JP2010210031A - 変速装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セレクト方向に移動可能かつ回転可能にシフトシャフト50に嵌挿されるとともにスプライン溝が形成されたセレクトシフト用歯車72を備え、シフトシャフト50を、複数の筒状部材61a〜61dを同軸上に配置して構成し、複数の筒状部材61a〜61dの一端部にアーム部65a〜65dを形成するとともに、他端部にセレクトシフト用歯車72の係合歯と係合するスプライン溝を形成し、セレクトシフト用歯車72は、セレクト方向に移動して所定の筒状部材61a〜61dをセレクトし、回転して筒状部材61a〜61dと係合し筒状部材61a〜61dを選択的に回転駆動させることで、アーム部65a〜65dをシフト方向に移動させる。
【選択図】図2
Description
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、セレクト作動時間を短縮して、迅速な変速を可能とする機械式の変速装置を提供することにある。
また、請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、筒状部材の他端部は径方向外方に延びて鍔部が形成され、該鍔部の先端に係合部が形成されることを特徴とする。
また、本発明の請求項2の変速装置によれば、シフト作動させた筒状部材から他の筒状部材へセレクトシフト用歯車をセレクト方向に移動させる際に、係合歯と係合部とが係止するようにセレクトシフト用歯車の回転角を調整する必要なく他の筒状部材と係合可能となる。したがって、変速時のセレクトシフト用歯車の作動を簡素化し、変速をより迅速にすることができる。
また、本発明の請求項4の変速装置によれば、簡単な構成により、筒状部材の係合部をセレクト方向に並べるように配置させることができる。
図1は、本発明を適用した前進6段後進1段のデュアルクラッチ式変速装置の変速機部1の模式図である。
図1に示すように、変速機部1は、2個のクラッチ2、3と、同軸上に配置された2個の主軸4、5と、2個の副軸6、7とを備えている。第1の主軸4は第1のクラッチ2を介して、エンジン8の出力軸9から動力が伝達される一方、第2の主軸5は第2のクラッチ3を介して出力軸9から動力が伝達されるよう構成されている。
図2は、シフトフォーク20〜23の作動機構の全体構成図である。図3はセレクトシフト用歯車の形状及びその接続状態を示す詳細構成図である。
本実施形態のシフトシャフト50は、中心軸60の廻りに4個の円筒部材61a〜61dが互いに回転可能に重ねられて構成されている。中心軸60の両端は、支持部材62、63に固定されている。円筒部材61a〜61dの下端は回転可能に支持部材62に支持されている。円筒部材61a〜61dの上端は中心軸に対して垂直に外方に拡径して鍔部64a〜64dが形成されている。鍔部64a〜64dの外周縁部には、上下方向に延びてスプライン溝(係合部)が形成されている。4つの鍔部64a〜64dの外径は互いに同径に形成されている。円筒部材61a〜61dには、夫々1つずつアーム部65a〜65dが設けられている。アーム部65a〜65dは、円筒部材61a〜61dの外壁から径方向外方に突出し、先端がシフトラグ40a〜40dの一対の押圧部41a〜41dの間に位置するように配置され、押圧部41a〜41dを前後方向に押すように円板状に形成されている。4つのアーム部65a〜65dは、4つのシフトラグ40a〜40dの押圧部41a〜41dの上下位置と各々一致するようにセレクト方向に離間して配置されている。最内部に位置する第1の円筒部材61aを除く円筒部材61b〜61dには、それより内部の円筒部材61a〜61cから突出したアーム部61a〜61cがシフト方向に移動可能なように、開口部67が設けられている。
減速機構71の出力ギヤ71aは、軸線がシフトシャフト50と平行になるように配置されており、シフトシャフト50の中心軸60と上部で相対して軸方向に延びるようにスプライン溝が形成されている。図3に示すように、セレクトシフト用歯車72は、円環板状に形成され、外周部72aに歯車の歯が形成されている。セレクトシフト用歯車72の外周部72aは減速機71の出力ギヤ71aと嵌合する一方、内周部72bには円筒部材61a〜61dの鍔部64a〜64dに設けられたスプライン溝と嵌合可能な係合歯が周方向に等間隔で4個形成されている。セレクトシフト用歯車72の内周部72bの係合歯は、隣合う円筒部材61a〜61dのスプライン溝に同時に嵌合できないように上下幅が狭く設定されている。なお、本実施形態のセレクトシフト用歯車72の内周部72bの係合歯は、全周に亘って設けられておらず歯数が4個になっているが、この歯数は特に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。また、筒状部材61a〜61dの鍔部64a〜64dのスプライン溝は、全周に亘って形成されているが、シフトストロークSsに対応した回転角が得られるようにすれば周方向の一部分に設けてもよい。本実施形態のようにスプライン溝を全周に亘って設ければ、シフトストロークSsが大きく設定されていても対応することができる。
図4に示すように、本実施形態では、更に、筒状部材61aの鍔部64aのスプライン溝のピッチ角θpをシフトラグのシフトストロークSsに対応して設定している。詳しくは、押圧部41aのシフト位置及びニュートラル位置でのアーム部65aの回転位置の間の回転角θsが、鍔部64a〜64dのスプライン溝のピッチ角θpと一致するように設定されている。また、他の筒状部材61b〜61dについても同様に、スプライン溝のピッチ角θpをシフトラグのシフトストロークSsに対応して設定している。
なお、上記実施形態では、筒状部材61a〜61dの鍔部64a〜64dに形成されたスプライン溝のピッチ角θpをシフトストロークSsに対応して設定しているが、セレクトシフト用歯車72にスプライン溝を設け、該スプライン溝のピッチ角をシフトストロークSsに対応して設定してもよい。
また、本実施例では、シフトラグ40a〜40dは、爪状に形成された一対の押圧部41a〜41dが設けられているとしたが、図5に示すように、シフトラグ40a‘〜40d’を一本の押圧部41a‘〜41d’を形成する柱状形状とし、アーム部65a‘〜65d’を二股形状として、その間に押圧部41a‘〜41d’を位置させるような構造としてもよい。
30a〜30d シフトレール
40a〜40d シフトラグ
20、21、22、23 シフトフォーク
50 シフトシャフト
61a〜61d 筒状部材
72 セレクトシフト用歯車
Claims (4)
- 径方向外方に突出したアーム部を備えるとともに、軸線がセレクト方向に延びて配置されたシフトシャフトと、
前記アーム部に押圧される押圧部を有し前記セレクト方向に複数個配列されたシフトラグと、
シフトレールを介して前記シフトラグと連結され変速段のシフト作動を行うシフトフォークと、を備え、
前記アーム部により前記押圧部を前記セレクト方向に対して垂直なシフト方向に押すことで前記シフトラグを前記シフト方向に移動させ、前記シフトレールを介して前記シフトフォークをシフト作動させる変速装置において、
前記セレクト方向に移動可能かつ回転可能に前記シフトシャフトに嵌挿されるとともに係合歯が形成されたセレクトシフト用歯車を備え、
前記シフトシャフトを、複数の筒状部材を同軸上に配置して構成し、
前記複数の筒状部材を、夫々の一端部に前記アーム部を形成するとともに、他端部に前記セレクトシフト用歯車の係合歯と係合する係合部を形成し、
前記セレクトシフト用歯車は、前記セレクト方向に移動して所定の筒状部材をセレクトし、回転して該筒状部材の係合部と係合し該筒状部材を選択的に回転駆動させ、該筒状部材に設けられた前記アーム部を前記シフト方向に移動して前記シフト作動させることを特徴とする変速装置。 - 夫々の前記筒状部材の係合部、または、セレクトシフト用歯車の係合歯は周方向に複数形成され、
前記複数の係合部または前記複数の係合歯のピッチ角は、所定の筒状部材を回転駆動させて前記シフトラグのシフト作動をさせた前記セレクトシフト用歯車が回転角を維持しつつ前記セレクト方向に移動することで他の筒状部材の係合部に係合歯が係合するように、前記シフトラグのシフトストロークに応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載の変速装置。 - 前記筒状部材の係合部、または、セレクトシフト用歯車の係合歯は、周方向全周に亘って形成されることを特徴とする請求項2に記載の変速装置。
- 前記筒状部材の他端部は径方向外方に延びて鍔部が形成され、該鍔部の先端に前記係合部が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の変速装置。
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