JP2010207105A - 農薬散布方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】農薬散布時に農薬散布状況を正確に把握し、当該散布状況に応じて柔軟に作業を行うことが可能な農薬散布方法を提供する。
【解決手段】この農薬散布方法は、散布工程と、分析工程と、判断工程と、を含む。散布工程においては、散布予定の農薬の量の一部のみを散布する。分析工程においては、散布工程で散布された農薬の散布状況を光分析技術によって分析する。判断工程においては、分析工程で分析された農薬の散布状況に基づいて、所望の散布状況が実現されているか否かを判断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、農薬散布方法に関する。詳細には、農薬の過剰な散布等を防止する方法に関する。
従来から、無線操縦による農薬散布用のヘリコプター(以下、無線ヘリ)を用いることにより、空中から圃場に農薬を散布する防除作業が広く行われている。このように空中から農薬を散布する場合、風量や風向きなどの気象条件によっては、作物に対して期待通りに農薬が付着せず、所期の農薬付着量を得られない場合がある。
作物に対する農薬の付着量を正しく知るためには、ガスクロマトグラフィー等の公定分析法が必要である。しかし、ガスクロマトグラフィーによる分析は、多額の費用が掛かるとともに、結果が出るまでは数日を要することがある。従って、農薬を散布する作業を行いながら農薬の付着量を確認するということができない。
そこで従来より、農薬の散布状況の簡易な確認方法として、オペレータによる目視や感水紙による確認方法が採られていた。しかし、目視や感水紙による確認方法は、オペレータの経験によって農薬の散布状況を判断するものであるから、農薬付着量を正確に判断することが難しかった。
この点、迅速かつ正確に農薬の濃度を測定できる方法として、光分析技術を用いた測定方法が提案されている。例えば特許文献1は、圃場に測定板を配置し、この測定板の表面に付着した農薬の量をフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて測定する農薬散布量分布判定方法を開示している。また、特許文献2は、オープンパスシステムを採用したFT−IRを用いて、農薬散布時に農薬散布対象圃場の空気中の農薬濃度を計測するガス濃度検出方法を開示する。更に、特許文献3は、オープンパスシステムを採用したFT−IRを用いて、農薬散布時に発生する農薬のドリフト(突風などによって散布対象圃場外に農薬が飛散する現象)を検出するドリフト検出方法を開示する。
特開2008−64689号公報 特開2008−96228号公報 特開2008−96227号公報
しかし、上記特許文献1の方法は、農薬散布の終了後に測定を行うものであるから、その場で付着量を確認しながら散布量を調整することができなかった。従って、散布予定の農薬の全量を一度に散布することになるので、過剰散布が発生し易くなるとともに、過剰ドリフトが発生するおそれが大きかった。また、上記特許文献1の方法では、例えばオペレータの不注意によって間違った農薬の散布を開始した場合であっても、農薬散布が全て終了するまではその誤りに気付くことができない。従って、不適切な農薬を最後まで散布して損害を拡大させてしまうことも多かった。
一方、特許文献2及び3の構成で知ることができるのは、測定を行った時点におけるドリフト量又は空中の農薬濃度であり、作物の表面に最終的に付着する量を知ることはできない。従って、付着量を確認しながら散布量を調整することができないため、最終的に農薬をどの程度散布するかを決める際にはオペレータの経験に頼る部分が大きかった。
本願発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、農薬散布時に農薬散布状況を正確に把握し、当該散布状況に応じて柔軟に作業を行うことが可能な農薬散布方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、散布工程と、分析工程と、判断工程と、を含む農薬散布方法が提供される。前記散布工程においては、散布予定の農薬の量の一部のみを散布する。前記分析工程においては、前記散布工程で散布された農薬の散布状況を光分析技術によって分析する。前記判断工程においては、前記分析工程で分析された農薬の散布状況に基づいて、所望の散布状況が実現されているか否かを判断する。
即ち、ガスクロマトグラフィー等を用いた公定分析法では、分析結果が出るまでには時間が掛かっていたので、その場で分析結果を得ることができず、散布状況を分析しながら作業を行うことができなかった。また、目視や感水紙による確認方法では、正確に散布状況を判断することが困難であった。この点、本発明の方法は、光分析技術を用いることにより即座に正確な分析結果を得ることができるので、その場で農薬の散布状況を確認することができる。従って、散布作業の途中で散布状況を分析し、当該分析結果を確認しながら残りの作業を行うことができる。この方法により、散布する農薬の過不足が無くなり、適切な農薬散布を行うことができる。
前記の農薬散布方法においては、前記分析工程で分析される前記農薬の散布状況には、散布された農薬の種類と、農薬の付着量と、農薬のドリフト量と、のうち少なくとも何れか1つが含まれることが好ましい。
これにより、散布作業の途中で例えば農薬の種類を確認することにより、農薬の種類を間違っていた場合を早期に発見することができる。また例えば、散布作業の途中で農薬の付着量を確認することにより、残りの作業で散布する農薬の量を調整する等、柔軟に対応することができる。また例えば、散布作業の途中で農薬のドリフト量を確認することにより、ドリフト量が多い場合に散布方法を変更したり散布を中断するなどの対応をすることができる。
上記の農薬散布方法においては、以下の方法を採ることが好ましい。即ち、前記判断工程においては、前記散布工程で散布した農薬の量と、前記分析工程で分析した農薬の付着量と、に基づいて、残りの農薬の散布量を決定する。そして、前記判断工程で決定した残りの農薬の散布量に基づいて、当該残りの農薬を散布する第2散布工程を行う。
これにより、農薬の散布状況に応じて柔軟に農薬散布量を調整することが可能となり、適切に農薬を散布することができる。
上記の農薬散布方法においては、圃場内及び圃場外のうち少なくとも何れか一方に複数の農薬捕集材を配置し、前記散布工程の終了後に当該農薬捕集材に付着した農薬量を光分析技術で分析することが好ましい。
このように、農薬捕集材に付着した農薬量を測定することで、作物に付着した農薬量を推定することができる。また、複数の農薬捕集材を圃場内に配置した場合、場所による農薬付着量のバラツキを知ることができるので、農薬付着量が場所によらず均一になるように残りの散布作業を行うことができる。更に、圃場の外に農薬捕集材を配置した場合、ドリフト量を推定することができる。
上記の農薬散布方法においては、前記散布工程の途中又は終了後に、圃場又は圃場の近傍に赤外光を投光して、当該赤外光を受光した受光データをスペクトル分析する方法を採ることもできる。
例えば農薬捕集材の表面に農薬を付着させて分析する方法では、当該農薬捕集材の回収などの手間が必要であったが、上記の方法によればそのような手間が不要になる。また、空気中の農薬濃度から散布状況を分析することになるので、散布された農薬が落ち着くまで待たなくても即座に結果を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る農薬散布方法に用いる農薬捕集装置の外観斜視図。 第1実施形態の農薬散布方法に用いる分析装置の外観斜視図。 農薬捕集装置の配置方法の例を示す図。 本発明の第2実施形態に係る農薬散布方法に用いる分析装置の外観斜視図。 分析装置及び反射鏡の配置方法の例を示す図。
次に、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の農薬散布方法に用いる農薬捕集装置の分解斜視図である。図2は、本実施形態の農薬散布方法に用いる分析装置の外観斜視図である。
図1に示す農薬捕集装置10は、捕集材(農薬捕集材)11と、当該捕集材11を支持するための支持台と、を備えている。この農薬捕集装置10は、農薬散布の対象となっている圃場に配置し、農薬散布時に捕集材11に農薬を付着させ、分析装置(後述)で当該捕集材11の表面を分析することにより作物に対する農薬の付着量を推定するためのものである。
前記支持台は、上枠12と、下枠13と、脚部14と、を備えている。
上枠12は、例えば4本の棒材を組み合わせてボルトによって固定し、又は矩形状の板の中央に貫通孔を形成することによって製造される。下枠13も同様の方法によって製造され、上枠12と同形状となっている。また、下枠13は前記脚部14に対して固定されており、下枠13は水平に向けた状態で脚部14によって支持されている。
また、脚部14は、細長い棒状に構成されており、上枠12及び下枠13を所定の高さに配置するように支持することができる。脚部の長さ(上枠及び下枠の高さ)は、農薬散布の対象となっている圃場に植えられている作物の高さとほぼ同じになるように適宜設定されている。これにより、作物に付着した農薬の量を正確に推定することができる。
前記捕集材11はシート状又は板状であり、矩形状に形成されている。また、その寸法は、矩形枠状に形成された上枠12及び下枠13の内側の寸法と比較して、若干大きくなるように設定されている。捕集材11の素材については特に限定しないが、吸水性のある材質(例えば繊維状のシート)で構成すれば、農薬散布後に捕集材11の表面を乾燥させなくても当該捕集材11を回収することができるため、好適である。また、本実施形態の捕集材11は、両面に農薬を付着させることができるように構成されている。
この構成で、上枠12と下枠13は、捕集材11の外縁を挟み込んだ状態で互いに締結され、これにより、1枚の捕集材11の上下両面を露出させた状態で保持することができる。上枠12と下枠13とを連結する構成としては、例えばボルト等を用いることができるが、捕集材11の回収の効率化のためには、容易に取外し可能な構成であることが好ましい。
そして、農薬が散布されると、飛散した農薬は捕集材11の上面に付着するとともに、当該捕集材11の下面にも付着する。その後、捕集材11を上枠12及び下枠13から取り外して回収し、表面に付着した農薬の濃度を分析装置によって測定する。
図2に示す分析装置20は、測定装置21と、コンピュータ22と、を備えている。
測定装置21は、フーリエ赤外分光光度計(FT−IR)であって、その測定方法は拡散反射法を用いたものである。この測定装置21は、光源と、干渉計と、検出器と、A/D変換器と、を備える。また、測定装置21は、捕集材11をセットして、前記拡散反射法により当該捕集材11の表面を測定できるように構成されている。前記拡散反射法について簡単に説明すると、光源から出た赤外光が干渉計を通過して干渉光となり、その干渉光が捕集材11に照射され、捕集材11から反射する光を検出器で検出するものである。測定装置21は、検出器で検出した光をA/D変換器でデジタル信号に変換し、コンピュータ22へと送信するように構成されている。
コンピュータ22は、測定装置21から受信したデジタル信号に対してフーリエ変換などの演算処理を行うことにより、赤外線スペクトルデータを作成するように構成されている。また、コンピュータ22の記憶装置には、様々な農薬の赤外線スペクトルデータと、当該農薬の検量式データと、がデータベース化された検索ライブラリが記憶されている。コンピュータ22は、前記赤外線スペクトルデータを検索ライブラリのデータに基づいて分析することにより、赤外線スペクトルに含まれる農薬の定性分析及び定量分析を行うことができる。
また、コンピュータ22は、表示部23と、入力部24と、を備えている。表示部23は一般的な液晶ディスプレイ又はブラウン管ディスプレイとして構成され、測定装置21からの信号を分析した結果を、文字又はグラフィックス等により表示することが可能である。入力部24は複数の入力キーを備えており、オペレータが各種分析条件などを入力して所望の条件で分析を行うことが可能に構成されている。
以上のように構成された分析装置20によって、捕集材11の表面に付着した農薬の量を測定することができる。例えば、ガスクロマトグラフィーを用いた場合は1サンプルあたり数十分から数時間、多数のサンプルを分析するには数日が必要となっていたのに対し、FT−IRによる測定時間は1サンプルあたり数分であり、極めて迅速に測定結果を得ることができる。
次に、本実施形態における農薬散布方法について説明する。
まず、農薬の散布作業に先立って、農薬散布の対象となる圃場の内外に複数の農薬捕集装置10を配置する。この農薬捕集装置10の配置方法の例を図3に示す。この図3に示すように、農薬捕集装置10を、散布対象圃場内にマトリックス状に縦横に並べて複数配置すれば、当該散布対象圃場内における農薬付着量のバラツキを効果的に測定することができる。また、散布対象圃場の周囲(当該散布対象圃場と散布非対象圃場との間の位置)に農薬捕集装置10を配置すれば、ドリフト量を測定できて好適である。
農薬捕集装置10の配置が終了すると、オペレータは無人ヘリを操作して、農薬の散布予定量のうち一部(例えば50%)のみを散布する(散布工程)。ここで、前記散布予定量は、作物に対する農薬付着量の目標値、散布対象圃場の面積などから、予め推算しておく。
そして、前記散布予定量の一部の散布が終了すると、空気中に浮遊している農薬が捕集材11に付着するために十分な時間として定められた所定時間が経過した後、捕集材11を回収して分析装置20による分析を行う(分析工程)。
コンピュータ22は、前記検索ライブラリに基づいて赤外線スペクトルの分析を行い、捕集材11に付着している農薬の定性分析及び定量分析を行う。分析が終了すると、コンピュータ22は、表示部23に、捕集材11に付着していた農薬の種類、及び当該農薬の量を表示する。
オペレータは、表示部23に表示された結果を確認することで、所望の散布状況が得られているか否かを判断することができる(判断工程)。
例えば、オペレータは、表示部23に表示された農薬の種類を確認することによって、間違った農薬を散布していないかを判断することができる。もし間違った農薬を散布していた場合は、即座に散布を終了するなど、適切に対応することができる。
また、オペレータは、表示部23に表示された農薬の量を確認することにより、当該圃場内に植えられている作物に付着した農薬の量を推定することができる。また、本実施形態では、捕集材11の両面に農薬を付着させることが可能に構成されているので、作物の葉の裏表両面に付着する農薬の量をより正確に推定することができる。
ここで例えば、前記散布工程で散布予定量の50%を散布したとする。この場合、測定した農薬付着量が目標値の約50%であれば、意図した通り散布が行われていると判断できるので、このまま残りの50%の農薬を散布すれば良いと判断できる。一方、農薬の付着量が目標値の50%に対して過不足がある場合は、残りの散布量を調整したり、散布方法を変更するなど、適切に対応することができる。また、付着量が目標値の50%から極端に違う場合は、農薬の希釈量が間違っていないかを確認するなどの対応も行うことができる。
また、散布対象圃場内に配置した複数の捕集材11への農薬付着量を比較することにより、圃場内の各位置で農薬付着量にバラツキがあるか否かを判断することができる。農薬付着量にバラツキがあった場合は、残りの農薬を散布する際に、付着量が少ない場所に重点的に散布するといった計画を立てることができる。
更に、散布対象圃場の周囲に配置した捕集材11に付着した農薬量を分析することにより、ドリフト量を推定することができる。ドリフト量が多い場合は、風向きを考えて散布位置を変更したり、散布を一時中断するなど、適切に対応することができる。
そして、農薬の散布状況を判断した後、オペレータは当該判断結果に基づいて、残りの農薬の散布を行う(第2散布工程)。
以上で示したように、光分析技術を用いて農薬の散布状況を判断することで、散布作業の途中で散布状況をほぼリアルタイムで正確に把握し、当該散布状況に基づいて散布作業を続けることが可能となっている。
次に、本発明の第2実施形態について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態の農薬散布方法に用いる分析装置の外観斜視図である。
この分析装置30は、測定装置31と、コンピュータ32と、を備えている。
測定装置31は、第1実施形態と同様にFT−IRとして構成されているが、第1実施形態とは異なり、測定方法としてオープンパスシステムを採用している。この測定装置31は、光源と、干渉計と、望遠鏡と、検出器と、A/D変換器と、を備えている。このオープンパスシステムについて簡単に説明すると、図4に示すように、計測対象空間の一端側に測定装置31を、他端側に反射鏡35をそれぞれ配置する。そして、光源からの赤外光を、干渉計を介して望遠鏡から測定装置31の外部に投光し、反射鏡35によって反射された光を再び望遠鏡で集光して、集光された光を検出器で検出する。この計測方法により、屋外のように開放された空間における大気中のガス濃度を測定することができる。また、測定装置31は、検出器で検出した光をA/D変換器でデジタル信号に変換し、コンピュータ32へ送信するように構成されている。
コンピュータ32は、表示部33と入力部34とを備えるとともに、前記測定装置31から入力されるデジタル信号に基づいて赤外線スペクトルデータを作成し、検索ライブラリに基づいて、前記赤外線スペクトルデータに含まれる農薬の定性分析と定量分析を行えるように構成されている。
また、コンピュータ32は、赤外線スペクトルデータを分析することによって得られた大気中の農薬濃度に基づいて、作物に対する農薬の付着量を予測することができるように構成されている。具体的には以下のとおりである。まず、予め試験的な農薬の散布を行い、そのときに測定した大気中の農薬濃度と、所定時間経過後に(例えば第1実施形態の農薬捕集装置を用いて)測定した農薬の付着量と、を付着量データベースとしてコンピュータ32の記憶装置に記憶しておく。そして、コンピュータ32は、前記付着量データベースを参照することで、農薬散布後(又は農薬散布途中)における大気中の農薬濃度から、最終的に作物に付着する農薬の量を予測できるように構成されている。
次に、本実施形態における農薬散布方法について説明する。
まず、農薬の散布に先立って、分析装置30と反射鏡35を適宜の位置に配置し、農薬散布対象圃場内、又は当該散布対象圃場の近傍に光路を設定する。図5に、分析装置30と反射鏡35の配置方法の例を示す。この図5に示すように、散布対象圃場の周囲に光路を設定することで、ドリフト量を測定することができる。また、反射鏡35は1つでも良いが、図5の例に示すように複数の反射鏡35を用いて散布対象圃場の周囲を囲むようにして光路を設定すれば、より確実にドリフトを検出することができる。また、複数の反射鏡35を用いることで光路が長くなり、検出精度を高めることができる。
分析装置30と反射鏡35の配置が終了すると、オペレータは無線ヘリを操作して、農薬の散布予定量のうち一部(例えば50%)のみを散布する(散布工程)。そして、前記散布予定量の一部の散布が終了すると、空気中の農薬の種類及び濃度を、分析装置30によって分析する(分析工程)。
コンピュータ32は、検索ライブラリに基づいて赤外線スペクトルの分析を行い、空気中の農薬の定性分析及び定量分析を行う。分析が終了すると、コンピュータ32は、表示部33に、空気中の農薬の種類、及び当該農薬の濃度を表示する。更に、コンピュータ32は、測定した空気中の農薬濃度と、付着量データベースと、に基づいて、作物に最終的に付着する農薬の量を予測し、表示部33に表示する。
オペレータは、表示部33に表示された結果を確認することで、所望の散布状況が得られているか否かを判断することができる(判断工程)。
オペレータは、表示部33に表示された農薬の種類を確認することで、農薬の種類を間違って散布していないかを判断することができる。また、本実施形態では、散布対象圃場の周囲に光路を設定して当該光路上の農薬の濃度を測定しているので、表示部33に表示された空気中の農薬濃度を確認することにより、ドリフト量を推定することができる。また、オペレータは、表示部33に表示された農薬付着量の予測値と、既に散布した農薬の量とを照らし合わせることで、残りの農薬の散布量を調整する等、適宜対応することができる。
なお、第1実施形態では、空気中に浮遊している農薬が捕集材11に付着するまでの間は捕集材11を回収することができなかったが、本実施形態では農薬散布終了後直ちに分析を行うことができる。また、捕集材11を回収する手間も不要になる。
そして、農薬の散布状況を判断した後、オペレータは当該判断結果に基づいて、残りの農薬の散布を行う(第2散布工程)。
以上で説明したように、上記第1実施形態及び第2実施形態の農薬散布方法は、散布工程と、分析工程と、判断工程と、を含む。散布工程においては、散布予定の農薬の量の一部のみを散布する。分析工程においては、散布工程で散布された農薬の散布状況を光分析技術によって分析する。判断工程においては、分析工程で分析された農薬の散布状況に基づいて、所望の散布状況が実現されているか否かを判断する。
即ち、ガスクロマトグラフィー等を用いた公定分析法では、分析結果が出るまでに長い時間が掛かっていたので、その場で分析結果を得ることができず、散布状況を分析しながら作業を行うことができなかった。また、目視や感水紙による確認方法では、正確に散布状況を判断することが困難であった。この点、上記実施形態の方法は、光分析技術を用いることにより即座に正確な分析結果を得ることができるので、その場で農薬の散布状況を確認することができる。従って、散布作業の途中で散布状況を分析し、当該分析結果を確認しながら残りの作業を行うことができる。この方法により、散布する農薬の過不足が無くなり、適切な農薬散布を行うことができる。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態の農薬散布方法においては、分析工程で分析される農薬の散布状況は、散布された農薬の種類と、農薬の付着量と、農薬のドリフト量と、を含んでいる。
即ち、散布作業の途中で農薬の種類を確認することにより、農薬の種類を間違っていた場合を早期に発見することができる。また、散布作業の途中で農薬の付着量を確認することにより、残りの作業で散布する農薬の量を調整する等、柔軟に対応することができる。また、散布作業の途中で農薬のドリフト量を確認することにより、ドリフト量が多い場合に散布方法を変更したり散布を中断するなどの対応をすることができる。
また、上記の第1実施形態及び第2実施形態の農薬散布方法においては、判断工程において、散布工程で散布した農薬の量と、分析工程で分析した農薬の付着量と、に基づいて、残りの農薬の散布量を決定している。そして、判断工程で決定した残りの農薬の散布量に基づいて、当該残りの農薬を散布する第2散布工程を行っている。
これにより、農薬の散布状況に応じて柔軟に農薬散布量を調整することが可能となり、適切に農薬を散布することができる。
また、上記第1実施形態の農薬散布方法においては、農薬の散布対象である圃場の内外に複数の捕集材11を配置し、散布工程の終了後に当該捕集材11に付着した農薬量を光分析技術で分析している。
このように、捕集材11に付着した農薬量を測定することで、作物に付着した農薬量を推定することができる。また、複数の捕集材11を圃場内に配置することにより、場所による農薬付着量のバラツキを知ることができるので、農薬付着量が場所によらず均一になるように残りの散布作業を行うことができる。更に、圃場の外に捕集材11を配置することで、ドリフト量を推定することができる。
また、上記第2実施形態の農薬散布方法においては、散布工程の終了後に、圃場の近傍に赤外光を投光して、当該赤外光を受光した受光データをスペクトル分析している。
即ち、第1実施形態のように捕集材11の表面に農薬を付着させて分析する方法では、当該捕集材11の回収などの手間が必要であったが、上記の方法によれば回収の手間が不要になる。また、空気中の農薬濃度から散布状況を分析することになるので、散布された農薬が落ち着くまで待たなくても即座に結果を得ることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
散布工程で散布する農薬の量の例として、散布予定量の50%としたが、これに限らず、例えば80%を散布した後で分析工程及び判断工程を行っても良い。
また、上記実施形態では散布予定量の農薬を2回に分けて散布するように説明したが、これに限らず、例えば1/3ずつ3回に分けて散布を行い、当該1/3の散布ごとに分析工程及び判断工程を行っても良い。
散布状況としては、農薬の種類、農薬のドリフト量、及び農薬の付着量の全てを分析しなければならないわけではなく、何れか1つ又は2つでも良い。例えば農薬のドリフト量を分析しない場合、第1実施形態では農薬散布対象圃場の周囲(圃場外)に農薬捕集装置10を配置する必要がなくなる。また、農薬のドリフト量を分析しない場合、第2実施形態においては、圃場を横断するように光路を設定することもできる。また、散布状況としては、上記3種類以外にも他の散布状況を分析しても良い。
農薬捕集装置を用いた光分析と、オープンパスシステムを用いた光分析とを併用しても良い。例えば、農薬付着量のバラツキの測定には農薬捕集装置を、ドリフト量の測定にはオープンパスシステムを、というように測定対象に合わせて使い分けることができる。ただし、2つの分析方法を併用すると、測定装置も2つ必要となるとともに、農薬捕集装置や反射鏡をそれぞれ配置することが必要になるので、測定の簡素化の観点からは何れか1つの方法を用いることが好ましい。
農薬捕集装置10の形状等は上記の構成に限らず、適宜のものを用いることができる。
上記第2実施形態においては、散布工程の終了後に分析を行っているが、これに限らず、例えば散布の途中にリアルタイムで空気中の農薬濃度をモニタするように構成することもできる。
フーリエ変換等の演算処理をコンピュータ側で行う構成に代えて、測定装置側で当該フーリエ変換等を行っても良い。
なお、本発明の方法は、無線ヘリによる防除作業の他、その他の方法による防除作業時においても実施することができる。
10 農薬捕集装置
11 捕集材(農薬捕集材)
20,30 分析装置
35 反射鏡

Claims (5)

  1. 散布予定の農薬の量の一部のみを散布する散布工程と、
    前記散布工程で散布された農薬の散布状況を光分析技術によって分析する分析工程と、
    前記分析工程で分析された農薬の散布状況に基づいて、所望の散布状況が実現されているか否かを判断する判断工程と、
    を含むことを特徴とする農薬散布方法。
  2. 請求項1に記載の農薬散布方法であって、
    前記分析工程で分析される前記農薬の散布状況には、散布された農薬の種類と、農薬の付着量と、農薬のドリフト量と、のうち少なくとも何れか1つが含まれることを特徴とする農薬散布方法。
  3. 請求項1又は2に記載の農薬散布方法であって、
    前記判断工程においては、前記散布工程で散布した農薬の量と、前記分析工程で分析した農薬の付着量と、に基づいて、残りの農薬の散布量を決定するとともに、
    前記判断工程で決定した残りの農薬の散布量に基づいて、当該残りの農薬を散布する第2散布工程を行うことを特徴とする農薬散布方法。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載の農薬散布方法であって、
    圃場内及び圃場外のうち少なくとも何れか一方に複数の農薬捕集材を配置し、前記散布工程の終了後に当該農薬捕集材に付着した農薬量を光分析技術で分析することを特徴とする農薬散布方法。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載の農薬散布方法であって、
    前記散布工程の途中又は終了後に、圃場又は圃場の近傍に赤外光を投光して、当該赤外光を受光した受光データをスペクトル分析することを特徴とする農薬散布方法。
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