JP2010203361A - 燃料供給ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプ効率の低下を抑制しつつ、高圧で圧接されるプランジャとカム部の当接部分に潤滑剤としての燃料を確実に供給することのできる燃料供給ポンプを提供する。
【解決手段】ポンプハウジング11に、シリンダ14の内周面のうちのプランジャ15の摺動領域と供給通路24を連通するハウジング側燃料誘導路27を設ける。プランジャ15に、一端がカムリング18との当接面20に開口し、他端が外周面に開口するプランジャ側燃料誘導路28を設ける。プランジャ15とカムリング18の相対速度が遅くなるときに、ハウジング側燃料誘導路27とプランジャ側燃料誘導路28とを導通させ、供給通路24の高圧の燃料を当接面20に供給する。
【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関に高圧の燃料を供給するための燃料供給ポンプに関するものである。
内燃機関の燃料噴射装置においては、フィードポンプによって燃料タンクから吸い上げた燃料を燃料供給ポンプによって高圧に加圧し、その加圧された燃料をインジェクタによって燃焼室内に噴射する。
ここで用いられる燃料供給ポンプとしては、ポンプハウジングに放射状に形成されたシリンダにプランジャを進退自在に収容し、シリンダから突出したプランジャの端部を、ポンプシャフトの回転によって駆動されるカム部で押圧するプランジャポンプ等が用いられている。この種の燃料供給ポンプにおいては、燃料を高圧に加圧する関係でプランジャとカム部の当接(摺動)部分の面圧が大きくなるため、この当接部分の潤滑が重要となる。
このため、低圧ポンプから供給される燃料の一部をプランジャとカム部の当接部に誘導し、その燃料によって当該当接部を常時潤滑する燃料供給ポンプが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
この燃料供給ポンプは、潤滑用の燃料誘導路をポンプシャフトに形成し、ポンプシャフトの内側からプランジャとカム部の当接部に常時燃料を供給するようになっている。
特開2002−004978号公報
しかし、この従来の燃料供給ポンプにおいては、低圧ポンプから送れた燃料をプランジャとカム部の当接部に供給する構造となっているため、高圧で圧接されるプランジャとカム部の当接部分に燃料を確実に行き渡らせ、油膜切れを起こさないための設定が難しい。
また、この従来の燃料供給ポンプは、潤滑を要しないタイミングでも燃料が常時低圧ポンプからカム部方向に送られるため、低圧ポンプのポンプ効率が低くなる傾向にある。
そこで、この発明は、ポンプ効率の低下を抑制しつつ、高圧で圧接されるプランジャとカム部の当接部分に潤滑剤としての燃料を確実に供給することのできる燃料供給ポンプを提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、ポンプシャフト(例えば、後述の実施形態におけるポンプシャフト12)を介して駆動されるカム部(例えば、後述の実施形態におけるカムリング18)と、ポンプハウジング(例えば、後述の実施形態におけるポンプハウジング11)に前記カム部の外側面に臨むように設けられたシリンダ(例えば、後述の実施形態におけるシリンダ14)と、このシリンダに進退自在に収容され、前記カム部によって押圧されるプランジャ(例えば、後述の実施形態におけるプランジャ15)と、前記シリンダとプランジャの間に区画形成されるポンプ室(例えば、後述の実施形態におけるポンプ室22)と、このポンプ室に接続される吸入通路(例えば、後述の実施形態における吸入通路23)及び供給通路(例えば、後述の実施形態における供給通路24)と、を備え、前記カム部の駆動に伴う前記プランジャの進退作動により、前記吸入通路から前記ポンプ室に吸い入れた燃料を前記プランジャによって加圧して前記供給通路に吐出する燃料供給ポンプにおいて、前記ポンプハウジングに、一端が前記シリンダの内周面のうちのプランジャの摺動領域に開口し、他端が前記ポンプ室、若しくは、吐出通路に開口するハウジング側燃料誘導路(例えば、後述の実施形態におけるハウジング側燃料誘導路27)を設けるとともに、前記プランジャに、一端が前記カム部との当接面(例えば、後述の実施形態における当接面20)に開口し、他端が前記シリンダに臨む外周面に開口するプランジャ側燃料誘導路(例えば、後述の実施形態におけるプランジャ側燃料誘導路28)を設け、前記プランジャが所定の進退位置に変位したときに、前記ハウジング側燃料誘導路の一端部と前記プランジャ側燃料誘導路の他端部とが導通するようにしたことを特徴とする。
カム部の駆動によってプランジャが進退作動すると、ポンプ室の容積変化に伴って燃料が吸入通路から吐出通路に供給され、プランジャが所定の進退位置に変位したときには、ハウジング側燃料誘導路とプランジャ側燃料誘導路が導通し、ポンプ室、若しくは、吐出通路の高圧の燃料がこれらの燃料誘導路を通してプランジャとカム部の当接部分に供給される。こうして、プランジャとカム部の当接部分に供給された燃料は高圧であることから、当接部分に充分に行き渡る。また、プランジャが所定の進退位置にない間はハウジング側燃料誘導路とプランジャ側燃料誘導路がオフセットし、プランジャとカム部の当接部分に対する燃料供給が遮断される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料供給ポンプにおいて、前記所定の進退位置は、前記プランジャとカム部の当接部分の摺動方向の相対速度が最小となる点を少なくとも含むことを特徴とする。
これにより、プランジャとカム部の当接部分の相対速度が最小で、周囲からの燃料補給が為され難いタイミングにおいては、ハウジング側燃料誘導路とプランジャ側燃料誘導路を通して高圧の燃料が当接部分に供給されるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の燃料供給ポンプにおいて、前記供給通路には逆止弁(例えば、後述の実施形態における逆止弁26)が配置され、前記ハウジング側燃料誘導路の他端部は、前記逆止弁よりも上流側に連通していることを特徴とする。
ポンプ室では、吸入行程と吐出行程で圧力が変動して吸入行程で低圧となるが、供給通路の逆止弁よりも下流側は常時ほぼ高圧状態に維持されている。この燃料供給ポンプの場合、ハウジング側燃料誘導路の他端部は供給通路の逆止弁よりも上流側に連通しているため、吸入行程では内部が比較的低圧に維持される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料供給ポンプにおいて、前記プランジャの進退行程のうちの、前記ポンプ室の容積が最大となるプランジャ下死点において、前記プランジャの上端部が、前記ハウジング側燃料誘導路の前記一端部の開口(例えば、後述の実施形態における一端側開口27b)よりも上方に位置されるように当該開口を形成したことを特徴とする。
これにより、プランジャが下死点から上死点に向かって変位する間に、加圧された燃料がハウジング側燃料誘導路内をプランジャ側と逆方向に流れることが無くなる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料供給ポンプにおいて、前記プランジャの進退行程のうちの、前記ポンプ室の容積が最大となるプランジャ下死点において、前記プランジャ側燃料誘導路の前記他端部の開口(例えば、後述の実施形態における環状溝29)が、シリンダに臨む位置となるように当該開口を形成したことを特徴とする。
これにより、プランジャが下死点に達してもプランジャ側燃料誘導路の他端部がシリンダに臨む位置から外れることがないため、プランジャ側燃料誘導路内の燃料がシリンダから外れて不要に外部に流出することが無くなる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料供給ポンプにおいて、前記プランジャは、吐出行程中に、前記カム部から進退方向に対して傾斜する方向の外力を受け、前記ハウジング側燃料誘導路の前記一端部の開口は、前記シリンダの内面のうちの、前記吐出行程中に前記カム部からの外力の入力による前記プランジャとシリンダの摺動隙間の変動の影響を受け難い位置に設けられていることを特徴とする。
これにより、吐出行程中にカム部からの外力によってプランジャとシリンダの摺動隙間が変動しても、ハウジング側燃料誘導路の一端部の開口からは高圧の燃料が漏出し難くなる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料供給ポンプにおいて、前記プランジャ側燃料誘導路の前記一端部(例えば、後述の実施形態における開口28a)の開口は、前記カム部の外周面に常に対向する位置に形成されていることを特徴とする。
これにより、プランジャ側燃料誘導路に導入された高圧の燃料がカム部を外れて他の部位に流出することが無くなる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料供給ポンプにおいて、前記カム部は、前記ポンプシャフトの軸心に対して偏心した偏心部(例えば、後述の実施形態における偏心部16)に相対回動可能に取り付けられたカムリング(例えば、後述の実施形態におけるカムリング18)であって、前記プランジャの端面が摺動自在に当接する偏平面(例えば、後述の実施形態における偏平面19)を有することを特徴とする。
ポンプシャフトが回転駆動されると、ポンプシャフトの偏心部に追従してカムリングが偏心駆動し、このときカムリングは偏平面でプランジャの端面に当接して自転が阻止されている。カムリングからプランジャには偏平面を通して進退方向の駆動力が伝達され、この間、カムリングとプランジャは、偏平面と端面で摺接しつつ、摺動方向を交互に反転させる。そして、カムリングとプランジャは摺動方向が反転するときに相対速度がゼロになる。
請求項1に記載の発明によれば、プランジャが所定の進退位置に変位したときに、ハウジング側燃料誘導路とプランジャ側燃料誘導路が導通してポンプ室、若しくは、吐出通路から高圧の燃料がプランジャとカム部の当接部分に供給されるため、不要なタイミングでの高圧の燃料の流出を制限しつつ、プランジャとカム部の当接部分に潤滑剤としての燃料を確実に供給することができる。
請求項2に記載の発明によれば、プランジャとカム部の当接部分に対し、周囲からの燃料補給が為され難いタイミングでハウジング側燃料誘導路とプランジャ側燃料誘導路を通して高圧の燃料が供給されるため、潤滑剤としての燃料をプランジャとカム部の当接部分に常に確実に供給することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ハウジング側燃料誘導路の他端部を逆止弁よりも上流側に連通させたため、ハウジング側燃料誘導路の内部を、不要なタイミングでは可及的に低圧に維持することができる。したがって、燃料の不要な流出を防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、プランジャが下死点から上死点に向かって変位する間にハウジング側燃料誘導路内を高圧の燃料が逆流することがないため、必要なタイミングでのカム部方向への高圧の燃料の流れを阻害することがない。したがって、プランジャとカム部の当接部分に対して常時安定した潤滑を行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、全てのプランジャの進退行程において、プランジャ側燃料誘導路の他端部を通した燃料の外部流出を防止することができるため、プランジャ側燃料誘導路内の燃料の不要な圧力低下を抑制することができる。
請求項6に記載の発明によれば、吐出行程中にカム部からの外力の入力によってプランジャとシリンダの摺動隙間が変動しても、ハウジング側燃料誘導路の高圧の燃料がプランジャとシリンダの摺動隙間を通して外部に漏出し難くなるため、ポンプ効率をより高めることができる。
請求項7に記載の発明によれば、プランジャ側燃料誘導路に導入された燃料がカム部を外れて流出することがなくなるため、確実な油膜形成とポンプ効率の向上を図ることができる。
請求項8に記載の発明によれば、プランジャとカムリングの摺動方向が反転して相対速度がゼロになるタイプの燃料ポンプであるため、高圧の燃料をプランジャとカムリングの当接部分に所定のタイミングで供給することで、油膜切れの発生を特に有効に防止することができる。
この発明の一実施形態の燃料供給ポンプのポンプシャフトの延在方向と直交する方向で切った断面図である。 この発明の一実施形態の燃料供給ポンプの模式的な拡大断面図である。 この発明の一実施形態の燃料供給ポンプの模式的な拡大断面図である。 この発明の一実施形態の燃料供給ポンプの模式的な拡大断面図である。 この発明の一実施形態の燃料供給ポンプの模式的な拡大断面図である。 この発明の他の実施形態の燃料供給ポンプの模式的な拡大断面図である。
以下、この発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、ディーゼルエンジン等の内燃機関の燃料供給装置に用いられる燃料供給ポンプ1を示すものである。この燃料供給ポンプ1は、図示しないフィードポンプ(低圧ポンプ)によって燃料タンクから吸い上げた燃料を高圧(数10〜数100MPa)に加圧してコモンレールに供給し、コモンレールを介して内燃機関のインジェクタに供給する。
この燃料供給ポンプ1は、アキシャルプランジャ型のポンプであり、略三角形状のポンプハウジング11の軸部にポンプシャフト12が回転自在に配置されるとともに、ポンプハウジング11の内部に略円形状のカム室13が形成されている。ポンプハウジング11には、カム室13に臨む3つのシリンダ14が放射状に形成され、その各シリンダ14にプランジャ15が進退自在に収容されている。また、ポンプシャフト12には、その一般部の軸心Oに対して偏心した断面円形状の偏心部16が設けられ、その偏心部16の外周にブッシュ17を介してカムリング18が相対回転可能に取り付けられている。
カムリング18は、外周部に3つの偏平面19が等間隔に形成され、この各偏平面19にシリンダ11から突出した各プランジャ15の頭部15aの端面が当接するようになっている。以下、この頭部15aの端面を当接面20と呼ぶものとする。なお、この実施形態の場合、偏平面19を有するカムリング18がプランジャ15を押圧駆動するカム部を構成している。
各プランジャ15の頭部15aとポンプハウジング11の間には、プランジャ15をカムリング18方向に付勢するスプリング21が介装されている。また、各シリンダ14の底部とプランジャ15の間には、プランジャ15の進退動作に応じて容積の変化するポンプ室22が形成されている。
なお、各シリンダ14とプランジャ15の隙間から漏れ出た燃料はカム室13内に流入する。
図2〜図5は、燃料供給ポンプ1の一部を抜き出して模式的に示した図である。なお、図2〜図5において、Oeは、偏心部16(カムリング18)の中心であり、これらの図中2点鎖線は、Oeの移動軌跡を表している。
ここで、ポンプ室22の容積が最大になるときのプランジャ15の進退位置を下死点、逆にポンプ室22の容積が最小になるときのプランジャ15の進退位置を上死点と呼ぶものとすると、図2は、プランジャ15が吐出行程において下死点と上死点の間の中間点位置に達したとき(以下、このときのカムリング18の位置を「基準位置」と呼ぶ。)のポンプ各部の挙動を示し、図3,図4,図5は、カムリング18が基準位置から夫々90°(プランジャ15は上死点),180°,270°(プランジャ15は下死点)進んだときのポンプ各部の挙動を示す。以下、カムリング18の基準位置からの旋回角度(進み角度)を偏心回転角と呼ぶものとする。
これらの図に示すように、ポンプ室22にはフィードポンプに接続される吸入通路23と、コモンレールに接続される供給通路24がそれぞれ接続されている。なお、図2〜図5においては、供給通路24が吸入通路23と同一断面内に描かれているが、実際には、供給通路24は図1のポンプシャフト12の軸線に沿うように形成されている。吸入通路23には、ポンプ室22に流入する燃料の流れを許容する逆止弁25が設けられ、供給通路24には、ポンプ室22から燃料を流出させる流れを許容する逆止弁26が設けられている。
ポンプハウジング11には、シリンダ14の内周面と供給通路24を接続するハウジング側燃料誘導路27が形成されている。具体的には、ハウジング側燃料誘導路27は一端側がシリンダ14の内周面のうちのプランジャ15との摺動領域に開口し、他端側が供給通路24の逆止弁26よりも上流側位置に開口している。なお、図中ハウジング側燃料誘導路27の一端側開口は符号27bで示し、他端側開口は符号27aで示す。
一方、プランジャ15には、一端が頭部15aのカムリング18との当接面20に開口し、他端がシリンダ14との摺動部に開口するプランジャ側燃料誘導路28が形成されている。プランジャ側燃料誘導路28の一端側は頭部15aのほぼ軸心部に開口し、他端側はプランジャ15の外周面に沿って形成された環状溝29によって構成されている。なお、プランジャ側燃料誘導路28の一端側の開口は符号28aで示す。
ここで、ハウジング側燃料誘導路27の一端側開口27bと、プランジャ側燃料誘導路28の環状溝29の位置関係は以下のように設定されている。
すなわち、ハウジング側燃料誘導路27の一端側開口27bは、カムリング18が基準位置にあるとき(図2参照)とカムリング18が偏心回転角180°にあるとき(図4参照)に、プランジャ15の外周の環状溝29に対面し、少なくともこの時点でハウジング側燃料誘導路27とプランジャ側燃料誘導路28が相互に導通するようになっている。そして、ハウジング側燃料誘導路27とプランジャ側燃料誘導路28は、プランジャ15のストロークのある幅をもって相互に導通するが、カムリング15の偏心回転角で言えば、少なくとも基準位置から微小角度進むまでの間(例えば、0°〜5°の間)相互に導通するように設定されている。
また、ハウジング側燃料誘導路27の一端側開口27bは、吸入行程の後半と吐出行程の前半(図5参照)ではプランジャ15の環状溝29よりも上方側の外周面によって閉塞され、吸入行程の前半と吐出行程の後半(図3参照)ではプランジャ15の環状溝29よりも下方側の外周面によって閉塞されるようになっている。なお、この一端側開口27bは、図5に示すように、プランジャ15が下死点に達したときに、プランジャ15の上端部が一端側開口27bよりも上方に位置されるように設定されている。
さらに、プランジャ15の環状溝29は、プランジャ15が下死点に達したときにも、シリンダ14の内周面に対向する位置から外れない位置、つまり、常にシリンダ14の内周面に臨む位置となるように設定されている。
また、この燃料供給ポンプ1の場合、シリンダ14やプランジャ15の軸心位置はポンプシャフト12の軸心Oからオフセットした位置に設定されており、ポンプシャフト12の軸心O回りに偏心回転するカムリング18は、図2に示す基準位置のときに、カムリング18の中心(偏心部16の中心Oe)とシリンダ14やプランジャ15の軸心位置が合致するようになっている。
したがって、ポンプシャフト12の回転に伴ってカムリング18が基準位置から移動すると、カムリング18の中心(Oe)は、シリンダ14やプランジャ15の軸心位置に対してオフセットする(図3〜図5参照)。このオフセット量は、カムリング18の偏心回転角が180°になったとき(図4参照)に最大となる。
プランジャ15の当接面20の中央に形成される開口28aは、カムリング18とプランジャ15の軸心Oのオフセット量が最大となる図4に示す状態においても、カムリング18の偏平面19の外側にずれない位置、つまりカムリング18の偏平面19に常に対向する位置に形成されている。
ところで、プランジャ15が下死点から上死点に向かう吐出行程の前半(図5→図2)では、カムリング18の偏平面19がプランジャ15を上方に押し上げると同時に、プランジャ15とのオフセット量を狭める方向に変位し、このとき偏平面19がプランジャ15の当接面20に対して摺動する。この間、カムリング18からプランジャ15には、押し上げ方向の力と、プランジャ15の外周面をシリンダ14の内周面の一部に押し付けるような力が作用する。したがって、このときプランジャ15の外周とシリンダ14の間の隙間は円周方向の一部で狭められる。
また、プランジャ15が下死点から上死点に向かう吐出行程の後半(図2→図3)では、カムリング18の偏平面19がプランジャ15の押し上げを継続すると同時に、プランジャ15とのオフセット量を拡大する方向(吸入行程の前半と逆向き)に変位し、このとき偏平面19がプランジャ15の当接面20に対して逆向きに摺動する。この間、カムリング18からプランジャ15には、押し上げ方向の力と、プランジャ15の外周面をシリンダ14の内周面の一部から引き離すような力が作用する。したがって、このときプランジャ15の外周とシリンダ14の間の隙間は円周方向の一部で広げられる。
このようにプランジャ15の外周とシリンダ14の間の隙間は吐出行程の間に大きく変動(縮小,拡大)するが、この隙間の変動は、プランジャ15とシリンダ14の円周方向のうちの、偏平面19とプランジャ15の摺動方向に沿う方向で特に大きくなる。
この実施形態の燃料供給ポンプ1の場合、ハウジング側燃料誘導路27の一端側開口27bは、シリンダ14の内周面のうちの、偏平面19とプランジャ15の摺動方向と一致しない位置に形成されている。この一端側開口27bの形成位置としては、上記の隙間の変動が最も少なく、その影響を受け難い位置、具体的には、偏平面19とプランジャ15の摺動方向と直交する位置であることが好ましい。
なお、吐出行程においては、前述のようにカムリング18とプランジャ15の摺動方向が基準位置を境に反転するが、吸入行程(図3→図4→図5)においては、カムリング18とプランジャ15の摺動方向が、カムリング18の偏心回転角が180°に成る位置(図4参照)を境にして反転する。
ここで、ポンプシャフト12の軸心Oと基準位置にあるカムリング18の中心Oeを通る線をx軸、軸心Oを通りx軸と直交する線をy軸とし、カムリング18の中心Oeと軸心Oを結ぶ線分がx軸と成す角度(偏心回転角)をθとした場合には、カムリング18の中心Oeのx方向位置はcosθ、y方向位置はsinθで夫々表すことができる。
そして、プランジャ15とカムリング18の相対速度Vrは、カムリング18のx方向速度(xの微分)と等しいので、Vr=−sinθとなる。したがって、プランジャ15とカムリング18の相対速度Vrは、0°(基準位置)と、180°でゼロになる。
以上の構成において、ポンプシャフト12が回転駆動されると、その回転に応じてカムリング18が偏心回転し、カムリング18の偏平面19に当接した各プランジャ15がカムリング18によって順次押圧されるようになる。このとき、各プランジャ15はスプリング21の付勢力とカムリング18による押圧によってシリンダ14内を進退作動し、吸入通路23からポンプ室22に吸い入れた燃料を加圧して供給通路24に吐出する。
プランジャ15が下死点から上死点に向かう吐出行程においては、カムリング18が基準位置に達した時点(図2参照)で、ハウジング側燃料誘導路28とプランジャ側燃料誘導路27が導通し、カムリング18が基準位置から微小角度変位するまでの間、この導通状態が維持される。
そして、ハウジング側燃料誘導路28とプランジャ側燃料誘導路27が導通すると、供給通路24の高圧に加圧された燃料が、両燃料誘導路28,27を通ってプランジャ15の頭部15aの当接面20に供給される。こうして当接面20に供給された高圧の燃料はその当接面20とカムリング18の当接部分に行き渡る。
吐出行程においては、ポンプ室22内が高圧になるため、カムリング18とプランジャ15の間の当接圧は非常に高くなり、しかも、プランジャ15とカムリング18の相対速度がゼロになる基準位置付近では、プランジャ15とカムリング18の当接部分に周囲(カム室13内)から燃料が引き込まれ難い状態となる。特に、周囲からの燃料の引き込みはプランジャ15とカムリング18の相対作動に伴う動圧によって行われるため、相対速度がゼロになった時点から相対作動が再開されるまでの間が最も燃料が引き込まれ難くなる。
この燃料供給ポンプ1においては、上記のように基準位置付近、正確には基準位置から微小角度カムリング18が移動するまでの間、ハウジング側燃料誘導路28とプランジャ側燃料誘導路27を通した高圧燃料の供給が行われるため、周囲からの燃料潤滑の最も厳しいタイミングで高圧燃料をプランジャ15とカムリング18の当接部分に充分に供給することができる。したがって、当接部分に油膜切れが生じることがなく、常時安定したポンプ作動を得ることができる。
ただし、ハウジング側燃料誘導路28とプランジャ側燃料誘導路27の導通の開始のタイミングは、燃料の供給遅れ等を考慮して基準位置よりも前になるように設定しても良い。また、ハウジング側燃料誘導路28とプランジャ側燃料誘導路27の導通の終了タイミングについても、供給する燃料圧力や必要供給量等を考慮して適宜設定することができる。
また、プランジャ15が上死点から下死点に向かう吸入行程においては、カムリング18の偏心回転角が180°のとき(図4参照)にハウジング側燃料誘導路28とプランジャ側燃料誘導路27が導通する。しかし、このときは吸入行程で供給通路24の逆止弁26よりも上流側は比較的低圧となっているため、燃料誘導路28,27を通ってプランジャ15の当接面20とカムリング18の当接部分に流れ込む燃料量は少なくなる。なお、吸入行程においては、ポンプ室22内が低圧で、プランジャ15とカムリング18の当接圧は比較的低くなっているために、潤滑の要求は小さい。
以上のように、この燃料供給ポンプ1は、ポンプ室22側の高圧燃料を両燃料誘導路28,27を通してプランジャ15とカムリング18の当接部分に供給することで安定した潤滑性能を得ることができるが、さらに、ポンプ室22側からの高圧燃料の供給は周囲からの潤滑が厳しくなる基準位置付近のみで行われるため、高圧燃料の不要な流出を無くし、ポンプ効率の低下を抑制できる、という利点がある。
また、燃料供給ポンプ1においては、ハウジング側燃料誘導路27の他端側開口27aが供給通路24の逆止弁26よりも上流側に設けられているため、吸入行程のときに他端側開口27a側を低圧に維持し、ハウジング側燃料誘導路27を通した不要な燃料の流出を抑制することができる。特に、カムリング18の偏心回転角が180°の時点でハウジング側燃料誘導路27とプランジャ側燃料誘導路28が導通したときには、プランジャ15の頭部15aの開口28aを通して必要以上に燃料が流出するのを防止することができる。
さらに、この燃料供給ポンプ1の場合、プランジャ15が下死点に達したときに、プランジャ15の上端部がハウジング側燃料誘導路27の一端側開口27bよりも上方に位置されるように設定されているため、プランジャ15が下死点から上死点に向かって変位する間に、燃料がハウジング側燃料誘導路27内を供給通路24方向に逆流するのを防止することができる。したがって、吐出行程の途中でプランジャ15方向に向かってハウジング側燃料誘導路27内を流れようとする燃料の流れを阻害することがない。
また、この燃料供給ポンプ1においては、プランジャ15が下死点に達したときにも、プランジャ15の環状溝29がシリンダ14の内周面に臨むように設定されているため、プランジャ側燃料誘導路28内の燃料がプランジャ15の下死点付近でカム室13側に流出して、内部の燃料圧が減圧してしまうことが無い。したがって、プランジャ15の全ての進退行程において、燃料の不要な流出や、それによる減圧を防止することができる。
また、この燃料供給ポンプ1では、ハウジング側燃料誘導路27の一端側開口27bが、シリンダ14の内周面のうちの、カムリング18の作動に伴うプランジャ15の外周とシリンダ14の間の隙間の変動の影響を受け難い位置に形成されているため、プランジャ15の外周とシリンダ14の間の隙間が変動したときに、その隙間を通して一端側開口27bから燃料が漏出するのを抑制することができる。したがって、ポンプ効率の低下をより抑制することができる。
また、この燃料供給ポンプ1においては、プランジャ15の当接面20に設けられる開口28aが、カムリング18とプランジャ15の軸心のオフセット量が最大になる状態においても、カムリング18の偏平面19に対向する位置に形成されているため、プランジャ15の開口28aを通した燃料の不要な流出も防止することができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態においては、ポンプハウジング11に、シリンダ14の摺動領域と供給通路24を連通するようにハウジング側燃料誘導路27を形成したが、図6に示すように、ハウジング側燃料誘導路127はシリンダ14の摺動領域とポンプ室22を連通するように形成しても良い。図6中、127bは、シリンダ14内に開口する一端側開口であり、127aは、ハウジング側燃料誘導路127のポンプ室22に連通する他端側開口である。
また、上記の実施形態においては、ポンプシャフト12の偏心部16に、外面に偏平面19を有するカムリング18が取り付けられ、カムリング18がプランジャ15を押圧するカム部を構成するようになっているが、カム部は、ポンプシャフトの一部にカム形状を一体に形成したものであっても良い。
1…燃料供給ポンプ
11…ポンプハウジング
12…ポンプシャフト
14…シリンダ
15…プランジャ
16…偏心部
17…軸受
18…カムリング(カム部)
19…偏平面
20…当接面
22…ポンプ室
23…吸入通路
24…供給通路
26…逆止弁
27…ハウジング側燃料誘導路
27a…他端側開口(他端部の開口)
27b…一端側開口(一端部の開口)
28…プランジャ側燃料誘導路
28a…開口(一端部の開口)
29…環状溝(他端部の開口)

Claims (8)

  1. ポンプシャフトを介して駆動されるカム部と、
    ポンプハウジングに前記カム部の外側面に臨むように設けられたシリンダと、
    このシリンダに進退自在に収容され、前記カム部によって押圧されるプランジャと、
    前記シリンダとプランジャの間に区画形成されるポンプ室と、
    このポンプ室に接続される吸入通路及び供給通路と、を備え、
    前記カム部の駆動に伴う前記プランジャの進退作動により、前記吸入通路から前記ポンプ室に吸い入れた燃料を前記プランジャによって加圧して前記供給通路に吐出する燃料供給ポンプにおいて、
    前記ポンプハウジングに、一端が前記シリンダの内周面のうちのプランジャの摺動領域に開口し、他端が前記ポンプ室、若しくは、吐出通路に開口するハウジング側燃料誘導路を設けるとともに、
    前記プランジャに、一端が前記カム部との当接面に開口し、他端が前記シリンダに臨む外周面に開口するプランジャ側燃料誘導路を設け、
    前記プランジャが所定の進退位置に変位したときに、前記ハウジング側燃料誘導路の一端部と前記プランジャ側燃料誘導路の他端部とが導通するようにしたことを特徴とする燃料供給ポンプ。
  2. 前記所定の進退位置は、前記プランジャとカム部の当接部分の摺動方向の相対速度が最小となる点を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給ポンプ。
  3. 前記供給通路には逆止弁が配置され、
    前記ハウジング側燃料誘導路の他端部は、前記逆止弁よりも上流側に連通していることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料供給ポンプ。
  4. 前記プランジャの進退行程のうちの、前記ポンプ室の容積が最大となるプランジャ下死点において、前記プランジャの上端部が、前記ハウジング側燃料誘導路の前記一端部の開口よりも上方に位置されるように当該開口を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料供給ポンプ。
  5. 前記プランジャの進退行程のうちの、前記ポンプ室の容積が最大となるプランジャ下死点において、前記プランジャ側燃料誘導路の前記他端部の開口が、シリンダに臨む位置となるように当該開口を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料供給ポンプ。
  6. 前記プランジャは、吐出行程中に、前記カム部から進退方向に対して傾斜する方向の外力を受け、
    前記ハウジング側燃料誘導路の前記一端部の開口は、前記シリンダの内面のうちの、前記吐出行程中に前記カム部からの外力の入力による前記プランジャとシリンダの摺動隙間の変動の影響を受け難い位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料供給ポンプ。
  7. 前記プランジャ側燃料誘導路の前記一端部の開口は、前記カム部の外周面に常に対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料供給ポンプ。
  8. 前記カム部は、前記ポンプシャフトの軸心に対して偏心した偏心部に相対回動可能に取り付けられたカムリングであって、前記プランジャの端面が摺動自在に当接する偏平面を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料供給ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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