JP2010220834A - 僧帽弁飜転防止具 - Google Patents

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Abstract

【課題】外科手術が行われるまで僧帽弁の飜転を防止して救命率を向上させる。
【解決手段】乳頭筋115の断裂により急性僧帽弁逆流をきたした場合などに、心臓の外科手術が行われるまでの間、応急的に左心房102に設置される僧帽弁飜転防止具1である。心臓101の左心房102内に設置されるバスケット部2が複数の支持アーム5を有し、これら支持アーム5が、左心房102の内壁と接するように立体的に拡がる拡大状態と、カテーテル51に出し入れ可能に縮まる縮小状態と、に変形可能に構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、乳頭筋の断裂により急性僧帽弁逆流をきたした場合などに、心臓の外科手術が行われるまでの間、応急的に左心房に設置される僧帽弁飜転防止具に関する。
心臓疾患の1つに急性心筋梗塞がある。急性心筋梗塞は、心臓を形成している心筋に血液を送る冠動脈が突然閉塞することにより血液の供給が途絶え、心筋が壊死する疾患である。閉塞は、主として粥種や血栓が血管内で詰まることによって引き起こされる。急性心筋梗塞によって心筋の広範な範囲で収縮機能が失われたり、心室細動のような致死性不整脈が発生すると、心臓が血液を駆出できなくなって突然死を招くおそれがある。
例えば、図1の(a)は、急性心筋梗塞を発症した患者の心臓101を表している。まず、心臓101には左心房102や左心室103、右心房104、右心室105がある。左右それぞれの心房102,104と心室103,105との間には三尖弁106や僧帽弁107があって、これらによって心房102,104と心室103,105との間が開閉可能に区画されている。左心室103の内壁には乳頭筋115が突出しており、左心室103が収縮するときに僧帽弁107が左心房102内へ飜転しないよう、乳頭筋115によって僧帽弁107が支持されている。左右の心房102,104間は心房中隔108によって、左右の心室103,105間は心室中隔109によってそれぞれ区画されている。
このような構造の心臓101に対し、全身をまわった静脈血は大静脈110を通って右心房104に入り、三尖弁106、右心室105を経て、心臓101のポンプ作用によって肺に送られる。肺から戻る動脈血は、左心房102に入り、矢印線が示すように、僧帽弁107、左心室103を経て、心臓101のポンプ作用により、大動脈111を通って全身に送られる。
図示はしないが、問題となる冠動脈は複数あって、それぞれ概ね大動脈111の基部から心臓101を取り巻くように心尖部101aに向かって延びている。そのため、閉塞が発生する部位は様々ではあるが、心筋が壊死する部位(壊死部位112ともいう)は、図1に示すように、冠動脈の末端側に位置する心臓101の心尖部101a側で生じ易い傾向がある。壊死部位112の心筋は脆弱になるため、急性心筋梗塞なると様々な合併症が併発する。
例えば、心室の自由壁が破綻すると、動脈血が心膜内に噴出する「心タンポナーデ」を引き起こすし、心室中隔109が破綻すると「心室中隔穿孔」を引き起こす。更に、乳頭筋115が破綻すると、僧帽弁107が機能しなくなって「急性僧帽弁逆流」を引き起こす。
すなわち、図1の(b)に示すように、乳頭筋115が破綻して乳頭筋断裂が起こると、左心室103が収縮するときに、支えを失った僧帽弁107が左心房102側に飜転してしまい、僧帽弁107が適正に閉じられなくなって左心室103と左心房102との間に隙間が形成されてしまう。そうなると動脈血が左心房102に逆流し、急性の肺水腫を招いて外科手術を行っても救命が困難になる。
本発明の僧帽弁飜転防止具に似た器具として、バスケット型鉗子が知られている(特許文献1等)。バスケット型鉗子は、体内で発生する結石等の異物を把持して除去するための器具であり、例えば、一本の操作ワイヤの先端に設けられバスケット部と、操作ワイヤ及びバスケット部を収容する管状のシースとを備えている。バスケット部は、複数の弾性ワイヤで構成されていて、シースから押し出すと、内部に結石等が取り込めるように籠状に拡開し、シースに引き込むと縮小する。弾性ワイヤの間から内部に結石等を取り込むため、弾性ワイヤの本数は通常4〜6本程度である。
特開2005−204807号公報
急性心筋梗塞を発症し、急性僧帽弁逆流を併発したような場合には、緊急に心臓の外科手術を行う必要がある。ところが、患者の搬送や手術の準備など、実際に外科手術を行って処置が終わるまでには少なくとも数時間は必要である。
外科手術は心停止させて人工心肺で血液循環を維持しながら行われるため、心肺等は大きな負担を強いられる。その上、外科手術の前に、動脈血の逆流によって高度な心不全の状態が続けば、外科手術で適切な処置が行われても救命が困難になる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的容易に応急処置ができ、外科手術が行われるまでの間、動脈血の逆流を軽減することのできる僧帽弁飜転防止具を提供し、患者の心肺等への負担を軽減して救命率を向上させることにある。
上記目的を達成するために、カテーテルを用いて左心房内に送り込むことができ、左心房の内壁を利用して僧帽弁の飜転が防止できる僧帽弁飜転防止具を創作した。
すなわち、本発明の僧帽弁飜転防止具は、心臓の左心房内に設置される主体部を備え、前記主体部が複数の線状部材を有し、該複数の線状部材が、左心房の内壁と接するように立体的に拡がる拡大状態と、カテーテルに出し入れ可能に縮まる縮小状態と、に変形可能に構成されている。
かかる構成の僧帽弁飜転防止具によれば、複数の線状部材を縮めて縮小状態に変形させることで、カテーテルに入れ込んで左心房内に送り込むことができるので、開胸せずに診断の確定後短時間で処置できる。
複数の線状部材が、左心房の内壁と接するように立体的に拡がるので、これら線状部材に受け止められて僧帽弁の飜転が阻止されるため、弁体間に生じる隙間が小さくなって動脈血の逆流量を減少させることができる。
僧帽弁は複数の線状部材によって受け止められるので、各線状部材に加わる負荷は分散して小さくなる。従って、線状部材個々の強度が多少小さくても、潰れずに僧帽弁の反転を防止できる。主体部が複数の線状部材で構成されているので、血流を妨げるおそれがない。
具体的には、前記主体部に先端が接続され、カテーテルに出し入れ可能な線状の操作部を備え、前記主体部は、前記操作部に連なって延びる主軸部を有し、前記各線状部材は、前記主軸部の周りに配設され、前記主軸部の先端部に設けられた第1支持部と、前記主軸部の基端部に設けられた第2支持部と、を介して前記主軸部に支持されていて、前記第2支持部が前記主軸部に沿って移動可能にしておくとよい。
そうすれば、操作部を操作して左心房内に送り込んだ主体部の設置状態を調整できる。各線状部材の基端部が支持されている第2支持部を主軸部の先端側に移動させると、各線状部材が主軸部の周りへ拡がるように変形する。第2支持部を主軸部の基端側に移動させれば各線状部材は縮小状態に変形する。従って、第2支持部を移動させるだけで各線状部材を一度に拡げたり縮めたりできる。
より具体的には、カテーテルに出し入れ可能で、前記操作部を出し入れ可能に収容する管状の第2操作部を備え、前記操作部が入れられた前記第2操作部の先端が前記第2支持部と係合するようにしておけばよい。
そうすれば、第2操作部をカテーテルの基端部の外側から操作するだけで、主体部を変形させることができる。
更には、前記第1支持部と前記第2支持部との間を渡る前記線状部材の本数は、10本〜20本の範囲内に設定しておくのが好ましい。
すなわち、10本より少ないと強度や僧帽弁との接触量が不足して僧帽弁の飜転を阻止できなくなるおそれがあり、20本より多いと縮小させても容積が大きくなってカテーテルでの移送が困難になるからである。
僧帽弁飜転防止具の具体例としては、例えば、前記主体部が、前記主軸部の周囲を覆うように配設された、カテーテルに出し入れ可能な金属管からなり、前記金属管の両端部を除く中間部分が、周方向の複数箇所で軸方向に沿って切断されることにより前記複数の線状部材が形成されるものや、前記主体部に先端が接続され、カテーテルに出し入れ可能な耐圧性のあるチューブを備え、前記複数の線状部材のそれぞれは、弾性変形可能な耐圧性の袋体で形成され、互いに連通可能に連結されていて、前記チューブと前記線状部材とが連通しているものなどを挙げることができる。なお、後者の場合、前記複数の線状部材が拡大状態に変形することにより、前記主体部が多面体形状となるようにしておくのが好ましい。多面体形状であれば構造的に強度に優れるので、流体圧を過度に高めなくても僧帽弁の力に抗して立体形状を維持できる。
以上説明したように、本発明の僧帽弁飜転防止具によれば、開胸せずに短時間で応急処置ができ、僧帽弁の飜転を防止して動脈血の左心房への逆流を軽減できる。診断が確定してから外科手術が行われるまでの間、心肺等への負担や侵襲が大幅に軽減されるため、外科手術での救命率を向上させることができる。
急性心筋梗塞やその合併症を説明するための図である。(a)は急性心筋梗塞が発生した心臓を、(b)は急性僧帽弁逆流を併発した心臓をそれぞれ表している。 本実施形態の僧帽弁飜転防止具の概念図である。 僧帽弁飜転防止具を示す概略斜視図である。(a)はその拡大状態を、(b)はその縮小状態をそれぞれ表している。 僧帽弁飜転防止具を左心房に装着する操作を説明するための図である。 僧帽弁飜転防止具を左心房に装着する操作を説明するための図である。(a)、(b)はそれぞれ操作の主な段階を表している。 僧帽弁飜転防止具の変形例を示す概略斜視図である。(a)は使用前の主体部を、(b)は僧帽弁飜転防止具の縮小状態の断面図を、(c)は僧帽弁飜転防止具の拡大状態をそれぞれ表している。 僧帽弁飜転防止具の変形例を示す概略斜視図である。(a)はその拡大状態を、(b)はその縮小状態をそれぞれ表している。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
図2及び図3に、本実施形態の僧帽弁飜転防止具1を示す。この僧帽弁飜転防止具1は、心臓101の左心房102内に設置されるバスケット部2(主体部)や、カテーテル51内に設置されるロッド部3(操作部)及びシース部4(第2操作部)などで構成されている。バスケット部2を左心房102一杯に拡げることで僧帽弁107が左心房102内に飜転するのを防止できるようになっている。
バスケット部2は、弾性変形可能な針金状の複数の支持アーム5,5,…(線状部材)と、これら支持アーム5,5,…よりも大径で可撓性のある主軸部6とを有している。本実施形態では、ロッド部3がバスケット部2の中心部を通ってその端まで延びているため、ロッド部3の先端部分が主軸部6を構成している。
各支持アーム5は、主軸部6の周りに略等間隔に配設され、主軸部6の先端部分に設けられた第1支持部7と、主軸部6の基端部分に設けられた第2支持部8とを介して主軸部6に支持されている。これら第1支持部7と第2支持部8との間を渡る支持アーム5の本数は、支持アーム5の線径や強度等にもよるが、10本〜20本とするのが好ましい。10本より少ないと強度や僧帽弁107との接触量が不足して僧帽弁107の飜転を阻止できなくなるおそれがあり、20本より多いと縮小させても容積が大きくなってカテーテル51での移送が困難になるからである。ちなみに、本実施形態では12本に設定されている。
各支持アーム5は、外力が作用してしない通常の状態(常態)では、略半円弧形状または略円形状に形成されている。従って、図3の(a)に示すように、常態では、各支持アーム5は、主軸部6が延びる方向に見て、主軸部6の周りに放射状に拡がり、バスケット部2は略球形を呈する(拡大状態)。図示はしないが、各支持アーム5間には、略球形のバスケット部2の表面を覆うように、線状や網目状の被覆部を設けてあってもよい。僧帽弁107が支持アーム5間に入り込むのを防ぐことができ、より安定して僧帽弁107の飜転を防止できる。なお、この拡大状態にあるバスケット部2の直径は、3〜5cmの範囲に設定するのが好ましい。人の左心房102の内法は3〜5cmが一般的であるため、左心房102の内壁と過不足なく接触させることができるからである。
第1支持部7は主軸部6に固定されているが、第2支持部8は主軸部6に沿って移動可能となっている。例えば、本実施形態の第2支持部8は、主軸部6の外径よりも僅かに大きな内径の貫通孔8aを有する環状の部材からなり、貫通孔8aに主軸部6が挿通されて、貫通孔8aの周りに各支持アーム5の基端部が放射状に固定されている。各支持アーム5の先端部は、各支持アーム5が略半円弧形状に形成されている場合には第1支持部7に固定され、各支持アーム5が略円形状に形成されている場合には、その各中間部が第1支持部7に支持(固定しなくてもよい)されて第2支持部8に固定されている。
ロッド部3は、1m前後の長さを有する、ワイヤなどの可撓性のある細長い線状の部材からなる。上述したように、その先端部は主軸部6を構成しており、バスケット部2に接続されている。このロッド部3は、ロッド部3よりも所定寸法短く形成された管状のシース部4に出し入れ可能に収容されている。シース部4の外径は後述するような治療に用いられるカテーテル51の内径よりも小さく形成されていて、シース部4はカテーテル51に出し入れ可能となっている。なお、図示はしないが、シース部4とロッド部3との間には、シース部4に対するロッド部3の挿入量を微調整することができ、所定位置でロッド部3をシース部4に固定できるロック手段が備えられている。
本実施形態の第2支持部8はシース部4の先端に固定されている。従って、ロッド部3に対してシース部4の基端側を引っ張れば、図3の(b)に示すように、各支持アーム5が縮まって主軸部6に近づくため、バスケット部2は細長く延びて線形状を呈し(縮小状態)、カテーテル51に出し入れ可能となる。すなわち、シース部4をロッド部3に対して相対的に出し入れ操作することでバスケット部2を拡げたり縮めたりできるようになっている。
(僧帽弁飜転防止具の使用方法)
次に、このような形態の僧帽弁飜転防止具の使用方法について説明する。図4に人体の要部を表した模式図を示す。例えば、心臓101カテーテル検査で検査した結果、急性心筋梗塞が認められ、急性僧帽弁逆流を併発していると診断されたとする。その場合、時間の経過とともに病態が悪化して救命率が急激に低下するため、直ちに緊急の外科手術を行う必要がある。
しかし、そのような外科出術を行う設備がない場合には、患者を設備のある施設まで搬送する必要があるし、設備があっても外科手術の準備には時間を要するため、診断が確定しても直ぐに処置できるとは限らない。その間、左心房102に動脈血が逆流し続けるため、高度心不全の状態が続いて心肺等に大きな負担を強いることとなり、外科手術を行っても救命が困難になる。
一方、乳頭筋断裂による急性僧帽弁逆流の場合、僧帽弁107自体には異常がないため、僧帽弁107の飜転を防止することで動脈血の逆流を軽減させることができる。
そこで、外科出術が行われるまでの間、応急的にカテーテル51等を用いて僧帽弁飜転防止具1を左心房102に設置する。
まず、図4に示すように、患者のそけい部を切開し、ガイドワイヤ52を用いてそこから大腿静脈114を介して中枢側に送り込み、心臓101の右心房104まで挿入する。なお、僧帽弁飜転防止具1を左心房102に設置するためのカテーテル51等の器具には、一般に僧帽弁狭窄症の治療で行われる経皮経静脈僧帽弁交連裂開術(PTMC)の器具が利用できる。
続いて、図5の(a)に示すように、ガイドワイヤ52をガイドとして右心房104に送り込んだ穿刺針55で心房中隔108を穿通し、ガイドワイヤ52の先端部を左心房102に送り込む。このガイドワイヤ52に沿わしてカテーテル51を送り込み、同図の(b)に示すように、カテーテル51の先端部分が左心房102の内部に達するまで送り込む。このカテーテル51を左心房102に送り込む一連の操作は、レントゲン透視ガイドで行ってもよいが、レントゲン透視ガイドでは僧帽弁107などが見えないため、経食道心エコー法(TEE)ガイドにより行うのが好ましい。
こうして先端部分が左心室103内に送り込まれたカテーテル51の基端部から、縮小状態にしたバスケット部2の側から僧帽弁飜転防止具1を挿入し、中枢側に送り込む。そして、そのバスケット部2をカテーテル51の先端部から押し出し、図2に示したようにバスケット部2の支持アーム5を拡大させる。支持アーム5が左心房102の内壁や僧帽弁107の弁口と満遍なく接するように、バスケット部2の位置や開き程度を微調整し、適正状態になれば固定してそのまま設置する。外科手術が行われて不用になれば、バスケット部2を再度カテーテル51内に収容して回収すればよい。
このように、開胸せずにカテーテル51等を用いて僧帽弁飜転防止具1を設置するだけでよいため、診断の確定後短時間で処置できる。支持アーム5に受け止められて僧帽弁107の飜転が阻止されるため、弁体間に生じる隙間が小さくなり、動脈血の逆流量を大幅に減少させることができる。
左心室103の強力なポンプ作用により、僧帽弁107を受け止める支持アーム5には相当大きな負荷が加わる。しかし、多数の支持アーム5がバランスよく配置されているため、僧帽弁107は複数の支持アーム5,5,…で受け止められる。しかも、各支持アーム5はアーチ状に拡がって略球状となるため、構造的に潰れ難い構造となっている。更に、負荷が分散して個々の支持アーム5に加わる負荷は小さくなるうえ、支持アーム5は弾性変形しながら左心房102の全体で受け止められる。従って、個々の支持アーム5の線径を多少小さく設定してもバスケット部2は潰れずに済む。バスケット部2がそのような細い支持アーム5で構成されているので、血流を妨げるおそれもない。
このように僧帽弁飜転防止具1を左心房102内に設置することで、外科手術が行われるまでの間、心肺等への負担や侵襲を軽減することができるので、外科手術での救命率を向上させることができる。
(変形例)
図6に僧帽弁飜転防止具1の変形例を示す。この僧帽弁飜転防止具1Aのバスケット部2は、金属管を用いて形成されている。具体的には、バスケット部2が、同図の(a)に示すような、カテーテル51に出し入れ可能で可撓性のある、アルミ等の金属管で形成されている。同図の(b)に示すように、金属管の内径はロッド部3の外径よりも僅かに大きく設定されていて、その内部にロッド部3を挿入して出し入れできるようになっている。金属管は、その両端部を除く中間部分が、周方向の所定間隔おきに軸方向に沿って直線状に切断され、複数の切れ目10,10,…が形成されている。
ロッド部3の先端にはバスケット部2の抜け落ちを防ぐ抜止部3aが設けられている。抜止部3aの先端は、臓器を傷つけないように球面状に形成されている。バスケット部2を挿入したロッド部3をシース部4に挿入し、シース部4をバスケット部2に向けて押し込むと、シース部4の先端はバスケット部2の基端に突き当たるように構成されている。
従って、バスケット部2を装着したロッド部3をカテーテル51を用いて左心房102内に送り込み、シース部4でバスケット部2を強く押し込んで圧縮すると、同図の(c)に示すように、バスケット部2の中間部分が切れ目10の部分で押し拡げられ、立体的に拡がって複数の支持アーム5,5,…を形成させることができる。なお、この場合、金属管の先端側が第1支持部7に相当し、基端側が第2支持部8に相当する。
このような形態の僧帽弁飜転防止具1Aによれば、構造が比較的簡単で、扱いも容易であるため、製造コストや利便性に優れる。
図7に、僧帽弁飜転防止具1の別の変形例を示す。この僧帽弁飜転防止具1Bは、流体を用いてバスケット部2を拡大または縮小できるように構成されている。具体的には、バスケット部2を構成している複数の支持アーム5,5,…は、それぞれ弾性変形可能な耐圧性の細長い線状の袋体で形成されていて、互いに連通可能に連結されている。本実施形態では、同図の(a)に示すように、拡大状態に変形させた場合に、十二面体が形成されるように各支持アーム5の端部どうしが連結されている。各支持アーム5を縮小させると、同図の(b)に示すように、カテーテル51に収容して出し入れ可能となる。なお、拡大状態のバスケット2を十二面体としたのは、構造的に強度に優れるからである。もちろん、十二面体に限らず、その他の多面体であってもよい。
バスケット部2には、ロッド部3やシース部4に代えて、カテーテル51に出し入れ可能な耐圧性のあるチューブ20が接続されていて、このチューブ20と各支持アーム5とは連通している。なお、チューブ20のうち、患者の体内の大静脈110等に挿入される部分は、流体の供給時に患者に余計な負荷を与えないように、予めその大静脈110等の形状に合わせて形成しておくのが好ましい。
従って、この僧帽弁飜転防止具1Bの場合、脱気して縮小状態に変形させたバスケット部2の側から僧帽弁飜転防止具1Bをカテーテル51に挿入して、バスケット部2を左心房102内に送り込む。バスケット部2を左心房102内に送り込んだ後、例えば生理食塩水等の流体をチューブ20の基端部から注入し、加圧する。そうすると、各支持アーム5に流体が充満して膨張し、図7の(a)に示したように、バスケット部2を僧帽弁107の力に抗して立体的に拡げることができるため、僧帽弁107の飜転を防止することができる。
このような形態の僧帽弁飜転防止具1Bによれば、減圧すれば簡単に縮小させて回収することができる利点がある。バスケット部2がクッション性に優れるため、左心房102の内壁を傷つけ難い点でも有利である。
なお、本発明にかかる僧帽弁飜転防止具1は、前記の実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、上記実施形態では、常態では拡大状態にあるバスケット部2をシース部4で引っ張って縮小状態に変形させるようにしたが、図6に示した変形例のように、常態で縮小状態となるように形成し、シース部4を押し込むことで拡大状態に変形できるようにしてもよい。この場合、第2支持部8は必ずしもシース部4の先端に固定する必要はなく、押し込んだ際に突き当たるようにしておけばよい。
1 僧帽弁飜転防止具
2 バスケット部(主体部)
3 ロッド部(操作部)
4 シース部(第2操作部)
5 支持アーム(線状部材)
6 主軸部
7 第1支持部
8 第2支持部
51 カテーテル
102 左心房

Claims (7)

  1. 心臓の左心房内に設置される主体部を備え、
    前記主体部が複数の線状部材を有し、該複数の線状部材が、左心房の内壁と接するように立体的に拡がる拡大状態と、カテーテルに出し入れ可能に縮まる縮小状態と、に変形可能に構成されている僧帽弁飜転防止具。
  2. 請求項1に記載の僧帽弁飜転防止具であって、
    前記主体部に先端が接続され、カテーテルに出し入れ可能な線状の操作部を備え、
    前記主体部は、前記操作部に連なって延びる主軸部を有し、
    前記各線状部材は、前記主軸部の周りに配設され、前記主軸部の先端部に設けられた第1支持部と、前記主軸部の基端部に設けられた第2支持部と、を介して前記主軸部に支持されていて、
    前記第2支持部が前記主軸部に沿って移動可能である僧帽弁飜転防止具。
  3. 請求項2に記載の僧帽弁飜転防止具であって、
    カテーテルに出し入れ可能で、前記操作部を出し入れ可能に収容する管状の第2操作部を備え、
    前記操作部が入れられた前記第2操作部の先端が前記第2支持部と係合する僧帽弁飜転防止具。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の僧帽弁飜転防止具であって、
    前記第1支持部と前記第2支持部との間を渡る前記線状部材の本数が10本〜20本の範囲内に設定されている僧帽弁飜転防止具。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の僧帽弁飜転防止具であって、
    前記主体部が、前記主軸部の周囲を覆うように配設された、カテーテルに出し入れ可能な金属管からなり、
    前記金属管の両端部を除く中間部分が、周方向の複数箇所で軸方向に沿って切断されることにより前記複数の線状部材が形成されている僧帽弁飜転防止具。
  6. 請求項1に記載の僧帽弁飜転防止具であって、
    前記主体部に先端が接続され、カテーテルに出し入れ可能な耐圧性のあるチューブを備え、
    前記複数の線状部材のそれぞれは、弾性変形可能な耐圧性の袋体で形成され、互いに連通可能に連結されていて、
    前記チューブと前記線状部材とが連通している僧帽弁飜転防止具。
  7. 請求項6に記載の僧帽弁飜転防止具であって、
    前記複数の線状部材が拡大状態に変形することにより、前記主体部が多面体形状となる僧帽弁飜転防止具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017029727A (ja) * 2015-07-29 2017-02-09 バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドBiosense Webster (Israel), Ltd. 二重バスケットカテーテル
JP2017529927A (ja) * 2014-09-30 2017-10-12 アントニオ・サンブッセティAntonio SAMBUSSETI 同所性人工膀胱体内プロステーシス
US10226340B2 (en) 2013-10-08 2019-03-12 The Medical Research, Infrastructure and Health Services Fund of the Tel Aviv Medical Center Cardiac prostheses and their deployment

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