JP2010225702A - 熱電発電システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒートパイプの放熱部11bに連結した集熱体13と、集熱体の片面又は両面に、一方の面を接触配置した熱電素子モジュール16,17と、熱電素子モジュールの他方の面に接触配置した冷却体15とを備え、ヒートパイプの受熱部11aに複数の集熱フィン12を連結したことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
例えば特許文献1は排ガス等の熱流体路中に熱電素子を配設し、この熱電素子の低温側に平板型ヒートパイプの蒸発部(受熱部)を貼り合せ、このヒートパイプの凝縮部(放熱部)を熱流体路の外部に引き出し、冷却装置に連結した熱電発電システムを開示する。
特許文献2にはヒートパイプの受熱部を高温側に配置し、放熱部に熱電素子の高温側を接触させ、当該熱電素子の低温側を冷却する熱電発電装置を開示する。
また、特許文献2に開示する技術は上記とは逆にヒートパイプの放熱部に熱電素子モジュールの高温側を接触させるものであるが、ヒートパイプの受熱部を熱源側に単に棒状に配置したものであるため、集熱効果が低いものである。
特に熱源として、水蒸気の液化潜熱を有効利用するのに適している。
ここで、ヒートパイプとしてはパイプ状の本体部の内部に作動流体が封止され、一方に作動流体の蒸発部を有し、他方にこの作動流体の凝縮部を有し、蒸発部と凝縮部が断熱部で連結されている各種タイプのヒートパイプを使用することができる。
本発明においてはヒートパイプの蒸発部が受熱部として作用し、凝縮部が放熱部として作用する。
集熱フィンは表面積比が高いフィンであれば各種形状のフィンを採用することができる。
例えばフィンの形状は、リボン状,円盤状でもよく、四角形,多角形等の角形板でもよい。
密度が高くなるように集熱フィンを配設するには、集熱フィンは薄板状のプレート体であり、当該ヒートパイプの受熱部であって軸方向とは概ね直角方向に複数のプレート体を概ね平行に配置するのが好ましい。
従って、速やかにヒートパイプの放熱部からこの集熱体に熱移動させるには、集熱体はヒートパイプの径よりも厚みのあるプレート体であり、ヒートパイプの放熱部を、熱電素子モジュールの接触面と概ね平行になるように当該集熱体に埋設してあるとよい。
その中でも本発明者らの実験により、水蒸気中にヒートパイプの上記受熱部を配置すると気体の水蒸気が集熱フィンに触れると結露し、そのときの液化潜熱が速やかに集熱フィンを経由してヒートパイプ中を熱移動することが明らかになった。
水蒸気は常圧水蒸気のみならず加圧水蒸気でもよいが、液化潜熱を有効利用するには加圧力は1MPa以下、好ましくは0.5MPa以下がよい。
水蒸気の液化潜熱を利用するには一般的に200℃以下なので、250℃以下で高い熱電変換性能を示す熱電素子が好ましく、p型熱電変換素子、n型熱電変換素子、及びそれらの端面を電極にて連結したπ型構造の熱電素子を利用でき、例えば現在市販されているBi−Te系の熱電素子モジュールを活用できる。
例えば、薄板状のプレート体にヒートパイプを挿入する貫通穴を空け、穴の縁に折り曲げ部を形成し、ろう付け等に接合することで接触面積を大きくとるのもよい。
特に熱源流体として水蒸気を用いると気体の水蒸気が集熱フィン接触し、液化することで大きな潜熱を回収できる。
また、液化した水は気体の蒸気に比較して体積が著しく小さくなるので、その周囲が負圧になり新たな水蒸気が集熱フィンに廻り込んでくるので集熱効力が高い。
さらには液化した水は集熱フィンから落下するので、流体が滞留することもない。
ヒートパイプ11の放熱部11bを銅,アルミ等の熱伝導性集熱体13に埋設してある。
集熱体13は、ヒートパイプ11の径よりも厚みのあるプレート形状になっていて、その両面に、熱電素子モジュール16,17の一方の面を接触配置し、熱電素子モジュールの他の面は冷却体14,15を接触配置してある。
なお、熱電素子モジュールは集熱体13の片面のみの接触配置しても良い。
図1は紙面の手前から奥側に向けた深さ方向の側面に熱電素子モジュール16,17及び冷却体14,15を接触配置した例になっていて、ヒートパイプ11は複数本をこの深さ方向上下に配置することができる。
熱電素子モジュール16は、これまで提案されている多くの熱電材料を用いたものを採用することができるが、現在市販されていて250℃以下で高性能といわれているBi−Te系の素子を用いることができる。
熱電素子モジュール16,17は各素子を直列接続し、端子部からリード線(16a、16b)、(17a,17b)を取り出し、電力を得る。
冷却体14,15は、熱電素子モジュールの低温側を形成し、集熱体13に接触している高温側との間に温度差を生じさせる役割を有し、本実施例は中が空洞のプレート状の冷却体14中に、水等の冷媒を給入口14a,15aから導入し、排水口14b,15bから回収循環する例となっている。
なお、冷却機能を有する限りにおいて構造は限定されない。
熱電素子モジュール15,16と、集熱体13及び冷却体14,15の接触面は銀ペーストや伝熱グリースを塗布し、伝熱効率を高めるとよい。
図1中、符号18はフランジを示し、水蒸気等の流体が流れる流路の側壁1に取付やすくしたもので、必ずしも必要ではない。
一辺12cmの正方形の銅製からなる集熱体に4本のヒートパイプの放熱部を埋設連結し、4本のヒートパイプの受熱部にはそれぞれ直径9cmの円形フィン16枚をヒートパイプの軸方向に平行にろう付け接合した。
熱電素子モジュールは、ビスマス・テルル系発電サーモモジュール(128対素子,TMG−127−2.0−1.6,SCTB NORD社)を用いた。
一枚50×50×3.8mmの大きさの上記熱電素子モジュールを集熱体の片面に4枚、直列に連結して配置した。
モジュール基板の低温側は、鉄製の冷却槽を貼り合せ、この冷却槽に水を流し冷却した。
集熱フィンはボイラーからの大気に開放した水蒸気に接触させた。
その結果、10V,約10Wの電力を得た。
11a 受熱部
11b 放熱部
12 集熱フィン
13 集熱体
14 冷却体
15 冷却体
16 熱電素子モジュール
17 熱電素子モジュール
Claims (5)
- ヒートパイプの放熱部に連結した集熱体と、集熱体の片面又は両面に、一方の面を接触配置した熱電素子モジュールと、熱電素子モジュールの他方の面に接触配置した冷却体とを備え、ヒートパイプの受熱部に複数の集熱フィンを連結したことを特徴とする熱電発電システム。
- 前記集熱フィンは薄板状のプレート体であり、当該ヒートパイプの受熱部であって軸方向とは概ね直角方向に複数のプレート体を概ね平行に配置したことを特徴とする請求項1記載の熱電発電システム。
- 集熱体はヒートパイプの径よりも厚みのあるプレート体であり、ヒートパイプの放熱部を、熱電素子モジュールの接触面と概ね平行になるように当該集熱体に埋設してあることを特徴とする請求項1又は2記載の熱電発電システム。
- 熱電素子モジュールは、p型熱電変換素子、n型熱電変換素子、及びそれらの端面を電極にて連結するπ型構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱電発電システム。
- ヒートパイプの受熱部に配設した集熱フィンを水蒸気流体中に配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱電発電システム。
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2009
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