JP2010223001A - 直接噴射式エンジンのピストン構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】未燃炭化水素や粒子状物質の排出量を低減させることのできる直接噴射式エンジンのピストン構造を提供する。
【解決手段】ピストン10が凹部12の内周壁面12aおよび内底壁面12bの間にボール形断面の環状溝部14を有するとともに、複数の燃料噴霧軸線21cの近傍に位置する複数の第1断面領域と、複数の燃料噴霧軸線21cの中間近傍に位置する第2断面領域とで、凹部12が異なる断面形状を有しており、第1断面領域にて複数の燃料噴霧軸線21cが凹部12の内壁面12a、12dと燃料噴霧との衝突点を通る接線位置から離れる方向の第1衝突角α1が、第2断面領域にて複数の燃料噴霧軸線21cを含む円錐面21c´が内周壁面12aから離れる方向の第2衝突角α2より大きく、ボール形断面の環状溝部14が、第1断面領域にてボール形断面が大きくなるように深く、第2断面領域にて浅く形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、直接噴射式エンジンのピストン構造、特にコモンレール等による高圧燃料噴射を併用する直接噴射式エンジンのピストン構造に関する。
近時、排気ガス特性、出力特性および燃費等の面から、直接噴射式(副室式でなく)のディーゼルエンジンにコモンレール式の高圧燃料噴射装置を装備するとともに、ピストンヘッドに噴射ノズルからの燃料噴霧を受け入れる凹みを形成して燃焼室内のスワールやスキッシュ等を増加させ、燃料と空気の混合を促進するものが多用されている。
従来のこの種の直接噴射式エンジンのピストン構造としては、例えばピストン頂部の凹みの内底壁側には中心に近いほどその凹みを浅くする中突起を設け、その凹みの内周壁側には噴射ノズルからの燃料噴霧を衝突させる環状の凹壁面およびボール形断面空間を形成して、燃料噴霧とボール形断面空間中の空気との接触・混合を容易にし、スモークの発生を抑えるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ピストンヘッド頂部の凹みの内周壁に燃料噴霧の衝突位置(噴射距離)を交互に変化させるよう複数の突出壁を設けて、隣り合う燃料噴霧の衝突後(火炎)のベクトルが相互の混合を助長する方向となるようにして、スモークやNOxの低減を図ったものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、ピストン頂部の凹みの内壁部のうち、噴射ノズルから噴射される燃料噴霧が指向する部分を他の部分に比べて凹ませ、燃料濃度が高くなる部分の空気量を多くするようにしたもの(例えば、特許文献3参照)が知られている。
特開2005−146869号公報 特開平05−71346号公報 実開昭61−169234号公報
しかしながら、上述のような従来の直接噴射式エンジンのピストン構造にあっては、燃料消費量や騒音の低減を図るべく圧縮比を低下させる場合等に、外気温が低く高度が高い運転環境において排気ガス中の未燃炭化水素(HC)や粒子状物質(PM)の濃度が大きく増加し易いという問題があった。
特にボアの小さいエンジンでは、燃料噴霧がピストン頂部の凹み(以下、ピストンチャンバともいう)の内周壁面部に衝突して燃料噴霧のオーバーラップが生じ、燃焼室内に燃料濃度の高い部分が生じ易くなるため、未燃炭化水素や粒子状物質の増加が顕著になる傾向があった。
これに対し、燃料噴霧が衝突するピストンチャンバの内周壁部で燃料噴霧の衝突角(燃料噴霧軸と内周壁面部のなす角)を大きくすれば、ピストンチャンバ内に燃料濃度の高い部分を生じさせる燃料噴霧のオーバーラップを抑えることができるものの、角度間隔を持つ放射状の燃料噴霧軸の中間の領域では、反対に、ボール形断面空間から空気の存在する燃焼室頂部側へ向かう噴霧の流動(貫通力)が十分でなくなり、空気と燃料噴霧の混合が不十分になる傾向があった。
そこで、本発明は、燃料噴霧軸近傍の断面領域では燃料噴霧のオーバーラップを抑え、燃料噴霧軸の間の中間断面領域では燃焼室頂部側への噴霧の流動を助長するように、燃料噴霧軸近傍の断面領域と燃料噴霧軸間の中間断面領域とでピストン頂部の凹部の壁面形状を相違させるようにして、未燃炭化水素や粒子状物質の排出量を低減させることのできる直接噴射式エンジンのピストン構造を提供することを目的とする。
本発明に係る直接噴射式エンジンのピストン構造は、上記目的達成のため、ピストンの頂部に凹部を有し、シリンダ内で燃料噴射ノズルから噴射される燃料噴霧を受け入れるチャンバが前記凹部により形成される直接噴射式エンジンのピストン構造において、前記ピストンが前記凹部の内周壁面および内底壁面の外周部分の間にボール形断面の環状溝部を有するとともに、前記燃料噴射ノズルから予め設定された角度間隔で噴射される前記燃料噴霧の中心軸線に相当する複数の燃料噴霧軸線の近傍に位置する複数の第1断面領域と、前記複数の燃料噴霧軸線の中間近傍に位置する第2断面領域とで、前記ピストンの前記凹部が異なる断面形状を有し、前記第1断面領域にて前記複数の燃料噴霧軸線が前記凹部の内周壁面と前記燃料噴霧との衝突点を通る接線位置から離れる方向に傾斜する角度に相当する第1衝突角が、前記第2断面領域にて前記複数の燃料噴霧軸線を含む円錐面が前記凹部の内周壁面から離れる方向に傾斜する角度に相当する第2衝突角より大きく、前記ボール形断面の環状溝部が、前記第1断面領域においてボール形断面が大きくなるように深く形成され、前記第2断面領域においてボール形断面が小さくなるように浅く形成されていることを特徴とする。
この構成により、燃料噴霧が衝突する凹部(ピストンチャンバ)の内壁部分で燃料噴霧の第1衝突角を大きくすることにより、ピストンチャンバ内に燃料濃度の高い部分を生じさせる燃料噴霧のオーバーラップを抑えることができ、しかも、放射状の燃料噴霧軸線の間では、反対に、内壁部分に衝突した両側の燃料噴霧がボール形断面空間に流入してくるが、これらの噴霧が浅い環状溝部の壁面に沿ってピストンチャンバの頂部側へ向かう噴霧となり、空気と燃料噴霧の混合が助長されることになる。したがって、燃料と空気が十分に混合されるとともに、凹部内に燃料濃度の高い部分ができることが防止され、未燃炭化水素や粒子状物質の排出量を低減させることのできる直接噴射式エンジンとなる。
なお、ピストンの頂部の凹部が全体として噴射ノズルが配置される中心部に近いほど浅く、中心部から離れるほど深くなるかさ(傘)状の内底壁面を有し、前記ボール形断面の環状溝部の壁面がそれよりさらに深くなっているのがよい。また、凹部の内底壁面が第1断面領域において浅い位置に、第2断面領域において深い位置に位置していてもよい。さらに、凹部の内底壁面に接続するボール端部分の環状溝部の壁面がなす傾斜角(ピストンの軸線を中心とする円筒面から離れるように傾斜する角度;以下、ボール端傾斜角という)を第1断面領域と第2断面領域とで同等な角度に設定し、ピストンの加工を容易化することができるが、ボール端傾斜角は、第1断面領域において小さく、第2断面領域において大きくなっていてもよい。すなわち、ボール端部分における環状溝部の壁面が、第1断面領域では燃焼室の頂部側(上死点側)を向き、第2断面領域では中心側に向くようにすることで、環状溝部の第1断面領域と第2断面領域とでの深さの差を調整することもできる。
本発明によれば、燃料噴霧が衝突する凹部の内壁部分で燃料噴霧の第1衝突角を大きくして燃料噴霧のオーバーラップを抑えるとともに、放射状の燃料噴霧軸線の間では、両側からの噴霧が浅い環状溝部の壁面に沿ってピストンチャンバの頂部側へ向かうようにしているので、燃料と空気を十分に混合させるとともに、凹部内に燃料濃度の高い部分ができるのを防止し、未燃炭化水素や粒子状物質の排出量を低減させることのできる直接噴射式エンジンのピストン構造を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る直接噴射式エンジンのピストン構造を示すそのピストンの要部断面図である。 本発明の第1実施形態に係る直接噴射式エンジンのピストン構造を示すそのピストンの上面図である。 (a)は図2のA−A断面図、(b)は図2のB−B断面図である。 本発明の第2実施形態に係る直接噴射式エンジンのピストン構造を示すそのピストンの要部断面図である。 本発明の第3実施形態に係る直接噴射式エンジンのピストン構造を示すそのピストンの要部断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る直接噴射式エンジンのピストン構造を示す図である。
まず、構成について説明する。
本実施形態の直接噴射式エンジンのピストン構造は、例えば公知のコモンレール式の高圧燃料噴射装置を装備する直接噴射式のディーゼルエンジンに採用されている。もっとも、ピストンが圧縮上死点の近傍にあって燃焼室内の雰囲気が高温、高圧になっているときにその燃焼室内に燃料を直接に噴射させ、燃料を気化させつつ空気と混合させる、いわゆる拡散燃焼方式の4ストロークの内燃機関であれば、本発明を適用できる。
図1に半径領域における部分断面で示すように、本実施形態のピストン10は、その頂部11に凹部12を有しており、この凹部12は、ピストン10が圧縮上死点TDCの近傍にあるとき、シリンダ1内で公知の燃料噴射ノズル2(例えば、特開2002−364366号公報参照)から噴射される燃料噴霧を受け入れるピストンチャンバを形成するようになっている。ここにいうピストンチャンバは、シリンダ1内でピストン10の頂部11側に形成される燃焼室3の燃料噴射時における主要部であり、燃料噴射時に燃焼室3内におけるスワールやスキッシュ等を増加させて、燃料と空気を混合させる形状になっている。
なお、シリンダ1は、図示しないシリンダブロックおよびシリンダヘッドによって形成された天井壁面1aおよび円筒壁面1bを有しており、図示しないが、その天井壁面1aに開口する吸気ポートおよび排気ポートが吸気バルブおよび排気バルブの開閉動作に応じて開閉される。
図2に示すように、燃料噴射ノズル2は、予め設定された等角度間隔に、例えば図示しない8つの噴孔から燃料(例えば、軽油)を放射状に噴射するようになっている。
凹部12は、内周壁面12aおよび内底壁面12bを有し、全体として燃料噴射ノズル2が配置される中心側ではその深さが浅く中心から離れるほど深くなるように、内底壁面12bが上死点側に向かって凸となるかさ状に形成されている。
また、その内底壁面12bの外周部分12cと内周壁面12aの間には、燃料噴射ノズル2からの燃料噴霧21を衝突させる環状の凹壁面12dが設けられている。この凹部12の環状の凹壁面12dは、凹部12の内周壁面12aおよび内底壁面12bの外周部分12cの間にボール形断面の環状溝部14を形成しており、内底壁面12bの外周部分12cよりさらに深い環状溝部14の底部側を形成している。
さらに、凹部12の内周壁面12aにおいては、燃料噴射ノズル2からの燃料噴霧21が直接的に衝突する部分、すなわち、燃料噴霧21の中心軸線に相当する複数の燃料噴霧軸線21cの近傍に位置する複数の第1壁面部分12a1と、これら第1壁面部分12a1の間に位置する第2壁面部分12a2とで、上面視における半径ra1、ra2が互いに異なり(ra1>ra2)、かつ、曲率半径rb、ra2も互いに相違している(rb<ra2)。
すなわち、ピストン10においては、燃料噴射ノズル2からの燃料噴霧21の燃料噴霧軸線21cの近傍に位置する複数の第1断面領域R1と、複数の燃料噴霧軸線21cの中間近傍に位置する第2断面領域R2とで、凹部12が異なる断面形状を有している。
より具体的には、図1に実線で示す凹部12が、第1壁面部分12a1に対応する第1断面領域R1中の内周壁面12a、内底壁面12bおよび環状の凹壁面12dの断面形状を示しており、図1に点線で示す凹部12が、第2壁面部分12a2に対応する第2断面領域R2中の内周壁面12a、内底壁面12bおよび環状の凹壁面12dの断面形状を示している。
ここで、燃料噴霧21の内周壁面12aまたは環状の凹壁面12d(以下、凹部12の内壁面12a、12dともいう)との衝突点を通る接線位置、すなわち、各燃料噴霧軸線21cと内壁面12a、12dとの交点を通る接線位置を基準とし、第1断面領域R1において複数の燃料噴霧軸線21cが凹部12の内周壁面12aの第1壁面部分12a1から離れる方向に傾斜する角度に相当する第1衝突角α1は、複数の燃料噴霧軸線21cを含む円錐面21c´と内壁面12a、12dとの交点を基準とし、第2断面領域R2において円錐面21c´が内壁面12a、12dから離れる方向に傾斜する角度に相当する第2衝突角α2よりも、大きくなっている。
また、ボール形断面の環状溝部14は、図1に実線で示すように、第1断面領域R1においてはそのボール形断面の断面積が大きくなるように深く形成され、一方、図1に点線で示すように第2断面領域R2においてはそのボール形断面の断面積が小さくなるように浅く形成されている。ここにいう深さの差は、例えば図1中に示す凹壁面12dの半径方向の深さの差e1およびピストンストローク方向(軸方向)の深さの差e2として示されており、燃料噴射ノズル2からの燃料噴霧21が直接的に衝突する範囲では概ね半径方向に、内周壁面12aおよび凹壁面12dに衝突した燃料が凹部12の内底部側に広がる範囲内では概ね軸方向に、深さが増している。
さらに、ピストン10の中心軸線Cを含む断面上において、図1に実線で示す第1断面領域R1中の内周壁面12aおよび凹壁面12dの曲率半径rd1は、図1に点線で示す第2断面領域R2中の内周壁面12aおよび凹壁面12dの曲率半径rd2より大きくなっている。
なお、図1に示すように、凹部12の内底壁面12bに接続するボール端部分の環状溝部14の壁面、すなわち外周部分12cの近傍の凹壁面12dが、ピストン10の中心軸線Cを中心とする仮想の円筒面から離れるように傾斜する角度、すなわちボール端傾斜角βは、第1断面領域R1と第2断面領域R2とでほぼ同等な角度に設定されている。
また、かさ状の内底壁面12bの外周形状は、図2中では、第1断面領域R1と第2断面領域R2とで異なる外周部半径rc1、rc2となるように設定されているが、これはボール端傾斜角βが第1断面領域R1と第2断面領域R2とでわずかに相違することを誇張して示すものであり、ボール端傾斜角βが第1断面領域R1と第2断面領域R2とで同等な角度に設定される場合、かさ状の内底壁面12bの外周形状は、ほぼ円形となる。
次に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態の直接噴射式エンジンのピストン構造においては、ピストン10が圧縮上死点(図1中にTDCで示す仮想線位置)の近傍にあって燃焼室3内の雰囲気が高温・高圧となっているときに、燃料噴射ノズル2から燃料噴霧21が噴射される。
このとき、図3(a)に示すように、燃料噴射ノズル2からの燃料噴霧21が衝突するピストンチャンバの内壁部分、すなわち第1断面領域R1内の内周壁面12aおよび凹壁面12dでは、燃料噴霧21の第1衝突角α1が大きくなっていることから、ピストンチャンバ内に燃料濃度の高い部分を生じさせる燃料噴霧21のオーバーラップ(衝突前の燃料噴霧21と衝突後の燃料噴霧とがぶつかる状態)を抑えることができる。
一方、第2断面領域R2、すなわち、放射状に等角度間隔に離間する複数の燃料噴霧軸線21cの間では、図3(b)に示すように、隣接する第1断面領域R1内の内周壁面12aおよび凹壁面12dに衝突した両側の燃料噴霧21が第2断面領域R2内のボール形断面空間である環状溝部14に流入してくるが、これらの燃料噴霧21が浅い環状溝部14の凹壁面12dに沿って燃焼室3の頂部側へ向かう噴霧となり、空気と燃料噴霧21の混合が助長されることになる。したがって、燃料と空気が十分に混合されるとともに、凹部12内に燃料濃度の高い部分ができることが防止され、未燃炭化水素や粒子状物質の排出量を低減させることができることになる。
このように、本実施形態においては、燃料噴霧21が衝突する凹部12の内壁部分で燃料噴霧21の第1衝突角α1を大きくして燃料噴霧21のオーバーラップを抑えるとともに、放射状の燃料噴霧軸線21cの間では、環状溝部14の凹壁面12dに沿って両側からの燃料噴霧21が第1断面領域R1から第2断面領域R2内に流入し、第2断面領域R2内の浅い凹壁面12dに沿って燃焼室3の頂部側へ向かうようにしているので、燃料と空気を十分に混合させるとともに、凹部12内に燃料濃度の高い部分ができるのを防止し、未燃炭化水素や粒子状物質の排出量を低減させることのできる直接噴射式エンジンのピストン構造を提供することができるものである。
なお、上述の実施形態においては、ボール端傾斜角βを第1断面領域R1と第2断面領域R2とで同等な角度に設定しているので、その部分のピストン10の加工を容易化することができるが、第1断面領域R1と第2断面領域R2とでボール端傾斜角βを相違させてもよい。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る直接噴射式エンジンのピストン構造を示す図である。なお、以下に説明する各実施形態は、凹部の内底壁面形状にわずかな相違点があるものの、他の構成は上述の第1実施形態と同様であるので、同一の構成については、図中に図1および図2中の対応する構成要素の番号を付し、相違点についてのみ説明する。
図4に示す第2実施形態のピストン30では、第1断面領域R1におけるボール端傾斜角β1を小さく、第2断面領域R2におけるボール端傾斜角β2を大きく設定している。すなわち、環状溝部14のボール端部分の凹壁面12dが、第1断面領域R1では燃焼室3の頂部側(上死点側)を向き、第2断面領域R2では凹部12の中心側に向くように形成されている。
また、これに対応して、環状溝部14の第1断面領域R1と第2断面領域R2とでの深さの差を調整するように、第1断面領域R1におけるボール端傾斜角β1は第2断面領域R2に近付くほど大きくなり、第2断面領域R2におけるボール端傾斜角β2は第1断面領域R1に近付くほど小さくなるように、連続的にその角度が変化している。
このようにしても、燃料噴霧21が衝突する凹部12の内壁部分で燃料噴霧21の第1衝突角α1を大きくして燃料噴霧21のオーバーラップを抑えるとともに、放射状の燃料噴霧軸線21cの間では、環状溝部14の凹壁面12dに沿って両側からの燃料噴霧21が第1断面領域R1から第2断面領域R2内に流入し、第2断面領域R2内の浅い凹壁面12dに沿って燃焼室3の頂部側へ向かうことになるので、上述の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係る直接噴射式エンジンのピストン構造を示す図である。
図5に示す第3実施形態のピストン40では、凹部12の内底壁面12bが、第1断面領域R1において浅い位置に、第2断面領域R2において深い位置に位置している。なお、図5中では、第1断面領域R1におけるボール端傾斜角β1を小さく、第2断面領域R2におけるボール端傾斜角β2を大きく示しているが、ボール端傾斜角β1、β2を等しく設定しながら、かさ状の内底壁面12bの傾斜角のみを第1断面領域R1と第2断面領域R2とで相違させてもよい。
このようにしても、燃料噴霧21が衝突する凹部12の内壁部分で燃料噴霧21の第1衝突角α1を大きくして燃料噴霧21のオーバーラップを抑えるとともに、放射状の燃料噴霧軸線21cの間では、両側からの燃料噴霧21が第2断面領域R2内に流入し、第2断面領域R2内の浅い凹壁面12dに沿って燃焼室3の頂部側へ向かうことになるので、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明は、燃料噴霧が衝突する凹部の内壁部分で燃料噴霧の第1衝突角を大きくして燃料噴霧のオーバーラップを抑えるとともに、放射状の燃料噴霧軸線の間では、両側からの噴霧が浅い環状溝部の壁面に沿ってピストンチャンバの頂部側へ向かうようにしているので、燃料と空気を十分に混合させるとともに、凹部内に燃料濃度の高い部分ができるのを防止し、未燃炭化水素や粒子状物質の排出量を低減させることのできる直接噴射式エンジンのピストン構造を提供することができるという効果を奏するものであり、直接噴射式エンジンのピストン構造、特にコモンレール等による高圧燃料噴射を併用する直接噴射式エンジンのピストン構造全般に有用である。
1 シリンダ
1a 天井壁面
1b 円筒壁面
2 燃料噴射ノズル
3 燃焼室
10、30、40 ピストン
11 頂部
12 凹部
12a 内周壁面(凹部の内壁面)
12a1 第1壁面部分
12a2 第2壁面部分
12b 内底壁面(凹部の内壁面)
12c 外周部分
12d 凹壁面(凹部の内壁面)
14 環状溝部(ボール形断面空間)
21 燃料噴霧
21c 燃料噴霧軸線
21c´ 円錐面
e1、e2 深さの差
ra1、ra2 内周壁面の上面視における半径
rc1、rc2 内底壁面の外周部半径
rd1、rd2 凹壁面の曲率半径
R1 第1断面領域
R2 第2断面領域
α1 第1衝突角
α2 第2衝突角
β、β1、β2 ボール端傾斜角

Claims (1)

  1. ピストンの頂部に凹部を有し、シリンダ内で燃料噴射ノズルから噴射される燃料噴霧を受け入れるチャンバが前記凹部により形成される直接噴射式エンジンのピストン構造において、
    前記ピストンが前記凹部の内周壁面および内底壁面の外周部分の間にボール形断面の環状溝部を有するとともに、
    前記燃料噴射ノズルから予め設定された角度間隔で噴射される前記燃料噴霧の中心軸線に相当する複数の燃料噴霧軸線の近傍に位置する複数の第1断面領域と、前記複数の燃料噴霧軸線の中間近傍に位置する第2断面領域とで、前記ピストンの前記凹部が異なる断面形状を有し、
    前記第1断面領域にて前記複数の燃料噴霧軸線が前記凹部の内周壁面と前記燃料噴霧との衝突点を通る接線位置から離れる方向に傾斜する角度に相当する第1衝突角が、前記第2断面領域にて前記複数の燃料噴霧軸線を含む円錐面が前記凹部の内周壁面から離れる方向に傾斜する角度に相当する第2衝突角より大きく、
    前記ボール形断面の環状溝部が、前記第1断面領域においてボール形断面が大きくなるように深く形成され、前記第2断面領域においてボール形断面が小さくなるように浅く形成されていることを特徴とする直接噴射式エンジンのピストン構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108730064A (zh) * 2018-06-27 2018-11-02 天津内燃机研究所(天津摩托车技术中心) 柴油机活塞燃烧室

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