JP2010212044A - ニッケル−カドミウム蓄電池の製造方法 - Google Patents

ニッケル−カドミウム蓄電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水酸化ニッケルの結晶性を適正な範囲に維持して正極の膨化を抑制し、高容量で内圧の上昇を抑制可能なニッケル−カドミウム蓄電池を提供する。
【解決手段】本発明は、水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.61°以上で、かつ(100)面の半価幅が0.49°以下である水酸化ニッケルからなる正極活物質が芯体11aに塗布された正極11と負極12とセパレータ13とからなる電極群を電解液とともに外装缶14内に挿入し、外装缶14を密封して電池を組み立てる電池組立工程と、組み立てられた電池に初期充放電を施す初期充放電工程と、正極11における水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.60°以下で、かつ(100)面の半価幅が0.50°以上となるように初期充放電後の電池にエージングを施すエージング工程とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ニッケル正極とカドミウム負極とセパレータとからなる電極群をアルカリ電解液とともに外装缶内に備えたニッケル−カドミウム蓄電池の製造方法に関する。
ニッケル−カドミウム蓄電池に使用される水酸化ニッケルを正極活物質とするニッケル正極は、電池の高エネルギー密度化の要望が高まる中で、従来の焼結式に代えて、高エネルギー密度化が可能なペースト式が主流となっている。そして、このようなペースト式ニッケル正極を備えたニッケル−カドミウム蓄電池においては、正極容量よりも負極容量を大きくして充電リザーブを確保し、連続充電時の水素ガスの発生を防ぐとともに連続充電時に発生する酸素ガスを負極で吸収されるようになされている。
ところで、ペースト式ニッケル正極の正極活物質である水酸化ニッケルの充放電中の反応は、一般的には、充電時には、価数が2価の水酸化ニッケル(β−Ni(OH)2)が価数が3価のオキシ水酸化ニッケル(β−NiOOH)になり、放電時には、価数が3価のオキシ水酸化ニッケル(β−NiOOH)が価数が2価の水酸化ニッケル(β−Ni(OH)2)になる可逆反応を利用している。これは一電子反応であるが、最も安定な反応であり、汎用されている。これを2価の水酸化ニッケル(β−Ni(OH)2)とガンマ型オキシ水酸化ニッケル(γ−NiOOH)との間の反応を利用して多電子反応にすると、容量が増加するという利点がある。
しかしながら、2価の水酸化ニッケル(β−Ni(OH)2)とガンマ型オキシ水酸化ニッケル(γ−NiOOH)の格子定数差により充放電時の体積変化が大きいという問題が生じて、ペースト式ニッケル正極の膨化が引き起こされるという事態が生じるようになる。このようなペースト式ニッケル正極の膨化が引き起こされると、セパレータが極度に圧迫されるようになる。この結果、セパレータの通気度が低下するようになって、負極への酸素ガスの透過が阻害されるようになり、電池内圧が上昇するという問題が生じるようになる。
そこで、ペースト式ニッケル正極の膨化を防止する手法として、正極活物質である水酸化ニッケルに亜鉛やカドミウムなどを固溶させる手法が、例えば、特許文献1(特開平2−30061号公報)等で提案されている。また、正極活物質である水酸化ニッケルに亜鉛やカドミウムなどを固溶させるとともに、水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅を0.5°〜1.0°に規制することが、特許文献2(特開平4−349353号公報)にて提案されている。
特開平2−030061号公報 特開平4−349353号公報
ところが、上述した特許文献1にて提案されるように、正極活物質である水酸化ニッケルに亜鉛やカドミウムなどを固溶させても、ペースト式ニッケル正極の膨化抑制効果を十分に発揮できなく、セパレータの通気度が低下するようになって電池内圧が上昇するという問題を生じた。また、上述した特許文献2にて提案されるように、水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅を0.5°〜1.0°に規制すると、初期充放電前の水酸化ニッケルの結晶性が高くて正極での反応抵抗が増加するため、連続充電時のガンマ型オキシ水酸化ニッケル(γ−NiOOH)の生成は抑制できるが、逆に電池容量が低下するという新たな問題が生じることとなる。
そこで、本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、水酸化ニッケルの結晶性を適正な範囲に規制して正極の膨化や反応抵抗の増加を抑制できるようにして、電池内圧の上昇を抑制できかつ高容量なニッケル−カドミウム蓄電池を提供できるようにすることを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明のニッケル正極とカドミウム負極とセパレータとからなる電極群をアルカリ電解液とともに外装缶内に備えたニッケル−カドミウム蓄電池の製造方法においては、水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.61°以上で、かつ(100)面の半価幅が0.49°以下である水酸化ニッケルからなる正極活物質が電極基板に塗布されたニッケル正極とカドミウム負極とセパレータとからなる電極群をアルカリ電解液とともに外装缶内に挿入し、該外装缶を密封して電池を組み立てる電池組立工程と、組み立てられた電池に初期充放電を施す初期充放電工程と、ニッケル正極における水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.60°以下で、かつ(100)面の半価幅が0.50°以上となるように初期充放電後の電池にエージングを施すエージング工程とを備えたことを特徴とする。
このように、X線回折ピーク(001)面の半価幅が0.61°以上で、かつ(100)面の半価幅が0.49°以下である水酸化ニッケル結晶を正極活物質とする初期充放電工程前のニッケル正極を備えたニッケル−カドミウム蓄電池に、X線回折ピーク(001)面の半価幅が0.60°以下で、かつ(100)面の半価幅が0.50°以上になるように初期充放電後にエージングを施すと、水酸化ニッケルの結晶性が適正な範囲に抑制されて、ガンマ型オキシ水酸化ニッケル(γ−NiOOH)の生成が抑制されるとともに、ニッケル正極での反応抵抗の増加も抑制できるようになる。
これにより、正極の膨化が抑制でき、正極膨化が引き起こすセパレータ圧縮によるセパレータ通気度の低下を抑制できるようになる。この結果、負極への酸素ガス透過量を損なうことなく電池内圧を低く維持することが可能になって、過充電時の電池内圧の上昇が抑制される。また、ニッケル正極での反応抵抗の増加も抑制できるようになるため、高容量のニッケル−カドミウム蓄電池を得ることが可能となる。この場合、エージング工程は、温度T(℃)が20℃以上、30℃以下(20℃≦T≦30℃)の温度雰囲気中に3週間以上放置することであるのが好ましい。
本発明においては、ニッケル−カドミウム蓄電池に初充放電後にエージングを施し、エージング後の水酸化ニッケルの結晶性を適正な範囲に抑制することでガンマ型オキシ水酸化ニッケル(γ−NiOOH)の生成を抑制して、過充電時の電池内圧の上昇が抑制されるとともに高容量のニッケル−カドミウム蓄電池を得ることが可能となる。
本発明のニッケル−カドミウム蓄電池を模式的に示す断面図である。
1.ニッケル活物質(水酸化ニッケル)
(1)実施例1
硫酸ニッケル水溶液を撹拌しながら、硝酸亜鉛水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを滴下させて徐々に反応させることによって、亜鉛が固溶された水酸化ニッケルを調製した。この場合、滴下する硝酸亜鉛水溶液の濃度を調整することによって、亜鉛の固溶量が5〜10質量%の範囲に入るように調製した。これと同時に、水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.68°で、かつ(100)面の半価幅が0.40°になるように反応溶液のpHおよび反応温度を調整し、実施例1のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)αを作製した。
(2)実施例2
同様に、硫酸ニッケル水溶液を撹拌しながら、硝酸亜鉛水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを滴下させて徐々に反応させることによって、亜鉛が固溶された水酸化ニッケルを調製した。この場合、滴下する硝酸亜鉛水溶液の濃度を調整することによって、亜鉛の固溶量が5〜10質量%の範囲に入るように調製した。これと同時に、水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.61°で、かつ(100)面の半価幅が0.49°になるように反応溶液のpHおよび反応温度を調整し、実施例2のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)βを作製した。
(3)比較例1
同様に、硫酸ニッケル水溶液を撹拌しながら、硝酸亜鉛水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを滴下させて徐々に反応させることによって、亜鉛が固溶された水酸化ニッケルを調製した。この場合、滴下する硝酸亜鉛水溶液の濃度を調整することによって、亜鉛の固溶量が5〜10質量%の範囲に入るように調製した。これと同時に、水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.68°で、かつ(100)面の半価幅が0.42°になるように反応溶液のpHおよび反応温度を調整し、比較例1のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)γを作製した。
(4)比較例2
同様に、硫酸ニッケル水溶液を撹拌しながら、硝酸亜鉛水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを滴下させて徐々に反応させることによって、亜鉛が固溶された水酸化ニッケルを調製した。この場合、滴下する硝酸亜鉛水溶液の濃度を調整することによって、亜鉛の固溶量が5〜10質量%の範囲に入るように調製した。これと同時に、水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.68°で、かつ(100)面の半価幅が0.20°になるように反応溶液のpHおよび反応温度を調整し、比較例2のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)δを作製した。
(5)比較例3
同様に、硫酸ニッケル水溶液を撹拌しながら、硝酸亜鉛水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを滴下させて徐々に反応させることによって、亜鉛が固溶された水酸化ニッケルを調製した。この場合、滴下する硝酸亜鉛水溶液の濃度を調整することによって、亜鉛の固溶量が5〜10質量%の範囲に入るように調製した。これと同時に、水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.56°で、かつ(100)面の半価幅が0.20°になるように反応溶液のpHおよび反応温度を調整し、比較例3のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)εを作製した。
(6)比較例4
同様に、硫酸ニッケル水溶液を撹拌しながら、硝酸亜鉛水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを滴下させて徐々に反応させることによって、亜鉛が固溶された水酸化ニッケルを調製した。この場合、滴下する硝酸亜鉛水溶液の濃度を調整することによって、亜鉛の固溶量が5〜10質量%の範囲に入るように調製した。これと同時に、水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.72°で、かつ(100)面の半価幅が0.53°になるように反応溶液のpHおよび反応温度を調整し、比較例4のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)ζを作製した。
2.ニッケル正極
ついで、上述のようにして作製された各ニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)α〜ζを用いて、以下のようにしてニッケル正極a〜fをそれぞれ作製した。この場合、得られた水酸化ニッケル(Ni(OH)2)粉末80質量%と、金属コバルト(Co)10質量%と、水酸化コバルト(Co(OH)2)10質量%とを混合して、混合活物質粉末とした。ついで、この混合活物質粉末100質量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)溶液を固形分量で2質量部と、ヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)を4.5質量部と、水を20質量部添加して、混合、混練して、正極活物質ペーストを調製した。
ついで、ニッケルメッキ鋼板に多数の開孔を形成したパンチングメタル(導電性芯体)を用意し、このパンチングメタルの両面に正極活物質ペーストを塗着した。この後、乾燥し、正極活物質が所定の充填密度になるように加圧力を加えながら圧延してペースト式ニッケル正極11(a〜f)を作製した。なお、この正極11の一方の端部(図1においては上端部)は導電性芯体11aが露出するようになされている。ここで、ニッケル活物質(水酸化ニッケル)αを用いたものをニッケル正極aとした。同様に、ニッケル活物質(水酸化ニッケル)βを用いたものをニッケル正極bとし、ニッケル活物質(水酸化ニッケル)γを用いたものをニッケル正極cとし、ニッケル活物質(水酸化ニッケル)δを用いたものをニッケル正極dとし、ニッケル活物質(水酸化ニッケル)εを用いたものをニッケル正極eとし、ニッケル活物質(水酸化ニッケル)ζを用いたものをニッケル正極fとした。
3.カドミウム負極
一方、酸化カドミウム粉末を80質量部と、金属カドミウム粉末を20質量部とを活物質として混合して混合カドミウム活物質とした。ついで、得られた混合カドミウム活物質100質量部に、ポリアミド繊維1質量部と、水和防止剤としてのリン酸水素ナトリウム1質量部と、有機高分子糊料としての2.5%ポリビニルアルコール(PVA)1質量部と、水30質量部とを混合して、カドミウムペーストとした。ついで、得られたカドミウムペーストをパンチングメタルよりなる導電性芯体の両面に塗布し、乾燥させた後、所定の厚み(例えば、0.60mm)になるまで圧延してカドミウム負極12を作製した。なお、この負極12の一方の端部(図1においては下端部)は導電性芯体12aが露出するようになされている。
4.ニッケル−カドミウム蓄電池
ついで、上述のように作製した各ニッケル正極11(a〜f)とカドミウム負極12とを用いて、これらの間にセパレータ13を介在させて渦巻状に巻回して渦巻状電極群をそれぞれ形成した。ついで、渦巻状電極群の上部に突出した導電性芯体11aに正極集電体11bを抵抗溶接するとともに、渦巻状電極群の下部に突出した導電性芯体12aに負極集電体12bを抵抗溶接して渦巻状電極体をそれぞれ作製した。ついで、鉄にニッケルメッキを施した有底円筒形の金属外装缶14内に渦巻状電極体を挿入した後、負極集電体12bと金属外装缶14の底部をスポット溶接した。
一方、蓋体15aと正極キャップ15bとからなる封口体15を用意し、正極集電体11bに設けられたリード部11cを蓋体15aの底部に溶接した。なお、蓋体15aと正極キャップ15bとからなる封口体15内には、弁体15cとこの弁体15cを付勢するスプリング15dからなる圧力弁が配置されている。この後、渦巻状電極群の上端面に防振リング17を挿入し、外装缶14の上部外周面に溝入れ加工を施して、防振リング17の上端部に環状溝部14aを形成した後、金属製外装缶14内にアルカリ電解液(例えば、水酸化リチウム(LiOH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を含有した8Nの水酸化カリウム(KOH)水溶液)を注液し、封口体15を封口ガスケット16を介して外装缶14の環状溝部14aに載置するとともに、外装缶14の先端部14bを封口体15側にカシメて封口して、公称容量が1500mAhでAサイズのニッケル−カドミウム蓄電池10(A〜F)をそれぞれ組み立てた。
なお、ニッケル正極aを用いたものをニッケル−カドミウム蓄電池Aとした。同様に、ニッケル正極bを用いたものをニッケル−カドミウム蓄電池Bとし、ニッケル正極cを用いたものをニッケル−カドミウム蓄電池Cとし、ニッケル正極dを用いたものをニッケル−カドミウム蓄電池Dとし、ニッケル正極eを用いたものをニッケル−カドミウム蓄電池Eとし、ニッケル正極fを用いたものをニッケル−カドミウム蓄電池Fとした。
5.エージング処理
ついで、上述のように作製した電池A〜Fをそれぞれ用い、これらの各電池A〜Fを以下のようにしてエージング処理を行った。この場合、電池A,B,D,E,Fにおいては、25℃の温度環境に3週間放置して、エージング処理を行い、電池Cにおいては、25℃の温度環境に1週間放置して、エージング処理を行った。このようなエージング処理を行った後、各電池A〜Fを解体して、ニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)を取り出し、エージング後のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造を求めると、下記の表1に示すような結果となった。
6.放電容量(mAh)および漏液発生率(%)の測定
ついで、上述のようにエージング処理を行った各電池A〜Fをそれぞれ用い、25℃の温度環境で、これらを0.1It(Itは定格容量(Ah)/1h(時間)で表される数値)の充電電流で16時間充電した後、0.2Itの放電電流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させて、放電時間から放電容量(mAh)を求めると、下記の表1に示すような結果となった。また、0℃の温度環境で、これらを0.2Itの充電電流で1週間連続充電した場合の漏液発生率(%)を求めると、下記の表1に示すような結果となった。
Figure 2010212044
上記表1の結果から明らかなように、電池Cにおいては漏液発生率が20%と高いことが分かる。これは、電池Cにおいては、エージング期間が1週間で、エージング処理後のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(001)面の半価幅が0.66°と大きいために結晶性が低く、ガンマ型オキシ水酸化ニッケル(γ−NiOOH)の生成が抑制できなくて漏液発生率が高くなったと考えられる。
また、電池Dにおいては電池容量が1455mAhで低下していることが分かる。これは、電池Dにおいては、初期充放電前のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(100)面の半価幅が0.20°と小さいために、エージング期間が3週間でも、エージング処理後のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(100)面の半価幅が0.30°と小さいために結晶性が高く、正極での反応抵抗の増加により電池容量が低下したと考えられる。
また、電池Eにおいては電池容量が1450mAhで低下していることが分かる。これは、電池Eにおいては、初期充放電前のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(001)面の半価幅が0.56°で、(100)面の半価幅が0.20°と小さいために、エージング期間が3週間でも、エージング処理後のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(001)面の半価幅が0°.50で、(100)面の半価幅が0.30°と小さいために結晶性が高く、正極での反応抵抗の増加により電池容量が低下したと考えられる。
さらに、電池Fにおいては漏液発生率が20%と高いことが分かる。これは、電池Fにおいては、初期充放電前のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(001)面の半価幅が0.72°で、(100)面の半価幅が0.53°と大きいために、エージング期間が3週間でも、エージング処理後のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(001)面の半価幅が0.66°と大きいために結晶性が低く、ガンマ型オキシ水酸化ニッケル(γ−NiOOH)の生成が抑制できなくて漏液発生率が高くなったと考えられる。
これらに対して、電池A,Bにおいては漏液発生率がなく、かつ電池容量の低下もなくて、電池内圧抑制と電池容量が両立されていることが分かる。これは、電池A,Bにおいては、初期充放電前のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(001)面の半価幅が0.68°および0.61°(0.61°以上)であるとともに、(100)面の半価幅が0.40°および0.49°(0.49°以下)である。そして、初期充放電後のエージングを3週間とすることで、エージング後のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(001)面の半価幅は0.60°および0.55°(0.60°以下)で、結晶性が高く、ガンマ型オキシ水酸化ニッケル(γ−NiOOH)の生成が抑制されて漏液の発生がなくなったと考えられる。また、エージング後のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(100)面の半価幅が0.50°および0.56°(0.50°以上)で、結晶性が低く、正極での反応抵抗の増加も抑制されて、電池容量の低下が抑制されたと考えられる。
以上のことから、初期充放電前のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(001)面の半価幅が0.61°以上で、(100)面の半価幅が0.49°以下であるとともに、エージング後のニッケル活物質(水酸化ニッケル:Ni(OH)2)の結晶構造は、(001)面の半価幅が0.60°以下で、(100)面の半価幅が0.50°以上であるのが好ましいということができる。
なお、上述した実施の形態のエージング工程においては、組み立てたニッケル−カドミウム蓄電池を25℃の温度環境に3週間放置する例について説明したが、エージング工程での温度環境T(℃)は25℃に限らず、20℃以上、30℃以下(20℃≦T≦30℃)の温度環境であれば、何度でもよい。
10…ニッケル−カドミウム蓄電池、11…ニッケル正極、11a…導電性芯体、11b…正極集電体、11c…リード部、12…カドミウム負極、12a…導電芯体、12b…負極集電体、13…セパレータ、14…金属製外装缶、14a…環状溝部、15…封口体、15a…蓋体、15b…正極キャップ、15c…弁体、15d…スプリング、16…封口ガスケット、17…防振リング

Claims (2)

  1. ニッケル正極とカドミウム負極とセパレータとからなる電極群をアルカリ電解液とともに外装缶内に備えたニッケル−カドミウム蓄電池の製造方法であって、
    水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.61°以上で、かつ(100)面の半価幅が0.49°以下である水酸化ニッケルからなる正極活物質が電極基板に塗布されたニッケル正極とカドミウム負極とセパレータとからなる電極群をアルカリ電解液とともに外装缶内に挿入し、該外装缶を密封して電池を組み立てる電池組立工程と、
    前記組み立てられた電池に初期充放電を施す初期充放電工程と、
    前記ニッケル正極における前記水酸化ニッケル結晶のX線回折ピーク(001)面の半価幅が0.60°以下で、かつ(100)面の半価幅が0.50°以上となるように前記初期充放電後の電池にエージングを施すエージング工程とを備えたことを特徴とするニッケル−カドミウム蓄電池の製造方法。
  2. 前記エージング工程は、温度T(℃)が20℃以上、30℃以下(20℃≦T≦30℃)の温度雰囲気中に3週間以上放置することであることを特徴とする請求項1に記載のニッケル−カドミウム蓄電池の製造方法。
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JP2017091887A (ja) * 2015-11-12 2017-05-25 トヨタ自動車株式会社 ニッケル系二次電池
CN111505502A (zh) * 2020-04-17 2020-08-07 北京航空航天大学 基于微观机理的时变循环工况下锂离子电池老化试验方法
CN111693882A (zh) * 2020-06-30 2020-09-22 厦门金龙联合汽车工业有限公司 一种换电电池健康状态的评价方法

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