JP2010204499A - データ重畳装置、通信システムおよび音響通信方法 - Google Patents

データ重畳装置、通信システムおよび音響通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】人間の聴覚の特性を利用し、音声信号の音質を劣化させず、且つ、データ伝送の信頼度を高くすることができる通信システムを提供する。
【解決手段】通信システムを、音声信号を入力する音声信号入力部と、音声信号に時間的欠落部であるギャップ区間を形成するギャップ形成部と、音声信号のギャップ区間に、データ符号によって変調されたノイズ信号を合成するノイズ合成部と、を備えたデータ重畳装置と、データ重畳装置によってノイズ信号が合成された音声信号を媒質中に放音する放音部と、を備えた送信装置と、媒質中を伝搬する音声信号を収音する収音部と、収音部が収音した音声信号に含まれるノイズ信号からデータ信号を復調する復調部と、を備えた受信装置と、で構成する。
【選択図】図4

Description

信頼性の高い音響通信を実現することができるデータ重畳装置、通信システムおよび音響通信方法に関する。
空気等の媒質中を伝搬する音波を用いてデータを伝達する音響通信技術として、データ信号をスペクトル拡散して拡散信号化して放音する技術が提案されている(特許文献1参照)。拡散信号は人間にとって不快なノイズにとなるため、特許文献1の技術では、拡散信号を楽音信号等の音声信号とミキシングし、且つ、拡散信号の信号レベルをマスキングしきい値以下になるように制御している。
国際公開第02/45286号パンフレット
しかし、上記通信方式では、拡散信号を聴衆に気づかせないようにするために、拡散信号の信号レベルを音声信号によるマスキングしきい値以下の低レベルに制御する必要があるため、受信装置で受信される拡散信号の波形が劣化し、高信頼度のデータ伝送が困難であるという問題点があった。
また、拡散信号の信号レベルをマスキングしきい値以下にしたとしても、聴衆には拡散信号(ノイズ)がミキシングされた音声信号が聞き取られるため、音声信号の音質が劣化することは否めなかった。
この発明は、人間の聴覚の特性を利用し、音声信号の音質を劣化させず、且つ、データ伝送の信頼度を高くすることができるデータ重畳装置、通信システムおよび音響通信方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明であるデータ重畳装置は、音声信号を入力する音声信号入力部と、前記音声信号に時間的欠落部であるギャップ区間を形成するギャップ形成部と、前記音声信号のギャップ区間に、データ符号によって変調されたノイズ信号を合成するノイズ合成部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ノイズ合成部は、前記ギャップ区間または前記ギャップ区間前後の前記音声信号の信号レベルに応じて、前記ノイズ信号の信号レベルを制御することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1、2の発明において、前記音声信号の低音域成分を取り出すローパスフィルタと、前記音声信号のギャップ区間に、前記ローパスフィルタによって取り出された低音域成分をさらに合成する低音域合成部と、を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明である音響通信方法は、音声信号に時間的欠落部であるギャップ区間を形成して放音するとともに、このギャップ区間にデータ符号によって変調されたノイズ信号を放音することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記ノイズ信号の信号レベルを、前記ギャップ区間または前記ギャップ区間前後の前記音声信号の信号レベルに応じて制御することを特徴とする。
請求項6の発明である通信システムは、請求項4、5の発明において、前記音声信号の低音域成分を、前記ギャップ区間に前記ノイズ信号とともに放音することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のデータ重畳装置と、該データ重畳装置によってノイズ信号が合成された音声信号を媒質中に放音する放音部と、を備えた送信装置と、媒質中を伝搬する音声信号を収音する収音部と、該収音部が収音した音声信号に含まれるノイズ信号からデータ信号を復調する復調部と、を備えた受信装置と、からなることを特徴とする。
上記の発明は、聴覚的誘導という聴覚心理学効果を用い、音声信号に形成したギャップ区間にデータ符号で変調されたノイズ信号を合成することにより、聴取者に気づかれずに音響を用いたデータ伝送を実現するものである。なお、本発明は音響通信に限定されず、アナログ音声信号の有線・無線の伝達を用いた通信やデジタル音声信号のストリーミング、ファイル転送を用いた通信にも適用が可能である。
以上のようにこの発明によれば、聴衆に気づかれないように音声信号中にデータを埋め込んで伝送する場合に、音声信号の音質を劣化させることなく信頼度の高いデータ伝送が可能になる。
この発明の実施形態である音響通信方式に用いられる音声信号および擬似ノイズ信号の例を示す図 この発明の実施形態である合成部の基本構成を示すブロック図 同合成部の各部の信号波形を示す図 この発明の実施形態である音響通信システムの構成図 同音響通信システムの送信装置が備える合成部のブロック図 同合成部が出力する合成信号の波形を示す図 前記音響通信システムの受信装置が備える復調部のブロック図 同復調部の整合フィルタの構成図 同復調部のピーク検出部の出力波形の例を示す図
≪データ通信方式の説明≫
まず、図面を参照して本発明の音響通信方式について説明する。図1(A)は本音響通信方式に用いられる音声信号の例を示す図である。また、同図(B)は、本音響通信方式に用いられる擬似ノイズ信号(擬似ノイズ信号)の例を示す図である。本実施形態では、データ符号で同図(B)の擬似ノイズ信号を変調し、この変調された擬似ノイズ信号を、同図(A)の音声信号に埋め込む。音声信号に埋め込むとは、音声信号に短時間のギャップ(時間的欠落)区間を形成し、このギャップ区間にデータ符号で変調された擬似ノイズ信号を合成することである。
同図(A)の音声信号は、人間の可聴周波数帯域の成分を含む信号である。同図(B)の擬似ノイズ信号は、M系列(Maximal length sequence) 多項式に基づいて発生される1ビット数列の信号である。なお1ビット数列の信号は、通常1/0の値を取るが、ここではデータ符号による変調および伝搬を容易化するために1/−1の値に変換されている。
なお、本実施形態では、データの変調方式として擬似ノイズ信号をデータ符号で位相変調する直接スペクトラム拡散変調方式を用いているが、変調方式はこれに限定されない。すなわち、音声信号のギャップ区間に埋め込まれる信号が、データ符号を含むノイズ信号であればよい。また、ノイズ信号は、完全にフラットな周波数特性を有するものである必要はなく、聴取者にノイズ(周波数を特定できない音)として聞こえるものであればよい。
本発明の擬似ノイズ信号の埋め込みは、人間の聴覚の特性を利用したものである。ここで、本発明が利用している人間の聴覚の特性である聴覚心理学効果について説明する。通常の音声(たとえば連続的に周波数が変化する正弦波など)の途中にギャップ(時間的欠落)がある場合、聴取者には、音声が途切れて聴こえる。しかし、このギャップ区間に白色ノイズを挿入すると、聴取者には、欠落している音声が補完されて連続した音声として聴こえる。この現象は「聴覚的誘導 (auditoryinduction)」とよばれる聴覚心理学効果である。また、連続するメロディーの一部の音符をノイズに置換しても、メロディーが繋がって聴こえるという現象も報告されている。さらに、言語音声の場合でも、音声の一部が欠落しても、聴取者は、欠落部分の前後の文脈から、その欠落部分を補完して聞き取る「音韻的復元」という現象が知られている。このように、人の聴覚は、音声のうち数十ms程度の短い区間(ギャップ区間)が雑音で置き換えられていても、その前後の音声からギャップ区間の音声を復元して知覚する、すなわち、連続した音声を聴いているように錯覚することにより、音声信号にギャップ区間が存在することを知覚しない。
本発明の音響通信方式は、この聴覚心理学効果を利用し、音声信号に時間的なギャップ区間を形成し、このギャップ区間に、データ符号で変調された白色ノイズ的な周波数特性を持つ信号(擬似ノイズ信号)を埋め込むことにより、音声を用いてデータを伝送し、且つ、聴取者には連続した音声が聴こえてデータが伝送されていることが気付かれないようにしたものである。
≪データ重畳部の基本構成≫
図面を参照して本発明の実施形態であるデータ重畳装置の基本構成を説明する。データ重畳装置は、音声信号にギャップ区間を形成し、このギャップ区間にデータ符号で変調されたノイズ信号を埋め込む装置である。図2は同データ重畳部の基本構成を示すブロック図、図3は、同データ重畳装置の各部の信号波形を示す図である。
図2において、音声信号入力部13から入力された音声信号Sは窓関数乗算部32に入力される。窓関数乗算部32には、窓関数発生部31により発生された窓関数W1が入力され、この窓関数W1が音声信号Sに乗算されることにより、音声信号Sに時間的なギャップ区間が形成される。ここで、音声信号Sは、上述した図1(A)、および、図3(A)に示すような波形の信号である。また、窓関数W1は図3(B)に示すような波形の信号である。
すなわち、窓関数W1は、音声信号を通常どおりに出力する区間は“1”、音声信号にギャップを形成する区間は“0”の値をとる信号である。また、窓関数W1は、“1”の区間と“0”の区間の過渡区間にハニング窓の半波波形が用いられ、音声信号の歪みによるノイズ発生が防止されている。図3(B)では、窓関数W1の1つのギャップ区間の波形を図示しているが、窓関数W1は所定の間隔でギャップ区間が繰り返される信号である。ギャップ幅、ギャップ間隔は任意であるが、たとえば、ギャップ幅(width)17ms、ギャップ間隔(interval)1秒程度に設定される。
図3(B)の窓関数W1を同図(A)の音声信号Sに乗算することにより、窓関数乗算部32は、同図(C)のようなギャップ区間を有する音声信号を出力する。
一方、擬似ノイズ信号発生部30は、図1(B)のような擬似ノイズ信号PNを発生し、発生した擬似ノイズ信号PNを変調部34に入力する。変調部34には、擬似ノイズ信号PNとともに、送信すべきデータをシリアルのビット列に変換したデータ符号Dが入力される。変調部34は、擬似ノイズ信号PNをデータ符号Dのビット列で位相制御することにより、擬似ノイズ信号PNを変調する。
変調部34は、たとえば、擬似ノイズ信号発生部30が発生した擬似ノイズ信号PNおよびデータ符号Dの両方を−1/1の2値に変換し、これらを乗算する。擬似ノイズ信号PN、データ符号Dが、ともに−1/1の2値データであるため、データ符号Dが“1”であれば、擬似ノイズ信号PNはそのままの位相で出力され、データ符号Dが“−1”(ビットデータとしては“0”)であれば、擬似ノイズ信号PNは逆位相で出力される。このように、重畳されるデータ符号Dに応じて、擬似ノイズ信号PNは、0°または180°に位相変調されることになる。
この変調された擬似ノイズ信号PNMは、窓関数乗算部35に入力される。窓関数乗算部35には、窓関数発生部31から、同図(B)の窓関数W1を1から減算することにより、窓関数W1を上下反転した窓関数W2が入力される。すなわち、窓関数W2は、音声信号を通常どおりに出力する区間は“0”で、ギャップ区間のみ“1”の値をとる信号である。この窓関数W2を、変調された擬似ノイズ信号PNMに乗算することにより、窓関数乗算部35は、同図(D)のような波形の擬似ノイズ信号PNMを出力する。
図3(C)のギャップ区間を有する音声信号Sおよび図3(D)の窓関数W2で制限された擬似ノイズ信号PNMはともに加算器33に入力される。加算器33は、これら音声信号S(図3(C))と擬似ノイズ信号PNM(図3(D))を加算合成することにより、同図(E)に示すような合成信号を形成する。
このように、音声信号Sに短いギャップ区間を形成し、このギャップ区間にデータ符号で変調された擬似ノイズ信号PNMを埋め込んだ合成信号を形成することにより、この合成信号が放音されても、聴取者には、聴覚心理学効果により、通常の楽音として聞こえ、(データ符号で変調された)ノイズが含まれていることに気づかれない。また、音声信号Sとデータ符号Dで変調された擬似ノイズ信号PNMとが時間的に分割されており、両者が同じタイミングで混ざった状態で放音されないため、音声信号Sの音質が良い上に、擬似ノイズ信号PNMの波形が崩れることがなく、高品質のデータ伝送を実現することができる。
≪通信システムの説明≫
次に、上記データ通信方式が適用された音響通信システムについて説明する。図4は上記音響通信システムの構成を示す図である。この音響通信システムは、送信装置1、受信装置2で構成される。
送信装置1は、データ重畳部10、アナログ回路部11およびスピーカ12を有している。データ重畳部10は図2に示したデータ重畳装置を基本としてゲイン制御等の機能が付加されたものである。データ重畳部10は、DSP等のデジタル信号処理装置で構成される。
アナログ回路部11は、D/Aコンバータおよびオーディオアンプを含み、データ重畳部10から出力されたデジタルの合成信号をアナログ信号に変換し、増幅してスピーカ12に供給する。スピーカ12は、アナログ回路部11から入力された合成信号を音響として放音する。放音された合成信号音は空間を伝搬して受信装置2のマイク22へ到達する。
受信装置2は、マイク22、アナログ回路部23、復調部21を有している。アナログ回路部23は、マイク22が収音した音声信号を増幅するアンプ、オーディオ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを有している。復調部21は、収音した音声信号に含まれている擬似ノイズ信号PNMを検出して、その擬似ノイズ信号PNMに重畳されているデータ符号Dを復調する回路部である。復調部21の構成および動作の詳細は後述する。
≪送信装置の説明≫
図5は送信装置1のデータ重畳部10の構成を示すブロック図である。このデータ重畳部10の基本的構成は、図2に示したデータ重畳装置と同様であり、図2のデータ重畳装置にさらに以下の機能を付加したものである。
(1)音声信号Sのうち擬似ノイズ信号PNが分布しない低音域の信号成分は、ギャップ区間においても出力する。
(2)ギャップ区間で抑制する高音域の信号成分のレベルを検出し、この検出されたレベルで擬似ノイズ信号PNMのレベルを制御する。
なお本図のデータ重畳部10の構成において、図2のデータ重畳装置と同一構成の部分は同一符号を付して説明を省略する。
音声信号入力部13から入力された音声信号Sは、窓関数乗算部32に入力されるとともに、ローパスフィルタ(LPF)42、ハイパスフィルタ(HPF)43に入力される。LPF42は、音声信号Sのうち、擬似ノイズ信号発生部30が発生する擬似ノイズ信号PNの成分が分布しない低音域成分SLを通過させるフィルタである。逆に、HPF43は、音声信号Sのうち、擬似ノイズ信号発生部30が発生する擬似ノイズ信号の成分が分布する高音域成分SHを通過させるフィルタである。
ここで、LPF42、HPF43のカットオフ周波数は、使用する拡散符号のチップレート、巡回周期で決定すればよい。例えば、巡回周期511ビットのM系列拡散符号の場合、同一ビットが9個を超えて連続することはない。したがって、巡回周期511ビットのM系列拡散符号列で形成された擬似ノイズ信号の最長周期は9ビット(上半波)+9ビット(下半波)=18ビットとなる。したがって、このM系列拡散符号列でチップレート44.1kHzの擬似ノイズ信号を形成すると、基音周波数は、2.45kHz(=44.1kHz÷18)となり、擬似ノイズ信号はこの基音周波数より高域側に分布する。この基音周波数をLPF42、HPF43のカットオフ周波数として採用する。
LPF42を通過した音声信号Sのうち低音域の信号成分SLは、窓関数乗算部45で擬似ノイズ信号PNに乗算されるものと同じ窓関数W2が乗算される。窓関数W2によりギャップ区間のみに時間的に制限された低音域の信号成分SLは、ゲイン乗算部47に入力される。ゲイン乗算部47は低音域の信号成分SLにゲインGainLを乗算して加算器33に出力する。これにより、音声信号Sが遮断されているギャップ区間でも音声信号Sのうち低音域成分SLのみは出力され、ギャップ区間の違和感を低減することができる。
また、HPF43を通過した高音域成分SHは、レベル検出部44に入力される。レベル検出部44は、入力された高音域成分SHの信号レベルHLを検出する。検出された信号レベルHLは、ゲイン乗算部48においてゲインGainHが乗算されたのち、乗算器50に入力される。
なお、図2において説明したように、擬似ノイズ信号発生部30は擬似ノイズ信号PNを発生し変調部34に入力する。変調部34には、さらにデータ符号Dが入力される。データ符号Dはデータ符号読出部40によって適宜読み出されて変調部34に入力される。データ符号読出部40によるデータ符号Dの読み出しは、ギャップタイミング制御部41によって制御される。
ギャップタイミング制御部41は、音声信号Sに形成するギャップ区間の幅(width) および間隔(interval)を制御する。ギャップタイミング制御部41は、ギャップ区間の開始タイミングおよび終了タイミングを窓関数発生部31およびデータ符号読出部40に指示する。窓関数発生部31は、この開始タイミングおよび終了タイミングの幅の窓を有する窓関数W1,W2を発生して出力する。また、データ符号読出部40はこの開始タイミングおよび終了タイミングの間のみデータ符号Dを読み出して変調部34に入力する。
変調部34は、擬似ノイズ信号PNをデータ符号Dのビット列で位相制御することにより、擬似ノイズ信号PNを変調する。変調された擬似ノイズ信号PNMは、窓関数乗算部35において窓関数W2が乗算される。これにより、擬似ノイズ信号PNMは、音声信号Sのギャップ区間のみに制限される。窓関数W2でギャップ区間のみに制限された擬似ノイズ信号PNMはゲイン乗算部49においてゲインGainNが乗算され、さらに、乗算器50において、音声信号Sの高音域成分SHのレベルHLが乗算される。
擬似ノイズ信号PNMに音声信号Sの高音域成分SHのレベルHLが乗算されることにより、擬似ノイズ信号PNMの信号レベルが、音声信号Sの高音域成分SHの信号レベルに応じて制御されることになり、音声信号Sが出力される区間とギャップ区間の音量変化が抑制されて聴感上の違和感を少なくすることができる。
なお、擬似ノイズ信号PNMの信号レベルの制御は、高音域成分SHに限定されず、音声信号S全帯域の音量レベルに基づいてもよい。また、信号レベルを参照する区間はギャップ区間に限定されず、ギャップ区間の直前の区間や直後の区間であってもよい。
上記ゲインGainN,レベルHLが乗算された擬似ノイズ信号PNMが加算器33に入力される。
加算器33は、ギャップ区間を有する音声信号S(図3(C)参照)のギャップ区間に、変調された擬似ノイズ信号PNMおよび音声信号の低音域成分SLを埋め込むことにより、図6に示すような合成信号を形成する。図6の合成信号では、擬似ノイズ信号PNMに音声信号の高音域成分SHのレベルHLが乗算されてレベル制御されているため、擬似ノイズ信号PNMのレベルが音声信号の高音域成分SHのレベルに合わせて変動しており、聴感上の違和感が低減されている。また、ギャップ区間でも音声信号の低音域成分SLが出力されているため、擬似ノイズ信号PNMに低音域成分SLのバイアスが掛かっており、聴感上の違和感が低減されている。なお、この低音域成分SLは受信側の装置でHPFを用いることにより容易に除去することができる。
なお、キャップ幅、ギャップ間隔、および、上記ゲイン乗算部47,48,49で乗算するGainL,GainH,GainNは、聴取者に違和感を感じさせない範囲の適当な値を聴感評価で決定すればよい。
また、音声信号Sとして人声を用いた場合など、周波数成分が低音域に集中し、HPF43の高音域成分SHの出力レベルがほぼ0になってしまう場合がある。このような場合には、レベル検出部44が、出力値を所定値(たとえば“1”)に固定し、高音域成分SHのレベルによる制御を行わないようにすればよい。
≪受信装置の説明≫
図7は受信装置2に設けられている復調部21の詳細構成を示す図である。復調部21には、マイク22で収音されアナログ回路部23でデジタル信号に変換された合成信号が入力される。合成信号は、上述したように音声信号Sに変調された擬似ノイズ信号PNMが埋め込まれた信号である。復調部21は、合成信号から擬似ノイズ信号PNMを抽出して、参照信号である元の擬似ノイズ信号(符号列)PNとの相関値(ピーク値)を求め、変調信号PNMのピーク値の符号(正/負)が参照信号PNの符号(正/負)と一致するか逆かに基づいてデータ符号Dを復調する。
復調部21は、ハイパスフィルタ(HPF)61、波形整形部62、整合フィルタ63、ピーク検出部64および符号判定部65を備えている。以下、これら各機能部の構成および機能について説明する。
ハイパスフィルタ(HPF)61は、受信した合成信号から擬似ノイズ信号PNMが含まれている高音域成分を抽出する機能部である。このHPF61のカットオフ周波数は、送信装置1の変調部10に使用されているHPF43のカットオフ周波数(2.45kHz)と同じに設定すればよい。
HPF61で取り出された高音域成分の音声信号は、波形整形部62で2値信号に変換される。すなわち、デジタル化された音声信号は、たとえば8ビット(256段階)、16ビット(65536段階)の多値に量子化された信号であるが、復調対象である擬似ノイズ信号PNMは1/−1の2値信号である。この擬似ノイズ信号PNMに波形を近づけるため、HPF61で取り出された高音域成分の信号をコンパレータを用いて2値信号に変換する。この2値化されたデジタル音声信号が整合フィルタ63に入力される。
なお、図7の点線のように、波形整形部62を省略して、HPF61を通過した高音域成分の信号を直接整合フィルタ63に入力してもよい。
整合フィルタ63は、入力されたデジタル音声信号と参照信号との相関値を検出するフィルタであり、FIRフィルタで構成される。図8に整合フィルタ63の構成例を示す。整合フィルタ63は、511段のFIRフィルタで構成されており、各段のフィルタ係数(参照信号)として、送信側の擬似ノイズ信号発生部30が発生する擬似ノイズ信号PNと同じ符号列が設定されている。なお、擬似雑音符号列は1/0のビット列であるが、整合フィルタ63のフィルタ係数は、擬似ノイズ信号PNと同様に1/−1に変換したものが設定される。これにより、入力されるデジタル音声信号中に含まれる擬似ノイズ信号PNMの成分を検出する。
整合フィルタ63は、入力されるデジタル音声信号中に含まれる擬似ノイズ信号PNMと参照信号PNとの相関値を出力し、擬似ノイズ信号PNMの参照信号との位相が同期したとき大きい相関値(ピーク値)を出力する。変調信号PNMはデータ符号により位相変調されているため、データ符号Dが“1”のときは正のピーク値を出力し、データ符号Dが“0”のときは負のピーク値を出力する。
図9(A)は、上記整合フィルタ63の出力波形の例を示す図であり、正のピーク値のの波形の例を示す図である。なお、HPF61の出力信号を波形整形部62を通さずに直接整合フィルタ63に入力した場合の、整合フィルタ63の出力波形は、図9(B)のような形状になる。
ピーク検出部64は、整合フィルタ63が出力する相関値からピークを検出する。符号判定部47は、ピーク検出部64が検出したピーク値に基づいてデータ符号を判定し、データ符号Dを復調して出力する。これにより、送信装置1から放音された合成信号に含まれるデータ符号Dを復調することができる。
≪尚書き≫
上記実施形態は、音声を空気中に放音して音響通信を行うシステムについて説明したが、音響を伝搬する媒質は空気に限定されない。たとえば、固体や液体を伝搬する音響通信に本発明を適用することも可能である。また、本発明は音響通信に限定されず、音声信号を電気信号として電気的または電磁的に伝搬させる有線通信・無線通信に適用することも可能である。さらに、音声信号をデジタルオーディオ信号化してストリーミング、ファイル転送する場合に適用することも可能である。
また、上記実施形態では、可聴周波数帯域(サンプリングレート44.1kHz)の擬似ノイズ信号を用いているが、より高い周波数帯域(超音波領域)の擬似ノイズ信号を用いてもよい。
なお、上記実施形態では、データ符号の変調方式としてM系列の擬似ノイズ信号を位相変調する直接スペクトラム拡散方式を用いているが、変調方式はこれに限定されない。たとえば、OFDM方式等であってもよい。
音声信号に形成するギャップ区間の幅、間隔は任意である。音声信号の内容に基づきギャップ幅やギャップ間隔を適宜決定してもよく、音声信号の適当な箇所を探してギャップ区間を挿入するようにしてもよい。
1 送信装置
2 受信装置
10 データ重畳部
21 復調部

Claims (7)

  1. 音声信号を入力する音声信号入力部と、
    前記音声信号に時間的欠落部であるギャップ区間を形成するギャップ形成部と、
    前記音声信号のギャップ区間に、データ符号によって変調されたノイズ信号を合成するノイズ合成部と、
    を備えたデータ重畳装置。
  2. 前記ノイズ合成部は、前記ギャップ区間または前記ギャップ区間前後の前記音声信号の信号レベルに応じて、前記ノイズ信号の信号レベルを制御する請求項1に記載のデータ重畳装置。
  3. 前記音声信号の低音域成分を取り出すローパスフィルタと、
    前記音声信号のギャップ区間に、前記ローパスフィルタによって取り出された低音域成分をさらに合成する低音域合成部と、
    を備えた請求項1または請求項2に記載のデータ重畳装置。
  4. 音声信号に時間的欠落部であるギャップ区間を形成して放音するとともに、このギャップ区間にデータ符号によって変調されたノイズ信号を放音することを特徴とする音響通信方法。
  5. 前記ノイズ信号の信号レベルを、前記ギャップ区間または前記ギャップ区間前後の前記音声信号の信号レベルに応じて制御することを特徴とする請求項1に記載の音響通信方法。
  6. 前記音声信号の低音域成分を、前記ギャップ区間に前記ノイズ信号とともに放音する請求項1または請求項2に記載の音響通信方法。
  7. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のデータ重畳装置と、該データ重畳装置によってノイズ信号が合成された音声信号を媒質中に放音する放音部と、を備えた送信装置と、
    媒質中を伝搬する音声信号を収音する収音部と、該収音部が収音した音声信号に含まれるノイズ信号からデータ信号を復調する復調部と、を備えた受信装置と、
    からなる通信システム。
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