JP2010232074A - 燃料電池システムおよび電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で発電停止中における発電部の劣化を抑制することが可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム1では、発電停止状態において、発電部10で発生した電圧V3を検出し、電圧V3が所定の電圧値以下となる毎に燃料電池2へ液体燃料Fを供給する。発電停止状態では、ガス排出部としての溝22を通じて外気が侵入し、アノード電極12側の酸素分圧が上昇する。酸素分圧の上昇は、発電部の劣化を招くため、できるだけ回避されることが望まれる。この酸素分圧は、電圧V3と密接に関係しており、即ち酸素分圧が上昇すると、これに伴い電圧V3が低下するという関係がある。発電停止中に、液体燃料Fを供給すると、この燃料の分だけアノード電極12側に溜まった酸素が溝22から外部へ排出される。電圧V3が所定の電圧値以下となる毎に液体燃料Fを供給することにより、酸素分圧が一定値以上となることが抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、メタノール等と酸素との反応により発電を行う燃料電池システムおよび電子機器に関する。
携帯用パーソナルコンピュータ等の小型電子機器の電源として、燃料電池の適用が検討されている。燃料電池の燃料としては、エネルギー密度の高い液体燃料(例えばメタノール)を用いることが望ましい。
燃料は、希釈した液体燃料としてアノード電極(燃料電極)に供給される場合もあるが、希釈せず、気化した燃料をアノード電極に供給する、気化型の燃料電池も検討されている(例えば、特許文献1参照)。このような燃料電池では、発電が停止すると、不要ガスの残存等により発電部が劣化するため、次に起動するまでの発電停止状態において寿命等の特性が低下してしまう。
そこで、このような発電停止状態における劣化を抑制すべく、様々な手法が提案されている(特許文献2〜5)。例えば、特許文献2,3の手法は、窒素(N2)ガス等の活性度の低いパージガスや不活性ガスをアノード電極側に封入することにより、劣化要因となるガスを除去するというものである。また、特許文献4には、燃料電池の電圧を検出して、この電圧が所定の電圧値以下となった場合に、カソード電極側へ不活性物質としての水を注入する手法が記載されている。
特開2007−80658号公報 特開平7−272739号公報 特開2005−222707号公報 特開2006−302551号公報 特開2005−216627号公報
また、上記のような気化型の燃料電池の中には、発電に伴って生成される二酸化炭素(CO2)等を外部へ排出するための排出孔が設けられているものがある。このような燃料電池では、発電が停止すると、排出孔を通じて外気が内部へ侵入し、上記のような発電部の劣化を招いてしまう。上記特許文献2〜5に記載された手法を採用することにより、このような停止期間中に侵入する外気を排除することも可能であると考えられるが、いずれの手法においても、不活性ガスや水を注入する新たな機構を別途設ける必要がある。そのため、装置が大掛かりとなり、マイクロ燃料電池には不向きである。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易な構成で、発電停止中の発電部の劣化を抑制することが可能な燃料電池システムおよび電子機器を提供することにある。
本発明の燃料電池システムは、酸素電極および燃料電極の間に電解質を有する発電部と、燃料電極において生成されたガスを外部へ排出するガス排出部と、発電停止状態において、発電部で発生した電圧が予め設定された電圧値以下である場合に、発電部の燃料電極へ燃料を供給する制御を行う制御部とを備えたものである。
本発明の燃料電池システムでは、発電停止状態において、発電部で発生した電圧が所定の電圧値以下となる場合に燃料電極へ燃料を供給する。ここで、発電が停止した状態では、例えばガス排出部を通じて燃料電極側へ外気が侵入し、これによって酸素分圧が上昇してしまう。酸素分圧の上昇は、発電部の劣化を招くため、回避されることが望まれる。この酸素分圧は、発電部で発生する電圧と密接に関係しており、即ち酸素分圧の上昇に伴い電圧が低下するという関係がある。一方、発電停止状態において、発電部へ燃料を供給すると、供給された燃料の分だけ燃料電極側に溜まった酸素がガス排出部を通じて外部へ排出される。従って、発電部で発生した電圧が予め設定した電圧値以下となる毎に燃料を供給することにより、酸素分圧が一定値以上となることが抑制される。
本発明の電子機器は、上記本発明の燃料電池システムを備えたものである。
本発明の燃料電池システムおよび電子機器によれば、発電停止状態において、発電部で発生した電圧が所定の電圧値以下となる場合に燃料電極へ燃料を供給するようにしたので、不活性ガスや水を注入するための新たな機構を別途設けることなく、燃料電極側に溜まった酸素を排除して酸素分圧の上昇を抑制することができる。よって、簡易な構成で、発電停止中の発電部の劣化を抑制することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る燃料電池システムの全体構成を表す機能ブロック図である。 図1に示した燃料電池の概略構成を表す断面図である。 図2に示したアノード側板状部材の一部を拡大して表す平面図である。 図2に示したカソード側板状部材の構成を表す平面図である。 発電中における燃料供給について説明するための概念図である。 停止中における燃料供給について説明するための概念図である。 実施例および比較例に係る停止中の電圧の変化を表す特性図である。 本発明の適用例を表す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態:アノード側板状部材に溝(ガス排出部)を有する気化型の燃料電池を備えた燃料電池システムの一例
2.適用例:燃料電池システムを適用した電子機器の一例
<実施の形態>
[燃料電池システム1の構成]
図1は本発明の一実施の形態に係る燃料電池システム(燃料電池システム1)の全体構成を表すものである。燃料電池システム1は、燃料電池2の発電により負荷3を駆動するか、あるいは二次電池7への充電を行うものであり、例えば燃料電池2、電流検出部5A、電圧検出部5B、昇圧回路6、二次電池7および制御部4から構成されている。
燃料電池2は、発電部10、燃料ポンプ8(燃料供給部)および燃料タンク9を含んで構成されている。発電部10は、メタノールと酸化剤ガス(例えば、酸素)との反応により発電を行う直接メタノール型の発電部であり、カソード電極(酸素電極)およびアノード電極(燃料電極)を有する複数の単位セルが連結したものである。燃料タンク9は、発電に必要な液体燃料(例えば、メタノールまたはメタノール水溶液)を貯蔵するものである。燃料ポンプ8は、燃料タンク9に貯蔵された液体燃料を汲み上げて、発電部10側へ供給(輸送)するためのポンプであり、圧電体等により構成されている。この燃料ポンプ8の動作(液体燃料の供給動作)は、後述の制御部4によって制御されるようになっている。このような燃料電池2の具体的な構成については後述する。
電流検出部5Aは、接続ラインL1H上において、発電部10のカソード電極側と接続点P1との間に配置されており、発電部10の発電電流I1を検出するものである。この電流検出部5Aは、例えば抵抗器を含んで構成されている。なお、電流検出部5Aは、接続ラインL1L上(発電部10のアノード電極側と接続点P2との間)に配置されていてもよい。
電圧検出部5Bは、接続ラインL1H上の接続点P1と、接続ラインL1L上の接続点P2との間に配置されている。この電圧検出部5Bは、発電部10から発生した電圧(発電中に発生する発電電圧V1および発電停止中に発生する電圧V3)を検出するものであり、例えば抵抗器を含んで構成されている。
昇圧回路6は、接続ラインL1Hと、出力ラインLO上の接続点P3との間に配置されており、発電部10の発電電圧V1(直流電圧)を昇圧して、直流電圧V2を生成する電圧変換部である。この昇圧回路6は、例えばDC/DCコンバータにより構成されている。
二次電池7は、出力ラインLO上の接続点P3と、接地ラインLG(接続ラインL1L)上の接続点P4との間に配置されており、昇圧回路6により生成された直流電圧V2に基づいて蓄電を行うものである。二次電池7は例えばリチウムイオン電池等により構成されている。
制御部4は、発電部10に向けて液体燃料を供給するように燃料ポンプ8を駆動するものである。本実施の形態では、この制御部4の制御により、発電中だけでなく、発電停止中においても液体燃料の供給がなされ、その発電停止中における燃料供給のタイミングは電圧V3に基づいて設定されるようになっている。制御部4は、例えばマイクロコンピュータなどにより構成されている。この制御部4の詳細動作については後述する。
[燃料電池2の構成]
図2は、図1に示した燃料電池2の断面構成を表すものである。燃料電池2では、発電部10は、カソード電極11およびアノード電極12の間に電解質膜13を挟んで構成されている。このような発電部10よりなる単位セルは、面内方向に例えば6個(3行×2列)設けられており、それぞれが図示しない接続部材により電気的に直列に接続されている。発電部10のカソード電極11の側にはカソード側板状部材30、アノード電極12の側にはアノード側板状部材20がそれぞれ設けられている。なお、図2では、燃料ポンプ8および燃料タンク9についての図示を省略している。
カソード電極11およびアノード電極12は、例えば、四辺形であり、カーボンペーパーなどよりなる集電体に、微細多孔質層(MPL;Micro Porous Layer)と、白金(Pt)あるいはルテニウム(Ru)などの触媒を含む触媒層とが形成された構成を有している。触媒層は、例えば、触媒を担持させたカーボンブラックなどの担持体をポリパーフルオロアルキルスルホン酸系プロトン伝導材料などに分散させたものにより構成されている。集電体と微細多孔質層との間(微細多孔質層の外側)には、必要に応じて、ガス拡散層(GDL;Gas Diffusion Layer )が設けられていてもよい。なお、カソード電極11には図示しない空気供給ポンプが接続されていてもよいし、接続部材(図示せず)に設けられた開口(図示せず)を介して外部と連通し、自然換気により空気すなわち酸素が供給されるようになっていてもよい。
電解質膜13は、例えば、スルホン酸基(−SO3 H)を有するプロトン伝導材料により構成されている。プロトン伝導材料としては、ポリパーフルオロアルキルスルホン酸系プロトン伝導材料(例えば、デュポン社製「Nafion(登録商標)」)、ポリイミドスルホン酸などの炭化水素系プロトン伝導材料、またはフラーレン系プロトン伝導材料などが挙げられる。
アノード側板状部材20およびカソード側板状部材30はそれぞれ、例えば厚み1mm程度のアルミニウム板またはステンレス鋼板により構成されている。発電部10とカソード側板状部材30との間には、湿分保持のため、例えば、ポリエチレン等の多孔質膜15が設けられている。発電部10とアノード側板状部材20との間には、例えば、多孔質フッ素樹脂およびポリエステルよりなる気液分離膜16が設けられている。
図3は、アノード側板状部材20を、アノード電極12に対向する面の側から見た平面図であり、図4は、カソード側板状部材30を、カソード電極11に対向する面の側から見た平面図である。但し図3,4では、6つの単位セルに対応する四辺形の領域のうち1つの領域についてのみ示している。
アノード側板状部材20は、液体燃料Fを流通させるための貫通孔21と、ガス排出部としての溝22とを有している。
貫通孔21は、アノード電極12に対向する面から反対側の面に達し、後述の燃料気化室42に連通している。この貫通孔21は、アノード電極12に対応する領域の全体にわたって配置されている。これにより、燃料Fを均一に供給することができ、出力の向上が可能となる。貫通孔21の、アノード電極12の面積に対する開口率は、例えば30%以上とすることが望ましく、40%以上とすればより好ましい。
溝22は、アノード電極12に対向する面に、アノード電極12に対応する領域内から、アノード側板状部材20の側面の出口22Aまで形成されている。この溝22は、アノード電極12対応する領域においてシール材14によってシールされると共に、出口22Aにおいて大気開放されている。また、アノード側板状部材20には、アノード電極12に対向する面に、燃料Fをより広くアノード電極12面上に拡散、供給させるべく補助溝23が設けられていてもよい。
カソード側板状部材30は、酸化剤としての空気(酸素)を通過させるため、カソード電極11に対向する面から反対側の面に達する貫通孔31を有している。貫通孔31は、カソード電極11に対応する領域内に設けられており、その形状は、例えば多数の平行な長孔(スリット)であるが、必ずしもこれに限られるものではない。
上記のうちアノード側板状部材20の外側には、各単位セルに対応して燃料供給孔41が設けられており、燃料ポンプの供給動作によって燃料タンクから輸送された液体燃料Fが、この燃料供給孔41を通じて発電部10側へ注入されるようになっている。この燃料供給孔41およびアノード側板状部材20の間には、燃料Fを気化させるための燃料気化室42(燃料気化部)が設けられている。
燃料気化室42のすきまGは、例えば0.5mm以上であることが好ましい。燃料Fが気化した際の体積膨張を吸収すると共に、燃料Fの均一拡散のためのスペースを確保することができるからである。但し、すきまGをあまり広くすると、発電部10から燃料供給部40への伝熱量が低下し、燃料Fの気化がスムースに行えなくなるので、すきまGは例えば3mm以下であることが好ましい。
[燃料電池システム1の作用、効果]
(発電中の作用)
燃料電池システム1では、発電時には、燃料タンク9に貯蔵される液体燃料Fを、燃料ポンプ8により汲み上げ、燃料電池2へ供給する。燃料電池2では、液体燃料Fが燃料供給孔41を通じて燃料気化室42へ到達すると、この燃料気化室42において液体燃料Fは自然気化される。気化した燃料は、アノード側板状部材20の貫通孔21および気液分離膜16を順に通過して、発電部10のアノード電極12側へと供給される。
ここで、燃料ポンプ8は、制御部4の制御により、断続的に液体燃料Fを燃料電池2へ供給する。即ち図5に示したように、燃料ポンプ8は、燃料供給量Fa分の液体燃料Fを燃料供給周期Δtに応じたタイミングで燃料電池2へ供給する。燃料供給量Faは、燃料供給周期Δtおよび燃料気化室42の内積等に応じて、適宜調節されるものである。
一方、発電部10のカソード電極11には、自然換気あるいは空気供給ポンプ(図示せず)によって空気(酸素)が供給される。すると、カソード電極11では、以下の(1)式に示した反応が起こり、水素イオンと電子とが生成される。この水素イオンは電解質膜11を通ってアノード電極12へ到達し、アノード電極12では、以下の(2)式に示した反応が起こり、水と二酸化炭素が生成される。よって、燃料電池2全体としては、以下の(3)式に示した反応が生じ、発電が行われる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- ……(1)
6H++(3/2)O2+6e-→ 3H2 ……(2)
CH3OH+(3/2)O2→ CO2+2H2O ……(3)
このようにして、液体燃料F、即ちメタノールの化学エネルギーの一部が電気エネルギーに変換され、図示しない接続部材により集電されたのち、発電部10から電流(発電電流I1)として取り出される。この発電電流I1に基づく発電電圧V1は、昇圧回路6によって昇圧(電圧変換)され、直流電圧V2となる。この直流電圧V2は、二次電池7または負荷(例えば、電子機器本体)3へ供給される。これにより、二次電池7への充電または負荷3の駆動が行われる。
ここで、上述したような発電作用により、発電部10のアノード電極12では二酸化炭素が生成されるが、アノード側板状部材20にガス排出部としての溝22が設けられていることにより、この二酸化炭素は、溝22を経由して外部へ排出される。よって、アノード電極12付近の二酸化炭素濃度上昇や内圧上昇が回避され、出力および発電効率が向上する。
ところが、アノード側板状部材20に溝22が設けられていることにより、燃料電池2における発電を停止すると、二酸化炭素が生成されなくなると共に、通常は液体燃料Fの供給が止まるため、内部圧力が低下する。このため、溝22を通じて燃料電池2の内部に外気が侵入し易くなる。外気が侵入すると、アノード電極12側の領域(ここでは、燃料気化室42およびアノード側板状部材20の貫通孔21)において酸素分圧が上昇する。このような酸素分圧の上昇は、発電部10の劣化を招き、また起動および停止を繰り返す場合には寿命の低下等につながるため、できるだけ回避されることが望ましい。そこで、本実施の形態では、発電停止状態において、以下のような燃料供給動作を行う。
(発電停止中の作用)
発電停止状態において、燃料電池システム1では、電圧検出部5Bが発電部10で発生した電圧(電圧V3)を検出し、この電圧V3に基づいて、燃料ポンプ8が燃料電池2へ所定量の液体燃料Fを供給する。
具体的には、燃料ポンプ8は、電圧V3が所定の電圧値以下となる毎に、液体燃料Fを燃料電池2へ供給する。例えば図6に示したように、電圧V3が所定の電圧値以下となるタイミングT1,T2,T3,…毎に、燃料供給量Fb分の液体燃料Fを燃料電池2へ供給する。この燃料供給量Fbは、発電時における燃料供給量Faに比べ極微量であり、溝22の径や長さに応じて適宜設定されるものである。
燃料電池2では、上記のようにして燃料供給量Fb分の液体燃料Fが供給されると、燃料供給孔41を通じて液体燃料Fが燃料気化室42へ到達し、気化される。この気化した燃料ガスにより内部圧力が上昇し、アノード電極12の側に溜まった酸素が溝22を通じて外部へ排出される。これにより、アノード電極12の側の酸素分圧が低下する(電圧V3は上昇する)。
ここで、酸素分圧の上昇により発電部10の劣化を招くことは既に述べたが、この酸素分圧と電圧V3との間には密接な関係がある。即ち、酸素分圧が上昇(低下)すると、これに伴って電圧が低下(上昇)するという関係がある。
従って、酸素分圧が一定値以上とならないような電圧値(閾値)を予め設定しておき、検出した電圧V3がこの電圧値以下となる場合に、液体燃料Fを供給することにより、酸素分圧の上昇が抑制される。
また、一旦低下した酸素分圧は、停止時間の経過と共に、再び上昇(電圧V3は低下)し始めるが、上記のような燃料供給動作を繰り返すことにより、酸素分圧が一定値以上となることが抑制される。例えば停止時間が長い場合等には、電圧V3が所定の電圧値以下となる毎に、繰り返し液体燃料Fを供給するようにすればよい。
以上のように、本実施の形態では、発電停止状態において、発電部10で発生する電圧V3を検出し、この電圧V3が所定の電圧値以下となる毎に、燃料ポンプ8が燃料電池2のアノード電極12の側へ液体燃料Fを供給する。これにより、発電停止中に、外気が侵入することに起因する酸素分圧の上昇を抑制することができる。従って、酸素等の発電部10の劣化を招く不要ガスを排除するために、不活性ガスや水等を注入する新たな機構を別途設ける必要がない。また、発電停止中に使用する液体燃料Fの燃料供給量Fbは、発電時に使用する燃料供給量Faに比べ、極微量で済む。よって、簡易な構成で、発電停止中における発電部の劣化を抑制することが可能となる。
ちなみに、酸素分圧の上昇を抑えることにより、発電部10の劣化を抑制し得るメカニズムは明らかではないが、具体的にはアノード電極12の触媒層の劣化が抑制されるためと推測される。また、発電停止中の燃料供給によって、アノード電極12や電解質13の乾燥が抑制されることも劣化抑制に寄与していると考えられる。
(実施例)
ここで、上記のような燃料電池システム1による具体的な実施例について説明する。本実施例では、6つの単位セルを直列に接続した燃料電池2に対し、発電停止中において、電圧V3が2.5V(単位セルあたり0.41V)以下となった場合に、燃料供給量Fbが10μlの液体燃料Fを燃料電池2へ供給した。このときの停止時間に対する電圧V3の変化と燃料供給のタイミング(T1,T2)について、図7に示す。なお、図7には、比較例として、発電停止中において、燃料供給を行わなかった場合についても示す。
図7に示したように、発電を停止すると、徐々に電圧V3が低下(酸素分圧は上昇)し始める。燃料供給を行わない比較例では、停止時間の経過に伴い、電圧V3が低下し続け、即ち酸素分圧が上昇し続けてしまい、発電部10の劣化が生じる。これに対し、実施例では、約70分経過後に電圧V3が2.5Vに達したタイミング(T1)で、10μlの液体燃料Fを燃料電池2へ供給したため、電圧V3は一気に初期電圧近くまで上昇(酸素分圧は低下)する。この後、停止時間が経過するに従って、電圧V3は再び低下し始めるが、電圧V3が2.5Vに達したタイミング(T2)で、上記と同様にして燃料供給を行うことにより、電圧V3は初期電圧近くまで上昇する。このように、発電停止中の電圧V3を検出し、所定の電圧値(ここでは、2.5V)以下となる毎に液体燃料Fを供給すればよく、これにより酸素分圧の上昇を抑制することができる。また、起動および停止を1サイクルとして計76サイクル後の劣化率について測定したところ、実施例では17%、比較例では33%となった。但し、劣化率(%)は、以下の式(4)により算出し、初期出力としては出力が安定する5サイクル後の出力を用いた。
劣化率={1−(76サイクル後の出力/初期出力)}×100…(4)
<適用例>
図8は、上記実施の形態で説明した燃料電池を備えた電子機器の外観を表したものである。この電子機器100は、例えばノート型パーソナルコンピュータである機器本体110と、燃料電池220とを備えたポータブル電子機器であり、燃料電池220で発電される電気エネルギーにより機器本体110が駆動されるようになっている。
機器本体110は、例えば、文字等の入力操作のためのキーボード等を含む入力部111と、画像を表示する開閉可能な表示部112とを有している。なお、図8では、表示部112を開いた状態を表している。燃料電池220は、機器本体110の後面に取り付けられている。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形することができる。上記実施の形態等では、負荷3の他に二次電池7を設け、発電部10で発生した電圧(起電力)を負荷3の駆動あるいは二次電池7への充電に用いる構成を例に挙げて説明したが、これら両方が必ずしも設けられていなくともよい。即ち、負荷3のみあるいは二次電池7のみを備えた構成であってもよい。加えて、昇圧回路6についても、必ずしも設けられている必要はない。
更に、上記実施の形態等では、液体燃料Fを燃料電池2へ供給した後に気化させ、この気化した燃料をアノード電極12の側へ供給して発電を行う、所謂気化型の燃料電池を例に挙げて説明したが、本発明の発電部は気化型のものに限定されない。例えば、燃料タンクとして、燃料ガスを貯蔵したガスボンベ等を設け、このガスボンベから燃料ガスを直接発電部10へ供給するようにしてもよい。
加えて、上記実施の形態等では、液体燃料Fを貯蔵する燃料タンク9が燃料電池2に内蔵された構成を例に挙げて説明したが、この燃料タンク9が燃料電池2に外付けされた構成であってもよい。
また、上記実施の形態等では、本発明のガス排出部として、アノード板状部材20に設けられた溝22を例に挙げて説明したが、このような溝に限らず、孔や配管等、外部と連通してガスが排出可能な構造となっていればよい。また、本発明のガス排出部は必ずしもアノード板状部材20に設けられていなくともよく、例えば、燃料気化室41の側壁に外部と連通する貫通孔を設ける等、アノード電極12と燃料気化室41との間に配設されていればよい。
更に、上記実施の形態等では、燃料電池2、電流検出部5A、電圧検出部5B、昇圧回路6、二次電池7および制御部4を備えた燃料電池システムを例に挙げて説明したが、本発明の燃料電池システムはこれに限定されない。例えば、これらのうち電流検出部5A、電圧検出部5B、昇圧回路6および二次電池7については必ずしも備える必要はなく、ガス排出部を有する燃料電池に対し、発電停止中において発電部で発生する電圧に基づいて燃料を供給する制御が可能となっていればよい。
加えて、上記実施の形態では、発電部10として、6つの単位セルが面内方向に直列に接続された構成を例に挙げて説明したが、セルの個数や配列はこれに限定されない。例えば、複数の単位セルを厚み方向に積層するようにしてもよい。
また、上記実施の形態において説明した各構成要素の材料および厚み、または燃料電池の製造方法などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の製造方法としてもよい。例えば、本発明は、固体の電解質膜13に代えて液状の電解質(電解液)を用いる場合にも適用可能である。また、例えば、液体燃料は、メタノールのほか、エタノールやジメチルエーテルなどの他の液体燃料でもよい。
1…燃料電池システム、2…燃料電池、3…負荷、4…制御部、5A…電流検出部、5B…電圧検出部、6…昇圧回路、7…二次電池、8…燃料ポンプ、9…燃料タンク、10…発電部、11…カソード電極、12…アノード電極、13…電解質膜、20…アノード側板状部材、21…貫通孔、22…溝、23…補助溝、30…カソード側板状部材、41…燃料供給孔、42…燃料気化室、F…液体燃料、V1…発電電圧、V3…電圧。

Claims (6)

  1. 酸素電極および燃料電極の間に電解質を有する発電部と、
    前記燃料電極において生成されたガスを外部へ排出するガス排出部と、
    発電停止状態において、前記発電部において発生した電圧が予め設定された電圧値以下である場合に、前記発電部の燃料電極へ燃料を供給する制御を行う制御部と
    を備えた燃料電池システム。
  2. 前記発電部の燃料電極側へ燃料を供給する燃料供給部を備えた
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料供給部は、前記発電部の燃料電極の側へ液体燃料を供給し、
    前記燃料供給部により供給された液体燃料を気化させる燃料気化部を更に備えた
    請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記ガス排出部は、前記燃料気化部と前記燃料電極との間に設けられている
    請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料気化部と前記燃料電極との間に、燃料の流路を形成する板状部材を備え、
    前記板状部材に前記ガス排出部としての溝が設けられている
    請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 燃料電池システムを備えた電子機器であって、
    前記燃料電池システムは、
    酸素電極および燃料電極の間に電解質を有する発電部と、
    前記燃料電極において生成されたガスを外部へ排出するガス排出部と、
    発電停止状態において、前記発電部において発生した電圧が予め設定された電圧値以下である場合に、前記発電部の燃料電極へ燃料を供給する制御を行う制御部と
    を備えた電子機器。
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