JP2010207837A - 超音波接合工具判定装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波接合工具の交換時期を適切に見極めることのできる超音波接合工具判定装置およびその方法を提供する。
【解決手段】超音波接合工具であるアンビル111とホーン112のそれぞれのワークと接触するローレット面をカメラ2および3により撮影する。撮影した画像からローレット面の突起先端の幅をコンピューター1が求めて、求めた幅からあらかじめ求めてある判別関数により超音波接合工具の交換時期を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波接合工具判定装置およびその方法に関し、詳しくは、超音波接合工具の交換時期を判定する超音波接合工具判定装置およびその方法に関する。
超音波接合は、銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属材料や樹脂材料などを、同種のもの同士接合するほか、異なる種類の材料同士をも接合することが可能である。このため、たとえば、電子部品や電池に使用される電気導体接続用の金属薄板や、金属箔の重ね合わせ接合などに利用されている。
超音波接合は、アンビルとホーンの間に接合する部材を重ね合わせて配置し、ホーン側より加圧しつつ超音波振動を与える。これにより部材同士が接触界面にて摩擦され、原子拡散により材料の融点以下の低い温度で一体化する。このため低融点のアルミニウムや極めて薄い板材などの接合、異種金属同士の接合が可能なのである。
このような超音波接合においては、接合を繰り返すことでアンビルやホーンの突起が摩耗する。そうすると被接合材に対する食い込み状態が初期の状態に比較して少なくなり、ホーンと被接合材との間のエネルギー伝達効率が低下して一定の接合強度を維持できなくなる。このため、超音波接合では、接合強度が低下を防ぐために満足な接合強度が得られなくなる前にホーンを交換する必要がある(特許文献1)。
このようなことからホーンの磨耗量があらかじめ決められた基準量に達した場合にホーンを交換することも行われている(特許文献2)。
特開2007−330851号公報の段落0008 特開2007−319870号公報の段落0009および0010
しかしながら、満足な接合強度が得られなくなる前にホーンを交換するといっても、実際にそのような交換時期を見極めるのは非常に難しい。また、ホーンの磨耗量が基準量に達したときに交換する場合は、超音波接合装置による作業を止めてホーン部を観察して摩耗量を測定しなければならず工程時間の増加となり好ましくない。
そこで、本発明の目的は、超音波接合工具の交換時期を適切に見極めることのできる超音波接合工具判定装置およびその方法を提供することである。
本発明は上記目的を達成するための超音波接合工具判定装置は、超音波接合工具の複数の突起の集合からなるワークとの接触面を撮影する撮影手段を有する。そして判定手段がこの撮影手段より得られた画像から複数の突起の少なくとも一つの突起についてその先端の大きさを求めて、求めた突起先端の大きさから超音波接合工具の交換時期を判定する。
また、本発明は上記目的を達成するための超音波接合工具判定方法は、超音波接合工具の複数の突起の集合からなるワークとの接触面を撮影する。そして撮影により得られた画像から前記複数の突起の少なくとも一つの突起についてその先端の大きさを求める。その後求めた突起先端の大きさから超音波接合工具の交換時期を判定する。
本発明によれば、工具のワークと接触する面を撮影するだけ、あとは得られた画像から工具のワークとの接触面にある突起の先端の大きさを求めて工具の交換時期を判定するので、非常に短時間で工具の交換時期を適切に見極めることができる。
本発明を適用した超音波接合工具判定装置を備えた超音波接合システムの概略構成を示す図である。 超音波接合動作について説明するための説明図である。 (a)はローレット面の平面図、(b)はローレット面の突起拡大斜視図である。 画像解析による測定位置を説明するための説明図である。 判定動作手順を示すフローチャートである。 接合打点数と突起先端幅の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照して説明する。
図1は、本発明を適用した超音波接合工具判定装置を備えた超音波接合システムの概略構成を示す図である。
本実施形態における超音波接合システムは、超音波接合装置100と、超音波接合工具判定装置となる工具検査用コンピューター1(判定手段)とカメラ2および3(撮影手段)を備える。
超音波接合装置100は、周知のものであり、接合工具であるアンビル111とホーン112を有する。アンビル111は、固定された台と一体化しており被接合材であるワーク200(たとえば2枚の板材:図2参照)を支持する。一方、ホーン112は超音波振動子113が接続されていて、この超音波振動子113からの振動をワークに伝達する。またホーン112は空気圧シリンダや油圧シリンダ(不図示)によって上下動可能に保持されている。
カメラ2および3は、ワークが載置されていないとき(すなわち、ホーン112が上に上がっているとき)、アンビル111とホーン112のそれぞれのローレット面(ワーク接触面)を写すことができる位置に配置されている。カメラ2がアンビル111のローレット面10(111)撮影用であり、カメラ3がホーン112のローレット面10(112)撮影用である。カメラ2および3からの画像データは工具検査用コンピューター1に送られている。
ここで図面においては、アンビル111のローレット面10(111)とホーン112のローレット面10(112)を区別するために、それぞれローレット面10(111)とローレット面10(112)の符号を付した。しかし、これらを区別する必要がない場合は単にローレット面10という。
カメラ2および3の配置は、もっとも好ましくは、図示するように、常に超音波接合装置100と一緒に配置されていることである。このようにすれば、ワークが連続して流れる生産ラインなどでも、ワークの入れ替えのためにホーン112を上げた極わずかな時間でアンビル111とホーン112のそれぞれローレット面10を写すことができる。
また、カメラの配置はこれに限らず、たとえば1台のカメラを用いてホーン112が上がったときに、それぞれのローレット面10を撮影するようにカメラの向きを変更して撮影するようにしてもよい。また、反射鏡を用いて反射鏡の反射像をカメラにより撮影するようにしてもよい。反射鏡を用いる場合は1枚の反射鏡の向きを変えて1台のカメラでそれぞれのローレット面10を撮影する(この場合2回撮影することになる)。または2枚の反射鏡を、それぞれのローレット面10からの反射像が1台のカメラに入る位置に配置する。こうすれば1台のカメラで1回の撮影で済ませることもできる。これら場合でも、カメラや反射鏡の向き変更動作は短時間で終わるので、ワークの入れ替えの間に撮影可能である。
また、カメラ2および3は静止画用カメラでも動画用カメラでもどちらでもよい。
工具検査用コンピューター1は、いわゆるパソコンやワークステーションなどのコンピューターでよく、後述する判定動作手順に基づくプログラムが実行されることで、判定動作を行う。なお、工具検査用コンピューター1は、判定結果や画像解析結果などを表示するためのディスプレイ(不図示)が接続されている。また、必要に応じて、生産ラインを管理するホストコンピュータなどとネットワークにより接続されている。
ここで、簡単に超音波接合装置100による超音波接合動作について説明する。
図2は、超音波接合動作について説明するための説明図である。なお、図2において超音波接合工具判定装置の構成は省略した。
超音波接合動作は、まず、アンビル111にワーク200を載置する。ワーク200はたとえば2枚の板材である。
ワーク200を載置した状態で上からホーン112をワーク200に当接するように下げて、さらに所定の圧力で加圧する。加圧力はワーク200を超音波接合するために必要な圧力であればよい。そして、超音波振動子113に高周波源115から高周波を加えてホーン112を振動させ、その振動をワーク200に伝達する。これによりワーク200が局所的に振動して擦れあって原子拡散により接合される。なお、このような超音波接合動作は、周知のものであるので詳細な説明は省略する。
以下、工具交換時期判定の詳細を説明する。
図3は、ローレット面を説明する説明図であり、図3(a)はローレット面の平面図であり、図3(b)はローレット面の部分拡大斜視図である。
図示するように、ローレット面10は複数の四角錐形状の突起11が並んでいるものである。このようなローレット面10は、アンビル111側もホーン112側も同形状をしている。
ホーン112によってワーク200を加圧し振動が加えられると、アンビル111側もホーン112側も、それぞれの面の突起11がワーク200に食いついて局所的に振動する。それぞれのローレット面10では、ワーク200との接触面で摩擦がおこることになる。このため接合回数が多くなるにつれて突起11が磨耗してしまうのである。
本実施形態は、このようなアンビル111とホーン112のそれぞれのローレット面10をカメラ2および3で撮影し、撮影された画像から工具検査用コンピューター1が画像解析を行ってアンビル111とホーン112のそれぞれのローレット面10の突起11の先端の幅を求める。そして、工具検査用コンピューター1がその幅から工具の交換時期を判定する。
図4は、画像解析による測定位置を説明するための説明図である。
画像解析による測定位置は、図4に示すように、突起11の先端の幅であり、縦方向Vと横方向Hである。実際の判定においては、縦方向V(図4(a))と横方向H(図4(b))の両方の平均値とすることが好ましい。これは、振動が加わる方向と摩耗する方が必ずしも一致しないため、縦と横の両方の幅を見た方が良いためである。ただし縦方向Vと横方向Hのうちいずれか一方にのみ磨耗しやすいような傾向があれば、そのような方向のみ計ることとしてもよい。
この突起11の先端は、使い初めのころは先鋭にとがっているが、接合回数が増えて磨耗してくると徐々になまってきて、その幅が大きくなってくる。したがって、測定された突起先端の幅をあらかじめ決めた判定基準に従って判定することで、摩耗の状態がわかり、その結果として工具の交換時期を判定することができる。
なお、画像解析は市販の画像解析ソフトを用いればよく限定されない。たとえば、解析対象の画像から画像内におけるエッジを検出して、検出されたエッジのうち指定されたエッジ同士の間隔を求めることのできるものであればよい。ここでエッジとは、画像内における線であり、これは画像においてはコントラストが急峻に変化する部分である。そして、指定するエッジの間隔は、縦方向Vの計測であれば、図4(a)に示すように、検出されるエッジのうち横方向(Hと同じ方向)のエッジの中で長い2本のエッジ11aの間にあり、かつエッジ11aよりも短いエッジ11b同士の間隔を計測するように指定すればよい。横方向Hの計測も同様であり、図4(b)に示すように、検出されるエッジのうち縦方向(Vと同じ方向)のエッジの中で長い2本のエッジ11cの間にあり、かつエッジ11cよりも短いエッジ11d同士の間隔を計測するように指定すればよい。
画像解析としては、そのほかにもパターンマッチングの手法を用いること身できる。たとえば、2重になった四角形状(大きな四角形の中にそれより小さな四角形がる)を基本パターンとして、この基本パターンと同じパターンを検出する。そして、内側の小さな四角の対向する2辺の間隔を計測することでも突起先端の幅を求めることができる。
なお、ローレット面10における測定箇所は、全ての突起11の一つひとつの先端の大きさを個別に求めて、それらを平均することが好ましい。全体の平均をとれば、全体として接合不良を起こすことのない磨耗程度を見ることになるので、ローレット面10全体としての磨耗状態から工具交換時期を判定できる。ただし、全ての突起11を調べると画像解析やその後の計算処理に時間がかかりすぎる場合がある。このような場合には、ローレット面10の特定箇所のみ調べるようにしてもよい。たとえば、図4(a)に示したローレット面10の丸A1〜A5で囲んだ位置のように、中央部A1内の数個の突起11と周辺部A2〜5の中の数個の突起11とするとよい。特定箇所のみを測定する場合は、図4に示した箇所に限定されるものではないが、全体として接合不良を起こさない程度の磨耗がわかるように、ローレット面10の複数箇所を選択することが好ましい。
交換時期の判定には、本実施形態では判別分析の手法を用いることとした。
判別分析は、アンビル111とホーン112のそれぞれの突起11の先端幅を説明変数、接合強度が良好か否か(OKかNGか)を目的変数とする判別関数を作成して、この判別関数をもとに判定する。
判別関数fxは、fx=ax+by+cであり、ここで、xはアンビル111の突起先端幅、yはホーン112の突起先端幅、aおよびbはそれぞれの係数であり、cは定数項である。係数a、b、cは実験によって求まる値である。目的変数となるOKかNGかは、実際に接合を行ってそれぞれの接合において十分な接合強度が得られているものをOK、それ以外をNGとした。判別関数の値は負の値(0未満)となるものをOK、正の値(0以上)となるものをNGとなるようにした。
この判別分析を用いる場合には、実際に判定する工具と同型式(大きさや材質が同じ工具)を用いて接合実験を行って、そのときの画像解析によるアンビル111とホーン112のそれぞれの突起先端幅と接合強度を用いて、判別関数を作成することになる。なお、接合強度は、たとえばたがね判定や引張り試験機による引張り試験を行えばよい。
なお、判別関数を求めるためには、判別分析を行うための市販のアプリケーションソフトを用いればよい。このようなアプリケーションソフトではその判別分析法としてマハラノビス距離を用いている。マハラノビス距離は、周知のとおり、幾何学的な距離ではなく、各変量(ここでは突起先端幅)の散らばりを表す各変量の分散と、各変量間の関係を表す各変量間の共分散を用いた距離である(これについても周知であり本発明の主眼とするところではないので詳細は省略する)。
次に、これまで説明した判定動作についてその手順を説明する。
図5は、判定動作手順を示すフローチャートである。
まず、工具検査用コンピューター1は、超音波接合装置100の制御装置(不図示)から接合回数とホーン112が上に上昇しているか否かの情報を取得して、接合回数が規定の回数に達したか否かを判断する(S1)。規定の回数に達している場合は(S1:Yes)は、ホーン112が上昇しているか否か判断する(S2)。
ここで、規定の回数に達していない場合(S1:No)は、S1の処理を繰り返す。また、規定の回数に達していてもホーン112が上昇位置にないとき(S2:No)はホーン112が上昇するまで待つことになる。
そして、工具検査用コンピューター1は、規定の回数に達していてホーン112が上昇位置のときに(S2:Yes)、アンビル111とホーン112のそれぞれのローレット面10を撮影するようにカメラ2および3に指令する(S3)。
続いて、工具検査用コンピューター1は、カメラ2および3から撮影した画像データを取得して、画像から識別されるエッジのうち指定されたエッジの間隔を計測する(S4)。ここで、指定されたエッジとは上述したように、突起先端によって現れているエッジである。
続いて、得られたエッジ間隔の値を平均して、その値をアンビル111およびホーン112のそれぞれの突起先端幅として、あらかじめ求められている判別関数に入れて、判別関数の値を算出する(S5)。
そして、工具検査用コンピューター1は、算出された判別関数の値から工具交換時期か否かを判定する(S6)。なお、この処理では既に説明したように、判別関数を作成する際に判別関数の値が0未満を接合強度良好とした。このため判別関数の値が0以上になったとき、または、0より小さなあらかじめ決められた値以上となったときに「工具交換時期である」と判定することになる。
そして、判定結果が交換時期であれば(S6:Yes)、その旨を出力して(S7)、処理は終了となる。
この処理は判定結果が「工具交換時期である」となるまで規定の接合回数ごとに繰り返すことになる。
上述した実施形態に沿って実際に超音波接合を行って判別分析により判別関数を作成し、その判別関数を用いて工具交換時期の判定実験を行った。
ここで判別分析の工具と、工具交換時期の判定実験の工具は、型式(工具の素材や大きさ、突起形状など)は同じものであるが工具個体は異なる。
判定実験は銅と黄銅の薄板を超音波接合した。そして判別分析は超音波接合を打点数(接合回数)10000回まで1000回ごとにアンビル111とホーン112のローレット面10を撮影して、それらの画像からアンビル111とホーン112のそれぞれのローレット面10全体の各突起11について縦方向Vと横方向Hの幅を求めて、全ての平均をそれぞれの突起幅とした。また、ローレット面10を撮影したときに接合したワークを使用して引張り試験機による引張り試験を行った。下記表1中、接合結果OKはこの引張り試験による試験結果が良好であること、NGは不良であることを示す。
表1に判別分析の際の突起幅と接合結果を示す。また、この表1に示した突起幅と打点数の関係を図6のグラフに示した。
この判別分析により下記(1)式の判別関数fxを得た。なお、判別関数fxの値が0未満を接合強度良好(OK)、0以上を接合強度不良(NG)となるようにしている。
fx=626.782×アンビル突起幅+67.091×ホーン突起幅−81.44 …(1)
Figure 2010207837
判別分析によって得られた判別関数を用いて、工具の交換時期を判定する実験を行った結果を表2に示す。実験では、500回ごとにアンビル111とホーン112のそれぞれローレット面10を撮影した。そしてその画像からアンビル111とホーン112のそれぞれのローレット面10全体の各突起11について縦方向Vと横方向Hの幅を求めて、全ての平均を判別関数に入れて工具の交換時期を判定した。表2における判定結果OKのものは接合強度が良好と予測されるもの、判定結果NGのものは接合強度が不良になることが予測されるものである。これを判定結果がNGとなるまで行った。
Figure 2010207837
この結果から、判別分析の際に接合を行ったときの接合結果と、判別関数を用いた判定結果とがよく一致することがわかる。すなわち、表1に示した判別分析の際に4000回目の接合において接合不良が発生しているのと、表2に示した判定実験においても4000回目で判別関数の値が0以上の値となっていることと一致している。また、表2からは判定関数の値も、打点数が増えるに従って増加していることがわかる。
この結果からは、接合不良が発生する前に工具を交換するとすれば、たとえば、判別関数の値が約−20を超えた値となった時点で交換すればよいことがわかる。
なお、この判定実験では500回ごとにローレット面10を撮影したが、たとえば、100回ごとや10回ごと、あるいは一つのワークの接合終了ごと(すなわち接合1回ごと)に撮影して判定するようにしてもよい。
本実施形態のようにすればローレット面10を撮影するだけで工具の交換時期を判定できるので、ワーク入れ替えのためにホーン112を上昇させたわずかの時間の間で判定することが可能である。このため、接合1回ごとに判定を行ったとしても生産ラインを止める必要はない。
このように判定するタイミングとなる接合回数を少なくすれば、工具交換時期と判定する値も、上記のような−20よりも0に近い負の数値であればよいことになる。こうすることで、接合不良が発生するぎりぎりの段階まで工具を使用し続けることができ、なおかつ、接合不良が発生する前に工具を交換することが可能となる。
以上説明した本実施形態および実施例によれば以下のような効果を奏する。
接合工具であるアンビル111とホーン112のローレット面10を撮影して、その画像から突起先端幅を求めて交換時期を判定することとしたので、工具の磨耗の程度を直接工具に触れることなく得ることができる。したがって、生産ラインなどにおいて連続して接合作業を行うような場合には、連続した作業を止めることなく工具の交換時期を判定することができる。これはたとえば、ワーク交換のためにホーン112を上げたときのごくわずかな時間でローレット面10の撮影は可能であるためである。また、ローレット面10を直接撮影していることから、たとえば接合強度が落ちて品質不良が出る前に工具の交換時期を的確に判定することができる。
また、判別分析によって得られた判別関数を用いて工具の交換時期を判定することとしたので、一度実際の工具を用いた判別分析を行って判別関数を求めておけば、あとは同型式の工具であればこの判別関数を用いることができる。
しかも判別関数はアンビル111とホーン112の両方の突起先端幅を説明変数とした。このため、アンビル111とホーン112の両方で1セットとして管理されている工具を接合不良を起こす前に、この1セットで交換時期を判定することができる。
もちろん、アンビル111とホーン112のそれぞれについて判別分析を行って判別関数を作成すれば、アンビル111とホーン112のそれぞれを個別に交換時期を見極めることも可能となる。さらには、突起先端幅の上述した横方向Hと縦方向Vをそれぞれ複数の突起ごとに求めて平均し、説明変数としてもよい。このようにすれば、摩耗傾向と接合強度のとの関係を表す判別分析ができる。
また、判別関数に入れる突起先端の大きさは、複数の突起先端の大きさの平均を用いることとしたので、ローレット面10の全体としてワークへの食いつきが悪くなるような状態を判定することができる。
以上本発明の実施形態および実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
たとえば、上述した実施形態および実施例では、工具の交換時期の判定おいて、判別分析による判別関数を用いることとしたが、これに限らず重回帰分析を行うことで判定するようにしてもよい。これには、判別分析と同様に、あらかじめ実験によりアンビル111とホーン112のそれぞれの突起先端幅と接合強度を試験しておいて、重回帰式を求める。そして求めた重回帰式から工具交換時期を判定する。この場合も、一つの重回帰式にアンビル111とホーン112の両方を取り入れればアンビル111とホーン112を1セットとして管理できるし、それぞれ別々に重回帰式を作れば、アンビル111とホーン112をそれぞれ別々に管理できる。
また、判定にはもっとも単純は方法としてあらかじめ判定基準となる幅の値(基準値)を決めておいて、測定された幅が基準値以上となった場合に工具交換時期であると判定するようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態では、ローレット面10の突起形状を四角錐形状としたが、これに限らす円錐形や多角形錐などであってもよい。円錐の場合は画像に表れている頂点部の直径を画像から計測すればよいし、多角形錐の場合は対向する2辺間、あるいは辺と辺とが接する点と対向する辺の間隔などを計測すればよい。
また、カメラは常に超音波接合装置100と一緒に配置されていなくても、検査のときにだけ、それぞれのローレット面を撮影するようにしてもよい。この場合、常に超音波接合装置100と一緒にカメラが配置されていないので、多少時間はかかることになるが、それでもローレット面の突起の大きさを直接測定工具を用いて測定するよりは短時間で済ませることができる。
1 工具検査用コンピューター(判定手段)、
2、3 カメラ(撮影手段)、
10 ローレット面、
11 突起、
100 超音波接合装置、
111 アンビル、
112 ホーン、
113 超音波振動子。

Claims (8)

  1. 超音波接合工具の複数の突起の集合からなるワークとの接触面を撮影する撮影手段と、
    前記撮影手段より得られた画像から前記複数の突起の少なくとも一つの突起についてその先端の大きさを求めて、当該求めた突起先端の大きさから前記超音波接合工具の交換時期を判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする超音波接合工具判定装置。
  2. 前記判定手段は、あらかじめ判別分析によって得られている突起先端の大きさを説明変数とし接合強度の良否を目的変数とする判別関数に、前記求めた突起先端の大きさを入れて前記超音波接合工具の交換時期を判定することを特徴とする請求項1記載の超音波接合工具判定装置。
  3. 前記判別関数の説明変数は前記超音波接合工具であってワークを挟み込むアンビルとホーンの両方の突起先端の大きさを用いることを特徴とする請求項2記載の超音波接合工具判定装置。
  4. 前記判別関数に入れる突起先端の大きさは、複数の突起の先端の大きさを一つひとつの突起ごとにそれぞれ個別に求めて、それら複数の突起先端の大きさを平均して用いることを特徴とする請求項2または3記載の超音波接合工具判定装置。
  5. 超音波接合工具の複数の突起の集合からなるワークとの接触面を撮影する段階と、
    前記撮影により得られた画像から前記複数の突起の少なくとも一つの突起についてその先端の大きさを求める段階と、
    前記求めた突起先端の大きさから前記超音波接合工具の交換時期を判定する段階と、
    を有することを特徴とする超音波接合工具判定方法。
  6. 前記判定する段階は、あらかじめ判別分析によって得られている突起先端の大きさを説明変数とし接合強度の良否を目的変数とする判別関数に、前記求めた突起先端の大きさを入れて前記超音波接合工具の交換時期を判定することを特徴とする請求項5記載の超音波接合工具判定方法。
  7. 前記判別関数の説明変数は、前記超音波接合工具であってワークを挟み込むアンビルとホーンの両方の突起先端の大きさを用いることを特徴とする請求項6記載の超音波接合工具判定方法。
  8. 前記判別関数に入れる突起先端の大きさは、複数の突起の先端の大きさを一つひとつの突起ごとにそれぞれ個別に求めて、それら複数の突起先端の大きさを平均して用いることを特徴とする請求項6または7記載の超音波接合工具判定方法。
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