JP2010213545A - 電力品質評価システム - Google Patents

電力品質評価システム Download PDF

Info

Publication number
JP2010213545A
JP2010213545A JP2009059731A JP2009059731A JP2010213545A JP 2010213545 A JP2010213545 A JP 2010213545A JP 2009059731 A JP2009059731 A JP 2009059731A JP 2009059731 A JP2009059731 A JP 2009059731A JP 2010213545 A JP2010213545 A JP 2010213545A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
harmonic
harmonic component
component
abnormality
normal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009059731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5491751B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Taguchi
保博 田口
Yoshihiro Takei
義博 竹井
Takashi Miyabe
崇 宮部
Shinya Kazusawa
真也 數澤
Minoru Iino
穣 飯野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2009059731A priority Critical patent/JP5491751B2/ja
Publication of JP2010213545A publication Critical patent/JP2010213545A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5491751B2 publication Critical patent/JP5491751B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y04INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
    • Y04S10/00Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution
    • Y04S10/50Systems or methods supporting the power network operation or management, involving a certain degree of interaction with the load-side end user applications
    • Y04S10/52Outage or fault management, e.g. fault detection or location

Abstract

【課題】総合的に電力品質を悪化させる負荷設備の故障やその前兆となる異常を推定する。
【解決手段】電力系統から負荷設備に供給される電気量から求めた実測高調波成分計算結果15とデータベース17に蓄積される高調波正常高調波成分16a、高調波異常高調波成分16b、負荷高調波成分16cとの間でそれぞれ高調波成分一致度を計算する高調波成分一致度計算手段13と、算出された各高調波成分一致度から負荷設備3の故障や故障の前兆となる高調波異常パターンを特定し、出力または表示する高調波異常出力手段14とを設け、複数種類の高調波成分の高調波成分一致度から総合的に電力品質を評価する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電力系統に生じる高調波、電圧変動、電圧不平衡、瞬時電圧低下等による電力品質の悪化を評価する電力品質評価システムに関する。
従来、電力系統に生じる電気機器の高調波を解析して電力状態を管理する方法としては、幾つかの技術が提案されている。
その1つの技術は、予め模擬高圧配電線を用いて故障要因別に波形をサンプル収集し、各々のサンプル波形の所定次数までの高調波成分を解析する。そして、故障要因別に高調波含有率の次数毎の平均値の総和を求めた後、故障要因別の総和データの最大値及び最小値を算出して記憶する。実際の高圧配電線の地絡故障時、その零相に流れる電流波形が故障要因別の最大値と最小値の間に入るか否かに基づいて高圧配電線の地絡故障の原因を推定する(特許文献1)。
他のもう1つの技術は、需要家における基本波有効電力及び基本波無効電力の過度状態前後の変動有効分及び変動無効分を検出し、その変動分の大きさに基づいて需要家の負荷、力率改善コンデンサ、変圧器等の投入・停止といった運用状態を特定する。
また、この技術においては、需要家設備の投入時の電流を周波数分析し、高調波成分の波形パターンである設備毎に異なり、かつ時間的に高調波成分比率が変化する変化パターンを取り出し、需要家設備の運用状態や障害発生設備を特定するものである(特許文献2)。
特開平06−217451号公報 特許第3952355号
しかしながら、前者の技術は高圧配電線の地絡故障の原因を特定するだけであり、後者の技術は主に需要家設備の投入・停止の運用状態を特定するものであって、高調波の異常状態から負荷設備の故障やその前兆となる異常を推定する電力品質評価システムではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電力系統から負荷設備に供給される電圧、電流等の電気量から実測高調波成分を計算し、この実測高調波成分計算結果と予め設定される異常の可能性を有する高調波正常高調波成分,高調波異常高調波成分等との高調波成分一致度を計算し、総合的に電力品質を悪化させる負荷設備の故障やその前兆となる異常を推定する電力品質評価システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る電力品質評価システムは、電力系統から各種の装置,機器等で構成される負荷設備に供給される電圧、電流等の電気量を波形分析し高調波成分を計算する高調波成分計算手段と、前記負荷設備を構成する装置,機器などの正常時の複数の高調波正常高調波成分の高調波正常パターンを記憶する高調波正常データベースと、前記高調波成分計算手段で得られる実測高調波成分計算結果と前記高調波正常データベースに記憶される複数の高調波正常パターンの高調波正常高調波成分との高調波成分一致度を計算する高調波成分一致度計算手段と、この高調波成分一致度計算手段で算出された各高調波成分一致度の中から当該高調波成分一致度が低い高調波正常パターンを、前記負荷設備に含まれる装置,機器などの高調波異常の可能性を示す高調波正常パターンと推定し、出力または表示する高調波異常出力手段とを備えた電力品質評価システムである。
また、高調波正常パターンの高調波正常高調波成分の高調波成分一致度だけでなく、高調波異常高調波成分の高調波成分一致度、負荷高調波成分の高調波成分一致度等を計算し、総合的な観点から電力品質を悪化させる負荷設備等の装置、機器の故障やその前兆となる異常を推定するものである。
本発明によれば、電力系統から負荷設備に供給される電圧、電流等の電気量から実測高調波成分を計算し、この実測高調波成分計算結果と予め設定される異常の可能性を有する高調波正常高調波成分,高調波異常高調波成分等との高調波成分一致度を計算し、総合的に電力品質を悪化させる負荷設備の故障やその前兆となる異常を推定できる電力品質評価システムを提供できる。
本発明に係る電力品質評価システムの電力系統への適用例を示す系統図。 本発明に係る電力品質評価システムの第1の実施形態を示す概略構成図。 本発明に係る電力品質評価システムの第1の実施形態の他の例を示す概略構成図。 本発明に係る電力品質評価システムの第1の実施形態のさらに他の例を示す概略構成図。 電気量の一例である例えば線間2相分の電圧波形例を説明する図。 高調波成分計算手段の一具体例であるFFT処理部を用いた構成図。 高調波成分計算手段で計算された実測高調波成分結果の一例を示す図。 高調波異常データベースに記憶される高調波異常と推定される複数次数からなる複数の高調波異常パターンの例を示す説明図。 高調波成分一致度計算手段の機能ブロック及び処理内容を説明する図。 高調波成分一致度計算手段による高調波成分の規格化を説明する図。 規格化された実測高調波成分結果と規格化された高調波発生機器高調波成分とが一致している例を説明する図。 規格化された実測高調波成分結果と規格化された高調波発生機器高調波成分とが完全に一致していない例を説明する図。 規格化された実測高調波成分結果と規格化された高調波発生機器高調波成分とが一部一致している例を説明する図。 規格化実測高調波成分計算結果と規格化高調波異常高調波成分との一致度の程度と規格化差合計値との関係を表わす図。 高調波成分一致度と規格化差分合計値との関係を別の観点から表わした図。 図3〜図4に示す高調波異常推定手段の一具体例を示す構成図 高調波成分一致度と高調波正常・異常高調波成分との関係を示した図。 高調波成分一致度と高調波正常パターン、高調波異常パターン、高調波負荷パターンとの表示例を示す図。 本発明に係る電力品質評価システムの第2の実施形態を示す概略構成図。 図19に示す結果表示制御手段により表示される一定時間毎に取得した複数の高調波異常パターン毎の高調波成分一致度の時系列的な変化の表示例を示す図。 本発明に係る電力品質評価システムの第3の実施形態を示す概略構成図。 高調波成分計算手段の他の例を示す構成図。 電気量に含む高調波電圧の電圧ベクトルと高調波電流との位相関係を説明する図。 本発明に係る電力品質評価システムの第4の実施形態を示す概略構成図。 高調波発生源と高調波電流との関係から、高調波異常発生源を特定する方法を説明する図。 本発明に係る電力品質評価システムの第5の実施形態を示す概略構成図。 図24に示す高調波異常推定手段による高調波異常発生源判定(特定)ロジックを説明する図。 本発明に係る電力品質評価システムの第6の実施形態を示す概略構成図。 図26のアラーム発生手段から発生するアラームのアラーム伝送系を示す図。 アラームの発生条件を説明する図。 図28に示す構成に新たに制御指令発生手段を設けた電力品質評価システムの概略構成図。 図31の制御指令発生手段から発生する制御指令の制御指令伝送系を示す図。 制御指令の発生条件を説明する図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明するに先立ち、本願発明を実現するに至った経緯を説明する。
上位の商用電力系統に接続される需要家の電力系統母線には、企業の工場内を例に挙げれば、各建屋ごとに多数の装置、機器が設置され、また同一の建物であっても各階ごとに異なる装置、機器が設置されている。その結果、装置、機器が正常であっても、他の装置、機器の影響を受けて、高調波異常の可能性を示す高調波正常高調波成分の高調波正常パターンを発生したり、あるいは電力系統母線に複数の装置、機器が並列的に接続されている場合、負荷特有の高調波の影響の高い負荷高調波成分の高調波負荷パターンを発生する場合もある。このことは、高調波異常の可能性が高い高調波異常パターンの高調波正常高調波成分の高調波一致度だけでは、電力品質を悪化させる負荷設備の故障やその前兆となる異常を推定することが難しく、総合的に高調波成分の高調波一致度を把握し、高調波成分の異常を推定することが望ましい。
そこで、本発明者等は以上の状況を考慮し、電力品質を評価することにある。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る電力品質評価システム1を電力系統に適用した一例を示す系統図である。
電力品質評価システム1は、例えば、上位電力系統から電力を受電する母線2と負荷設備(各種の装置,機器等を含む)3との間に測定装置4が設置され、この測定装置4で測定される負荷設備3に供給される電圧及び電流を含む電気量5から、電圧及び電流に重畳される高調波成分を計算し、この実測高調波成分計算結果と予め記憶される高調波成分とに基づいて負荷設備の故障やその前兆となる異常を推定するシステムである。
図2は本発明に係る電力品質評価システム1の第1の実施形態を示す概略構成図である。図2は請求項1に対応する。
電力品質評価システム1は、コンピュータを用いて、一定の処理手順に従ってソフトウエア的に処理するものであって、機能的には,高調波成分計算手段11と、データ記録手段12と、高調波成分一致度計算手段13と、高調波異常推定手段14とで構成される。
高調波成分計算手段11は、測定装置4で測定された上位電力系統から供給される電圧、電流等の電気量5を波形分析して高調波成分を計算し、実測高調波成分計算結果15を取得し、高調波成分一致度計算手段13に送出する。
データ記録手段12は、電力品質を評価するために各種のデータを記憶するものであって、予め高調波正常と推定される高調波成分(以下、高調波正常高調波成分と呼ぶ)16aのパターン(以下、高調波正常パターンと呼ぶ)21aを格納するデータベース17が設けられ、さらに高調波成分計算手段11で取得された実測高調波成分計算結果15が記憶される。
高調波成分一致度計算手段13は、実測高調波成分計算結果15とデータベース17に格納される複数の次数からなる高調波正常パターン21aを持つ高調波正常高調波成分16aとから高調波成分一致度18aを計算する機能を有する。
高調波異常推定手段14は、高調波成分一致度計算手段13で算出された高調波成分一致度18aの中から高調波成分一致度18aが低い高調波正常パターン21aを高調波異常の可能性を示す高調波正常パターン21aと推定する。すなわち、高調波異常推定手段14は、高調波正常パターン21aの高調波成分一致度18aから高調波異常を判定し、高調波異常推定結果20として出力する。
図3は本発明に係る電力品質評価システム1の第1の実施形態の他の例を示す概略構成図である。図3は請求項2に対応する。
この電力品質評価システム1の構成は図2とほぼ同じであり、特に異なるところは、データ記録手段12を構成するデータベース17に記憶される高調波パターンの種類が異なることにある。従って、図3において、図2と同一または等価な部分には同一符号を付し、詳しい説明を省略する。
データ記録手段12には高調波成分計算手段11によって取得された実測高調波成分計算結果15が記憶され、さらにデータベース17には、予め前述したように高調波正常と推定される高調波正常高調波成分16aの高調波正常パターン21aと、装置等の故障やその前兆となる高調波異常と推定される高調波成分(以下、高調波異常高調波成分と呼ぶ)16bのパターン(以下、高調波異常パターンと呼ぶ)21b(後記する図8参照)とが記憶されている。
高調波成分一致度計算手段13は、データ記録手段12に保存された実測高調波成分計算結果15と高調波正常高調波成分16aの高調波成分との高調波成分一致度18a、データ記録手段12に保存された実測高調波成分計算結果15と高調波異常高調波成分16bの高調波成分との高調波成分一致度18bとを計算する機能を有する。
高調波異常推定手段14は、高調波成分一致度18aが低い高調波正常パターン21aを高調波異常の可能性を示す高調波正常パターン21aと推定し、また高調波成分一致度18bが高い高調波異常パターン21bを高調波異常の可能性が高い高調波異常パターン21bと推定する。
高調波異常推定手段14は、高調波正常高調波成分16aの高調波成分一致度18aと高調波正常高調波成分16bの高調波成分一致度18bとから高調波異常を判定し、その判定結果を高調波異常推定結果20として出力する。
図4は本発明に係る電力品質評価システム1の第1の実施形態のさらに他の例を示す概略構成図である。図4は請求項3に対応する。
この電力品質評価システム1の構成は図2とほぼ同じであり、特に異なるところは、データ記録手段12を構成するデータベース17に記憶される高調波パターンの種類が異なることにある。従って、図4において、図2と同一または等価な部分には同一符号を付し、詳しい説明を省略する。
データ記録手段12には高調波成分計算手段11によって取得された実測高調波成分計算結果15が記憶され、さらにデータベース17には、予め前述したように高調波正常と推定される高調波正常高調波成分16aの高調波正常パターン21aと、装置等の故障やその前兆となる高調波異常と推定される高調波異常高調波成分16bの高調波異常パターン21bと、母線2に並列に負荷設備3が接続されている場合、それら負荷特有の高調波と推定される高調波成分(以下、負荷高調波成分と呼ぶ)16cのパターン(以下、高調波負荷パターンと呼ぶ)21cが記憶されている。
そこで、高調波成分一致度計算手段13としては、データ記録手段12に保存された実測高調波成分計算結果15と高調波正常高調波成分16aの高調波成分との高調波成分一致度18aと、同じくデータ記録手段12に保存された実測高調波成分計算結果15と高調波異常高調波成分16bの高調波成分との高調波成分一致度18bと、同じくデータ記録手段12に保存された実測高調波成分計算結果15と負荷高調波成分16cとの高調波成分一致度18cとをそれぞれ計算する。
高調波異常推定手段14は、高調波成分一致度計算手段13で計算された高調波成分一致度18aの中から高調波成分一致度18aが低い高調波正常パターン21aを高調波異常の可能性を示す高調波正常パターン21aと推定し、また高調波成分一致度18bが高い高調波異常パターン21bを高調波異常の可能性が高い高調波異常パターン21bと推定し、さらに高調波成分一致度18cが高い高調波負荷パターン21cを負荷による高調波の影響の高い高調波負荷パターン21cと推定する。
すなわち、高調波異常推定手段14は、高調波正常パターン21aの高調波成分一致度18aと、高調波異常パターン21bの高調波成分一致度18bと、高調波負荷パターン21cの高調波成分一致度18cとから高調波異常を判定し、その判定結果を高調波異常推定結果20として出力する。
図5は、電気量の一例である例えば線間2相分の電圧波形例を説明する図である。
同図において、横軸は時間、縦軸は電圧を表わす。今、3相分の電圧をVa、Vb、Vcとすると、3相分の線間電圧はVab、Vbc、Vcaとなる。2相分の例では、線間電圧はVab、Vbcとなる。
次に、以上のような電力品質評価システム1の作用について説明する。
先ず、図6は本発明の全ての請求項に関係する高調波成分計算手段11を説明する図である。高調波成分計算手段11は、母線2と負荷設備3との間に設置される測定装置4から伝送系を通じて当該負荷設備3に供給される電圧、電流等の電気量5を取り込み、あるいは測定装置4から伝送系を通じて伝送されてくる電気量5を受信し、当該電気量5に含む基本電圧波に含まれる高調波の次数毎の成分を計算する。すなわち、高調波成分計算手段11は、高調波成分を各次数成分の和とみなし、次数毎の高調波成分を計算する。
高調波の次数毎の成分を計算する手法は、最も一般的に使用されている高速フーリェ変換(FFT:Fast Fourier Transformation)が知られているが、本実施の形態では、一例として図6に示す高速フーリェ変換機能を持つFFT処理部11aを用いて高調波成分の計算処理を実行する。
なお、高調波とは、基本波に重畳する基本波のn倍(nは2以上の整数)の周波数を持つ正弦波の集まりである。高調波を含む一般的な電気量の波形は、商用周波数を基本周波数とする基本波とこの基本周波数のn倍(周期は1/n)となる周波数を持つ各正弦波(高調波成分)との和で表わされる。以下、基本波を一次成分、周期が基本波の1/2(周波数は2倍)となる正弦波を2次成分、周期が基本波の1/3(周波数は3倍)となる正弦波を3次成分、以下同様に周期が基本波の1/n(周波数はn倍)となる正弦波をn次成分と称する。
ところで、以上のように図6に示す高速フーリェ変換機能を持つFFT処理部11aを用いる理由は次の通りである。
通常、商用周波数に高調波が入ると、商用周波数が歪んでいると呼ばれ、フーリェ変換等により高調波成分を求めているが、観測データ(測定データ)が機器の動作特性から離散的なサンプリングデータである場合があり得る。このようなサンプリングデータから高調波成分を求める場合、離散型フーリェ変換と呼ばれる手法を用いる必要がある。その点、高速フーリェ変換機能を持つFFT処理部11aは、離散型フーリェ変換を高速に解けるように工夫された変換手法であり、連続的または離散的なサンプリングデータの何れにも対応できる為である。
FFT処理部11aは、電気量5を波形分析し、当該電気量5に含まれる次数毎の高調波成分を取り出す。
図7は、線間2相分の電圧波形について、高調波成分計算手段11で計算された実測高調波成分結果の一例を示す図であって、FFT処理部11aを用いて、高調波次数毎の高調波成分を計算した例である。同図の例は、Vab,Vbcの高調波含有率を示すもので、横軸には高調波の次数、縦軸には高調波含有率を表わしている。
ここで、高調波含有率は、高調波の次数毎に計算されるもので、下式で表わされる。
高調波含有率(次数)=高調波の大きさ(次数)÷基本波の大きさ ……(1)
前述したように、データベース17には前述したように高調波正常パターン21aの高調波正常高調波成分16a、高調波異常パターン21bの高調波異常高調波成分16b及び高調波負荷パターン21cの負荷高調波成分16cが蓄積されているが、高調波異常高調波成分16bとしては、例えば図8に示すような複数の次数成分及びそれら各次数成分の大きさ(高調波含有率)からなる高調波異常パターン21bで表わされ、それぞれ高調波異常と推定される次数成分の組み合わせで構成されるパターンに特徴を持っている。因みに、図8は、一例として3つの高調波異常パターン21bA、21bB、21bCを示している。
ところで、高調波異常は、機器や装置の故障だけでなく、これら機器や装置の故障の前兆となっている場合が多い。そのため、高調波異常データベース17には、故障の前兆となる次数成分の組み合わせ及び各次数成分の含有率からなる例えば3つの高調波異常パターン21bA、21bB、21bCが蓄積されている。
ここで、図8に示す高調波異常パターン21bの横軸は高調波の次数、縦軸は高調波含有率で表わしており、この高調波含有率は前述したように高調波の次数毎に式(1)で計算される。
図9は高調波成分一致度計算手段13(13a,13cを含む。以下、同じ)の機能ブロック及び処理内容を説明する図である。
高調波成分一致度計算手段13は、実測高調波成分計算結果15の合計が1となるように規格化する処理を実行する規格化計算処理部13aと、この規格化計算処理部13aで得られた実測高調波成分計算結果15の規格化結果(規格化した値)とデータベース17に格納される高調波異常高調波成分16b毎に高調波成分の合計が1となるように規格化した値との一致度を計算する一致度計算処理部13bとが設けられている。
高調波成分一致度計算手段13は、実測高調波成分計算結果15を受け取ると、規格化計算処理部13aが規格化処理を実行し、実測高調波成分計算結果15に含む各次数の高調波成分の合計が1になるように規格化する。
規格化に際しては、次の式(2)を用いて、規格化後のj次(jは2以上の自然数)の成分を算出する。
規格化後のj次の成分=規格化前j次の高調波成分/規格化前の高調波成分の合計値
……(2)
図10は高調波成分の規格化を説明する図である。
高調波成分としては、データベース17の高調波異常高調波成分16bの最大次数と、実測高調波成分計算結果15の高調波成分の最大次数とが一致していない場合がある。例えば、実測高調波成分計算結果15の高調波成分の最大次数が25次まであるが、高調波異常高調波成分16bの最大次数が例えば20次までしかない場合がある。このようなとき、両者の次数のうち低い次数、すなわち,最大次数の低い高調波異常高調波成分16bの最大次数20次に一致させ、両者とも20次までの高調波成分を抽出し規格化する。その結果、前記式(2)の分母は規格化前の高調波成分の20次までの合計値となる。
一致度計算処理部13bは、実測高調波成分計算結果15の規格後の値(以下、規格化実測高調波成分計算結果22と呼ぶ。図11(a)参照)と、データベース17に格納される高調波異常高調波成分16bの規格後の値(以下、規格化高調波異常高調波成分23と呼ぶ。図11(b)参照)との差分の絶対値を次数ごとに取り、式(3)のように合計値(以下、規格化差分合計値24と呼ぶ)を計算する。
規格化差分合計値24=|規格化後の2次の成分(実測高調波成分計算結果15)−規格化後の2次の成分(高調波異常高調波成分16b)|+|規格化後の3次の成分(実測高調波成分計算結果15)−規格化後の3次の成分(高調波異常高調波成分16b)|+ …… +|規格化後のn次の成分(実測高調波成分計算結果15)−規格化後のn次の成分(高調波異常高調波成分16b)|
=|2次の成分(規格化実測高調波成分計算結果22)−2次の成分(規格化高調波異常高調波成分23)|+|3次の成分(規格化実測高調波成分計算結果22)−3次の成分(規格化高調波異常高調波成分23)|+ …… +|n次の成分(規格化実測高調波成分計算結果22)−n次の成分(規格化高調波異常高調波成分23)|
……(3)
この式(3)から、規格化実測高調波成分計算結果22と規格化高調波異常高調波成分23が完全に一致している場合、規格化差分合計値24はゼロとなる。
図11は、規格化実測高調波成分計算結果22と規格化高調波異常高調波成分23とが完全に一致している例を示す図である。すなわち、一致度計算処理部13Bは、式(3)に基づき、規格化実測高調波成分計算結果22と規格化高調波異常高調波成分23とが完全に一致している場合、規格化差分合計値24がゼロとなる。
一方、式(3)に基づき、規格化実測高調波成分計算結果22と規格化高調波異常高調波成分23とが完全に一致してない場合、規格化実測高調波成分計算結果22の合計値と、規格化高調波異常高調波成分23の合計値がそれぞれ1であることから、規格化差分合計値24は2となる。例えば、図12に示すように、3次、5次の高調波成分を含む規格化実測高調波成分計算結果22と、7次、9次の高調波成分を含む規格化高調波異常高調波成分23との場合、各次数が完全不一致となる。しかし、両者とも規格化されているので、それぞれ複数次数の合計値は1となる。その結果、規格化差分絶対値の合計値24は2となる。
図13は、規格化実測高調波成分計算結果22と規格化高調波異常高調波成分23とが一部一致している例を示す図である。この例は、5次の高調波成分が一致しているが、他の次数の高調波成分は一致していない。このような場合、規格化実測高調波成分計算結果22の合計値1のうち、一致していない3次の高調波成分をもつ規格化実測高調波成分計算結果22が0.6であり、規格化高調波異常高調波成分23の合計値1のうち、一致していない7次の高調波成分をもつ規格化高調波異常高調波成分22が0.6である。その結果、規格化差分絶対値の合計値24は、0.6+0.6=1.2となる。
以上のように規格化実測高調波成分計算結果22と規格化高調波異常高調波成分23の一致の度合いは、全く一致していない場合から全く一致している場合までは、規格化差分絶対値の合計値24は2(全く一致していない場合)から0(全く一致している場合)までの中間値で表されることが分かる。
図14は、規格化実測高調波成分計算結果22と規格化高調波異常高調波成分23との一致度の程度と規格化差合計値24との関係を示す図である。この図から明らかなように、完全一致の規格化差分合計値24は0、完全不一致の規格化差分合計値24は2となり、部分的に一致しているときはその中間の値となることを表わしている。
ここで、高調波成分一致度18b(18a,18cを含む)の定義について考える。
今、規格化実測高調波成分計算結果22と規格化高調波異常高調波成分23が完全に一致している場合を100%、全く一致していない場合を−100%、これら中間を0%にすれば、理解し易くなる。
そこで、図15に示す高調波成分一致度18bと規格化差分合計値24との間の変換式は、式(4)で表わせる。その結果、式(4)で計算された結果が高調波成分一致度18(18a、18cを含む)と定義できる。
高調波成分一致度18(18a,18b,18c)=(1−規格化差分合計値24)×100(%) ……(4)
すなわち、請求項1に対応する実施の形態における高調波成分一致度計算手段13では、高調波正常高調波成分16aごとに、実測高調波成分計算結果15との高調波成分一致度18aを式(4)によって計算し、高調波異常推定手段14に渡す。請求項2に対応する実施の形態における高調波成分一致度計算手段13では、高調波異常高調波成分16bごとに、実測高調波成分計算結果15との高調波成分一致度18bを式(4)によって計算し、高調波異常推定手段14に渡す。請求項3に対応する実施の形態における高調波成分一致度計算手段13では、負荷高調波成分16cごとに、実測高調波成分計算結果15との高調波成分一致度18cを式(4)によって計算し、高調波異常推定手段14に渡す。
そこで、請求項1に対応する実施の形態における高調波異常推定手段14では、高調波成分一致度計算手段13から受け取った高調波正常高調波成分16aごとの高調波成分一致度18aをもとに、請求項2に対応する実施の形態における高調波異常推定手段14では、高調波成分一致度計算手段13から受け取った高調波異常高調波成分16bごとの高調波成分一致度18bを加え、請求項3に対応する実施の形態における高調波異常推定手段14では、高調波成分一致度計算手段13から受け取った負荷高調波成分16cごとの高調波成分一致度18cを加え、高調波異常を推定する。
図16は高調波異常推定手段14の機能ブロック及び処理内容を説明する図である。
高調波異常推定手段14は一致度並び替え処理部14aと高調波異常抽出部14bとで構成される。
一致度並び替え処理部14aは、各請求項の実施の形態ごとに次のような処理を行う。
高調波異常高調波成分16の高調波成分一致度18(18a,18b,18c)をもとに、請求項1に対応する実施の形態では高調波正常高調波成分16aを、請求項2に対応する実施の形態では高調波異常高調波成分16bを加え、請求項3に対応する実施の形態では負荷高調波成分16cを加えて、それぞれ並び替えを実施する。例えば高調波成分一致度18の高いものから順に並び替える。
高調波異常抽出部14bは、各請求項の実施の形態ごとに次のような処理を行う。
請求項1に対応する実施の形態の高調波異常抽出部14bは、高調波成分一致度18aの高いものから順に並び替えた高調波正常高調波成分16aをもつ高調波正常パターン21aの高調波成分一致度18aが低い場合、高調波異常と推定されるパターン21aを抽出し、高調波異常推定結果20として出力する。
次に、請求項2に対応する実施の形態の高調波異常抽出部14は、高調波成分一致度18aの高いものから順に並び替えた高調波正常高調波成分16aをもつ高調波正常パターン21aの高調波成分一致度18aと、高調波成分一致度18bの高いものから順に並び替えた高調波異常高調波成分16bをもつ高調波異常パターン21bの高調波成分一致度18bとを比較し、高調波異常パターン21bの高調波成分一致度18bの方が相対的に高いと高調波異常と推定し、当該高調波異常と推定される高調波異常パターン21bを抽出し、高調波異常推定結果20として出力する。
さらに、請求項3に対応する実施の形態の高調波異常抽出部14bは、高調波成分一致度18aの高いものから順に並び替えた高調波正常高調波成分16aをもつ高調波正常パターン21aの高調波成分一致度18aと、高調波成分一致度18bの高いものから順に並び替えた高調波異常高調波成分16bをもつ高調波異常パターン21bの高調波成分一致度18bと、高調波成分一致度18cの高いものから順に並び替えた負荷高調波成分16cをもつ高調波負荷パターン21cの高調波成分一致度18cとを比較し、高調波異常パターン21bの高調波成分一致度18bの方が相対的に高いと高調波異常と推定し、当該高調波異常と推定される高調波異常パターン21bを抽出し、高調波異常推定結果20として出力する。
図17(a)は高調波成分一致度18aと高調波正常高調波成分16aとの関係を説明する図である。
高調波正常高調波成分16aに対応する高調波正常パターン21aを、高調波成分一致度18aの高いものから順に左側から並べていくと、図17(a)に示すように高調波成分一致度18aが100%から−100%の間に収まり、左側にあるほど高調波正常として高いと考えられる。
よって、高調波異常推定手段14の高調波異常抽出部14bでは、高調波異常抽出しきい値25を設定し、高調波成分一致度18aが高調波異常抽出しきい値25より低い高調波正常高調波成分16aをもつ高調波正常パターン21aを高調波異常として抽出することができる。
図17(b)は高調波成分一致度18bと高調波異常高調波成分16bとの関係を説明する図である。
高調波異常高調波成分16bに対応する高調波異常パターン21bを、高調波成分一致度18bの高いものから順に左側から並べていくと、図17(b)に示すように高調波成分一致度18bが100%から−100%の間に収まり、左側にあるほど高調波異常として高いと考えられる。
よって、高調波異常推定手段14bの高調波異常抽出部14bでは、高調波異常抽出しきい値25を設定し、高調波成分一致度18bが高調波異常抽出しきい値25より高い高調波異常高調波成分16bをもつ高調波異常パターン21bを高調波異常として抽出することができる。
なお、高調波異常抽出しきい値25としては、実験の積み重ねや経験等を通して電力の品質に影響を与える可能性を考慮しつつ、高調波正常パターン21a,高調波異常パターン21bごとに異なる値を用いてもよい。
従って、高調波異常抽出部14bは、図17(b)において高調波異常抽出しきい値25より上側に存在する高調波異常高調波成分16bを高調波異常推定結果20として出力する。
図18(a)は高調波成分一致度18(18a,18b,18c)と高調波正常パターン21a、高調波異常パターン21b、高調波負荷パターン21cとの表示例を示す図である。同図において縦軸が高調波成分一致度18、横軸が高調波成分一致度18と各パターン21a〜21cとの関係を表す。
この図18(a)では、高調波正常パターン21aが高調波異常抽出しきい値25の上側に存在し、また高調波負荷パターン21cが高調波正常パターン21aの下側にあり、高調波異常パターン21bが高調波異常抽出しきい値25の下側にあるが、当該高調波異常パターン21bの高調波は負荷高調波の影響を受けているので、正常であり故障はないと判断できる。つまり、母線2に接続される負荷設備3が近くの他の負荷設備であるパソコンや回転機などの影響を受けて異常となる成分の高調波が発生していると考えられる。
一方、図18(b)では、高調波異常パターン21bが高調波異常抽出しきい値25の上側に存在し、高調波正常パターン21aが高調波異常抽出しきい値25の下側にあるが、高調波異常パターン21bが高調波正常パターン21aや高調波負荷パターン21cの上側にあることから、その高調波異常パターン21bの高調波は、異常であり故障の可能性があると判断できる。
従って、以上のような実施の形態によれば、電力系統から伝送系を介して電力の供給を受ける需要家の電圧、電流等の電気量を収集し、電力品質の一つである高調波成分を取り出し、これら実測高調波成分と予め記憶される高調波正常高調波成分16a、高調波異常高調波成分16b、負荷高調波成分16cとの一致度を計算し、各高調波成分16a〜16cの一致度と高調波異常抽出しきい値25とから電力品質を評価するので、何れの高調波の異常パターンにより電力品質の評価を悪化させているかを確実、かつ正確に推定することができる。
また、高調波成分一致度計算手段13(13a,13b,13c)は、一致度を計算し、一致度の高い順番に並べて表示可能とするので、各異常パターン21a〜21cを見やすく並べて表示でき、何れの高調波の異常パターン21a〜21cが最も電力品質に影響を与えているか容易に把握できる。
(第2の実施の形態:請求項5に対応)
図19は、電力品質評価システム1の一つの構成要素である高調波異常推定手段14に代えて、結果表示制御手段31を設けた構成図である。これら高調波異常推定手段14(14a,14b,14c)及び結果表示制御手段31は、広義には高調波異常出力手段に相当するものである。
以下、図4に示す構成に結果表示制御手段31を設けた例について説明するが、図2,図3に示す構成に結果表示制御手段31を設けてもよい。
すなわち、この電力品質評価システム1は、図4に示す高調波成分計算手段11、データ記録手段12及び高調波成分一致度計算手段13の他に、高調波成分一致度計算手段13の出力側に新たに結果表示制御手段31を設けた構成である。
高調波成分一致度計算手段13は、各高調波正常パターン21a、各高調波異常パターン21b、各高調波負荷パターン21cの高調波成分一致度18cを計算し、例えばデータ記録手段12の所定の記憶領域に記憶するとともに、結果表示制御手段31に送出する。
結果表示制御手段31は、高調波成分一致度計算手段13から出力される各高調波異常パターン21a〜21c毎の高調波成分一致度18a〜18cを表示装置32に表示するとともに、一定時間毎に高調波成分計算手段11に戻り、各構成手段11,13,31による処理を繰り返し実行する。その結果、データ記録手段12の所定の記憶領域には、所要とする期間(例えば24時間)にわたって各時間毎の各高調波正常パターン21a、各高調波異常パターン21b、各高調波負荷パターン21c毎の高調波成分一致度18cがそれぞれ時系列的に記憶される。
図20は、結果表示制御手段31によって高調波異常パターン21aA、21aB、高調波異常パターン21b、高調波負荷パターン21cA、21cB毎の高調波成分一致度18cの表示例を示す図である。縦軸は高調波成分一致度18c、横軸は時間である。
図20の例は、一日24時間分の表示例である。すなわち、高調波成分一致度計算手段13は、高調波正常パターン21aとして、高調波異常パターン21aA、21aB、高調波負荷パターン21cとして、高調波負荷パターン21cA、21cB、高調波異常パターン21bの高調波成分一致度18cを一日24時間分にわたって時系列的に蓄積し、結果表示制御手段31にて表示した例である。
この実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏する他、所要とする期間にわたって各時間毎の各高調波異常パターン21a〜21c毎の高調波成分一致度18a〜18cの変化を表示できるので、各高調波異常パターン21a〜21cの時間的な変化の推移を把握でき、特定の高調波異常パターン21a〜21cが何れの時間帯に大きく異常となることを判断することができる。
(第3の実施の形態:請求項6に対応)
図21は本発明に係る電力品質評価システム1の第3の実施形態を示す概略構成図である。
この実施の形態は、電力品質評価システム1の1つの構成要素である高調波成分計算手段11の代わりに、測定装置4で測定された電気量5に含む電流の方向を計算する機能(図22参照)を付加した高調波成分計算手段11Aを設けた構成である。また、この例では、データベース17に装置等の故障やその前兆となる高調波異常と推定される高調波成分16bの高調波異常パターン21bを格納しているが、図2〜図4に示すように高調波正常パターン21a、高調波異常パターン21b及び高調波負荷パターン21cを格納した構成でもよい。
その他の構成は図2〜図4と同様であるので、同一の機能部分には添字a,b,cを付さずに、単にデータ記録手段を12、高調波成分一致度計算手段を13、高調波異常推定手段を14として説明する。第4の実施の形態以降においても同様である。
高調波成分計算手段11Aは、図22に示すように、FFT処理部11aと電流方向計算処理部11bとで構成される。電流方向計算処理部11bは、ある次数の高調波であるk次(kは2以上n以下を満たす自然数)の高調波電圧の方向と高調波電流の方向とが同方向か逆方向かを電圧ベクトルと電流ベクトルとの位相差から判断し、電流の向きも含めて実測高調波成分計算結果15として、例えばデータ記録手段12に記憶するものである。これにより、図21に示す高調波異常推定手段14としては、例えば高調波異常発生源となる装置、機器からの電流の向きまで高調波異常推定結果20として出力でき、また表示装置32に表示することができる。
図23は電流方向計算処理部11bが行う高調波電流の方向(電流ベクトル)の計算の一例を説明する図である。
ある次数nの高調波電圧の電圧ベクトル33、ある次数nの高調波電流の電流ベクトル34とすると、電圧ベクトル33からみた電流ベクトル34の遅れ、進みが90度以内であれば、電流ベクトル34は電圧ベクトル33と向きが同方向とする。逆に、電流ベクトル34の遅れ、進みが90度を超えていれば、電流ベクトル34は電圧ベクトル33と向きが逆方向とする。
図23の例は、電圧ベクトル33に対し、電流ベクトル34A、電流ベクトル34Bは同方向、電流ベクトル34C、電流ベクトル34Dは逆方向である。
従って、以上のような電流方向計算処理部11bを追加し、高調波次数毎に高調波電流の方向を判断することにより、前述した実施の形態の効果の他、高調波電流の方向から、装置等の故障やその前兆となる高調波異常を発生する装置(高調波異常発生源)の方向を見つけ出し、表示することができる。つまり、高調波の異常がどちらの方向にあるかについても判断できる。
従って、この実施の形態によれば、第1,2の実施の形態の電力品質評価システム1と比較し、高調波異常推定結果の精度をより向上させることができる。
(第4の実施の形態:請求項7に対応)
図24は本発明に係る電力品質評価システム1の第4の実施形態を示す概略構成図である。
この実施の形態は、上位電力系統から母線2に至る送電線6A、母線2から負荷設備3Bに接続される下位の電力系統となる送電線6B及び母線2から負荷設備3Cに接続される下位の電力系統である送電線6Cにそれぞれ個別に測定装置4A、4B、4Cを設置し、各測定装置4A、4B、4Cからそれぞれ伝送系7A、7B、7Cを介して電気量(電圧、電流)5A、5B、5Cを電力品質評価システム1に取り込み、電力品質の評価を行う構成である。
電力品質評価システム1は、各測定装置4A、4B、4Cで測定された電気量5A、5B、5Cに基づき、図2〜図4,図19,図21の高調波成分計算手段11,11aで順次各送電線6A、6B、6Cを流れる例えば電流の高調波成分を計算し、実測高調波成分計算結果15を取得し、データ記録手段12に格納していく。また、高調波成分一致度計算手段13は、各実測高調波成分計算結果15と高調波異常高調波成分16bとの高調波成分一致度18bを計算する。そして、高調波異常推定手段14が各実測高調波成分計算結果15の高調波成分一致度18bに基づき、各送電線6A、6B、6Cを流れる電流の高調波異常推定結果20A、20B、20Cを出力する。
その結果、高調波異常推定手段14からは、送電線6Aに流れる高調波異常の要因となる高調波異常パターン21bと向きをもった高調波異常推定結果20A、送電線6Bに流れる高調波異常の要因となる高調波異常パターン21bと向きをもった高調波異常推定結果20B、送電線6Cに流れる高調波異常の要因となる高調波異常パターン21bと向きをもった高調波異常推定結果20Cを出力できる。
図25は、図24に示す各測定装置4A、4B、4Cから取得された電気量5A、5B、5Cから、高調波異常発生源を特定する方法を説明する高調波発生源と高調波電流との関係を示す図である。
今、例えば負荷設備3Bに高調波異常発生源が存在していると仮定すれば、当該高調波異常発生源の影響を受けて高調波電流36Bが送電線6B、母線2、送電線6Aを通って上位電力系統に流れ込むか、送電線6Cを通って負荷設備3Cに流れ込むことになる。
このとき、電力品質評価システム1は、各測定装置4A、4B、4Cを通じて前述するように各送電線6A、6B、6Cを流れる高調波電流の向きを取得しているので、高調波成分一致度18の他に、これら送電線6A、送電線6B、送電線6Cの高調波電流の向きに基づき、高調波異常発生源が負荷設備3Bであることが推定できる。
すなわち、電力品質評価システム1の高調波成分計算手段11AがFFT処理部11aにより高調波成分を計算する一方、電流方向計算処理部11bにより高調波異常発生源から流れる高調波電流36の向きを含む実測高調波成分計算結果15を取り出す。
高調波成分一致度計算手段13は、高調波電流36の向きを含む実測高調波成分計算結果15と高調波電流36の向きを含む高調波異常高調波成分16bとの一致度を計算した後に高調波異常推定手段14に渡す。その結果、高調波異常推定手段14は、一致度の高い高調波異常の要因となる高調波パターン21bが分かるので、高調波異常の要因となる高調波パターン21bをもつ高調波異常発生源を特定することができる。
例えば、高調波電流36Bの高調波異常の要因となる高調波パターン21bがインバータ付きモータの故障である場合、インバータ付きモータから発生した高調波異常が、送電線6B、母線2、送電線6Aを通って上位電力系統に流れ込み、また送電線6Cを通って負荷設備3Cに流れ込んでいることが分かる。
従って、以上のような実施の形態によれば、複数の測定装置4A、4B、4Cで測定される電気量に含む各高調波電流36A、36B、36Cの方向から、高調波異常の要因となる高調波異常パターン21bをもつ高調波異常発生源を容易に特定することができる。
(第5の実施の形態:請求項7に対応)
図26は本発明に係る電力品質評価システム1の第5の実施形態を示す概略構成図である。
この電力品質評価システム1は、図24や図25に示すように複数の送電線6A〜6Cにそれぞれ測定装置4A〜4Cが設置されていることを前提とし、特に高調波異常推定手段14が図27に示すように論理的な条件判定に従って高調波異常発生源を特定するものである。
すなわち、電力品質評価システム1としては、高調波成分計算手段11,11A、高調波成分一致計算手段13及び高調波異常推定手段14を備え、各測定装置4A、4B、4Cから電気量5A、5B、5Cを取り込み、高調波異常推定手段14にて高調波異常推定結果20ないし高調波異常要因となる高調波異常パターン21bをもつ高調波異常発生源を特定し、高調波異常発生源推定結果37として出力する。
図27は高調波異常推定手段14による高調波異常発生源判定(特定)ロジック38を説明する図である。
この高調波異常発生源判定ロジック38には、高調波異常発生源が一箇所の場合の高調波異常発生源判定ロジック38Aと、高調波異常発生源が複数箇所の場合の高調波異常発生源判定ロジック38Bとに分けられ、各判定ロジック38A、38Bに基づいて判定し、高調波異常発生源を特定する。
因みに、例えば高調波異常発生源判定ロジック38Aは、高調波異常発生源が上位電力系統側であるとする判定ロジックと高調波異常発生源が負荷設備3Bであるとする判定ロジックと高調波異常発生源が負荷設備3Cであるとする判定ロジックとに分けられ、それぞれ条件が規定されている。
(第6の実施の形態:請求項8に対応)
図28は本発明に係る電力品質評価システム1の第6の実施形態を示す概略構成図である。
この実施の形態における電力品質評価システム1は、高調波成分計算手段11,11A、データ記録手段12、高調波成分一致度計算手段13及び高調波異常推定手段14,14Aの他、新たにアラーム発生手段40を設けた構成である。
アラーム発生手段40は、高調波異常推定手段14,14Aによって高調波異常発生源が特定されるが、その中でも高調波の程度が大きいとか、高い高調波成分一致度18bを有する、いわゆる発生原因となる高調波異常発生源をもつ負荷設備3や電力エネルギー系を集中管理する中央監視制御センター41に対し、特定された高調波異常発生源が高調波異常状態であることのアラーム42あるいは特定の高周波異常パターン21bであることのアラーム42を送出する。
図29はアラーム発生手段40によるアラーム42のアラーム伝送系を説明する図である。
電力品質評価システム1は、各負荷設備3B、3Cとの間にアラーム42を伝送するアラーム伝送系43B、43Cを接続し、また中央監視制御センター41との間にも同様にアラーム伝送系43Dを接続する。そして、アラーム発生手段40が、高調波異常推定手段14,14Aによって高調波異常発生源として特定され、その高調波の程度が大きいとか、高調波成分一致度18が高いとき、アラーム伝送系43を介して高調波発生原因となっている高調波異常発生源に高調波異常状態であることのアラーム42あるいは特定の高周波異常パターン21bであことのアラーム42を通知する。
なお、高調波の程度は、式(5)による総合ひずみ率が良く用いられる。
総合ひずみ率=高調波分のみの実効値÷実効値 ……(5)
例えば、高調波異常推定手段14,14Aによって高調波異常発生源が負荷設備3Bであると特定されたとき、アラーム発生手段40は、アラーム伝送系43Bを介して負荷設備3Bに対し、負荷設備3Bが高調波異常状態であることのアラーム42あるいは特定の高周波異常パターン21bであることのアラーム42を通知する。
また、アラーム発生手段40は、アラーム伝送系43Dを介して中央監視制御センター41に対し、負荷設備3Bが高調波異常状態であることのアラーム42あるいは特定の高周波異常パターン21bであることのアラーム42を通知する。
なお、アラーム発生手段40がアラーム42の発生する場合、図30に示す条件のもとにアラーム42を発生するようにしてもよい。例えば、予め高調波警戒レベルしきい値44及び一定の時間(アラーム発生時限値)45を設定し、式(5)で求めた総合ひずみ率が、高調波警戒レベルしきい値44を超え、かつ、一定の時間(アラーム発生時限値)45を経過したときのアンド条件を満たしたとき、負荷設備3Bが高調波異常状態であることのアラーム42を発生する。
あるいは、総合ひずみ率が高調波警戒レベルしきい値44を超え、かつ一定の時間(アラーム発生時限値)45を経過し、さらに図17に示すように、高調波成分一致度18が高調波異常抽出しきい値25を超えたときのアンド条件を満たしたとき、負荷設備3Bが高調波異常状態であることのアラーム42あるいはその高調波成分一致度18の高い高調波異常パターン21bを有するアラーム42を発生する。
次に、アラーム発生系の他の例について、図29及び図30を参照して説明する。
図31は、図28に示す構成に新たに制御指令発生手段46を設けた電力品質評価システム1の概略構成図である。請求項9に対応する。
この電力品質評価システム1は、高調波異常推定手段14,14Aの出力側にアラーム発生手段40と制御指令発生手段46とを備え、アラーム発生手段40は前述した要領でアラーム42を発生する。
一方、制御指令発生手段46は、ある負荷設備3が高調波異常発生源であると特定されたとき、その負荷設備3に対して停止等の制御指令47を送出する。
図32は制御指令発生手段46による制御指令47の伝送系を説明する図である。
この例は、電力品質評価システム1と各負荷設備3B、3Cとの間に新たに制御指令伝送系48B、48Cを接続し、例えば、高調波異常推定手段14,14Aによって高調波異常発生源が負荷設備3Bであると特定されたとき、アラーム発生手段40は、アラーム伝送系43Bを介して負荷設備3Bに対し、負荷設備3Bが高調波異常状態であることのアラーム42あるいは高周波異常パターン21を有するアラーム42を発生する。
一方、制御指令発生手段46は、高調波異常推定手段14,14Aによって例えば負荷設備3Bが高調波異常発生源として特定され、その高調波の程度が大きいとか、高調波成分一致度18が高いとき、その特定された負荷設備3に対し、制御指令伝送系48Bを介して停止を含む負荷低減に関する制御指令47を送出することにより、負荷設備3が異常に至らないようにする。
さらに、アラーム発生手段40は、アラーム伝送系43Dを介して中央監視制御センター41に対し、負荷設備3Bが高調波異常状態であることと、負荷設備3Bへ停止等の制御指令を送出したことのアラーム42を発生する。
なお、制御指令47の発生条件としては、図33に示すように新たに高調波危険レベルしきい値50及び一定の時間(制御指令発生時限値)51を設定し、式(5)で求めた総合ひずみ率が、高調波警戒レベルしきい値44を超えたとき、あるいは図17に示すように高調波成分一致度18が高調波異常抽出しきい値25を超えこととのアンド条件を満たしたとき、高調波異常状態となっている例えば負荷設備3Bにアラーム42を発生するが、さらに、総合ひずみ率が高調波の危険レベルを示す高調波危険レベルしきい値50を超え、かつその超えた時間が一定の時間(制御指令発生時限値)51を経過したとき、高調波異常状態となっている例えば負荷設備3Bに対して、動作停止や運転出力を低下させるなどの制御指令47を送出する。
従って、以上のような実施の形態によれば、上位電力系統から需要家に至る下位電力系統の複数箇所から電気量を取得し、電力品質の一つである高調波異常の発生要因と発生場所を推定し、高調波異常が警戒レベルにあることのアラームを発生するので、現場の監視要員は電力品質が悪化していることを把握でき、必要な対策を講じることが可能となる。
また、上位電力系統から需要家に至る下位電力系統の複数箇所から電気量を取得し、電力品質の一つである高調波異常の発生要因と発生場所を推定し、高調波異常の影響が危険な状態にあるとき、高調波異常の発生源に対して高調波異常の抑制を図るべき制御指令を送出するので、高調波異常による災害を未然に回避することができる。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、第3の実施の形態以降の実施の形態では、専ら高調波異常パターン21bを例に挙げて説明しているが、高調波正常パターン21aや高調波負荷パターン21cにも同様に適用するものである。
1…電力品質評価システム、3(3B,3C)…負荷設備、4(4A,4B,4C)…測定装置、5(5A,5B,5C)…電圧、電流等の電気量、6A,6B,6C…送電線、7A,7B,7C…伝送系、11…高調波成分計算手段、11a…FFT処理部、11b…電流方向計算処理部、12…データ記録手段、13…高調波成分一致度計算手段、13a…規格化計算処理部、13b…一致度計算処理部、14…高調波異常推定手段、14a…一致度並び替え処理部、14b…高調波異常抽出部、16a…高調波正常高調波成分、16b…高調波異常高調波成分、16c…負荷高調波成分、17…データベース、21a…高調波正常パターン、21b…高調波異常パターン、21c…高調波負荷パターン、31…結果表示制御手段、40…アラーム発生手段、41…中央監視制御センター、46…制御指令発生手段。

Claims (9)

  1. 電力系統から各種の装置,機器等で構成される負荷設備に供給される電圧、電流等の電気量を波形分析し高調波成分を計算する高調波成分計算手段と、
    前記負荷設備を構成する装置,機器などの正常時の複数の高調波正常高調波成分の高調波正常パターンを記憶する高調波正常データベースと、
    前記高調波成分計算手段で得られる実測高調波成分計算結果と前記高調波正常データベースに記憶される複数の高調波正常パターンの高調波正常高調波成分との高調波成分一致度を計算する高調波成分一致度計算手段と、
    この高調波成分一致度計算手段で算出された各高調波成分一致度の中から当該高調波成分一致度が低い高調波正常パターンを、前記負荷設備に含まれる装置,機器などの高調波異常の可能性を示す高調波正常パターンと推定し、出力または表示する高調波異常出力手段と
    を備えたことを特徴とする電力品質評価システム。
  2. 電力系統から各種の装置,機器等で構成される負荷設備に供給される電圧、電流等の電気量を波形分析し高調波成分を計算する高調波成分計算手段と、
    前記負荷設備を構成する装置,機器などの正常時の複数の高調波正常高調波成分の高調波正常パターンと、前記負荷設備を構成する装置,機器などの故障や当該故障の前兆となる高調波異常と推定される複数の高調波異常高調波成分の高調波異常パターンとを記憶するデータベースと、
    前記高調波成分計算手段で得られる実測高調波成分計算結果と前記データベースに記憶される複数の高調波正常パターンの高調波正常高調波成分との第1の高調波成分一致度と、前記実測高調波成分計算結果と前記データベースに記憶される複数の高調波異常パターンの高調波異常高調波成分との第2の高調波成分一致度と、前記実測高調波成分計算結果と前記データベースに記憶される複数の高調波負荷パターンの負荷高調波成分との第3の高調波成分一致度とを計算する高調波成分一致度計算手段と、
    前記高調波正常高調波成分の第1の高調波成分一致度と前記高調波異常高調波成分の第2の高調波成分一致度とから高調波異常を推定し、出力または表示する高調波異常出力手段と
    を備えたことを特徴とする電力品質評価システム。
  3. 電力系統から各種の装置,機器等で構成される負荷設備に供給される電圧、電流等の電気量を波形分析し高調波成分を計算する高調波成分計算手段と、
    前記負荷設備を構成する装置,機器などの正常時の複数の高調波正常高調波成分の高調波正常パターンと、前記負荷設備を構成する装置,機器などの故障や当該故障の前兆となる高調波異常と推定される複数の高調波異常高調波成分の高調波異常パターンと、前記電力系統に接続される複数の負荷設備特有の高調波と推定される負荷高調波成分の高調波負荷パターンとを記憶するデータベースと、
    前記高調波成分計算手段で得られる実測高調波成分計算結果と前記データベースに記憶される複数の高調波正常パターンの高調波正常高調波成分との第1の高調波成分一致度と、前記実測高調波成分計算結果と前記データベースに記憶される複数の高調波異常パターンの高調波異常高調波成分との第2の高調波成分一致度と、前記実測高調波成分計算結果と前記データベースに記憶される複数の高調波負荷パターンの負荷高調波成分との第3の高調波成分一致度とを計算する高調波成分一致度計算手段と、
    前記高調波正常高調波成分の第1の高調波成分一致度と、前記高調波異常高調波成分の第2の高調波成分一致度と、前記負荷高調波成分の第3の高調波成分一致度とから高調波異常を推定し、出力または表示する高調波異常出力手段と
    を備えたことを特徴とする電力品質評価システム。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の電力品質評価システムにおいて、
    前記高調波異常出力手段は、前記高調波正常高調波成分をもつ高調波正常パターン、前記高調波異常高調波成分をもつ高調波異常パターン、前記負荷高調波成分をもつ高調波負荷パターンのうち、1種類以上の高調波パターンについて、高調波成分一致度の高い高調波パターンから低い高調波パターンの順に表示することを特徴とする電力品質評価システム。
  5. 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の電力品質評価システムにおいて、
    前記高調波異常出力手段に代えて結果表示制御手段を設け、予め定めた時間間隔ごとに前記高調波パターンの高調波成分一致度を計算し、この計算された高調波成分一致度と前記高調波パターンとを一定期間に亘って時系列的に表示することを特徴とする電力品質評価システム。
  6. 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の電力品質評価システムにおいて、
    前記高調波成分計算手段は、高調波電流の方向を計算する電流方向計算処理手段を有し、
    この電流方向計算処理手段は、高調波次数毎に高調波電圧の方向と高調波電流の方向とから高調波電流の方向を計算し、この計算された高調波電流の方向から前記装置、機器等の故障やその前兆となる高調波異常を発生する高調波異常発生源の方向を求めて出力し、表示することを特徴とする電力品質評価システム。
  7. 請求項6に記載の電力品質評価システムにおいて、
    上位電力系統から下位電力系統に至る複数の観測点から複数の負荷設備に供給される電圧、電流等の電気量を測定し、この測定された電気量から前記複数の観測点の高調波電流の方向を計算し、故障や当該故障の前兆となる高調波異常を発生する高調波異常発生源となる特定の前記負荷設備の位置を特定することを特徴とする電力品質評価システム。
  8. 請求項7に記載の電力品質評価システムにおいて、
    前記観測点ごとの歪み率を計算し、この歪み率が予め定めた高調波警戒レベルしきい値を超えたとき、前記高調波異常発生源となる特定の前記負荷設備に注意喚起情報を送出するアラーム発生手段を設けたことを特徴とする電力品質評価システム。
  9. 請求項8に記載の電力品質評価システムにおいて、
    前記観測点ごとの歪み率を計算し、この歪み率が前記高調波警戒レベルしきい値よりも大きな予め定めた高調波危険レベルしきい値を超えたとき、前記高調波異常発生源となる特定の前記負荷設備に動作遮断や出力調整等の制御指令を送出する制御指令発生手段を設けたことを特徴とする電力品質評価システム。
JP2009059731A 2009-03-12 2009-03-12 電力品質評価システム Expired - Fee Related JP5491751B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009059731A JP5491751B2 (ja) 2009-03-12 2009-03-12 電力品質評価システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009059731A JP5491751B2 (ja) 2009-03-12 2009-03-12 電力品質評価システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010213545A true JP2010213545A (ja) 2010-09-24
JP5491751B2 JP5491751B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=42973109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009059731A Expired - Fee Related JP5491751B2 (ja) 2009-03-12 2009-03-12 電力品質評価システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5491751B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012105501A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電力系統システムおよび電力系統システムの監視制御方法
JP2019221097A (ja) * 2018-06-22 2019-12-26 株式会社日立製作所 電力系統運用支援装置および方法、並びに振動抑制システム
WO2022203107A1 (ko) * 2021-03-26 2022-09-29 옴니시스템 주식회사 음압 컨테이너 전력 공급 시스템 및 전력 공급 방법
CN115343579A (zh) * 2022-10-20 2022-11-15 国网四川省电力公司电力科学研究院 一种电网故障分析方法、装置及电子设备

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002199579A (ja) * 2000-12-28 2002-07-12 Tokyo Electric Power Co Inc:The 配電系統の監視方法
JP2004112325A (ja) * 2002-09-18 2004-04-08 Chubu Electric Power Co Inc 通信装置の障害検出方法及び装置
JP2006050732A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Chubu Electric Power Co Inc 監視装置及び監視方法
JP2008191108A (ja) * 2007-02-07 2008-08-21 Toshiba Corp 電力品質評価システム
JP2008236876A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Toshiba Corp 電力品質評価システム
JP2010029003A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Toshiba Corp 電力品質評価システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002199579A (ja) * 2000-12-28 2002-07-12 Tokyo Electric Power Co Inc:The 配電系統の監視方法
JP2004112325A (ja) * 2002-09-18 2004-04-08 Chubu Electric Power Co Inc 通信装置の障害検出方法及び装置
JP2006050732A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Chubu Electric Power Co Inc 監視装置及び監視方法
JP2008191108A (ja) * 2007-02-07 2008-08-21 Toshiba Corp 電力品質評価システム
JP2008236876A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Toshiba Corp 電力品質評価システム
JP2010029003A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Toshiba Corp 電力品質評価システム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012105501A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電力系統システムおよび電力系統システムの監視制御方法
JP2019221097A (ja) * 2018-06-22 2019-12-26 株式会社日立製作所 電力系統運用支援装置および方法、並びに振動抑制システム
JP7038011B2 (ja) 2018-06-22 2022-03-17 株式会社日立製作所 電力系統運用支援装置および方法、並びに振動抑制システム
WO2022203107A1 (ko) * 2021-03-26 2022-09-29 옴니시스템 주식회사 음압 컨테이너 전력 공급 시스템 및 전력 공급 방법
KR20220134729A (ko) * 2021-03-26 2022-10-05 옴니시스템 주식회사 음압 컨테이너 전력 공급 시스템 및 전력 공급 방법
KR102560880B1 (ko) * 2021-03-26 2023-07-31 옴니시스템 주식회사 음압 컨테이너 전력 공급 시스템 및 전력 공급 방법
CN115343579A (zh) * 2022-10-20 2022-11-15 国网四川省电力公司电力科学研究院 一种电网故障分析方法、装置及电子设备
CN115343579B (zh) * 2022-10-20 2023-01-10 国网四川省电力公司电力科学研究院 一种电网故障分析方法、装置及电子设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP5491751B2 (ja) 2014-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4937205B2 (ja) 電力品質評価システム
JP7139122B2 (ja) 電気的シグネチャ解析に基づく機械の監視と診断のための自律的手順
JP4751278B2 (ja) 電力品質監視システムと方法
US20130275813A1 (en) Method and system for use in condition monitoring
von Meier et al. Every moment counts: synchrophasors for distribution networks with variable resources
JP4802129B2 (ja) 電力品質評価システム
JP5491751B2 (ja) 電力品質評価システム
US9413173B2 (en) Power conversion device, control device for power conversion device, and control method for power conversion device
JP5418219B2 (ja) 高圧絶縁監視装置
KR101144276B1 (ko) 전력 품질 모니터링 시스템 및 그 방법
JP5665250B2 (ja) 電力品質評価システム
US20120077527A1 (en) Network event identification and method of operation
CN114252694A (zh) 用于监测电气系统中的能量相关数据的系统和方法
JP5395509B2 (ja) 電力品質評価システム
Guo et al. Evidence-based approach to power transmission risk assessment with component failure risk analysis
Stewart et al. Phasor Measurements for DistributionSystem Applications
US20140350873A1 (en) Method for generating a signal indicating an oscillation in an electrical energy supply network
CN109884436A (zh) 电力电容器成套装置在线监测方法
US20180024203A1 (en) Detection of electric power system anomalies in streaming measurements
Cho et al. A waveform distortion evaluation method based on a simple half-cycle RMS calculation
JP5932880B2 (ja) 装置故障評価装置
JP2011122853A (ja) 装置故障評価システム
de Melo et al. Power Quality Monitoring using Synchronized Phasor Measurements: An approach based on hardware-in-the-loop simulations
EP3531526A1 (en) Estimation of electrical grid parameters
Chappa et al. Reactive power loss based voltage instability detection using synchrophasor technology

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131127

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20131205

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20131212

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20131219

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20131226

TRDD Decision of grant or rejection written
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140109

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140228

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5491751

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees