JP2010203154A - 良液作製管理システム及び方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】液状の掘削泥水用泥膜形成剤や掘削泥水用分散剤を用いて良液を作製する場合においてその作製状況を事前に把握する。
【解決手段】本発明に係る良液作製管理システム51は、データ入力設定部52と、きざみ時間に対応する掘削地山部分の体積ΔVV及びその質量ΔMSを算出する掘削地山算出部54と、土砂分離装置のスクリーンで分離される土砂の体積及び質量を算出するスクリーン土砂算出部55と、同じくサイクロンで分離される土砂の体積及び質量を算出するサイクロン土砂算出部56と、デカンタを稼働させる条件を満たしたかどうかを判定するデカンタ判定部57と、デカンタで分離される土砂の体積及び質量を算出するデカンタ土砂算出部58と、該デカンタのオーバー泥水を良液とするとともに該良液の量が所望の量に達しているかどうかを判定する良液判定部59とからなる演算処理部60を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として地中連続壁工法で使用される良液の作製管理システム及び方法に関する。
地中連続壁工法においては、まず、安定液と呼ばれる掘削用泥水で溝壁の崩壊を防止しながら地盤をトレンチ状に掘削し、しかる後に掘削溝内に鉄筋籠を建て込む。そして、トレミー管を介して該掘削溝内にコンクリートを打設し、掘削用泥水をコンクリートに置換するといった手順が一般的である。
このような地中連続壁工法で用いる掘削用泥水には、溝壁を安定させるべく、良好な造壁性を有していることが基本的に要求されるとともに、スラリー輸送等の関係上、逸液が防止される範囲内で低粘性が保持されることが望ましい。また、後工程でコンクリート置換される関係上、耐セメント性を有していることも要求される。
従来、かかる機能を満たすべく、ベントナイト、CMC、分散剤、ポリマー剤等を作泥材料とした掘削用泥水が広く使用されてきたが、このような作泥材料はいずれも粉体であるため、貯蔵のためのストックヤードや、これらを溶解させるための混練ミキサー等からなる作泥プラントが必要不可欠になるとともに、プラント敷地に十分なスペースを確保できなかった場合には、プラント構成が複雑となり、敷地内の車両通行に支障をきたす。加えて、上述した作泥材料が本来的に水に溶解しにくいため、混練ミキサーを用いたとしても溶解作業に手間と時間を要する。
かかる状況下、掘削土の細粒分を含んだ水に添加するだけで造壁性を確保することができるとともに、攪拌混合に手間や時間を要しない液状の掘削泥水用分散剤や掘削泥水用泥膜形成剤が開発された。
上述した薬剤によれば、液状であるがゆえに濃縮状態でのタンク貯留が可能となり、従来のような作泥プラントが不要になるばかりでなく、混練の必要もないため、必要なときに必要なだけ、タイムリーに泥水を作製することが可能となる。
一方、地中連続壁工法では、掘削土の細粒分が掘削用泥水中の成分と懸濁して溝底に沈殿し、いわゆるスライムを形成するが、かかるスライムは、水中コンクリートの品質を低下させるのみならず、打設されたコンクリートの荷重によって容易に圧縮されるため、地中連続壁の支持力低下や沈下の原因ともなる。
したがって、上部構造物に要求される耐震性やスライムの生成状況等によっては、コンクリート打設前に予めスライムを除去する処理を行う必要が生じるが、掘削深度が深い場合には、スライムが沈降するのに長時間を要するため、掘削溝内の掘削用泥水を、あらたに作泥した泥水に置換する方法を採用することが多い。
かかる方法によれば、スライム成分が全く含まれていない泥水を安定液として水中コンクリート打設を行うこととなるため、品質の高い地中連続壁を構築することが可能となり、その意味で、このような安定液を良液と呼んでいる。
特開2002−235073公報
このような良液についても通常の泥水と同様、掘削土の細粒分と上述した液状の掘削泥水用泥膜形成剤あるいは掘削泥水用分散剤だけで作製することが可能であるが、地中連続壁工法においては、掘削が完了した後、溝壁内の泥水を良液に置換し、しかる後、水中コンクリート打設を行うため、次工程を遅滞なく進めるためには、掘削が終わった段階で必要量の良液が作製されている必要がある。
しかしながら、掘削土砂の細粒分を掘削泥水から回収し、該細粒分を原材料とする関係上、どの程度の量の良液をどのくらいの速度で作製できるのかを事前に把握することは難しく、掘削が完了した段階で所望量の良液が確保できていないという問題や、良液の量あるいは作製速度に関する事前把握が難しいため、施工計画が立てにくいといった問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、液状の掘削泥水用泥膜形成剤や掘削泥水用分散剤を用いて良液を作製する場合においてその作製状況を事前に把握することが可能な良液作製管理システム及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る良液作製管理方法は請求項1に記載したように、泥水で満たされた掘削孔を所定の掘削条件に従って掘り下げつつ土砂分離装置に設けられたスクリーン及びサイクロンで前記掘削孔内の泥水から土砂を分離除去して該サイクロンのオーバー泥水を前記掘削孔に循環させる一方、前記サイクロンのオーバー泥水をデカンタに供給してそのオーバー泥水から良液を作製する場合において、掘削された地山の量を算出するとともに、前記スクリーン、前記サイクロン及び前記デカンタで分離除去される土砂の量を算出することで、前記デカンタのオーバー泥水から作製される良液の量を演算する良液作製管理方法であって、
全循環泥水体積TV、全循環泥水中乾土量TMS及び掘削深度DEPのそれぞれについて掘削開始時の初期値を求めるとともに、演算を行う際の時間増分であるきざみ時間を設定し、
前記きざみ時間を用いて掘削深度DEPを求め、
前記きざみ時間における掘削地山部分の体積ΔVVとそれに含まれる乾土量の質量ΔMSとを求め、
掘削深度DEPに応じた地山の解膠率Fを用いて未解膠土の体積Δk1とそれに含まれる乾土量の質量ΔMS1とを求めるとともに解膠後における体積Δk2を算出し、
掘削深度DEPに応じた礫分割合Gを用いて前記スクリーンで除去される礫分の質量ΔMS2とその体積Δk3とを算出し、
前記ΔMS1及びΔMS2を加算することで前記スクリーンで分離される土砂の乾土量ΔMSscを算出するとともに、前記Δk2及びΔk3を加算することで該スクリーンで分離される土砂の体積ΔVscを算出し、
掘削深度DEPに応じた砂分割合Sを用いて前記サイクロンで分離除去される砂分の質量ΔMScycを算出するとともにその体積ΔVcycを算出し、
前記ΔVVから前記ΔVsc及び前記ΔVcycを差し引いた残留体積FKVを算出するとともに、前記ΔMSから前記ΔMSsc及び前記ΔMScycを差し引いた残留乾土量FKMSを求め、
全循環泥水体積TVと全循環泥水中乾土量TMSを、次式、
TV=TV+FKV (22)
TMS=TMS+FKMS (23)
で累加的に算出するとともに、循環泥水密度DENを、次式、
DEN=(TMS・Gs+TV・Gs−TMS)/TV/Gs (25)
Gs;土粒子密度
で算出し、
循環泥水密度DENが、前記デカンタを稼働させる下限値DDEC以上となったかどうかを判定し、
DEN≧DDEC (26)
でなければ、累計補給泥水体積HKVを、次式、
HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc (27)
で累加的に算出するとともに、前記掘削深度DEPを算出する工程に戻って、次のきざみ時間について上述の演算を繰り返し行う一方、
DEN≧DDEC (26)
であれば、きざみ時間の間に前記デカンタに供給される泥水の体積ΔQ1を入力又は設定し、
前記デカンタに供給される泥水中の乾土量ΔQ1MSを、次式、
ΔQ1MS=(Gs/(Gs−1))・(DEN−1)・Q1 (28)
で算出し、
前記デカンタの稼働条件から定まるケーキ乾土量DCMS及びケーキ含水比EWを用いてケーキの体積ΔDCVを、次式、
ΔDCV=DCMS・(1/Gs+EW) (29)
で算出するとともに、オーバーフロー体積ΔQ2を、次式、
ΔQ2=ΔQ1−ΔDCV (30)
で算出し、
良液体積RVを、次式、
RV=RV+ΔQ2 (31)
から累加的に算出するとともに、オーバーフロー中の乾土量ΔQ2MSが、
ΔQ2MS=ΔQ1MS−DCMS (32)
であることを用いて、良液の乾土量RMSを、次式、
RMS=RMS+ΔQ2MS (33)
から累加的に算出し、
良液の体積RV及び該良液中の乾土量RMSを用いて、良液密度RDを、次式、
RD=(RMS・Gs+RV・Gs−RMS)/RV/Gs (34)
から算出するとともに、累計補給泥水体積HKVを、次式、
HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc+ΔQ1 (35)
で累加的に算出し、
良液の体積量RVが目標体積量RSKVに達したかどうかを判定し、
RV≧RSKV (37)
ではなくかつ掘削深度DEPが掘削最終深度に達していない場合、前記掘削深度DEPを算出する工程に戻って次のきざみ時間について上述の演算を繰り返し行う一方、
RV≧RSKV (37)
であれば演算を終了するものである。
また、本発明に係る良液作製管理方法は、前記累計補給泥水体積HKVを、前記(35)式に代えて、
HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc+ΔQ2 (38)
で累加的に算出するものである。
また、本発明に係る良液作製管理方法は、掘削開始時の泥水体積TVIを次式、
TVI=VTRENCH+GV+OV (1)
VTRENCH;掘削開始時にGLSの深さに満たされる泥水量
GV;土砂分離装置に設けられた原水槽に満たされる泥水量
OV;循環泥水を貯留するための循環槽に満たされる泥水量
で求めるとともに、全循環泥水体積TV、全循環泥水中乾土量TMS及び掘削深度DEPのそれぞれについて掘削開始時の初期値を次式、
TV=TVI (3)
TMS=(SSN/1000)・TVI (4)
DEP=GLS (5)
SSN;初期泥水の粘土量
GLS;掘削開始時の深度
で求め、
前記掘削深度DEPを、次式、
DEP=DEP+C・KZ (7)
KZ;きざみ時間
C ;掘削速度
から累加的に求め、
前記きざみ時間における掘削地山部分の体積ΔVVとそれに含まれる乾土量の質量ΔMSを、前記掘削深度DEPに応じた地山の土粒子質量密度SS及び前記掘削深度DEPに応じた地山の含水比Wを用いて、次式、
ΔVV=A・C・KZ (8)
ΔMS=SS・ΔVV (9)
SS;1/(1/Gs+W) (10)
A ;掘削孔の断面積
でそれぞれ求め、
前記未解膠土の体積Δk1を、次式、
Δk1=ΔVV・(1−F) (11)
から算出するとともに、それに含まれる乾土量の質量ΔMS1を、次式、
ΔMS1=SS・Δk1 (12)
から求め、
前記解膠後における体積Δk2を、次式、
Δk2=ΔMS1・(1/Gs+W+MBW) (13)
MBW;土塊含水比増加分
で算出し、
前記礫分の質量ΔMS2を、次式、
ΔMS2=ΔMS・F・G・(1+MGFr) (14)
MGFr;スクリーン礫の細粒分付着比
から算出するとともに、その体積Δk3を、次式、
Δk3=ΔMS2・(MGW+1/Gs) (15)
MGW;スクリーン礫の含水比
で算出し、
前記砂分の質量ΔMScycを、次式、
ΔMScyc=ΔMS・F・S・(1+YFr) (18)
YFr;サイクロン土砂の細粒分付着比
で算出するとともに、その体積ΔVcycを、次式、
ΔVcyc=ΔMScyc・(YW+1/Gs)
=ΔMS・F・S・(1+YFr)
・(YW+1/Gs) (19)
YW;サイクロン土砂の含水比
で算出するものである。
また、本発明に係る良液作製管理方法は、前記SSを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における土粒子の質量密度SS(i)とし、前記Wを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における地山の含水比W(i)とし、前記Fを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における土の解膠率F(i)とし、前記Gを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における礫分割合G(i)とし、前記Sを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における砂分割合S(i)とし、前記YWを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分におけるサイクロン土砂の含水比YW(i)としたものである。
また、本発明に係る良液作製管理システムは請求項5に記載したように、掘削条件を入力又は設定するデータ入力設定部と、前記掘削条件に従って掘削される地山であってきざみ時間に対応する掘削地山部分の体積ΔVV及びそれに含まれる乾土量の質量ΔMSを算出する掘削地山算出部と、前記きざみ時間で掘削される地山部分のうち、土砂分離装置に設けられたスクリーンで分離される土砂の体積及び質量を算出するスクリーン土砂算出部と、前記きざみ時間で掘削される地山部分のうち、土砂分離装置に設けられたサイクロンで分離される土砂の体積及び質量を算出するサイクロン土砂算出部と、デカンタを稼働させる条件を満たしたかどうかを判定するデカンタ判定部と、前記きざみ時間で掘削される地山部分のうち、サイクロンのオーバー泥水が供給されるデカンタで分離される土砂の体積及び質量を算出するデカンタ土砂算出部と、該デカンタのオーバー泥水を良液とするとともに該良液の量が所望の量に達しているかどうかを判定する良液判定部とからなる演算処理部を備えた良液作製管理システムであって、
前記データ入力設定部は、
全循環泥水体積TV、全循環泥水中乾土量TMS及び掘削深度DEPのそれぞれについて掘削開始時の初期値を求めるとともに、演算を行う際の時間増分であるきざみ時間を設定し、前記きざみ時間を用いて掘削深度DEPを求めるようになっており、
前記スクリーン土砂算出部は、
掘削深度DEPに応じた地山の解膠率Fを用いて未解膠土の体積Δk1とそれに含まれる乾土量の質量ΔMS1とを求めるとともに解膠後における体積Δk2を算出し、
掘削深度DEPに応じた礫分割合Gを用いて前記スクリーンで除去される礫分の質量ΔMS2とその体積Δk3とを算出し、
前記ΔMS1及びΔMS2を加算することで前記スクリーンで分離される土砂のΔMSscを算出するとともに、前記Δk2及びΔk3を加算することで該スクリーンで分離される土砂の体積ΔVscを算出するようになっており、
前記サイクロン算出部は、
掘削深度DEPに応じた砂分割合Sを用いて前記サイクロンで分離除去される砂分の質量ΔMScycを算出するとともに、その体積ΔVcycを算出するようになっており、
前記演算処理部は、
前記ΔVVから前記ΔVsc及び前記ΔVcycを差し引いた残留体積FKVを算出するとともに、前記ΔMSから前記ΔMSsc及び前記ΔMScycを差し引いた残留乾土量FKMSを求め、
全循環泥水体積TVと全循環泥水中乾土量TMSを、次式、
TV=TV+FKV (22)
TMS=TMS+FKMS (23)
で累加的に算出するとともに、循環泥水密度DENを、次式、
DEN=(TMS・Gs+TV・Gs−TMS)/TV/Gs (25)
で算出するようになっており、
前記デカンタ判定部は、
循環泥水密度DENが、デカンタを稼働させる下限値DDEC以上となったかどうかを判定し、
前記演算処理部は、
DEN≧DDEC (26)
でなければ、累計補給泥水体積HKVを、次式、
HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc (27)
で累加的に算出するとともに、前記掘削深度DEPを算出する工程に戻って、次のきざみ時間TZについて上述の演算を繰り返し行う一方、
DEN≧DDEC
であれば、きざみ時間KZの間に前記デカンタに供給される泥水の体積ΔQ1を入力又は設定するようになっており、
前記デカンタ土砂算出部は、
前記デカンタに供給される泥水中の乾土量ΔQ1MSを、次式、
ΔQ1MS=(Gs/(Gs−1))・(DEN−1)・Q1 (28)
で算出し、
デカンタの稼働条件から定まるケーキ乾土量DCMS及びケーキ含水比EWを用いてケーキの体積ΔDCVを、次式、
ΔDCV=DCMS・(1/Gs+EW) (29)
で算出するとともに、オーバーフロー体積ΔQ2を、次式、
ΔQ2=ΔQ1−ΔDCV (30)
で算出し、
良液体積RVを、次式、
RV=RV+ΔQ2 (31)
から累加的に算出するとともに、オーバーフロー中の乾土量ΔQ2MSが、
ΔQ2MS=ΔQ1MS−DCMS (32)
であることを用いて、良液の乾土量RMSを、次式、
RMS=RMS+ΔQ2MS (33)
から累加的に算出し、
良液の体積RV及び該良液中の乾土量RMSを用いて、良液密度RDを、次式、
RD=(RMS・Gs+RV・Gs−RMS)/RV/Gs (34)
から算出するとともに、累計補給泥水体積HKVを、次式、
HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc+ΔQ1 (35)
で算出するようになっており、
前記良液判定部は、
良液の体積量RVが目標体積量RSKVに達したかどうかを判定し、
前記演算処理部は、
RV≧RSKV (37)
ではなくかつ掘削深度DEPが掘削最終深度に達していない場合、前記掘削深度DEPを算出する工程に戻って次のきざみ時間について上述の演算を繰り返し行う一方、
RV≧RSKV (37)
であれば演算を終了するものである。
また、本発明に係る良液作製管理システムは、前記累計補給泥水体積HKVを、前記(35)式に代えて、
HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc+ΔQ2 (38)
で累加的に算出するものである。
また、本発明に係る良液作製管理システムは、前記データ入力設定部は、掘削開始時の泥水体積TVIを次式、
TVI=VTRENCH+GV+OV (1)
VTRENCH;掘削開始時にGLSの深さに満たされる泥水量
GLS;掘削開始時の深度
GV;土砂分離装置に設けられた原水槽に満たされる泥水量
OV;循環泥水を貯留するための循環槽に満たされる泥水量
で求めるとともに、全循環泥水体積TV、全循環泥水中乾土量TMS及び掘削深度DEPのそれぞれについて掘削開始時の初期値を次式、
TV=TVI (3)
TMS=(SSN/1000)・TVI (4)
DEP=GLS (5)
SSN;初期泥水の粘土量
GLS;掘削開始時の深度
で求め、前記掘削深度DEPを、次式、
DEP=DEP+C・KZ (7)
KZ;きざみ時間
C ;掘削速度
から累加的に求めるようになっており、
前記掘削地山算出部は、前記きざみ時間における掘削地山部分の体積ΔVVとそれに含まれる乾土量の質量ΔMSを、前記掘削深度DEPに応じた地山の土粒子質量密度SS及び前記掘削深度DEPに応じた地山の含水比Wを用いて、次式、
ΔVV=A・C・KZ (8)
ΔMS=SS・ΔVV (9)
SS;1/(1/Gs+W) (10)
Gs;土粒子密度
A ;掘削孔の断面積
でそれぞれ求めるようになっており、
前記スクリーン土砂算出部は、前記未解膠土の体積Δk1を、次式、
Δk1=ΔVV・(1−F) (11)
から算出するとともに、それに含まれる乾土量の質量ΔMS1を、次式、
ΔMS1=SS・Δk1 (12)
から求め、
前記解膠後における体積Δk2を、次式、
Δk2=ΔMS1・(1/Gs+W+MBW) (13)
MBW;土塊含水比増加分
で算出し、
前記礫分の質量ΔMS2を、次式、
ΔMS2=ΔMS・F・G・(1+MGFr) (14)
MGFr;スクリーン礫の細粒分付着比
から算出するとともに、その体積Δk3を、次式、
Δk3=ΔMS2・(MGW+1/Gs) (15)
MGW;スクリーン礫の含水比
で算出するようになっており、
前記サイクロン土砂算出部は、前記砂分の質量ΔMScycを、次式、
ΔMScyc=ΔMS・F・S・(1+YFr) (18)
YFr;サイクロン土砂の細粒分付着比
で算出するとともに、その体積ΔVcycを、次式、
ΔVcyc=ΔMScyc・(YW+1/Gs)
=ΔMS・F・S・(1+YFr)
・(YW+1/Gs) (19)
YW;サイクロン土砂の含水比
で算出するようになっているものである。
また、本発明に係る良液作製管理システムは、前記SSを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における土粒子の質量密度SS(i)とし、前記Wを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における地山の含水比W(i)とし、前記Fを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における土の解膠率F(i)とし、前記Gを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における礫分割合G(i)とし、前記Sを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における砂分割合S(i)とし、前記YWを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分におけるサイクロン土砂の含水比YW(i)としたものである。
本実施形態に係る良液作製管理システム51を示したブロック図。 良液作製管理システム51が適用される良液作製システム1を示した図。 良液作製管理システム51の実施手順を示したフローチャート。 引き続き良液作製管理システム51の実施手順を示したフローチャート。 引き続き良液作製管理システム51の実施手順を示したフローチャート。 引き続き良液作製管理システム51の実施手順を示したフローチャート。 良液作製管理システムが適用される別の良液作製システムを示した図。
以下、本発明に係る良液作製管理システム及び方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る良液作製管理システムを示した略図、図2は本実施形態に係る良液作製管理システムが適用される良液作製システムを示した略図、図3乃至図6は、本実施形態に係る良液作製管理システムにおける実施手順を良液作製管理方法として示したフローチャートである。
これらの図でわかるように、本実施形態に係る良液作製管理システム51は、掘削条件を入力又は設定するデータ入力設定部52と、該掘削条件に従って掘削される地山であってきざみ時間に対応する掘削地山部分の体積ΔVV及びそれに含まれる乾土量の質量ΔMSを算出する掘削地山算出部54と、該きざみ時間で掘削される地山部分のうち、土砂分離装置に設けられたスクリーンで分離される土砂の体積及び質量を算出するスクリーン土砂算出部55と、同じくきざみ時間で掘削される地山部分のうち、土砂分離装置に設けられたサイクロンで分離される土砂の体積及び質量を算出するサイクロン土砂算出部56と、デカンタを稼働させる条件を満たしたかどうかを判定するデカンタ判定部57と、同じくきざみ時間で掘削される地山部分のうち、サイクロンのオーバー泥水が供給されるデカンタで分離される土砂の体積及び質量を算出するデカンタ土砂算出部58と、該デカンタのオーバー泥水を良液とするとともに該良液の量が所望の量に達しているかどうかを判定する良液判定部59とからなる演算処理部60を備えてなり、実際の施工に先立って良液作製のシミュレーションを行うことができるようになっている。
本実施形態に係る良液作製管理システム51は、例えばパソコン及びその周辺機器をハードウェア資源として構成することが可能であり、具体的には、キーボードやマウスでデータ入力設定部52を構成するとともに、掘削地山算出部54,スクリーン土砂算出部55,サイクロン土砂算出部56,デカンタ判定部57,デカンタ土砂算出部58、良液判定部59及び演算処理部60をメモリー、ハードディスク及び演算処理装置上で動作させることが可能である。
本実施形態に係る良液作製管理システム51は、図2に示した良液作製システム1で良液を作製する場合のシミュレーションとして実施することが可能である。
次に、本実施形態に係る良液作製管理システム1を用いて良液作製のシミュレーションを行う手順を図3乃至図6を参照しながら以下に説明するが、かかるシミュレーションにおいては、図2の良液作製システム1による良液作製を前提としているため、説明の途中で良液作製システム1に適宜言及する。
まず、掘削条件として、
VTRENCH;掘削開始時にGLSの深さに満たされる泥水量
GV;土砂分離装置の原水槽に満たされる泥水量
OV;循環槽に満たされる泥水量
GLS;掘削開始時の深度
の各数値を、データ入力設定部52を介して入力する(ステップ101)。各数値は、施工計画段階で決定されている設計値を用いる。
良液作製システム1は、掘削溝2内に泥水を満たすことで溝壁の安定を図りつつ、掘削された土砂のうち、主として礫分を土砂分離装置4のスクリーン6で回収するとともに、該スクリーンを通過した泥水を原水槽8に一時的に貯留した後、該原水槽内の泥水をサイクロン7に供給することで主として砂分をサイクロン7で回収する一方、サイクロン7のオーバー泥水を循環槽13を介して掘削溝2に循環させるようになっており、掘削開始時においては、原水槽8、循環槽13及び掘削溝2にそれぞれ一定量の泥水が必要となる。
次に、入力された数値から掘削開始時の泥水体積TVIを次式、
TVI=VTRENCH+GV+OV (1)
で求めるとともに、掘削孔の断面積Aを次式、
A=L・B (2)
L;掘削孔としての溝孔の設計掘削長さ
B;掘削孔としての溝孔の設計掘削幅
で求める(ステップ102)。かかる演算は、データ入力設定部52で行う。
ここで、Lは、図2の紙面水平方向に長さに相当し、Bは紙面直交方向の奥行きに相当する。かかる数値としては、やはり施工計画の段階で決定されている数値を入力する。
次に、初期泥水の粘土量SSNをデータ入力設定部52を介して入力する(ステップ103)。
良液作製管理システム1を用いて良液作製のシミュレーションを行うにあたり、泥水作製に必要な土の細粒分は、原則として掘削土砂の細粒分から調達することを前提とするが、掘削開始当初については、未だ掘削土砂が得られていない。
そのため、掘削開始当初だけは粘土分を適宜添加するという前提で演算を行う。なお、同一又は他の掘削現場で得られた泥水を転用できることは言うまでもない。
次に、全循環泥水体積TV、全循環泥水中乾土量TMS及び掘削深度DEPの掘削開始時における各初期値を次式、
TV=TVI (3)
TMS=(SSN/1000)・TVI (4)
DEP=GLS (5)
でそれぞれ求める(ステップ104)。
ここで、全循環体積TVとは、原水槽8、循環槽13及び掘削溝2に満たされた泥水の総量、全循環泥水中乾土量TMSとは、その泥水に含まれている土の質量(乾土量)であり、演算の進行に伴って累加計算されることとなる。
[掘削]
掘削条件を入力したら、以下の手順で土砂分離装置4のスクリーン6及びサイクロン7で除去される掘削土砂の量を求める。掘削土砂の量を求めるにあたっては、演算を行う際の時間増分(以下、きざみ時間KZと呼ぶ)を適宜設定し、該きざみ時間KZに対応する地山部分(以下、地山スライスと呼ぶ)についてそれぞれ掘削土砂の量を求めつつ、それらを累加することで、掘削地山全体の量を求める。きざみ時間KZは、演算処理能力と演算精度との兼ね合いで適宜設定すればよい。
まず、単位時間あたり、例えば1分間(以下、説明の便宜上、時間単位は分とする)に掘り下げることができる掘削速度C(m/min)を次式、
C=C1(j) (6)
で求める(ステップ105)。かかる演算はデータ入力設定部52で行う。
C1(j)は、地盤深度DEPに応じて掘削速度が変化することを前提とした掘削速度データ群であって、掘削深度DEPとそれに応じた速度区分jに関連付ける形で記憶手段であるハードディスクに記憶させてあり、掘削深度DEPから速度区分jを特定し、さらにその速度区分jに関連付けられたC1(j)をハードディスクから読み出すことで、任意の掘削深度DEPに対応した掘削速度Cを求めることができる。
次に、きざみ時間KZの間に掘り下げられる深さはC・KZとなるので、これを演算ループ(繰り返し演算)ごとに次式、
DEP=DEP+C・KZ (7)
で累加することにより、該きざみ時間中の掘削深度DEPを求める(ステップ106)。ここで、右辺のDEPは、直前のきざみ時間KZでの掘削深度である。
次に、きざみ時間KZにおける掘削地山部分の体積ΔVV(地山スライスの体積)とそれに含まれる乾土量の質量ΔMSを、
ΔVV=A・C・KZ (8)
ΔMS=SS(i)・ΔVV (9)
でそれぞれ求める(ステップ107)。かかる演算は掘削地山算出部54で行う。
ここで、SS(i)は、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における土粒子の質量密度であり、以下の式、
SS(i)=1/(1/Gs+W(i)) (10)
Gs;土粒子密度(t/m3
で求めることができる。ここで、W(i)は、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における地山の含水比である。かかるW(i)は、掘削深度DEP及び地層区分iに対応付けた形で記憶手段に記憶してあり、掘削深度DEPから地層区分iを特定し、さらにその地層区分iに対応するW(i)を上述の記憶手段から読み出すことで、掘削深度DEPに対応したW(i)を求め、さらにはSS(i)、ΔMSを順次求めることができる。
[スクリーンで分離除去される土砂分の算出]
次に、土砂分離装置4のスクリーン6で分離除去される土砂分をスクリーン土砂算出部55で以下のように評価する。まず、きざみ時間KZに対応する掘削地山部分を、掘削によって解膠される土砂分と解膠されない土砂分とに分ける。
ここで、きざみ時間KZにおける掘削地山部分の体積ΔVV(地山スライスの体積)が(8)式でΔVVとして算出されているので、これを用いて未解膠土の体積Δk1を、次式、
Δk1=ΔVV・(1−F(i)) (11)
から算出する(ステップ108)。ここで、F(i)は、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における土の解膠率であり、該地層区分における含水比、液性指数(含水比とコンシステンシーで定まる値)及び砂分から定まる。
かかるF(i)は、掘削深度DEP及び地層区分iに対応付けた形で記憶手段に記憶してあり、掘削深度DEPから地層区分iを特定し、さらにその地層区分iから対応するF(i)を上述の記憶手段から読み出すことで、掘削深度DEPに対応した解膠率を求めることができる。
Δk1が算出されたならば、下式、
ΔMS1=SS(i)・Δk1 (12)
から乾土量の質量ΔMS1を求める(ステップ109)。
ここで、上述のΔk1は地山状態での体積であって、解膠後における体積Δk2は、解膠時に混入する水量を土塊含水比増加分MBWとして考慮する必要がある。すなわち、解膠後における体積Δk2を、次式、
Δk2=ΔMS1・(1/Gs+W(i)+MBW) (13)
で算出する(ステップ110)。
一方、解膠された土砂分のうち、土砂分離装置4のスクリーン6で除去されるのは礫分であることを踏まえ、その質量ΔMS2を、解膠前の地山スライスの質量ΔMSに解膠率F(i)を乗じ、さらに礫分割合G(i)を乗じる次式、
ΔMS2=ΔMS・F(i)・G(i)・(1+MGFr) (14)
MGFr;スクリーン礫の細粒分付着比
から算出する(ステップ111)。
(1+MGFr)を乗じてあるのは、スクリーン6上の礫分に付着している細粒分も礫分とともに分離除去されるからである。礫分の割合であるG(i)は、掘削深度DEP及び地層区分iに対応付けた形で記憶手段に記憶してあり、掘削深度DEPから地層区分iを特定し、さらにその地層区分iから対応するG(i)を上述の記憶手段から読み出すことで、掘削深度DEPに対応したG(i)を求めることができる。
次に、解膠された土砂分のうち、土砂分離装置4のスクリーン6で除去される礫分の体積Δk3を、次式、
Δk3=ΔMS2・(MGW+1/Gs) (15)
MGW;スクリーン礫の含水比
で算出する(ステップ112)。
次に、スクリーン6で分離される乾土量ΔMSscを、未解膠分に対する質量ΔMS1及び解膠分に対する質量ΔMS2の合算値として次式、
ΔMSsc=ΔMS1+ΔMS2
=ΔMS1+ΔMS・F(i)・G(i)・(1+MGFr)(16)
で算出する(ステップ113)。
また、その体積ΔVscを、次式、
ΔVsc=Δk2+Δk3
=Δk2+ΔMS・F(i)・G(i)・(1+MGFr)
・(MGW+1/Gs) (17)
で算出する(ステップ114)。
[サイクロンで分離除去される土砂分の算出]
土砂分離装置4のサイクロン7で分離除去される土砂分をサイクロン土砂算出部56で以下のように評価する。すなわち、解膠された土砂分のうち、土砂分離装置4のサイクロン7で除去されるのは砂分であることを踏まえ、その質量ΔMScycを、解膠前の地山スライスの質量ΔMSに解膠率F(i)を乗じ、さらに砂分割合S(i)を乗じる次式、
ΔMScyc=ΔMS・F(i)・S(i)・(1+YFr) (18)
YFr;サイクロン土砂の細粒分付着比
で算出する(ステップ115)。
(1+YFr)を乗じてあるのは、サイクロン7で分離除去される土砂分に付着している細粒分も該土砂分とともに分離除去されるからである。砂分の割合であるS(i)は、掘削深度DEP及び地層区分iに対応付けた形で記憶手段に記憶してあり、掘削深度DEPから地層区分iを特定し、さらにその地層区分iから対応するS(i)を上述の記憶手段から読み出すことで、掘削深度DEPに対応したS(i)を求めることができる。
次に、土砂分離装置4のサイクロン7で除去される砂分の体積ΔVcycを次式
ΔVcyc=ΔMScyc・(YW(i)+1/Gs)
=ΔMS・F(i)・S(i)・(1+YFr)
・(YW(i)+1/Gs) (19)
YW(i);サイクロン土砂の含水比
で算出する(ステップ116)。
サイクロン土砂の含水比YW(i)は、掘削深度DEP及び地層区分iに対応付けた形で記憶手段に記憶してあり、掘削深度DEPから地層区分iを特定し、さらにその地層区分iから対応するYW(i)を上述の記憶手段から読み出すことで、掘削深度DEPに対応したYW(i)を求めることができる。
なお、スクリーン礫の含水比MGWが地層区分iに関わらず一定であったのに対し、サイクロン土砂の含水比YW(i)は地層区分iに依存しているが、これは、砂の場合、その性状の違いによって含水比の変動幅が大きいことに起因するものである。
[土砂分離装置による土砂分離後の乾土量及びその体積]
きざみ時間KZに相当する地山スライスの体積ΔVVから、スクリーン6で分離される土砂の体積ΔVscと、サイクロン7で分離される土砂の体積ΔVcycとを差し引いた残留体積FKVは、
FKV=ΔVV−ΔVsc−ΔVcyc (20)
であり、同じく乾土量の質量ΔMSから、スクリーン6で分離される乾土量の質量ΔMSscと、サイクロン7で分離される乾土量の質量ΔMScycとを差し引いた残留乾土量FKMSは、
FKMS=ΔMS−ΔMSsc−ΔMScyc (21)
である。
したがって、これらを用いて全循環泥水体積TVと全循環泥水中乾土量TMSを、次式、
TV=TV+FKV (22)
TMS=TMS+FKMS (23)
で算出する(ステップ117)。
ここで、右辺のTV,TMSはそれぞれ直前のきざみ時間KZまでの累積値(最初のきざみ時間に対する演算の場合は掘削開始時における初期値)、左辺のTV,TMSはそれぞれ対象となるきざみ時間KZにおける値であって、演算の繰り返しに伴って累加される。
また、乾土量Mと泥水密度Dと体積Vとの関係は一般的に、
M=(Gs/(Gs−1)・(D−1)・V) (24)
で表すことができるので、これを用いて循環泥水密度DENを、次式、
DEN=(TMS・Gs+TV・Gs−TMS)/TV/Gs (25)
で算出する(ステップ118)。
良液作製システム1を用いた良液作製においては、循環槽13内の泥水を一部引き抜いてデカンタ5に供給し、該デカンタからのオーバー泥水を良液として良液槽23に貯留するが、供給泥水の泥水密度が小さいときにはデカンタ5を稼働させず、所定の下限値以上となったときだけ稼働させるようにしている。
そのため、シミュレーションにおいても、循環泥水密度DENが、デカンタ5を駆動させる所定の下限値DDEC以上となったかどうかをデカンタ判定部57で判定し(ステップ119)、
DEN≧DDEC (26)
でなければ(ステップ119、NO)、デカンタ5を稼働する密度条件にはなっていないので、デカンタ土砂算出部58での演算処理はスキップする。
次に、泥水補給に関する演算に進む。すなわち、掘削土砂とともに泥水が掘削溝2から揚泥された後は、掘削溝2内の泥水は、土砂分離装置4のスクリーン6とサイクロン7で除去された体積分が不足するので、その体積分だけ、水及び液状薬剤からなる補給泥水で補ってやる必要がある。
したがって、累計補給泥水体積HKVを、次式、
HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc (27)
で算出する(ステップ120)。
補給泥水の量を算出したら、ステップ105に戻り、次のきざみ時間TZについて、上述の演算を繰り返し行う。
一方、DEN≧DDEC
であれば(ステップ119、YES)、デカンタ5を稼働する密度条件になっているので、デカンタ5による分離除去の算出プロセスに進む。なお、デカンタ判定部57による判定結果を受けた上述の演算処理は演算処理部60で行う。
[デカンタで分離除去される土砂分の算出]
次に、デカンタ5で分離除去される土砂分をデカンタ土砂算出部58で以下のように評価する。まず、きざみ時間KZの間に土砂分離装置4を含む循環系統からデカンタ5に供給される泥水の体積ΔQ1を入力又は設定する(ステップ121)。ΔQ1は、少なすぎると、良液の作製速度が遅く、多すぎると、循環泥水密度DENが低下してデカンタ5への供給自体が不可能になり、結局は良液を作製することができなくなるため、それらの範囲内においてデカンタ5の設置台数や規模を考慮しながら適宜定める。
次に、デカンタ5への供給泥水量がΔQ1であることを用いて、供給泥水中の乾土量ΔQ1MSを、次式、
ΔQ1MS=(Gs/(Gs−1))・(DEN−1)・Q1 (28)
で算出する(ステップ122)。
次に、デカンタ5の稼働条件から定まるケーキ乾土量DCMS及びケーキ含水比EWを用いてケーキの体積ΔDCVを、次式、
ΔDCV=DCMS・(1/Gs+EW) (29)
で算出する(ステップ123)。
次に、オーバーフロー体積ΔQ2を、次式、
ΔQ2=ΔQ1−ΔDCV (30)
で算出する(ステップ124)。
次に、オーバーフロー体積が良液として貯留されることから、良液体積RVを、次式、
RV=RV+ΔQ2 (31)
から算出する(ステップ125)。ここで、右辺のRVは、直前のきざみ時間KZまでの累積値であり、対象きざみ時間KZでの量を加算することで、該対象きざみ時間KZまでの累積値として算出することができる。
次に、オーバーフロー中の乾土量が、
ΔQ2MS=ΔQ1MS−DCMS (32)
であることを用いて、良液の乾土量RMSを、次式、
RMS=RMS+ΔQ2MS (33)
から算出する(ステップ126)。ここで、右辺のRMSは、直前のきざみ時間KZまでの累積値であり、これに対象きざみ時間KZでの値を加算することで、該対象きざみ時間KZでの累積値を算出することができる。
次に、良液の体積RV及び該良液中の乾土量RMSを用いて、良液密度RDを、次式、
RD=(RMS・Gs+RV・Gs−RMS)/RV/Gs (34)
から算出する(ステップ127)。
一方、循環系統からデカンタ5に引き抜かれた泥水ΔQ1は、同じ体積分だけ、水及び液状薬剤からなる補給泥水を循環系統に補ってやる必要がある。
したがって、累計補給泥水体積HKVを、次式、
HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc+ΔQ1 (35)
で算出する(ステップ128)。
ここで、全循環泥水中乾土量TMSは、
TMS=TMS−ΔQ1MS (36)
で算出可能であり、循環泥水密度DENは、(25)式を再計算することで算出することができる。
次に、良液の体積量RVが目標体積量RSKVに達したかどうかを良液判定部59で判定し(ステップ129)、
RV≧RSKV (37)
でなければ(ステップ129、NO)、良液の体積量RVが未だ目標体積量RSKVに達していないので、掘削深度DEPが掘削最終深度LDEPに達していない限り(ステップ130、NO)、ステップ105に戻り、次のきざみ時間TZについて上述の演算を繰り返し行う。
一方、
RV≧RSKV (37)
であれば(ステップ129、YES)、必要な量の良液を確保可能なパターンとして演算を終了する。
ここで、良液の体積量RVが未だ目標体積量RSKVに達していない場合において(ステップ129、NO)、掘削深度DEPが掘削最終深度LDEPに達している場合(ステップ130、YES)、必要な量の良液を確保できないパターンとして演算を終了する。
なお、良液判定部59による判定結果を受けた上述の演算処理は、演算処理部60で行う。
以上説明したように、本実施形態に係る良液作製管理システム1及び方法によれば、掘削が予定されている地山の性状や掘削条件を入力することによって良液の作製プロセスをシミュレーションすることが可能となり、必要量の良液がどのタイミングで作製完了となるのかを事前に把握することができるとともに、どのようなケースで必要量の良液を確保できないのかについても事前に把握することが可能となる。
そのため、地中連続壁工事の施工計画をより適切に行うことが可能となる。
本実施形態では、デカンタ5からのアンダーケーキを廃棄することを前提としたが、図7に示すように、デカンタ5から排出される泥水のうち、アンダー分(デカンタアンダー)であるデカンタケーキの少なくとも一部を循環槽13内の泥水に添加する場合が考えられる。
このような良液作製方法によれば、デカンタケーキに含まれていた細粒分は、数十μmの土粒子に付着していた場合であっても、循環泥水に連行される形での圧送、掘削孔2への投入、掘削孔2からの揚泥、土砂分離機4での土砂分離といった各プロセスの途中で数十μmの土粒子から分離し、単独の細粒分となるため、デカンタ5で例えば10μmを分級点とする遠心分離を再び受けたとき、上記細粒分は、オーバー泥水に含まれる形で排出されることとなり、デカンタケーキに含まれていた細粒分を有効利用して良液を作製することが可能となる。
そのため、本実施形態に係る良液作製管理システム51においても、デカンタケーキを廃棄するのではなく、循環槽13に戻すことを前提とした演算を行うようにしてもよい。
かかる変形例においては、累計補給泥水体積HKVを(35)式に代えて、
HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc+ΔQ2 (38)
で算出すればよい。
ここで、全循環泥水中乾土量TMSは(36)式に代えて、次式
TMS=TMS−ΔQ2MS (39)
で算出可能であり、循環泥水密度DENは、(25)式を再計算することで算出することができる。
また、本実施形態は、地山の土粒子質量密度として地層区分iごとに定めたSS(i)を用いるようにしたが、かかる地山の土粒子質量密度は、深さ方向に変化する状況が必要に応じて反映されれば足りるものであり、必ずしも地層区分iごとに定める必要はない。すなわち、深さの関数として連続的に定めてもよいし、その逆に、例えば予備演算においては、一律の数値を用いる場合も考えられる。地山の含水比W(i)、解膠率F(i)、礫分割合G(i)、砂分割合S(i)、サイクロン土砂の含水比YW(i)も同様である。
また、本実施形態では、良液の体積量RVが未だ目標体積量RSKVに達していない場合において(ステップ129、NO)、掘削深度DEPが掘削最終深度LDEPに達している場合(ステップ130、YES)、必要な量の良液を確保できないパターンとして演算を終了するようにしたが、複数ガットで1パネルを構成する掘削形態の場合には、演算を終了せずにステップ105に戻り、次のガットについての演算を継続するようにすればよい。
51 良液作製管理システム
52 データ入力設定部
54 掘削地山算出部
55 スクリーン土砂算出部
56 サイクロン土砂算出部
57 デカンタ判定部
58 デカンタ土砂算出部
59 良液判定部
60 演算処理部

Claims (8)

  1. 泥水で満たされた掘削孔を所定の掘削条件に従って掘り下げつつ土砂分離装置に設けられたスクリーン及びサイクロンで前記掘削孔内の泥水から土砂を分離除去して該サイクロンのオーバー泥水を前記掘削孔に循環させる一方、前記サイクロンのオーバー泥水をデカンタに供給してそのオーバー泥水から良液を作製する場合において、掘削された地山の量を算出するとともに、前記スクリーン、前記サイクロン及び前記デカンタで分離除去される土砂の量を算出することで、前記デカンタのオーバー泥水から作製される良液の量を演算する良液作製管理方法であって、
    全循環泥水体積TV、全循環泥水中乾土量TMS及び掘削深度DEPのそれぞれについて掘削開始時の初期値を求めるとともに、演算を行う際の時間増分であるきざみ時間を設定し、
    前記きざみ時間を用いて掘削深度DEPを求め、
    前記きざみ時間における掘削地山部分の体積ΔVVとそれに含まれる乾土量の質量ΔMSとを求め、
    掘削深度DEPに応じた地山の解膠率Fを用いて未解膠土の体積Δk1とそれに含まれる乾土量の質量ΔMS1とを求めるとともに解膠後における体積Δk2を算出し、
    掘削深度DEPに応じた礫分割合Gを用いて前記スクリーンで除去される礫分の質量ΔMS2とその体積Δk3とを算出し、
    前記ΔMS1及びΔMS2を加算することで前記スクリーンで分離される土砂の乾土量ΔMSscを算出するとともに、前記Δk2及びΔk3を加算することで該スクリーンで分離される土砂の体積ΔVscを算出し、
    掘削深度DEPに応じた砂分割合Sを用いて前記サイクロンで分離除去される砂分の質量ΔMScycを算出するとともにその体積ΔVcycを算出し、
    前記ΔVVから前記ΔVsc及び前記ΔVcycを差し引いた残留体積FKVを算出するとともに、前記ΔMSから前記ΔMSsc及び前記ΔMScycを差し引いた残留乾土量FKMSを求め、
    全循環泥水体積TVと全循環泥水中乾土量TMSを、次式、
    TV=TV+FKV (22)
    TMS=TMS+FKMS (23)
    で累加的に算出するとともに、循環泥水密度DENを、次式、
    DEN=(TMS・Gs+TV・Gs−TMS)/TV/Gs (25)
    Gs;土粒子密度
    で算出し、
    循環泥水密度DENが、前記デカンタを稼働させる下限値DDEC以上となったかどうかを判定し、
    DEN≧DDEC (26)
    でなければ、累計補給泥水体積HKVを、次式、
    HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc (27)
    で累加的に算出するとともに、前記掘削深度DEPを算出する工程に戻って、次のきざみ時間について上述の演算を繰り返し行う一方、
    DEN≧DDEC
    であれば、きざみ時間の間に前記デカンタに供給される泥水の体積ΔQ1を入力又は設定し、
    前記デカンタに供給される泥水中の乾土量ΔQ1MSを、次式、
    ΔQ1MS=(Gs/(Gs−1))・(DEN−1)・Q1 (28)
    で算出し、
    前記デカンタの稼働条件から定まるケーキ乾土量DCMS及びケーキ含水比EWを用いてケーキの体積ΔDCVを、次式、
    ΔDCV=DCMS・(1/Gs+EW) (29)
    で算出するとともに、オーバーフロー体積ΔQ2を、次式、
    ΔQ2=ΔQ1−ΔDCV (30)
    で算出し、
    良液体積RVを、次式、
    RV=RV+ΔQ2 (31)
    から累加的に算出するとともに、オーバーフロー中の乾土量ΔQ2MSが、
    ΔQ2MS=ΔQ1MS−DCMS (32)
    であることを用いて、良液の乾土量RMSを、次式、
    RMS=RMS+ΔQ2MS (33)
    から累加的に算出し、
    良液の体積RV及び該良液中の乾土量RMSを用いて、良液密度RDを、次式、
    RD=(RMS・Gs+RV・Gs−RMS)/RV/Gs (34)
    から算出するとともに、累計補給泥水体積HKVを、次式、
    HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc+ΔQ1 (35)
    で累加的に算出し、
    良液の体積量RVが目標体積量RSKVに達したかどうかを判定し、
    RV≧RSKV (37)
    ではなくかつ掘削深度DEPが掘削最終深度に達していない場合、前記掘削深度DEPを算出する工程に戻って次のきざみ時間について上述の演算を繰り返し行う一方、
    RV≧RSKV (37)
    であれば演算を終了することを特徴とする良液作製管理方法。
  2. 前記累計補給泥水体積HKVを、前記(35)式に代えて、
    HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc+ΔQ2 (38)
    で累加的に算出する請求項1記載の良液作製管理方法。
  3. 掘削開始時の泥水体積TVIを次式、
    TVI=VTRENCH+GV+OV (1)
    VTRENCH;掘削開始時にGLSの深さに満たされる泥水量
    GV;土砂分離装置に設けられた原水槽に満たされる泥水量
    OV;循環泥水を貯留するための循環槽に満たされる泥水量
    で求めるとともに、全循環泥水体積TV、全循環泥水中乾土量TMS及び掘削深度DEPのそれぞれについて掘削開始時の初期値を次式、
    TV=TVI (3)
    TMS=(SSN/1000)・TVI (4)
    DEP=GLS (5)
    SSN;初期泥水の粘土量
    GLS;掘削開始時の深度
    で求め、
    前記掘削深度DEPを、次式、
    DEP=DEP+C・KZ (7)
    KZ;きざみ時間
    C ;掘削速度
    から累加的に求め、
    前記きざみ時間における掘削地山部分の体積ΔVVとそれに含まれる乾土量の質量ΔMSを、前記掘削深度DEPに応じた地山の土粒子質量密度SS及び前記掘削深度DEPに応じた地山の含水比Wを用いて、次式、
    ΔVV=A・C・KZ (8)
    ΔMS=SS・ΔVV (9)
    SS;1/(1/Gs+W) (10)
    A ;掘削孔の断面積
    でそれぞれ求め、
    前記未解膠土の体積Δk1を、次式、
    Δk1=ΔVV・(1−F) (11)
    から算出するとともに、それに含まれる乾土量の質量ΔMS1を、次式、
    ΔMS1=SS・Δk1 (12)
    から求め、
    前記解膠後における体積Δk2を、次式、
    Δk2=ΔMS1・(1/Gs+W+MBW) (13)
    MBW;土塊含水比増加分
    で算出し、
    前記礫分の質量ΔMS2を、次式、
    ΔMS2=ΔMS・F・G・(1+MGFr) (14)
    MGFr;スクリーン礫の細粒分付着比
    から算出するとともに、その体積Δk3を、次式、
    Δk3=ΔMS2・(MGW+1/Gs) (15)
    MGW;スクリーン礫の含水比
    で算出し、
    前記砂分の質量ΔMScycを、次式、
    ΔMScyc=ΔMS・F・S・(1+YFr) (18)
    YFr;サイクロン土砂の細粒分付着比
    で算出するとともに、その体積ΔVcycを、次式、
    ΔVcyc=ΔMScyc・(YW+1/Gs)
    =ΔMS・F・S・(1+YFr)
    ・(YW+1/Gs) (19)
    YW;サイクロン土砂の含水比
    で算出する請求項1又は請求項2記載の良液作製管理方法。
  4. 前記SSを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における土粒子の質量密度SS(i)とし、前記Wを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における地山の含水比W(i)とし、前記Fを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における土の解膠率F(i)とし、前記Gを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における礫分割合G(i)とし、前記Sを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における砂分割合S(i)とし、前記YWを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分におけるサイクロン土砂の含水比YW(i)とした請求項3記載の良液作製管理方法。
  5. 掘削条件を入力又は設定するデータ入力設定部と、前記掘削条件に従って掘削される地山であってきざみ時間に対応する掘削地山部分の体積ΔVV及びそれに含まれる乾土量の質量ΔMSを算出する掘削地山算出部と、前記きざみ時間で掘削される地山部分のうち、土砂分離装置に設けられたスクリーンで分離される土砂の体積及び質量を算出するスクリーン土砂算出部と、前記きざみ時間で掘削される地山部分のうち、土砂分離装置に設けられたサイクロンで分離される土砂の体積及び質量を算出するサイクロン土砂算出部と、デカンタを稼働させる条件を満たしたかどうかを判定するデカンタ判定部と、前記きざみ時間で掘削される地山部分のうち、サイクロンのオーバー泥水が供給されるデカンタで分離される土砂の体積及び質量を算出するデカンタ土砂算出部と、該デカンタのオーバー泥水を良液とするとともに該良液の量が所望の量に達しているかどうかを判定する良液判定部とからなる演算処理部を備えた良液作製管理システムであって、
    前記データ入力設定部は、
    全循環泥水体積TV、全循環泥水中乾土量TMS及び掘削深度DEPのそれぞれについて掘削開始時の初期値を求めるとともに、演算を行う際の時間増分であるきざみ時間を設定し、前記きざみ時間を用いて掘削深度DEPを求めるようになっており、
    前記スクリーン土砂算出部は、
    掘削深度DEPに応じた地山の解膠率Fを用いて未解膠土の体積Δk1とそれに含まれる乾土量の質量ΔMS1とを求めるとともに解膠後における体積Δk2を算出し、
    掘削深度DEPに応じた礫分割合Gを用いて前記スクリーンで除去される礫分の質量ΔMS2とその体積Δk3とを算出し、
    前記ΔMS1及びΔMS2を加算することで前記スクリーンで分離される土砂のΔMSscを算出するとともに、前記Δk2及びΔk3を加算することで該スクリーンで分離される土砂の体積ΔVscを算出するようになっており、
    前記サイクロン算出部は、
    掘削深度DEPに応じた砂分割合Sを用いて前記サイクロンで分離除去される砂分の質量ΔMScycを算出するとともにその体積ΔVcycを算出するようになっており、
    前記演算処理部は、
    前記ΔVVから前記ΔVsc及び前記ΔVcycを差し引いた残留体積FKVを算出するとともに、前記ΔMSから前記ΔMSsc及び前記ΔMScycを差し引いた残留乾土量FKMSを求め、
    全循環泥水体積TVと全循環泥水中乾土量TMSを、次式、
    TV=TV+FKV (22)
    TMS=TMS+FKMS (23)
    で累加的に算出するとともに、循環泥水密度DENを、次式、
    DEN=(TMS・Gs+TV・Gs−TMS)/TV/Gs (25)
    で算出するようになっており、
    前記デカンタ判定部は、
    循環泥水密度DENが、デカンタを稼働させる下限値DDEC以上となったかどうかを判定し、
    前記演算処理部は、
    DEN≧DDEC (26)
    でなければ、累計補給泥水体積HKVを、次式、
    HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc (27)
    で累加的に算出するとともに、前記掘削深度DEPを算出する工程に戻って、次のきざみ時間TZについて上述の演算を繰り返し行う一方、
    DEN≧DDEC
    であれば、きざみ時間KZの間に前記デカンタに供給される泥水の体積ΔQ1を入力又は設定するようになっており、
    前記デカンタ土砂算出部は、
    前記デカンタに供給される泥水中の乾土量ΔQ1MSを、次式、
    ΔQ1MS=(Gs/(Gs−1))・(DEN−1)・Q1 (28)
    で算出し、
    デカンタの稼働条件から定まるケーキ乾土量DCMS及びケーキ含水比EWを用いてケーキの体積ΔDCVを、次式、
    ΔDCV=DCMS・(1/Gs+EW) (29)
    で算出するとともに、オーバーフロー体積ΔQ2を、次式、
    ΔQ2=ΔQ1−ΔDCV (30)
    で算出し、
    良液体積RVを、次式、
    RV=RV+ΔQ2 (31)
    から累加的に算出するとともに、オーバーフロー中の乾土量ΔQ2MSが、
    ΔQ2MS=ΔQ1MS−DCMS (32)
    であることを用いて、良液の乾土量RMSを、次式、
    RMS=RMS+ΔQ2MS (33)
    から累加的に算出し、
    良液の体積RV及び該良液中の乾土量RMSを用いて、良液密度RDを、次式、
    RD=(RMS・Gs+RV・Gs−RMS)/RV/Gs (34)
    から算出するとともに、累計補給泥水体積HKVを、次式、
    HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc+ΔQ1 (35)
    で算出するようになっており、
    前記良液判定部は、
    良液の体積量RVが目標体積量RSKVに達したかどうかを判定し、
    前記演算処理部は、
    RV≧RSKV (37)
    ではなくかつ掘削深度DEPが掘削最終深度に達していない場合、前記掘削深度DEPを算出する工程に戻って次のきざみ時間について上述の演算を繰り返し行う一方、
    RV≧RSKV (37)
    であれば演算を終了することを特徴とする良液作製管理システム。
  6. 前記累計補給泥水体積HKVを、前記(35)式に代えて、
    HKV=HKV+ΔVsc+ΔVcyc+ΔQ2 (38)
    で累加的に算出する請求項5記載の良液作製管理システム。
  7. 前記データ入力設定部は、掘削開始時の泥水体積TVIを次式、
    TVI=VTRENCH+GV+OV (1)
    VTRENCH;掘削開始時にGLSの深さに満たされる泥水量
    GLS;掘削開始時の深度
    GV;土砂分離装置に設けられた原水槽に満たされる泥水量
    OV;循環泥水を貯留するための循環槽に満たされる泥水量
    で求めるとともに、全循環泥水体積TV、全循環泥水中乾土量TMS及び掘削深度DEPのそれぞれについて掘削開始時の初期値を次式、
    TV=TVI (3)
    TMS=(SSN/1000)・TVI (4)
    DEP=GLS (5)
    SSN;初期泥水の粘土量
    GLS;掘削開始時の深度
    で求め、前記掘削深度DEPを、次式、
    DEP=DEP+C・KZ (7)
    KZ;きざみ時間
    C ;掘削速度
    から累加的に求めるようになっており、
    前記掘削地山算出部は、前記きざみ時間における掘削地山部分の体積ΔVVとそれに含まれる乾土量の質量ΔMSを、前記掘削深度DEPに応じた地山の土粒子質量密度SS及び前記掘削深度DEPに応じた地山の含水比Wを用いて、次式、
    ΔVV=A・C・KZ (8)
    ΔMS=SS・ΔVV (9)
    SS;1/(1/Gs+W) (10)
    Gs;土粒子密度
    A ;掘削孔の断面積
    でそれぞれ求めるようになっており、
    前記スクリーン土砂算出部は、前記未解膠土の体積Δk1を、次式、
    Δk1=ΔVV・(1−F) (11)
    から算出するとともに、それに含まれる乾土量の質量ΔMS1を、次式、
    ΔMS1=SS・Δk1 (12)
    から求め、
    前記解膠後における体積Δk2を、次式、
    Δk2=ΔMS1・(1/Gs+W+MBW) (13)
    MBW;土塊含水比増加分
    で算出し、
    前記礫分の質量ΔMS2を、次式、
    ΔMS2=ΔMS・F・G・(1+MGFr) (14)
    MGFr;スクリーン礫の細粒分付着比
    から算出するとともに、その体積Δk3を、次式、
    Δk3=ΔMS2・(MGW+1/Gs) (15)
    MGW;スクリーン礫の含水比
    で算出するようになっており、
    前記サイクロン土砂算出部は、前記砂分の質量ΔMScycを、次式、
    ΔMScyc=ΔMS・F・S・(1+YFr) (18)
    YFr;サイクロン土砂の細粒分付着比
    で算出するとともに、その体積ΔVcycを、次式、
    ΔVcyc=ΔMScyc・(YW+1/Gs)
    =ΔMS・F・S・(1+YFr)
    ・(YW+1/Gs) (19)
    YW;サイクロン土砂の含水比
    で算出するようになっている請求項5又は請求項6記載の良液作製管理システム。
  8. 前記SSを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における土粒子の質量密度SS(i)とし、前記Wを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における地山の含水比W(i)とし、前記Fを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における土の解膠率F(i)とし、前記Gを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における礫分割合G(i)とし、前記Sを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分における砂分割合S(i)とし、前記YWを、掘削地山を深さ方向に1,2,3・・・nと区分したときのi番目の地層区分におけるサイクロン土砂の含水比YW(i)とした請求項7記載の良液作製管理システム。
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