JP2010206584A - プロジェクターの調整方法、プロジェクター、プロジェクター調整システム及びプロジェクター調整プログラム - Google Patents

プロジェクターの調整方法、プロジェクター、プロジェクター調整システム及びプロジェクター調整プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】マルチバンド測定により、低コストで、より正確に画像の調整が可能なプロジェクターの調整方法、プロジェクター及びプロジェクター調整システム等を提供する。
【解決手段】プロジェクターの調整方法は、所与のスペクトル成分を除去する光学フィルターを、前記プロジェクターの光路中に配置しない状態で、前記プロジェクターによる投射画像を撮像部により撮像する第1の撮像ステップと、前記光学フィルターを前記光路中に配置した状態で、前記プロジェクターの投射画像を前記撮像部により撮像する第2の撮像ステップと、前記第1及び第2の撮像ステップの撮像データに基づいて、前記プロジェクターの調整パラメーターを算出する調整パラメーター算出ステップと、前記調整パラメーターに基づいて前記プロジェクターを調整するプロジェクター調整ステップとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロジェクターの調整方法、プロジェクター、プロジェクター調整システム及びプロジェクター調整プログラム等に関する。
近年、投写型の画像表示装置としてのプロジェクターは、高画質化や低コスト化が進み、種々の場面で使用されるに至っている。そのため、プロジェクターについては、使用される場面に応じて、色の再現性や画質が、より一層、重要視されるようになっている。このようなプロジェクターの投射画像には、色ムラ、輝度ムラや個体差があり、プロジェクターの投射画像の画質を精度良く向上させることが重要になっている。
プロジェクターの投射画像の画質を調整する場合、この投射画像をマルチバンド測定(マルチバンド撮影)により測定し、その測定結果をプロジェクターに反映させることが行われる。このようなマルチバンド測定については、例えば特許文献1に開示されている。
この特許文献1には、黒信号レベルによるオフセット画像を、複数の原色それぞれに対応するバンドのフィルターを切り替えながら順次マルチバンド測定を行い、プロジェクターの補正データを算出する技術が開示されている。即ち、特許文献1では、撮像側(測定側)であるカメラに、複数の原色それぞれに対応するバンドのフィルターを取り付けることでマルチバンド測定が行われる。
プロジェクターの投射画像の画質をより一層向上させるためには、例えば特許文献1に開示されているようなマルチバンド測定によって、投射画像の色を、より正確に測定する必要がある。
特開2005−20581号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、カメラに取り付けるフィルターの交換に手間がかかるという問題がある。また、フィルターを交換する際にカメラが動いてしまい、撮像した画像がずれてしまい、投射画像の色の測定精度を低下させてしまうという問題がある。これを改善するには、カメラに取り付けるフィルターの取り付け機構を複雑化しなければならず、コストが高くなる。
更に、投射画像の色をより正確に測定するためには、マルチバンド測定の際のバンド数を増やす必要があるが、例えば特許文献1に開示された技術を適用すると、よりコストが高くなってしまうという問題がある。
また、カメラにフィルターを取り付けると、フィルターの厚みに起因して微少な屈折があり、この厚みに起因した屈折を考慮して測定結果をプロジェクターに反映させる必要がある。そのため、測定結果の解析処理が複雑になってしまう。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、マルチバンド測定により、低コストで、より正確に画像の調整が可能なプロジェクターの調整方法、プロジェクター、プロジェクター調整システム及びプロジェクター調整プログラム等を提供することにある。
(1)本発明の一態様は、複数の色光を画像情報に基づいて変調して画像を投射するプロジェクターの調整方法が、所与のスペクトル成分を除去する光学フィルターを、前記プロジェクター内又は前記プロジェクター外の光路中に配置しない状態で投射された第1の投射画像を撮像部により撮像して第1の撮像データを取得する第1の撮像ステップと、前記光学フィルターを前記光路中に配置した状態で投射された第2の投射画像を前記撮像部により撮像して第2の撮像データを取得する第2の撮像ステップと、前記第1の撮像データと前記第2の撮像データとに基づいて、前記プロジェクターの調整パラメーターを算出する調整パラメーター算出ステップと、前記調整パラメーター算出ステップにおいて算出された前記調整パラメーターに基づいて前記プロジェクターを調整するプロジェクター調整ステップとを含む。
本態様によれば、プロジェクターの光路中に光学フィルターを配置しない状態で投射された第1の投射画像を撮像して第1の撮像データを取得すると共に、該光路中に光学フィルターを配置した状態で投射された第2の投射画像を撮像して第2の撮像データを取得し、第1の撮像データと第2の撮像データとに基づいてプロジェクターの調整パラメーターを算出するようにしたので、低コストでバンド数を増加させたマルチバンド測定が可能となる。また、撮像部側に光学フィルターを設ける必要がないため、光学フィルターを取り付ける際に撮像部が動くこともなく、撮像部の取り付け機構も簡素化できるようになる。更に、光学フィルターの装着状態と非装着状態とで画像の位置のズレをなくすことができ、光学フィルターの厚みに起因した屈折を考慮することなく、プロジェクターの調整パラメーターを算出できるようになる。
(2)本発明の他の態様に係るプロジェクターの調整方法では、前記調整パラメーター算出ステップは、前記第1の撮像データ及び前記第2の撮像データを、前記撮像部のバンド数より多いバンド数で取得された撮像データとして前記調整パラメーターを算出する。
本態様によれば、高価なマルチバンド撮像部を用意する必要がなく、低コストでバンド数を増加させたマルチバンド測定が可能となる。
(3)本発明の他の態様に係るプロジェクターの調整方法では、前記調整パラメーター算出ステップは、前記第1の撮像データと前記第2の撮像データと、前記撮像部の分光感度特性とに基づいて、前記プロジェクターの分光分布を推定する推定ステップと、前記推定ステップにおいて推定された前記分光分布を所与の色空間における色座標に変換する変換ステップとを含み、前記変換ステップにおいて得られた前記色座標に基づいて前記調整パラメーターを算出する。
本態様によれば、低コストで、プロジェクターの個体差に依存することなく、より正確な投射画像の色を測定でき、その結果、プロジェクターの投射画像の画質をより高精度に調整できるようになる。
(4)本発明の他の態様に係るプロジェクターの調整方法では、前記調整パラメーター算出ステップは、前記第1の撮像データと前記第2の撮像データとに基づいて、前記プロジェクターの分光特性を推定する推定ステップと、前記推定ステップにおいて推定された前記分光分布を所与の色空間における色座標に変換する変換ステップとを含み、前記変換ステップにおいて得られた前記色座標に基づいて前記調整パラメーターを算出する。
本態様によれば、撮像部の分光感度特性が既知の場合に、プロジェクターの投射画像の画質を精度良く調整できるようになる。
(5)本発明の他の態様に係るプロジェクターの調整方法では、前記第1の投射画像に対応した画像情報は、前記第2の投射画像に対応した画像情報と同一である。
本態様によれば、第1の撮像データと第2の撮像データとを用いて、マルチバンド測定のバンド数を精度良く増やすことができるので、プロジェクターの投射画像の画質を高精度に調整できるようになる。
(6)本発明の他の態様に係るプロジェクターの調整方法では、前記プロジェクター調整ステップは、前記調整パラメーターに基づいて、投射画像全体の輝度及び色度の少なくとも一方を調整する。
本態様によれば、プロジェクターの投射画像の画質を高精度に調整できるようになる。
(7)本発明の他の態様は、複数の色光を画像情報に基づいて変調して画像を投射するプロジェクターが、光源と、前記光源から射出された光束に含まれる前記複数の色光を前記画像情報に基づいて変調する光変調素子と、前記光変調素子により変調された光を投射する投射レンズとを有する投射部と、前記投射部内又は前記投射部外の光路中に配置可能に設けられ、所与のスペクトル成分を除去する光学フィルターと、前記投射部による投射画像を撮像する撮像部とを含み、前記撮像部は、前記光学フィルターを前記投射部内又は前記投射部外の光路中に配置しない状態で投射された第1の投射画像を撮像して第1の撮像データを取得し、前記光学フィルターを前記光路中に配置した状態で投射された第2の投射画像を撮像して第2の撮像データを取得する。
本態様によれば、プロジェクターの光路中に光学フィルターを配置しない状態で投射された第1の投射画像を撮像して第1の撮像データを取得すると共に、該光路中に光学フィルターを配置した状態で投射された第2の投射画像を撮像して第2の撮像データを取得し、第1の撮像データと第2の撮像データとに基づいてプロジェクターの調整パラメーターを算出するようにしたので、低コストでバンド数を増加させたマルチバンド測定が可能となる。また、撮像部側に光学フィルターを設ける必要がないため、光学フィルターを取り付ける際に撮像部が動くこともなく、撮像部の取り付け機構も簡素化できるようになる。更に、光学フィルターの装着状態と非装着状態とで画像の位置のズレをなくすことができ、光学フィルターの厚みに起因した屈折を考慮することなく、プロジェクターの調整パラメーターを算出できるようになる。
(8)本発明の他の態様に係るプロジェクターでは、前記第1の撮像データと、前記第2の撮像データとに基づいて、投射画像全体の輝度及び色度の少なくとも一方を調整する。
本態様によれば、投射画像の画質を高精度に調整できるプロジェクターを提供できるようになる。
(9)本発明の他の態様は、複数の色光を画像情報に基づいて変調して画像を投射するプロジェクターを調整するプロジェクター調整システムが、上記記載のプロジェクターと、前記プロジェクターの投射画像を調整する画像調整装置とを含み、前記画像調整装置は、前記第1の撮像データと、前記第2の撮像データとを解析する撮像データ解析部と、前記撮像データ解析部の解析結果に基づいて、前記プロジェクターの調整パラメーターを算出する調整パラメーター算出部とを含み、前記調整パラメーターに基づいて前記プロジェクターの投射画像を調整する。
本態様によれば、プロジェクターの光路中に光学フィルターを配置しない状態で投射された第1の投射画像を撮像して第1の撮像データを取得すると共に、該光路中に光学フィルターを配置した状態で投射された第2の投射画像を撮像して第2の撮像データを取得し、第1の撮像データと第2の撮像データとに基づいてプロジェクターの調整パラメーターを算出するようにしたので、低コストでバンド数を増加させたマルチバンド測定が可能となる。また、撮像部側に光学フィルターを設ける必要がないため、光学フィルターを取り付ける際に撮像部が動くこともなく、撮像部の取り付け機構も簡素化できるようになる。更に、光学フィルターの装着状態と非装着状態とで画像の位置のズレをなくすことができ、光学フィルターの厚みに起因した屈折を考慮することなく、プロジェクターの調整パラメーターを算出できるようになる。
(10)本発明の他の態様に係るプロジェクター調整システムでは、前記調整パラメーター算出部は、前記第1の撮像データと、前記第2の撮像データとを、前記撮像部のバンド数より多いバンド数で取得された撮像データとして前記調整パラメーターを算出する。
本態様によれば、高価なマルチバンド撮像部を用意する必要がなく、低コストでバンド数を増加させたマルチバンド測定が可能なプロジェクター調整システムを提供できるようになる。
(11)本発明の他の態様に係るプロジェクター調整システムでは、前記撮像データ解析部は、前記第1の撮像データと、前記第2の撮像データと、前記撮像部の分光感度特性とに基づいて、前記プロジェクターの分光分布を推定し、推定された前記分光分布を所与の色空間における色座標に変換し、前記調整パラメーター算出部は、前記撮像データ解析部により変換された前記色座標に基づいて、前記調整パラメーターを算出する。
本態様によれば、撮像部の分光感度特性が既知の場合に、プロジェクターの投射画像の画質を精度良く調整可能なプロジェクター調整システムを提供できるようになる。
(12)本発明の他の態様に係るプロジェクター調整システムでは、前記撮像データ解析部は、前記第1の撮像データと、前記第2の撮像データとに基づいて、前記プロジェクターの分光分布を推定し、推定された前記分光分布を所与の色空間における色座標に変換し、前記調整パラメーター算出部は、前記撮像データ解析部により変換された前記色座標に基づいて、前記調整パラメーターを算出する。
本態様によれば、撮像部の分光感度特性が既知の場合に、プロジェクターの投射画像の画質を精度良く調整可能なプロジェクター調整システムを提供できるようになる。
(13)本発明の他の態様に係るプロジェクター調整システムでは、前記光学フィルターの透過光を用いた投射画像に対応した画像情報は、前記光学フィルターの非透過光を用いた投射画像に対応した画像情報と同一である。
本態様によれば、光学フィルターの非装着状態における撮像データと光学フィルターの装着状態における撮像データとを用いて、マルチバンド測定のバンド数を精度良く増やすことができるので、プロジェクターの投射画像の画質を高精度に調整できるようになる。
(14)本発明の他の態様に係るプロジェクター調整システムでは、前記プロジェクターは、前記調整パラメーターに基づいて、投射画像全体の輝度及び色度の少なくとも一方を調整する。
本態様によれば、プロジェクターの投射画像の画質を高精度に調整できるようになる。
(15)本発明の他の態様は、プロジェクター調整プログラムが、複数の色光を画像情報に基づいて変調して画像を投射するプロジェクター内又は該プロジェクター外の光路中に、所与のスペクトル成分を除去する光学フィルターを配置しない状態で投射された第1の投射画像を撮像部により撮像して第1の撮像データを取得する制御を行う第1の撮像ステップと、前記光路中に前記光学フィルターを配置した状態で投射された第2の投射画像を前記撮像部により撮像して第2の撮像データを取得する制御を行う第2の撮像ステップと、前記第1の撮像データと前記第2の撮像データとに基づいて算出された前記プロジェクターの調整パラメーターに基づいて前記プロジェクターを調整する制御を行うプロジェクター調整ステップとを、コンピューターに実行させる。
本態様によれば、プロジェクターの光路中に光学フィルターを配置しない状態で投射された第1の投射画像を撮像して第1の撮像データを取得すると共に、該光路中に光学フィルターを配置した状態で投射された第2の投射画像を撮像して第2の撮像データを取得し、第1の撮像データと第2の撮像データとに基づいてプロジェクターの調整パラメーターを算出するようにしたので、低コストでバンド数を増加させたマルチバンド測定が可能となる。また、撮像部側に光学フィルターを設ける必要がないため、光学フィルターを取り付ける際に撮像部が動くこともなく、撮像部の取り付け機構も簡素化できるようになる。更に、光学フィルターの装着状態と非装着状態とで画像の位置のズレをなくすことができ、光学フィルターの厚みに起因した屈折を考慮することなく、プロジェクターの調整パラメーターを算出できるプロジェクター調整プログラムを提供できるようになる。
本発明に係る実施形態1におけるプロジェクター調整システムの構成例を示す図。 図2(A)、図2(B)は実施形態1における撮像部のバンド数の説明図。 図1のプロジェクター調整システムの構成例のブロック図。 図3の撮像データ解析部の構成例のブロック図。 色空間変換部の動作説明図。 調整パラメーター算出部の動作説明図。 調整パラメーター算出部における具体的な処理内容の説明図。 図3の輝度色度調整部の構成例のブロック図。 図3の投射部の構成例を示す図。 実施形態1におけるプロジェクター調整システムの動作説明図。 実施形態1における画像調整装置のハードウェア構成例のブロック図。 実施形態1における画像調整装置の処理例のフロー図。 本発明に係る実施形態3における投射部の構成例を示す図。 本発明に係る実施形態4における投射部の構成例を示す図。 本発明に係る実施形態5における投射部の構成例を示す図。 本発明に係る実施形態6における投射部の構成例を示す図。 本発明に係る実施形態7におけるプロジェクターの外観要部の斜視図の一例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の課題を解決するための必須の構成要件であるとは限らない。
〔実施形態1〕
図1に、本発明に係る実施形態1におけるプロジェクター調整システムの構成例を示す。
実施形態1におけるプロジェクター調整システム10は、画像表示装置(画像投射装置)としてのプロジェクターPJと、画像調整装置200とを含む。プロジェクターPJは、撮像部(カメラ)300を含み、投射面としてのスクリーンSCRに画像を投射する。実施形態1では、プロジェクターPJが撮像部300を内蔵するものとして説明するが、撮像部300がプロジェクターPJの外部に設けられていてもよい。
撮像部300は、RGBのマルチバンド(3バンド)で、プロジェクターPJによるスクリーンSCRへの投射画像の撮像データを取得することでマルチバンド測定を行うことができる。撮像部300によって取得された撮像データは、画像調整装置200に出力される。
画像調整装置200は、プロジェクターPJと撮像部300とに接続されており、プロジェクターPJと撮像部300とを制御することができるようになっている。より具体的には、画像調整装置200は、プロジェクターPJの投射画像を撮像した撮像部300からの撮像データ(測定結果)に基づいて、プロジェクターPJの投射画像の画質を調整する制御を行う。プロジェクターPJは、調整パラメーターに基づいて画面全体の輝度及び色度を調整できるようになっており、画像調整装置200は、撮像部300からの撮像データに基づいて算出した調整パラメーターをプロジェクターPJに送信することができる。このような画像調整装置200の機能は、例えばパーソナルコンピューター等を用いたソフトウェア処理や専用ハードウェア等によるハードウェア処理により実現される。
実施形態1では、プロジェクターPJの投射画像の画質をより精度良く向上させるために、撮像部300によるマルチバンド測定のバンド数を擬似的に増やし、低コストで、投射画像の色のより正確な測定を実現する。そのため、プロジェクターPJの光路中に、所与のスペクトル成分を除去する光学フィルターを配置可能に設け、光学フィルターの有無によって擬似的に6バンドのマルチバンド測定を実現する。ここで、光学フィルターの除去機能が、所与のスペクトル成分を有する不要光を反射又は吸収により実現されるものとする。
図2(A)、図2(B)に、実施形態1における撮像部300のバンド数の説明図を示す。図2(A)は、撮像部300の各バンドの分光感度特性の一例を表す。図2(B)は、図2(A)の分光感度特性と、光学フィルターを光路中に配置した状態でプロジェクターPJの投射画像を撮像部300で撮像したときの分光感度特性の一例を表す。
図2(A)、図2(B)は、横軸に光の波長、縦軸に分光感度を表す。撮像部300は、RGBの3バンドのそれぞれについて、図2(A)に示すような分光感度特性を有する。このような分光感度特性を有する撮像部300は、比較的、安価に入手できる。これに対して、プロジェクターPJの光路中に、光学フィルターを配置したり、配置しなかったりすることで、撮像部300の各バンドについて、光学フィルターを光路中に配置した状態(光学フィルターの装着状態)における分光感度特性と光路中に配置しない状態(光学フィルターの非装着状態)における分光感度特性とが定義され、3バンドの撮像部300により、擬似的に6バンドのマルチバンド測定が可能となる。
このような光学フィルターとしては、図2(B)に示すように、紫外域から440nmと550nmから630nmの波長帯域を有する光を除去(反射又は吸収)するフィルターを採用することができる。例えば図2(B)では、光学フィルターが光路中に配置された状態では、撮像部300の各バンドにおいて、紫外域から440nmと550nmから630nmの波長帯域を有する光については、分光感度特性が略「0」となっている。このように、光学フィルターをプロジェクターPJの光路中に配置したり配置しなかったりすることで、例えば図2(B)に示すように、図2(A)の撮像部300の各バンドの分光感度特性に加えて、各バンドにおいて光学フィルターが光路中に配置された状態の分光感度特性が追加される。
これにより、実施形態1によれば、高価なマルチバンド撮像部を用意する必要がなく、低コストでバンド数を増加させたマルチバンド測定が可能となる。また、撮像部側に光学フィルターを設ける必要がないため、光学フィルターを取り付ける際に撮像部が動くこともなく、撮像部の取り付け機構も簡素化できるようになる。
図3に、図1のプロジェクター調整システム10の構成例のブロック図を示す。なお、図3において、図1と同一の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
画像調整装置200は、画像情報生成部210、撮像データ解析部220、調整パラメーター算出部230を含む。
画像情報生成部210は、コンテンツ画像に対応した画像情報を生成し、プロジェクターPJに対して出力する。この画像情報生成部210の機能は、画像調整装置200の外部に設けられてもよい。
撮像データ解析部220は、撮像部300によって取得された投射画像の撮像データを解析してプロジェクターPJの分光分布を算出し、該分光分布を所与の色空間の色座標に変換した変換情報を生成する。そして、撮像データ解析部220は、この変換情報に基づいてプロジェクターPJの調整パラメーターを算出する。
図4に、図3の撮像データ解析部220の構成例のブロック図を示す。図4において、図3と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
撮像データ解析部220は、分光分布推定部222と、色空間変換部224とを含む。
分光分布推定部222は、撮像部300からの撮像データを用いてプロジェクターPJの分光分布を推定する。分光分布推定部222が、プロジェクターPJの分光分布を求めるためには、外部照明の分光分布、スクリーンSCRの分光反射率、撮像部300の分光感度特性の情報が必要になる。そこで、実施形態1では、暗室にてスクリーンSCRが均一に反射する特性を有するものと仮定し、分光分布推定部222は、撮像部300からの撮像データと予め測定された撮像部300の分光感度特性とに基づいて、プロジェクターPJの分光分布を推定する。
このようなプロジェクターPJの分光分布の推定については、例えば参考文献1(三宅洋一編、「分光画像処理入門」第4章 分光反射率推定理論、東京大学出版会、p.63−84)に記載されている推定方法を適用できる。この参考文献1には、少ないバンド数のマルチバンド測定により得られた撮像データから、プロジェクターからの光がスクリーンに反射されたときの分光分布を、最小ノルム解、主成分を用いた推定方法、或いは最小平均2乗誤差規範等に基づいて推定できることが記載されている。
実施形態1において、バンド数が「3」の撮像部300による撮像データが、光学フィルターの装着状態と非装着状態とによって6バンドの撮像データであるものとすると、この撮像データgは6×1行列となる。また、波長のサンプリング数をLとすると、予め測定された撮像部300の分光感度特性は、L×6行列により表される。そして、プロジェクターPJの分光分布(L×L行列)をE、スクリーンSCRの分光反射率(L×1行列)をr、ノイズ(6×1行列)をnとすると、撮像データgは、次式のように表される。
g=S・E・r+n ・・・(1)
上式において、Sは、撮像部300の分光分布(L×6行列)を表す行列である。行列S(=[s,s,・・・,s])は、i番目の列sがi番目のバンドの分光感度特性を表す。Sは、この行列Sの転置行列である。
ここで、解空間においてノルムが最小となるものを選び、ノイズフリー(即ち、n=0)と仮定すると、撮像データgは、次式のようになる。
g=S・E・r ・・・(2)
ここで、スクリーンSCRが均一に反射する特性を有するものと仮定しているので、スクリーンSCRの分光反射率が「1」で、分光反射率rの各要素が「1」の行列であるとすると、次式のようになる。
g=S・E ・・・(3)
例えば参考文献1に記載されるように、(3)式より次のように求められる。
E=S・(S・S)−1・g ・・・(4)
このように、撮像部300の分光感度特性が既知で、撮像部300からの撮像データが取得できれば、プロジェクターPJの分光分布を推定できる。
図4の色空間変換部224は、分光分布推定部222によって推定されたプロジェクターPJの分光分布を所与の色空間の色座標に変換し、その変換結果を調整パラメーター算出部230に出力する。
図5に、色空間変換部224の動作説明図を示す。図5は、横軸に光の波長、縦軸に分光応答度を示し、人間の目に対応する分光応答度を示す等色関数の一例を表す。
色空間変換部224は、分光分布推定部222によって推定されたプロジェクターPJの分光分布に対応したCIE(Commission Internationale de l'Eclairage)表色系の値を出力する。より具体的には、色空間変換部224は、プロジェクターPJの分光分布に対応したXYZ表色系(CIE 1931 表色系)の値を、調整パラメーター算出部230に出力するものとする。そのため、色空間変換部224は、分光分布推定部222によって推定されたプロジェクターPJの分光分布を、図5に示す等色関数に従って重み付けを行って足し合わせることで、変換情報としてXYZ表色系の値を出力する。
なお、このようなCIE表色系の値としては、XYZ表色系の他に、X101010表色系(CIE 1964 表色系)の値、XYZ表色系での色度座標(x,y)、X101010表色系での色度座標(x10,y10)、CIELAB色空間(CIE
1976 L色空間)の明度や色座標、CIELUV色空間(CIE 1976 L色空間)の明度や色座標等でもよい。
このように、撮像データ解析部220は、撮像部300によって取得された撮像データを解析して、プロジェクターPJの分光特性の違いに依存することなく定量的に表現できるXYZ表色系の値を生成することができる。
図6に、調整パラメーター算出部230の動作説明図を示す。図6は、調整パラメーターによるプロジェクターPJの調整前後における画像情報のR成分の入力値に対するXYZ表色系の値Xが変化する様子の一例を表す。なお、プロジェクターPJの調整前後における画像情報のG成分の入力値に対するXYZ表色系の値Yや、画像情報のG成分の入力値に対するXYZ表色系の値Xが変化する様子も、図6と同様である。
図7に、調整パラメーター算出部230における具体的な処理内容の説明図を示す。
実施形態1における調整パラメーター算出部230は、画像情報のR成分の入力値Rinのときの測定値が予め決められた基準値Xoutと一致するように、プロジェクターPJのR成分の入力値Rin´を算出する。そして、調整パラメーター算出部230は、プロジェクターPJにおいて、画像情報のR成分の入力値がRinのときに入力値Rin´を出力するように補正するための調整パラメーターを求めて、該調整パラメーターをプロジェクターPJに出力する。
この調整パラメーターは、例えば図7に示す変換式を変形することで、R成分の入力値Rin、G成分の入力値Gin、B成分の入力値Binに対応した、プロジェクターPJによる投射画像のCIELUV色空間の明度及び色座標(L、U、V)として求められる。従って、この明度及び色座標を実現するための調整パラメーターをプロジェクターPJに出力すればよい。
以上のように、推定されたプロジェクターPJの分光分布を所与の色空間の色座標に変換した後に、調整パラメーター算出部230は、投射画像全体の輝度及び色度を調整する調整パラメーターを算出する。
こうして算出された調整パラメーターは、プロジェクターPJに出力される。次に、このプロジェクターPJの構成について説明する。
図3に示すように、プロジェクターPJは、画像表示部としての投射部100と、画像処理部としての輝度色度調整部180と、画像情報入力部190とを含む。
投射部100は、投射部100に設けられた光路中に配置可能な光学フィルターFLを含み、光学フィルターを光路中に配置した状態(光学フィルターFLの装着状態)と光学フィルターを光路中に配置しない状態(光学フィルターFLの非装着状態)とを切り替えながら画像を投射できるようになっている。投射部100は、光学フィルターFLの装着状態では光学フィルターFLによって除去される光を含まない投射画像を投射し、光学フィルターFLの非装着状態では光学フィルターFLによって除去される光を含む投射画像を投射する。
画像情報入力部190は、画像調整装置200からの画像情報の受信インターフェース処理を行い、入力画像の画像情報として輝度色度調整部180に出力する。この受信インターフェース処理としては、物理層の信号レベルの変換処理やプログレッシブ変換処理を含むことができる。
輝度色度調整部180は、画像調整装置200からの調整パラメーターに基づいて、画像情報入力部190からの画像情報に対応した輝度及び色度の少なくとも一方を補正し、補正後の画像情報を投射部100に出力する。
投射部100は、輝度色度調整部180により調整(補正)された画像情報に基づいて、図示しない光源からの光の変調率を異ならせて、変調後の光をスクリーンSCRに投射する。より具体的には、この投射部100は、光源から射出された複数の色光を、輝度色度調整部180からの画像情報に基づいて変調して画像を投射する。
図8に、図3の輝度色度調整部180の構成例のブロック図を示す。図8において、図3と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
輝度色度調整部180は、調整パラメーター記憶部182と、信号変換部184とを含む。この輝度色度調整部180には、画像調整装置200の調整パラメーター算出部230によって算出された調整パラメーターが入力され、調整パラメーター記憶部182は、入力された調整パラメーターを記憶する。信号変換部184は、調整パラメーター記憶部182に記憶された調整パラメーターに基づいて、画像情報入力部190からの画像情報を補正し、補正後の画像情報を投射部100に出力する。
例えば、画像情報で表現可能な全階調についての調整パラメーターを調整パラメーター記憶部182に記憶しておき、信号変換部184は、画像情報により指定される階調に対応した調整パラメーターに基づいて、補正前の画像情報を補正することができる。或いは、例えば、画像情報で表現可能な全階調のうち離散的にいくつかの調整パラメーターを調整パラメーター記憶部182に記憶しておき、信号変換部184は、画像情報により指定される階調に対応した調整パラメーター又は調整パラメーター記憶部182に記憶された調整パラメーターを補間して得られた調整パラメーターに基づいて、補正前の画像情報を補正することができる。
図9に、図3の投射部100の構成例を示す。図9では、プロジェクターPJの投射部100が、いわゆる3板式の構成例を示しているが、本発明に係る投射部が、いわゆる3板式のものに限定されるものではない。
投射部100は、光源110、インテグレーターレンズ112、114、偏光変換素子116、重畳レンズ118、R成分用ダイクロイックミラー120R、G成分用ダイクロイックミラー120G、反射ミラー122、R成分用フィールドレンズ124R、G成分用フィールドレンズ124G、R成分用液晶パネル130R(第1の光変調素子)、G成分用液晶パネル130G(第2の光変調素子)、B成分用液晶パネル130B(第3の光変調素子)、リレー光学系140、クロスダイクロイックプリズム160、光学フィルターFL、投射レンズ170を含む。R成分用液晶パネル130R、G成分用液晶パネル130G及びB成分用液晶パネル130Bとして用いられる液晶パネルは、透過型の液晶表示装置である。リレー光学系140は、リレーレンズ142、144、146、反射ミラー148、150を含む。
光源110は、例えば超高圧水銀ランプにより構成され、少なくともR成分の光、G成分の光、B成分の光を含む光を射出する。インテグレーターレンズ112は、光源110からの光を複数の部分光に分割するための複数の小レンズを有する。インテグレーターレンズ114は、インテグレーターレンズ112の複数の小レンズに対応する複数の小レンズを有する。重畳レンズ118は、インテグレーターレンズ112の複数の小レンズから射出される部分光を液晶パネル上で重畳する。
また偏光変換素子116は、偏光ビームスプリッタアレイとλ/2板とを有し、光源110からの光を略一種類の偏光光に変換する。偏光ビームスプリッタアレイは、インテグレーターレンズ112により分割された部分光をp偏光とs偏光に分離する偏光分離膜と、偏光分離膜からの光の向きを変える反射膜とを、交互に配列した構造を有する。偏光分離膜で分離された2種類の偏光光は、λ/2板によって偏光方向が揃えられる。この偏光変換素子116によって略一種類の偏光光に変換された光が、重畳レンズ118に照射される。
重畳レンズ118からの光は、R成分用ダイクロイックミラー120Rに入射される。R成分用ダイクロイックミラー120Rは、R成分の光を反射して、G成分及びB成分の光を透過させる機能を有する。R成分用ダイクロイックミラー120Rを透過した光は、G成分用ダイクロイックミラー120Gに照射され、R成分用ダイクロイックミラー120Rにより反射した光は反射ミラー122により反射されてR成分用フィールドレンズ124Rに導かれる。
G成分用ダイクロイックミラー120Gは、G成分の光を反射して、B成分の光を透過させる機能を有する。G成分用ダイクロイックミラー120Gを透過した光は、リレー光学系140に入射され、G成分用ダイクロイックミラー120Gにより反射した光はG成分用フィールドレンズ124Gに導かれる。
リレー光学系140では、G成分用ダイクロイックミラー120Gを透過したB成分の光の光路長と他のR成分及びG成分の光の光路長との違いをできるだけ小さくするために、リレーレンズ142、144、146を用いて光路長の違いを補正する。リレーレンズ142を透過した光は、反射ミラー148によりリレーレンズ144に導かれる。リレーレンズ144を透過した光は、反射ミラー150によりリレーレンズ146に導かれる。リレーレンズ146を透過した光は、B成分用液晶パネル130Bに照射される。
R成分用フィールドレンズ124Rに照射された光は、平行光に変換されてR成分用液晶パネル130Rに入射される。R成分用液晶パネル130Rは、光変調素子(光変調部)として機能し、R成分用の画像情報に基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するようになっている。従って、R成分用液晶パネル130Rに入射された光(第1の色成分の光)は、輝度色度調整部180によって補正されたR成分用の画像情報に基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
G成分用フィールドレンズ124Gに照射された光は、平行光に変換されてG成分用液晶パネル130Gに入射される。G成分用液晶パネル130Gは、光変調素子(光変調部)として機能し、G成分用の画像情報に基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するようになっている。従って、G成分用液晶パネル130Gに入射された光(第2の色成分の光)は、輝度色度調整部180によって補正されたG成分用の画像情報に基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
リレーレンズ142、144、146で平行光に変換された光が照射されるB成分用液晶パネル130Bは、光変調素子(光変調部)として機能し、B成分用の画像情報に基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するようになっている。従って、B成分用液晶パネル130Bに入射された光(第3の色成分の光)は、輝度色度調整部180によって補正されたB成分用の画像情報に基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
R成分用液晶パネル130R、G成分用液晶パネル130G及びB成分用液晶パネル130Bは、それぞれ同様の構成を有している。各液晶パネルは、電気光学物質である液晶を一対の透明なガラス基板に密閉封入したものであり、例えばポリシリコン薄膜トランジスタをスイッチング素子として、各サブ画素の画像情報に対応して各色光の通過率を変調する。
クロスダイクロイックプリズム160は、R成分用液晶パネル130R、G成分用液晶パネル130G及びB成分用液晶パネル130Bからの入射光を合成した合成光を出射光として出力する機能を有する。
クロスダイクロイックプリズム160と投射レンズ170との間には、クロスダイクロイックプリズム160による合成光(出射光)の光路中に光学フィルターFLが配置可能に設けられている。即ち、光学フィルターFLは、クロスダイクロイックプリズム160による合成光の光路中に配置されたり、クロスダイクロイックプリズム160による合成光の光路外に配置されたりできるようになっている。この光学フィルターFLは、例えば紫外域から440nmと550nmから630nmの波長帯域を有する光を除去(反射又は吸収)するフィルターである。
光学フィルターFLがクロスダイクロイックプリズム160による合成光の光路中に配置された状態(光学フィルターFLの装着状態)では、クロスダイクロイックプリズム160による合成光は、光学フィルターFLに照射される。光学フィルターFLは、上記のように所与のスペクトル成分の光を反射し、残りのスペクトル成分の光を透過させる。光学フィルターFLの透過光は、投射レンズ170に照射される。
一方、光学フィルターFLがクロスダイクロイックプリズム160による合成光の光路外に配置された状態(光学フィルターFLの非装着状態)では、クロスダイクロイックプリズム160による合成光は、光学フィルターFLの非透過光として、そのまま投射レンズ170に照射される。
投射レンズ170は、クロスダイクロイックプリズム160による合成光、又は該合成光が光学フィルターFLを透過した光を用いて出力画像をスクリーンSCR上に拡大して結像させるレンズであり、ズーム倍率に応じて画像を拡大又は縮小させる機能を有する。
このような構成を有する投射部100において、光学フィルターFLは、図示しない移動機構によって、上記の光束の光路内外に移動される。例えば光学フィルターFLは、投射レンズ170の光軸に対して略垂直になるように該光軸上に配置されており、移動機構(図示せず)は、光学フィルターFLを光路外に、スライド移動させることができる。また、この移動機構は、光路外にあった光学フィルターFLを、投射レンズ170の光軸に対して略垂直になるように光路内にスライド移動させることができる。
なお、上記の光学フィルターFLの移動機構は、手動の機構であってもよいし、画像調整装置200又はプロジェクターPJからの制御情報により制御される機構であってもよい。
このようなプロジェクター調整システム10は、次のような動作によって、プロジェクターPJの画質の調整を行う。
図10に、実施形態1におけるプロジェクター調整システム10の動作説明図を示す。図10において、図3と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
まず、プロジェクター調整システム10において、画像調整装置200がプロジェクターPJに対して所与のテスト画像に対応した画像情報を出力し(T1)、プロジェクターPJが、上記の光学フィルターFLの非装着状態においてテスト画像(第1の投射画像)を投射する。テスト画像としては、例えば同一階調の画素が一面に配列された画像とすることができる。そして、撮像部300は、スクリーンSCR上のプロジェクターPJの投射画像(第1の投射画像)を撮像し、その撮像データ(第1の撮像データ)を画像調整装置200に送る(T2)。
このような光学フィルターFLの非装着状態において、例えば複数種類の階調についてテスト画像の投射と、その撮像を繰り返す。これにより、光学フィルターFLの非透過光を用いた投射画像についての撮像データを取得できる。
続いて、画像調整装置200がプロジェクターPJに対して所与のテスト画像に対応した画像情報を出力し(T3)、プロジェクターPJが、上記の光学フィルターFLの装着状態においてテスト画像(第2の投射画像)を投射する。このテスト画像は、光学フィルターFLの非装着状態におけるテスト画像と同じ画像とする。即ち、光学フィルターの透過光を用いた投射画像に対応した画像情報は、光学フィルターの非透過光を用いた投射画像に対応した画像情報と同一とする。そして、撮像部300は、スクリーンSCR上のプロジェクターPJの投射画像(第2の投射画像)を撮像し、その撮像データ(第2の撮像データ)を画像調整装置200に送る(T4)。
このような光学フィルターFLの装着状態において、例えば複数種類の階調についてテスト画像の投射と、その撮像を繰り返す。
次に、画像調整装置200は、例えば各階調における光学フィルターFLの装着状態の撮像データと非装着状態の撮像データとを1組として、プロジェクターPJの色ムラ、輝度ムラや個体差を補正するための調整パラメーターを算出する。そして、画像調整装置200は、この調整パラメーターを含む調整コマンドをプロジェクターPJに送信する(T5)。この調整コマンドを受け付けたプロジェクターPJは、調整コマンドで指定された調整パラメーターに基づいて、画面全体の輝度及び色度を調整する制御を行う。
このようなプロジェクターPJの投射画像の画質の調整制御を行う画像調整装置200の機能は、ハードウェア処理により実現されてもよいし、ソフトウェア処理により実現されてもよい。
図11に、実施形態1における画像調整装置200のハードウェア構成例のブロック図を示す。
画像調整装置200は、CPU250、I/F回路260、読み出し専用メモリ(Read
Only Memory:ROM)270、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)280、バス290を有し、バス290を介して、CPU250、I/F回路260、ROM270、及びRAM280は電気的に接続されている。
例えばROM270には、画像調整装置200の機能を実現するプログラムが記憶される。CPU250は、ROM270に記憶されたプログラムを読み出し、該プログラムに対応した処理を実行することで、画像調整装置200の機能をソフトウェア処理で実現できる。なお、RAM280は、CPU250による処理の作業エリアとして用いられたり、I/F回路260やROM270のバッファエリアとして用いられたりする。I/F回路260は、プロジェクターPJに送られる画像情報や調整パラメーターの出力インターフェース処理や、プロジェクターPJの撮像部300からの撮像データの入力インターフェース処理を行う。
図12に、実施形態1における画像調整装置200の処理例のフロー図を示す。例えば、図11のROM270に図12に示す処理手順を指示するプログラムが記憶されており、CPU250がROM270から読み込んだプログラムに対応した処理を実行することで、画像調整装置200の各部の機能を図12に示すようにソフトウェア処理により実現できるようになっている。
まず、画像調整装置200は、光学フィルター非装着処理を行う(ステップS10)。即ち、画像調整装置200は、プロジェクターPJに対してコマンドを出力して、図9に示すような構成の投射部100を有するプロジェクターPJを制御して、光学フィルターFLを光路外に配置するように制御する。或いは、画像調整装置200は、プロジェクターPJに対してコマンドを出力して、図示しないプロジェクターPJの操作パネル又は表示ランプ等により光学フィルターを光路外に配置するように指示する。
次に、画像調整装置200は、画像情報生成部210において、テスト画像に対応した画像情報を生成すると共に、第1の投射ステップとして、該画像情報をプロジェクターPJに対して送信し、プロジェクターPJにテスト画像(第1の投射画像)を投射させる(ステップS12)。ステップS12では、画像調整装置200からのコマンドを受け付けたプロジェクターPJが画像の投射を行ってもよいが、図示しないプロジェクターPJの操作パネル又は表示ランプ等により画像の投射を指示するようにしてもよい。
続いて、画像調整装置200は、第1の撮像ステップとして、プロジェクターPJに対してコマンドを送信して、撮像部300によりステップS12で表示したテスト画像の撮像(第1の撮像データの取得)を指示する(ステップS14)。
より具体的には、画像調整装置200は、プロジェクターPJに、まず、R成分以外のG成分及びB成分の階調値が「0」のテスト画像の画像情報を出力して、プロジェクターPJに該画像情報に対応したテスト画像を表示させた状態で、撮像部300が、スクリーンSCR上の画像を撮像する。次に、画像調整装置200は、R成分以外のG成分及びB成分の階調値が「1」のテスト画像の画像情報をプロジェクターPJに出力して、同様に、投射画像を撮像させる。このテスト画像を、R成分以外のG成分及びB成分の階調値が最大値となるテスト画像まで繰り返す。同様に、G成分以外のR成分及びB成分の階調値が「0」から最大値までの各テスト画像についても同様に繰り返した後、B成分以外のR成分及びG成分の階調値が「0」から最大値までの各テスト画像についても同様に繰り返す。
このようなテスト画像の投射とその投射画像の撮像とを、全テスト画像について繰り返す(ステップS16:N)。テスト画像は、上記のように、同一階調の画素が一面に配列された画像が、階調毎に複数種類用意されていることが望ましい。
そして、全テスト画像について、光学フィルターFLの非装着状態における撮像が終了すると(ステップS16:Y)、画像調整装置200は、光学フィルター装着処理を行う(ステップS18)。
ステップS18において、画像調整装置200は、プロジェクターPJに対してコマンドを出力して、図9に示すような構成の投射部100を有するプロジェクターPJを制御して、光学フィルターFLを光路中に配置するように制御する。或いは、画像調整装置200は、プロジェクターPJに対してコマンドを出力して、図示しないプロジェクターPJの操作パネル又は表示ランプ等により光学フィルターを光路内に配置するように指示する。
次に、画像調整装置200は、画像情報生成部210において、テスト画像に対応した画像情報を生成すると共に、第2の投射ステップとして、該画像情報をプロジェクターPJに対して送信し、プロジェクターPJにテスト画像(第2の投射画像)を投射させる(ステップS20)。ステップS20では、画像調整装置200からのコマンドを受け付けたプロジェクターPJが画像の投射を行ってもよいが、図示しないプロジェクターPJの操作パネル又は表示ランプ等により画像の投射を指示するようにしてもよい。
続いて、画像調整装置200は、第2の撮像ステップとして、プロジェクターPJに対してコマンドを送信して、撮像部300によりステップS20で表示したテスト画像の撮像(第2の撮像データの取得)を指示する(ステップS22)。
より具体的には、画像調整装置200は、プロジェクターPJに、まず、R成分以外のG成分及びB成分の階調値が「0」のテスト画像の画像情報を出力して、プロジェクターPJに該画像情報に対応したテスト画像を表示させた状態で、撮像部300が、スクリーンSCR上の画像を撮像する。次に、画像調整装置200は、R成分以外のG成分及びB成分の階調値が「1」のテスト画像の画像情報をプロジェクターPJに出力して、同様に、投射画像を撮像させる。このテスト画像を、R成分以外のG成分及びB成分の階調値が最大値となるテスト画像まで繰り返す。同様に、G成分以外のR成分及びB成分の階調値が「0」から最大値までの各テスト画像についても同様に繰り返した後、B成分以外のR成分及びG成分の階調値が「0」から最大値までの各テスト画像についても同様に繰り返す。
このようなテスト画像の投射とその投射画像の撮像とを、全テスト画像について繰り返す(ステップS24:N)。テスト画像は、上記のように、同一階調の画素が一面に配列された画像が、階調毎に複数種類用意されていることが望ましい。
そして、全テスト画像について、光学フィルターFLの装着状態における撮像が終了すると(ステップS24:Y)、画像調整装置200は、調整パラメーター算出ステップとして、上記のように調整パラメーターを算出する(ステップS26)。即ち、画像調整装置200は、撮像データ解析部220において、ステップS14及びステップS22で取得された撮像データと撮像部300の分光感度特性とに基づいてプロジェクターPJの分光分布を推定し、推定された分光分布を所与の色空間における色座標に変換した後、調整パラメーター算出部230において、変換された値に基づいて調整パラメーターを算出する。即ち、ステップS26は、ステップS14で取得された第1の撮像データとステップS22で取得された第2の撮像データと撮像部300の分光感度特性に基づいて、プロジェクターPJの分光特性を推定する推定ステップと、この推定ステップにおいて推定された分光分布を所与の色空間における色座標に変換する変換ステップとを含み、この変換ステップにおいて得られた色座標に基づいて調整パラメーターを算出する。これにより、ステップS26では、ステップS14の撮像データ及びステップS22の撮像データを、撮像部300のバンド数より多いバンド数で取得された撮像データとして調整パラメーターを算出することができる。
調整パラメーター算出部230では、例えばITU−R(International Telecommunications Union - Radiocommunication Sector) BT.601で規定された変換行列を用いた図7に示す変換式を変形することで、R成分の入力値Rin、G成分の入力値Gin、B成分の入力値Binに対応した、プロジェクターPJによる投射画像のCIELUV色空間の明度及び色座標(L,U,V)として求められる。従って、この明度及び色座標を実現するための調整パラメーターをプロジェクターPJに出力すればよい。
次に、画像調整装置200は、ステップS26において算出された調整パラメーターを含むコマンドをプロジェクターPJに送信し(ステップS28)、一連の処理を終了する(エンド)。画像調整装置200からの調整パラメーターを受信したプロジェクターPJは、この調整パラメーターに基づいて、投射画像全体の輝度及び色度を調整する制御を行う。
なお、図12では、光学フィルターFLの非装着状態でテスト画像を撮像した後に光学フィルターFLの装着状態でテスト画像を撮像する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、光学フィルターFLの装着状態でテスト画像を撮像した後に光学フィルターFLの非装着状態でテスト画像を撮像するようにしてもよい。
以上説明したように、実施形態1によれば、高価なマルチバンド撮像部を用意する必要がなく、低コストでバンド数を増加させたマルチバンド測定が可能となる。また、撮像部側に光学フィルターを設ける必要がないため、光学フィルターを取り付ける際に撮像部が動くこともなく、撮像部の取り付け機構も簡素化できるようになる。
更に、撮像部側に光学フィルターを設ける場合、光学フィルターの厚みに起因して微少な屈折があり、光学フィルターの非装着状態に撮像された画像と光学フィルターの装着状態に撮像された画像との間で、例えば数画素程度のズレが生じることがある。これに対して、実施形態1によれば、マルチバンド測定の際に擬似的にバンド数を増やす光学フィルターをプロジェクターPJ側に設けるようにしたので、プロジェクターPJ内での光の絞りによって、光学フィルターの厚みに起因した微少な屈折が無視できるようになる。このため、光学フィルターの装着状態と非装着状態とで画像の位置のズレをなくすことができ、光学フィルターの厚みに起因した屈折を考慮する必要がなくなる。
〔実施形態2〕
実施形態1では、撮像部300の分光感度特性が既知であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明に係る実施形態2では、図4の分光分布推定部222に相当する分光分布推定部が、撮像部300の分光感度特性が未知であったとしても、プロジェクターPJの分光分布を推定することができるようになっている。実施形態2では、分光分布推定部の構成及び動作を除き実施形態1と同様であるため、実施形態2におけるプロジェクター調整システムの構成及び動作の共通点については、図示及び説明を省略する。
実施形態2におけるプロジェクターPJ2の分光分布の推定については、例えば参考文献2(Francis Schmitt, Hans Brettel, Jon Yngve Hardeberg, “Multispectral Imaging Development at ENST”, Display and Imaging 8, 2000,p.261−268)に記載されている推定方法を適用できる。この参考文献2には、撮像部300の分光感度特性が不明である場合に、分光反射率が既知の被写体(マンセル色票)を、分光分布が既知の照明下で測定して、撮像部の分光感度特性を算出し、これに基づいて、分光反射率が不明な物体を撮像したときの該物体の分光反射率を推定する方法が記載されている。従って、この場合も、実施形態1と同様に、所定の条件下において、少ないバンド数のマルチバンド測定により得られた撮像データから、プロジェクターからの光がスクリーンに反射されたときの分光分布を推定できる。
このように実施形態2では、プロジェクターの非透過光を用いた投射画像の撮像データとプロジェクターの透過光を用いた投射画像の撮像データとに基づいて、プロジェクターの分光特性を推定し、推定された分光分布を所与の色空間における色座標に変換した変換情報が生成され、この変換情報に基づいて調整パラメーターが算出される。即ち、実施形態2では、図12において、調整パラメータ算出ステップは、ステップS14で取得された第1の撮像データとステップS22で取得された第2の撮像データとに基づいて、プロジェクターPJの分光特性を推定する推定ステップと、この推定ステップにおいて推定された分光分布を所与の色空間における色座標に変換する変換ステップとを含み、この変換ステップにおいて得られた色座標に基づいて調整パラメーターを算出する。
このような実施形態2においても、実施形態1と同様の効果を得ることができるようになる。
〔実施形態3〕
実施形態1又は実施形態2では、クロスダイクロイックプリズム160と投射レンズ170との間に光学フィルターFLが配置可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
図13に、本発明に係る実施形態3における投射部400の構成例を示す。図13において、図9と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
実施形態3における投射部400の構成が図9の投射部100の構成と異なる点は、光路中に配置可能に構成される光学フィルターFLの位置である。即ち、光学フィルターFLが、光源110と色分離光学系との間に配置可能に設けられている。なお、図13では、インテグレーターレンズ112とインテグレーターレンズ114との間に、光学フィルターFLが配置可能に設けられている。即ち、光学フィルターFLは、インテグレーターレンズ112の光路下流側において光路中に配置されたり、該光路外に配置されたりできるようになっている。
光学フィルターFLがインテグレーターレンズ112の光路下流側の光路中に配置された状態(光学フィルターFLの装着状態)では、インテグレーターレンズ112からの出射光は、光学フィルターFLに照射される。光学フィルターFLは、上記のように所与のスペクトル成分の光を除去(反射)し、残りのスペクトル成分の光を透過させる。光学フィルターFLの透過光は、インテグレーターレンズ114に照射される。
一方、光学フィルターFLがインテグレーターレンズ112の光路下流側の光路中に配置されない状態(光学フィルターFLの非装着状態)では、インテグレーターレンズ112からの出射光は、光学フィルターFLの非透過光として、そのままインテグレーターレンズ114に照射される。
このような光学フィルターFLは、中心部分で2つの光学フィルター片FL1、FL2に分割されており、図示しない移動機構は、光学フィルターFLの両端部を軸として各光学フィルター片FL1、FL2を観音開き状に開閉する。
なお、上記の光学フィルターFLの移動機構は、手動の機構であってもよいし、画像調整装置200又はプロジェクターPJからの制御情報により制御される機構であってもよい。
また、実施形態3において、光学フィルターFLを2つに分割することなく、実施形態1又は実施形態2と同様に分割されない光学フィルターを採用してもよい。
実施形態3における投射部400は、図3の投射部100に代えて、プロジェクターPJに適用することができる。
このような実施形態3によれば、実施形態1又は実施形態2と同様の効果を得ることができる。
〔実施形態4〕
実施形態1〜実施形態3では、光学フィルターFLが、クロスダイクロイックプリズム160と投射レンズ170との間、又は光源110と色分離光学系との間に配置可能に設けられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図14に、本発明に係る実施形態4における投射部500の構成例を示す。図14において、図9と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
実施形態4における投射部500の構成が図9の投射部100の構成と異なる点は、光路中に配置可能に構成される光学フィルターFLの位置である。実施形態4では、インテグレーターレンズ114と偏光変換素子116との間に、インテグレーターレンズ114の透過光の光路中に光学フィルターFLが配置可能に設けられている。即ち、光学フィルターFLは、インテグレーターレンズ114の透過光の光路中に配置されたり、インテグレーターレンズ114の透過光の光路外に配置されたりできるようになっている。
光学フィルターFLがインテグレーターレンズ114の光路下流側の光路中に配置された状態(光学フィルターFLの装着状態)では、インテグレーターレンズ114からの出射光は、光学フィルターFLに照射される。光学フィルターFLは、上記のように所与のスペクトル成分の光を除去(反射)し、残りのスペクトル成分の光を透過させる。光学フィルターFLの透過光は、偏光変換素子116に照射される。
一方、光学フィルターFLがインテグレーターレンズ114の光路下流側の光路中に配置されない状態(光学フィルターFLの非装着状態)では、インテグレーターレンズ114からの出射光は、光学フィルターFLの非透過光として、そのまま偏光変換素子116に照射される。
このような構成を有する投射部500において、光学フィルターFLは、図示しない移動機構によって、上記の光束の光路内外に移動される。例えば光学フィルターFLは、光源110の照明光軸に対して略垂直になるように該照明光軸上に配置されており、移動機構(図示せず)は、光学フィルターFLを光路外に、スライド移動させることができる。また、この移動機構は、光路外にあった光学フィルターFLを、光源110の照明光軸に対して略垂直になるように光路内にスライド移動させることができる。
なお、上記の光学フィルターFLの移動機構は、手動の機構であってもよいし、画像調整装置200又はプロジェクターPJからの制御情報により制御される機構であってもよい。
実施形態4における投射部500は、図3の投射部100に代えて、プロジェクターPJに適用することができる。また、光学フィルターFLの位置は、図13又は図14に示す位置に限定されるものではなく、光源110と色分離光学系との間であれば同様の効果を得ることができる。
このような実施形態4によれば、実施形態1〜実施形態3と同様の効果を得ることができる。
〔実施形態5〕
実施形態1〜実施形態4において、光学フィルターFLが、クロスダイクロイックプリズム160と投射レンズ170との間、又は光源110と色分離光学系との間に配置可能に設けられるものとして、3バンドの撮像部300により擬似的に6バンドのマルチバンド測定を実現する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、プロジェクターPJの投射部を構成する色分離光学系のいずれかの光路中に、光学フィルターFLを配置可能に設けてもよい。
図15に、本発明に係る実施形態5における投射部600の構成例を示す。図15において、図9と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
実施形態5における投射部600の構成が図9の投射部100の構成と異なる点は、光路中に配置可能に構成される光学フィルターFLの位置である。実施形態5では、R成分用ダイクロイックミラー120RとG成分用ダイクロイックミラー120Gとの間に、R成分用ダイクロイックミラー120Rの透過光の光路中に光学フィルターFLが配置可能に設けられている。即ち、光学フィルターFLは、R成分用ダイクロイックミラー120Rの透過光の光路中に配置されたり、R成分用ダイクロイックミラー120Rの透過光の光路外に配置されたりできるようになっている。
光学フィルターFLがR成分用ダイクロイックミラー120Rの透過光の光路中に配置された状態(光学フィルターFLの装着状態)では、R成分用ダイクロイックミラー120Rを透過した光は、光学フィルターFLに照射される。光学フィルターFLは、上記のように所与のスペクトル成分の光を除去(反射)し、残りのスペクトル成分の光を透過させる。光学フィルターFLの透過光は、G成分用ダイクロイックミラー120Gに照射される。
一方、光学フィルターFLがR成分用ダイクロイックミラー120Rの透過光の光路外に配置された状態(光学フィルターFLの非装着状態)では、R成分用ダイクロイックミラー120Rを透過した光は、光学フィルターFLの非透過光として、そのままG成分用ダイクロイックミラー120Gに照射される。
このような構成を有する投射部500において、光学フィルターFLは、図示しない移動機構によって、上記の光束の光路内外に移動される。例えば光学フィルターFLは、照明光軸に対して略垂直になるように照明光軸上に配置されており、移動機構(図示せず)は、図15の矢印M1で示すように、照明光軸によって形成される面(図15の紙面に相当)と直交する光学フィルターFLの2辺のうち、光学フィルターFLよりも光路下流側のG成分用ダイクロイックミラー120Gに近く、且つ、光学フィルターFLよりも光路上流側のR成分用ダイクロイックミラー120Rに遠い側の辺を光路上流側へ移動させ、反対側の辺が光路下流側に位置するようにして、光学フィルターFLを光路外にスライド移動させる。
或いは、この移動機構は、照明光軸によって形成される面(図15の紙面に相当)と直交する光学フィルターFLの2辺のうち、光学フィルターFLよりも光路下流側のG成分用ダイクロイックミラー120Gに近く、且つ、光学フィルターFLよりも光路上流側のR成分用ダイクロイックミラー120Rに遠い側の辺の近傍を軸として、反対側の辺を、図15の矢印M2で示すように、回転させるような機構であってもよい。
前者のような機構で光学フィルターFLを移動させた場合、後者のような機構に比べて、より少ないスペースで光学フィルターFLを光路内外に移動させることができるようになる。これにより、光学系やプロジェクターの小型化に寄与できるようになる。これに対して、後者のような機構で光学フィルターFLを移動させた場合、前者のような機構に比べて移動機構の構成を単純化できる。これにより、製造工程を簡素化や製造コストの低減に寄与できるようになる。
なお、上記の光学フィルターFLの移動機構は、手動の機構であってもよいし、画像調整装置200又はプロジェクターPJからの制御情報により制御される機構であってもよい。
また、実施形態5における投射部600は、図3の投射部100に代えて、プロジェクターPJに適用することができる。
このような実施形態5によれば、3バンドの撮像部300により、実施形態1〜実施形態5のようなバンド数でマルチバンド測定ができずに測定精度は低下してしまうものの、3バンドよりも多いバンド数でマルチバンド測定を実現できる。その結果、実施形態1〜実施形態4と同様に、高価なマルチバンド撮像部を用意する必要がなく、低コストでバンド数を増加させたマルチバンド測定が可能となる。また、撮像部側に光学フィルターを設ける必要がないため、光学フィルターを取り付ける際に撮像部が動くこともなく、撮像部の取り付け機構も簡素化できるようになる。更に、光学フィルターの装着状態と非装着状態とで画像の位置のズレをなくすことができ、光学フィルターの厚みに起因した屈折を考慮する必要がなくなる。
〔実施形態6〕
実施形態5では、R成分用ダイクロイックミラー120RとG成分用ダイクロイックミラー120Gに間に、光学フィルターFLを配置可能に設けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
図16に、本発明に係る実施形態6における投射部700の構成例を示す。図16において、図9と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
実施形態6における投射部700の構成が図9の投射部100の構成と異なる点は、光路中に配置可能に構成される光学フィルターFLの位置である。実施形態6では、G成分用ダイクロイックミラー120Gとリレーレンズ142との間に、G成分用ダイクロイックミラー120Gの透過光の光路中に光学フィルターFLが配置可能に設けられている。即ち、光学フィルターFLは、G成分用ダイクロイックミラー120Gの透過光の光路中に配置されたり、G成分用ダイクロイックミラー120Gの透過光の光路外に配置されたりできるようになっている。
光学フィルターFLがG成分用ダイクロイックミラー120Gの透過光の光路中に配置された状態(光学フィルターFLの装着状態)では、G成分用ダイクロイックミラー120Gを透過した光は、光学フィルターFLに照射される。光学フィルターFLは、上記のように所与のスペクトル成分の光を除去(反射)し、残りのスペクトル成分の光を透過させる。光学フィルターFLの透過光は、リレーレンズ142に照射される。
一方、光学フィルターFLがG成分用ダイクロイックミラー120Gの透過光の光路外に配置された状態(光学フィルターFLの非装着状態)では、G成分用ダイクロイックミラー120Gを透過した光は、光学フィルターFLの非透過光として、そのままリレーレンズ142に照射される。
このような構成を有する投射部700において、光学フィルターFLは、図示しない移動機構によって、上記の光束の光路内外に移動される。例えば光学フィルターFLは、照明光軸に対して略垂直になるように照明光軸上に配置されており、移動機構(図示せず)は、図16の矢印M3で示すように、照明光軸によって形成される面(図16の紙面に相当)と直交する光学フィルターFLの2辺のうち、光学フィルターFLよりも光路下流側のリレーレンズ142に近く、且つ、光学フィルターFLよりも光路上流側のG成分用ダイクロイックミラー120Gに遠い側の辺を光路上流側へ移動させ、反対側の辺が光路下流側に位置するようにして、光学フィルターFLを光路外にスライド移動させる。
或いは、この移動機構は、照明光軸によって形成される面(図16の紙面に相当)と直交する光学フィルターFLの2辺のうち、光学フィルターFLよりも光路下流側のリレーレンズ142に近く、且つ、光学フィルターFLよりも光路上流側のG成分用ダイクロイックミラー120Gに遠い側の辺の近傍を軸として、反対側の辺を、図16の矢印M4で示すように、回転させるような機構であってもよい。
前者のような機構で光学フィルターFLを移動させた場合、後者のような機構に比べて、より少ないスペースで光学フィルターFLを光路内外に移動させることができるようになる。これにより、光学系やプロジェクターの小型化に寄与できるようになる。これに対して、後者のような機構で光学フィルターFLを移動させた場合、前者のような機構に比べて移動機構の構成を単純化できる。これにより、製造工程を簡素化や製造コストの低減に寄与できるようになる。
なお、上記の光学フィルターFLの移動機構は、手動の機構であってもよいし、画像調整装置200又はプロジェクターPJからの制御情報により制御される機構であってもよい。
また、実施形態6における投射部700は、図3の投射部100に代えて、プロジェクターPJに適用することができる。
このような実施形態6によれば、実施形態5と同様の効果を得ることができる。
〔実施形態7〕
実施形態1〜実施形態6では、光源110から投射レンズ170までの間の光路中に光学フィルターFLを配置可能に設けるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る実施形態7では、プロジェクターPJの投射レンズの出射面側の先端に光学フィルターFLが取り付け可能に構成される。
図17に、本発明に係る実施形態7におけるプロジェクターPJの外観要部の斜視図の一例を示す。図17は、プロジェクターPJを前面上方側から見た斜視図を表す。図17において、図9と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
プロジェクターPJを構成する各部を収容する筐体800は、筐体800の上部部分を覆うアッパーケース810と、筐体800の下部部分を覆うロアーケース820と、筐体800の前面部分を覆うフロントケース830とを備える。アッパーケース810の天面部には操作パネル812が設けられており、プロジェクターPJの起動や調整操作等を実施するボタン等が配置されている。フロントケース830には、開口部が設けられており、この開口部から投射レンズ170の先端部分が外部に露出している。この露出部分の一部であるレバー172を用いた回転操作により、投射レンズ170のフォーカス操作が手動で実施可能に構成されており、この投射レンズ170の先端に、光学フィルターFLが取り付け可能となっている。
光学フィルターFLは、光学フィルターFLの外周部を保持する円筒状の保持部材840を有し、投射レンズ170の光束射出側である先端に嵌め込まれるようになっている。より具体的には、保持部材840の投射レンズ170側端部には係合部としての切欠き842が形成されており、切欠き842に投射レンズ170のレバー172を挿入することにより、切欠き842とレバー172とが係合し、保持部材840の軸と投射レンズ170の光軸とが一致するようになっている。
このように、実施形態7におけるプロジェクターでは、光学フィルターFLの装着状態と非装着状態とを容易に実現でき、図17に構成を有するプロジェクターは、図3のプロジェクターPJに適用することができる。
実施形態7によれば、実施形態1〜実施形態3と同様に、3バンドの撮像部300により擬似的に6バンドのマルチバンド測定を実現することができる。この際、実施形態1〜実施形態3と比べて、プロジェクターPJの構成を大幅に簡素化できるため、より低コストで、高精度なマルチバンド測定が可能となる。
以上、本発明に係るプロジェクターの調整方法、プロジェクター及びプロジェクター調整システムを上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上の各実施形態では、プロジェクターPJの外部に画像調整装置200が設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、プロジェクターPJが画像調整装置200の機能を内蔵していてもよい。
(2)上記の各実施形態では、プロジェクターを調整する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置等の画像を調整する各種の画像調整システムにも適用できる。
(3)上記の各実施形態では、光変調素子(光変調部)として透過型の液晶パネルを用いるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。光変調素子(光変調部)として、例えばDLP(Digital Light Processing)(登録商標)、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等を採用してもよい。
(4)上記の各実施形態において、本発明を、プロジェクターの調整方法、プロジェクター、プロジェクター調整システム及びプロジェクター調整プログラムとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明を実現するための処理手順が記述されたプログラムや、該プログラムが記録された記録媒体であってもよい。
10…プロジェクター調整システム、
100,400,500,600,700…投射部、 110…光源、
112,114…インテグレーターレンズ、 116…偏光変換素子、
118…重畳レンズ、 120R…R成分用ダイクロイックミラー、
120G…G成分用ダイクロイックミラー、 122,148,150…反射ミラー、
124R…R成分用フィールドレンズ、 124G…G成分用フィールドレンズ、
130R…R成分用液晶パネル、 130G…G成分用液晶パネル、
130B…B成分用液晶パネル、 140…リレー光学系、
142,144,146…リレーレンズ、 160…クロスダイクロイックプリズム、
170…投射レンズ、 172…レバー、 180…輝度色度調整部、
182…調整パラメーター算出部、 184…信号変換部、 190…画像情報入力部、
200…画像調整装置、 210…画像情報生成部、 220…撮像データ解析部、
222…分光分布推定部、 224…色空間変換部、
230…調整パラメーター算出部、 250…CPU、 260…I/F回路、
270…ROM、 280…RAM、 290…バス、 300…撮像部、
800…筐体、 810…アッパーケース、 812…操作パネル、
820…ロアーケース、 830…フロントケース、 840…保持部材、
842…切欠き、 FL…光学フィルター、 FL1,FL2…光学フィルター片、
PJ…プロジェクター、 SCR…スクリーン

Claims (15)

  1. 複数の色光を画像情報に基づいて変調して画像を投射するプロジェクターの調整方法であって、
    所与のスペクトル成分を除去する光学フィルターを、前記プロジェクター内又は前記プロジェクター外の光路中に配置しない状態で投射された第1の投射画像を撮像部により撮像して第1の撮像データを取得する第1の撮像ステップと、
    前記光学フィルターを前記光路中に配置した状態で投射された第2の投射画像を前記撮像部により撮像して第2の撮像データを取得する第2の撮像ステップと、
    前記第1の撮像データと前記第2の撮像データとに基づいて、前記プロジェクターの調整パラメーターを算出する調整パラメーター算出ステップと、
    前記調整パラメーター算出ステップにおいて算出された前記調整パラメーターに基づいて前記プロジェクターを調整するプロジェクター調整ステップとを含むことを特徴とするプロジェクターの調整方法。
  2. 請求項1において、
    前記調整パラメーター算出ステップは、
    前記第1の撮像データ及び前記第2の撮像データを、前記撮像部のバンド数より多いバンド数で取得された撮像データとして前記調整パラメーターを算出することを特徴とするプロジェクターの調整方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記調整パラメーター算出ステップは、
    前記第1の撮像データと前記第2の撮像データと、前記撮像部の分光感度特性とに基づいて、前記プロジェクターの分光分布を推定する推定ステップと、
    前記推定ステップにおいて推定された前記分光分布を所与の色空間における色座標に変換する変換ステップとを含み、
    前記変換ステップにおいて得られた前記色座標に基づいて前記調整パラメーターを算出することを特徴とするプロジェクターの調整方法。
  4. 請求項1又は2において、
    前記調整パラメーター算出ステップは、
    前記第1の撮像データと前記第2の撮像データとに基づいて、前記プロジェクターの分光特性を推定する推定ステップと、
    前記推定ステップにおいて推定された前記分光分布を所与の色空間における色座標に変換する変換ステップとを含み、
    前記変換ステップにおいて得られた前記色座標に基づいて前記調整パラメーターを算出することを特徴とするプロジェクターの調整方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記第1の投射画像に対応した画像情報は、前記第2の投射画像に対応した画像情報と同一であることを特徴とするプロジェクターの調整方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記プロジェクター調整ステップは、
    前記調整パラメーターに基づいて、投射画像全体の輝度及び色度の少なくとも一方を調整することを特徴とするプロジェクターの調整方法。
  7. 複数の色光を画像情報に基づいて変調して画像を投射するプロジェクターであって、
    光源と、前記光源から射出された光束に含まれる前記複数の色光を前記画像情報に基づいて変調する光変調素子と、前記光変調素子により変調された光を投射する投射レンズとを有する投射部と、
    前記投射部内又は前記投射部外の光路中に配置可能に設けられ、所与のスペクトル成分を除去する光学フィルターと、
    前記投射部による投射画像を撮像する撮像部とを含み、
    前記撮像部は、前記光学フィルターを前記投射部内又は前記投射部外の光路中に配置しない状態で投射された第1の投射画像を撮像して第1の撮像データを取得し、前記光学フィルターを前記光路中に配置した状態で投射された第2の投射画像を撮像して第2の撮像データを取得することを特徴とするプロジェクター。
  8. 請求項7において、
    前記第1の撮像データと、前記第2の撮像データとに基づいて、投射画像全体の輝度及び色度の少なくとも一方を調整することを特徴とするプロジェクター。
  9. 複数の色光を画像情報に基づいて変調して画像を投射するプロジェクターを調整するプロジェクター調整システムであって、
    請求項7又は8記載のプロジェクターと、
    前記プロジェクターの投射画像を調整する画像調整装置とを含み、
    前記画像調整装置は、
    前記第1の撮像データと、前記第2の撮像データとを解析する撮像データ解析部と、
    前記撮像データ解析部の解析結果に基づいて、前記プロジェクターの調整パラメーターを算出する調整パラメーター算出部とを含み、
    前記調整パラメーターに基づいて前記プロジェクターの投射画像を調整することを特徴とするプロジェクター調整システム。
  10. 請求項9において、
    前記調整パラメーター算出部は、
    前記第1の撮像データと、前記第2の撮像データとを、前記撮像部のバンド数より多いバンド数で取得された撮像データとして前記調整パラメーターを算出することを特徴とするプロジェクター調整システム。
  11. 請求項9又は10において、
    前記撮像データ解析部は、
    前記第1の撮像データと、前記第2の撮像データと、前記撮像部の分光感度特性とに基づいて、前記プロジェクターの分光分布を推定し、推定された前記分光分布を所与の色空間における色座標に変換し、
    前記調整パラメーター算出部は、
    前記撮像データ解析部により変換された前記色座標に基づいて、前記調整パラメーターを算出することを特徴とするプロジェクター調整システム。
  12. 請求項9又は10において、
    前記撮像データ解析部は、
    前記第1の撮像データと、前記第2の撮像データとに基づいて、前記プロジェクターの分光分布を推定し、推定された前記分光分布を所与の色空間における色座標に変換し、
    前記調整パラメーター算出部は、
    前記撮像データ解析部により変換された前記色座標に基づいて、前記調整パラメーターを算出することを特徴とするプロジェクター調整システム。
  13. 請求項9乃至12のいずれかにおいて、
    前記光学フィルターの透過光を用いた投射画像に対応した画像情報は、前記光学フィルターの非透過光を用いた投射画像に対応した画像情報と同一であることを特徴とするプロジェクター調整システム。
  14. 請求項9乃至13のいずれかにおいて、
    前記プロジェクターは、
    前記調整パラメーターに基づいて、投射画像全体の輝度及び色度の少なくとも一方を調整することを特徴とするプロジェクター調整システム。
  15. 複数の色光を画像情報に基づいて変調して画像を投射するプロジェクター内又は該プロジェクター外の光路中に、所与のスペクトル成分を除去する光学フィルターを配置しない状態で投射された第1の投射画像を撮像部により撮像して第1の撮像データを取得する制御を行う第1の撮像ステップと、
    前記光路中に前記光学フィルターを配置した状態で投射された第2の投射画像を前記撮像部により撮像して第2の撮像データを取得する制御を行う第2の撮像ステップと、
    前記第1の撮像データと前記第2の撮像データとに基づいて算出された前記プロジェクターの調整パラメーターに基づいて前記プロジェクターを調整する制御を行うプロジェクター調整ステップとを、コンピューターに実行させることを特徴とするプロジェクター調整プログラム。
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