JP2010215673A - ミッドカインまたはその阻害剤を有効成分とする薬剤 - Google Patents

ミッドカインまたはその阻害剤を有効成分とする薬剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、好中球の機能を調節するための新規な薬剤、特に好中球機能異常症の治療、好中球の走化性及び走触性の増加、炎症性疾患の治療のための新規な薬剤を提供することを課題とする。
【解決手段】即ち、本発明は好中球の機能を調節するための、ミッドカインまたはその阻害剤を有効成分とする薬剤に関し、より具体的には、(1)ミッドカインを有効成分として含む、好中球の走化性を刺激するための薬剤、(2)好中球の走化性が走触的機構によるものである、(1)に記載の薬剤、(3)ミッドカインを有効成分として含む、好中球機能異常症治療剤、(4)ミッドカインに対する阻害剤を有効成分として含む、炎症性疾患治療剤、(5)炎症性疾患が慢性関節リウマチまたは変形性関節症である、(4)に記載の炎症性疾患治療剤、(6)ミッドカインに対する阻害剤が抗ミッドカイン抗体である、(4)に記載の炎症性疾患治療剤、(7)ミッドカインに対する阻害剤がミッドカインアンタゴニストである、(4)記載の炎症性疾患治療剤に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、好中球の機能を調節するための、ミッドカインまたはその阻害剤を有効成分とする薬剤に関する。これら薬剤は、好中球機能異常症や炎症性疾患などの好中球に関連した疾患の治療などに利用される。
好中球は、顆粒球の一つであり、遊走能、貧食能、殺菌能などの機能を有し、細菌や真菌などの感染から生体を防御するという重要な役割を担っている。好中球に関連して、いくつかの疾患が知られている。
好中球において上記の一つ又は複数の機能が障害されている好中球機能異常症としては、例えば、好中球遊走不全症であるなまけもの白血球症候群(lazy−leukocyte syndrome/走化性欠損白血球症候群ともいう)が知られている。この疾患では、好中球は骨髄中に正常に存在するが、末梢血中では好中球が顕著に減少しており、好中球の遊走能の低下がみられる。しかしながら、好中球機能異常症については、その患者数が非常に少なく、現在この疾患に適用されるような薬剤は流通していない。
また、他の好中球が関連した疾患としては、炎症性疾患が挙げられる。炎症反応は、起炎刺激(細菌などの異物や物理化学的刺激など)により生じた組織障害に対する生体防御反応である。炎症反応は、基本的には生体から有害な刺激を排除し、局所の構造、機能を回復させる反応であるが、この場合に活性化されるシステムは正常な組織、細胞にとっても障害性のあるものであり、強く発現された炎症反応は病的現象として治療の対象となる。
炎症反応は、1)感染部位への血液供給量の増大、2)血管内皮細胞の反応による血管透過性の亢進、3)白血球、特に好中球や一部のマクロファージの毛細血管から組織中への移行および感染部位への遊走、という3つの主要な過程からなり、結果として好中球やマクロファージの集積、浸潤を呈する。このため好中球の機能の抑制は、炎症反応を制御するための有力な手段であると考えられている。
抗炎症薬は、非特異的抗炎症薬(ステロイド性抗炎症薬、非ステロイド性抗炎症薬)と特異的抗炎症薬(抗リウマチ薬、抗痛風薬、免疫抑制薬など)に分類され、様々な薬剤が開発されている。慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis,RA)においては、薬物治療は、鎮痛・抗炎症剤(non−steroidal anti−inflammatory drugs,NSAIDs)を第1選択薬とし、抗リウマチ薬(disease modifying anti−rheumatic drugs,DMARDs)、ステロイド剤などを用いて行われている。しかし、NSAIDs投与による急性胃粘膜病変(acute gastric mucosal lesions,AGML)の発現が問題となり、AGMLを回避する目的でプロドラッグ化される場合が多い。
近年、13kDaのヘパリン結合性タンパクであり、レチノイン酸応答性遺伝子の産物として、ミッドカイン(MK)が発見された。ミッドカインの機能として、胚の神経の生存維持、分化及び神経突起の伸張を促進すること、特定のセルラインに対して分裂を促進すること(Muramatsu,H.et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.177:652−658,1991;Michikawa,M.et al.,J.Neurosci.Res.35:530−539,1993;Muramatsu,H.et al.,Dev.Biol.159:392−402,1993)、胚発生の制御に関与していること(Kadomatsu,K.et al.,J.Cell.Biol.110:607−616,1990;Mitsiadis et al.,Development 121:37−51,1995)、抗ミッドカイン抗体がインビトロにおいて歯芽の分化を阻害すること(Mitsiadis,T.A.et al.,J.Cell.Biol.129:267−281,1995)などが示されている。
さらに、組織の修復や疾患におけるミッドカインの重要性も、徐々に明らかになってきている。多くのヒトの癌でミッドカインの発現が調べられた結果、胃癌、大腸癌、膵臓癌、肺癌、胸部癌、及び肝臓癌のような様々な癌においてミッドカインの発現が増強していることが判明した(Tsutsui,J.et al.,Cancer Res.53:1281−1285,1993;Aridome,K.et al.,Jap.J.Cancer Res.86:655−661,1995;Garver,R.I.et al.,Cancer 74:1584−1590,1994)。また、ミッドカインの高レベルの発現は神経芽細胞腫の患者の予後不良と相関があり(Nakagawara,A.et al.,Cancer Res.55:1792−1797,1995)、ほとんどのアルツハイマー病の老人斑にミッドカインが集積しており(Yasuhara,O.et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.192:246−251,1993)、脳梗塞の初期の段階の浮腫領域にミッドカインが発現する(Yoshida,Y.et al,Dev.Brain Res.85:25−30,1995)ことなどが明らかになっている。これらの知見により、ミッドカインが、組織の修復及び疾患を引き起こす組織の異常性に関連している可能性が高まった。
Muramatsu,H.et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.177:652−658,1991 Michikawa,M.et al.,J.Neurosci.Res.35:530−539,1993 Muramatsu,H.et al.,Dev.Biol.159:392−402,1993 Kadomatsu,K.et al.,J.Cell.Biol.110:607−616,1990 Mitsiadis et al.,Development 121:37−51,1995 Mitsiadis,T.A.et al.,J.Cell.Biol.129:267−281,1995 Tsutsui,J.et al.,Cancer Res.53:1281−1285,1993 Aridome,K.et al.,Jap.J.Cancer Res.86:655−661,1995 Garver,R.I.et al.,Cancer 74:1584−1590,1994 Yoshida,Y.et al,Dev.Brain Res.85:25−30,1995 Yasuhara,O.et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.192:246−251,1993 Nakagawara,A.et al.,Cancer Res.55:1792−1797,1995
本発明は、好中球の機能を調節するための新規な薬剤、特に好中球機能異常症の治療、好中球の走化性及び走触性の増加、炎症性疾患の治療のための新規な薬剤を提供することを課題とする。
最近になって、ミッドカインが血管内皮細胞のプラスミノーゲンアクチベーターの活性を高めること、そして炎症部位への細胞の移動、癌の浸潤及び血管新生での細胞の移動に重要である線維素溶解活性を高めることが明らかとなった(Kojima,S.et al.,J.Biol.Chem.270:9590−9596,1995)。そして、ミッドカインが炎症の最初の段階、すなわち白血球動員の引き金になることも示されている(Timothy,A.S.,Cell 76:301−314,1994)。ミッドカインに関するこれらの知見に刺激されて、本発明者らは、慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)や変形性関節症(osteoarthritis:OA)に関連した炎症像においてミッドカインの発現を解析した。その結果、ミッドカインが好中球が深く関与する炎症状態において高いレベルを示すことを見出した。また、本発明者らは、好中球の遊走に対するミッドカインの効力を検討し、基質結合型のミッドカインが好中球の遊走を刺激することを見出した。
さらに、本発明者らは、このようにミッドカインと好中球の遊走との密接な関係、およびミッドカインと炎症との密接な関係が見出されたことから、ミッドカイン若しくはその阻害剤を利用して好中球の機能を調節することにより、好中球の機能に関連した疾患、例えば、好中球機能異常症や炎症性疾患の治療を行うことが可能であることを見出した。
即ち、本発明は好中球の機能を調節するための、ミッドカインまたはその阻害剤を有効成分とする薬剤に関し、より具体的には、
(1)ミッドカインを有効成分として含む、好中球の走化性を刺激するための薬剤、
(2)好中球の走化性が走触的機構によるものである、(1)に記載の薬剤、
(3)ミッドカインを有効成分として含む、好中球機能異常症治療剤、
(4)ミッドカインに対する阻害剤を有効成分として含む、炎症性疾患治療剤、
(5)炎症性疾患が慢性関節リウマチまたは変形性関節症である、(4)に記載の炎症性疾患治療剤、
(6)ミッドカインに対する阻害剤が抗ミッドカイン抗体である、(4)に記載の炎症性疾患治療剤、
(7)ミッドカインに対する阻害剤がミッドカインアンタゴニストである、(4)記載の炎症性疾患治療剤
に関する。
なお、本発明において「好中球機能異常症治療剤」とは、好中球機能異常症を治療するための薬剤の他、好中球機能異常症の増悪を軽減するための薬剤も含む。また、本発明において「炎症性疾患治療剤」とは、炎症性疾患を治療するための薬剤の他、炎症性疾患の増悪を軽減するための薬剤も含む。
本発明のミッドカインを有効成分として含む薬剤は、好中球の走化性を刺激することができる。走化性(化学走性)とは、好中球をはじめとする白血球が、走化性因子の濃度勾配に伴って、炎症部位(感染部位)に遊走し集合する過程をいう。好中球は、この遊走の後、細菌などの微生物を吸着し、取り込んで(食菌)、様々な機構によりそれを殺菌する。このように、走化性は、好中球がその機能を発揮するための重要な過程である。またさらに、遊走の機構としては、走化的機構および走触的機構が考えられる。走化的機構においては、化学誘因物質は、それが産生される場所、すなわちその濃度が最も高い場所から拡散できる液性因子であり、細胞は化学誘因物質の濃度が増大する方向へ遊走するのに対して、走触性機構においては、化学誘因物質は、血管内皮細胞又は細胞外マトリックスに付着しており、細胞は化学誘因物質の密度が最も高い領域に向かって遊走する。本発明者らによって、ミッドカインは走化的機構ではなく、走触的機構により作用することが示された。
また、本発明のミッドカインを有効成分として含む薬剤は、好中球機能異常症を治療するために用いることができる。好中球の機能は遊走能、貧食能、殺菌能に大別されるが、好中球機能異常症とは、これらの一つ又は複数の機能が障害されている状態をいう。その例としては、好中球遊走不全症であるなまけもの白血球症候群(lazy−leukocyte syndrome/走化性欠損白血球症候群ともいう)が挙げられる。上記のように本発明者らによって、ミッドカインが、好中球の遊走を刺激することが見出された。従って、機能、特に遊走能が不全となった好中球にミッドカインを作用させることにより、本来の機能を回復させることができると考えられる。
好中球機能異常症を治療するための本発明の薬剤は、好中球の機能を増大させることができる他の因子と組み合わせて使用することも可能である。そのような因子としては、例えばG−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)、GM−CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、IL−8(インターロイキン−8)、M−CSF(マクロファージコロニー刺激因子)が挙げられる。
本発明の薬剤において使用されるミッドカインは、ヒト由来(特開平9−95454号公報、実施例参照)、マウス由来(Kadomatsu,K.et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,151,1312−1318,1988)、又はラット由来など哺乳動物由来のものであれば何れでも良い。また、本発明において使用されるミッドカインは、ミッドカインもしくはその生物活性を発現するミッドカインの部分ペプチドの一部のアミノ酸が置換、欠失した誘導体又は類縁体をも包含する。さらにまた、本発明のミッドカインは、グリコシル化されていても、グリコシル化されていなくてもよい。
一方、本発明のミッドカインに対する阻害剤を有効成分として含む薬剤は、炎症性疾患の治療に適用することができる。本発明者らにより、ミッドカインは炎症性疾患において高濃度に存在することが示された。当技術分野において周知の通り、炎症には好中球の遊走が深く関与している。このため、ミッドカインに対する阻害剤は、好中球の遊走の抑制効果により、炎症を治療することができると考えられる。炎症性疾患とは、炎症が原因と考えられるが、結果として炎症を併発するか、つまり、病態として炎症症状を随伴する疾患である。高等動物の炎症は刺激に対応する一連の微小循環系の反応により特徴づけられる。すなわち、通常の炎症では、微小循環系は一過性に収縮した後、拡大し、通常は閉じている毛細血管床が開き、血流量が増加する。さらに、細静脈領域の内皮細胞間隙が開くことにより、この間隙を通じて血漿成分が組織間質へ滲出する血管透過亢進現象が起こる。この血管透過亢進は普通2相性に起こり、第1相はヒスタミンまたはセロトニンによって起こる弱い反応であり即時型透過と呼ばれ、第2相の遅延型透過が炎症における血管透過の主体をなす。引き続いて、多核白血球、単球(組織内に遊出したあとはマクロファージと呼ばれる)、リンパ球などが、やはり細静脈領域から組織間質へと放出する。これらの血漿成分、細胞成分によって生成される活性因子系の作用が組織細胞の増殖を促し、修復へと導く。この一連の過程は古くから発赤(rubor)、疼痛(dolor)、発熱(calor)、腫脹(tumor)として記載されてきた。基本的には炎症は局所の防衛反応であるが、組織傷害作用をも示しうるので、機能障害も炎症の主徴に加えられる。炎症反応は局所組織、細胞の変性、循環障害、増殖が組み合わさった複合反応であり、その動的過程全体をさす。このような種々の側面のうち、どの様相が強いかにより、変質性炎、滲出性炎、増殖性炎に分類され、その経過により、急性炎、慢性炎に分類される。炎症性疾患の例として、慢性関節リウマチ(RA)や変形性関節症(OA)が挙げられる。
本発明において好適に使用されるミッドカインに対する阻害剤としては、例えば、適当な濃度のヘパリン(Kaneda,N.et al.,J.Biochem.119,1150−1156(1996)参照)、ミッドカインの結合部位を奪って活性を抑えるヒト・リュードカン (Human Ryudocan) (Kojima,T.,Katsumi,A.,Yamazaki,T.,Muramatsu,T.,Nagasaka,T.,Ohsumi,K.,and Saito,H.,J.Biol.Chem.271,10,5914−5920(1996)参照)が挙げられるが、抗ミッドカイン抗体が最も好ましい。抗ミッドカイン抗体は、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよい。
ポリクローナル抗体は、以下のような方法により作成することができる。適当な方法で生産した組換えヒト型ミッドカインをフロイントの完全アジュバント(FCA)と等量混合し、均一な乳濁液(エマルジョン)を得る。これをウサギ(ニュージーランドホワイト、2500〜3000gr.)の70%アルコール綿で消毒した皮下10ケ所程度に注入し、初回免疫とする。2回目以降の免疫には、アジュバントとしてフロイントの不完全アジュバント(FIA)を使用する。免疫は、2週間に1回の割合で行い、3回目の免疫終了後、1週間経過したところで、予備採血を行う。得られた血液を4℃、1600回転で遠心し、血清を得る。この血清中のヒトミッドカインに対する抗体価を測定する。抗体価の充分な上昇が確認されたら、計4〜5回の免疫終了後、全採血を実施する。得られた血液は、同様に4℃、1600回転で遠心し、血清とする。この血清をプロテインAを利用して精製する。プロテインA精製後、ヒトミッドカインタンパクを同相化したアフィニティー精製用カラムを利用して、抗血清のアフィニティー精製を行う。このような過程でウサギ抗ミッドカインポリクローナル抗体の作製は行われる。但し、免疫動物は、ウサギに限定されるものではなく、同様な手法で様々な動物に免疫して抗体を得ることが可能である。
また、モノクローナル抗体は、ケーラーとミルスタインの方法(Kohler,G.and C.Milstein,Nature 256:495−497(1975))によって作成できる。
さらに、抗ミッドカイン抗体には、ヒト化抗体(野口浩、東隆親:抗体工学によるキメラ抗体の作製とその応用、Medical Immunol.22:628−638,1991、野口浩:キメラ抗体・ヒト型化抗体の原理と臨床応用、医学のあゆみ 167:457−462,1993、中谷知右、野口浩:抗体のヒト化、ファルマシア 33:24−28,1997参照)、ヒト抗体(Chothia,C,et al.,Nature,324,877(1989)、Roguska,M.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,91,969(1994)、Winter,G.et al.,Annu.Rev.Immunol.,12,433(1994)、Lonberg,N.et al.,Nature,368,856(1994)参照)、又はキメラ抗体(Morrison,S.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,81,6851(1984)、野口浩、東隆親、Medical Immunology,22,628(1991)参照)も含まれる。
抗ミッドカイン抗体の作製において用いられるミッドカインは、ヒト由来(特開平6−217778号公報参照)、マウス由来(Kadomatsu,K.et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,151,1312−1318,1988)、又はラット由来など哺乳動物由来のものであれば何れでも良い。また、抗ミッドカイン抗体の作製において用いられ抗原としては、ミッドカインの生物活性を発現するミッドカインの部分ペプチドであってもよく、また、ミッドカインまたはその部分ペプチドの一部のアミノ酸が置換、欠失した誘導体又は類縁体であってもよい。さらに、抗原として用いるミッドカインは、グリコシル化されていても、グリコシル化されていなくてもよい。また、ミッドカインアンタゴニストは、例えば、好中球の活性化に重要であるアミノ酸配列を同定し、該配列を欠失させることにより、作製することができる。
本発明の薬剤の有効成分であるミッドカインまたはその阻害剤を、好中球の走化性を刺激するため、好中球機能異常症を治療するため、または炎症性疾患の治療を行うために投与する場合の投与量は、患者の性別、体重、症状などにより変化するが、一般に、一日当たり0.1〜1000mgであり、1回から数回に分けて投与することができる。投与形態としては、水溶液で、又は薬学的に許容される担体と混合して、静脈内注射、皮下注射、又は筋肉注射により投与することが好ましい。
図1は、滑液中のMKの酵素免疫測定の結果を示すグラフである。当アッセイにおけるMKの検出限界は9pg/mLであった。便宜上、検出限界以下の場合には、図の一番下にプロットすることとした。 図2は、変形関節炎(RA)の活動性の炎症性の滑液を持った患者の炎症を起こした滑膜組織の免疫組織化学的染色を示す顕微鏡写真である。Aは滑膜内細胞と新生血管の間の領域の染色を示し、Bは滑膜の管壁細胞の染色を示し、Cは新生血管の血管内皮細胞の染色を示す。顕微鏡の倍率は、Aについては104倍、BおよびCについては208倍であった。 図3は、滑膜組織の抽出物のウエスタンブロット解析を示す写真である。レーン1はOA患者から得られた活動性の滑膜炎の組織、レーン2はRA患者から得られた活動性の滑膜炎の組織、レーン3は非活動性の滑膜炎の組織、レーン4は人工関節への置換を行った患者から得られた組織学的に重大な炎症を伴わない滑膜組織に関する。 図3は、滑膜組織の抽出物のウエスタンブロット解析を示す写真である。レーン1はOA患者から得られた活動性の滑膜炎の組織、レーン2はRA患者から得られた活動性の滑膜炎の組織、レーン3は非活動性の滑膜炎の組織、レーン4は人工関節への置換を行った患者から得られた組織学的に重大な炎症を伴わない滑膜組織に関する。 図4は、MK反応性の好中球移動の程度を示すグラフである。MKは表示された濃度で下方のウェルに加えられた。MKと共に3時間インキュベートした後フィルターの下側表面に移動した好中球の数をプロットした。結果は、測定野当たりの移動した細胞数の平均値として表されている。なお、斜線は、濃度勾配のない測定視野当たりの細胞数の平均値を示す。 図5は、MKによる好中球遊走のチェッカーボード解析の結果を示す図である。データは1視野当たりの移動した細胞数の平均値±標準偏差(n=4)で表した。 図6は、走触的機構のアッセイにおける好中球移動の濃度反応曲線を示す図である。走触性のアッセイ(白四角)ではフィルターの下側の表面を予めMKでコートし、走化的機構のアッセイ(黒菱形)では、フィルターの両側を予めMKでコートし、陰性コントロール(白丸)としては、フィルターの上側の表面を予めMKでコートした。30分間のインキュベーションの後フィルターの下側の表面に移動した好中球の数をプロットした。結果は測定野当たりの移動した細胞数の平均値として表した。
以下に本発明の実施例を記載するが、本実施例は本発明を制限するものではない。
実施例1 ELISAによるミッドカイン(以下、「MK」と称する)の検出
滑液を、OA又はRAの炎症性滑膜炎のヒト患者(26〜72歳、平均年令52歳)から吸引によって採取し、ELISA法によって、滑液中のMKを検出した(Muramatsu,H.et al.,J.Biochem.119:1171−1175,1996)。3名の健常人の滑液中には、MKは検出されなかったが、6名のRA患者全ての滑液中にMKが検出され(図1、62〜10000pg/ml)、6名のOA患者中4名の滑液中にも有意な量のMKが含まれていた(図1、検出限界以下〜1225pg/ml)。従って、本発明者らは、滑液中のMKの存在と、滑膜炎の炎症状態とは有意に関連した現象であると結論づけた。
実施例2 免疫組織化学によるMKの検出
滑膜の組織を、3人のRA患者及び2人のOA患者の全膝部分から採取した。全ての生検標本は過形成の炎症骨膜組織を含んでいた。それは、滑膜内層細胞の増殖、リンパ球及びマクロファージの広範囲にわたる浸潤、そして多数の血管新生によって組織学的に特徴づけられるものであった。免疫組織化学をムラマツらの方法(Muramatsu,H.et al.,Dev.Biol.159:392−402,1993)に従って行った。まず、標本を、中性緩衝ホルマリン液で固定し、ついでパラフィン中に包埋し、固定した標本を5mmの厚さにスライスした。次に、切片を、0.2%牛血清アルブミンと2%正常ヤギ血清を含むPBSに溶解した抗ヒトMK抗体(15mg/mL)とともに4℃で一晩インキュベートした。なお、抗ヒトMK抗体は、ペプチド研究所から購入した化学合成ヒトMKを用いて、ムラマツらの方法(Muramatsu,H.et al.,J.Biochem.119:1171−1175,1996参照)に従ってウサギで作製した。コントロールの切片は、2%になるように牛血清を添加したPBSか又は正常ウサギ血清とともにインキュベートした。ついで切片を、ビオチン化ヤギ抗ウサギ抗体(希釈、1:250/PBS)とともにインキュベートした後洗浄し、アビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ複合体(ベクター・ラボラトリーズInc.、Burlingame,U.S.Aのとともにインキュベートした。ペルオキシダーゼを、1%過酸化水素を含む3−アミノ−9−エチルカルバゾール(AEC)とともにインキュベートすることによって発色させた。
2名のRA患者から得られた標本においては、滑膜管壁細胞と新生血管との間の領域が、抗MK抗体によって広範囲に染色された(図2A)。興味深いことに、滑膜の管壁細胞(図2B)及び毛細血管内皮細胞(図2C)がMKで強く染色されることが見出された。RA患者の1名では、染色性が他の患者の場合ほど強くなかったが、それは病状が活発な状態でなかったためであると考えられる。OA患者の炎症性滑膜の2例では、抗MK抗体での免疫染色性は、RA患者の炎症性滑膜の染色性とほぼ同様であった。健常人の滑膜は解析のために入手することができなかったため、人工関節置換の、炎症性の滑膜の症状のない患者の生検材料を調べた。その結果、これらの標本では免疫染色性は検出されなかった。
実施例3 ウエスタンブロット解析によるMKの検出
さらに、滑膜組織抽出物のウエスタンブロット解析を行った。サンプルをレムリィーの方法(Laemmli,U.K.,Nature 227:680−685,1970)に従ってSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、ゲル中のタンパク質をトーウィンらの方法 (Towin,H.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.76:4350−4354,1979)に従ってニトロセルロース膜に移した。ニトロセルロース膜を、スキムミルクを5%になるように添加したダルベッコのリン酸緩衝液(phosphate−buffered saline:PBS)中で4℃一晩インキュベートした後、室温で2時間、希釈した抗ヒトMK抗体(5%スキムミルク溶液で20mg/mLに調製)とともにインキュベートした。ニトロセルロース膜を0.1%トゥィーン20を含むPBSで洗浄した後、西洋ワサビペルオキシダーゼを結合したアフィニティー精製抗ウサギIgG(ジャクソン・イムノリサーチ・ラボラトリーズInc.、ボルチモア、アメリカ合衆国)とともにインキュベートし、ついで4−クロロ−1−ナフトールで染色した。
OA患者の活動性の炎症滑膜炎症例の抽出物中に高いレベルのMKが検出された(図3、レーン1)。RA患者の活動性の滑膜炎の炎症部位のMKレベルは中程度であった(図3、レーン2)が、当該患者の活動性でない炎症性部位のMKレベルは低かった(図3、レーン3)。人工関節の患者及び炎症性の滑膜炎でない患者の滑膜にはMKは検出されなかった(図3、レーン4)。従って、免疫反応性の物質は、MKであることが確証された。さらに、免疫組織化学で観察されたMKの発現の強さが炎症の激しさに相関するという傾向は、ウエスタンブロット解析においても観察された。
実施例4 ヒト好中球の遊走に対するMKの効力
炎症反応の初期の段階での白血球の動員におけるMKの役割を評価するために、好中球に対するMKの走化性を調べた。健常人の末梢血から好中球を分離するために、末梢血をFicoll−Hypaque比重遠心法によって分画した(Venaille,T.J.et al.,Scand.J.Clin.Lab.Invest.54:385−391,1994)。細胞をRPMI1640培養液で洗浄した後、ヒトAB型血清を10%濃度で補充したRPMI1640培養液で2.5x106細胞/mLの細胞濃度に調製した。MKによって誘導される好中球の遊走は、上方のチャンバーとして用いたケモタキシセル(Chemotaxicell/クラボウCo.Ltd.大阪、日本)で測定した。このケモタキシセルは、ポリカーボネイトフィルターを装着したボイデンチャンバーと全く同一のものである。下方のチャンバーとして、24ウェル(穴)のプレート(3047、ファルコン)を使用した。MKを10%AB型血清を含んだRPMI1640培養液で希釈し24ウェルプレートに加え、ついで同培養液中の好中球(5x105個)をケモタキシセルに加えた。チャンバーを、5%CO2インキュベーター中、37℃の湿潤下3時間インキュベートした。5μmのフィルターを通って移動した細胞を、100%エタノールで固定し、染色し、それからカウントした。カウントは各々のアッセイで10視野(オリンパスAX80マイクロスコープ、拡大400倍)行った。また、各々のサンプルは3連でアッセイを行った。データは平均±標準偏差として表現した。下方のチャンバーに入れられたMKは上方のチャンバーに入れられた好中球の遊走を刺激することが判明した(図4)。好中球を誘引するMKの至適濃度は10ng/mL(危険率p<0.01)であった(図4)。
さらに、MKに応答する好中球の遊走能が走化性因子の濃度勾配を認識して方向性をもって移動する運動(走化性)であるか、又は方向性を持たずに無秩序に動きまわる運動(化学運動性)であるかを判別するためにチェッカーボード解析を実施した(Zigmond,S.H.,and Hirsch,J.G.,J.Exp.Med.137:387−410,1973)。その結果を図5に示す。
図から、上方チャンバーから下方チャンバーに向かって、MKの濃度勾配が高くなる場合に、細胞数が増加していることが明らかであり、このことからMKが走化活性を有すると判断される。
実施例5 MKの走化性の機構
細胞の運動性は接着依存的結果(Timothy,A.S.,Cell 76:301−314,1994)であり、MKは、細胞表面へパラン硫酸プロテオグリカン(Elenius,K.et al.,J.Cell.Biol.114:585−595,1991)のファミリーであるシンデカン(Mitsiadis,T.A.et al.,Development 121:37−51,1995;Kojima,T.et al.,J.Biol.Chem.271,No.10:5914−5920(1996))と強く結合するので、基質結合型MKが好中球の移動を促進する能力についても検討した。すなわち、MKが溶解性型(走化的機構)又は基質結合型(走触的機構)のいずれで機能するかを決定するために、ロット(Rot,A.,Eur.J.Immnunol.23:303−306,1993)の記載に従い、走触的のアッセイを行った。
第一段階として、走触的機構のアッセイ系においては、下方のウェルにMK(1ng/mLから100ng/mL)を満たすことにより、膜の下側の表面をMKでコートし、そして対応する上方のウェルにはRPMI1640培養液を満たすことにより、MKの正の勾配(positive haptotactic gradients)を確立した。
陰性コントロールとしては、もう一つのセットの上方のウェルをMK(1ngから100ng/mL)で満たすことにより膜の上側の表面をMKでコートし、対応する下方のウェルをRPMI1640培養液で満たすことによって負の勾配(negative haptotactic gradients)を確立した。
MKの走化的機構のアッセイ系においては、上方と下方の両方のウェルをRPM11640培養液で満たした(chemotactic gradients)。
それぞれを37℃で20分間インキュベートした後、上方のチャンバーとポリカーボネートフィルターからなるケモタキシセルを、フィルターに結合していないMK(溶解性型のMK)を除去するために、RPMI溶液で入念に洗浄した。
第2段階として、走触的機構のアッセイ系および陰性コントロールでは、10%AB血清を含むRPMI溶液で、上下のウェルを満たした。一方、走化的機構のアッセイ系では、底のチャンバーにおいてMK(1ng/mL〜100ng/mL)を添加した。
好中球(5x105)を、第2段階の各上方のウェルに入れ、好中球の移動度について、37℃、30分間のインキュベーションの間にフィルターを通して移動した細胞の数をカウントすることによって計測した。カウントは各アッセイで10視野ずつ、各サンプルは各々3連でアッセイした。全ての結果は、好中球の数±標準偏差として表した。
その結果、走触的機構のアッセイにおいては、フィルターに結合したMKは低濃度(1ng/mL(危険率p<0.01))においてさえ、わずか30分のインキュベーションの後、好中球の遊走を刺激した(図6、白四角)。走化的機構のアッセイにおいては、30分のインキュベーションの後、好中球の遊走の刺激は検出されなかった(図6、黒菱形)。遊走の刺激は、陰性コントロールでも検出されなかった(図6、白丸)。これにより、ミッドカイン刺激による好中球の遊走は、走触的機構によるものであることが示された。
本発明により、ミッドカインまたはその阻害剤を有効成分とする、好中球の機能を調節するための新規な薬剤が提供された。これにより、好中球の遊走を刺激して、好中球機能異常症の治療を行ったり、また、好中球の遊走を抑制して炎症性疾患の治療を行うことが可能となった。

Claims (13)

  1. 好中球の移動を刺激又は阻害するのに十分な条件下で所定量のミッドカインタンパク質又はミッドカインタンパク質に対する抗体に好中球をex vivoで接触させる工程を含む、好中球の機能を調節するための方法。
  2. 好中球の移動を刺激するのに十分な条件下で所定量のミッドカインタンパク質に好中球をex vivoで接触させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ミッドカインタンパク質が走触的機構によって好中球の移動を刺激する、請求項2に記載の方法。
  4. 好中球の移動を阻害するのに十分な条件下で所定量のミッドカインタンパク質に対する抗体に好中球をex vivoで接触させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 好中球の移動の障害によって特徴付けられる疾患を治療するための医薬の調製におけるミッドカインタンパク質の使用であって、前記医薬の適合性が好中球の移動を刺激するミッドカインタンパク質の機能に基づく、使用。
  6. 前記医薬がミッドカインタンパク質と、G−CSF、GM−CSF、IL−8、及びM−CSFからなる群から選択される追加の因子とを含む、請求項5に記載の使用。
  7. 前記疾患がなまけもの白血球症候群である、請求項5又は6に記載の使用。
  8. 炎症性疾患を治療するための医薬の調製におけるミッドカインタンパク質に対する抗体の使用。
  9. 前記炎症性疾患を治療するための医薬の適合性が、好中球の移動を阻害するミッドカインタンパク質に対する抗体の機能に基づく、請求項8に記載の使用。
  10. 前記炎症性疾患が、ミッドカインタンパク質が関与する好中球の移動と関連する炎症によって特徴付けられる、請求項8又は9に記載の使用。
  11. 前記炎症性疾患が、ミッドカインタンパク質が関与する走触性の好中球の移動と関連する炎症によって特徴付けられる、請求項8又は9に記載の使用。
  12. 前記炎症性疾患が関節リウマチである、請求項8から11のいずれか一項に記載の使用。
  13. 前記炎症性疾患が変形性関節症である、請求項8から11のいずれか一項に記載の使用。
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