JP2010220410A - 超音波モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】溝部が不要であり、圧電素子に穴部を設ける必要が無く、簡単な構造で楕円振動を容易に励起することができ、超音波振動子に生じる楕円振動によりロータを回転させる超音波モータを提供することである。
【解決手段】超音波モータは、略直方体形状の各辺の比が、略1:1:0.45となっている振動子11と、該振動子11の楕円振動発生面に接して該振動子11の該楕円振動発生面と直交する中心軸を回転軸として回転駆動されるロータ15と、を少なくとも備えている。そして、前記振動子11は、該振動子11の同一面に発生する輪郭すべり振動と面たわみ振動を、所定の位相差で同時に励起し、該輪郭すべり振動と該面たわみ振動が発生する面と直交する面に生じた楕円振動の発生部位に接触して、ロータ15を回転駆動させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波振動を駆動力源として被駆動体を駆動する超音波モータに関するものである。
例えば、下記特許文献1には、振動子の縦振動とねじれ振動を合成して楕円振動を発生させ、ロータを回転させる超音波モータが提案されている。そして、下記特許文献1の図1には、振動子の分解斜視図が描かれており、振動子軸方向に対し斜めにカッティングされた弾性体の間に複数枚の圧電素子が挿入された構成となっている。また、該圧電素子の正電極は2分割されており、ここでは、それぞれA相、B相と称するものとする。
ここで、A相とB相に同位相の交番電圧を印加することで、棒状振動子に縦振動を発生させることができる。また、A相とB相に逆位相の交番電圧を印加することで、棒状振動子にねじれ振動を発生させることができる。尚、振動子の溝位置を調整して縦振動の共振周波数と、ねじれ振動の共振周波数を、ほぼ一致するようにしておく。そして、A相とB相にπ/2位相の異なる交番電圧を印加すると、縦振動とねじれ振動が同時に発生し、棒状弾性体上面に楕円振動を発生させることができる。棒状弾性体上面にロータを押圧することにより、ロータを時計方向(CW方向)若しくは反時計方向(CCW方向)に回転させることができる。
特開平9−117168号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された超音波モータは、その図1に示されるように、弾性体を斜めにカットしなければならない、縦振動とねじれ振動の周波数を合わせるために弾性体の一部に溝部を設けなければならない、等の課題があった。また、圧電素子の中央部に穴部を設けてあるので、圧電素子がそれ自体で、若しくは特にシャフトと触れた際には破損しやすい等の課題があった。
したがって本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、溝部が不要であり、圧電素子に穴部を設ける必要が無く、簡単な構造で楕円振動を容易に励起することができ、超音波振動子に生じる楕円振動によりロータを回転させる超音波モータを提供することである。
すなわち本発明は、略直方体形状の各辺の比が、略1:1:0.45となっている振動子と、該振動子の楕円振動発生面に接して該振動子の該楕円振動発生面と直交する中心軸を回転軸として回転駆動される被駆動体と、を少なくとも備えた超音波モータであって、前記振動子は、該振動子の同一面に発生するもので、その短辺を含む面の中心線を軸に両端を前記回転軸方向に振動させる輪郭すべり振動と、該両端を前記回転軸と直交する方向に振動させる面たわみ振動を、所定の位相差で同時に励起し、該輪郭すべり振動と該面たわみ振動が発生する面と直交する面に生じた楕円振動の発生部位に接触して前記被駆動体を回転駆動させることを特徴とする。
本発明によれば、溝部が不要であり、圧電素子に穴部を設ける必要が無く、簡単な構造で楕円振動を容易に励起することができ、超音波振動子に生じる楕円振動によりロータを回転させる超音波モータを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る超音波モータを示す外観斜視図である。 図1の振動子を示したもので、(a)は振動子の外観斜視図、(b)は(a)の振動子に摩擦接触子が接着された状態の振動子の外観斜視図である。 積層圧電素子の圧電シート構成を示す分解斜視図である。 図3のA−A′線に沿って示した分極方向を含む積層方向の断面図である。 各振動モードの振動状態を概略的に示したもので、(a)は輪郭すべり振動モードの振動状態を概略的に示した図、(b)は面たわみ振動モードの振動状態を概略的に示した図である。 輪郭すべり振動モードについて、図2(a)示されるab表面に対して垂直な方向から見た図であり、(a)、(b)は互いに位相がπだけずれた振動状態を示した図である。 面たわみ振動モードを上面から見た図であり、(a)、(b)は互いに振動の位相がπだけずれた状態を示した図である。 図5(b)の中央部断面32部分を示した図である。 振動子の辺a=b(一定)として、cを変化させた時の、c/a値と各モードの共振周波数をプロットした図である。 輪郭すべり振動発生時のab表面の歪み(主歪み)の様子を示した図である。 面たわみ振動発生時のab表面の歪み(主歪み)の様子を示した図である。 輪郭すべり振動と面たわみ振動を発生させるための内部電極パターンについて説明するための図である。 交番力Fから各振動モードが励起できることについて説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に於ける圧電シートの構成を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に於ける積層圧電素子の外観を示す斜視図である。 圧電シート(2)のみを取り出して面たわみ振動について説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る振動子の構成を示すもので、(a)は表面側の外観斜視図であり、(b)は裏面側から見た平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
先ず、図1乃至図13を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波モータを示す外観斜視図である。また、図2は図1の振動子を示したもので、(a)は振動子の外観斜視図、(b)は(a)の振動子に摩擦接触子が接着された状態の振動子の外観斜視図である。
この超音波モータ10は、振動子を構成する積層圧電素子(振動子)11と、摩擦接触子12a及び12bと、外部電極13(13a〜13d)と、ロータ15と、ベアリング16と、ばね17と、ばね保持リング18と、振動子ホルダ20と、シャフト固定リング21と、シャフト22と、から構成されている。
尚、本第1の実施形態に於いて、振動子11は圧電素子が複数積層されて構成されている。
摩擦接触子12a及び12bは、積層圧電素子11の長手方向と直交する面に接着されて、被駆動体であるロータ15と接触するようになっている。但し、この摩擦接触子12a及び12bは、必ずしも必要なものではない。外部電極13(13a〜13d)は、詳細を後述する各相毎に、図2(a)及び(b)では、図面の右側面には4箇所と、図には示されないが左側面にも4箇所設けられている。
振動子11は、図1に示されるように、3つの側面(この場合、下側面、右側面、左側面)のほぼ中央部で振動子ホルダ20により保持されている。該振動子ホルダ20の上面部からは振動子11の上面の中央部に向かって外周にネジが切られたシャフト22が固定延出され、ベアリング内側面に固定されている。ベアリング16の外側面は、ロータ15内側面に固定されており、該ベアリング内側部にはばね17が接触している。ばね保持リング18を回転させると該ばね17は縮められ、その結果、ベアリング16の内側面に押圧がかけられ、最終的にロータ15と振動子11間に所定の押圧力が印加される。
振動子ホルダ20は、振動子11のほぼ中央部に固定されてシャフト22及び振動子11を保持するための保持部材である。この振動子ホルダ20は、アルマイト処理が施されたアルミ材料、若しくは絶縁処理が施された金属材料から成るものであって、一体として形成されている。そして、振動子ホルダ20は、シャフト22が貫通する上面部20aと、振動子11の側面を覆うように対向配置された側面部20b、20cと、該側面部20b、20cの下端部同士を接続する案内部20d、20e(20eは図示されない)と、該案内部20d、20eの中間部から該案内部20d、20eと直交する方向に延出形成された案内部20f、20g(20gは図示されない)と、案内部20fと案内部20gとを接続する底面部20hと、を有して構成されている。
更に、前記側面部20b、20cの下端部と、底面部20hは、後述するように、輪郭すべり振動モードの節部及び面たわみ振動の節部と、幾何学的にほぼ一致している。そして、振動子11は、側面部20bと案内部20dとの接続点、側面部20bと案内部20eとの接続点、側面部20cと案内部20dとの接続点、側面部20cと案内部20eとの接続点、案内部20fと底面部20hとの接続点、案内部20gと底面部20hとの接続点、のみで支持されている。
また、シャフト固定リング21は、振動子ホルダ20とシャフト22を固定する部材である。尚、シャフト22の長手方向を中心軸方向と定義する。
次に、振動子11について詳細に説明する。
本振動子11は、図2(a)に示されるように、各辺の長さがa,b,cの直方体形状をなしており、圧電セラミクスと内部電極の積層構造を有する積層圧電素子から構成される。
図2(a)に於いて、右側面には外部電極(A+相)13a、外部電極(B+相)13b、外部電極(C+相)13c、外部電極(D+相)13dが、設けられている。前記右側面と対向する左側面には、図示されないが、外部電極(A−相)、外部電極(B−相)、外部電極(C−相)、外部電極(D−相)が、同様の位置に設けられている。
尚、図の手前の寸法aと寸法bが作る面をab表面と定義する。また、それと対向する裏面をab裏面と定義する。
図2(b)は、振動子11の上面で楕円振動が発生する部位に摩擦接触子12a、12bが接着により設けられている様子を示している。摩擦接触子12a、12bは、アルミナやジルコニア等のセラミクス材料、若しくはPPSやPEEK等のエンジニアリングプラスチック材料から構成される。詳細は後述するが、この摩擦接触子12a、12bの位置に、図示されるように、ロータ16を回転させるような向きに、時計方向(CW方向)若しくは反時計方向(CCW方向)の楕円振動が形成される。
本振動子の外径寸法としては、例えば、a=10mm、b=10mm、c=4.5mmとする。また、摩擦接触子の厚みは0.1mmから1mm程度とする。
図3は、積層圧電素子の圧電シート構成を示す分解斜視図である。
本積層圧電素子11は、所定の内部電極パターンが形成された、チタン酸ジルコン酸鉛(以下PZTと記す)等の薄い圧電シートが積層されて構成されたものである。圧電シート25は、厚さ10μmから100μm程度のPZT材料から成るもので、圧電シート1(以下、圧電シート(1)と記す)25a、圧電シート2(以下、圧電シート(2)と記す)25b、圧電シート3(以下、圧電シート(3)と記す)25c、圧電シート4(以下、圧電シート(4)と記す)25d、及び圧電シート5(以下、圧電シート(5)と記す)25eを有して構成される。このうち、圧電シート(1)25a、圧電シート(2)25b、圧電シート(3)25c、圧電シート(4)25dの一方の面には、それぞれ同様の内部電極26のパターンが印刷されており、唯一それぞれ側面への延出用電極の位置が異なっている。尚、圧電シート(5)25eは、内部電極が印刷されていない圧電シートである。
本実施形態に於いては、最も外側に1枚の圧電シート(1)25aが配置され、該圧電シート(1)25aの内部電極26が設けられている側に、複数枚(n枚)の圧電シート(2)25b、複数枚(n枚)の圧電シート(3)25c、が積層され、更に1枚の圧電シート(4)25d、最後に1枚の圧電シート(5)25eが、配置された構成となっている。そして、圧電シート(1)25aには、前述した外部電極13cに接続するための延出電極27cが設けられ、同様に、圧電シート(2)25bには外部電極13aに接続するための延出電極27aが、圧電シート(3)25cには外部電極13bに接続するための延出電極27bが、圧電シート(4)25dには外部電極13dに接続するための延出電極27dが、それぞれ設けられている。
内部電極26は、銀−パラジウム合金から成るもので、厚さは数μm程度である。内部電極26は、図示されるように、交差指電極構造となっている。ここで、交差指電極とは、例えば、+相の電極と−相の電極とが、交互に組み合わされて配置されているような電極を指すものとする。そして、交差指電極は、その側面内でできるだけ大きな面積となるようにするため、実際には、その側面部の一面に形成されている。
交差指内部電極の幅は、0.1mm〜1mm程度の範囲に設定され、間の絶縁幅も0.1mm〜1mm程度の範囲に設定する。詳細は後述するが、交差指電極は略45度傾けて圧電シート25のほぼ全面に設けられている。先ず、圧電シート(1)25aが1枚積層される。これは振動検出の役目を担っている。その後、圧電シート(2)25bがn枚積層(nの具体的な数値は、本実施形態では21であるが、以降nと記す)される。これは駆動電極としての役目を担っている。次に、圧電シート(3)25cがn枚積層される。これも駆動電極としての役目を担っている。その後、圧電シート(4)25dが1枚積層される。これは振動検出の役目を担っている。
次に、本積層圧電素子11の作成方法について説明する。
焼成前の圧電シート(1)25aに内部電極パターンが印刷されたものを1枚、圧電シート(2)25bに内部電極パターンが印刷されたものをn枚、圧電シート(3)25cに内部電極パターンが印刷されたものをn枚、圧電シート(4)25dに内部電極パターンが印刷されたものを1枚、最後に内部電極が印刷されていない圧電シート(5)25eを1枚用意する。そして、これらの圧電シートを積層後に、プレス、所定の大きさにカットした後、所定の温度で焼成を行う。その後、外部電極を所定の位置に印刷、焼付けする。その後、分極を行うことで積層圧電素子11が完成する。
次に、分極について図4を参照して説明する。
図4は、図3のA−A′線に沿って示した分極方向を含む積層方向の断面図である。尚、図4に矢印で示した分極ベクトルは、一方の側の極から中央部で多少の膨らみをもって、もう一方の極に向かって分極が形成されている。尚、このべクトルは、電場のべクトルとも一致している。
次に、図2に示される本振動子11の動作について説明する。
図2(a)に示された直方体形状の振動子11の各辺a,b,cの各寸法について、a=bとし、cを適当な値とすることで、輪郭すべり振動の共振周波数と面たわみ振動の共振周波数を一致させるようにしている。
図5は各振動モードの振動状態を概略的に示したもので、(a)は輪郭すべり振動モードの振動状態を概略的に示した図、(b)は面たわみ振動モードの振動状態を概略的に示した図である。尚、(a)、(b)に於いて、破線は静止時11aの形状を示した図、実線はそれぞれの振動モードの振動時11b、11cの形状を示した図である。
図5(a)に示される輪郭すべり振動では、その上面に着目すると、その端部は上下方向に振動する成分を有している。実際は斜め方向に振動している訳であるが、そのべクトルの成分として、矢印で示すような上下方向の振動成分を有している。但し、図からも明らかなように、上面の両端部の上下振動の位相はπだけずれている。また、4つの側面のほぼ中央部には、振動変位がないか、若しくは非常に小さい部位である節線30a、30b、30c、30dが存在する。
次に、図5(b)に示される面たわみ振動では、その上面に着目すると、その端部は水平方向に振動する成分を有している。但し、図からも明らかなように、上面の両端部の水平振動の位相は同位相である。また、4つの側面のほぼ中央部には、振動変位がないか、若しくは非常に小さい部位である節線31a、31b、31c、31dが存在する。
これら2つの振動を合成して上面端部に楕円振動を発生させる訳であるが、それぞれの振動モードの節線は共通の部位に存在しており、振動子11を保持する際に、該共通の節部を保持可能となる。
ここで、図6乃至図8を参照して、前述した各振動モードについて詳細に説明する。
図6は輪郭すべり振動モードについて、図2(a)示されるab表面に対して垂直な方向から見た図であり、(a)と(b)とは位相がπだけずれた振動状態を示している。すなわち、実線で示される振動時11b1 と11b2 とが、位相πだけずれた状態を表している。尚、図6(a)、(b)に示される黒丸33a、33b、33c、33dの位置が、振動のほぼ節部に対応している。
図7は面たわみ振動モードを上面から見た図であり、(a)と(b)は振動の位相がπだけずれた状態を示している。ここで、実線で示される振動時11c1 と11c2 とが、位相πだけずれた状態を表している。尚、図示矢印は、各頂点の振動変位を示している。
図8は図5(b)の中央部断面32部分を示した図である。この位置の断面は、図8に示されるように、両端部がちょうど節線31b、31dの位置に対応しており、中央部が振動変位(膨らみ)を有している。ここで、図8(a)と(b)は、振動の位相がπだけずれた状態を示している。このような振動を、面たわみ振動モードとする。
図9は、振動子の辺a=b(一定)として、cを変化させた時の、c/a値と各モードの共振周波数をプロットした図である。これから、輪郭すべり振動の共振周波数はc/aに依存せず、ほぼ一定の値をとる。しかしながら、面たわみ振動の共振周波数はc/a値が増えれば増える程、単調に増加する。その結果、輪郭すべり振動の共振周波数と面たわみ振動の共振周波数は、c/a値がほぼ0.45の時に一致することがわかる。
図10は、その輪郭すべり振動発生時のab表面の歪み(主歪み)の様子を示した図である。輪郭すべり振動時は、ある瞬間には図に示されるような場所で、図10(a)に示されるように、右45度の方向に伸び歪みが発生し、それと直交する方向には縮み歪みが発生している。図10(b)は、(a)と振動の位相がπだけずれた瞬間の歪みの様子を示した図である。この場合には、逆に右45度の方向に縮み歪みが発生し、それと直交する方向には伸び歪みが発生している。尚、33oは、ab表面の中心を表している。
また、図5(a)からも明らかなように、ab裏面の歪みも全く同様の符号の歪みをしている。尚、歪みの正負は、伸び歪みを正、縮み歪みを負と定義する。
図11は、面たわみ振動発生時のab表面の歪み(主歪み)の様子を示した図である。面たわみ振動時は、ある瞬間には図に示されるような場所で、図11(a)に示されるように、右45度の方向に伸び歪みが発生していて、それと直交する方向にも同様に伸び歪みが発生している。それと振動の位相がπだけずれた瞬間の歪みの様子が、図11(b)に示されている。この場合には、逆に右45度の方向に縮み歪みが発生していて、それと直交する方向にも同様に縮み歪みが発生している。
尚、図5(b)からも明らかなように、ab裏面の歪みの符号はab表面の符号とは逆の符号の歪みをしている点に注意すべきである。
次に、このような輪郭すべり振動と面たわみ振動を発生させるための内部電極パターンについて、図12を参照して説明する。
内部電極パターン26は、ほぼ45度傾けた交差指電極とすることで、図4にも示されたように、正負の交差指電極間にほぼ面内の分極が生じる。駆動時に、交差指電極に共振周波数に対応した交番電圧を印加すると、ある瞬間には右45度方向に、図12(a)に示されるような引張力Fが働く。これは、電気力線が分極ベクトルの方向に沿って働いており、圧電縦効果による力である。この力は、圧電定数e33に比例する。
交番電圧印加時には、実は、同時に、圧電横効果も発生しており、図には示されないが、力Fと直交する方向に発生している。圧電横効果による力は、圧電定数e31に比例する。但し、通常用いられるPZT等の圧電セラミクスではe31の絶対値はe33の絶対値に比べてかなり小さいのが一般的であり、本実施形態に於いては、圧電横効果については考慮しないものとする。
図12(b)は、図12(a)に示される状態から交番電圧の位相がπだけずれた時点での力を示した図である。この場合、図12(a)に示される例と方向は同じであるが、圧縮力が働く。このようにして、45度傾いた交差指電極を内部電極として用いることにより、45度傾いた交番応力を発生させることができる。
このような交番力Fから各振動モードが励起できることについて、図13を参照して説明する。
本実施形態の振動子11は、図3に示されたように、45度傾けられた交差指電極が印刷された圧電シートが積層された構造となっている。駆動用の圧電シートに限って考えてみると、図13の中央面35を境に、奥側半分領域112に圧電シート(2)がn枚、手前側半分領域111に圧電シート(3)がn枚、同数だけ積層され、それぞれ外部電極のA相、B相と電気的に連結されている。図13に示される奥側半分領域112には、A相に加わる交番電圧により、破線で示された矢印の力F1が働くと考えてよい。また、手前側半分領域111には、B相に加わる交番電圧により、実線で示された矢印の力F2が働くと考えてよい。
さて、A相とB相に同位相で各モードの共振周波数の交番電圧を印加すると、奥側半分領域112と手前側半分領域111では、同位相の力が発生することになり、図10、図11を考慮すると、面たわみ振動は発生せず、輪郭すべり振動のみが発生する。一方、A相とB相に逆位相で、各モードの共振周波数の交番電圧を印加すると、奥側半分領域112と手前側半分領域111では、逆位相の力が発生することになり、同様に図10、図11を考慮すると、輪郭すべり振動は発生せず、面たわみ振動のみが発生する。
次に、図1に示されるように構成された超音波モータ10の動作について説明する。
前述したように、図2(a)、(b)に示されるA相(この場合A+相13a)とB相(この場合B+相13b)に同位相の交番電圧を印加すると、輪郭すべり振動のみが発生する。また、A相13aとB相13bに逆位相の交番電圧を印加すると、面たわみ振動のみが発生する。A相13aとB相13bに同位相、若しくは逆位相以外のある位相差を有する交番電圧を印加すると、輪郭すべり振動と面たわみ振動が同時に励起される。それらは、同時に所定の位相差をもって励起されるために、図2(b)に示されるように、振動子11の上面端部には楕円振動が発生する。
図5に示されるように、上面の両端部に着目すると、輪郭すべり振動では両端部は逆位相で振動しており、面たわみ振動では同位相で振動している。したがって、楕円振動が発生している場合は、左端部の楕円振動と右端部の楕円振動は回転の向きは逆であり、その位相はπだけずれている。
図1に示されるように構成された超音波モータ10では、前述したように、楕円振動している摩擦接触子12a、12bがロータ15と接触することにより、ロータ15に力を与える。そして、2つの摩擦接触子12a、12bの楕円振動が逆向きとなっているために、ロータ15に回転力を与え、ロータ15を回転させることができる。A相13aとB相13bの位相差を逆にすると、逆方向にロータ15を回転させることができる。
次に、図3に示される圧電シート(1)25a、圧電シート(4)25dによる振動検出の動作について説明する。
圧電シート(1)25aと圧電シート(4)25dは、図13に示される中央面35に対して対称に配置されている。駆動用の圧電シート(2)25bと圧電シート(3)25cも、該中央面35に対して対称に配置されていたのと同様である。駆動時の動作原理を前述したが、振動検出の動作原理は、それの全く逆に考えればよい。
すなわち、図10に示されるように、輪郭すべり振動のみが励起されている場合は、図13に示される中央面35の奥側半分領域112も手前側半分領域111も、同じ符号の歪みが発生している。その結果、圧電効果により、圧電シート(1)25aと圧電シート(4)25dには、同位相で大きさの等しい電圧が発生している。したがって、C相の+とD相の+を接続した端子とC相の−とD相の−を接続した端子間(並列順接続と定義する)には、輪郭すべり振動の大きさ、位相に比例した信号が出力される。
一方、図11に示されるように、面たわみ振動のみが励起されている場合は、図13に示される中央面35の奥側半分領域112と手前側半分域111では、逆の符号の歪みが発生している。その結果、圧電効果により、圧電シート(1)25aと圧電シート(4)25dには、逆位相で大きさの等しい電圧が発生している。したがって、C相の+とD相の−を接続した端子と、C相の−とD相の+を接続した端子間(並列逆接続と定義する)には、面たわみ振動の大きさ、位相に比例した信号が出力される。したがって、C相とD相の結線方法(並列順接続若しくは並列逆接続)を選択することにより、輪郭すべり振動若しくは面たわみ振動を独立に検出することが可能である。
次に、このような振動検出相(C相、D相)を用いてモータを駆動する方法について説明する。
駆動相であるA相若しくはB相の信号の位相と振動検出相(例えばC相とD相を並列逆接続したもの)の位相の位相差は、面たわみ振動の共振周波数での動作時に所定の値Ωをとることが知られている。したがって、この場合には、駆動相と検出相の位相差を常にΩになるように周波数を調整し駆動することで、モータ自身の発熱による温度上昇や周囲環境温度の変化による共振周波数変化や負荷変動による共振周波数変化があった場合でも、常に面たわみ振動の共振周波数近傍で駆動できるので、常に最適な周波数で効率よく駆動することができる。これは、輪郭すべり共振周波数近傍で駆動する場合も同様の考え方で可能である。
このように、第1の実施形態によれば、弾性体の一部に溝部を設ける必要がなく、また圧電素子にも穴部を設ける必要がない。よって、構成が単純になり、試作が容易になるばかりでなく、安定したモータ特性が得られる。更に、本実施形態では圧電素子が積層構造を有しているので、低電圧駆動が可能である。また、振動検出相も設けられているので、その信号を利用して常に最適な周波数で駆動可能である。
また、本実施形態の振動子は、4側面の中央部に2つの振動モードの共通の節が存在するので、そこを保持することが可能である。その場合には、しっかり振動子を固定できるだけでなく、保持部材を介した振動の漏れを最小限に抑えることができ、ひいては高効率のモータを実現することができる。
尚、交差指電極の傾きは本実施形態では45度としているが、2つのモードが励起できる範囲で、すなわち本実施形態中で述べた原理上可能な範囲で、45度近傍の任意の角度で設定可能である。また、振動子寸法については、a:b:cを1:1:0.45としているが、例えば振動子ホルダの接合やロータの押圧により、共振周波数がずれる場合があり、その場合には、前述した原理に違わぬ範囲で、その比率を多少変更する必要がある。
本実施形態では、振動検出用に圧電シートが2枚用いられていたが、これに限られるものではなく、4枚、8枚等の偶数枚を用いても良い。
本第1の実施形態の超音波モータについて、前述していないが、ロータの外周面を凹凸として、ギヤ係合方式でモータ出力を外部に取り出しても良いし、ロータの外周面からベルトを介して出力を取り出しても良い。
また、本実施形態の振動子は、駆動用圧電シートを挟み込むようにして振動検出用圧電シートを配置しているが、逆に、振動検出用圧電シートを挟み込むようにして駆動用圧電シートを配置しても構わない。更に、本実施形態の振動子は、駆動用圧電シートと振動検出用圧電シートが積層された構成となっているが、駆動用圧電シートのみで構成しても良い。
(第2の実施形態)
次に、図14乃至図16を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
尚、本第2の実施形態に於いては、前述した第1の実施形態とは、振動子の構成のみ異なっている。したがって、ここでは振動子の構成について説明し、その他の超音波モータの基本的な構成及び動作については、前述した第1の実施形態と同じであるので、説明の重複を避けるため、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び詳細な説明を省略する。
また、本実施形態に於いても、振動子の外径寸法(a:b:c)は前述した第1の実施形態と同様である。
図14は、本発明の第2の実施形態に於ける圧電シートの構成を示す分解斜視図である。
第2の実施形態に於ける積層圧電素子111 は、全部で2枚の圧電シート(1)40aと、全部で2枚の圧電シート(2)40bと、全部で2n枚の圧電シート(3)40cと、全部で2枚の圧電シート(4)40dと、全部で2枚の圧電シート(5)40eと、1枚の圧電シート6(以下、圧電シート(6)と記す)40fとを有して構成される。このうち、圧電シート(1)40a、圧電シート(2)40b、圧電シート(4)40d、圧電シート(5)40eは、その縁部に、例えば0.2〜1mmの絶縁部を残して、ほぼ全面に電極が施されている。但し、圧電シート(1)40a、圧電シート(2)40b、圧電シート(4)40d、圧電シート(5)40eは、それぞれ設けられている延出用電極27b1 、27b2 、27b11、27b12の位置のみが異なっている。
また、圧電シート(3)40cは、前述した第1の実施形態と同様な交差指電極26が印刷されているもので、偶数枚(全部で2n枚:本実施形態に於いてはn=18、36枚)用意される。そして、これらの圧電シート(3)には、延出用電極27a1 、27a2 が設けられている。尚、圧電シート(6)40fは、内部電極が印刷されていない圧電シートである。
以下、圧電シートが積層される順番に従って説明する。
まず、圧電シート(1)40a、圧電シート(2)40b、圧電シート(1)40a、圧電シート(2)40bの順番で、それぞれ1枚ずつ積層される。次に、圧電シート(3)40cが2n枚積層される。その後、圧電シート(4)40d、圧電シート(5)40e、圧電シート(4)40d、圧電シート(5)40eの順番で、それぞれ1枚ずつ積層される。そして、最後に、内部電極が印刷されていない圧電シート(6)40fが1枚積層される。
本実施形態の積層圧電素子(振動子)111 の作成方法については、前述した第1の実施形態と同様なので説明を省略する。
次に、図15を参照して、本第2の実施形態の振動子の外観を説明する。
図15に於いて、右側面には外部電極が形成されている。このうち、最上部には圧電シート(3)40cの延出用電極27a1 の位置に対応したA+相の外部電極13aが、下方には圧電シート(1)40aに対応した位置にB1+相の外部電極13b1 が、そして、圧電シート(4)40dに対応した位置にはB2+相の外部電極13b11が、それぞれ設けられている。尚、図15には示されないが、左側面にも、最上部に圧電シート(3)40cの延出用電極27a2 に対応した位置にA−相の外部電極、下方には圧電シート(2)40bに対応した位置にB1−相の外部電極、圧電シート(5)40eに対応した位置にB2−相の外部電極が、それぞれ設けられている。
本振動子111 を用いた超音波モータの構成に関しては、前述した第1の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
次に、このように構成された積層圧電素子111 の動作について説明する。
図13を参照すると、振動子の中央面35に対して、本第2の実施形態に於ける圧電シート(3)40cは対称に配置されており、該圧電シート(3)は全てA相に属するものである。このA相に共振周波数に対応する交番電圧を印加すると、輪郭すべり振動のみが励起される。
次に、面たわみ振動について説明するが、それに先立ち、図16を参照して、圧電シート(2)のみを取り出してその動作について説明する。
図16(a)は圧電シート(2)40bを示したもので、その表面には、ほぼ全面に内部電極26が設けられている。また、裏面にも同様な電極が設けられている(圧電シート(1)40aが寄与する電極)。さて、分極後、交番電圧が印加されると、圧電横効果により、図16(b)に示されるような、全体的に拡がったり、縮んだりする振動が行われる。
ここで、図14及び図15を参照すると、振動子のB1+相とB1−相間に共振周波数の交番電圧が印加されると、圧電シート(1)40aと圧電シート(2)40bの圧電シート群は、図16(b)に示されるような振動を行おうとする。すなわち、静止時111 に対して最大変位時111 a最小変位時111 bとの間で変位する。しかしながら、それと一体となっている圧電シート(3)40cは変位しないのであるから、振動子全体としては、図5(b)に示される、面たわみ振動が行われることになる。
同様に、振動子のB2+相とB2−相間に共振周波数の交番電圧が印加されると、圧電シート(4)40dと圧電シート(5)40eの圧電シート群は、図16(b)に示されるような振動を行おうとする。しかしながら、それと一体となっている圧電シート(3)40cは変位しないのであるから、振動子全体としては、図5(b)に示される面たわみ振動が行われることになる。
実際の駆動方法は、B1相とB2相とが逆相で駆動される。尚、B相として、B1相とB2相を用いるのは、振動子全体としての対称性を良くするためである。以降、B1相とB2相は逆相で駆動する条件の下、これらをB相と記すことにする。
以上より、A相とB相を所定の位相差を持って駆動することにより、振動子上面に楕円振動を励起させることができる。
本振動子111 を用いた超音波モータの駆動方法に関しては、前述した第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、第2の実施形態によれば、前述した第1の実施形態による効果以外に、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、輪郭すべり振動と面たわみ振動を独立に励起することができるので、その両振動の大きさ、位相等を自由に変えることができ、結果として自由度の高い楕円振動が形成可能である。
尚、本第2の実施形態では、振動検出素子が設けられていないが、前述した第1の実施形態と同様な考え方で構成可能である。また、その場合の駆動方法も第1の実施形態と同様な方法で実現が可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図17は本発明の第3の実施形態に係る振動子の構成を示すもので、(a)は表面側の外観斜視図であり、(b)は裏面側から見た平面図である。
尚、本第3の実施形態に於いては、前述した第1及び第2の実施形態とは、振動子の構成のみ異なっている。したがって、ここでは振動子の構成について説明し、その他の超音波モータの基本的な構成及び動作については、前述した第1及び第2の実施形態と同じであるので、説明の重複を避けるため、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び詳細な説明を省略する。
また、本実施形態に於いても、振動子の外径寸法(a:b:c)は前述した第1及び第2の実施形態と同様である。
本第3の実施形態の振動子が、前述した第1の実施形態と異なるのは、積層構造でない点である。
図17(a)に於いて、振動子の表面には、駆動用の交差指電極46及び振動検出用の交差指電極47が、分割して設けられている。交差指電極46、47の傾きは45度である。駆動用交差指電極46はA+相、A−相のA相用電気端子49a1 、49a2 と連結している。外部リード線等は、これらの電気端子49a1 、49a2 で接続する。振動検出用交差指電極47は、C+相、C−相のC相用電気端子50c1 、50c2 と連結している。
図17(b)に示されるように、裏面にも同様に駆動用の交差指電極46及び振動検出用の交差指電極47が設けられている。交差指電極の傾きは45度であり、交差指電極の方向は、表面の交差指電極の方向と同じである。駆動用交差指電極46はB+相、B−相のB相用電気端子50d1 、50d2 と連結している。振動検出用交差指電極47は、D+相、D−相のD相用電気端子と連結している。
本振動子を用いた超音波モータの構成に関しては、前述した第1及び第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、このように構成された圧電素子の動作について説明する。
動作に関しては、前述した第1及び第2の実施形態が積層構造であったものが、本第3の実施形態では単板構造となっただけであり、その他の構成については前述した第1及び第2の実施形態と同様なので説明を省略する。また、振動検出電極の信号を用いた周波数フィードバック制御についても、同様であるので説明を省略する。
このように、第3の実施形態によれば、本実施形態の振動子は、低電圧では駆動できないものの、構造が非常に簡単になり、量産性に富む。
尚、本第3の実施形態では、同一面内に駆動用交差指電極と振動検出用交差指電極が分割されて印刷されているとして説明したが、圧電シートに同様に印刷したものを用いて、前述した第1の実施形態のような積層構造の振動子にしても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
更に、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
本発明によれば、溝部が不要であり、圧電素子に穴部を設ける必要が無く、簡単な構造で楕円振動を容易に励起することができ、超音波振動子に生じる楕円振動によりロータを回転させる超音波モータが得られる。
10…超音波モータ、11、111 …積層圧電素子(振動子)、12a、12b…摩擦接触子、13a、13b、13c、13d…外部電極、15…ロータ、16…ベアリング、17…ばね、18…ばね保持リング、20…振動子ホルダ、21…シャフト固定リング、22…シャフト、25…圧電シート、25a…圧電シート1(圧電シート(1))、25b…圧電シート2(圧電シート(2))、25c…圧電シート3(圧電シート(3))、25d…圧電シート4(圧電シート(4))、25e…圧電シート5(圧電シート(5))、26…内部電極(交差指電極)、27a、27b、27c、27d…延出用電極、30a、30b、30c、30d、31a、31b、31c、31d…節線、32…中央部断面、33a、33b、33c、33d…節部、35…中央面、111…手前側半分領域、112…奥側半分領域。

Claims (16)

  1. 中心軸に垂直な断面が矩形状の長さ比率を有する略直方体形状の振動子と、該振動子の楕円振動発生面に接して該振動子の該楕円振動発生面と直交する中心軸を回転軸として回転駆動される被駆動体と、を少なくとも備えた超音波モータであって、
    前記振動子は、該振動子の同一面に発生する輪郭すべり振動と面たわみ振動を、所定の位相差で同時に励起し、該輪郭すべり振動と該面たわみ振動が発生する面と直交する面に生じた楕円振動の発生部位に接触して前記被駆動体を回転駆動させることを特徴とする超音波モータ。
  2. 前記輪郭すべり振動と該面たわみ振動が発生する面と直交する側面のほぼ中央部であって、振動の略節部の位置で該振動子を保持する保持部材を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  3. 前記振動子は、前記略直方体形状の各辺の比が、略1:1:0.45となっていることを特徴とする請求項2に記載の超音波モータ。
  4. 上記振動子の上記回転軸方向に直交する断面形状は、略長方形状であることを特徴とする請求項3に記載の超音波モータ。
  5. 前記被駆動体は回転体であり、前記楕円振動が発生している面内の少なくとも2箇所で前記振動子と接触することを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の超音波モータ。
  6. 前記振動子は、前記輪郭すべり振動と前記面たわみ振動が発生する面と直交する方向に圧電シートが積層された積層型圧電素子で構成されることを特徴とする請求項4に記載の超音波モータ。
  7. 前記積層型圧電素子は、その並び方向が略45度傾いた交差指電極が印刷された圧電シートを複数枚積層して成ることを特徴とする請求項6に記載の超音波モータ。
  8. 前記交差指電極が印刷された圧電シートは、振動発生用として機能することを特徴とする請求項7に記載の超音波モータ。
  9. 前記積層方向中央面を境に前記振動発生用圧電シート上の前記交差指電極の圧電シート端部への延出部位が異なっていることを特徴とする請求項8に記載の超音波モータ。
  10. 前記交差指電極が印刷された圧電シートの一部が振動発生用として機能し、圧電シートの他の一部が振動検出用として機能することを特徴とする請求項7に記載の超音波モータ。
  11. 前記積層方向中央面を境に前記振動発生用圧電シートの前記交差指電極の圧電シート端部への延出部位が異なっており、且つ、前記振動検出用圧電シートの前記交差指電極の圧電シート端部への延出部位が異なっていることを特徴とする請求項10に記載の超音波モータ。
  12. 前記交差指電極が印刷された前記振動発生用圧電シートを挟み込むようにして、前記交差指電極が印刷された振動検出用圧電シートが積層されていることを特徴とする請求項11に記載の超音波モータ。
  13. 前記交差指電極が印刷された前記振動検出用圧電シートを挟み込むようにして前記交差指電極が印刷された駆動用圧電シートが積層されていることを特徴とする請求項11に記載の超音波モータ。
  14. 前記積層型圧電素子は、前記輪郭すべり振動を励起するための略45度傾けて配設された交差指電極が印刷された圧電シート及び前記面たわみ振動を励起するためのほぼ全面電極が印刷された圧電シートが積層されていることを特徴とする請求項6に記載の超音波モータ。
  15. 前記振動子は単板振動子であって、前記輪郭すべり振動と前記面たわみ振動が発生する面の両面に同一方向に略45度傾けて印刷された交差指電極が印刷されていることを特徴とする請求項5に記載の超音波モータ。
  16. 前記交差指電極の一部は駆動用交差指電極として機能し、前記交差指電極の他の部分は振動検出用交差指電極として機能することを特徴とする請求項15に記載の超音波モータ。
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