JP2010219446A - インプリント用スタンパ及びその製造方法並びにインプリント方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性を有するインプリント用スタンパを用いてレジスト膜のはがれを抑制できるインプリント用スタンパ及びその製造方法並びにインプリント方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本インプリント用スタンパは面抵抗が1〜1000Ω/cmである。本インプリント方法は、基板上に設けられた被形状転写層に本発明のインプリント用スタンパを圧接する圧接工程と、インプリント用スタンパに通電する通電工程と、インプリント用スタンパを被形状転写層から分離する分離工程と、を備える。本スタンパの製造方法は、凹凸パターンを有する石英質基体の凹凸パターンの表面に物理蒸着法により導電性膜を形成する工程を備える。
【選択図】図1

Description

本発明はインプリント用スタンパ及びその製造方法並びにインプリント方法に関する。更に詳しくは、本発明は、導電性を有するインプリント用スタンパ及びその製造方法並びに導電性を有するインプリント用スタンパを用いたインプリント方法に関する。
半導体素子等の回路の集積度や記録密度を向上させるためには、より微細な加工技術が必要である。微細な加工技術として、露光プロセスを用いたフォトリソグラフィ技術は、一度に大面積の微細加工が可能であるが、光の波長以下の分解能を持たない。従って、フォトリソグラフィ技術では、近年、193nm(ArF)、157nm(F)、13.5nm(EUV)の短波長光を用いたフォトリソグラフィ技術が開発されている。しかしながら、光の波長が短くなると、それに伴い、その波長で透過できる物質が限られるため、微細構造の作成に限界がある。
一方、電子線リソグラフィや集束イオンビームリソグラフィ等の方法では、分解能が光の波長に依存せず、微細構造の作成が可能であるものの、スループットの悪さが問題となっている。
これに対して、光の波長以下の微細構造を高スループットで作成する手法としては、あらかじめ電子線リソグラフィ等により所定の微細凹凸パターンを作成したスタンパを、レジストを塗布した基板に押し付け、スタンパの凹凸を基板のレジスト膜に転写するナノインプリント法が知られている(例えば、非特許文献1及び2並びに特許文献1及び2参照)。
上述のナノインプリント法においては、これを実現する上で種々の解決すべき問題があるが、そのなかで「レジスト膜のはがれ」という問題がある。ナノインプリント法では、レジストを塗布した基板をガラス転移温度以上に加熱してレジストを軟化させるために、押し付けたスタンパをレジスト膜から剥がす際に、スタンパにレジスト膜の一部が付着したまま剥がれるという不具合を生じることがあり、これを「レジスト膜のはがれ」と称している。この「レジスト膜のはがれ」を解決するためにスタンパの改良が検討されており、例えば、下記特許文献3が知られている。
米国特許第5,772,905号公報 米国特許第5,956,216号公報 特開2008−162190号公報
エス.ワイ.チョウ(S.Y.Chou),「ナノインプリントリソグラフィ技術(Nano Imprint Lithography technology)」 アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)第76巻,1995年,p.3114
前記特許文献3は、表面がフッ素化処理されたスタンパである。しかしながら、この方法では、スタンパの使用回数の増加とともに、表面処理の効果が失われてゆき、スタンパの使用回数が多いと、高頻度で「レジスト膜のはがれ」を生じる場合があるという問題があり、この点においては、未だ十分なレジスト膜(本発明でいう被形状転写層である。)のはがれ防止を成すには至っていない。
本発明は前記実情に鑑みてなされたものであり、導電性を有するインプリント用スタンパを用いてレジスト膜のはがれを抑制できるインプリント用スタンパ及びその製造方法並びにインプリント方法を提供することを目的とする。
〈1〉面抵抗が1〜1000Ω/cmであることを特徴とするインプリント用スタンパ。
〈2〉凹凸パターンを有する石英質基体と、該凹凸パターンの表面に形成された導電性膜と、を備える前記〈1〉に記載のインプリント用スタンパ。
〈3〉光透過率が70%以上である前記1又は2に記載のインプリント用スタンパ。
〈4〉基板上に設けられた被形状転写層に前記〈1〉乃至〈3〉のうちのいずれかに記載のインプリント用スタンパを圧接する圧接工程と、
前記インプリント用スタンパに通電する通電工程と、
前記インプリント用スタンパを前記被形状転写層から分離する分離工程と、を備えることを特徴とするインプリント方法。
〈5〉前記圧接工程と前記通電工程との間に、前記被形状転写層を硬化する硬化工程を備える前記〈4〉に記載のインプリント方法。
〈6〉前記インプリント用スタンパが、前記〈3〉に記載のインプリント用スタンパであると共に、前記硬化工程における前記硬化を光硬化法により行う請求項5に記載のインプリント方法。
〈7〉前記分離の後に、前記被形状転写層を加熱する加熱工程を備える前記〈4〉乃至〈6〉のうちのいずれかに記載のインプリント方法。
〈8〉前記〈2〉に記載のインプリント用スタンパの製造方法であって、凹凸パターンを有する石英質基体の該凹凸パターンの表面に物理蒸着法により前記導電性膜を形成する工程を備えることを特徴とするインプリント用スタンパの製造方法。
本発明のインプリント用スタンパ(以下、単に「スタンパ」ともいう)によれば、転写後に被形状転写層とスタンパとを分離する際に、スタンパに被形状転写層が付着して基板などから剥がれること(以下、単に「共剥がれ」ともいう)を抑制できる。
凹凸パターンを有する石英質基体とその表面に形成された導電性膜とを備える場合は、被形状転写層とスタンパの凹凸パターン表面との界面で局所的に加熱を行うことができ、特に優れた共剥がれ抑制効果を得ることができる。
光透過率が70%以上である場合は、光硬化特性を有する被形状転写層を利用することができる。
本発明のインプリント方法によれば、パターン転写した被形状転写層とスタンパとを分離する際の共剥がれを抑制できる。
圧接工程と通電工程との間に、被形状転写層を硬化する硬化工程を備える場合には、スタンパに対する通電加熱による共剥がれ抑制効果に加えて、被形状転写層の硬化によって粘着性が低減されてより優れた共剥がれ抑制効果が得られる。
光透過率が70%以上のスタンパであると共に、硬化工程における硬化を光硬化法により行う場合は、被形状転写層の光硬化によって粘着性が低減されてより優れた共剥がれ抑制効果が得られる。
分離工程の後に、被形状転写層を加熱する加熱工程を備える場合は、優れた共剥がれ効果が得られることに加えて、十分な後硬化を行うことができるために高い耐久性を有する被形状転写層を得ることができる。
本発明のスタンパの製造方法によれば、導電性及び透光性等が高度に制御された導電性膜を容易に得ることができ、優れた共剥がれ抑制効果を得ることができる。
本発明のスタンパの一例を示す模式的な断面図である。 本発明のスタンパの他例を示す模式的な断面図である。 本発明のスタンパの他例を示す模式的な断面図である。 本発明のスタンパの他例を示す模式的な断面図である。 本発明のインプリント方法の一例を説明するフロー図である。 本発明のインプリント方法の他例を説明する部分的なフロー図である。 本発明のインプリント方法の他例を説明する部分的なフロー図である。 本発明のインプリント方法の他例を説明する部分的なフロー図である。 凹凸パターンを説明する模式的な斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[1]インプリント用スタンパ
本発明のインプリント用スタンパ(以下、単に「スタンパ」ともいう)は、面抵抗が1〜1000Ω/cmであることを特徴とする。
前記「インプリント」とは、スタンパを用いて、基板上に設けられた被形状転写層に凹凸パターンを転写して、被形状転写層の表面に凹凸パターン(スタンパに形成された凹凸パターンの凹凸形状が反転して形成される)を形成する方法である。
前記「スタンパ」は、被形状転写層へ転写するための凹凸パターンを表面に有し、面抵抗1〜1000Ω/cmの導電性を有するものである。本発明のスタンパはこの導電性を有することで、通電を行った際にスタンパを発熱させることができ、スタンパと被形状転写層との離型性を向上させることができる。この離型性の向上は主として下記(1)及び(2)に起因すると考えられる。即ち、(1)被形状転写層とスタンパとの界面でこれら材料の熱膨張率の差異に起因した膨張差を生じる。加えて、(2)被形状転写層が硬化性を有する場合には、スタンパの発熱により、被形状転写層のスタンパと接する側の表面の硬化が促進されて、被形状転写層の基板と接する側の表面の粘着性に比べて、被形状転写層のスタンパと接する側の表面の粘着性が低くなり、被形状転写層とスタンパとの界面を優先して離型させることができる。
また、被形状転写層が硬化性を有する場合においては、前記(1)及び(2)のいずれの場合においても、離型時に被形状転写層の全体を硬化状態に至らせることなく離型できるために、被形状転写層を構成する樹脂素材の弾性が維持され、離型の際に凹凸パターンが破壊(折れ及び割れなど)されることを抑制でき、歩留まりを向上させることができるという利点がある。尚、被形状転写層が硬化性を有する場合には、スタンパと離型した後に、被形状転写層を改めて加熱することで被形状転写層の硬化を完了させることができ、目的とする凹凸パターン(硬化された凹凸パターン)を有する被形状転写層(以下、単に「パターン層」という)が得られる。
前記導電性は、通電発熱により被形状転写層とスタンパとの剥離性が向上されればどのような態様でスタンパに付与されていてもよい。即ち、例えば、図2に例示されるように、(1)スタンパ10全体に導電性が付与されていてもよい。即ち、スタンパ10全体が導電性部102からなってもよい。
更に、図1、図3及び図4に例示されるように、(2)スタンパ10の一部のみに導電性が付与されてもいてもよい。即ち、スタンパ10の一部が導電性部102であって且つ他部が絶縁性部101であってもよい。この場合、図1及び図3に例示されるように、スタンパ10の絶縁性部101の表面に導電性部を有する場合が挙げられる。図1はスタンパ10の凹凸パターンを有する表面に導電性膜12(102)が形成されている態様であり、図3はスタンパ10の凹凸パターンを有する表面部が導電性材料からなる導電性部102である態様である。更に、図4に例示されるように、スタンパ10の内部に導電性部102を備えていてもよい。加えて、図2に例示されるスタンパ10の凹凸パターンを有する表面に、絶縁性膜を介して、導電性膜12を配設した態様を用いることもできる。
これらのうちでは、図1に例示されるように、絶縁性基体(絶縁性部101)の凹凸パターンの表面に導電性膜12(導電性部102)を備えることが好ましい。
本発明のスタンパ10が導電性を前記導電性膜12として備える場合(図1参照)には、この導電性膜を熱源として利用できる。この導電性膜を備える場合には、スタンパの大きな体積部分に導電性が付与されている場合(図2参照)に比べて、より的確に被形状転写層へ加える熱量をコントロールできる。即ち、加熱温度及び加熱時間をより精密に制御することができる。従って、特に前記被形状転写層が硬化性を有する場合には、導電性膜と接する被形状転写層の必要な表面のみを加熱すると共に被形状転写層の基板側までは硬化されないように制御し易く、これにより、被形状転写層の表面側(スタンパと接している側)の粘着性を適切に低下させる一方、基板と被形状転写層との間の粘着性が維持され、被形状転写層を介した両界面の密着性に差を生じて、スタンパと被形状転写層との間の剥離を優先的に行うことができる。即ち、離型性を向上させることができる。
更に、離型時に被形状転写層の全体を硬化状態に至らせず(図6の拡大図参照)、導電性膜12に接する近傍部分(図6における符合30’に相当)のみ硬化を進行させつつ、導電性膜12から離れた部位は、前記近傍に比べて硬化が進行されず、被形状転写層を構成する樹脂素材の弾性が維持され、離型の際に凹凸パターンが破壊(折れ及び割れなど)されることも抑制され、歩留まりを向上させることができる。加えて、通電抵抗を大きくできるために発熱に伴うエネルギーコストを抑制できる。
前記導電性部を構成する導電性材料としては、金属材料、半導体材料及び導電性有機材料等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このうち金属材料としては、Ti(チタン)、Au(金)、Ag(銀)、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Cu(銅)、Ta(タンタル)、Pd(パラジウム)、Pt(白金)、W(タングステン)、Ti(チタン)、Co(コバルト)、Sn(スズ)、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Al(アルミニウム)、Pb(鉛)及びこれらの合金等が挙げられる。これらのなかでは、熱伝導率及び導電性が高いことから、銅、アルミニウム、金、銀及び鉛が好ましい。また、被形状転写層への金属イオン付着の抑制の観点からは、イオン化され難く安定な材料から構成されることが好ましく、例えば、Au、Ag、Al、Cr、Ta、Ni及びこれらの合金等が好ましい。
前記半導体材料としては、酸化物半導体材料が好適に用いられる。即ち、例えば、酸化インジウム系材料{酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムマグネシウム、フッ素含有酸化インジウムスズ等}、酸化亜鉛、酸化亜鉛系材料(Al、Co、Fe、In、Sn及びTiのうちの少なくとも1種を含有する酸化亜鉛)、酸化スズ、酸化スズ系材料{アンチモン含有酸化スズ(ATO)、フッ素含有酸化スズ(FTO)等}、酸化チタン系材料(ニオブ添加二酸化チタン等)などが挙げられる。これらのなかでは透光性に優れるという観点においては酸化インジウムスズ、酸化インジウム亜鉛、酸化スズ、酸化亜鉛、及び、ニオブ添加二酸化チタン等が好ましい。透光性を有する導電性膜を用いることで前述のように光硬化特性を利用できる。透光性を有する場合の好ましい光透過率についても前述の通りである。
前記導電性膜は、1層のみからなってもよく2層以上からなってもよい。更に、各層は同じ材質の層からなってもよく、異なる材質の層からなってもよい。
更に、前記導電性膜は、基体表面に形成された凹凸パターンの全面に備えられてもよく、一部のみに備えられてもよいが、通常、その全面に備えられることが好ましい。
また、導電性膜の膜厚(導電性を有し、通電により発熱される層の合計厚さ)は特に限定されず、導電性膜を構成する材種により適宜の厚さとすることが好ましいが、通常、1〜1000nmとすることが好ましい。この膜厚は、1〜500nmとすることがより好ましく、1〜100nmとすることが更に好ましく、1〜50nmとすることが特に好ましい。更に、その膜厚は全面にわたって均一であってもよく、発熱程度に変化を持たせる目的等で変化させてもよい。
また、スタンパが有する導電性は、面抵抗(凹凸パターンを有する表面における面抵抗)において1〜1000Ω/cmである。面抵抗が上記範囲では、通電による発熱を制御し易く、離型性向上を好適に得ることができる。この面抵抗は1〜500Ω/cmがより好ましく、1〜200Ω/cmが更に好ましく、10〜100Ω/cmが特に好ましく、とりわけ10〜50Ω/cmが好ましい。好ましい範囲においてはより優れた離型性向上効果を得ることができる。特に、導電性が凹凸パターンの表面に形成された前記導電性膜として付与されている場合には、導電性膜の面抵抗は導電性膜を構成する材料及びその厚さにより制御でき、導電性膜の面抵抗及び通電電流を制御することで発熱温度をコントロールできる。
尚、上記面抵抗は、以下の測定方法による。即ち、厚さ3nmの導電性膜を備えた石英基板をシート抵抗測定器を用いて、四探針法にて測定して得られた値である。
一方、前記導電性膜が形成される基体を構成する材料は特に限定されず、その表面に凹凸パターンを形成できる精密加工性と、形成された凹凸パターンを被形状転写層へ圧接等した場合にも形状を維持できる機械的特性とを有すればよい。この観点から、無機材料(非金属性の無機材料)、金属材料(導電性膜との間に絶縁層を介して利用)、及び硬質有機材料等を用いることができる。前記非金属性無機材料としては、石英質材料{石英(単結晶、多結晶)、各種ガラス(石英ガラス、フッ化物ガラス、リン酸カルシウム系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、ホウケイ酸塩系ガラス等)}、シリコン、スピネル、コランダム、及び、サファイア等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも透光性を有する材料が好ましく、更には、石英質材料が好ましく、特に耐熱衝撃性に優れることから石英(SiO)が特に好ましい。
また、金属性材料としては、導電性層(即ち、発熱層として機能できる層)の熱効率を損なわないため、熱伝導率の小さいものが好ましく、ステンレス鋼、炭素鋼、鉛、黄銅等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、硬質有機材料(硬質化可能な有機材料)としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、アラミド等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、本発明のスタンパは、透光性を有することが好ましい。スタンパ自体が透光性を有する場合には被形状転写層を硬化するために光硬化特性を利用できる。透光性を有する構成としては、通常、前記基体として透光性を有する石英質材料等を用いることが好ましく、導電性膜として透光性を有する半導体材料か、又は、薄く形成された金属材料を用いることが好ましい。スタンパの光透過率は特に限定されず、光硬化に用いる露光光の波長に対して70%以上の光透過率を有することが好ましく、露光光は、目的とする凹凸パターンのサイズ、被形状転写層中に含まれる感光剤の特性に応じて選定することが好ましい。なかでも可視光線(波長360〜830nm)に対して70%以上の光透過率を有することが好ましく、特に波長360〜660nmのより短波長の可視光線に対する光透過率が70%以上であることが好ましく、75〜100%であることがより好ましく、80〜100%であることが更に好ましく、90〜100%であることが特に好ましい。とりわけこの光透過率は365nmの可視光線に対する光透過率であることが好ましい。
尚、前記光透過率は、下記測定方法による。即ち、厚さ3nmの導電性膜を備えた石英基板の対応する可視光線(例えば、波長365nm)に対する光透過率を紫外可視分光光度計を用いて測定した値である。
スタンパが備える前記凹凸パターンを構成する凹凸形状は特に限定されず、どのような形状であってもよく、例えば、凸条(図9の符合51)、2段以上の階段部を有する凸条(図9の符合52)、凸島状部(図9の符合53)、突起(図9の符合54)等の凸部や、凹条(図9の符合55)、2段以上の階段部を有する凹条(図9の符合56)、凹島状部(図9の符合57)、有底孔(図9の符合58)等の凹部などが挙げられる。
この凹凸パターンの大きさ(幅及び深さなど)は特に限定されないが、通常、パターンの幅は10μm以下であり、特に10〜1000nmとすることができ、更には、10〜500nmとすることができ、とりわけ10〜100nmとすることができる。即ち、例えば、図1に示すように、凸部における幅は先端部の幅wを意味し、凹部における幅は開口幅wを意味する。
本発明のスタンパは、前記導電性膜以外にも他の層を備えることができる。他の層としては、離型層、イオン化抑制層、密着性向上層{各種層間(スタンパと導電性膜との層間など)の密着性を向上する層}、熱拡散層、各種光学的機能層{反射抑制、屈折率制御層、光透過性向上層(酸化ケイ素から構成)など}、及び、絶縁層等が挙げられる。前記導電性膜を含めて、これらの各種層は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。即ち、例えば、各層は1層のみを有してもよく2層以上の多層構造としてもよい。また、1種の層を2層以上有する場合には、同種の層間に他種の層を介したサンドイッチ構造とすることもできる。
また、これら他の層の厚さは各々特に限定されないが、各1層の厚みは、通常、1〜100nmであり、1〜50nmが好ましく、1〜20nmが特に好ましい。
前記他の層のうち、離型層は、スタンパと被形状転写層との分離を容易にするための層である。離型層を備える場合、離型層は導電性膜の外表面の一部又は前面に配設されることが好ましい。
この離型層としてはハロゲン化アルキル基を有するシラン系化合物を用いることが好ましい。このようなシラン系化合物を用いた場合には、ハロゲン化アルキル基が表面に位置するように自己組織化された有機単分子膜からなる離型層を得ることができる。
前記シラン系化合物としては、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリクロロシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリメトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリクロロシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン、(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)トリクロロシラン、(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)トリメトキシシラン、(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)トリエトキシシラン、パーフルオロデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。尚、この離型層の有無に関わらず、スタンパ表面に各種離型剤を塗布して用いることができる。
前記他の層のうち、イオン化抑制層は透光性無機材料から形成することができる。イオン化抑制層を備える場合、イオン化抑制層は導電性膜の外表面の一部又は前面に配設されることが好ましい。
透光性無機材料としては、窒化物、酸化物、酸窒化物及び水素化窒化物等が挙げられる。このうち、窒化物としては、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化インジウム、窒化ガリウム、窒化スズ、窒化ホウ素、窒化クロム、窒化炭化ケイ素等が挙げられる。酸化物としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化アルミニウム、酸化ゲルマニウム、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化イットリウ、酸化エルビウム、酸化セリウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム等が挙げられる。酸窒化物としては、酸窒化ケイ素、酸窒化スズ、酸窒化ホウ素、酸窒化アルミニウム、酸窒化インジウム、酸窒化ガリウム、酸窒化クロム、酸窒化炭化ケイ素等が挙げられる。水素化窒化物としては、水素化窒化アルミニウム、水素化窒化インジウム、水素化窒化ガリウム、水素化窒化ケイ素、水素化窒化スズ、水素化窒化ホウ素、水素化窒化クロム、水素化窒化炭化ケイ素等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このイオン化抑制層の屈折率は特に限定されないものの、1.5以上が好ましく、1.8〜5.5がより好ましく、2.0〜3.5が特に好ましい。尚、この屈折率は、JIS K0062(化学製品の屈折率測定方法)による。
更に、このイオン化抑制層の光透過率は70%以上であることが好ましく、70〜99.5%がより好ましく、80〜98%が特に好ましい。尚、この光透過率は、前記光透過率の測定方法による。
前記導電性膜及び他の層の形成方法は特に限定されず、各々適宜、乾式プロセス及び/又は湿式プロセスを利用できる。
前記乾式プロセスとしては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、分子線エピタキシー法(MBE)等の物理的蒸着法、及び、CVD法、MOCVD法、プラズマCVD法等の化学堆積法などが挙げられる。一方、前記湿式プロセスとしては、電気めっき法及び無電解めっき法などが挙げられる。これらのプロセスは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのうちでは、乾式プロセスが好ましい。湿式プロセスに比べて乾式プロセスはより膜厚を薄く制御し易いからである。尚、導電性膜への通電用配線パターン(ランドなど)等には前記湿式プロセスも好適に用いることができる。
[2]インプリント用スタンパの製造方法
前記インプリント用スタンパのうち、凹凸パターンを有する石英質基体と、その凹凸パターンの表面に形成された導電性膜と、を備えるインプリント用スタンパの前記導電性膜はどのようにして形成してもよい。即ち、例えば、導電性膜の形成方法としては、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、めっき法などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、物理蒸着法が好ましい。物理蒸着法で形成することにより、導電性材料の種類に関わらず用いることができると共に、導電性膜の厚さを薄く正確に制御できる。従って、この物理蒸着法を用い、導電性膜の膜厚を制御することで、金属材料からなる導電性膜においても、光透過率が70%以上となるような導電性膜を形成できる。
[3]インプリント方法
以下、本発明のインプリント方法については、図5〜8を用いて詳述する。
本発明のインプリント方法は、基板上に設けられた被形状転写層に本発明のインプリント用スタンパを圧接する圧接工程と、
前記インプリント用スタンパに通電する通電工程と、
前記インプリント用スタンパを前記被形状転写層から分離する分離工程と、を備えることを特徴とする。
即ち、図5〜8に例示されるように、圧接工程PR1と、通電工程PR2と、分離工程PR3と、を備える。
前記「圧接工程(PR1)」は、基板20上に設けられた被形状転写層30に前記本発明のインプリント用スタンパ10を圧接する工程である。
前記「被形状転写層30」は、スタンパ10が有する凹凸パターン11が圧接されて、この凹凸パターンが転写される層である。この被形状転写層30は、硬化された凹凸パターンを有するまで(即ち、パターン層となるまで)の過程の全ての状態の層をいうものとする。即ち、凹凸パターンが圧接される前段階の層、凹凸パターンが圧接された層、半硬化された凹凸パターンを有する層などが含まれる。
また、この被形状転写層30は、凹凸パターンが形成されることで、例えば、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体素子の層間絶縁膜用膜、半導体素子製造時におけるレジスト膜等として利用することができる。
被形状転写層30を構成する成分は特に限定されないが、通常、硬化可能な重合体が含有される。被形状転写層を構成する重合体としては、シラン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、エポキシ系重合体、オキセタン系重合体、ビニル系重合体等が挙げられる。
前記重合体自体が感放射線性硬化特性及び/又は熱硬化特性を有さない場合には、被形状転写層30には前記重合体以外に、硬化促進剤を含有できる。硬化促進剤としては、感放射線性硬化促進剤及び熱硬化促進剤が挙げられる。これらのうちでは感放射線性硬化促進剤が好ましい。感放射線性硬化促進剤は、前記重合体を構成する構成単位によって適宜選択できる。即ち、例えば、光酸発生剤、光塩基発生剤、光ラジカル発生剤及び光増感剤等が挙げられる。これらの感放射線性硬化促進剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、この圧接工程PR1における圧接の際の圧力は特に限定されないが、通常、0.1MPa以上(100MPa以下)である。この圧力は0.1〜50MPaが好ましく、0.1〜30MPaがより好ましく、0.1〜20MPaが特に好ましい。更に、圧接する時間は特に限定されないが、通常、1秒以上(600秒以下)である。この圧接時間は1〜300秒が好ましく、1〜180秒がより好ましく、1〜120秒が特に好ましい。
前記「通電工程PR2」は、前記インプリント用スタンパ10に通電する工程である。この通電により、前述のように導電性膜12が発熱されて、スタンパ10と接触している被形状転写層30(後述するように、通電工程PR2前に被形状転写層30の完全硬化を行った場合にはパターン層)が加熱されることとなる。そして、この加熱によって被形状転写層30(前記の場合にはパターン層)とスタンパ10との離型性が向上される。
特に、被形状転写層が硬化性を有する場合には、図6の拡大図部として示すように、通電によって、導電性膜12に接する近傍部分のみに硬化を進行させた部位30’を形成しつつ、導電性膜12から離れた部位は前記部位30’に比べて硬化が進行されない状態を維持することができる。これにより、被形状転写層30のスタンパと接している側の粘着性を低下させる一方、基板20と被形状転写層30との間の粘着性は維持され、被形状転写層30を介した両界面の密着性に差を生じて、スタンパ10と被形状転写層30との間の剥離を優先的に行うことができる。更に、被形状転写層30を構成する樹脂素材の弾性が維持され、離型の際に凹凸パターンが破壊(折れ及び割れなど)されることも抑制され、歩留まりを向上させることができる。
通電工程PR2における通電はどのようにして行ってもよく、通電条件等も特に限定されず、目的とする加熱条件(温度及び加熱時間等)に合わせて適宜のものとすることができる。例えば、電圧は1〜200Vとすることができ、更には1〜100V、特に1〜50Vとすることができる。また、電流は0.1〜100Aとすることができ、更には0.1〜50A、特に1〜20Aとすることができる。また、通電時間は0.1〜300秒とすることができ、更には1〜200秒、特に1〜150秒とすることができる。
また、被形状転写層30が硬化性を有する(未硬化状態又は半硬化状態等の完全硬化前の状態である)場合には、被形状転写層30を硬化させる前に通電工程PR2を行ってもよい。更に、図6に例示するように、硬化工程PR4を行って被形状転写層30を硬化させた後に、通電工程PR2を行ってもよく、これらの工程(工程PR4及び工程PR2)を同時に行ってもよい。更に、前記硬化は完全な硬化であってもよく、不完全な硬化(半硬化)であってもよい。これらのなかでは、硬化工程PR4を行った後に、通電工程PR2を行うことが好ましい。即ち、圧接工程PR1と通電工程PR2との間に、被形状転写層30を硬化する硬化工程PR4を備えることが好ましい。圧接工程PR1と通電工程PR2との間に硬化工程PR4を備えることで、分離工程PR3における被形状転写層の形状保持性を良好に保つことができるからである。
尚、図5〜7のように、直流電源を用いて通電を行ってもよいが、これに限られることなく交流電源を用いてもよい。
前記「分離工程PR3」は、インプリント用スタンパ10を被形状転写層30から分離する工程である。この分離工程PR3を行う前の状態における各層は、「基板20」、「被形状転写層30」、「スタンパ10」の順に積層された状態にあり、前記通電工程PR2によって、基板20と被形状転写層30との間の密着強度よりも、被形状転写層20とスタンパ10との間の密着強度を低下させ、そのうえでこの分離を行うことができる。これにより共剥がれを防止できる。この分離工程PR3はどのようにして行ってもよく、分離に際する各種条件等も特に限定されない。即ち、例えば、基板20を固定してスタンパ10を基板20から遠ざかるように移動させて分離してもよく、スタンパ10を固定して基板20をスタンパ10から遠ざかるように移動させて分離してもよく、これらの両方を逆方向へ引っ張って分離してもよい。
本発明のインプリント方法は、圧接工程PR1、通電工程PR2、及び分離工程PR3以外に、他の工程を備えることができる。他の工程としては、被形状転写層20を硬化(不完全な硬化であってもよく、完全な硬化であってもよい)させるため硬化工程PR4が挙げられる。
硬化工程PR4は前述のように、圧接工程PR1後であればどの段階で行ってもよく、また、1回のみ行ってもよく、2回以上行うこともできる。即ち、圧接工程PR1と通電工程PR2との間に硬化工程PR4を行ってもよく(図6参照)、通電工程PR2の後に硬化工程PR4を行ってもよい(図7参照)。更には分離工程PR3の後に硬化工程PR4を行うことができる(図8参照、図8における硬化はヒータ60を用いた加熱硬化を例示)。また、圧接工程PR1、硬化工程PR4(半硬化工程)、通電工程PR2、硬化工程PR4(完全硬化工程)の順に2回の硬化工程PR4を行うこともできる。
この硬化工程PR4における硬化方法は特に限定されず、用いる被形状転写層20の特性によって適宜選択することができる。即ち、被形状転写層20が熱硬化性を有する場合には加熱硬化を行うことができ、被形状転写層20が光硬化性を有する場合には光硬化を行うことができる。更に、光硬化性を有する場合には、光硬化を行った後に、更に加熱を行い(加熱工程を行い)、被形状転写層20の完全硬化を行うこともできる。
前記熱硬化(硬化工程PR4)を行う場合、加熱雰囲気及び加熱温度等は特に限定されないが、例えば、不活性雰囲気下又は減圧下で100〜500℃で加熱することができ、更には150〜300℃で加熱することができる。この加熱においては、ホットプレート、オーブン、ファーネス等を用いることができる。また、この加熱は、露光後に又は露光と共に、併用することもできる。併用した場合には、被形状転写層に含まれる重合体の架橋反応をより円滑に進行させることができる。
また、光硬化を行う場合、用いる放射線種は特に限定されず、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の荷電粒子線等の放射線{ArFエキシマレーザー(波長193nm)或いはKrFエキシマレーザー(波長248nm)などを含む}を用いることができる。また、露光は被形状転写層の全面に行ってもよく、一部領域にのみ行ってもよい。更に、前述のようにスタンパが透光性を有する場合には、放射線をスタンパを透過させて被形状転写層へ露光することができる。
前記硬化方法のうちでは、光を用いた光リソグラフィが好ましく、特に被形状転写層用組成物が、重合体とこの重合体を硬化させるための光硬化促進剤(感放射線性酸発生剤など)とを含有し、この光硬化促進剤が露光されることにより、前記重合体が硬化されるものであることが好ましい。尚、後述するように被形状転写層に空孔形成剤が含まれる場合には、硬化と同時に又は硬化後に加熱を行い(別途の加熱工程を行って)、空孔形成剤を除去することができる。
尚、図6及び図7における硬化工程は光硬化工程として示し、図8における硬化工程は熱硬化工程として示しているが、これらに限られることなく、図6及び図7における硬化工程は熱硬化工程であってもよく、図8における硬化工程は光硬化工程であってもよい。
また、本発明のインプリント方法では離型剤を用いることができる。即ち、圧接工程前に、スタンパの凹凸パターンを有する表面に離型剤を付着させる離型剤付着工程を行った後、前記各種次の工程を行うことができる。これにより、導電性膜により離型性向上効果を更に補助することができる。
離型剤を用いる場合、その種類は特に限定されないが、例えば、シリコン系離型剤、フッ素系離型剤、ポロエチレン系離型剤、ポロプロピレン系離型剤、パラフィン系離型剤、モンタン系離型剤、カルナバ系離型剤等が挙げられる。これらの離型剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、特にシリコン系離型剤が好ましい。このシリコン系離型剤としては、ポリジメチルシロキサン、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等が挙げられる。これらのシリコン系離型剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記被形状転写層として、例えば、低比誘電率の層間絶縁膜の形成を目的とする場合には、具体的には、シラン系重合体と空孔形成剤とが含有された被形状転写層に対してパターン形成を行った後、硬化させて、次いで、得られた硬化物(半硬化物などを含む)から前記空孔形成剤を除去することでシラン系重合体を主成分とする層間絶縁膜(パターン層)を得ることができる。
前記シラン系重合体としては、加水分解性シラン化合物を加水分解縮合して得られた重合体が好ましい。更に詳しくは、下記式(1)で表される加水分解性シラン化合物(以下、単に「化合物(1)」という)、及び、下記式(2)で表される加水分解性シラン化合物(以下、単に「化合物(2)」という)、から選ばれる少なくとも1種の加水分解性シラン化合物を加水分解縮合させて得られる重合体であることが好ましい。
Si(OR4−a … (1)
〔式(1)において、Rは水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、又はアルキルカルボニルオキシ基を表し、Rは1価の有機基を表し、aは1〜3の整数を示す。〕
Si(OR … (2)
〔式(2)において、Rは1価の有機基を示す。〕
前記式(1)のRにおける1価の有機基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリル基、グリシジル基等が挙げられる。
前記化合物(1)の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等が好ましい。尚、化合物(1)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記式(2)のRにおける1価の有機基としては、前記式(1)のRにおける1価の有機基をそのまま適用できる。但し、式(2)のRと式(1)のRとは同じであってもよく異なっていてもよい。
前記化合物(2)の具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン等が挙げられる。これらのなかでも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。尚、化合物(2)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記シラン系重合体を構成する加水分解性シラン化合物としては、化合物(1)及び化合物(2)のみを用いてもよいが、必要に応じて、下記式(3)で表わされる加水分解性シラン化合物(以下、「化合物(3)」という)を併用できる。
(RO)3−xSi−(R−Si(OR3−y …(3)
〔式(3)において、R〜Rは同一又は異なり、それぞれ1価の有機基を表し、x及びyは同一又は異なり、0〜2の数を示し、Rは酸素原子、フェニレン基、又は−(CH−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である)を表し、zは0又は1を示す。〕
この化合物(3)は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。式(3)のR〜Rにおける1価の有機基としては、それぞれ、式(1)のRにおける1価の有機基をそのまま適用できる。但し、式(3)のR〜Rと式(1)のRとは各々同じであってもよく異なっていてもよい。
前記化合物(3)のうち、式(3)においてz=0である化合物(3)としては、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン等が好ましい。これらのz=0である化合物(3)は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、前記化合物(3)のうち、式(3)においてz=1である化合物(3)としては、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン等が好ましい。これらのz=1である化合物(3)は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記シラン系重合体に含まれる全ての構成単位の合計を100モル%とした場合に、化合物(1)由来の構成単位の含有割合は、30〜100モル%であることが好ましく、60〜100モル%がより好ましく、70〜100モル%が更に好ましい。30〜100モル%では、硬化処理時のプロセスマージンと硬化物の物性のバランスを良好にできる。
また、化合物(2)由来の構成単位の含有割合は、0〜70モル%であることが好ましく、0〜40モル%がより好ましく、0〜30モル%が更に好ましい。0〜70モル%では、硬化処理時のプロセスマージンと硬化物の物性のバランスをより良好にできる。
更に、化合物(1)由来の構成単位、及び、化合物(2)由来の構成単位の合計含有量は、100モル%以下であることが好ましく、30〜100モル%がより好ましく、60〜100モル%が更に好ましい。30〜100モル%では、凹凸パターン形成においてシラン系重合体中の化合物(1)及び化合物(2)の各化合物に由来する構成単位を含むことによる効果をより効果的に得ることができる。
また、化合物(3)由来の構成単位の含有割合は、50モル%以下であることが好ましく、0〜40モル%がより好ましく、0〜30モル%が更に好ましい。50モル%以下では、凹凸パターン形成においてシラン系重合体中の化合物(1)及び化合物(2)の各化合物に由来する構成単位を含むことによる効果を阻害することなく、凹凸パターン形成において化合物(3)由来の構成単位を含む効果をより効果的に得ることができる。
前記シラン系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、1000〜100000であることが好ましく、より好ましくは1000〜10000である。このMwが1000〜100000では、硬化前の不要なゲル化を抑制しつつ、優れた塗布性と高い保存安定性を両立させることができる。
前記シラン系重合体は、加水分解性シラン化合物{前記化合物(1)〜(3)}を出発原料として用い、加水分解縮合反応させることにより得ることができる。
このシラン系重合体を調製する際には、[1]化合物(1)、(2)及び(3)の混合物を加水分解縮合反応させてもよく、[2]各化合物の加水分解物及びその縮合物のうちの少なくとも一方や、選択された化合物の混合物の加水分解物及びその縮合物のうちの少なくとも一方を用いて、加水分解縮合反応又は縮合反応させてもよい。
また、加水分解縮合反応を行った後には、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール類等の反応副生成物の除去処理を行うことが好ましい。これにより、前記有機溶媒の純度が高くなるため、より優れた塗布性が得られると共に、優れた保存安定性を得ることもできる。
本発明におけるシラン系重合体は、重合体溶液から単離して用いてもよく、重合体溶液のまま用いてもよい。尚、重合体溶液として用いる場合、必要に応じて、後述の溶媒(C)に溶剤置換されていてもよい。
前記空孔形成剤としては、加熱により除去(蒸散、昇華、焼失、反応気化など)できる各種有機成分を用いることができる。この有機成分としては、(メタ)アクリル系重合体、ポリアルキレンオキサイド構造を有する重合体、糖鎖構造を有する重合体、ビニルアミド系重合体、芳香族ビニル化合物系重合体、デンドリマー、ポリイミド,ポリアミック酸、ポリアリーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、フッ素系重合体等が挙げられる。これらのなかでは、(メタ)アクリル系重合体及びポリアルキレンオキサイド構造を有する重合体が好ましく、特に(メタ)アクリル系重合体が好ましい。
これらの有機成分は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このうち(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル系単量体を用いて得られた重合体である。この(メタ)アクリル系単量体としては、単官能アクリレート及び多官能アクリレートが挙げられる他、アクリル酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、及び、t−オクチル(メタ)アクリルアミド等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
この空孔形成剤としての(メタ)アクリル系重合体には、前記各種単量体のなかでも、特にイソブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクチル(メタ)アクリレート、ノルボルナンカルボラクチル(メタ)アクリレートが好ましい。
更に、この(メタ)アクリル系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、1000〜100000であることが好ましく、1000〜50000がより好ましく、1000〜15000が更に好ましい。このMwが1000〜15000では、低比誘電率の層間絶縁膜の形成を目的とする被形状転写層用組成物内に特に良好な相溶性をもって混合することができる。
また、前記ポリアルキレンオキサイド構造を有する重合体としては、ポリメチレンオキサイド構造、ポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキシド構造等が挙げられる。具体的には、ポリオキシメチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエテチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩等のエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエーテルエステル型化合物等が挙げられる。
また、前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーとしては、下記のブロック構造を有する化合物が挙げられる。
−(X’)−(Y’)
−(X’)−(Y’)−(X’)
〔式中、X’は−CHCHO−で表される基を示し、Y’は−CHCH(CH)O−で表される基を示し、lは1〜90、mは10〜99、nは0〜90の数を示す。〕
この空孔形成剤としてのポリアルキレンオキサイド構造を有する重合体には、前記各種重合体のなかでも、特にポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等のエーテル型化合物が好ましい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、このポリアルキレンオキサイド構造を有する重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、1000〜100000であることが好ましく、1000〜50000がより好ましく、1000〜15000が更に好ましい。このMwが1000〜15000では、低比誘電率の層間絶縁膜の形成を目的とする被形状転写層用組成物内に特に良好な相溶性をもって混合することができる。
また、硬化特性を利用する場合には、被形状転写層に酸発生剤を含有することが好ましい。この酸発生剤は、露光又は加熱等の作用により酸を発生する成分である。酸発生剤が含有されることで、酸発生剤から発生された酸は、重合体の架橋を促進し、その結果、被形状転写層の硬化が進行されて機械的特性に優れた凹凸パターンの形成を行うことができる。この酸発生剤は、露光により酸を発生する感放射線性酸発生剤{例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の荷電粒子線等の放射線(ArFエキシマレーザー(波長193nm)或いはKrFエキシマレーザー(波長248nm)などを含む。以下同様)の照射により酸を発生する成分}であってもよく、加熱により酸を発生する熱酸発生剤であってもよいが、これらのうちでは、光リソグラフィを利用してより効率的にパターンを形成し易いという観点から、感放射線性酸発生剤が好ましい。
前記感放射線性酸発生剤(以下、単に「光酸発生剤」ともいう)としては、スルホニウム塩やヨードニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、ジスルホン類やジアゾメタンスルホン類等のスルホン化合物等が挙げられる。
具体的な前記光酸発生剤としては、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート等のトリフェニルスルホニウム塩化合物;
4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート等の4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム塩化合物;
4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート等の4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム塩化合物;
トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート等のトリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム塩化合物;
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート等のジフェニルヨードニウム塩化合物;
ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート等のビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩化合物;
1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等の1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム塩化合物;
1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等の1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム塩化合物;
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド等のスクシンイミド類化合物;
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等のビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド類化合物等が挙げられる。
尚、これらの光酸発生剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記光酸発生剤の使用量は、感度及び解像性を確保する観点から、前記被形状転写層を構成する組成物(以下、単に「被形状転写層用組成物」という)に含まれる重合体(例えば、前記シラン系重合体)100質量部に対して、通常、0.1〜30質量部であり、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜15質量部がより好ましい。前記好ましい範囲では感度及び解像性に優れると共に、放射線に対する透明性を十分に得ることができ、凹凸パターンをより得易い。
この被形状転写層用組成物には、前記各種成分以外にも溶剤を含有できる。
溶剤としては、有機溶剤を用いることが好ましく、通常は前記各成分が有機溶剤に溶解又は分散される。この有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤及び含ハロゲン溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
これらの溶剤のなかでも、沸点が150℃未満の有機溶剤を使用することが好ましい。特に、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤及びエステル系溶剤のうちの1種又は2種以上を使用することが好ましい。
前記溶剤の使用量は、前記被形状転写層用組成物に含まれる重合体(例えば、前記シラン系重合体)100質量部に対して、通常、100〜3500質量部であり、200〜3500質量部が好ましく、400〜3500質量部がより好ましい。前記好ましい範囲では被形状転写層の面内均一性が特に優れる。
更に、被形状転写層用組成物には、前記各種成分以外にも酸拡散抑制剤を含有できる。
酸拡散制御剤は、被形状転写層内において、光酸発生剤から発生された酸の不要な拡散を制御し、非照射領域における意図しない化学反応を抑制する作用を有する成分である。この酸拡散制御剤を配合することにより、被形状転写層表面に形成する凹凸パターンの解像度を向上させることができると共に凹凸パターンの線幅変化を抑えることができる。
前記酸拡散制御剤としては、凹凸パターンの形成工程中の照射や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
前記含窒素有機化合物としては、3級アミン化合物、アミド基含有化合物、4級アンモニウムヒドロキシド化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
3級アミン化合物としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン類;トリエタノールアミン、ジエタノールアニリン等のアルカノールアミン類;N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−ピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−ピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−モルフォリン等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物のほか、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
4級アンモニウムヒドロキシド化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
尚、これらの酸拡散制御剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記酸拡散制御剤の使用量は、前記被形状転写層用組成物に含まれる重合体(例えば、前記シラン系重合体)100質量部に対して、通常、15質量部以下(0.001質量部以上)であり、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
また、被形状転写層用組成物には、前記各種成分以外にも界面活性剤を含有できる。
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション等を改良する作用を示す成分である。この界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤等が挙げられる。
前記界面活性剤の使用量は、前記被形状転写層用組成物に含まれる重合体(例えば、前記シラン系重合体)100質量部に対して、通常、0.00001〜1質量部であり、0.00001〜0.1質量部が好ましく、0.00001〜0.01質量部がより好ましい。
前記被形状転写層用組成物を用いて被形状転写層(凹凸パターンを圧接する前の被形状転写層)を形成する方法は特に限定されない。例えば、基板上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布及びその他の方法により直接的に形成してもよく、予め他の場所に形成した被膜を乾燥させてシート化し、必要な大きさに裁断したうえでシール様に基板上に貼り付けて被形状転写層としてもよく、更にその他の方法を用いてもよい。
被形状転写層(基板上に膜化した後、溶剤等が含まれている場合には溶剤などを除去した状態における被形状転写層である)の厚さは特に限定されないが、通常、0.01μm以上(100μm以下)である。この厚さは0.01〜50μmが好ましく、0.01〜10μmがより好ましく、0.01〜1μmが特に好ましい。前記好ましい範囲では、被形状転写層の優れた面内均一性及び高い光透過性を確保することができる。
また、被形状転写層が形成された基板の種類は特に限定されず種々のものを用いることができる。即ち、例えば、Si、SiO、SiN、SiC、SiCN等のSi含有層で被覆されたウェハや、各種半導体装置製造段階における下層などが挙げられる。更に、例えば、特公平6−12452号公報(特開昭59−93448号公報)等に開示されたように、有機系或いは無機系の反射防止膜が形成された基板であってもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。ここで、「部」及び「%」は、特記しない限り質量基準である。
[実施例1]
〈1〉石英基板表面への導電性膜の形成
幅1μm、深さ2μmの溝(凹凸パターン)が2μmピッチで形成された20cm×20cmの石英基板のこの凹凸パターンが形成された表面に、スパッタリング装置(反応性DCマグネトロンスパッタリング法利用、株式会社ユーテック製、型式「TYPEα」)を用いて、厚さ4nmの窒化ケイ素層(密着性向上層として機能)、厚さ3nmのITO層(導電性膜として機能)、及び、厚さ4nmの窒化ケイ素層(イオン化制御層として機能)の3層をこの順に積層形成してスタンパを得た。その結果、凹凸パターンである溝のエッジ部及び側面にも上記3層は均一に形成された。
〈2〉導電性膜の特性評価
(1)可視光透過率
前記(1)で形成された導電性膜を備えた石英基板の可視光線(波長365nmにおける)に対する光透過率を紫外可視分光光度計装置(日本分光株式会社製、型式「JASCO V7100」)を用いて測定した結果、可視光透過率は94%であった。
(2)面抵抗
シート抵抗測定器{エヌピイエス(NPS)株式会社製、型式「MODEL SRM−232」}を用いて、四探針法にて面抵抗を測定した。その結果、27Ω/cmであった。
(3)通電特性及び温度特性
温度20℃の大気雰囲気下において、前記石英基板が備える導電性膜に対して(石英基板の一対の基板側面に導出された電極パッドに対して印加)、電圧12V且つ電流値4Aの電力を投入した。この間、非接触式温度計によってスタンパの凹凸パターンを備える側の表面温度を計測した。その結果、印加前の表面温度20℃に対して、印加開始30秒の温度は65℃に上昇した。即ち、1分あたり90℃の表面温度上昇が計測された。
(4)導電性膜と基板との密着性評価
セバスチャンV型強度テスタ(QUAD GROUP社製、型式「Romulus IV」)を用いて、スタッドプル法により、基板と基板上に積層した積層体(窒化ケイ素層とITO層と窒化ケイ素層との積層体)との密着強度を測定した。即ち、前記積層体表面にエポキシ接着剤付きアルミニウム製スタッド(接着径=2.7mm、フォトテクニカ製スタッドピン #901106)を塗布し、アルミニウム製スタッド(接着径=2.7mm)を接着し、エポキシ接着剤を150℃で1時間硬化させた。その後、石英基板を固定して前記スタッドを垂直方向に引き剥がした際に前記テスタで計測される密着強度を測定した。その結果、密着強度は110MPaであった。
〈3〉通電によるスタンパとパターン層との密着強度の変化
スタンパの凹凸パターンを有する表面に、紫外線硬化式インプリント用組成物{東洋合成工業株式会社製、品名「UVナノインプリント用樹脂(UV−NIL) PAK−01」}を0.3μmの厚さに塗布して得られた被層を紫外線硬化してパターン層(実験用パターン層)を得た。このパターン層とスタンパとの密着強度を前記と同様にして測定(スタンパに通電していない場合)したところ、密着強度は40MPaであった。
また、同様にスタンパの凹凸パターンを有する表面に、前記と同じ紫外線硬化式インプリント用組成物を0.3μmの厚さに塗布して得られた被層を紫外線硬化してパターン層(実験用パターン層)を得た。その後、前記導電性膜に電圧12V且つ電流4Aの電力を2分間通電し、その直後に同様に測定した密着強度は17MPaであった(容易に共剥がれなく剥離できた)。
尚、平坦なシリコンウエハ表面に前記紫外線硬化式インプリント用組成物を塗布して同様に形成した厚さ0.3μmの被膜を紫外線硬化した後、前記と同様に測定した密着強度は30MPaであった。
[実施例2]
〈1〉シリコン基板表面への導電性膜の形成
幅0.1μm、深さ0.2μmの溝(凹凸パターン)が0.5μmピッチで形成された大きさ4インチのシリコンウエハのこの凹凸パターンが形成された表面に、スパッタリング装置(反応性DCマグネトロンスパッタリング法利用、株式会社ユーテック製、型式「TYPEα」)を用いて、厚さ3nmの窒化チタン層(密着性向上層として機能)、厚さ3nmの銅層(導電性膜として機能)、及び、厚さ4nmの窒化ケイ素層(イオン化抑制層として機能)の3層をこの順に積層形成してスタンパを得た。その結果、凹凸パターンである溝のエッジ部及び側面にも上記3層は均一に形成された。
〈2〉導電性膜の特性評価
(1)面抵抗
シート抵抗測定器{エヌピイエス(NPS)株式会社製、型式「MODEL SRM−232」}を用いて、四探針法にて面抵抗を測定した。その結果、19Ω/cmであった。
(3)通電特性及び温度特性
温度20℃の大気雰囲気下において、前記シリコンウエハが備えるランドに対して、電圧12V且つ電流値4Aの電力を投入した。この間、非接触式温度計によってスタンパの凹凸パターンを備える側の表面温度を計測した。その結果、印加前の表面温度20℃に対して、印加開始90秒の温度は80℃に上昇した。即ち、1分あたり40℃の表面温度上昇が計測された。
(4)導電性膜とシリコンウエハとの密着性評価
セバスチャンV型強度テスタ(QUAD GROUP社製、型式「Romulus IV」)を用いて、スタッドプル法により、シリコンウエハとシリコンウエハ上に積層した積層体(窒化チタン層と銅層と窒化ケイ素層との積層体)との密着強度を測定(前記実施例1におけると同様に測定)した。その結果、密着強度は90MPaであった。
〈3〉通電によるスタンパとパターン層との密着強度の変化
スタンパの凹凸パターンを有する表面に、水素シルセスキオキサンポリマ{HSQ(hydrogen silsequioxane)、東レ・ダウコーニング社製、品名「FOX16」}を0.4μmの厚さに塗布した後、オーブン内で50℃において5分加温して凹凸パターンにHSQを浸透させてHSQ膜を得た。
次いで、前記導電性膜に電圧12V且つ電流4Aの電力を5分間通電した。その結果、導電性膜が発熱してHSQ膜の硬化が進行した。その後に実施例1におけるよ同様に測定した密着強度は13MPaであった(容易に共剥がれなく剥離できた)。
尚、HSQは液状であるため硬化を全くさせない状態では膜状に剥離を行うことはできない。
尚、本発明においては、上記の具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
10;スタンパ、101;絶縁性部、102;導電性部、11;凹凸パターン、12;導電性膜、
20;基板、30;被形状転写層、30’;被形状転写層の硬化が進行された部位、31;凹凸パターン(転写された凹凸パターン)、
40;パターン層、
51;凸条、52;2段以上の階段部を有する凸条、53;凸島状部、54;突起、55;凹条、56;2段以上の階段部を有する凹条、57;凹島状部、58;有底孔、
PR1;圧接工程、PR2;通電工程、PR3;離型工程、PR4;硬化工程(加熱工程)、
60;ヒータ。

Claims (8)

  1. 面抵抗が1〜1000Ω/cmであることを特徴とするインプリント用スタンパ。
  2. 凹凸パターンを有する石英質基体と、該凹凸パターンの表面に形成された導電性膜と、を備える請求項1に記載のインプリント用スタンパ。
  3. 光透過率が70%以上である請求項1又は2に記載のインプリント用スタンパ。
  4. 基板上に設けられた被形状転写層に請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のインプリント用スタンパを圧接する圧接工程と、
    前記インプリント用スタンパに通電する通電工程と、
    前記インプリント用スタンパを前記被形状転写層から分離する分離工程と、を備えることを特徴とするインプリント方法。
  5. 前記圧接工程と前記通電工程との間に、前記被形状転写層を硬化する硬化工程を備える請求項4に記載のインプリント方法。
  6. 前記インプリント用スタンパが、請求項3に記載のインプリント用スタンパであると共に、前記硬化工程における前記硬化を光硬化法により行う請求項5に記載のインプリント方法。
  7. 前記分離の後に、前記被形状転写層を加熱する加熱工程を備える請求項4乃至6のうちのいずれかに記載のインプリント方法。
  8. 請求項2に記載のインプリント用スタンパの製造方法であって、凹凸パターンを有する石英質基体の該凹凸パターンの表面に物理蒸着法により前記導電性膜を形成する工程を備えることを特徴とするインプリント用スタンパの製造方法。
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