JP2010225388A - 車両用信号灯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】1つの光源を利用して立体感のある斬新な点灯表示を得ることができる車両用信号灯具を提供する。
【解決手段】テールランプ10によれば、LED光源20から放射した光は、導光体22の入射面22Aから入射し、第1の反射面22Bによって光軸に対し略直交方向に全反射し、そして、第2の反射面22Cによって略平行方向に反射し、導光体の出射面22Dから輝度の高い光となって出射される。第1の反射面で反射された光の一部は、散光部22Eの前方に輝度の低い光となって出射される。インナーレンズ24には、導光体の出射面に対向する位置に線状発光部26が配置され、導光体の散光部に対向する位置に面状発光部28が配置される。導光体の輝度の高い光は、インナーレンズ線状発光部を照射し、線状発光部を透過した輝度の高い光がテールランプの主配光となる。導光体の輝度の低い光は、インナーレンズ面状発光部を照射し、淡く面発光する。
【選択図】図1

Description

本発明は車両用信号灯具に係り、特に車両の後部に設けられるテールランプ等の車両用信号灯具に関する。
特許文献1には、灯具の中央部に放物面系の反射面を設け、その外周に適宜な間隔を持って複数の光源を配置し、これらの光源を反射面の断面における焦点に設けた車両用信号灯具が開示されている。
また、特許文献1には、灯具の中央部に放物面系の反射面を設け、その外周に適宜な間隔を持って複数の光源を配置し、これらの光源の虚光源を反射面の断面における焦点に存在するように鏡面を設けた車両用信号灯具が開示されている。
特許文献1の反射面は、表面又は裏面にアルミニウム蒸着等の表面処理が施された合成樹脂製のものであり、また、光源としては低温発光のLEDが使用されている。
特許文献1の車両用信号灯具は、使用する曲面を基調とする反射面の数を1つにし、全反射カットを設けない反射面を用いて、遠方からの視認性を高めることを目的としてなされたものである。
特開2002−343111号公報
しかしながら、特許文献1の車両用信号灯具は、LED光源を発光させると、前面レンズを介して複数のLED光源が並んで見えるだけなので、立体感のある斬新な点灯表示を得ることができず、結果的には点灯時の見栄えが画一化し、見栄えの差別化が図られないという問題があった。
このような問題は、複数の光源を使用して、各々の光源とそれに対応するレンズに立体感のある点灯表示機能を持たせればよいが、これでは無用に光源の数が増えるだけなので、車両用信号灯具が大型になり製造コストも嵩むという欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、1つの光源を利用して立体感のある斬新な点灯表示を得ることができる車両用信号灯具を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、光源と、前記光源の前方に配置されるとともに、該光源から放射される光の入射面、該入射面から入射した前記光を前記光源の光軸に対して略直交方向に反射する第1の反射面、該第1の反射面で反射された光を光源の光軸と略平行方向に反射する第2の反射面、該第2の反射面で反射された光を出射する出射面、及び前記第1の反射面と第2の反射面との間に形成された散光部からなる導光体と、前記導光体の前方に配置されるとともに、前記導光体の前記出射面に対向配置された線状発光部、及び前記導光体の前記散光部に対向配置された面状発光部からなるインナーレンズと、を備えたことを特徴とする車両用信号灯具を提供する。
本発明によれば、光源が点灯すると、光源から放射した光は、導光体の入射面から導光体内に入射し、第1の反射面によって光源の光軸に対して略直交方向に反射する。そして、第1の反射面で反射した光は、第2の反射面によって光源の光軸と略平行方向に反射し、導光体の出射面から輝度の高い光となって出射される。また、第1の反射面で反射された光は、導光体内を内部反射する際に、導光体に形成された散光部によって散光され、その一部が散光部の前方に輝度の低い光となって出射される。
導光体の前方にはインナーレンズが配置されており、このインナーレンズには、導光体の出射面に対向する位置に線状発光部が配置され、導光体の散光部に対向する位置に面状発光部が配置されている。
したがって、導光体の出射面から出射された光は、インナーレンズの線状発光部を照射し、この線状発光部を透過した輝度の高い光が車両用信号灯具の主配光となる。また、導光体の面状発光部から出射された光は、インナーレンズの面状発光部を照射し、面状発光部が淡く面発光する。
このように構成された車両用信号灯具によれば、線状発光部からは輝度の高いストライプ状の光が放射され、面状発光部からは輝度の低い淡い光が放射される。このため、本発明の車両用信号灯具は、輝度の低いフラットな面発光上に輝度の高い線発光が重なった発光となるので、1つの光源を利用して立体感のある斬新な点灯表示を提供できる。
なお、線状発光部とは、面状発光部に対して幅寸法が十分に小さく、その幅を有する面が線状に長く形成されたものである。一方、導光体の入射面を放物面状の凹面に形成することにより、入射面から入射した光は平行光となって第1の反射面に向う。
また、本発明によれば、前記導光体と前記インナーレンズの前記面状発光部との間には、前記光源からの直射光を拡散する拡散シートが設けられていることが好ましい。
また、本発明によれば、前記インナーレンズの前記面状発光部には、前記光源からの直射光を拡散する拡散処理が施されていることが好ましい。
光源の光軸上に面状発光部が位置していると、光源の光軸上の直射光が面状発光部を通過して点発光として視認され意匠性を阻害するため、この場合には、面状発光部のLED光源側に拡散シートを配置したり、前記直射光を拡散させるシボ加工等の拡散処理を面状発光部に施したりして、光源の点発光を防止し、面状発光部による面発光を実現する。これにより、車両用信号灯具の見栄えと意匠性が向上する。
更に、本発明によれば、前記インナーレンズの前記線状発光部は、前記面状発光部に対して前方に突出した位置に配置され、前記インナーレンズの前記面状発光部は水平方向に沿って所定の曲率で湾曲形成されていることを特徴とする。
これにより、本発明の車両用信号灯具は、奥行き感のある見栄えとなって意匠性も一層向上する。
以上説明したように本発明の車両用信号灯具によれば、線状発光部による線発光と面状発光部による面発光とによって、立体感のある斬新な点灯表示を得ることができる。また、本発明では、1個の光源によって線発光と面発光とを実現できるため、車両用信号灯具が大型にならず製造コストを抑えることができる。
本発明の車両用信号灯具が適用された車両のテールランプの横断面図 図1に示したテールランプの導光体の光路を示した説明図 実施の形態のテールランプの全体構成例を示した正面図 図3のA−A線に沿う縦断面図 図3のB−B線に沿う縦断面図 導光体の他の実施の形態を示したテールランプの縦断面図 (A)は反射部36の平面図、(B)は反射部36の斜視図
以下、添付図面に従って本発明に係る車両用信号灯具の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の車両用信号灯具が適用された車両のテールランプ10の横断面図である。
同図に示すテールランプ10は、車両の後部右側に配置されるテールランプであり、詳細構造は後述するが、図1中の左右方向に配置された4台の灯具ユニット12、14、16、18が、請求項で記載された車両用信号灯具の構成要件のLED光源(光源)20、導光体22、及びインナーレンズ24を備えている。
また、図1の左右の両側に配置された灯具ユニット12、18は、LED光源20の両側に一対の導光体22、22が配置され、これらの導光体22、22は一体化されている。また、左側の灯具ユニット12の導光体22と、それに隣接する右側の灯具ユニット14の導光体22も一体化され、更に、灯具ユニット18の導光体22と、それに隣接する左側の灯具ユニット16の導光体22も一体化されている。
一方、インナーレンズ24には、線状発光部26と面状発光部28とが形成されている。この線状発光部26は面状発光部28に対して前方に突出した位置に配置され、また、面状発光部28は平面(水平)方向に沿って所定の曲率で湾曲形成されている。
これら4台の灯具ユニット12〜18は、テールランプ10の灯室30内に配置されている。なお、灯室30は、前面が開口されたハウジング32と、ハウジング32の前面開口部に取り付けられた円弧形状のアウターレンズ34とによって画成されている。
上記の如く構成されたテールランプ10は、テールランプ10としての配光を満足するとともに見栄えを向上させるために、4台の灯具ユニット12〜18を水平方向に階段状に連設して構成されたものである。
すなわち、このテールランプ10によれば、各々のLED光源20から放射した光を導光体22内で導光させ、この導光体22を介してインナーレンズ24の線状発光部26と面状発光部28とを照射し、線状発光部26と面状発光部28とを発光させることによって、立体感のある斬新な点灯表示を得るものである。この効果についても後述する。なお、テールランプ10としての配光を満足するものであれば、1台の灯具ユニット14のみの構成としてもよい。また、導光体22は、前述した階段状のデザインを達成するために左右に二分割して段差を設けているが、段差の付いた一体品として構成してもよい。
次に、図1、図2を参照して灯具ユニット12の構成を説明する。なお、灯具ユニット14〜18は、灯具ユニット12と基本構成が同一なので、その同一構成部材については同一の符号を付すことでその説明は省略し、異なる構成部分のみ後述する。
灯具ユニット12は、前述の如くLED光源20、導光体22、及びインナーレンズ24から構成される。
LED光源20は、例えば1つ又は複数の白色又は有色の発光ダイオードが配置されたLEDパッケージである。
導光体22は板状に形成され、LED光源20から放射される光の入射面22A、この入射面22Aから入射したLED光源20からの光をLED光源20の光軸Axに対して略直交方向に反射する第1の反射面22B、この第1の反射面22Bで反射された光をLED光源20の光軸Axと略平行方向に反射する第2の反射面22C、この第2の反射面22Cで反射された光を出射する出射面22D、及び第1の反射面22Bと第2の反射面22Cとの間に形成された散光部22Eから構成される。
導光体22の入射面22Aは、LED光源20からの光を効率的に取り込めるようにLED光源20を中心とした、LED光源20側が凹んだ凹曲面に形成されている。
また、第1の反射面22Bは、主に光軸Axを中心に片側30°の範囲で照射され、入射面22Aから導光体22内に入射したLED光源20からの光を、平板状の散光部22E内において、平行光として第2の反射面22C向けて進行させるために曲面に形成される。具体的には、LED光源20の発光中心を焦点xとしたとき、焦点xを基準として進行方向(前記平行光)を軸とした放物線を光軸Axを中心として回転させた回転曲面に形成されている。図1において、焦点xを通る放物線の軸は横向き、すなわち、散光部22Eを形成した平板状部分と平行な方向で、且つLED光源20の中心を通る軸である。この関係を保った放物線(当然横向きとなる放物線)を、光軸Axを中心に回転させるため、LED光源20を中心に左側が開いた放物線と右側が開いた放物線が光軸Axで交わることになり、よって、第1の反射面22Bは、光軸Axを中心に回転してできた反射面となる。このような反射面とすることにより、入射面22Aから導光体22内に入射したLED光源20からの光を平行光として第2の反射面22C向けて進行させることができる。平行光の進行方法は、水平方向である。
更に、第2の反射面22Cは、屈折率差を利用した全反射(スネルの法則の臨界角条件を満たした反射)にて、第1の反射面22Bで反射して到達した平行光を略平行光として、光の進行方向を光軸Axと略直交する方向から光軸Axと略平行方向に変換する反射面である。この第2の反射面22Cは、第1の反射面22Bからの光を全反射させるように傾斜角が設定されている。
インナーレンズ24は、導光体22の前方に配置されるとともに、導光体22の出射面22Dに対向配置された線状発光部26、及び導光体22の散光部22Eに対向配置された面状発光部28から構成されている。
このように構成された灯具ユニット12によれば、LED光源20が点灯すると、LED光源20から放射した光は、導光体22の入射面22Aから導光体22内に入射し、第1の反射面22Bによって平行光となり、且つLED光源20の光軸Axに対し略直交方向に全反射されて平板状の散光部22E内を水平方向に進行する。そして、散光部22E内を水平方向に進行してきた平行光は、第2の反射面22CによってLED光源20の光軸Axと略平行方向に反射されて、導光体22の出射面22Dから輝度の高い光となって出射される。
ところで、LED光源20の焦点xから出射した光軸Axを中心とする30°までの光成分は、第1の反射面22Bで反射されて前述の如く平行光となる。これに対して、LED光源20の焦点xの近傍(LEDも有限の大きさであり、完全な点光源ではない)から出た光の、第1の反射面22Bに入ってくる光の入射角は、平行光線とする設計角度と異なる。よって、第1の反射面22Bで反射された前記光は、非平行光線となって散光部22Eの厚み方向に繰り返し反射され、散光部22Eの背面に形成された窪み23、23…の表面で散光され、その一部が散光部22Eから外部に出射する。同様にLED光源20と空気との界面及び入射面22Aと空気との界面において、前記設計値以外の方向から第1の反射面22Bに入射した光も散光部22Eの厚み方向に繰り返し反射され、前述の如くその一部が散光部22Eから外部に出射する。また、図2のように第1の反射面22Bの窪みの底22E′と、散光部22Eの窪み23、23…の底23E′、23E′…との位置関係を対比したとき、これらの底23E′、23E′…、22E′は水平方向において同一線上に並んでいる。この位置関係により第1の反射面22Bの窪みの底22B′から真横に向った光も散光部22Eに向かい、その一部が散光部22Eの窪み部23の底23E′で反射されて散光部22Eから外部に出射する。これにより、散光部22Eからは輝度の低い光が出射し、散光部22Eが面発光する。なお、散光部22Eの窪み23は、導光体22にドット、プリズム等を形成したり、シボ加工を施したりすることにより構成される。
導光体22の前方にはインナーレンズ24が配置されており、このインナーレンズ24には、導光体22の出射面22Dに対向する位置に線状発光部26が配置され、導光体22の散光部22Eに対向する位置に面状発光部28が配置されている。
したがって、導光体22の出射面22Dから出射された輝度の高い光は、インナーレンズ24の線状発光部26を照射し、この線状発光部26を透過した輝度の高い光がテールランプ10の主配光となる。また、導光体22の散光部22Eから出射された輝度の低い光は、インナーレンズ24の面状発光部28を照射し、面状発光部28が淡く面発光する。
したがって、このように構成されたテールランプ10によれば、線状発光部26からは輝度の高いストライプ状の光が放射され、面状発光部28からは輝度の低い光が放射される。このため、テールランプ10は、輝度の低いフラットな面発光上に輝度の高い線発光が重なった発光となるので、1つのLED光源20を利用して立体感のある斬新な点灯表示を提供できる。
次に、灯具ユニット14、16について説明する。なお、灯具ユニット16は灯具ユニット14を左右反転させた構成なので、ここでは灯具ユニット14について説明し、灯具ユニット16については、その説明を省略する。
灯具ユニット14と灯具ユニット12との構成の相違点は、灯具ユニット12がLED光源20の両側に導光体22を備えている点に対し、灯具ユニット14は、一方側のみ導光体22を有し、他方側に導光体22と一体の反射部36が設けられた点にある。
この反射部36は、導光体22の第1の反射面22Bに一体に形成された反射面36Aと、この反射面36Aで全反射された光を全反射する反射面36Bと、この反射面36Bで全反射された光を導光体22の第2の反射面22Cに向けて水平方向に全反射する反射面36Cとを備えている。なお、反射面36Bと反射面36Cは、反射面36A上の反射位置が反射面36Bと反射面36Cの接続線37に対して上か下かの違いにより反射する順番が逆となる。すなわち、反射面36Aで全反射された光が反射面36Cで反射され、反射面36Cで全反射された光が反射面36Bによって第2の反射面22Cに向けて水平方向に反射される。
図7は反射部36を説明するために導光体22の一部を拡大して示した模式図である。図7(A)には反射部36のLED光源20側から見た平面図が示され、図7(B)にはLED光源20が上側に位置する状態の反射部36の斜視図が示されている。同図に示すように反射面36B、36Cは、反射面36Aを包囲する所定の曲率の湾曲形状、具体的には平面視において光軸Aを中心とする放物線形状に形成されている。また、図7(B)で示す光路B、Cが前者の光路、すなわち、反射面36A→反射面36B→反射面36C→第2の反射面22Cの光路であり、光路Aが後者の光路、すなわち、反射面36A→反射面36C→反射面36B→第2の反射面22Cの光路である。
また、反射面36Aは、第1の反射面22Bと同形状の回転曲面に形成され、反射面36Bは、上記放物線を回転させた回転放物面形状とされ、光路A、B、Cが略平行光線若しくは数度の傾きの光路となるように設定されている。反射面36Cも同様に、上記放物線を回転させた回転放物面形状とされ、光路A、B、Cが略平行光線若しくは数度の傾きの光路となるように設定されている。また、反射面36Cは、反射面36Bに対して反射光の向う方向が逆となるように傾斜して形成されている。
反射面36Aは、第1の反射面22Bとによって平面視円形状に形成され、第1の反射面22Bの一部として形成されている。また、反射面36B、36Cは、第2の反射面22Bに向けて反射する光が、円形の第1の反射面22B(反射面36Aを含む)に多くの光路が当たらないようにその曲線角度(図3における反射面36B、36Cの曲率)が設定されている。
したがって、このように構成された反射部36によれば、導光体22の入射面22Aから導光体22内に入射したLED光源20の光のうち反射部36に向う光は、3枚の反射面36A、36B、36Cによって全反射されて導光体22の第2の反射面22Bに向う。そして、前記光は、第2の反射面22Cで反射されて導光体22の出射面22Dから出射され、インナーレンズ24の線状発光部26を照射する。よって、図1の如く灯具ユニット14の導光体22の出射面22Dから出射された光は、灯具ユニット12の右側の導光体22の出射面22Dから出射された光とともに、左から2枚目の1枚の線状発光部26を照射する。同様に、灯具ユニット16の導光体22の出射面22Dから出射された光は、灯具ユニット18の左側の導光体22の出射面22Dから出射された光とともに、右から2枚目の1枚の線状発光部26を照射する。よって、前述した2枚の線状発光部26、26は、その両側の左端及び右端の線状発光部26、26よりも明るく発光する。なお、図1の如く中央の2枚の線状発光部26、26の表面には、拡散作用のあるドット27、27が形成されている。
また、このテールランプ10は、導光体22とインナーレンズ24の面状発光部28との間に、LED光源20からの直射光を拡散する拡散シート38を設けてもよい。拡散シート38を設けることで面状発光部28の明るさの均一性を向上させることができる。特に、LED光源20の光軸Ax上に面状発光部28が位置していると、LED光源20の光軸Ax上の直射光が面状発光部28を通過して点発光として視認され、意匠性を阻害するおそれがある。そこで、このテールランプ10では、面状発光部28のLED光源20側に拡散シート38を配置してLED光源20の点発光を防止し、面状発光部28による淡い面発光を実現している。これにより、テールランプ10の見栄えと意匠性が向上する。
なお、拡散シート38に代えて、インナーレンズ24の面状発光部28を、LED光源20からの直射光を拡散する乳白色の材質としたり、面状発光部28にシボ加工等の拡散処理を施したりしても同様の効果を得ることができる。
更に、このテールランプ10によれば、インナーレンズ24の線状発光部26を、面状発光部28に対して前方に突出した位置に配置し、かつ、インナーレンズ24の面状発光部28を水平方向に所定の曲率で湾曲形成している。これにより、このテールランプ10によれば、輝度の高い線状発光部26が手前側に見え、輝度の低い面状発光部28が奥側に見えるので、そのコントラストにより奥行き感のある見栄えとなり、意匠性もより一層向上する。
次に、テールランプ10の全体構成の一例について説明する。
図3は、インナーレンズ24及びアウターレンズ34を除いたテールランプ10の正面図、すなわち、導光体22の正面図である。また、図4は、図3のA−A線に沿うとともにインナーレンズ24及びアウターレンズ34を含む縦断面図、図5は、図3のB−B線に沿うとともにインナーレンズ24及びアウターレンズ34を含む縦断面図である。
図3に示す導光体22の第1の反射面22B、22B…の配列に示すように、第1の反射面22B、22B…は所定の間隔をもって縦方向に4箇所、横方向に4箇所形成され、それに対応してLED光源20、20…も図5に示すように縦方向に4箇所、横方向に4箇所(不図示)配置されている。また、図3に示すように導光体22の出射面22Dは、所定の間隔をもって縦方向に4列形成されるとともに横方向に3列形成されて格子形状となっている。また、これらの出射面22D、22D…に対応してインナーレンズ24の線状発光部26も、所定の間隔をもって縦方向に4列(図1参照)、そして、図5に示すように横方向に3列形成されている。
図4は、導光体22の縦方向に形成された出射面22Dの縦断面図であるが、この出射面22Dに対向するインナーレンズ24の上部24A、中部24B、下部24Cには横方向に形成されている線状発光部26、26、26が配置されている。また、インナーレンズ24の上部24A、中部24Bに形成された2本の線状発光部26、26は、縦方向に傾斜して形成されている略L字形状の線状発光部26Aによって連結され、更に、インナーレンズ24の中部24B、下部24Cに形成された2本の線状発光部26、26は、縦方向に傾斜して形成されている略L字形状の線状発光部26Bによって連結されている。すなわち、図4における出射面22Dの対向位置には、横方向の線状発光部26、26、26の他に縦方向の線状発光部26A、26Bも配置されているため、この線状発光部26B、26Bも同様に、出射面22Dから出射される輝度の高い光によって照明されることになり輝度が高い。また、図3のC−C線上の断面においても図4の構成となるため、このテールランプ10は、3本の横方向の線状発光部26、26、26と線状発光部26A、26Bを1本とする2本の縦方向の線状発光部26A、26B、26A、26Bとによって輝度の高い光が格子状に放射される。
そして、縦方向の線状発光部26A、26Bは、インナーレンズ24の中部24Bの横方向の線状発光部26に向けて前方に突出するように傾斜して設けられている。これにより、このテールランプ10は、上下方向の中央部が膨らんだ印象を視認者に与えることができるので、より立体的な意匠性を得ることができる。
一方、図6は、導光体22の他の実施の形態が示されており、この導光体22の第1の反射面22F、22Fは、球状の凸面に形成されている。第1の反射面22Fを球状の凸面とすることにより、第1の反射面22Fで形成する平行光線の量が減じられるが、導光体22内で繰り返し反射しながら第2の反射面22Cに向う光は増加する。したがって、総合的に、球状の凸面に形成された第1の反射面22Fは、回転曲面の図6の第1の反射面22Bと比較して、線状発光部26から出射する光が僅かに減少するとともに、その光の指向性も緩くなる。
上述した実施の形態においては、車両用信号灯具として車両の後部に設けられるテールランプを例示したが、これに限られるものではなく、車両のポジションランプにも本発明を適用することができる。
10…テールランプ、12、14、16、18…灯具ユニット、20…LED光源、22…導光体、22A…入射面、22B…第1の反射面、22C…第2の反射面、22D…出射面、22E…散光部、24…インナーレンズ、26…線状発光部、28…面状発光部、30…灯室、32…ハウジング、34…アウターレンズ、36…反射部、36A、36B、36C…反射面、38…拡散シート

Claims (4)

  1. 光源と、
    前記光源の前方に配置されるとともに、該光源から放射される光の入射面、該入射面から入射した前記光を前記光源の光軸に対して略直交方向に反射する第1の反射面、該第1の反射面で反射された光を光源の光軸と略平行方向に反射する第2の反射面、該第2の反射面で反射された光を出射する出射面、及び前記第1の反射面と第2の反射面との間に形成された散光部からなる導光体と、
    前記導光体の前方に配置されるとともに、前記導光体の前記出射面に対向配置された線状発光部、及び前記導光体の前記散光部に対向配置された面状発光部からなるインナーレンズと、
    を備えたことを特徴とする車両用信号灯具。
  2. 前記導光体と前記インナーレンズの前記面状発光部との間には、前記光源からの直射光を拡散する拡散シートが設けられている請求項1に記載の車両用信号灯具。
  3. 前記インナーレンズの前記面状発光部には、前記光源からの直射光を拡散する拡散処理が施されている請求項1に記載の車両用信号灯具。
  4. 前記インナーレンズの前記線状発光部は、前記面状発光部に対して前方に突出した位置に配置され、前記インナーレンズの前記面状発光部は水平方向に沿って所定の曲率で湾曲形成されている請求項1、2又は3に記載の車両用信号灯具。
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