを用いて前記主要被写体画像データの画質を調整する画質調整手段とを備える画像処理装置。
  6. 請求項5に記載の画像処理装置において、
    前記画質調整手段は、
    前記色彩値と基準色彩値との差分が解消または低減されるように補正量を決定する補正量決定手段と、
    前記決定された補正量を前記色彩値に適用して前記主要被写体領域における画像データの画質を補正する画質補正手段とを備える画像処理装置。
  7. 請求項6に記載の画像処理装置であって、
    前記補正量決定手段は、前記差分の符号に応じて変更される計算式に従って前記補正量を決定する画像処理装置。
  8. 請求項6に記載の画像処理装置であって、更に、
    前記画像データにおいて前記補正量以下の低補正量で補正をする対象となる低補正対象データを、前記色彩値に基づいて決定する低補正対象データ決定手段と、
    前記低補正量を前記色彩値に適用して前記低補正対象データの画質を補正する低補正実行手段とを備える画像処理装置。
  9. 請求項8に記載の画像処理装置であって、
    前記低補正対象データは、前記画像データにおける前記主要被写体画像データ以外のデータである画像処理装置。
  10. 請求項5に記載の画像処理装置において、
    前記主要被写体は、同一の主要被写体について異なる色域毎に複数個の主要被写体に類別され、
    前記基準色彩値は、類別された前記主要被写体毎に複数個用意されている画像処理装置。
  11. 請求項10記載の画像処理装置であって、
    前記画質調整手段は、
    類別された前記主要被写体の種類に応じて変更される計算式に従って、前記色彩値と基準色彩値との差分が解消または低減されるように補正量を決定する補正量決定手段と、
    前記決定された補正量を前記色彩値に適用して前記主要被写体データにおける少なくとも一部の画像データの画質を補正する画質補正手段とを備える画像処理装置。
  12. 請求項5ないし請求項11のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記主要被写体画像データの特定は、前記画像データを複数の画像データ領域に分割し、各画像データ領域の位置情報と色域情報とを用いて実行される画像処理装置。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の画像処理装置において、
    前記色域は、色相、彩度、明度をパラメータとする画像処理装置。
  14. 画像処理方法であって、
    画像データにおける、画像を特徴付ける被写体である主要被写体に対応する主要被写体画像データを決定し、
    決定された主要被写体画像データの特性を取得し、
    前記取得された特性に対応する補正条件を取得し、
    前記取得された補正条件を用いて前記主要被写体画像データの画質を調整する画像処理方法。
  15. 画像を特徴付ける被写体である主要被写体の画質を向上させる画像処理方法であって、
    画像データにおける、前記主要被写体に対応する主要被写体画像データを特定し、
    前記特定された主要被写体画像データの色彩値を取得し、
    前記取得された色彩値を用いて前記主要被写体を類別し、
    前記類別された主要被写体に対応する基準色彩値を取得し、
    前記取得された色彩値と基準色彩値とを用いて前記主要被写体画像データの画質を調整する画像処理方法。
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