JP2010228293A - アクチュエーター、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents

アクチュエーター、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 Download PDF

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隆史 幸田
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Abstract

【課題】適正な振動特性を有し、断線による故障の少ないアクチュエーター、液滴の噴射
特性の良好な液体噴射ヘッドおよび画質の低下の少ない液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】共通内部電極17、個別内部電極16、圧電材料層15、個別外部電極22
および共通外部電極21で形成される回路の抵抗のうち、共通外部電極21に設けられた
外部接続部26と最も近い共通内部電極17との間の接続領域211に、低抵抗部21a
を備えている。接続領域211の抵抗は、回路の直列抵抗部分に相当し、その抵抗値の大
きさの回路全体の抵抗値への寄与が大きい。したがって、回路中に抵抗値の大きい部分を
少なくでき、回路全体の抵抗値を下げることができ、電極部分の発熱による断線の少ない
、適正な振動特性を有するアクチュエーター10を得ることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧電素子に電圧を印加することによって変位するアクチュエーター、それを
用いた液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関する。
液体としてのインク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口
からインク滴を吐出させる液体噴射ヘッドおよびそれを備えた液体噴射装置が知られてい
る。
液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッドとして、例えば、圧電素子の軸方
向に伸長、収縮する縦振動モードのアクチュエーターを使用したものが知られている。
このような縦振動モードのアクチュエーターとしては、共通内部電極と個別内部電極と
で圧電材料層を挟んで積層して形成された積層型の圧電素子が複数形成された圧電素子形
成部材を有し、圧電素子形成部材が固定基板に接合されているものが知られている。
圧電素子形成部材の表面には、個別外部電極と共通外部電極とが形成され、個別外部電
極は、圧電素子の先端側面部に露出された個別内部電極に接続される。また、共通外部電
極は、固定基板側面部に露出された共通内部電極に接続される(例えば、特許文献1参照
)。
特開2004−327462号公報(8頁および9頁、図1および図2)
共通内部電極、個別内部電極、圧電材料層、個別外部電極および共通外部電極で形成さ
れる回路の抵抗は、各電極の抵抗値に依存する。
回路全体または回路の一部の抵抗値が高い場合、高周波で圧電素子を駆動すると、電気
相互干渉の影響が増加し、適正な振動特性が得られない。
また、抵抗値の高い電極部分が発熱し、断線が生じてアクチュエーターの故障を招く虞
がある。
さらに、抵抗値が高い回路を有するアクチュエーターを備えた液体噴射ヘッドでは、液
滴の噴射特性に異常をきたし、このような液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置では、画
質の低下を招く虞があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、以下の
形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
個別内部電極と共通内部電極とが圧電材料層を挟んで積層される圧電素子形成部材の一
端部側から他端部側に向う複数のスリットにより形成された複数の圧電素子と、前記一端
部側の端面において前記個別内部電極と接続される個別外部電極と、前記他端部側の端面
において前記共通内部電極と接続される共通外部電極と、前記共通外部電極に設けられ、
配線と接続される外部接続部と、前記外部接続部と前記共通内部電極との間の前記共通外
部電極の一部に設けられ、前記共通外部電極の他部より電気抵抗が小さい低抵抗部と、を
備えることを特徴とするアクチュエーター。
この適用例によれば、共通内部電極、個別内部電極、圧電材料層、個別外部電極および
共通外部電極で形成される回路の抵抗のうち、共通外部電極に設けられた外部接続部と共
通内部電極との間の共通外部電極の一部に、共通外部電極の他部より電気抵抗が小さい低
抵抗部を備えている。共通外部電極に設けられた外部接続部と共通内部電極との間の共通
外部電極の抵抗は、回路の直列抵抗部分に相当し、その抵抗値の大きさの回路全体の抵抗
値への寄与が大きい。したがって、回路中に抵抗値の大きい部分が少なくなり、回路全体
の抵抗値も下がり、電極部分の発熱による断線の少ない、適正な振動特性を有するアクチ
ュエーターが得られる。
[適用例2]
上記アクチュエーターにおいて、前記共通外部電極は、少なくとも前記他端部側の両角
部の近傍領域に、前記他端部側の端面から連続的に形成され、前記外部接続部は、前記両
角部の近傍領域に設けられ、前記低抵抗部は、前記他端部側の端面に形成された前記共通
外部電極に設けられていることを特徴とするアクチュエーター。
この適用例では、共通外部電極が他端部側の両角部の近傍領域と他端部側の端面との間
で連続的に形成されることにより、形成面の違いにより他端部側の端面に形成された共通
外部電極の抵抗値が大きくなっても、他端部側の端面に形成された共通外部電極に低抵抗
部を備えている。したがって、前述の効果を有するアクチュエーターが得られる。
[適用例3]
上記アクチュエーターにおいて、前記共通外部電極は、蒸着またはスパッタによって形
成されていることを特徴とするアクチュエーター。
この適用例では、蒸着、スパッタ方向に対する被蒸着、スパッタ面の傾きによって、他
端部側の両角部の近傍領域と他端部側の端面との間の共通外部電極の抵抗値が異なる場合
でも、接続領域に低抵抗部を備えている。したがって、前述の効果を有するアクチュエー
ターが得られる。
[適用例4]
上記アクチュエーターにおいて、前記低抵抗部は、前記外部接続部と前記共通内部電極
との間の前記共通外部電極の膜厚を、前記他部の前記他端部側の端面に形成された前記共
通外部電極の膜厚より厚くして設けられていることを特徴とするアクチュエーター。
この適用例では、共通外部電極の外部接続部と共通内部電極との間の膜厚を厚くするこ
とにより、外部接続部と共通内部電極との間の電子の通過量が増え、外部接続部と共通内
部電極との間の抵抗値が下がる。したがって、前述の効果を有するアクチュエーターが得
られる。
[適用例5]
上記アクチュエーターにおいて、前記低抵抗部は、前記共通外部電極と比較して低抵抗
の層によって設けられていることを特徴とするアクチュエーター。
この適用例では、共通外部電極の外部接続部と共通内部電極との間に共通外部電極と比
較して低抵抗の層を用いることにより、外部接続部と共通内部電極との間の抵抗値が下が
る。したがって、前述の効果を有するアクチュエーターが得られる。
[適用例6]
上記アクチュエーターにおいて、前記低抵抗部は、導電ペーストを前記共通外部電極に
塗布することによって設けられていることを特徴とするアクチュエーター。
この適用例では、導電ペーストを共通外部電極に塗布するだけで低抵抗部が得られる。
したがって、簡便で製造コストを抑えた前述の効果を有するアクチュエーターが得られる
[適用例7]
上記アクチュエーターにおいて、前記導電ペーストは、常温乾燥または常温接着タイプ
の銀ペーストであることを特徴とするアクチュエーター。
この適用例では、導電ペーストに常温乾燥または常温接着タイプの銀ペーストを用いる
ことにより、加熱することなく、より簡便で製造コストをより抑えた前述の効果を有する
アクチュエーターが得られる。
[適用例8]
上記アクチュエーターを備えたことを特徴とする液体噴射ヘッド。
この適用例によれば、前述の効果を有する液体噴射ヘッドが得られる。
[適用例9]
上記の液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
この適用例によれば、前述の効果を有する液体噴射装置が得られる。
記録装置を示す概略斜視図。 記録ヘッドの(a)は概略断面図、(b)は概略部分平面図。 アクチュエーターの圧電素子側から見た概略斜視図。 アクチュエーターの共通電極側から見た概略斜視図。 (a)はアクチュエーターの概略平面図、(b)は(a)におけるA−A概略断面図。 図5の端面のエッジ部におけるB−B拡大概略部分断面図。 変形例1における端面のエッジ部における図5(a)のB−B拡大概略部分断面図。 変形例2における端面のエッジ部における図5(a)のB−B拡大概略部分断面図。
以下、実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、実施形態における液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置(以下「記
録装置」という)100を示す概略斜視図である。
図1において、記録装置100は、キャリッジ101を有し、このキャリッジ101は
キャリッジモーター102により駆動されるタイミングベルト103を介し、ガイド部材
104に案内されてプラテン105の軸方向に往復移動されるように構成されている。
図1のキャリッジ101の記録用紙200に対向する側には、後述する流体噴射ヘッド
である例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下「記録ヘッド」という)300が搭載
され、その上部には、記録ヘッド300に液体である、例えば、インクを供給するブラッ
クインクカートリッジ106およびカラー用インクカートリッジ107が着脱可能に装填
されている。
そして、図1の記録用紙200は、印字等領域Pに配置されて、記録ヘッド300によ
ってインクが吐出され、印字等される構成となっている。
また、図1に示すように、記録用紙200が配置されない非印字等領域である例えば、
ホームポジションHには、キャップ部材や吸引手段等を有するクリーニング手段である例
えば、キャッピング手段120、吸引ポンプ130、そしてワイピング部材140が配置
されている。
図2は、記録ヘッド300の概略図である。図2(a)は概略断面図、図2(b)は概
略部分平面図である。
図2において、記録ヘッド300は、アクチュエーター10と、流路形成基板60と、
振動板65と、ノズル開口66が形成されたノズル形成基板67と、ヘッドケース68と
を備えている。
アクチュエーター10は、複数の圧電素子11と、圧電素子形成部材13と、固定基板
14と、共通外部電極21と、個別外部電極22とを備えている。
以下に、アクチュエーター10について詳しく説明する。
図3に、アクチュエーター10の圧電素子11側から見た概略斜視図を、図4に共通外
部電極21側から見た概略斜視図を、図5(a)に概略平面図、図5(b)に(a)のA
−A概略断面図を示した。
図3、図4および図5において、アクチュエーター10は、複数の圧電素子11がその
幅方向に並設された列12を有する圧電素子形成部材13と、圧電素子形成部材13の一
端部である先端部131が自由端となるように、他端部である基端部132が接合される
固定基板14とを備えている。
図5において、圧電素子形成部材13は、圧電材料層15と、圧電素子11の2つの極
を構成する内部電極、すなわち、隣接する圧電素子11と電気的に独立する個別電極を構
成する個別内部電極16と、隣接する圧電素子11と電気的に共通する共通電極を構成す
る共通内部電極17とを交互に挟んで積層することにより形成されている。
この圧電素子形成部材13には、例えば、ワイヤソー等によって複数のスリット18が
形成され、その先端部131側が櫛歯状に切り分けられて圧電素子11の列12が形成さ
れている。なお、圧電素子11の列12の両外側には、各圧電素子11よりも広い幅を有
する位置決め部19が設けられている。この位置決め部19は、アクチュエーター10を
、図2に示した記録ヘッド300に組み込む際に、アクチュエーター10を高精度に位置
決めするために設けられている。
ここで、各圧電素子11の個別電極となる個別内部電極16は、基本的には圧電素子形
成部材13の略全面に亘って設けられているが、固定基板14の端面14a近傍に対向す
る領域で基端部132側16aと先端部131側16bとに分離して設けられている。
一方、共通電極となる共通内部電極17も基本的に圧電素子形成部材13の略全面に亘
って設けられているが、個別内部電極16と同様に、圧電素子11の先端部131近傍で
分離されている。すなわち、圧電素子11の固定基板14に接合される領域は、振動に寄
与しない不活性領域となっており、圧電素子11を構成する個別内部電極16及び共通内
部電極17間に電圧を印加すると、固定基板14に接合されていない先端部131側の領
域のみが振動する。
この圧電素子形成部材13の一方側の表面、例えば、本実施形態では、固定基板14に
固定された面133とは反対側の表面134、基端部132側の端面13aおよび先端部
131側の端面13bには、共通内部電極17に接続される共通外部電極21と、個別内
部電極16に接続される個別外部電極22とがそれぞれ電気的に独立して設けられている

共通外部電極21は、圧電素子形成部材13の基端部132の表面134の両角部13
5近傍領域と基端部132側の端面13aとに連続的して設けられている。
共通外部電極21は、端面13aで以下のように形成されている。
圧電素子形成部材13の長手方向である幅方向の端面13aの両側面近傍で且つ厚さ方
向に亘った共通電極非形成部23を除いて形成されている。そして、共通外部電極21が
、圧電素子形成部材13の端面13aに露出している共通内部電極17と接続されている

なお、この共通電極非形成部23の幅は、圧電素子形成部材13表面の両角部135に
形成された共通外部電極21の幅よりも狭くなるように形成され、共通外部電極21が、
圧電素子形成部材13の端面13aから表面134まで連続的に設けられている。ここで
、共通外部電極21は、圧電素子形成部材13の端面13a全面に設けられていてもよい
低抵抗部21aが共通外部電極21の外部接続部26と共通内部電極17との間の接続
領域211に設けられている。
図6に、図5の端面13aのエッジ部13eにおけるB−B拡大概略部分断面図を示し
た。
共通外部電極21は、多層から構成されている。圧電素子形成部材13の端面13aお
よび表面134から順に、クロム層21b、銅層21c、ニッケルクロム層21d、金層
21eが形成されている。クロム層21b、金層21eは0.1μm程度、銅層21c、
ニッケルクロム層21dは、0.5μm程度である。
共通外部電極21は、単層であってもよいし、これらの層構成、膜厚に限らない。
図6において、低抵抗部21aは、接続領域211の少なくとも一部に導電ペーストで
ある銀ペーストを塗布することによって設けられている。
図では、低抵抗部21aは、共通外部電極21の外部接続部26と共通内部電極17と
の間の層の厚みが薄い部分に設けられている。なお、低抵抗部21aは、接続領域211
を含んで、広い範囲にわたって設けられていてもよい。
一方、個別外部電極22は、先端部131側の端面13bから圧電素子形成部材13の
表面134にかけて連続的に形成されている。表面134では、スリット18の形成方向
に、圧電素子形成部材13の表面134の両角部135近傍領域に形成されている共通外
部電極21の間の領域の一部に重なるまで形成されている。
また、個別外部電極22の基端部132側には、このような外部電極が形成されていな
い電極非形成部24を有する。
図2において、流路形成基板60は、シリコン単結晶基板からなり、その一方面側の表
層部分には、複数の隔壁61によって画成された圧力発生室62がその幅方向に並設され
ている。また、各圧力発生室62の長手方向一端部側には、各圧力発生室62にインクを
供給するためのリザーバ63がインク供給口64を介して連通されている。また、流路形
成基板60の圧力発生室62の開口面側は振動板65で封止され、他方面側にはノズル開
口66が穿設されたノズル形成基板67が接着剤や熱溶着フィルムを介して接着されてい
る。
振動板65上には、図1に示したブラックインクカートリッジ106およびカラー用イ
ンクカートリッジ107に接続されるインク供給路を有するヘッドケース68が固定され
ており、且つこのヘッドケース68には、アクチュエーター10が、固定基板14によっ
て高精度に位置決めされて固定されている。すなわち、圧電素子11の先端が振動板65
上の各圧力発生室62に対応する領域に設けられた各アイランド部69に当接されて固定
されている。
アクチュエーター10には、駆動電極51上に駆動IC52が搭載されたTABテープ
等の駆動配線50が、例えば、半田、異方性導電剤等によって各個別外部電極22及び共
通外部電極21の外部接続部26に接続されている。
外部接続部26と駆動電極51とが接続される領域以外は、絶縁層53で絶縁されてい
る。
このように構成された記録ヘッド300では、ブラックインクカートリッジ106およ
びカラー用インクカートリッジ107に連通されるインク供給路を介してリザーバ63に
インクが供給され、インク供給口64を介して各圧力発生室62に分配される。
具体的には、アクチュエーター10に電圧を印加することによりアクチュエーター10
を収縮させる。これにより、振動板65がアクチュエーター10と共に引き上げられて圧
力発生室62の容積が広げられ、圧力発生室62内にインクが引き込まれる。そして、ノ
ズル開口66に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、ア
クチュエーター10に印加していた電圧を解除すると、アクチュエーター10が伸長され
て元の状態に戻る。これにより、振動板65も変位して元の状態に戻るため圧力発生室6
2が収縮され、内部圧力が高まりノズル開口66からインク滴が吐出される。
以下に、アクチュエーター10の形成方法について説明する。
まず、一方側の表面に、共通外部電極21を有すると共に、一体的に設けられて後述す
る工程で圧電素子毎に切り分けられる個別外部電極22を有する圧電素子形成部材13を
形成する。
例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電材料層15と個別内部電極16及び
共通内部電極17とを交互にサンドイッチ状に挟んで積層して圧電素子形成部材13を形
成する。その後、積層形成した圧電素子形成部材13の表面に共通外部電極21を形成す
ると共に、個別外部電極22を一体的に形成する。
共通外部電極21および個別外部電極22は、圧電材料層15上に、例えば、ステンレ
ス鋼(SUS)等からなる所定形状のマスク部材を配置して、圧電素子形成部材13の表
面に金属材料等の導電材料を蒸着、スパッタすることによって形成する。
図6において、クロム層21b、銅層21c、ニッケルクロム層21d、金層21eを
蒸着、あるいはスパッタによって形成する。これにより、圧電素子形成部材13表面のマ
スク部材で覆われていない領域、すなわち、圧電素子形成部材13の基端部側の端面13
aからその表面の両角部近傍領域まで連続的に共通外部電極21が形成される。
ここで、図6には、蒸着、スパッタ物質の進む方向の一例を白抜き矢印で示した。
蒸着、スパッタ方向に対する被蒸着、スパッタ面の傾きによって、蒸着、スパッタ層の
厚さが異なる。例えば、外部接続部26の共通外部電極21の厚さW2と端面13aの共
通外部電極21の厚さW1とは異なり、W1がW2と比較して薄い。
低抵抗部21aは、共通外部電極21の厚さW1の領域の一部で、共通内部電極17ま
での接続領域211に設けられている。
図3〜図5において、圧電素子形成部材13の先端部131側の端面13bから共通外
部電極21の間の領域に個別外部電極22が共通外部電極21とは独立して形成される。
また、これら共通外部電極21と個別外部電極22とは、電気的にも独立して形成される
。共通外部電極21と圧電素子形成部材13の基端部132側の端面13aとの間は、マ
スク部材で覆われているため共通外部電極21及び個別外部電極22が存在しない電極非
形成部24となる。
このように共通外部電極21及び個別外部電極22を形成した後は、圧電素子形成部材
13の基端部132側の面133に固定基板14を接合する。これにより、アクチュエー
ター10が形成される。なお、この固定基板14は、特性の問題から比重が重く且つ硬い
材料、例えば、ステンレス鋼(SUS)又はタングステン合金等の金属を用いることが好
ましい。
アクチュエーター10は、共通外部電極21と一体的に形成された個別外部電極22と
が電気的に独立して設けられているため、この段階で、共通外部電極21と個別外部電極
22との絶縁不良、あるいは静電容量等の検査を行うことができる。すなわち、個別外部
電極22を圧電素子11毎に分割する前にこれらの検査を行うことができるため、検査工
程を著しく簡略化でき検査効率を向上することができる。
また、良品のアクチュエーター10を形成することができるため、歩留まりが著しく向
上する。なお、本実施形態では、圧電素子形成部材13に固定基板14を接合してアクチ
ュエーター10とし、その後、所定の検査を行うようにしたが、勿論、圧電素子形成部材
13に固定基板14を接合する前にこれらの検査を行うようにしてもよいことは言うまで
もない。
このような本実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)共通内部電極17、個別内部電極16、圧電材料層15、個別外部電極22およ
び共通外部電極21で形成される回路の抵抗のうち、共通外部電極21に設けられた外部
接続部26と最も近い共通内部電極17との間の接続領域211に、低抵抗部21aを備
えている。接続領域211の抵抗は、回路の直列抵抗部分に相当し、その抵抗値の大きさ
の回路全体の抵抗値への寄与が大きい。したがって、回路中に抵抗値の大きい部分を少な
くでき、回路全体の抵抗値を下げることができ、電極部分の発熱による断線の少ない、適
正な振動特性を有するアクチュエーター10を得ることができる。
(2)共通外部電極21が基端部132側の両角部135の近傍領域と基端部132側
の端面13aとの間で連続的に形成されることにより、形成面の違いにより基端部132
側の端面13aに形成された共通外部電極21の抵抗値が大きくなっても、基端部132
側の端面13aに形成された共通外部電極21に低抵抗部21aを備えている。したがっ
て、回路中の抵抗値の大きい部分を少なくでき、回路全体の抵抗値を下げることができ、
電極部分の発熱による断線の少ない、適正な振動特性を有するアクチュエーター10を得
ることができる。
(3)蒸着、スパッタ方向に対する被蒸着、スパッタ面の傾きによって、基端部132
側の両角部135の近傍領域と基端部132側の端面13aとの間の共通外部電極21の
抵抗値が異なる場合でも、接続領域211に低抵抗部21aを備えている。したがって、
前述の効果を有するアクチュエーター10を得ることができる。
(4)導電ペーストを共通外部電極21に塗布するだけで低抵抗部21aを得ることが
できる。したがって、簡便で製造コストを抑えた前述の効果を有するアクチュエーター1
0を得ることができる。
(5)導電ペーストに常温乾燥または常温接着タイプの銀ペーストを用いることにより
、加熱することなく、より簡便で製造コストをより抑えた前述の効果を有するアクチュエ
ーター10を得ることができる。
(6)前述の効果を有する記録ヘッド300を得ることができる。
(7)前述の効果を有する記録装置100を得ることができる。
低抵抗部21aは、共通外部電極21の外部接続部26と共通内部電極17との間の接
続領域211の共通外部電極21を厚く形成することによって設けてもよいし、別の層を
形成することによって設けてもよい。以下に、変形例を示す。
(変形例1)
共通外部電極21の外部接続部26と共通内部電極17との間の共通外部電極21を厚
くするには、蒸着、スパッタ源を移動させたり、圧電素子形成部材13の傾きを変えたり
することによって行う。
図7に、圧電素子形成部材13の傾きを変えて共通外部電極21を形成した場合の端面
13aのエッジ部13eにおける図5(a)のB−B拡大概略部分断面図を示した。
図7において、接続領域211の共通外部電極21の膜厚W3は、共通外部電極21の
外部接続部26の膜厚W2と同程度である。共通外部電極21の膜厚W3は、接続領域2
11の一部が厚くてもよいし、接続領域211を含んで、広い領域で厚くてもよい。
(8)共通外部電極21の接続領域211の膜厚を厚くすることにより、接続領域21
1の電子の通過量を増やせ、接続領域211の抵抗値を下げることができる。したがって
、前述の効果を有するアクチュエーター10を得ることができる。
(変形例2)
別の層を形成する例としては、共通外部電極21の外部接続部26と共通内部電極17
との間の接続領域211の共通外部電極21を金等の導電性のよい層ですべて置き換えて
もよい。
図8に、共通外部電極21の接続領域211を金層21eで置き換えて形成した場合の
端面13aのエッジ部13eにおける図5(a)のB−B拡大概略部分断面図を示した。
図8において、接続領域211の部分を金層21eで置き換えて低抵抗部21aを形成
している。金層21eで置き換える領域は、接続領域211の一部であってもよいし、接
続領域211を含んで、広い領域であってもよい。
(9)共通外部電極21の接続領域211に共通外部電極21と比較して低抵抗の金層
21eを用いることにより、接続領域211の抵抗値を下げることができる。したがって
、前述の効果を有するアクチュエーター10を得ることができる。
上述した実施形態以外にも、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、圧電素子形成部材13表面に設けられる共通外部電極21および個別外部電極
22のパターンは、上述した実施形態に限定されるものではない。
また、スリット18は、圧電素子形成部材13の端面13aに達することなく形成され
ているが、スリット18は、圧電素子形成部材13の端面13aに達する長さで形成され
ていてもよい。圧電素子形成部材13の端面13aには、両端部近傍以外の領域に共通外
部電極21が形成されている。このため、圧電素子形成部材13の端面13aに達するよ
うにスリット18を形成し、積層されている共通内部電極17の一部が圧電素子11毎に
完全に分離されたとしても、分離された各共通内部電極17は端面13aに設けられてい
る共通外部電極21によって導通が確保される。
なお、実施形態では、個別外部電極22を、圧電素子11の列12に対応する領域より
も若干広い領域に形成するようにしたため、位置決め部19上の一部にも個別外部電極2
2が形成されている。このように、圧電素子11の列12の長さよりも広い領域に一体的
に個別外部電極22を形成しておくことで、スリット18の形成位置に多少の誤差が生じ
ても、個別外部電極22を圧電素子11毎に確実に分離して個別外部電極22とすること
ができる。
また、実施形態では、圧電素子形成部材13表面の個別外部電極22の基端部132側
は、全ての領域が電極非形成部24となっているが、これに限定されず、共通外部電極2
1が、基端部132に沿って設けられる電極層によって圧電素子形成部材13表面に連続
的に設けられるようにしてもよい。
また、本実施形態では、共通外部電極21が、圧電素子形成部材13の基端部132側
の端面13aで共通内部電極17と接続されるようにしたが、これに限定されず、例えば
、共通外部電極21を圧電素子形成部材13の幅方向両端面、すなわち、圧電素子形成部
材13の両側面13c,13dに連続的に設けるようにし、圧電素子形成部材13の側面
13c,13dで、共通外部電極21と共通内部電極17とが接続されるようにしてもよ
い。共通外部電極21は、圧電素子形成部材13の両側面13c,13dと共に端面13
aに連続的に設けられていてもよい。
10…アクチュエーター、11…圧電素子、13…圧電素子形成部材、13a…他端部
側の端面、13b…一端部側の端面、15…圧電材料層、16,16a,16b…個別内
部電極、17…共通内部電極、18…スリット、21…共通外部電極、21a…低抵抗部
、22…個別外部電極、26…外部接続部、100…液体噴射装置としての記録装置、1
31…一端部としての先端部、132…他端部としての基端部、135…両角部、211
…接続領域、300…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド。

Claims (9)

  1. 個別内部電極と共通内部電極とが圧電材料層を挟んで積層される圧電素子形成部材の一
    端部側から他端部側に向う複数のスリットにより形成された複数の圧電素子と、
    前記一端部側の端面において前記個別内部電極と接続される個別外部電極と、
    前記他端部側の端面において前記共通内部電極と接続される共通外部電極と、
    前記共通外部電極に設けられ、配線と接続される外部接続部と、
    前記外部接続部と前記共通内部電極との間の前記共通外部電極の一部に設けられ、前記
    共通外部電極の他部より電気抵抗が小さい低抵抗部と、を備える
    ことを特徴とするアクチュエーター。
  2. 請求項1に記載のアクチュエーターにおいて、
    前記共通外部電極は、少なくとも前記他端部側の両角部の近傍領域に、前記他端部側の
    端面から連続的に形成され、
    前記外部接続部は、前記両角部の近傍領域に設けられ、
    前記低抵抗部は、前記他端部側の端面に形成された前記共通外部電極に設けられている
    ことを特徴とするアクチュエーター。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアクチュエーターにおいて、
    前記共通外部電極は、蒸着またはスパッタによって形成されている
    ことを特徴とするアクチュエーター。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のアクチュエーターにおいて、
    前記低抵抗部は、前記外部接続部と前記共通内部電極との間の前記共通外部電極の膜厚
    を、前記他部の前記他端部側の端面に形成された前記共通外部電極の膜厚より厚くして設
    けられている
    ことを特徴とするアクチュエーター。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のアクチュエーターにおいて、
    前記低抵抗部は、前記共通外部電極と比較して低抵抗の層によって設けられている
    ことを特徴とするアクチュエーター。
  6. 請求項4または請求項5に記載のアクチュエーターにおいて、
    前記低抵抗部は、導電ペーストを前記共通外部電極に塗布することによって設けられて
    いる
    ことを特徴とするアクチュエーター。
  7. 請求項6に記載のアクチュエーターにおいて、
    前記導電ペーストは、常温乾燥または常温接着タイプの銀ペーストである
    ことを特徴とするアクチュエーター。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のアクチュエーターを備えた
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  9. 請求項8に記載の液体噴射ヘッドを備えた
    ことを特徴とする液体噴射装置。
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