JP2010209406A - 金属のエッチング方法および金属板と半導体素子実装用支持基板 - Google Patents

金属のエッチング方法および金属板と半導体素子実装用支持基板 Download PDF

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Abstract

【課題】エッチング対象となる金属部材の厚さが厚くてもエッチング速度の低下を回避できると共に異方性を高くできる金属のエッチング方法を提供する。
【解決手段】この金属のエッチング方法によれば、エッチングにより銅基板2に形成される溝3が設定深さに達した濃度制御点6において、エッチング液4中に新液を補充してエッチング抑制被膜を形成するための薬液の濃度を1000ppmから500ppmへ低下させる。これにより、上記エッチングで形成される溝が濃度制御点6よりも深くなるとエッチング抑制被膜5の厚さが薄くなる。よって、エッチングによる溝が深くなってエッチング液4の液溜りにより液圧が溝底まで伝わり難くなったときにエッチング抑制被膜5の厚さを薄くでき、エッチング速度の安定化を図れると共に深さ方向へのサイドエッチング量の分布を均一化でき異方性を高くできる。
【選択図】図1B

Description

この発明は、異方性の高い溝加工を実現する金属の加工方法としてのエッチング方法およびこのエッチング方法を用いて加工された金属板と半導体素子実装用支持基板に関する。
携帯電話等の電子機器に使用されているプリント基板,ICのリードフレームなどの厚さ数10μmから数100μmの金属板材をなす部品などを製造する際には、フォトエッチング法が用いられている。
上述のフォトエッチング方法としては、コーン状、あるいはフラットコーン(扇)状に広がるノズルを用いる方法が広く実施されている。これはスプレーエッチングと呼ばれ、ポンプを用いて、上述のノズルからエッチング液を噴射し、エッチング液滴を金属の表面に吹き付ける。この金属の表面上には予めマスク層であるエッチングレジストがパターン形成されており、上記エッチングレジストで保護されていない領域の金属と上記エッチング液とが接触することで、上記金属がパターン加工される。
しかしながら、上述のエッチング方法においては、上記ノズルから上記金属にエッチング液を噴射すると、エッチング液の吹き付け方向に対して垂直な方向へのエッチング反応(サイドエッチング)が生じてしまう。すなわち、エッチングによって形成される加工溝に溜まったエッチング液によって、吹き付け方向に対して垂直の方向へもエッチングが進むことになっていた。
このため、エッチング対象物の厚さがパターン幅に比べて厚くなってくると、エッチング液の吹き付け方向へエッチングされる量に比べて、エッチング液の吹き付け方向に対して垂直な方向へエッチングされる量が相対的に大きくなってしまう。
また、ノズルにエッチング液を注入する圧力を高めるなどの調整を行った場合には、エッチング液の供給量が大きくなってしまう。すると、エッチング対象物の表面は常にエッチング液で満たされている状態となる。このことにより、エッチング液滴がエッチング対象物である金属の表面に効果的に作用することが困難になってくる。すなわち、上記金属の表面近傍にはエッチング液の疲労液成分が滞留し、エッチング液の新液成分は拡散によってだけ、エッチング対称物としての金属の表面に到達することになる。これにより、エッチング速度が遅くなるという問題がある。また、エッチング液の吹き付け方向へのエッチング速度と、エッチング液の吹き付け方向に対して垂直な方向へのエッチング速度とが同等となってしまうという問題がある。
上述のような問題に対して、サイドエッチングを抑える異方性エッチングを実現するために、エッチングにより形成されたキャビティ側壁にエッチング対象物である金属と反応して耐エッチング性被膜を形成させる薬液を添加する方法が提案されている。この薬液の具体例として、カルボニル基、カルボキシル基を含む化合物を500〜1000ppmの一定割合でエッチング液に添加することが開示されている(特許文献1(特開2003−306784号公報)参照)。
ところで、前述したスプレーエッチングによる加工ではエッチング対象物が等方的に加工されるので、スプレーの噴霧方向だけではなく、噴霧方向に対して垂直な方向にもエッチングが進む。しかも、このエッチングにより形成されるキャビティ断面形状が放物線形状をなす。
そして、特許文献1に記載の技術のように、エッチング液に耐エッチング被膜を形成させる薬液を添加してサイドエッチングを防止する方法では、サイドエッチングを抑制するために添加する薬液の濃度をある程度高くする必要がある。そして、深くエッチングするほどに液溜りにより液圧が底まで伝わりにくくなり、耐エッチング被膜の剥離が難しくなってエッチング速度が低下するという問題がある。
一方で、LEDのような半導体素子を実装する用途で用いられる金属基板では、半導体素子が発する熱を逃がすために、金属基板の放熱性を高める必要があり、そのためには金属基板の厚さを厚くすることが効果的である。
しかしながら、特許文献1に記載のエッチング方法では、前述の如く、厚い金属基板ではエッチング速度が低下するので、厚い金属基板の加工には適さない。さらに、マスクの直下では設計値の通りの線幅となるが、エッチングの目的深さまで設計値に近い形状(線幅)とするは難しいので、エッチング対象物を基板として使用する場合などのように、精度と深さが要求されるようなエッチング加工においては課題が残る。
特開2003−306784号公報
そこで、この発明の課題は、エッチング対象となる金属部材の厚さが厚くてもエッチング速度の低下を回避できると共に異方性を高くできる金属のエッチング方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の金属のエッチング方法は、金属部材の表面に所望のパターンのエッチングレジストを形成し、
上記エッチングレジストをマスクとして、上記金属部材と反応して上記金属部材にエッチング抑制被膜を形成する薬液を添加したエッチング液を上記金属部材に吹き付けて上記金属部材をエッチングし、
上記エッチングにより上記金属部材に形成される溝が深くなって行くのに応じて、上記金属部材に吹き付ける上記エッチング液の薬液の濃度を低くすることを特徴としている。
この発明の金属のエッチング方法によれば、上記エッチングにより上記金属部材に形成される溝が深くなって行くのに応じて、上記金属部材に吹き付けるエッチング液の薬液濃度を低くする。これにより、上記エッチングで形成される溝が深くなるとエッチング抑制被膜の厚さが薄くなる。よって、エッチングによる溝が深くなってエッチング液の液溜りにより液圧が溝底まで伝わり難くなったときに上記エッチング抑制被膜の厚さを薄くできて、エッチング抑制被膜を剥がれ易くできる。これにより、エッチングで形成される溝が深くなったときにエッチング速度が低下することを回避でき、エッチング速度の安定化を図れる。
また、この発明によれば、エッチングにより形成される溝の深さの増加に伴ってサイドエッチング量が減少してくる傾向を、溝が深くなっていくのに応じてエッチング抑制被膜を薄くすることで抑制できる。よって、エッチングによる溝の開口から溝の底に向かって溝幅が狭くなることを抑制でき、溝の開口から溝の底に至るまで所望の溝幅を維持できる。
また、一実施形態のエッチング方法では、上記エッチングの開始時点では、上記エッチング液の薬液濃度を第1の濃度とし、
上記エッチングによって上記金属部材に形成された溝の深さが予め設定されている或る深さに達したときに上記エッチング液の薬液濃度を上記第1の濃度よりも低い第2の濃度にする。
この実施形態のエッチング方法によれば、上記エッチングによって上記金属部材に形成された溝の深さが予め設定されている或る深さに達したときに、上記金属部材に吹き付けるエッチング液の薬液濃度を第1の濃度よりも低い第2の濃度にする。これにより、上記エッチングで形成される溝が深くなるとエッチング抑制被膜の厚さが薄くなる。よって、エッチングによる溝が予め設定されている或る深さに達して、エッチング液の液溜りにより液圧が溝底まで伝わり難くなったときに上記エッチング抑制被膜の厚さを薄くできて、エッチング抑制被膜を剥がれ易くすることができる。つまり、エッチングで形成される溝が深くなったときにエッチング速度が低下することを回避でき、エッチング速度の安定化を図れる。また、エッチングにより形成される溝の深さが増加するのに伴い、サイドエッチング量が減少してくる傾向を、溝が深くなっていくのに応じてエッチング抑制被膜を薄くすることで抑制できる。よって、エッチングによる溝の開口から溝の底に向かって溝幅が狭くなることを抑制でき、溝の開口から溝の底に至るまでの溝幅の変化を抑制して所望の溝幅を維持できる。
また、一実施形態の金属板では、上記エッチング方法によって加工された金属板であって、上記エッチングによって形成された加工穴を備え、上記加工穴の内壁の形状が連続した波状である。
この実施形態の金属板によれば、上記エッチング方法によって上記金属板に加工穴を形成するので、精密な穴径の加工穴を有すると共に厚くて放熱性が高い金属板を実現できる。
また、一実施形態の半導体素子実装用の支持基板は、上記金属板を備えているので、精密な穴径の加工穴を有し、かつ、放熱性が高い支持基板となる。
この発明のエッチング方法によれば、エッチング対象である金属部材の厚さに係わらずに異方性の高いエッチングが可能となり、溝の開口から溝の底面に亘ってエッチングレジストの開口幅と同程度の溝幅を保つエッチング加工が可能となる。よって、溝幅の変化を抑えつつ厚い金属部材へ深い溝加工を行うことが可能となる。したがって、この発明のエッチング方法は、例えば、LED等の自身が発熱する半導体素子の実装用基板等で用いられるような厚く放熱性の高い金属基板に対して精密な異方性の高いエッチング加工を行うのに適したエッチング方法を実現できる。
この発明の第1実施形態である金属のエッチング方法の一工程を示す断面図である。 上記第1実施形態の一工程を示す断面図である。 上記第1実施形態の一工程を示す断面図である。 上記第1実施形態の一工程を示す断面図である。 薬液濃度が異なる複数のエッチング液についてエッチング時間と溝深さとの関係を示す特性図である。 エッチング液の薬液濃度とサイドエッチング抑制率との関係を示す特性図である。 この発明の第2実施形態としての半導体素子実装用の支持基板上にLEDチップを実装したLEDパッケージを示す断面模式図である。 比較例によるエッチングの一例を示す断面図である。 比較例によるエッチングの一例を示す断面図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1A〜図1Dを参照して、この発明の金属のエッチング方法の第1実施形態を説明する。
この第1実施形態では、まず、図1Aに示すように、エッチング対象である金属部材としての銅基板2上に、ドライフィルムもしくは液状レジストのスピンコートにより厚さ20μmのエッチングレジスト1を形成する。その後、露光,現像処理を行い、エッチングレジスト1の所望のエッチングパターンを得る。なお、この実施形態では、エッチング対象である銅基板2はOFC(無酸素銅:oxygen free copper)で作製され、銅基板2の厚さは一例として1.0mmである。
次に、上記銅基板2の上方から銅に作用する塩化第二鉄もしくは塩化第二銅水溶液にベンゾトリアゾールを添加したエッチング液4を供給する。このベンゾトリアゾールは、エッチング対象である銅基板2と反応してエッチング抑制被膜である耐腐食性の膜を形成する薬液である。この実施形態では、一例としてスプレーを用いて、上記ベンゾトリアゾールを添加した塩化第二鉄溶液をエッチング液4として銅基板2へ吹き付けた。なお、上記エッチング液4は、液加圧式の一流体ノズルから吹き付けてもよく、ノズル内でエッチング液と空気を混合させる二流体ノズルから吹き付けてもよい。また、この実施形態では、一例として上記薬液の添加濃度を1000ppmとしている。
銅基板2の上方10cmからスプレーにより上記ベンゾトリアゾールを添加したエッチング液4を吹き付けることにより、銅基板2に対してエッチング液4がほぼ垂直に進入して銅基板2に、図1Bに示すように、溝3が形成される。このとき、溝3はエッチングレジスト1の端部1Aの直下にも広がるが、この端部1Aの直下の領域を含む溝3の内壁面3Aにはエッチング抑制被膜としての耐腐食性の膜5が形成される。この耐腐食性の膜5は、上記ベンゾトリアゾールが銅と反応して形成された耐腐食性のベンゾトリアゾール第二銅であり、その組成は、(C・N)・Cuであると考えられる。
そして、エッチングレジスト1の端部1Aの直下では、耐腐食性の膜5には、上記ほぼ垂直に進入するエッチング液4が直接衝突することはなく、それ以降のエッチング工程においてもサイドエッチングの進行が食い止められる。
これに対して、図5に示す比較例では、上記ベンゾトリアールを添加していない塩化第二鉄水溶液もしくは塩化第二銅水溶液をエッチング液としている。この比較例では、銅基板2の上方からのエッチングにより銅基板2に形成された溝51の壁面51Aには耐腐食性の膜が形成されない。よって、エッチングレジスト1の端部1Aの直下に耐腐食性の膜が形成されないので、サイドエッチングが進行すると共にエッチングにより形成された溝底部51Bは、通常、溝上部51Cに比べて加工幅が狭くなる。
ところで、この実施形態では、1段階目の上記薬液の添加濃度を1000ppmとしたが、1000ppmには限定されない。ただし、上記薬液の添加濃度が1000ppmを上回ると過剰な耐腐食性の膜5が形成されてサイドエッチングの進行を食い止めるだけでなくエッチング液の吹き付け方向(深さ方向)へのエッチングも阻害される恐れが出てくる。また、上記薬液の添加濃度が1000ppmを越えると薬液成分がスプレーノズルを閉塞する恐れも出てくる。一方、上記薬液の添加濃度が1000ppmを下回るとエッチング抑制被膜としての耐腐食性の膜5の形成が不十分になる可能性がある。
また、この実施形態では、上記スプレーの圧力を0.1〜0.3MPaに設定して、図1Bに示すように、溝3の底部3Bにおける耐腐食性の膜5Dを剥がすことによって、溝底での深さ方向のエッチングを進めている。
これに対し、上記スプレーの圧力が0.1MPaよりも低いと、図6に示す一例のように、エッチング時間の経過と共に溝62に溜まるエッチング液4によりスプレー圧力が弱められ、溝底で耐腐食性の膜65が除去されず、溝底でのエッチングレートの低下を引き起こす。このため、図6に示す比較例では、溝62の断面形状が半円形状に近い形状になっている。一方、上記スプレーの圧力が0.3MPaよりも高いと、エッチングレジスト1の破壊を引き起こす恐れが出てくる。
この実施形態では、図6の一例ほどではないが、エッチング時間の経過と共に、図1Bに示すように、エッチング加工による溝3の底部3Bのエッチング幅が上部3Cのエッチング幅に比べて狭くなって行く。さらに、エッチング液4の液たまりの影響により、耐腐食性の膜5がスプレー圧力の影響を受け難くなりエッチングレートが低下する。ここで、溝3の深さが予め設定された或る深さに達した濃度制御点6において、エッチング液4中に新液を補充して薬液濃度を1000ppmから500ppmへと低下させる。
このように、エッチングの途中の濃度制御点6でエッチング液4中の薬液濃度を下げることによって、溝3の底部3Bに形成される耐腐食性の膜5Dの厚さを抑えると共に溝3の底部3Bに形成される耐腐食性の膜5Dの形成確率を抑える。これにより、溝3の底部3Bからのエッチングの開始を促し、図1Cに示すように、上記溝3からさらに深さ方向へエッチングが進み、エッチング加工溝8が形成されることになる。
なお、エッチングの途中で薬液濃度の異なるエッチング液を吹き付ける際、一旦、エッチング液4の供給を止めて、上記スプレーから銅基板2の溝3内の表面に空気等を吹き付けることにより、溝3内の液溜りを一度取り除くことができる。これにより、加工する溝の深さが深い場合でも、むき出しになった溝3内の液溜りから溝3の加工表面を露出させて、溝3の内壁面3Aにエッチング液4を直接衝突させて溝3の底面付近の耐腐食性の膜5Dを剥離させることができる。
図1Cに示すように、エッチング加工による溝8を形成しているときに、溝深さが予め設定された濃度制御点9になったときに、エッチング液4の薬液濃度を500ppmから250ppmへと低下させてエッチングを続けることで、図1Dに示すように、エッチング加工による溝3,溝8に連なるエッチング加工溝10を形成することができる。
ここで、この実施形態における上記エッチング液4の薬液濃度の濃度制御点の設定方法について説明する。前述の如く、上記エッチング液4の薬液濃度を上げるとエッチング速度が低下する一方、上記エッチング液4の薬液濃度を下げるエッチング速度が上昇する。図2は、縦軸が溝深さ(μm)を表し、横軸がエッチング時間(分)を表しており、エッチング時間を或る時間に固定した場合、エッチング液4の薬液濃度が高いほど溝深さが浅くなることを示している。
より詳しくは、図2において特性K1は、エッチング液4の薬液濃度が0ppmである場合のエッチング速度特性を示し、特性K2,K3,K4はそれぞれエッチング液4の薬液濃度が250ppm,500ppm,1000ppmである場合のエッチング速度特性を示している。すなわち、薬液濃度が高いほど、エッチングレートの絶対値が小さい上に、エッチング時間の経過にしたがってエッチングレートもより早期に低下している。例えば、薬液濃度が250ppmの特性K2は、薬液濃度が500ppmの特性K3に比べて、エッチング時間の経過に伴うエッチング時間が10分までのエッチング速度の低下は少ない。
そして、図2によれば、薬液濃度が1000ppmの特性K4は、エッチング時間が5分を経過すると、エッチングレートが鈍化している。よって、このエッチング時間が5分の時点でのエッチング深さを濃度制御点6と設定することで、この濃度制御点6で薬液濃度を1000ppmから500ppmに低下させてエッチングを続けるようにできる。
また、薬液濃度が500ppmの特性K3ではエッチング時間が10分を経過するとエッチングレートが低下している。そして、薬液濃度が1000ppmの特性K4のエッチング時間が5分での溝深さは、薬液濃度が500ppmの特性K3のエッチング時間が3分での溝深さに相当している。したがって、薬液濃度1000ppmでのエッチング時間である5分に、薬液濃度500ppmでのエッチング時間である(10分−3分=7分)を加算した12分がエッチング開始からの経過した時点での溝深さを上記濃度制御点6の次の濃度制御点8とする。この濃度制御点8で薬液濃度を500ppmから250ppmに低下させてエッチングを続けるようにできる。
ここで、エッチングにより形成される溝の深さを知る方法としては、次の(a)〜(d)のような方法がある。(a) 薬液を添加したエッチング液を金属に吹き付けて、予めエッチング速度を測定し、エッチング経過時間から溝深さを測定する。(b) エッチング工程の間にレーザー変位計、焦点深度計等により溝深さを測定する。(c) エッチング対象である金属の質量減少量を測定し、体積に換算することで溝深さを測定する。(d) エッチング液の再生槽内部での対象金属濃度の測定を行い、対象金属の溶解量に換算することで溝の深さを測定する、等の方法がある。
次に、図3に、この実施形態における上記エッチング液4の薬液濃度(ppm)とサイドエッチング抑制率(%)との関係を示す。ここで、サイドエッチング抑制率とは、エッチングレジスト1の開口寸法(μm)をサイドエッチング量(μm)で除算した値に100を乗算した値とした。図3に示すように、エッチング液4への薬液(ベンゾトリアゾール)の添加濃度が低いほど、サイドエッチング抑制率は低下し、サイドエッチングが進行し易い状況となる。例えば、薬液の添加濃度が250ppmである場合のサイドエッチング抑制率は、薬液の添加濃度が1000ppmである場合のサイドエッチング抑制率に比べて、約30%低下している。よって、エッチング液4に添加する上記薬液の濃度を銅基板2に形成するエッチング溝の深さが深くなるのに応じて薄めて行くことにより、エッチング溝の溝底部で狭くなったエッチング領域をサイドエッチングを誘発させることで広げることができる。
したがって、この実施形態のエッチング方法によれば、上記エッチングによって上記銅基板2に形成された溝3の深さが予め設定されている或る深さとしての濃度制御点6に達したときに、上記銅基板2に吹き付けるエッチング液4の薬液濃度を第1の濃度である1000ppmよりも低い第2の濃度である500ppmにする。これにより、上記エッチングで形成される溝3が深くなるとエッチング抑制被膜としての耐腐食性の膜5の厚さが薄くなる。よって、エッチングによる溝3が予め設定されている濃度制御点6に達してエッチング液4の液溜りにより液圧が溝底まで伝わり難くなったときに上記耐腐食性の膜5Dの厚さを薄くできて、耐腐食性の膜5Dを剥がれ易くできる。また、エッチングで形成される溝が溝3から溝8,溝8から溝10へと深くなって行くのに応じて、エッチング液4の薬液濃度を1000ppmから500ppm,500ppmから250ppmへと低下させる。薬液濃度が低下しているため、図1C,図1Dに示される溝8,溝10の内壁8A,10Aには耐食性の膜が形成され難くなる、あるいは耐食性の膜が形成されても膜厚が薄くて剥がれ易くなっているので、エッチング速度の低下を回避でき、エッチング速度の安定化を図れる。また、エッチングにより形成される溝の深さが溝3から溝8,溝8から溝10へと深くなっていくのに伴い、サイドエッチング量が減少する傾向があるが、薬液濃度が低下しているため、溝8,溝10の内壁8A,10Aには耐腐食性の膜が形成され難い、あるいは耐食性の膜が形成されても膜厚が薄くて剥がれやすくなっているので、溝の開口から溝の底に向かって溝幅が狭くなることを抑制でき、溝の開口から溝の底に至るまでの溝幅の変化を抑制して所望の溝幅を維持できる。
なお、上記実施形態では、エッチングの対象を銅基板2とし、塩化第二鉄もしくは塩化第二銅水溶液にエッチング抑制被膜を形成する薬液としてベンゾトリアゾールを添加したエッチング液4を用いたが、エッチング対象金属が銅である場合は、塩化第二鉄もしくは塩化第二銅溶液に、先行文献(特開2003−306784号公報)に記載されているような公知のアミノ基,カルボキシル基,チオール基等を持つ化合物をエッチング抑制被膜を形成する薬液として添加してもよい。一例として、上記エッチング抑制被膜を形成する薬液を、カルボニル基またはカルボキシル基を有する複素環式化合物であるクマリン、ウラシル、ニコチン酸、イソシンコメロン酸およびシドラジン酸からなる群より選択される1種または2種以上を含むものとしてもよい。
この場合、上記化合物を添加したエッチング液を被エッチング面に吹き付けることで、この被エッチング面にはエッチング液により腐食されにくい難溶性である銅の錯体がエッチング抑制被膜として形成される。また、エッチング対象金属は、銅に限らず、鉄もしくは鉄系合金でもよい。この場合、エッチング液としては、塩化第二銅溶液に薬液として有機系添加剤であるポリエチレングリコール誘導体を添加したものを用いればよい。
また、上記実施形態では、銅基板3に形成される溝深さが深くなって行くのに応じて、銅基板3に吹き付けるエッチング液の薬液濃度を1000ppm,500ppm,250ppmの3段階に変化させたが、溝深さに応じて薬液濃度を連続的に低下させてもよいし、溝深さに応じて薬液濃度を2段階あるいは4段階以上に変化させてもよい。一例として、上述の(a)〜(d)のいずれかの方法によって、加工溝3の深さを測定し、所望の溝深さの、例えば半分程度までエッチングが進んだら、エッチング抑制被膜(耐エッチング性被膜)を形成する薬液のエッチング液における添加濃度を低下させて行く。この添加濃度を低下させる方法としては、エッチング液供給タンクに上記薬液が添加されていないエッチング液を新たに加えて濃度を薄めてもよいし、薬液添加濃度の薄いエッチング液もしくは薬液を添加していないエッチング液が予め貯えられている供給タンクに切り替えてエッチング液を吹き付けてもよい。また、上記薬液の濃度の希釈化、もしくはエッチング液を貯留している供給タンクの切り替えは、同一プロセス中で一回の実施には限らずに複数回実施してもよい。このように、エッチングによる溝が深くなって行くにしたがって、上記薬液の濃度を希釈して、エッチング抑制被膜(耐エッチング性被膜)の厚みを減少させ、エッチング抑制被膜の形成確率を減少させて、エッチングによる溝が深くなっても基板2の厚さ方向へのエッチングレートを維持できる。その上に、エッチングによる溝の深さが深くなるのに従い、エッチング抑制被膜が薄くなるので、溝底部付近でのサイドエッチングが起り易く、かつ、エッチングにより形成される溝上部では厚いエッチング抑制被膜により、エッチングレジスト1の開口幅と同等のエッチング幅が得られる。すなわち、エッチング幅が狭くなる傾向がある溝底部では、薄いエッチング抑制被膜でもってサイドエッチングを誘発させることでエッチング幅の減少を回避し、エッチングレジスト1の開口幅に近いエッチング幅を得ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図4に、この発明の第2実施形態としての半導体素子実装用の支持基板72上にLEDチップ74を実装したLEDパッケージを示す。
まず、上記支持基板72の作製工程を説明する。前述した第1実施形態と同様のエッチング方法によって、厚さ1mmの銅板70を表面70Aから深さ0.5mmまでハーフエッチングすることによって、加工溝77A,78Aを形成する。その後、このエッチングによる加工溝77A,78Aを、絶縁性樹脂としての例えばエポキシ樹脂71A,71Aで埋める。
次に、上記銅板70の裏面70Bからハーフエッチングすることによって、加工溝77B,78Bを形成する。これにより、上記加工溝77Aと77Bとが連通した加工穴77が形成されると共に上記加工溝78Aと78Bとが連通した加工穴78が形成される。図4に示すように、この加工穴77,78の内壁77F,78Fは連続した波形状になっている。
その後、このエッチングによる加工溝77B,78Bを、絶縁性樹脂としての例えばエポキシ樹脂71B,71Bで埋めて支持基板72を作製する。その後、この支持基板72の両面に金メッキ73,79を形成し、金メッキ73上にLEDチップ74を搭載し、このLEDチップ74をワイヤ75で金メッキ73,79へワイヤボンディングした後、樹脂76で封止する。これにより、上記LEDパッケージを作製できる。
この実施形態のLEDパッケージによれば、前述のエッチング方法によって溝深さに応じてサイドエッチング量が制御され、加工穴77,78の穴径の変化が少なくて所望の穴径を実現できる。よって、精密な穴径の加工穴77,78を有すると共に厚くて放熱性の高い銅板70により、支持基板72の高い放熱性を実現できる。よって、発光と同時に発熱するLEDチップ74を効率よく放熱でき、発熱による発光効率の低下を防止できる。
この発明は、エッチング溝の形状と深さを板厚によらず設計値通りに加工することができて、金属基板のみならず基板配線の加工にも利用することができ、一例として、LED等の半導体素子の実装用基板等で用いられるような厚く放熱性の高い金属基板のエッチング加工方法として有用である。
1 エッチングレジスト
1A 端部
2 銅基板
3 溝
3A 内壁面
3B 底部
3C 上部
4 エッチング液
5 耐腐食性の膜
6,9 濃度制御点
8,10 エッチング加工溝
70 銅板
70A 表面
70B 裏面
71A,71B エポキシ樹脂
72 支持基板
73,79 金メッキ
74 LEDチップ
75 ワイヤ
76 樹脂
77A,78A 加工溝

Claims (4)

  1. 金属部材の表面に所望のパターンのエッチングレジストを形成し、
    上記エッチングレジストをマスクとして、上記金属部材と反応して上記金属部材にエッチング抑制被膜を形成する薬液を添加したエッチング液を上記金属部材に吹き付けて上記金属部材をエッチングし、
    上記エッチングにより上記金属部材に形成される溝が深くなって行くのに応じて、上記金属部材に吹き付ける上記エッチング液の薬液の濃度を低くすることを特徴とする金属のエッチング方法。
  2. 請求項1に記載の金属のエッチング方法において、
    上記エッチングの開始時点では、上記エッチング液の薬液濃度を第1の濃度とし、
    上記エッチングによって上記金属部材に形成された溝の深さが予め設定されている或る深さに達したときに上記エッチング液の薬液濃度を上記第1の濃度よりも低い第2の濃度にすることを特徴とする金属のエッチング方法。
  3. 請求項1または2に記載の金属のエッチング方法によって加工された金属板であって、
    上記エッチングによって形成された加工穴を備え、
    上記加工穴の内壁の形状が連続した波状であることを特徴とする金属板。
  4. 請求項3に記載の金属板を備えた半導体素子実装用支持基板。
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