JP2010211155A - 光ドロップケーブル - Google Patents

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Kazuhisa Matsumoto
和久 松本
Hisanori Nakai
久典 中居
Tomoyuki Nishio
友幸 西尾
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Abstract

【課題】セミ産卵に対する防御を効果的に行いながら、光ファイバ心線の取り出し作業を邪魔することなく、光ファイバ心線取り出し工事時間の短縮を図ることができるようにした光ドロップケーブルを提供する。
【解決手段】光ファイバ心線保護部が融着部とデュロメータ硬度が55〜70の熱可塑性樹脂で構成されたセミ産卵防御部とから一体として構成され、該融着部が外被のノッチ側に、セミ産卵防御部が光ファイバ心線側にそれぞれ独立して配置され、前記外被を一括押出被覆する時の熱によって前記融着部が前記外被に融着され、前記セミ産卵防御部は該融着部を介して前記外被に一体とされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、架空に敷設されている光ファイバケーブルから集合住宅内などへ引き込み配線するために使用される光ドロップケーブルに関する。
光ドロップケーブルとしては、光ファイバ心線の両側または片側に鋼線あるいはFRP(ガラス繊維強化プラスチック)からなる抗張力体を配置し、これらをポリエチレンなどの熱可塑性樹脂で一括被覆したもの、あるいは支持線を付加したものなどが知られている。更に、ケーブル部の外線の両側部の光ファイバ心線に対向する表面部分には外被引き裂き用のノッチを設けられる。
このような構造において、セミが産卵しようとしても光ファイバ心線が損傷又は断線に至らない光ファイバケーブル構成とすることが求められる。
特許文献1および特許文献2には、このような光ドロップケーブルであって、光ファイバテープ心線の両側位置に硬度の高いセミ産卵保護材を配置することが提案されている。
特開2007−72379号公報 特開2007−72380号公報
特許文献1に記載された構造によれば確かにセミ産卵に対して効果が期待できるが、光ファイバ心線の分岐作業を行うに際してこのセミ産卵保護材が光ファイバ心線を防御する形体となって光ファイバ心線を取り出すのに取り出しずらく、光ファイバ心線を痛めないように慎重作業が求められ、接続工事時間の短縮には限界がある。
本発明は、かかる点に鑑みてセミ産卵に対する防御を効果的に行いながら、光ファイバ心線の取り出し作業を邪魔することなく、光ファイバ心線取り出し工事時間の短縮を図ることができるようにした光ドロップケーブルを提供することを目的とする。
本発明は、光ファイバ心線を1本または複数本集合し、その外被の内部に熱可塑性樹脂で形成した光ファイバ心線保護部を設け、前記光ファイバ心線を中心にその両側に間隔を置いて配置された抗張力体を備え、外被の対向する両側側面にノッチが形成された光ドロップケーブルにおいて、
前記光ファイバ心線保護部は、融着部と、デュロメータ硬度が55〜70の熱可塑性樹脂で構成されたセミ産卵防御部とから一体として構成され、該融着部が前記外被のノッチ側に、セミ産卵防御部が前記光ファイバ心線側にそれぞれ独立して配置され、前記外被を一括押出被覆する時の熱によって前記融着部が前記外被に融着され、前記セミ産卵防御部は該融着部を介して前記外被に一体とされること
を特徴とする光ドロップケーブルを提供する。
本発明は、また、前記外被には融点の高い熱可塑性樹脂が用いられ、前記融着部には融点の低い熱可塑性樹脂が用いられることを特徴とする光ドロップケーブルを提供する。
本発明はまた、前記外被には高密度のポリエチレンが用いられ、前記融着部には低密度のポリエチレンが用いられることを特徴とする光ドロップケーブルを提供する。
本発明はまた、前記外被の両側側面に形成されたノッチは光ファイバ心線から遠ざかるようにしてずらされて、かつ前記融着部の先端部に近づけた位置に形成されることを特徴とする光ドロップケーブルを提供する。
本発明はまた、光ファイバ心線保護部は、平板状の複合部材として形成されることを特徴とする光ドロップケーブルを提供する。
本発明は、上述のように、光ファイバ心線保護部が、融着部と硬度が高いセミ産卵防御部とから構成され、セミ産卵防御部は融着部を介して外被に一体とされるために、外被の一部を接続工事作業のために取り除く場合、外被と共にセミ産卵防御部を一緒に取り除くことができ、光ファイバ心線の取り出しに何等の障害を与えないので、光ファイバ心線取り出し作業を迅速に行い得ることとなる。
本発明の実施例の構成を示す図。 光ファイバ心線保護部の構成を示す図。 本発明の他の実施例の構成を示す図。
以下、本発明の1実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例の光ドロップケーブルの構成を示す図である。
図1において、光ドロップケーブル1は、光ファイバ心線3(3A、3B)を複数本集合した光ファイバユニット2と、光ファイバユニット2を中心にその両側に間隔を置いて配置された抗張力体(テンションメンバ)、5(5A、5B)これらの外周に一括押出被覆された外被6によって構成される。図1に示す場合に、光ドロップケーブル1は、更にくびれた接続部(首部)7を介して一体構成の支持線外被8および支持線外被8によって被覆された鋼線などの支持線9を備えている。そして、外被6には、その両側に、ファイバユニット2に対向する形で両側に引き裂き用のノッチ11(11A、11B)が設けられる。外被6は熱可塑性樹脂を一括押出で形成される。外被6の内部には、光ファイバ心線保護部4が設けられる。
図1に示す例は支持線9および支持線外被8を備えているが、本実施例はこれらの支持線9および支持線8を備えていない光ドロップケーブルについても適用可能である。
光ファイバ心線保護部4の拡大図を図2に示す。図2に示すように、光ファイバ心線保護部4は、融着部41とこれに一体とされたセミ産卵防御部42とから形成される。融着部41およびセミ産卵防御部42は、好ましくは平板状に構成され、予め一体化される。
外被6および光ファイバ心線保護部4は、共に熱可塑性樹脂によって構成される。外被6を構成する熱可塑性樹脂は、外被6を押出被覆する際に溶融する材料であれば特に限定されないが、機械的強度が大きく、また難燃性を有するものであることが好ましい。
外被6を構成する熱可塑性樹脂としては、具体的には、難燃剤や充填剤などの添加剤を配合した高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン系熱可塑性樹脂などが使用されるが、本実施例では高密度ポリエチレンを用いている。
光ファイバ心線保護部4を構成する融着部41には、低密度のポリエチレンが好ましく用いられる。具体的には、外被6に用いた熱可塑性樹脂に比べて融点が低い上述したポリオレフィン系熱可塑性樹脂が使用される。
光ファイバ心線保護部4を構成するセミ産卵防御部42は、具体的には、デュロメータ硬度(ショアD)が55〜70の熱可塑性樹脂で構成され、望ましくは硬度65〜70の熱可塑性樹脂が使用される。本実施例ではセミ産卵防御部42の材料としてナイロンを用いている。他の材料としては、例えばPETなど上記硬度を満足する熱可塑性樹脂が好適である。
本実施例では、融着部41の厚みは0.1mm、セミ産卵防御部42の厚みは0.2mmで、融着部41とセミ産卵防御部42が一体とされた光ファイバ心線保護部4の幅は、0.8mmとなっている。前記セミ産卵防御部42の幅は、光ファイバ心線数の増加に伴ってファイバ心線数全体の幅の1.5〜2倍の範囲で設定すると好ましい。
図2に示すように、光ファイバ心線保護部4は、融着部41とセミ産卵防御部42が一体とされた複合部材として構成される。このように構成された光ファイバ心線保護部4は、図1において光ファイバ心線3の左右側方の両側にそれぞれ独立して配置される。上下側にはセミ産卵対策上、光ファイバ心線3の取り出し上、配置を要しない。このように配置された光ファイバ心線保護部4、は外被6の一括押出被覆する時の熱によって融着部41が外被6に融着する。
外被6と融着部41とは一体に融着し、これに伴なって外被6と光ファイバ心線保護部4は一体のものとなる。接続工事作業のために光ファイバ心線3を取り出す際に、外被6の一部が切り裂かれた時に、光ファイバ心線保護部4は融着部41によって外被6に一体になっているためにセミ産卵防御部42も一体となって剥れ、光ファイバ心線3の取り出しを良好に行うことができる。
図3は他の案になる実施例を示し、先の実施例と同一の構成については同一の番号が付いてあり、説明は先述した内容を採用する。
図3に示す例にあっても、構成は先の実施例と実質的に同一であるが、この例にあっては、ノッチ11(11A,11B)の位置を先例とは変えている。先例にあっては、ノッチ11は光ファイバ心線3の真横の側方に設けているが、図3に示す例にあっては、ノッチ11A,11Bを上下方向に左右でわずかにずらした構成としている。このようなノッチ位置とすることによって、外被6の切り裂きの方向が融着部41の上部あるいは下部になって切り裂きを確実、容易に行い得るようになる。
このように外被6の両側側面に形成されたノッチ41,42は光ファイバ心線3から遠ざかるようにずらされて、かつ融着部41の先端部に近づけた位置に形成される。また、光ファイバ心線保護部4は、平板状の複合部材として形成され、製造および取り扱いが容易な構造とされる。
1…光ドロップケーブル、2…光ファイバユニット、3、3A、3B…光ファイバ心線、4…光ファイバ心線保護部、5…抗張力体(テンションメンバ)、6…外被、41…融着部、42…セミ産卵防御部。

Claims (5)

  1. 光ファイバ心線を1本または複数本集合し、その外被の内部に熱可塑性樹脂で形成した光ファイバ心線保護部を設け、前記光ファイバ心線を中心にその両側に間隔を置いて配置された抗張力体を備え、外被の対向する両側側面にノッチが形成された光ドロップケーブルにおいて、
    前記光ファイバ心線保護部は、融着部と、デュロメータ硬度が55〜70の熱可塑性樹脂で構成されたセミ産卵防御部とから一体として構成され、該融着部が前記外被のノッチ側に、セミ産卵防御部が前記光ファイバ心線側にそれぞれ独立して配置され、前記外被を一括押出被覆する時の熱によって前記融着部が前記外被に融着され、前記セミ産卵防御部は該融着部を介して前記外被に一体とされること
    を特徴とする光ドロップケーブル。
  2. 請求項1において、前記外被には融点の高い熱可塑性樹脂が用いられ、前記融着部には融点の低い熱可塑性樹脂が用いられることを特徴とする光ドロップケーブル。
  3. 請求項1において、前記外被には高密度のポリエチレンが用いられ、前記融着テープ部には低密度のポリエチレンが用いられることを特徴とする光ドロップケーブル。
  4. 請求項1において、前記外被の両側側面に形成されたノッチは光ファイバ心線から遠ざかるようにしてずらされて、かつ前記融着部の先端部に近づけた位置に形成されることを特徴とする光ドロップケーブル。
  5. 請求項1において、光ファイバ心線保護部は、平板状の複合部材として形成されることを特徴とする光ドロップケーブル。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006113219A (ja) * 2004-10-13 2006-04-27 Fujikura Ltd 自己支持型引込用光ケーブル
JP2007148181A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバケーブル

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