JP2010222668A - 高強度溶融亜鉛めっき鋼板及び高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

高強度溶融亜鉛めっき鋼板及び高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高Mn含有鋼板を母材として、表面外観、めっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板と高強度溶融合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する。
【解決手段】
mass%で、C:0.1〜0.8%、Si:0.5〜5.0%、Mn:1.0〜30%、P:0.005〜0.025%、Al:0.01〜2%、S:0.01%以下を含む熱延鋼板を、H≦0.5vol%、O≧0.1vol%、HO、CO及びCOを合計で25vol%以下を含む雰囲気で、600〜1100℃の温度で300〜10000s熱処理を行い、熱延鋼板のスケール直下から2〜10μmまでの領域のC濃度の平均値を0.01%以下とし、次に酸洗、冷間圧延を行い、その後、HO≧15vol%、O≧0.1vol%、CO+CO≦5vol%を含む雰囲気で、700〜800℃の温度範囲で酸化鉄を主体とするスケールを形成させる酸化処理した後還元処理、めっき処理する。
【選択図】なし

Description

本発明は、Mnを多量に含有する高強度鋼板を母材とする溶融亜鉛めっき鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造に関するものである。
近年、自動車、家電、建材等の分野において素材鋼板に防錆性を付与した表面処理鋼板、中でも安価に製造できかつ防錆性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板が使用されている。
高強度鋼板の種類としては、Al、Siなどを1〜2%含むTRIP鋼が590〜980Mpaクラスの高延性鋼として実用化されている。これら元素は易酸化性であるため再結晶焼鈍時に表面に選択酸化するため、めっき濡れ性を劣化させて不めっき欠陥やめっき密着性不良を発生させたり、合金化遅延させて合金化ムラやめっき密着性不良を発生させたりする。
上記課題を克服するため、特許文献1では、CGLの加熱炉のタイプとしてDFF(直火型)、NOF型(無酸化型)を利用し、母材を酸化処理した後に還元処理することで表面を活性化し上記課題を解決する技術が開示されている。
最近Mnを20%前後の多量含む鋼板を活用することで、980Mpa級であっても伸び特性が40〜50%確保できる極めて高強度の鋼板が開発されつつある(非特許文献1参照)。この鋼板は従来のTRIP鋼と比べて大幅に機械特性が向上しているため、自動車車体の大幅な軽量化が可能であるため、燃費の向上による環境保全への寄与が期待できる。さらにこの鋼板をめっき処理することで、鉄の最大の欠点である耐食性を大幅に引き上げ、自動車の寿命を延ばすことができるため、さらに環境への寄与が期待できる。
しかしながら、この鋼板はMnを多量に含むため、Mnが含まれていない鋼板と比べて母材を酸化処理した時に鉄の酸化が大幅に抑制される。さらに酸化鉄層の直下の母材に固溶しているMnなどが焼鈍時に選択外部酸化するため、還元処理で母材表面が活性化されず、Mnの酸化物が溶融亜鉛との濡れ性を劣化させたり、Fe−Zn合金化反応を阻害するバリアとなるため、良好なめっき処理や合金化処理を施すことができなかった。
そのため、従来の技術では、Mnを多量に含む鋼板を母材として、不めっきやめっき密着性不良の発生を防止できる溶融亜鉛めっき鋼板や合金化遅延による合金化ムラやめっき密着性不良の発生を防止できる合金化溶融亜鉛めっき鋼板を安定して製造することができなかった。
特許第2587724号明細書
P.Cugy,外5名,「A super-high strength Fe-Mn-C austenitic steel with excellent formability for automobile applications」,Proceedings of the 1st International Conference on "Super-High Strength Steels",Rome,2005
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、高Mn含有鋼板を母材としても、不めっきやめっき密着性不良の発生を防止できる高強度溶融亜鉛めっき鋼板及び合金化遅延による合金化ムラやめっき密着性不良の発生を防止できる高強度溶融合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは鉄の酸化を促進する技術を検討するため、鋼板の表面組成を調査した。その結果、次の事項が判明した。すなわち、こういった鋼板はオーステナイト相を安定化させるために鋼中にCを多量に含むため、このCは熱延工程でセメンタイトとして析出する。このセメンタイトは、熱延後の酸洗工程で、鋼板表面にスマットとして析出し、冷間圧延後も母材表面に残り、CGLにおいて、加熱炉での鉄の酸化を抑制するだけでなく、めっきと母材との反応(濡れ性)を阻害することが判明した。そして、上記の問題を改善すべく種々検討し、熱間圧延後、酸洗する前に、母材表層のC濃度を低下する熱処理を行うことを着想し、本発明至った。
上記課題を解決する本発明の手段は、下記の通りである。
[1]鋼の成分組成として、mass%で、C:0.1〜0.8%、Si:0.5〜5.0%、Mn:1.0〜30%、P:0.005〜0.025%、Al:0.01〜2%、S:0.01%以下、残部不可避的不純物を含む熱延鋼板を、H≦0.5vol%、O≧0.1vol%、HO、CO及びCOを合計で25vol%以下を含み、残部がNである雰囲気で、600〜1100℃の温度で300〜10000s熱処理を行い、熱延鋼板のスケール直下から2〜10μmまでの領域のC濃度の平均値を0.01%以下とし、次に酸洗、冷間圧延を行い、その後、HO≧15vol%、O≧0.1vol%、CO+CO≦5vol%を含む雰囲気で、700〜800℃の温度範囲で酸化鉄を主体とするスケールを形成させる酸化処理した後還元処理、めっき処理することを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[2]鋼の成分組成として、さらに、mass%で、B:0.001〜0.005%、Nb:0.005〜0.05%、Ti:0.005〜0.05%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%から選ばれる1種以上の元素を含むことを特徴とする[1]の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[3] [1]または[2]の方法で高強度溶融亜鉛めっき鋼板を製造した後、さらに合金化処理することを特徴とする高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、Feの酸化を抑制するセメンタイトの鋼板表面への析出を防止し、CGLの酸化処理で酸化鉄を主体とするスケールを形成させることができるようになり、この酸化物を還元することで、Mn等の易酸化性元素の表面濃化を防止し、高Mn含有鋼板を母材とした場合であっても、不めっきやめっき密着性不良の発生しない高強度溶融亜鉛めっき鋼板、合金化遅延による合金化ムラやめっき密着性不良の発生しない高強度溶融合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造できるようになる。
以下、本発明について具体的に説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限りmass%を意味するものとする。また、雰囲気に関する「%」表示は特に断らない限りvol%を意味するものとする。
まず、鋼板の成分組成を限定した理由について説明する。
本発明の鋼板は、鋼中にMnを含有する高強度鋼板である。また、オーステナイトを安定化させるためにCも多量に含有する。
C:0.1〜0.8%
CはMnとともに所望の機械特性を確保するために重要な元素である。0.1%未満であると所望の機械特性が得られない。0.8%以上であるとスポット溶接性が劣化する。このため、Cは0.1〜0.8%に限定する。セメンタイトのスマットに起因する問題は、Cが0.3%以上になるとより顕在化する。C濃度が0.3%以上の場合に本発明の効果がより効果的に発現されるので好ましい。
Si:0.5〜5.0%
Siが0.5%未満であると所望の機械特性が得られない。5.0%越えであると本発明をもってしてもめっき密着性が劣化する。このため、Siは0.5〜5.0%に限定する。本発明によってSi量を5%まで添加しても良好なめっき性が得られるようになった。
Mn:1.0〜30%
Mnはもっとも重要な元素である。1.0%未満であると所望の機械特性が得られない。30%以上であると製造が困難になるだけでなく、めっき密着性が本発明をもってしても劣化する。このため、Mnは1.0〜30%に限定する。特に機械特性の観点から15%以上が好ましい。さらにMn添加量が増加するとMnは酸化しやすいため、耐食性がやや劣化する傾向が見られるため、25%以下が好ましい。
P:0.005〜0.025%
Pは、不可避的に混入する元素であり、固溶強化するため強度向上に寄与する元素である。0.005%未満は不可避的に混入する。0.025%越えではスポット溶接性が劣化する。このため、Pは0.005〜0.025%に限定する。なお、溶接性の観点からはなるべくPは少ない方がいいので、強度はMn添加で確保し、P添加量は0.015%以下が好ましい。
Al:0.01〜2%
Alは、0.01%までは不可避的に入ってしまう。所望の組織を確保して機械特性を改善するために好ましい元素であり、1%以上の添加が好ましい。但し2%越えではスポット溶接性が劣化する。このため、Alは0.01〜2%に限定する。
S:0.01%以下
Sが多いと鋼中に析出するMnSが多くなり延性を低下させるので、少ない方が好ましい。0.01%を超えると穴広げ性が劣化する。このため、Sは0.01%以下とする。
本発明では、上記の成分組成を必須成分として含有し、残部はFeおよび不可避的不純物である。なお、高強度延性バランスを制御するため、必要に応じて、0.05%≦Cr≦1.0%、0.05%≦Mo≦1.0%、0.005%≦Nb≦0.05%、0.005%≦Ti≦0.05%、0.05%≦Cu≦1.0%、0.05%≦Ni≦1.0%、0.001%≦B≦0.005%の少なくても1種を添加しても良い。なお、これら元素は機械的特性改善のためでなく、Cr、Mo、Nb、Cu、Niは単独もしくは2種以上の複合添加でMnの内部酸化を促進し、表面濃化を抑制する効果を有するため、良好なめっき密着性を得るために添加しても良い。
これら元素を添加する場合における適正添加量については以下の通りである。
Crは0.05%未満では焼き入れ性や内部酸化促進効果が得られにくく、1.0%越えではSiとの相乗効果によってCGLでの酸化帯での鉄の酸化反応が抑制され、焼鈍後の表面濃化を抑制出来ない。そのためSiだけでなくMnやCrが表面濃化するため、めっき密着性や溶接性が劣化する。なお、Cr添加量が0.5%越えた場合はMn添加量を2%以上とすることが、上記の鉄の酸化反応を促進するために望ましい。
Moは0.05%未満では強度調整の効果やNb、またはNiやCuとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくく、1.0%越えではコストアップを招く。
Nbは0.005%未満では強度調整の効果やMoとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくく、0.05%越えではコストアップを招く。
Tiは0.005%未満では強度調整の効果が得られにくく、0.05%越えではめっき密着性の劣化を招く。
Cuは0.05%未満では残留オーステナイト相形成促進効果やNiやMoとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくく、1.0%越えではコストアップを招く。
Niは0.05%未満では残留γ相形成促進効果やCuやMoとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくく、1.0%越えではコストアップを招く。
Bは0.001%未満では焼き入れ促進効果が得られにくく、0.005%以上ではめっき密着性が劣化する。
但し言うまでもなく機械的特性改善上添加する必要がないと判断される場合は添加しない。
従来技術では、熱延鋼板は、熱延工程で鋼板表面に生成したスケール(黒皮スケール)を除去するために酸洗し、次いで冷間圧延を行う。本発明では、上記成分組成を有する鋼を熱間圧延して得た熱延鋼板を酸洗する前に、該熱延鋼板表層のC濃度を低下させる熱処理工程を行うことが特徴である。この熱処理を行った後、酸洗し、冷間圧延を行う。
本発明で最も重要な熱延鋼板の熱処理について説明する。
熱延鋼板のスケールを酸洗して除去する際に、鋼板表面にセメンタイトがスマットとして析出するのを防止するには、C濃度(平均値)を0.01%以下まで低減させればよい。その厚さは熱延鋼板のスケール直下から10μmまでの領域を制御すればよい。C濃度の低下領域を10μmまでとするのは、冷間圧延及び酸洗による鉄の減量で冷延後に厚みが低下するため、冷延後の表層のC濃度を十分低下させるためである。前記C濃度の低下領域が熱延鋼板のスケール直下から2μm未満であると効果がでない。そのため、熱延鋼板のスケール直下から2〜10μmまでの領域のC濃度を0.01%以下に規定する。ここで規定するC濃度は前記領域のC濃度の平均値である。
C濃度が0.01%以下になっている脱炭層がスケール直下の鋼板表面から50μmを越える厚さになると機械特性に影響がでるので、50μm以下にすることが好ましい。
C濃度の定量は表層をFBI加工で薄膜とし、地鉄組成をEDXで定量することで確認できる。
C濃度を下げて上記を満足するようにするには、H≦0.5%、O≧0.1%、HO、CO及びCOを合計で25%以下を含み、残部Nである雰囲気で、鋼板を600〜1100℃の温度で300〜10000s熱処理することが必要である。前記条件においては、高温でかつより酸化性の雰囲気で熱処理することにより脱炭が促進される。
熱処理は、たとえば熱延鋼板を上記雰囲気に調整した熱処理炉に入れて熱処理することで可能である。また連続焼鈍炉の炉内雰囲気を上記のように調整して通板してもかまわない。
鋼板温度が600℃未満、熱処理時間が300sec未満であると脱炭されにくく、1鋼板温度が1100℃越え、熱処理時間が10000sec越えでは表面が酸化されて荒れるため不適当である。雰囲気組成で重要であるのはH、Oである。Hが0.5%越えであると所望のC濃度まで脱炭できないので不適当である。Oは0.1%以上でないと脱炭しない。Oの上限は規定しないが、20%を越えるとコストアップになるので好ましくない。上記雰囲気調整にはたとえばCガスなどの燃焼ガスを利用することがコスト的に有利である。この中にはCO、CO、HOなどが必然的に混入する。CO、COは多量に入ると再度浸炭し、HOは多量に入ると鉄が過酸化になる。そのため、CO、CO及びHOは合わせて25%以下とする必要がある。
上記の熱処理後、熱延鋼板を酸洗し、冷間圧延する。これらは通常の方法でよい。
熱処理後の熱延鋼板は、表層が脱炭されて低Cとなっているためセメンタイトが生成していない。そのため、酸洗で熱延鋼板のスケールを除去する際に、鋼板表面にセメンタイトがスマットとして析出せず、従って、冷間圧延後の母材鋼板表面にもセメンタイトのスマット付着がない。
冷間圧延した母材鋼板をCGLに装入する。CGLは、DFF+RTF又はNOF+RTを備える酸化還元炉を用いる場合、DFF又はNOFで酸化処理して鉄を酸化し、RTFで還元処理し、その後めっき処理する。
酸化処理は、鉄の酸化を促進するため、HO≧15%、O≧0.1%、CO+CO≦5%の雰囲気で行い、鋼板を700〜800℃に加熱して、鋼板表面に酸化鉄を主体とするスケールを形成させる。
温度が700℃未満であると酸化しにくいため不適当である。800℃を越えると過度に酸化され、還元工程での還元不足になる。
O、Oは、鉄の酸化を促進するため、それぞれ15%以上、0.1%以上とする必要がある。HOが15%未満、Oが0.1%未満であると鉄の酸化不足となる。ただしHO、Oともに20%越えはコスト的に不利となるので好ましくない。CO、COが多くなると、浸炭により母材表面にセメンタイトが析出してめっき濡れ性が劣化するおそれがある。セメンタイトの析出を防ぐため、COとCOは、合わせて5%以下とする必要がある。
上記組成の雰囲気は、Cガスを燃焼させても良いし、あらかじめ上記雰囲気に調整したガスを炉内に吹き込んでも良い。
母材鋼板表面にセメンタイトのスマット付着がないので、酸化処理で鉄の酸化が促進され、鋼板上に十分な量の酸化鉄を形成できる。
酸化処理に引き続き還元処理を行い、その後めっき処理する。還元処理はH:1〜100%、残部Nを含む還元性雰囲気で実施する。H濃度はコスト面から20%以下が好ましい。還元処理では、鋼板の再結晶焼鈍も行う。雰囲気が上記であれば還元処理は通常の方法でよい。
還元処理で、酸化処理で形成した酸化鉄を還元することで、Al、Si、Mn等の易酸化性元素の鋼板表面への濃化を防止して、活性化された鋼板表面が得られる。
めっき処理は、めっき後合金化処理しない溶融亜鉛めっき鋼板では浴中Al濃度を0.14〜0.24%に、めっき後合金化処理する合金化溶融亜鉛めっき鋼板では浴中Al濃度を0.1〜0.2%に調整した450〜470℃の溶融亜鉛浴でめっき処理し、その後ワイピングでめっき厚を調整する。めっき厚はZn付着量20〜150g/mに調整する。20g/m未満は耐食性が劣化し、150g/m越えは効果が飽和することとコストアップになるため不適当である。合金化処理は480〜580℃で5〜60sec保持することが好ましい。480℃未満、5sec未満では合金化しにくく、580℃越え、60sec越えでは過合金となり耐パウダリング性が劣化する。合金化度は8〜13%とする。8%未満では焼けムラが発生し、13%越えでは過合金による耐パウダリング性不良となる。
還元処理によって活性化された鋼板表面が得られることから、めっき処理の際にめっき濡れ性が阻害されることがないので、不めっきの発生がなく、めっき密着性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板が得られ、合金化処理したときは、合金化遅延による合金化ムラの発生がなく、めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。
以下、本発明を、実施例に基づいて具体的に説明する。
表1に示した成分組成と残部がFe及び不可避的不純物からなる熱延鋼板を熱処理した。熱処理条件と熱処理後の熱延鋼板表層のC濃度を表2及び表3に示す。熱処理した熱延鋼板のスケールを酸洗で除去し、圧下率50%で冷間圧延し、厚さ1.4mmの冷延鋼板とした。
上記で作製した冷延鋼板を、DFF+RTF型のCGLを用いて、雰囲気制御したDFF(加熱炉)に通板して加熱した後、RTF(均熱炉)に通板し、850℃に加熱して還元焼鈍した後、引き続き、460℃のAl含有Znにて溶融亜鉛めっきを施した。DFFの雰囲気及び鋼板加熱温度を表2及び表3に記載した。RTFは10%H−残部Nの雰囲気である。
DFFの雰囲気の制御方法については、N中に設置した水タンクを加熱して加湿したNガスが流れる配管を予め別途設置し、これを炉内に導入することでHO濃度を制御した。CO、CO、Oは該当するガスを導入して流量で組成を制御する。残部はNである。
浴中Al濃度は、GA(合金化溶融亜鉛めっき鋼板)は0.14%Al含有Zn浴、GI(めっき後合金化処理しない溶融亜鉛めっき鋼板)は0.18%Al含有浴を用いた。付着量はガスワイピングにより片面当り50g/mに調節し、合金化処理は540〜550℃で30sec処理した。
Figure 2010222668
得られためっき鋼板の外観を目視観察し、不めっきや合金化ムラなどの外観不良がない場合は良好、ある場合には不良と判定した。
○:外観良好
×:外観不良
合金化処理しためっき鋼板(合金化溶融亜鉛めっき鋼板)のめっき密着性は、めっき鋼板を90°曲げた場合の曲げ加工部をセロテープ(登録商標)剥離し、単位長さ当たりの剥離量を蛍光X線によりZnカウント数を測定し、下記の基準に照らしてランク1、2を良好(○、△)、3以上を不良(×)として評価した。
蛍光X線カウント数 ランク
0−500未満 :1(良)
500−1000未満 :2
1000−2000未満:3
2000−3000未満:4
3000以上 :5(劣)
合金化処理しないめっき鋼板(溶融亜鉛めっき鋼板)のめっき密着性はボールインパクト試験を行い、加工部をセロテープ(登録商標)剥離し、めっき層剥離の有無を目視判定し、下記のように評価した。
○:めっき層の剥離なし
×:めっき層が剥離
CGLの加熱帯の酸化条件と得られた結果を表2及び表3に併せて示す。
Figure 2010222668
Figure 2010222668
表2及び表3から明らかなように、本発明のめっき鋼板はMn等の易酸化性元素を多量に含有する高合金めっき鋼板であるにもかかわらず、良好なめっき品質を有する。
本発明は、不めっきやめっき密着性不良の発生しない高強度溶融亜鉛めっき鋼板、合金化遅延による合金化ムラやめっき密着性不良の発生しない高強度溶融合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法として利用できる。

Claims (3)

  1. 鋼の成分組成として、mass%で、C:0.1〜0.8%、Si:0.5〜5.0%、Mn:1.0〜30%、P:0.005〜0.025%、Al:0.01〜2%、S:0.01%以下、残部不可避的不純物を含む熱延鋼板を、H≦0.5vol%、O≧0.1vol%、HO、CO及びCOを合計で25vol%以下を含み、残部がNである雰囲気で、600〜1100℃の温度で300〜10000s熱処理を行い、熱延鋼板のスケール直下から2〜10μmまでの領域のC濃度の平均値を0.01%以下とし、次に酸洗、冷間圧延を行い、その後、HO≧15vol%、O≧0.1vol%、CO+CO≦5vol%を含む雰囲気で、700〜800℃の温度範囲で酸化鉄を主体とするスケールを形成させる酸化処理した後還元処理、めっき処理することを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 鋼の成分組成として、さらに、mass%で、B:0.001〜0.005%、Nb:0.005〜0.05%、Ti:0.005〜0.05%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%から選ばれる1種以上の元素を含むことを特徴とする請求項1記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法で高強度溶融亜鉛めっき鋼板を製造した後、さらに合金化処理することを特徴とする高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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