JP2010226155A - 電流制限回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】D級増幅器の出力段を構成するスイッチング素子など、比較的大きな電流のスイッチングを行うスイッチング素子に大きなダメージが与えられることがないように、スイッチング素子を過電流から保護することができる電流制限回路を提供する。
【解決手段】保護対象であるスイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出部と、前記スイッチング素子に流れる電流を定電流に制限する電流制限信号を発生させる電流制御部と、前記電流検出部によって許容値以上の電流が検出されていないときは、前記スイッチング素子を駆動するための制御信号をプリドライバから前記スイッチング素子に供給させ、前記電流検出部によって許容値以上の電流が検出されたときは、前記電流制限信号を前記電流制御部から前記スイッチング素子へ供給させるモード切り換え部とを有することを特徴とする電流制限回路、を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体集積回路に関し、特に、D級増幅器など、比較的大きな電流のスイッチングを行うスイッチング素子を備えた回路の過電流保護に好適な電流制限回路に関する。
D級増幅器としては、スイッチング素子たる4個の出力トランジスタからなるブリッジ回路を出力段として有するものが一般に知られている。この種のブリッジ回路は、高電位電源線と低電位電源線との間に直列に介挿された第1および第2の出力トランジスタと、同じく高電位電源線と低電位電源線との間に直列に介挿された第3および第4の出力トランジスタにより構成されている。そして、入力信号に応じて第1および第4の出力トランジスタの組と、第2および第3の出力トランジスタの組が交互にON/OFF制御され、第1および第2の出力トランジスタのドレイン同士の共通接続点と、第3および第4の出力トランジスタのドレイン同士の共通接続点との間に介挿される負荷(例えば、スピーカなど)の駆動が行われる。
このようなD級増幅器によってスピーカを適切に駆動するためには、各スイッチング素子のON抵抗を低くする必要がある。しかし、スイッチング素子のON抵抗を低くした場合、負荷の一端の天絡または地絡、あるいは負荷の両端の短絡などがあった場合に、スイッチング素子に許容値以上の過電流が流れ、最悪の場合、スイッチング素子が破損する可能性がある。そこで、過電流によるスイッチング素子の破損を防止するための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1は、各スイッチング素子に流れる電流を監視し、過電流が検出された場合には、そのスイッチング素子をOFF状態とする電流遮断回路を設けることを提案している。そして、この特許文献1には、上記のような電流遮断回路を用いて各スイッチング素子の保護を行う場合には、D級増幅器の動作が不安定にならないようにするため、所定時間以上継続して過電流が検出された場合に、電流遮断回路を作動させることも提案されている。
特開2002−171140号公報 特開2008−17268号公報
しかし、特許文献1に開示された技術のように、所定時間以上継続して過電流が検出された場合にその過電流が検出されたスイッチング素子をOFF状態とする構成では、所定時間に亘ってそのスイッチング素子に電流が流れ続けるため、スイッチング素子をOFF状態にする段階では、そのスイッチング素子を流れる電流が非常に大きな値(数10アンペアなど)に達してしまい、スイッチング素子の破損を免れることができない場合がある。
特許文献2に開示された技術は、特許文献1に開示された技術の改良に関するものである。この特許文献2には、スイッチング素子(電界効果トランジスタ)の過電流が許容値以上になると、その電界効果トランジスタのドレイン電流を電流目標制限値に制限する電流制御部(特許文献2の図5および図8、或いは図9および図12参照)を上記電流遮断回路とは別に設けることが提案されている。このような構成とすることで、電流遮断回路の動作が遅れる場合でも、電界効果トランジスタのドレイン電流が過剰に大きくなることはなく、スイッチング素子にダメージが与えられることが回避されると期待される。しかし、特許文献2の図5に開示された構成では、上記許容値や電流目標制限値は図5のトランジスタ601や603のゲート閾値VTに依存するため、D級増幅器の製造状態によってはばらつきが生じやすく、そのばらつき具合によっては、過電流によるスイッチング素子の破損を免れることができない場合もあり得る。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、D級増幅器の出力段を構成するスイッチング素子など、比較的大きな電流のスイッチングを行うスイッチング素子に大きなダメージが与えられることがないように、スイッチング素子を過電流から保護することができる電流制限回路を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、保護対象であるスイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出部と、前記スイッチング素子に流れる電流を定電流に制限する電流制限信号を発生させる電流制御部と、前記電流検出部によって許容値以上の電流が検出されていないときは、前記スイッチング素子を駆動するための制御信号をプリドライバから前記スイッチング素子に供給させ、前記電流検出部によって許容値以上の電流が検出されたときは、前記電流制限信号を前記電流制御部から前記スイッチング素子へ供給させるモード切り換え部とを有することを特徴とする電流制限回路、を提供する。
このような電流制限回路によれば、スイッチング素子に許容値以上の電流が流れた場合、そのスイッチング素子を流れる電流が定電流となるようにモード切り換えが行われる。このため、その定電流を上記許容値と等しいか若干大きい程度の値に定めておけば、そのスイッチング素子に与えられるダメージを最小限にすることができる。
上記電流制御部の具体的な構成例としては、高電位電源線と低電位電源線との間に直列に介挿される第1および第2のスイッチング素子と、前記高電位電源線と低電位電源線との間に直列に介挿される定電流源および第3のスイッチング素子とを含み、前記電流検出部によって許容値以上の電流が検出されたときには、前記第1のスイッチング素子と前記保護対象のスイッチング素子とを第1のカレントミラー回路として機能させるとともに、前記第2のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子とを第2のカレントミラー回路として機能させ、前記第1および第2のスイッチの共通接続点の電圧を前記電流制限信号として出力する構成が考えられる。また、上記電流検出部の具体的な構成例としては、前記保護対象であるスイッチング素子の出力端の電位が所定レベルに達したことに基づき、前記許容値以上の電流が前記保護対象のスイッチング素子に流れているか否かの検出を行う構成が考えられる。
本発明の実施形態に係る電流制限回路を過電流保護回路として有するD級増幅器の構成例を示すブロック図である。 正常な状態において同実施形態における出力バッファ回路10の各トランジスタの各ゲートに与えられる制御信号の波形を示す波形図である。 同実施形態において出力バッファ回路10のトランジスタNPおよびPPのドレイン同士の接続点に地絡があり、トランジスタPPに過電流が流れた場合における過電流保護の動作例を示すタイムチャートである。 同実施形態における電流検出部30の構成例を示す回路図である。 同実施形態における電流制限部70PPの構成例を示す回路図である。 同実施形態における電流制限部70NPの構成例を示す回路図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しつつ説明する。
(A:第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態である電流制限回路を過電流保護回路として備えたD級増幅器の構成を示す回路図である。このD級増幅器を構成する各回路は、高耐圧電界効果トランジスタ(以下、単にトランジスタという)等により構成されており、これら各回路には電源電圧VDDが与えられる。ここで、高耐圧電界効果トランジスタとは、ソース、ドレイン間にダイオードが接続されているため、ドレインとソースとを入れ替えて使用することができない電界効果トランジスタをいう。このように高耐圧電界効果トランジスタを用いて各回路を構成するのは、本実施形態に係るD級増幅器においては、比較的大きな電流値の電流のスイッチングが行われるからである。
出力バッファ回路10は、D級増幅器の最終出力段をなしており、PチャネルトランジスタPPと、NチャネルトランジスタNPと、PチャネルトランジスタPMと、NチャネルトランジスタNMとにより構成されている。ここで、PチャネルトランジスタPPおよびPMの各ソースは高電位電源線(図示省略)に、NチャネルトランジスタNPおよびNMの各ソースは低電位電源線(図示省略)に接続されている。この高電位電源線は、上記電源の正極側出力端子に接続されており、低電位電源線は同電源の負極側出力端子に接続されているとともに接地されている。そして、PチャネルトランジスタPPおよびNチャネルトランジスタNPのドレイン同士が接続され、この接続点が負荷Lの一端に接続されており、同様に、PチャネルトランジスタPMおよびNチャネルトランジスタNMのドレイン同士が接続され、この接続点が負荷Lの他端に接続されている。
この負荷Lは、例えばスピーカである。このD級増幅器の稼動時、この負荷Lの一端に天絡または地絡、あるいは負荷Lの両端の短絡が発生すると、出力バッファ回路10を構成するトランジスタPP、PM、NPまたはNMのいずれかに許容値以上の過電流が流れる場合がある。本実施形態の特徴は、そのような過電流からトランジスタPP、PM、NPおよびNMを保護する過電流保護回路にある。なお、この過電流保護回路の詳細については後述する。
PWM(Pulse Width Modulation)変調部20は、外部から与えられる入力信号INのレベルに応じてパルス幅変調された4相のパルスPWMPP、PWMPM、PWMNPおよびPWMNMを出力する。詳細については後述するが、トランジスタPP、NP、PMおよびNMのいずれにも過電流が流れておらず、D級増幅器が正常に動作している状況では、PWM変調部20から出力されるパルスPWMPP、PWMPM、PWMNPおよびPWMNMは、ANDゲート31、ANDゲート32、ORゲート33およびORゲート34の各々を通過し、電流制限部70PP、70PM、70NPおよび70NMの各々を通過し、プリドライバ51〜54の各々に与えられる。
プリドライバ51〜54は、各々出力バッファ回路10のトランジスタPP、PM、NPおよびNMを駆動するインバータ構成のドライバであり、プリドライバ51は、Pチャネルトランジスタ51PおよびNチャネルトランジスタ51Nにより、プリドライバ52は、Pチャネルトランジスタ52PおよびNチャネルトランジスタ52Nにより、プリドライバ53は、Pチャネルトランジスタ53PおよびNチャネルトランジスタ53Nにより、プリドライバ54は、Pチャネルトランジスタ54PおよびNチャネルトランジスタ54Nにより各々構成されている。これらのプリドライバ51、52、53および54は、D級増幅器が正常に動作している状況では、電流制限部70PP、70PM、70NPおよび70NMの各々から与えられる信号に基づいて、トランジスタPP、PM、NPおよびNMの各々を駆動するためのゲート信号GPP、GPM、GNPおよびGNMを出力する。
図2は、正常な状態においてトランジスタPP、PM、NPおよびNMの各ゲートに与えられる制御信号GPP、GPM、GNPおよびGNMの波形を示すものである。図2において、期間TAでは、制御信号GPP、GPM、GNPおよびGNMが各々Lレベル、Hレベル、LレベルおよびHレベルとされ、トランジスタPPおよびNMの組がON状態、トランジスタPMおよびNPの組がOFF状態とされる。従って、期間TAでは、トランジスタPP、負荷LおよびトランジスタNMという経路を介して電源からの電流が流れる。また、期間TBでは、制御信号GPP、GPM、GNPおよびGNMが各々Hレベル、Lレベル、HレベルおよびLレベルとされ、トランジスタPMおよびNPの組がON状態、トランジスタPPおよびNMの組がOFF状態とされる。従って、期間TBでは、トランジスタPM、負荷LおよびトランジスタNPという経路を介して電源からの電流が流れる。
期間TAとその後の期間TBとの間および期間TBとその後の期間TAとの間にはデッドタイムTDが介在している。このデッドタイムTDにおいては、トランジスタPP、PM、NPおよびNMの全てがOFF状態とされる。正常動作時においては、図示のように期間TAおよびTBがデッドタイムTDを間に挟んで交互に繰り返され、出力バッファ回路10による負荷Lのプッシュプル駆動が行われる。なお、期間TAおよびTBの間にデッドタイムTDを設けるのは、貫通電流の発生を防止するためである。
次に、過電流保護回路について説明する。この過電流保護回路は、図1の電流検出部30と、電流制限部70PP、70PM、70NPおよび70NMとで構成されている。つまり、本発明の一実施形態である電流制限回路は、電流検出部30と、電流制限部70PP、70PM、70NPおよび70NMとで構成されている。図1に示すように、電流制限部70PPはモード切り換え部71PPと電流制御部72PPを、電流制限部70PMはモード切り換え部71PMと電流制御部72PMを、電流制限部70NPはモード切り換え部71NPと電流制御部72NPを、電流制限部70NMはモード切り換え部71NMと電流制御部72NMを、各々含んでいる。
電流検出部30は、トランジスタPP、PM、NPおよびNMに流れる電流を検出する。そして、電流検出部30は、予め定められた許容値th1以上の過電流がトランジスタPP、PM、NPまたはNMの何れかを流れていることを検出すると、過電流検出信号IN_PCHP、IN_PCHM、IN_NCHPおよびIN_NCHMのうち該当するもの(例えば、トランジスタPPについて過電流が検出された場合には、IN_PCHP)を非アクティブレベル(Lレベル)からアクティブレベル(Hレベル)に変化させ、上記過電流が検出されている間はその状態を維持する。この電流検出部30は、特許文献1に開示された電流遮断回路の機能も有しており、所定時間Tに亘って過電流が流れ続けていることを検出すると、その過電流が流れているトランジスタを強制的にOFF状態とする制御も行う。
トランジスタPP、PM、NPおよびNMのいずれにも許容値th1以上の過電流が流れていないと認められる場合、電流検出部30は、非アクティブレベルのエラー信号Err1およびErr2を出力する。本実施形態では、エラー信号Err1の非アクティブレベルはHレベルであり、エラー信号Err2の非アクティブレベルはLレベルである。電流検出部30から出力されるエラー信号Err1は、ANDゲート31および32に与えられるとともに、電流制限部70PPおよび70PMに与えられ、電流検出部30から出力されるエラー信号Err2は、ORゲート33および34に与えられるとともに、電流制限部70NPおよび70NMに与えられる。
このように、トランジスタPP、PM、NPおよびNMのいずれにも許容値th1以上の過電流が流れていないと認められる場合には、非アクティブレベル(Hレベル)のエラー信号Err1がANDゲート31および32に与えられ、非アクティブレベル(Lレベル)のエラー信号Err2がORゲート33および34に与えられるため、PWM変調部20から出力されるパルスPWMPP、PWMPM、PWMNPおよびPWMNMは、ANDゲート31および32、ORゲート33および34を各々通過し、制御信号CPP、CPM、CNPおよびCNMとして電流制限部70PP、70PM、70NPおよび70NMの各々に与えられる。詳細については後述するが、エラー信号Err1およびErr2が共に非アクティブレベルであり、かつ、過電流検出信号IN_PCHP、IN_PCHM、IN_NCHPおよびIN_NCHMの各々が非アクティブレベルである場合には、制御信号CPP、CPM、CNPおよびCNMの各々は、電流制限部70PP、70PM、70NPおよび70NMを各々通過し、プリドライバ51、52、53および54により各々レベル反転され、制御信号GPP、GPM、GNP、GNMとしてトランジスタPP、PM、NPおよびNMの各ゲートに与えられる。
これに対して、トランジスタPP、PM、NPまたはNMのいずれかに許容値th1以上の過電流が流れていることを検出すると、電流検出部30は、過電流検出信号IN_PCHP、IN_PCHM、IN_NCHPおよびIN_NCHMのうち該当するものをアクティブレベルにするとともに、そのような過電流が流れている状態が所定時間Tに亘って継続するか否かを監視し、その監視中は、エラー信号Err1およびErr2を共に非アクティブレベルに維持する。例えば、トランジスタPPについてのみ許容値th1以上の過電流が流れていることが検出されると、過電流検出信号IN_PCHPのみがアクティブレベルとされ、他の過電流検出信号(すなわち、IN_PCHM、IN_NCHPおよびIN_NCHM)は何れも非アクティブレベルとされる。このような状態においては、電流制限部70PM、70NPおよび70NMの各々は、前述した過電流が流れていないと認められる場合と同様、制御信号CPM、CNPおよびCNMを各々通過させる。これに対して、電流制限部70PPは、プリドライバ51のPチャネルトランジスタ51PおよびNチャネルトランジスタ51Nを共にOFF状態とし、トランジスタPPに流れるドレイン電流が所定の定電流(本実施形態では、許容値th1に等しい電流値の定電流)となるように、そのトランジスタPPのゲートに与える制御信号GPPを制御する。
そして、出力バッファ回路10におけるトランジスタPP、PM、NPまたはNMのいずれかに許容値th1以上の過電流が所定時間Tに亘って流れ続けたことを検出すると、電流検出部30は、エラー信号Err1およびErr2の各々をアクティブレベルに変化させる。これにより、ANDゲート31および32は、各々Lレベルの制御信号CPPおよびCPMを出力し、ORゲート33および34は、各々Hレベルの制御信号CNPおよびCNMを出力する。詳細については後述するが、電流制限部70PP,70PM、70NPおよび70NMの各々は、アクティブレベルのエラー信号が与えられる状況下では、制御信号CPP、CPM、CNPおよびCNMの各々をそのまま通過させ、プリドライバ51〜54の各々に与える。これらCPP、CPM、CNPおよびCNMの各々はプリドライバ51〜54の各々によってレベル反転され、制御信号GPP、GPM、GNPおよびGNMとして、トランジスタPP、PM、NPおよびNMの各々のゲートに与えられる。その結果、出力バッファ回路10のトランジスタPP、PM、NPおよびNMは、全てOFF状態とされる。
既に述べたように、所定の許容値以上の過電流が流れたことを契機として即座にそのトランジスタをOFFにする技術(例えば、特許文献1に従来技術として開示された技術)によりトランジスタPP、PM、NPまたはNMの過電流保護を行うと、以下の問題があった。すなわち、トランジスタPP、PM、NPまたはNMをOFF状態にするための条件が緩やかなものであると、D級増幅器の通常の動作の際、トランジスタPP、PM、NPまたはNMに一時的に過大なスイッチング電流が流れた場合、トランジスタPP、PM、NPまたはNMを破壊に至らしめる可能性のあるエネルギーの大きな過電流が流れていないにも拘わらず、トランジスタPP、PM、NPおよびNMがOFF状態とされ、D級増幅器の動作が不安定になるおそれがある、という問題があった。そこで、このような不安定な動作を招かないようにするために、特許文献1に開示された技術では、トランジスタPP、PM、NPまたはNMのいずれかに所定時間に亙って許容値以上の過電流が流れ続けたときにトランジスタPP、PM、NPまたはNMをOFF状態にする、という方法で対処していた。
しかし、このような対処法では、トランジスタPP、PM、NPまたはNMのいずれかに過電流が流れ始めてからOFF状態とされるまでの間、そのトランジスタに過電流が流れ続けてしまうため、トランジスタPP、PM、NPおよびNMに流れる過電流の電流値が非常に大きな値になり、トランジスタを破損させてしまう虞がある。また、トランジスタを流れる過電流が非常に大きな値となったときに、そのトランジスタをOFF状態にしてしまうと、負荷Lの両端に過大な電圧が誘発され、この電圧が印加されることによりトランジスタPP、PM、NPまたはNMにダメージが与えられるという不都合が生じ得る。
これに対して、本実施形態に係る過電流保護回路(電流制限回路)によれば、過電流が流れ続ける場合でも、その電流値は許容値th1に抑えられるため、以上のような不都合は是正される。以下、具体例を挙げ、本実施形態において行われる過電流保護の動作を説明する。
図3は、図1におけるトランジスタPPおよびNPのドレイン同士の接続点に地絡があり、トランジスタPPに過電流が流れた場合における過電流保護の動作例を示すタイムチャートである。
図3に示すように、パルスPWMPPがHレベルとなると、トランジスタPPのゲートに対する制御信号GPPがLレベルとなり、トランジスタPPがON状態となる。このとき、地絡が発生すると、トランジスタPPのドレイン電流IPPが増加を始める。そして、ドレイン電流IPPが許容値th1以上になると、電流検出部30は、過電流検出信号IN_PCHPをアクティブレベルとするとともに、その状態(すなわち、許容値th1以上の過電流がトランジスタPPに流れている状態)が所定時間Tに亘って継続するか否かの監視を開始する。過電流検出信号IN_PCHPがアクティブレベルとされると、プリドライバ51のトランジスタ51Pおよび51Nは電流制限部70PPによって共にOFF状態にされ、ドレイン電流IPPが許容値th1に制限されるようにトランジスタPPのゲートに与える制御信号GPPが電流制限部70PPによって制御される。このため、以後、トランジスタPPのドレイン電流IPPは許容値th1に制限される。
そして、トランジスタPPのドレイン電流IPPが許容値th1を超えている状態の継続時間が所定時間Tに達すると、電流検出部30によりエラー信号Err1がアクティブレベルとされ、その結果、制御信号GPPが強制的にHレベルとされる。これによりトランジスタPPがOFF状態とされるのである。
以上のように、本実施形態によれば、トランジスタPPの過電流が許容値th1以上になると、電流制限部70PPによりトランジスタPPのドレイン電流IPPをその許容値th1に制限する制御が直ちに行われる。仮に、電流制限部70PPによる電流制限が行われないとすると、トランジスタPPに流れるドレイン電流IPPは図3に破線で例示するように増加し、トランジスタPPがOFF状態に切り換えられるときには、ドレイン電流IPPの電流値は非常に大きな値(図示の例ではIPPmax)と成り、トランジスタPPがOFF状態となるときに負荷Lの両端に過大な電圧が誘発され、この電圧により出力バッファ回路10におけるいずれかのトランジスタに大きなダメージが与えられる可能性がある。しかし、本実施形態では、上記所定時間Tの監視中は、トランジスタPPのドレイン電流IPPは電流制限部70PPにより許容値th1に制限されるため、トランジスタPPがOFF状態とされるときに負荷Lの両端に誘発される電圧を低くし、出力バッファ回路10の各トランジスタに与えられるダメージを少なくすることができる。
以上、トランジスタPPに過電流が流れた場合の過電流保護の動作を説明したが、他のトランジスタPM、NPおよびNMに過電流が流れる場合も、上記と同様な過電流保護の動作が行われる。
次に、電流検出部30、電流制限部70PP、70PM、70NPおよび70NMの具体例を順に説明する。
<電流検出部の具体例>
図4は電流検出部30の構成例を示す回路図である。この電流検出部30には、基準レベルREFPおよびREFNが与えられるとともに、出力バッファ回路10におけるトランジスタPPおよびNPの各ドレインの接続点の信号OUTPと、トランジスタPMおよびNMの各ドレインの接続点の信号OUTMと、PWM変調部20から出力されるパルスPWMPP、PWMPM、PWMNPおよびPWMNMとが与えられる。
電流検出部30は、図示のように、コンパレータ301〜304、インバータ311〜314、ローアクティブANDゲート321および322、ANDゲート323および324、タイマ331〜334、ORゲート341、セットリセットフリップフロップ342を接続してなるものである。ここで、コンパレータ301および302に与えられる基準レベルREFPは、トランジスタPPまたはPMに上記許容値th1に相当するドレイン電流が流れた場合における同トランジスタのドレイン電圧に合わせて設定されている。また、コンパレータ303および304に与えられる基準レベルREFNは、トランジスタNPまたはNMに上記許容値th1に相当するドレイン電流が流れた場合の同トランジスタのドレイン電圧に合わせて設定されている。これら基準レベルREFPおよびREFNの発生態様としては種々のものが考えられる。例えば、高電位電源線と低電位電源線との間の電圧を分圧する分圧回路(図示省略)をD級増幅器に設け、この分圧回路により上記各基準レベルを発生させる態様であっても良く、また、高電位電源線と低電位電源線との間の電圧に基づいて上記各基準レベルに応じた定電圧を各々発生させる定電圧回路をD級増幅器に設け、これら定電圧回路の出力電圧を電流検出部30に供給する態様であっても良い。
この構成において、ローアクティブANDゲート321は、パルスPWMPPがHレベルであり、かつ、コンパレータ301の出力信号がLレベルである(信号OUTPのレベルが基準レベルREFPより低い)場合に、トランジスタPPに許容値th1以上の過電流が流れていることを示す過電流検出信号IN−PCHPをアクティブレベルとする。また、ローアクティブANDゲート322は、パルスPWMPMがHレベルであり、かつ、コンパレータ302の出力信号がLレベルである(信号OUTMのレベルが基準レベルREFPより低い)場合に、トランジスタPMに許容値th1以上の過電流が流れていることを示す過電流検出信号IN−PCHMをアクティブレベルとする。また、ANDゲート323は、パルスPWMNPがLレベルであり、かつ、コンパレータ303の出力信号がHレベルである(信号OUTPのレベルが基準レベルREFNより高い)場合に、トランジスタNPに許容値th1以上の過電流が流れていることを示す過電流検出信号IN−NCHPをアクティブレベルとする。また、ANDゲート324は、パルスPWMNMがLレベルであり、かつ、コンパレータ304の出力信号がHレベルである(信号OUTMのレベルが基準レベルREFNより高い)場合に、トランジスタNMに許容値th1以上の過電流が流れていることを示す過電流検出信号IN−NCHMをアクティブレベルとする。図4に示すように、過電流検出信号IN_PCHP、IN_PCHM、IN_NCHPおよびIN_NCHMの各々は、電流制限部70PP、70PM、70NPおよび70NMの各々に与えられるとともに、タイマ331〜334の各々に与えられる。
タイマ331は、過電流検出信号IN−PCHPが所定時間T以上に亙ってアクティブレベルを継続したときパルスを出力する。同様に、タイマ332は過電流検出信号IN−PCHMが所定時間T以上に亙ってアクティブレベルを継続したとき、タイマ333は過電流検出信号IN−NCHPが所定時間T以上に亙ってアクティブレベルを継続したとき、タイマ334は過電流検出信号IN−NCHMが所定時間T以上に亙ってアクティブレベルを継続したときに、パルスを各々出力する。ORゲート341は、タイマ331〜334のいずれかからパルスが出力されたとき、そのパルスをセットリセットフリップフロップ342のセット端子に与える。そして、セットリセットフリップフロップ342のハイアクティブ出力端子の出力信号は上述したエラー信号Err2として出力され、ローアクティブ出力端子の出力信号は上述したエラー信号Err1として出力される(図1参照)。なお、セットリセットフリップフロップ342は、D級増幅器の電源投入時にリセットされるようになっている。
<電流制限部の構成例>
図5は、電流制限部70PPの構成例を示す回路図である。図5にて点線で囲われている部分が電流制限部70PPの構成要素である。図5を参照すれば明らかように、電流制限部70PPは、モード切り換え部71PPおよび電流制御部72PPの他に、ANDゲート73PPおよびインバータ74PPを含んでいる。なお、電流制限部70PMも、この図5に示すものと同様な構成である。
ANDゲート73PPの各入力端子には、過電流検出信号IN_PCHPとエラー信号Err1が与えられる。このため、ANDゲート73PPは、過電流検出信号IN_PCHPがアクティブレベル(Hレベル)であり、かつ、エラー信号Err1が非アクティブレベル(Hレベル)である場合に、Hレベルの制御信号MOD_CHPPを出力し、その他の場合には、Lレベルの制御信号MOD_CHPPを出力する。ANDゲート73PPから出力される制御信号MOD_CHPPは、モード切り換え部71PPに与えられる一方、インバータ74PPによってレベル反転され、電流制御部72PPに与えられる。
モード切り換え部71PPは、プリドライバ51を構成するトランジスタ51Pにゲート信号CPP―Aを与え、そのON/OFF制御を行うとともに、同じくプリドライバ51を構成するトランジスタ51Nにゲート信号CPP−Bを与え、そのON/OFF制御を行う。図5に示すようにトランジスタ51Pと51Nのドレイン同士の共通接続点には、ゲート信号線800PPが接続されており、このゲート信号線800PPは、出力バッファ回路10のトランジスタPPのゲートに接続されている。
図5に示すように、モード切り換え部71PPは、ORゲート711とANDゲート712とを有している。ORゲート711は、前述したANDゲート31(図1参照)の出力信号CPPと、制御信号MOD_CHPPの論理和をゲート信号CPP―Aとして出力する。一方、ANDゲート712のハイアクティブ入力端子には信号CPPが与えられ、同ローアクティブ入力端子には制御信号MOD_CHPPが与えられる。このANDゲート712の出力信号はゲート信号CPP−Bとしてトランジスタ51Nのゲートに与えられる。したがって、制御信号MOD_CHPPがLレベルである場合には、ANDゲート31の出力信号CPPがそのままゲート信号CPP−AおよびCPP−Bとしてトランジスタ51Pおよび51Nの各ゲートに与えられる。D級増幅器が正常に動作している状態では、過電流検出信号IN_PCHPは非アクティブレベル(Lレベル)であり、エラー信号Err1も非アクティブレベル(Hレベル)であるから、制御信号MOD_CHPPはLレベルとなり、制御信号CPP(PWM変調部20の出力信号PWMPP)によってトランジスタ51Pおよび51NのON/OFF制御が行われる。
これに対して、トランジスタPPに許容値th1以上の過電流が流れていることが検出され、その過電流が所定時間Tに渡って流れ続けるのか否かを監視している状態では、過電流検出信号IN_PCHPはアクティブレベルとされ、エラー信号Err1は非アクティブレベルに維持される。この状態では、制御信号MOD_CHPPはHレベルとなり、信号CPPがHレベルであるかLレベルであるかに拘らず、常にHレベルのゲート信号CPP−AがORゲート711からトランジスタ51Pのゲートに与えられるとともに、Lレベルのゲート信号CPP−BがANDゲート712からトランジスタ51Nのゲートに与えられる。したがって、上記所定時間Tの監視中は、プリドライバ51を構成するトランジスタ51Pおよび51Nの両者が強制的にOFFにされる。このようにトランジスタ51Pおよび51Nの両者がOFFになると、ゲート信号線800PPは浮いた状態になり、電流制御部72PPが出力する電流制限信号によってトランジスタPPの制御が為される。
次いで、電流制御部72PPの構成について説明する。図5に示すように、電流制御部72PPは、電源に接続された高電位電源線(図示省略)と接地線である低電位電源線との間にPチャネルトランジスタ721、Pチャネルトランジスタ722およびNチャネルトランジスタ723を直列に介挿してなる部分を含んでいる。この部分において、Pチャネルトランジスタ722とNチャネルトランジスタ723のドレイン同士の共通接続点にはゲート信号線800PPが接続されている。このゲート信号線800PPは、出力バッファ回路10のトランジスタPPのゲートに接続されており、このトランジスタPPのON/OFFを制御するための制御信号をトランジスタPPに与える制御信号線の役割を果たす。そして、ゲート信号線800PPには、さらに、Pチャネルトランジスタ722のゲートが接続されている。詳細については後述するが、制御信号MOD_CHPPがHレベルになると、Pチャネルトランジスタ722とNチャネルトランジスタ723のドレイン同士の共通接続点の電圧が上記電流制限信号としてトランジスタPPのゲートに与えられる。
また、電流制御部72PPは、上記高電位電源線と低電位電源線との間に定電流源724およびNチャネルトランジスタ725を直列に介挿してなる部分を有している。図5に示すように、Nチャネルトランジスタ723と725はゲート同士が接続され、さらに、Nチャネルトランジスタ725のゲートは、同トランジスタのドレインに接続されている。そして、Nチャネルトランジスタ723および725のゲート同士の共通接続点と低電位電源線との間には、Nチャネルトランジスタ726が介挿されている。
図5に示す電流制御部72PPにおいて、Pチャネルトランジスタ721のゲートと、Nチャネルトランジスタ726のゲートには、制御信号MOD_CHPPをインバータ74PPによりレベル反転した信号が与えられる。したがって、制御信号MOD_CHPPがLレベルである場合には、Nチャネルトランジスタ726はONになり、定電流源724から出力される電流は、Nチャネルトランジスタ726を経て低電位電源線に流れる。この場合、Nチャネルトランジスタ726のドレイン電圧は接地電圧に等しくなり、Nチャネルトランジスタ723および725は各々OFFになる。また、制御信号MOD_CHPPがLレベルである場合には、Pチャネルトランジスタ721がOFFになり、Pチャネルトランジスタ722のソースは浮いた状態となる。したがって、Pチャネルトランジスタ722とNチャネルトランジスタ723のドレイン同士の共通接続点に接続されたゲート信号線800PPも浮いた状態となる。このように、制御信号MOD_CHPPがLレベルである場合には、電流制御部72PPにおいてゲート信号線800PPは浮いた状態となるのであるから、この電流制御部72PPがプリドライバ51によるトランジスタPPのON/OFF制御の妨げとなることはない。
これに対して、制御信号MOD_CHPPがHレベルになると、Pチャネルトランジスタ721はONに、Nチャネルトランジスタ726はOFFになる。Nチャネルトランジスタ726がOFFになると、図5に示すように、Pチャネルトランジスタ722と出力バッファ回路10のトランジスタPPとは、カレントミラー回路(以下、第1のカレントミラー回路)として機能し、Nチャネルトランジスタ723と725もカレントミラー回路(以下、第2のカレントミラー回路)として機能する。このため、Nチャネルトランジスタ723および725の各々のチャネル幅が同一であり、かつ、トランジスタPPのチャネル幅がPチャネルトランジスタ722のチャネル幅のM倍であるとすると、制御信号MOD_CHPPがHレベルである場合においては、トランジスタPPに流れるドレイン電流の大きさが定電流源724の出力電流のM倍になるようにする(すなわち、許容値th1になるようにする)電流制限信号がトランジスタPPのゲートに与えられ、トランジスタPPのゲート電圧が固定される。
したがって、定電流源724として、許容値th1のM分の1の電流を出力するものを用いるようにすれば、制御信号MOD_CHPPがHレベルとなった場合におけるトランジスタPPに流れるドレイン電流IPPの大きさを許容値th1程度に制限することができる。なお、制御信号MOD_CHPPがHレベルである場合には、プリドライバ51のトランジスタ51Pおよび51Nは共にOFFになり、このプリドライバ51においてゲート信号線800PPは浮いた状態となるから、このプリドライバ51が電流制御部72PPによるトランジスタPPの定電流駆動の妨げとなることはない。
以上が電流制限部70PPの構成である。
図6は、電流制限部70NPの構成例を示す回路図である。この図6においても、前掲図5と同様、点線で囲われている部分が電流制限部70NPの構成要素である。図6を参照すれば明らかように、電流制限部70NPは、モード切り換え部71NPおよび電流制御部72NPの他に、ANDゲート73NPを含んでいる。なお、電流制限部70NMも、この図6に示すものと同様な構成である。
ANDゲート73NPのハイアクティブ入力端子には過電流検出信号IN_NCHPが与えられ、同ローアクティブ入力端子にはエラー信号Err2が与えられる。このため、ANDゲート73NPは、過電流検出信号IN_NCHPがアクティブレベル(Hレベル)であり、かつ、エラー信号Err2が非アクティブレベル(Lレベル)である場合に、Hレベルの制御信号MOD_CHNPを出力し、その他の場合には、Lレベルの制御信号MOD_CHNPを出力する。ANDゲート73NPから出力される制御信号MOD_CHNPは、モード切り換え部71NPに与えられる一方、電流制御部72NPに与えられる。
図6に示すモード切り換え部71NPにおいて、ORゲート731およびANDゲート732は、前掲図5のモード切り換え部71PPにおけるORゲート711および712の各々に相当する役割を果たす。同様に、図6に示す電流制御部72NPにおいて、Nチャネルトランジスタ741〜742、Pチャネルトランジスタ743、定電流源744、Pチャネルトランジスタ745〜746は、前掲図5の電流制御部72PPにおけるPチャネルトランジスタ721〜722、Nチャネルトランジスタ723、定電流源724、Nチャネルトランジスタ725〜726に各々相当する役割を果たすものである。
この電流制御部72NPでは、制御信号MOD_CHNPがHレベルである場合に、Pチャネルトランジスタ743および745によりカレントミラー回路が形成され、さらに、Nチャネルトランジスタ742と出力バッファ回路10のトランジスタNPとによってカレントミラー回路が形成される。ここで、制御信号MOD_CHNPがHレベルとされるのは、過電流検出信号IN_NCHPがアクティブレベルであり、かつ、エラー信号Err2が非アクティブレベルである場合(すなわち、トランジスタNPに許容値th1を上回る過電流が流れたことが検出され、その過電流が所定時間Tに渡って流れ続けるか監視している状態)である。つまり、図6に示す電流制御部72NPにおいても、前掲図5の電流制御部72PPと同様、トランジスタNPに許容値th1を上回る過電流が流れたことが検出され、その過電流が所定時間Tに渡って流れ続けるか監視している状態においては、トランジスタNPを流れるドレイン電流が許容値th1程度になるようにトランジスタNPのゲート電圧が上記2つのカレントミラー回路によって固定される。
以上説明したように、本実施形態によれば、トランジスタPP、PM、NPおよびNMの何れかに許容値th1以上の過電流が流れ、その過電流が所定時間Tに亘って流れ続けるかを監視している状態では、そのトランジスタを流れるドレイン電流の電流値は許容値th1に制限される。このため、上記監視期間内に過電流が非常に大きくなることはなく、トランジスタPP、PM、NPおよびNMの破損を防ぐことができる。また、本実施形態では、各トランジスタを流れるドレイン電流の許容値th1は、分圧回路または定電圧発生回路(何れも図示省略)により発生させる参照電圧REFPおよびREFNに応じて定まり、上記監視期間にてその監視対象のトランジスタを流れるドレイン電流を許容値th1に固定する制御は前述した第1および第2のカレントミラー回路により為される。このため、特許文献2の図5や図8に示された構成に比較して、上記監視期間中にその監視対象のトランジスタを流れるドレイン電流がD級増幅器の製造状態に応じてばらつくといった不具合を抑えることができる。
(B:他の実施形態)
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下に述べる変形を加えても勿論良い。
(1)上述した実施形態では、2個のPチャネルトランジスタおよび2個のNチャネルトランジスタからなる出力バッファ回路を有するブリッジ構成のD級増幅器に本発明を適用したが、本発明は、各1個のPチャネルトランジスタおよびNチャネルトランジスタからなるインバータ構成の出力バッファ回路を有するハーフブリッジ構成のD級増幅器に適用しても良い。
(2)上述した実施形態では、出力バッファ回路10を構成する4つの出力トランジスタ(トランジスタPP、PM、NPおよびNM)の各々に対応する電流制限部を設けたが、これら4つの出力トランジスタのうちの1または2乃至3個について電流制限部を設けても良い。
(3)上述した実施形態では、本発明による電流制限回路をD級増幅器の過電流保護回路として用いたが、例えば、スイッチングレギュレータなど、比較的大きな電流を取り扱うスイッチング素子を有する回路において、スイッチング素子を過電流から保護する回路として本発明による電流制限回路を用いても良い。
(4)上述した各実施形態では、本発明に係る電流制限回路が、スピーカを駆動するD級増幅器の出力段を構成するスイッチング素子を過電流から保護する過電流保護回路としてそのD級増幅器に組み込まれていた。しかし、電流制限部70PP、70PM、70NPおよび70NMの少なくとも1つと、電流検出部30とから成る部分を1チップ化して電流制限回路を構成し、この電流制限回路の各部と、D級増幅器の各部とをケーブルで接続して図1に示すような構成になるようにしても勿論良い。
(5)上述した実施形態では、本発明による電流制限回路をスイッチング素子を過電流から保護することに用いたが、本発明による電流制限回路は、このような過電流からの保護に限らず、過電流が流れていない正常動作時において、スイッチング素子に流れる電流が所定の定電流になるよう制御することに用いても良い。
(6)上述した実施形態では、所定時間Tの監視中では保護対象のトランジスタを流れるドレイン電流を、過電流か否かを判断する際の閾値である許容値th1程度に制限したが、この許容値th1より若干大きな値の電流値に制限するようにしても良い。また、上述した実施形態では、上記所定時間Tの監視開始と同時に、保護対象のトランジスタを定電流駆動するようにしたが、その監視開始から若干遅らせて(例えば、10〜20ns程度遅らせて)、保護対象のトランジスタを定電流駆動するようにしても勿論良い。このようなことは、入力信号を遅延時間Δt(例えば、10〜20ns)だけ遅延させて出力する遅延回路を介して電流検出部30から電流制限部70PP、70PM、70NPおよび70NMの各々に過電流検出信号を与えるようにすれば良い。
10…出力バッファ回路、PP,PM…Pチャネルトランジスタ、NP,NM…Nチャネルトランジスタ、L…負荷、20…PWM変調部、30…電流検出部、70PP,70PM,70NP,70NM…電流制限部、71PP,71PM,71NP,71NM…モード切り換え部、72PP,72PM,72NP,72NM…電流制御部。

Claims (3)

  1. 保護対象であるスイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記スイッチング素子に流れる電流を定電流に制限する電流制限信号を発生させる電流制御部と、
    前記電流検出部によって許容値以上の電流が検出されていないときは、前記スイッチング素子を駆動するための制御信号をプリドライバから前記スイッチング素子に供給させ、前記電流検出部によって許容値以上の電流が検出されたときは、前記電流制限信号を前記電流制御部から前記スイッチング素子へ供給させるモード切り換え部と、
    を有することを特徴とする電流制限回路。
  2. 前記電流制御部は、高電位電源線と低電位電源線との間に直列に介挿される第1および第2のスイッチング素子と、前記高電位電源線と低電位電源線との間に直列に介挿される定電流源および第3のスイッチング素子とを含み、前記電流検出部によって許容値以上の電流が検出されたときには、前記第1のスイッチングと前記保護対象のスイッチング素子とを第1のカレントミラー回路として機能させるとともに、前記第2のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子とを第2のカレントミラー回路として機能させ、前記第1および第2のスイッチの共通接続点の電圧を前記電流制限信号として出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流制限回路。
  3. 前記電流検出部は、前記保護対象であるスイッチング素子の出力端の電位が所定レベルに達したことに基づき、前記許容値以上の電流が前記保護対象のスイッチング素子に流れているか否かの検出を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電流制限回路。
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