JP2010209626A - 玄関部布基礎の天端型枠 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の玄関部布基礎は、切り欠き口の上面が平面であるため、玄関ドアを取り付ける際に土間下地と玄関ドアの下枠や敷居受けなどとの間に隙間が生じ、隙間にモルタルを詰める手間がかかっていた。また、玄関ドアを設ける箇所が入り隅や出隅の場合、切り欠き口に直交する布基礎の一部を切り欠かなければ玄関ドアの下枠や縦枠を設置できないことがあり、布基礎の一部を削り取る手間がかかるだけでなく見た目が汚く修正に多大な時間を要する問題があった。
【解決手段】 布基礎型枠に設けることにより、玄関部布基礎の天端を低く且つ外方がより低い段差を成型する型枠であって、内方の底板にコンクリートを流し込む開口部を設けると共に、外方の底板側の側板上部から該開口部に架けて斜面板を設け、且つ両側方の少なくとも一方に該玄関部布基礎に直交する布基礎に食い込ませるスライド部を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、布基礎の型枠に設け玄関部の天端を成型する型枠に関するものである。
戸建て住宅においては、一般的に建物の基礎として間取りに応じた布基礎が構築されている。玄関部分には、床面より低い玄関土間が形成されて玄関ドアが設けられるため、玄関土間の出入り口部分の布基礎は低く構築して、その上に建物の外壁の一部として玄関ドアが納められる。
布基礎を部分的に低く構築するには、例えば、特許文献1に示すような切り欠き用アンカープレートを布基礎型枠に取り付けることによって行われている。このようなアンカープレートは、上部を布基礎型枠に固定し下部に支え材を架け渡して間隔を保持する構造である。これにより、布基礎型枠にコンクリートを打設すると、玄関部の切り欠き口が形成される。
特開平11−141123号
従来の切り欠き口形成方法では、切り欠き口の上面が平面に成型されることから、玄関ドアを取り付ける際に土間下地と玄関ドアの下枠や敷居受けなどとの間に隙間が生じる場合が多い。このため、従来ではこの隙間にモルタルを詰めて埋める必要があり、かなり手間のかかる作業となっていた。
また、玄関ドアを設ける箇所が入り隅や出隅の場合は、切り欠き口に直交する布基礎の一部を切り欠かなければ玄関ドアの下枠や縦枠を設置できないことがある。このような場合には、布基礎の一部を削り取る必要があり、手間がかかるだけでなく見た目が汚く修正に多大な時間を要する問題があった。
そこで本発明者は上記課題に鑑み鋭意研究した結果、本発明を成し得たものであり、その特徴とするところは、布基礎型枠に設けることにより、玄関部布基礎の天端を低く且つ外方がより低い段差を成型する型枠であって、内方の底板にコンクリートを流し込む開口部を設けると共に、外方の底板側の側板上部から該開口部に架けて斜面板を設け、且つ両側方の少なくとも一方に該玄関部布基礎に直交する布基礎に食い込ませるスライド部を設けたことにある。
本明細書中でいう「玄関部布基礎」とは、建物の基礎として構築される布基礎において、玄関を設ける部分をいう。玄関部は、廊下などの床面より低い玄関土間が形成され、出入り口にほぼ同じ高さレベルに玄関ドアや玄関ドアの袖パネルなどが取り付けられる。このため、玄関部の布基礎は低く構築される。本発明に係る型枠は、さらに底板に高低差を設けることにより外方側(家屋の外側)をより低くした段差を成型する構造としている。これは、外方側のより低くした箇所に玄関ドア等の下枠や敷居受けなどを設けるためであり、内方側(家屋の内側)の高い部分が敷居受けなどと玄関土間との間に介在し、隙間が生じないようにしてモルタル詰めの手間を省くことが目的である。
「開口部」とは、布基礎を構築するコンクリートを流し込むためのものであり、本発明型枠では内方側の底板に設けている。開口部の形状は特に限定するものではなく、長孔や複数の孔で構成する。
「斜面板」とは、外方の底板側の側板上部から開口部に架け渡した板状部材をいう。これは、外方側の底板が内方の底板より低い位置にあり、コンクリート打設時にコンクリートが外方の底板内に入り込まないようにするためである。この場合、斜面板の側方からコンクリートが入り込まないように封止しておくのが好ましい。
「スライド部」とは、本発明型枠を入り隅や出隅の布基礎の一部に食い込ませるための部材である。これは、入り隅や出隅に玄関を設ける場合、玄関部布基礎に直交する布基礎に玄関ドアの枠が干渉することがあり、布基礎の一部を削り取る手間が生じるためである。このため、型枠の少なくとも一方にスライド部を設け、これを引き延ばすことで布基礎構築時にその一部に欠き込みを設けることができる。
スライド部は、型枠と同様の断面形状であり、型枠の内部や外部にスライド可能に設ける。スライド部と型枠はネジなどの固定手段で固定するようにしてもよいが、固定手段を設けず布基礎の型枠に固定する際に両者を固定するようにしてもよい。
本発明に係る玄関部布基礎の天端型枠は、玄関ドアの敷居や敷居受けなどと玄関土間との間の隙間をなくすことができ、隙間にモルタルを充填する手間がかからない。そして、スライド部を設けたことにより、該スライド部を延ばして入り隅や出隅の布基礎に欠き込みを形成することができるため、玄関ドア設置時に布基礎の一部を削り取る作業を省くことも可能となる。このような作業は、手間が掛かるだけでなく型枠だけで綺麗に構築することができ、仕上げ作業も手間が掛からなくなるなど、実用上極めて有益な効果を有するものである。
本発明に係る玄関部布基礎の天端型枠の一実施例を示す斜視図である。(実施例1) (a)は本発明に係る玄関部布基礎の天端型枠を布基礎型枠に取り付けてコンクリートを打設した玄関部布基礎の縦断面図、(b)は玄関部布基礎に玄関ドアを取り付ける状態を示す縦断面図である。 (a)は玄関部布基礎を構築するために本発明に係る玄関部布基礎の天端型枠のスライド部を延ばした状態を示す平面図、(b)は(a)の玄関土間側から見た正面図である。(実施例2) 本発明に係る玄関部布基礎の天端型枠によって構築した玄関部布基礎の一例を示す斜視図である。
本発明に係る玄関部布基礎の天端型枠は、玄関部布基礎の天端を低く且つ外方がより低い段差を成型すると共に、両側方の少なくとも一方に該玄関部布基礎に直交する布基礎の一部に食い込ませるスライド部を設けることで、上記課題を解決した。
本発明に係る玄関部布基礎の天端型枠1は、布基礎2を構築する布基礎型枠3の上部に取り付けることによって、玄関部布基礎21の天端を成型するための型枠である。この天端型枠1は、図1に示すように上端部の長手方向両側に布基礎型枠3に固定するためのフランジ11を備え、各フランジ11から側板12を介して底板13を設けている。本発明に係る天端型枠1では、底板13に高低差を設けて玄関部布基礎21の天端を外方をより低くした段差を形成する構造としている。
内方の底板131にはコンクリートを打設するための開口部14を設けると共に、外方の底板132側の側板12上部から該開口部14に架けて斜面板15を設け、コンクリート打設時にコンクリートが外方側の底板132に入り込まないようにしている。また、天端型枠1の一方にスライド可能に設けたスライド部16を設け、長手方向の長さを調整できるようにしている。本例のスライド部16は、蝶ネジ161で外方側の底板132に固定している。
天端型枠1は、図2(a)に示すように布基礎型枠3の上部に取り付けることによって、玄関部布基礎21を構築する。玄関部には、同図(b)のようにコンクリートを打設したりコンクリートパネルを取り付けるなどの方法で玄関土間4が形成される。本発明天端型枠1で成型した玄関部布基礎21は、外方が内方より低い段差が形成されるため、玄関ドア5の敷居51を設ける敷居受け52を図のように外方側の低い方に設けることで、敷居受け52を玄関土間4から玄関部布基礎21へと隙間なく敷設することができる。これにより、玄関部布基礎21の天端がフラットな場合における敷居受け52と玄関土間4との間に隙間がなくなり、後工程でモルタル等を詰める手間が掛からなくなる。
玄関部布基礎21が図3(a)(b)のように入り隅(図の右側)と出隅(図の左側)となる場合には、スライド部15を延ばすことによって該玄関部布基礎21に直交する布基礎2の一部に食い込ませるように天端型枠1を設置する。このようにして構築した布基礎2は、図4のように布基礎2の一部が玄関部布基礎21の天端と同じように成型されることになる。従って、布基礎2の一部を破砕することなく玄関ドア5の敷居受け52などの枠の設置を極めて容易に行うことが可能となる。
1 玄関部布基礎の天端型枠
11 フランジ
12 側板
13 底板
131 内方側底板
132 外方側底板
14 開口部
15 斜面板
16 スライド部
161 蝶ネジ
2 布基礎
21 玄関部布基礎
3 布基礎型枠
4 玄関土間
5 玄関ドア
51 敷居
52 敷居受け

Claims (1)

  1. 布基礎型枠に設けることにより、玄関部布基礎の天端を低く且つ外方がより低い段差を成型する型枠であって、内方の底板にコンクリートを流し込む開口部を設けると共に、外方の底板側の側板上部から該開口部に架けて斜面板を設け、且つ両側方の少なくとも一方に該玄関部布基礎に直交する布基礎に食い込ませるスライド部を設けたことを特徴とする玄関部布基礎の天端型枠。
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