JP2010205771A - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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進 小幡
Yoshiaki Sugizaki
吉昭 杉崎
Takahiro Sogo
敬寛 十河
Takeshi Miyagi
武史 宮城
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Abstract

【課題】小型化が可能であり部材コストを低減できる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】半導体装置としてのマイクロマシン装置1は、基板10と、前記基板10の主面に設けられたMEMS素子16と、無機材料を含み前記基板10の主面に設けられ気体を収容した中空部17を介して前記MEMS素子16を覆うとともに前記中空部17に連通する開口形状部21aを有する内側無機封止膜21と、有機材料を含み前記内側無機封止膜21上に形成され前記開口形状部21aを塞ぐ有機封止膜22と、無機材料を含み前記有機封止膜22上に形成され前記有機封止膜22を覆う外側無機封止膜23と、前記有機封止膜22を設ける工程と同様の薄膜形成工程により前記外側無機封止膜23上に設けられ、前記外側無機封止膜23を覆う補強層24と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば微小電気機械部品のパッケージング等の半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の一例として、基板上に動作を伴う素子部としてのMEMS素子が搭載され、中空に封止されたマイクロマシン装置(微小電気機械部品)が知られている(例えば、特許文献1または2参照)。
例えば図12に示すように、マイクロマシン装置(MEMS:Micro−Electro−Mechanical−Systems)100は、ベース基板102及び絶縁層103からなる基板101と、基板101上に形成されたMEMS素子104と、信号用配線105と、中空部106と、第1封止膜107および第2封止膜108で構成される。MEMS素子104は片持ちまたは両持ちの梁構造であり、梁の中央部分が信号用配線105と数μm程度のギャップを持って構成される。
MEMS素子104の直下の絶縁層103には、信号用配線105がAu、Alなどで形成されている。MEMS素子104は、ばね特性の高いPoly−Si(ポリシリコン)もしくはAl(アルミニウム)などで構成されており、静電力等の駆動力を与えることで信号用配線105の方へ近接する。また、この駆動力を除荷すると、MEMS素子104は自身のばね特性により、再び信号用配線105とギャップを持った位置に戻る。このようにMEMS素子104と信号用配線105との間のギャップを変化させることで、可変電気容量、スイッチングなどの機能を果たす。
MEMS素子104の動作と保護のため、封止体により中空に封止する必要があり、製造コストの低減や小型化を目的として成膜プロセスによる半導体装置の製造方法が提供されている。まず、マイクロマシンと基板101との間にギャップを持たせるために、後の工程で完全に除去する第1の犠牲層を基板101上に形成する。ついで、マイクロマシンとしてのMEMS素子104を、第1の犠牲層上に形成する。この第1の犠牲層上に形成されたMEMS素子に、第2の犠牲層を形成する。第2の犠牲層上に、第1封止膜107を形成する。第1封止膜107に、成膜中もしくは成膜後にMEMS素子104周囲の犠牲層を除去する際にエッチング材を導入するための開口形状部107aを形成する。犠牲層除去用エッチング材を開口形状部107aより導入し、全ての犠牲層を完全に除去する。最後に第2封止膜108を、開口形状部107aが完全に閉口するまで第1封止膜107上に形成する。以上により、第1および第2封止膜107,108で構成される封止体によって、MEMS素子104を中空に封止することが可能となる。中空部106は減圧された雰囲気となっている。
このような半導体装置100においては、気密封止後のトランスファーモールド工程でかかる、180℃/12MPa加圧程度の負荷による封止体の変形を抑えるため、印刷法により厚い補強層111を形成している。補強層111はマスク112により所定形状に形成される。
特開2005−207959号公報 米国特許第7008812B1号
しかしながら、上記の技術では、以下のような問題があった。すなわち、補強層用の印刷工程は半導体薄膜形成工程から外れた工程であるため、工程間移動に伴い製造工程時間が増加する。また、印刷法では、印刷マスクの位置合わせ精度が低く、誤差が数十ミクロンと大きいため、マスクの位置ずれを見込んでサイズを大きく取る必要があり、小型化が困難である。
そこで、本発明は、小型化が可能であり製造時間を短縮できる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一形態にかかる半導体装置は、基板と、前記基板の主面に設けられた素子部と、無機材料を含み、前記基板の主面に設けられ、気体を収容した中空部を介して前記素子部を覆うとともに、前記中空部に連通する開口形状部を有する、内側無機封止膜と、有機材料を含み、前記内側無機封止膜上に形成され前記開口形状部を塞ぐ有機封止膜と、無機材料を含み、前記有機封止膜上に形成され前記有機封止膜を覆う外側無機封止膜と、前記有機封止膜を設ける工程と同様の薄膜形成工程により前記外側無機封止膜上に設けられ、前記外側無機封止膜を覆う補強層と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の他の一形態に係る半導体装置の製造方法は、素子部を基板の主面に配する工程と、前記素子部上に犠牲層を形成する工程と、減圧下において、前記犠牲層及び前記基板の主面上に、無機材料を含み、前記犠牲層を介して前記素子部を覆うとともに、前記中空部に連通する開口形状部を有する、内側無機封止膜を形成する工程と、前記開口形状部から犠牲層除去用の流体を導入して前記犠牲層を除去する工程と、前記内側無機封止膜の前記開口形状部を覆うように、有機材料を含む有機封止膜を形成する工程と、減圧下において、無機材料を含む外側無機封止膜を形成し、前記有機封止膜の外側を覆う工程と、前記有機封止膜と同様の薄膜形成工程により前記外側無機封止膜上に補強層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、小型化が可能であり、製造時間を短縮できる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1実施形態にかかるマイクロマシン装置を示す断面図。 同マイクロマシン装置を模式的に示す説明図。 同マイクロマシン装置の製造工程を示す説明図。 同マイクロマシン装置の製造工程を示す説明図。 同マイクロマシン装置の製造工程を示す説明図。 同マイクロマシン装置の製造工程を示す説明図。 同マイクロマシン装置の製造工程を示す説明図。 同マイクロマシン装置の製造工程を示す説明図。 同マイクロマシン装置の製造工程を示す説明図。 同マイクロマシン装置の製造工程を示す説明図。 同マイクロマシン装置のパッケージ化の一例を示す説明図。 比較例としてのマイクロマシン装置の製造工程の一例を示す説明図。
以下に本発明の第1実施形態にかかるマイクロマシン装置1について、図1及び図2を参照して説明する。なお、各図において適宜構成を拡大・縮小・省略して概略的に示している。図中X,Y,Zは、互いに直交する三方向を示している。
図1に示すように、マイクロマシン装置(半導体装置)1は例えば微小電気機械部品(MEMS)であり、基板10と、基板10上に形成された下部電極13、駆動電極14、及び信号用配線15と、信号用配線15を跨いで配置されたマイクロマシンとしてのMEMS素子16(素子部)と、内部に常圧の気体が封入された雰囲気が形成される中空部17を介してMEMS素子16を気密に封止する封止体20と、封止体20を覆う補強層24と、を備えて構成されている。
封止体20は、中空部17を規定する内側無機封止膜21のほか、有機封止膜22、外側無機封止膜23が順次積層されてドーム形状に構成されている。
ベース基板11は、シリコン(Si)基板、ガラス基板、またはサファイア基板であり、所定の板形状に形成されている。
絶縁層12は、ベース基板11上に形成され、例えばシリコン酸化膜(SiO)からなる。これらベース基板11及び絶縁層12により基板10が構成される。
絶縁層12の上面には、下部電極13、駆動電極14、信号用配線15及びMEMS素子16が形成されている。信号用配線15と駆動電極14と下部電極13の上面には絶縁膜19が形成されている。絶縁膜19は例えばSiN(窒化珪素)やAlO(酸化アルミニウム)などの無機膜で形成されている。
信号用配線15は絶縁層12上に例えばAuで形成され、MEMS素子16の下部において図2中Y方向に延びる所定形状を成している。
MEMS素子16はマイクロマシンの可動機構部であり、段差を有する両持ち梁状を成す。MEMS素子16の両端の下部は封止体20の外部に通じる下部電極13に接続されている。MEMS素子16の梁状の中央部分は、信号用配線15と数μm程度のギャップを持って離間して配されている。例えば、後述するように数μm程度の厚さをもつ犠牲層18a上にMEMS素子16を形成するような製造プロセスを経ることでギャップ構造を確保することが可能である。MEMS素子16の直下の絶縁層12の表面には、信号用配線15がAu(金)などで形成されている。
MEMS素子16は、例えばPoly−SiやAl等で構成され、ばね特性を有する。MEMS素子16は、例えば、電界の作用として駆動電極14から静電力等の駆動力が与えられると、信号用配線15の方へ弾性変形して近接し、駆動力が除去されると、自身のばね特性により、再び元の位置に戻る。
すなわち、MEMS素子16は、静電力等の駆動力が印加、除荷されることにより、MEMS素子16が駆動力に応じて信号用配線15との間隔を変化させるように変形することで、マイクロマシン装置1の電気特性を変える。その変え方に応じて、可変電気容量、スイッチングなどの機能を果たす。
内側無機封止膜21は、その辺縁部分がMEMS素子16と離間した位置で周囲の絶縁層12の上面に結合しているとともに、その中央部分が中空部17を介してMEMS素子16を上方から覆う。すなわち、内側無機封止膜21はMEMS素子16から離間している。
内側無機封止膜21には、製造工程において、犠牲層除去用のドライエッチングガス(Oプラズマガス等)導入用の開口であった開口形状部21aが複数設けられている。複数の開口形状部21aは、MEMS素子16の直上を含む面内に2次元的に配置され、例えば50μmの間隔で形成されている。
内側無機封止膜21上には、有機封止膜22が形成されている。有機封止膜22は、例えば東レ製 ネガ型感光性ポリイミド PN−2000シリーズ等の樹脂材が成膜されてなり、所定の厚みを有して内側無機封止膜21を覆っている。この有機封止膜22により、開口形状部21aが閉塞されている。
なお、有機封止膜22を成膜する際に温度が高くなると、内部圧力の上昇により有機膜に泡が発生してしまうため、有機封止膜22を形成する工程は低温にすることが望ましい。したがって、有機封止膜22を構成する樹脂としては、UV(光)硬化型の樹脂が適している。あるいは、熱を伴わない硬化反応が期待できればUV以外の波長の光によって硬化する樹脂を用いてもよい。有機封止膜22上に外側無機封止膜23が形成されている。
外側無機封止膜23は、有機封止膜22を構成する有機材料よりも透水性の低い無機材料、例えばSiN(シリコンナイトライド)等から構成され、有機封止膜22の外側を覆うように成膜されている。
この外側無機封止膜23により、水分の吸収及び透過が抑止される。また、外側無機封止膜23は、中空部17が加圧雰囲気である場合には中空部17から外界への成分透過を抑制する障壁ともなる。
補強層24は、外側無機封止膜23の外側を覆う所定の形状に構成されている。補強層24は、有機封止膜22と同じ材料と同じ工程により、例えば東レ製 ネガ型感光性ポリイミド PN−2000シリーズ等からピンコート法により、成膜され、パターニングにより所定形状に形成され、硬化されて構成されている。
次に、本実施形態にかかるマイクロマシン装置1の製造方法について図1乃至図9を参照して説明する。
この製造方法においてはベース基板11を構成する1つのウェハ上に、複数のマイクロマシン装置1をマトリクス状に形成してから個片化するが、図1乃至図10では説明のため1つのマイクロマシン装置1のみを示している。
まず、図3に示すように、ベース基板11上に、絶縁層12を形成し、絶縁層12上に下部電極13、駆動電極14及び信号用配線15を形成する。
ついで、図4に示すように、これら下部電極13、駆動電極14及び信号用配線15上に絶縁膜19を形成する。
ついで、MEMS素子16として、例えば、Auを構成材料として用いたカンチレバー構造を有する静電駆動型高周波用スイッチを形成する。
このとき、図5に示すように、まず信号用配線15とMEMS素子16との間にギャップを持たせるために、信号用配線15上に、後の工程で完全に除去する所定形状の犠牲層18aを形成して段差を形成してから、この犠牲層18a上にMEMS素子16を形成する。以上により、MEMS素子16が、段差を有し、信号用配線15から離間する梁部分を有する所定の両持ち梁形状に形成される。
さらに、MEMS素子16が形成された状態の上に、MEMS素子16を覆うように第2の犠牲層18bを形成する。
犠牲層18a、18bは、例えば、スピンコート法によりポリイミド膜が成膜され、パターニングにより所定形状に形成され、硬化されて構成されている。
犠牲層18a,18bの形成後、図6に示すように、内側無機封止膜21として、プラズマCVD装置により、SiOを、所定厚さ形成する。内側無機封止膜21の厚さは、例えば1ミクロン程度である。
さらに、フォトリソグラフィ処理等により、内側無機封止膜21に、開口形状部21aを複数形成する。開口形状部21aは、成膜中もしくは成膜後にMEMS素子16の周囲の犠牲層18a,18bを除去する際に除去材を導入するための犠牲層除去用の開口であり、犠牲層除去の後で閉塞される。
特に、開口形状部21aが、MEMS素子16の直上を含む面内に2次元的に配置されていると、犠牲層18a,18bを除去する際、短時間でエッチングが可能である。
ついで、図7に示すように、犠牲層除去用のエッチング材を開口形状部21aより導入し、全ての犠牲層18a,18bを完全に除去する。例えば、有機物層を選択的に除去するOプラズマを、開口形状部21aから導入することにより、全ての犠牲層が除去される。この結果、内側無機封止膜21の内部に中空部17が形成される。なお、犠牲層18a、18bを多結晶シリコンで構成する場合には、XeF2ガスを用いても良い。
犠牲層18a,18bを除去した後、マイクロマシン装置1を、大気状態に放置する。これにより、開口形状部21aで外部に連通した中空部17は0.1MPa程度の大気圧に近い内圧となる。したがって、真空雰囲気の場合と比べて中空部17内の流体抵抗が大きい。この他、例えば、犠牲層除去後に窒素雰囲気に曝すことで、開口形状部21aで外部に連通した中空部17を窒素雰囲気にすることも可能である。
次に、図8に示すように、常圧状態において、例えば圧力0.1MPa(大気圧)、の条件化で、有機封止膜22を成膜することにより樹脂封止を行う。有機封止膜22は、スピンコート法による塗布により、開口形状部21aを埋めるのに十分な厚さに成膜される。ここでは、まず、有機封止樹脂をスピンコート塗布した後、露光/現像/硬化を行い、所定の形状にパターニングする。スピンコートする樹脂としては、例えば東レ製 ネガ型感光性ポリイミドPN−2000シリーズを用いることができ、粘度は200〜3000mPa・s程度が用いられる。
以上により、開口形状部21aが閉塞され、中空部17を介してMEMS素子16が気密に封止される。スクリーン印刷及びUV硬化を不活性ガスN2雰囲気中で行うと、封止体20の内部にN2が充填された構造になる。
次に、図9に示すように、マイクロマシン装置1を真空度の高い薄膜装置チャンバー内に投入し、外側無機封止膜23を形成する。例えば、プラズマCVD装置もしくはスパッタ装置により、有機封止膜22を覆うように、低透湿のSiNを、例えば0.5〜1ミクロンの厚さに成膜し、外側無機封止膜23を形成する。
次に、図10に示すように、後のトランスファーモールド工程での負荷(180℃/12MPa加圧)による封止体20の変形を抑えるため、補強層24を、有機封止膜22と同じ工程及び同じ材料である感光性ポリイミドで、有機封止膜22より厚くなる条件で、塗布する。例えば、有機封止膜22よりも低速なスピンコート速度で塗布し、補強層24を形成する。
すなわち、常圧状態において、例えば圧力0.1MPa(大気圧)、の条件化で、成膜することにより樹脂封止を行う。ここでは、まず、有機封止樹脂をスピンコート塗布した後、露光/現像/硬化を行い、図1に示す所定の形状にパターニングする。補強層24としてスピンコートする樹脂としては、例えば東レ製 ネガ型感光性ポリイミドPN−2000シリーズを用いることができ、粘度は200〜3000mPa・s程度がよい。
以上により、1枚のウェハ上に多数のマイクロマシン装置1がマトリクス状に並列して形成される。これをマイクロマシン装置1毎に個片化することにより、多数のマイクロマシン装置1を得ることができる。
個片化されたマイクロマシン装置1は、パッケージとして、ドライバICチップ、高周波バリュアブルキャパシタチップ等に用いることができる。例えば図11に示すように、基板40上に、このマイクロマシン装置1と、ドライバチップ41とを、接着材42を介して積層し、さらにトランスファーモールド工程でエポキシ樹脂等の樹脂43によりパッケージ化する。このトランスファーモールド工程において、180℃、12MPa程度の負荷がかかるが、補強層24により、負荷による封止体20の変形が防止される。
本実施形態にかかる及びマイクロマシン装置1及びマイクロマシン装置1の製造方法は以下に掲げる効果を奏する。すなわち、補強層24を、薄膜の封止体20上に、有機封止膜22と同じ樹脂材料を同じ工程で形成することにより、工程間移動に伴うタクトタイム増加の抑制と、部材共通化による材料コストの低減が可能となる。
すなわち、機械的強度補強、熱的安定性確保のための補強層24を、犠牲層18a,18b除去のための開口形状部21aを閉口した有機封止膜22の樹脂と同じ材料を用いて形成することにより、中空部17内部に透水し難く、経時変化が起こり難い封止構造とするとともに、生産性および耐久性に優れた半導体素子提供が可能となる。
さらに、感光性ポリイミドのパターニングに用いるフォトリソグラフィは位置合わせ精度が1ミクロン以下と高いため、印刷法において誤差を見込んで大きく構成していた誤差用のサイズの縮小が可能となる。また、これにより同じサイズのウェハに形成できるマイクロマシン装置1の数を増やすことができ、製造コストの低減が可能となる。
例えば比較例としてマスク112を用いて印刷塗布により補強層111を形成するマイクロマシン装置100を図12に示す。補強層111の材料としてはシリカフィラー等を含むエポキシ樹脂からなる補強材料を用いる。この場合、印刷法によるマスク112の寸法誤差が100μm程度である。このため、補強層111における封止体の外周を囲む周縁部分の面方向の寸法X0を100μm程度確保する必要がある。したがって、MEMS素子104を囲む封止体の周縁のX方向の寸法が340μm程度である場合には、補強層111を含めた寸法は540μmとなる。
これに対し、本実施形態のマイクロマシン装置1によれば露光の位置精度が高く、図1に示すように、補強層24の封止体20を囲む周縁部分のX方向の寸法X1を10μm程度として実現可能となる。このため、封止体20の周縁のX方向の寸法が340μm程度である場合には、補強層24を含めたX方向の寸法は360μmとなる。したがって、マイクロマシン装置1のサイズを小さくすることが可能となり、チップサイズを小型化することが可能となる。
また、有機封止膜22を塗布することとしたため、樹脂の粘度が高く、成膜の際に、開口形状部21aから下方に堆積することを防止できる。したがって、開口形状部21aの配置が限定されず、MEMS素子16の直上など、内側無機封止膜21の全域に開口形状部21aを設けることが可能である。したがって、犠牲層の完全除去までの時間を短縮させることができる。
すなわち、第2封止体が開口形状部の下方に堆積するマイクロマシン装置では、マイクロマシンから離れた位置に開口形状部を設ける必要があるため、素子が位置する封止体の中心近傍には開口形状部が無く、犠牲層を完全に除去するまでに時間を要するが、本実施形態では、開口形状部21aをMEMS素子16の上方に設けることができ、したがって内部の犠牲層除去の時間短縮を図ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各構成要素の材質、形状、配置、サイズ、構造・動作等を適宜変更して実施することができる。例えばMEMS素子16は肩持ち梁状であってもよく、パターニング方法や犠牲層の除去方法の一例としては、エッチングガスによるドライエッチングや、薬液によるウェットエッチング等が挙げられる。また、複数の犠牲層は同一でなくてもかまわない。さらに素子部はMEMS素子以外であってもよく、たとえば半導体素子等を適用してもよい。また、基板10として、ベース基板11上に絶縁層12を備えた構造について説明したが絶縁層12を省略してベース基板11のみで基板を構成し、このベース基板11上にMEMS素子16、信号用配線15を形成してもよい。さらに、補強層24の厚さは上記に限らず、例えば有機封止膜22と同じであっても良い。
さらに、上述の例ではMEMS素子16を両持ち梁状に構成したが、変形性を向上するために、MEMS素子16の梁状部分に貫通孔を形成してもよいし、絶縁性の継手を介して複数の部材を接続して梁形状を構成してもよい。
この他、本発明は、実施段階においてその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…マイクロマシン装置(半導体装置)、10…基板、11…ベース基板、12…絶縁層、13…下部電極、14…駆動電極、15…信号用配線、
16…MEMS素子(マイクロマシン)、17…中空部、18a.18b…犠牲層、
20…封止体、21…内側無機封止膜、21a…開口形状部、
22…有機封止膜、23…外側無機封止膜、24…補強層。

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板の主面に設けられた素子部と、
    無機材料を含み、前記基板の主面に設けられ、気体を収容した中空部を介して前記素子部を覆うとともに、前記中空部に連通する開口形状部を有する、内側無機封止膜と、
    有機材料を含み、前記内側無機封止膜上に形成され前記開口形状部を塞ぐ有機封止膜と、
    無機材料を含み、前記有機封止膜上に形成され前記有機封止膜を覆う外側無機封止膜と、
    前記有機封止膜を設ける工程と同様の薄膜形成工程により前記外側無機封止膜上に設けられ、前記外側無機封止膜を覆う補強層と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記有機封止膜及び前記補強層は、同じ有機材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記中空部内は大気または不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記内側無機封止膜及び前記外側無機封止膜は、SiOまたはSiNを含む材料からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記有機封止膜及び前記補強層は、感光性樹脂からなることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  6. 前記補強層の厚さは前記有機封止膜の厚さよりも同じかまたは厚いことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかにに記載の半導体装置。
  7. 素子部を基板の主面に配する工程と、
    前記素子部上に犠牲層を形成する工程と、
    減圧下において、前記犠牲層及び前記基板の主面上に、無機材料を含み、前記犠牲層を介して前記素子部を覆うとともに、前記中空部に連通する開口形状部を有する、内側無機封止膜を形成する工程と、
    前記開口形状部から犠牲層除去用の流体を導入して前記犠牲層を除去する工程と、
    前記内側無機封止膜の前記開口形状部を覆うように、有機材料を含む有機封止膜を形成する工程と、
    減圧下において、無機材料を含む外側無機封止膜を形成し、前記有機封止膜の外側を覆う工程と、
    前記有機封止膜と同様の薄膜形成工程により前記外側無機封止膜上に補強層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 前記有機封止膜及び前記補強層は、同じ有機材料を含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
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