JP2010202798A - 水性インク組成物、インクセット、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水性インク組成物を、水不溶性着色粒子と、2種以上のポリマーを含み、カルボキシル基を有するポリマーの少なくとも1種およびガラス転移温度が120℃以上であるポリマーの少なくとも1種を含む複合粒子とを含んで構成する。
【選択図】なし
Description
<1> 着色剤を含む水不溶性着色粒子と、2種以上のポリマーを含み、カルボキシル基を有するポリマーの少なくとも1種およびガラス転移温度が120℃以上であるポリマーの少なくとも1種を含む複合粒子と、を含有する水性インク組成物。
<2> 前記複合粒子は、pH環境の変化により凝集する特性を有する前記<1>に記載の水性インク組成物。
<3> 前記複合粒子は、ガラス転移温度の差の絶対値が40℃以上である2種のポリマーを含む前記<1>または<2>に記載の水性インク組成物。
<5> 前記カルボキシル基含有ポリマーの水溶液又はエマルションは、塩基性化合物を更に含む前記<4>に記載の水性インク組成物。
<6> 前記複合粒子は、酸価が30以上500以下の第1のポリマーと、酸価が30未満の第2のポリマーとを含む前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
<8> 前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の水性インク組成物を、記録媒体に付与する工程と、前記水性インク組成物が付与された記録媒体を加熱定着して画像を形成する工程と、を備える画像形成方法。
<9> 前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の水性インク組成物と接触することで凝集体を形成可能な処理液を、記録媒体に付与する工程をさらに備える前記<8>に記載の画像形成方法。
本発明の水性インク組成物(以下、単に「インク組成物」ということがある)は、水不溶性着色粒子と、2種以上のポリマーを含む複合粒子とを含有して構成され、前記複合粒子がカルボキシル基を有するポリマーの少なくとも1種と、ガラス転移温度(Tg)が120℃以上であるポリマーの少なくとも1種と含む。かかる構成とすることで、インク安定性に優れ、定着性(耐擦性)と耐ブロッキング性に優れた画像を形成することができる。
複合粒子が、ガラス転移温度が120℃以上であるポリマーを含まない場合、形成される画像の耐ブロッキング性が低下する場合がある。
尚、複合粒子が含むカルボキシル基含有ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、120℃以上であっても良いし、120℃未満であってもよい。
さらに本発明における複合粒子は、少なくとも1種のポリマーのガラス転移温度が130℃以上であって、ガラス転移温度の差の絶対値が40℃以上200℃以下である2種のポリマー含むことが好ましく、少なくとも1種のポリマーのガラス転移温度が130℃以上300℃以下であって、ガラス転移温度の差の絶対値が50℃以上200℃以下である2種のポリマーを含むことがより好ましい。
尚、本発明においてガラス転移温度は、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の示差走査熱量計(DSC)EXSTAR6220を用いて通常の測定条件で測定された値(以下、「測定Tg」ということがある)を意味する。本発明においては複合粒子が2種以上のポリマーから構成されるが、それぞれのポリマーのガラス転移温度は、DSC測定で観測される2以上のピークにそれぞれ対応する。
計算Tgは下記の式で計算される。
(式) 1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は、Polymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を参考にできる。
また、縮合系ポリマーと縮合系ポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−247787号公報に記載されているものを挙げることができる。
尚、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートまたはアクリレートを意味する。
環状脂肪族基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基や、シクロアルケニル基、ビシクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、アダマンチル基、デカヒドロナフタレニル基、ペルヒドロフルオレニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、およびビシクロ[4.3.0]ノナン等を挙げることができる。
また環状脂肪族基は、さらに縮合環を形成していてもよい。
本発明における環状脂肪族基としては、粘度や溶解性の観点から、環状脂肪族基部分の炭素数が5〜20であることが好ましい。
単環式(メタ)アクリレートとしては、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基の炭素数が3〜10のシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2環式(メタ)アクリレートとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3環式(メタ)アクリレートとしては、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また前記複合粒子は、例えば、凝集時に水不溶性着色粒子を取り込んで凝集物を形成することができる。複合粒子と水不溶性着色粒子を含む凝集物は、例えば、画像形成に好適に用いることができる。
前記第1のポリマーは、酸価が30以上500以下となるようにアニオン性基を含んでいれば特に制限はない。アニオン性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を挙げることができるが、安定性と凝集性の観点から、カルボキシル基であることが好ましい。すなわち前記第1のポリマーはカルボキシル基含有ポリマーであることが好ましい。
本発明における複合粒子はカルボキシル基含有ポリマーの少なくとも1種を含む。カルボキシル基含有ポリマーは1種を単独で使用しても、構造、共重合比、分子量などが異なる2種以上を混合して使用してもよい。
前記カルボキシル基含有ポリマーは、カルボキシル基を有するポリマーであれば特に制限はないが、乳化剤成分として機能するものであることが好ましい。乳化剤成分として機能するカルボキシル基含有ポリマーは、複合粒子の構成要素とすることができる後述の水不溶性ポリマーを構成するエチレン性不飽和モノマーを含有する被乳化成分を液滴としたミセルを形成し、ラジカル重合開始剤をミセルに取り込んだ状態で重合を開始させることができる。つまり、カルボキシル基含有ポリマーは、水に不溶もしくは難溶のエチレン性不飽和モノマーに、水中における重合の場を提供することができることが好ましい。
カルボキシル基含有ポリマーは1種を単独で使用しても、構造、共重合比、分子量などが異なる2種以上を混合して使用してもよい。
前記疎水性の部分構造としては、例えば、芳香族基、アラルキル基及びアルキル基等挙げることができる。中でも疎水性部分として、芳香族基、アラルキル基及び炭素数4以上のアルキル基から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
カルボキシル基含有ポリマーは、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーとそれ以外のモノマーとで構成することができる。
カルボキシル基含有ポリマーの共重合成分であるカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸が挙げられる。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、メチルスチレン等の芳香族系モノマー;上述した脂環式(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
尚、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定することができる。
有機溶剤を除去する方法としては、例えば、通常の減圧法を用いた脱溶剤の方法を用いることができる。
・C−02:メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸 ポリマー(60/30/10)
・C−03:ベンジルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸/ジメチルアミノエチルメタクリレート ポリマー(60/30/4/6)
・C−04:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸 ポリマー(55/37/8)
・C−05:スチレン/ブチルメタクリレート/メタクリル酸/ジメチルアミノエチルメタクリレート ポリマー(55/24/15/6)
・C−06:スチレン/t-ブチルメタリレート/アクリル酸 ポリマー(53/27/20)
・C−07:ベンジルメタクリレート/ブチルメタクリレート/メタクリル酸 ポリマー(55/30/15)
・C−08:ベンジルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸/ジメチルアミノエチルアクリレート ポリマー(70/15/10/5)
・C−09:ベンジルメタクリレート/ドデシルメタクリレート/N−ビニルピロリドン ポリマー/アクリル酸(50/25/5/20)
・C−10:ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸 ポリマー(55/15/10/20)
本発明における複合粒子は、カルボキシル基含有ポリマーに加えて水不溶性ポリマーの少なくとも1種を含むことが好ましい。水不溶性ポリマーは1種を単独で使用しても、構造、共重合比、分子量などが異なる2種以上を混合して使用してもよい。
水不溶性ポリマーは、ビニルポリマーであっても、縮合系ポリマーであってもよいが、ビニルポリマーであることが好ましい。ビニルポリマーを構成するモノマー、および縮合系ポリマーを構成するモノマーとしては、既述のカルボキシル基含有ポリマーにおけるモノマーを挙げることができる。
水不溶性ポリマーにおける環状脂肪族基を有する構成単位の含有率には、特に制限はないが、耐ブロッキング性の観点から、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
また水不溶性ポリマーの好ましい分子量範囲は、前記カルボキシル基含有ポリマーの説明において挙げた好適な範囲と同様である。
・B−02:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート ポリマー(40/60)
・B−03:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/ベンジルメタクリレート ポリマー(30/65/5)
・B−04:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸 ポリマー(40/50/10)
・B−05:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート ポリマー(20/80)
・B−06:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸 ポリマー(30/66/4)
本発明における複合粒子の作製方法としては、公知の方法を特に制限はなく用いることができ、例えば、1)乳化重合、2)乳化分散などを挙げることができる。
本発明においては、耐ブロッキング性と凝集性の観点から、前記カルボキシル基含有ポリマーの水溶液又はエマルションの存在下で、水不溶性ポリマーを構成するモノマーの乳化重合または乳化分散を行うことで、水不溶性ポリマーを含む複合粒子の水性分散物を得る工程を含む製造方法であることが好ましい。
本発明に併用することができるカルボン酸塩系乳化剤としては、分子内にカルボキシル基を有する乳化剤であれば特に制限はない。例えば、牛脂系脂肪酸石鹸、ヤシ油系脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸、ステアリン酸塩およびオレイン酸塩等の各種精製脂肪酸石鹸、アルケニルコハク酸塩、並びにN−ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩等が挙げられる。中でも、せん断力に対する安定性からアルケニルコハク酸塩が好ましい。また、反応性カルボン酸塩系乳化剤の好適な例として、特開平9−302007号公報等に記載されているものを挙げることができる。
本発明において、前記カルボキシル基含有共重合体の水溶液又はエマルションは、塩基性化合物を更に含有することが好ましい。塩基性化合物を更に含有することにより、カルボキシル基含有共重合体中のカルボキシル基の一部又は全部が中和され、カルボキシル基含有共重合体の水溶液又はエマルションをより安定した状態とすることができ、これを用いた乳化物形成をより効率的に行うことができる。
これら塩基性化合物は、カルボキシル基含有共重合体中のカルボキシル基100モル%に対して、20〜300モル%使用することが好ましい。
乳化重合は、例えば、水性媒体(例えば、水など)に水不溶性ポリマーを構成するモノマー、重合開始剤、乳化剤(好ましくは、前記カルボキシル基含有ポリマー)、および、必要に応じて水溶性重合連鎖移動剤などを加えて調製した乳化物を重合させることで行うことができる。
これらのうち、複合粒子の凝集性の観点から、アゾ系開始剤、有機過酸化物を用いることが好ましい。
本発明における重合開始剤の使用量としては、全モノマーに対して、通常0.01〜2質量%であり、好ましくは0.2〜1質量%である。
本発明における乳化分散としては、特に制限なく公知の乳化分散方法を用いることができる。例えば、ポリマー溶液や溶融ポリマーを、乳化剤を含む水性媒体に乳化分散する強制乳化法、ポリマー溶液に乳化剤を溶解し、水性媒体を添加するか、または、ポリマー溶液に乳化剤の水性媒体溶液を徐々に添加して、相反転を行う転相乳化法の何れの方法を用いても良い。
ポリマー溶液および溶融ポリマーにおけるポリマーとしては前記水不溶性ポリマーを用いることができる。また、乳化剤については前記カルボキシル基含有ポリマーを好ましく用いることができ、その添加量も同様である。
また、複合粒子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、複合粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
尚、複合粒子の体積平均粒径及び粒径分布は、例えば、動的光散乱法を用いて測定することができる。
また、本発明の水性インク組成物における水不溶性着色粒子と複合粒子の含有比率(水不溶性着色粒子/水不溶性粒子)としては、画像の耐擦過性などの観点から、1/0.5〜1/10であることが好ましく、1/1〜1/4であることがより好ましい。
本発明における水不溶性着色粒子は、着色剤の少なくとも1種を含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成することができる。着色剤としては、公知の染料、顔料等を特に制限なく用いることができる。中でも、インク着色性の観点から、水に殆ど不溶であるか、又は難溶である着色剤であることが好ましい。具体的には例えば、各種顔料、分散染料、油溶性染料、J会合体を形成する色素等を挙げることができ、顔料であることがより好ましい。
本発明においては、水不溶性の顔料自体または分散剤で表面処理された顔料自体を水不溶性着色粒子とすることができる。
本発明に用いることができる顔料として具体的には、例えば、特開2007−100071号公報の段落番号[0142]〜[0145]に記載の顔料などが挙げられる。
本発明における着色剤が顔料である場合、分散剤によって水系溶媒に分散されていることが好ましい。分散剤としては、ポリマー分散剤でも低分子の界面活性剤型分散剤でもよい。また、ポリマー分散剤としては水溶性の分散剤でも非水溶性の分散剤の何れでもよい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤(以下、「低分子分散剤」ということがある)は、インクを低粘度に保ちつつ、有機顔料を水溶媒に安定に分散させる目的で添加することができる。ここでいう低分子分散剤は、分子量2000以下の低分子分散剤である。また、低分子分散剤の分子量は、100〜2000が好ましく、200〜2000がより好ましい。
アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであれば特に制限はないが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基またはカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基またはカルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
ノニオン性基は、マイナスまたはプラスの電荷を有しないものであれば特に制限はない。例えば、ポリアルキレンオキシド、ポリグリセリン、糖ユニットの一部等が挙げられる。
また、低分子分散剤がアニオン性の親水性基を有する場合、酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させる観点から、そのpKaは3以上であることが好ましい。本発明における低分子分散剤のpKaはテトラヒドロフラン−水=3:2(V/V)溶液に低分子分散剤1mmol/Lに溶解した液を酸あるいはアルカリ水溶液で滴定し、滴定曲線より実験的に求めた値のことである。
理論上、低分子分散剤のpKaが3以上であれば、pH3程度の処理液と接したときに、アニオン性基の50%以上が非解離状態になる。したがって、低分子分散剤の水溶性が著しく低下し、凝集反応が起こる。すなわち、凝集反応性が向上する。この観点から、低分子分散剤が、アニオン性基としてカルボン酸基を有していることが好ましい。
尚、重量平均分子量は、例えば、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定できる。
染料を保持した担体(水不溶性着色粒子)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。分散剤としては上述した分散剤を好適に用いることができる。
また、水不溶性着色粒子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ水不溶性着色粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
尚、水不溶性着色粒子の平均粒径及び粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定することができる。
また、水不溶性着色粒子の含有量としては、画像濃度の観点から、水性インク組成物に対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
本発明の水性インク組成物は、水を溶媒として含むものであるが、水溶性有機溶媒を更に含むことができる。前記水溶性有機溶剤は、例えば、乾燥防止剤、浸透促進剤として含有することができる。
乾燥防止剤は、特に、本発明の水性インク組成物をインクジェット方式による画像記録方法に適用する場合、インク噴射口におけるインクの乾燥によって発生し得るノズルの目詰まりを効果的に防止することができる。
尚、水溶性有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明におけるその他の添加剤としては、例えば、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水性インク組成物を調製後に直接添加してもよく、水性インク組成物の調製時に添加してもよい。
pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤は水性インク組成物の保存安定性を向上させる目的で、該水性インク組成物がpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
また、表面張力調整剤の添加量は、インクジェット方式で良好に打滴するために、水性インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整する添加量が好ましく、20〜45mN/mに調整する添加量がより好ましく、25〜40mN/mに調整する添加量がさらに好ましい。一方、インクの付与をインクジェット方式以外の方法で行う場合には、20〜60mN/mの範囲が好ましく、30〜50mN/mの範囲がより好ましい。
水性インク組成物の表面張力(25℃)は、例えば、プレート法を用いて測定することができる。
更に、特開昭59−157636号公報の第(37)〜(38)頁、リサーチディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦性を良化することもできる。
また、これら表面張力調整剤は、消泡剤としても使用することができ、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、及びEDTAに代表されるキレート剤等、も使用することができる。
また、インクの付与をインクジェット方式以外の方法で行う場合には、1〜40mPa・sの範囲が好ましく、5〜20mPa・sの範囲がより好ましい。
水性インク組成物の粘度(20℃)は、例えば、ブルックフィールド粘度計を用いて測定することができる。
本発明のインクセットは、既述の本発明の水性インク組成物の少なくとも1種と、水性インク組成物と接触することで凝集体を形成可能な処理液の少なくとも1種とを含んで構成されたものである。
水性インク組成物の詳細については、既述した通りである。
本発明における処理液は、既述の水性インク組成物と接触することで凝集体を形成可能なように構成されたものである。具体的には、処理液は、インク組成物中の色材粒子(顔料等)などの分散粒子を凝集させて凝集体を形成可能な凝集成分を少なくとも含むことが好ましく、必要に応じて、他の成分を用いて構成することができる。水性インク組成物と共に処理液を用いることで、例えば、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
処理液は、インク組成物と接触して凝集体を形成可能な凝集成分の少なくとも1種を含有することができる。記録媒体に付与された前記水性インク組成物と処理液中の凝集成分とが接触することにより、インク組成物中で安定的に分散している顔料等の凝集が促進される。
中でも、本発明においては、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、前記インク組成物のpH(25℃)が7.5以上であって、処理液のpH(25℃)が1.5〜3である場合が好ましい。
前記凝集成分は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
酸性化合物の処理液中における含有量としては、凝集効果の観点から、処理液の全質量に対して、5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましく、更に好ましくは15〜50質量%であり、特に好ましくは18〜30%である。
中でも、2価以上のカチオン性有機化合物が好ましい。
本発明における処理液は、凝集成分に加え、一般には水溶性有機溶剤を含むことができ、本発明の効果を損なわない範囲内で、更にその他の各種添加剤を用いて構成することができる。水溶性有機溶剤の詳細については、既述のインク組成物におけるものと同様である。
なお、粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて20℃の条件下で測定されるものである。
なお、表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
本発明の画像形成方法は、前記水性インク組成物を、記録媒体に付与するインク付与工程と、前記水性インク組成物が付与された記録媒体を加熱定着して画像を形成する加熱定着工程とを備えるが、必要に応じて、その他の工程をさらに備えて構成することができる。
その他の工程としては、前記水性インク組成物と接触することで凝集体を形成可能な処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程、加熱乾燥工程等を挙げることができる。
インク付与工程は、既述の本発明の水性インク組成物を記録媒体に付与して画像を形成する。本工程では、記録媒体上に選択的に水性インク組成物を付与でき、所望の可視画像を形成できる。水性インク組成物の付与方法としては、例えば、インクジェット法、謄写方式、捺転方式等を挙げることができる。中でも、記録装置のコンパクト化と高速記録性の観点から、水性インク組成物をインクジェット法によって付与する工程であることが好ましい。
尚、本発明の水性インク組成物における各成分の詳細及び好ましい態様などの詳細については、既述した通りである。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
本発明のインクジェット記録方法は、前記インク付与工程の後、インク組成物の付与により形成されたインク画像に加熱面を接触させて加熱定着する加熱定着工程を有する。加熱定着処理を施すことにより、記録媒体上の画像の定着が施され、画像の擦過に対する耐性をより向上させることができる。また、本発明の水性インク組成物を用いることで形成された画像が前記加熱面に転写されることを効果的に抑制することができる。
本発明の画像形成方法は、高速画像形成の観点から、インク付与工程と加熱定着工程に加えて、処理液付与工程を備えることが好ましい。
処理液付与工程は、インク組成物と接触することで凝集体を形成可能な処理液を記録媒体に付与し、処理液をインク組成物と接触させて水不溶性着色粒子を含む凝集体を形成し、これにより画像を形成する。この場合、インク組成物中の複合粒子や水不溶性着色粒子などの分散粒子が凝集し、記録媒体上に画像が固定化される。なお、処理液における各成分の詳細及び好ましい態様については、既述した通りである。
本発明においては、処理液付与工程で処理液を付与した後にインク付与工程を設けた態様が好ましい。すなわち、記録媒体上に、インク組成物を付与する前に、予めインク組成物中の水不溶性着色粒子を凝集させるための処理液を付与しておき、記録媒体上に付与された処理液に接触するようにインク組成物を付与して画像化する態様が好ましい。これにより、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体に上に画像を記録するものである。
記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明のインクジェット記録方法によると、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像の記録が可能である。
−合成例1−
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた5リットル三口フラスコに、イソプロパノール400.0gを仕込んで、窒素気流下75℃まで昇温した。反応容器内温度を75℃に保ちながら、スチレン192.0g、n−ブチルアクリレート108.0g、アクリル酸100.0g、イソプロパノール80.0g及び「V−601」(和光純薬(株)製)1.6gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、「V−601」1.6g、イソプロパノール80.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.8g、イソプロパノール40.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続けた。得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は48000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出、使用カラムはTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製))、酸価は195(mgKOH/g)であった。
次に、トリエチルアミン105.3gを加え、10分間攪拌した後、蒸留水1800gを加えて水分散化せしめた。その後、減圧下、反応容器内温度70℃でイソプロパノールと蒸留水を合計で680g留去し、固形分濃度19.1%のカルボキシル基含有ポリマー(水性アクリル共重合体)(C−01)の水分散物を得た。得られたカルボキシル基含有ポリマー(C−01)の物性を表1に示した。
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットル三口フラスコに、ジョンクリル67(BASF社製スチレンアクリル樹脂)65gを秤量し、メチルエチルケトン65g、イソプロパノール65g、1モル/LのNaOH190.58gを加え、反応容器内温度を87℃に昇温した。次に、蒸留水93gを6ml/minの速度で滴下し、水分散化せしめた。その後、大気圧下にて反応容器内温度87℃で1時間、91℃で1時間、95℃で30分保った後、反応容器内を減圧にし、イソプロパノール、メチルエチルケトン、蒸留水を合計で195.5g留去し、固形分濃度22.3%のカルボキシル基含有共重合体(Jcr67)の水性分散物を得た。得られたカルボキシル基含有共重合体(Jcr67)の物性を表1に示す。
合成例2の(Jcr67)水性分散物の合成において、ジョンクリル67の代わりに、ジョンクリル611、ジョンクリル690(いずれもBASF社製スチレンアクリル樹脂)に変更したこと以外は、化合物例(Jcr67)の合成と同様にして、カルボキシル基含有共重合体(Jcr611)および(Jcr690)の水性分散物を得た。得られたカルボキシル基含有共重合体(Jcr611)および(Jcr690)の物性を表1に示す。
合成例1の(C−01)の合成において、スチレン192.0g、n−ブチルアクリレート108.0g、アクリル酸100gの代わりに、下記化合物例(C−03)及び(C−04)に示す構造及び重量比になるように、モノマーの種類及び仕込み量をそれぞれ変更し、それに伴って中和度が同じになるようにトリエチルアミンの添加量を変更したこと以外は、化合物例(C−01)の合成と同様にして、カルボキシル基含有共重合体(C−03)および(C−04)の水分散物を得た。得られたカルボキシル基含有ポリマー(C−03)、(C−04)の物性を表1に示した。カルボキシル基含有共重合体(C−03)、(C−04)の重量平均分子量(Mw)はそれぞれ38000、44000であった。なお、下記化合物例の各構成単位の数字は質量比を表す。
−合成例5−
攪拌装置、還流冷却管を装着した1リットル三口フラスコに、合成例1で得られたC−1を62.8g、蒸留水12.4g、トリエチルアミン0.5gを入れ、窒素気流下70℃に加熱攪拌した。そこに、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.4g、蒸留水80gからなる水溶液を添加し、30分間攪拌した後、イソボルニルメタクリレート60gからなるモノマー溶液を2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.2g、蒸留水20gからなる水溶液を添加し、70℃で4時間攪拌した後、85℃に昇温して更に2時間攪拌を続けた。反応液を冷却し、濾過して、カルボキシル基含有ポリマー(C−01)と水不溶性ポリマー(B−01)とを含有する複合粒子(PL−01)の水性分散物を236g得た。得られた水性分散物の固形分濃度は30.5%、複合粒子の体積平均粒子径は56nm(粒子径はマイクロトラックUPA EX−150(日機装(株)製)で測定した)、重量平均分子量(Mw)は18.3万であった。得られた水不溶性ポリマー(B−01)ならびに複合粒子(PL−01)の物性を表1に示した。
合成例5の(B−01)の合成において、カルボキシル基含有共重合体(C−01)、スチレン192.0g、n−ブチルアクリレート108.0g、アクリル酸100gの代わりに、表1に示すカルボキシル基含有ポリマーを用い、下記化合物例(B−02)、(B−04)および(B−06)に示す構造及び重量比になるように、モノマーの種類及び仕込み量をそれぞれ変更し、それに応じて中和度が同じになるようにトリエチルアミンの添加量を変更したこと以外は、化合物例(B−01)の合成と同様にして、カルボキシル基含有ポリマーと水不溶性ポリマーとを含有する複合粒子(PL−02)〜(PL−11)の水性分散物を得た。得られた水不溶性ポリマーと複合粒子の物性を表1に示した。
特開2006−249282号公報の段落番号[0055]の合成例1に従って、カルボキシル基含有ポリマー(CH−01)を調製し、次いで同公報の段落番号[0061]の実施例1に従って、水不溶性ポリマー(BH−01)を含む複合粒子(PLH−01)を得た。CH−01、BH−01、PLH−01の物性を表1に示す。
攪拌装置、還流冷却管を装着した1リットル三口フラスコに、パイオニンA−43s(竹本油脂社製)8.1g、蒸留水236.0gを入れ、窒素気流下70℃に加熱攪拌した。イソボルニルメタクリレート10g、過硫酸アンモニウム1.0g、蒸留水40gを添加し、30分間攪拌した後、イソボルニルメタクリレート190gからなるモノマー溶液を2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、過硫酸アンモニウム0.5g、蒸留水20gからなる水溶液を加え、70℃で4時間攪拌した後、85℃に昇温して更に2時間攪拌を続けた。反応液を冷却し、濾過して、水不溶性ポリマー(B−01)の乳化重合ラテックスPLH−02を505g得た。得られたPLH−02の物性を表1に示した。
合成例5の(B−01)の合成において、カルボキシル基含有共重合体(C−01)、スチレン192.0g、n−ブチルアクリレート108.0g、アクリル酸100gの代わりに、表1に示すカルボキシル基含有ポリマーを用い、下記化合物例(BH−03)に示す構造及び重量比になるように、モノマーの種類及び仕込み量をそれぞれ変更し、それに応じて中和度が同じになるようにトリエチルアミンの添加量を変更したこと以外は、化合物例(B−01)の合成と同様にして、カルボキシル基含有ポリマーと水不溶性ポリマーとを含有する複合粒子(PLH−03)の水性分散物を得た。得られた水不溶性ポリマーと複合粒子の物性を表1に示した。
Jcr67:ジョンクリル67(BASF社製スチレンアクリル樹脂)
Jcr611:ジョンクリル611(BASF社製スチレンアクリル樹脂)
Jcr690:ジョンクリル690(BASF社製スチレンアクリル樹脂)
−温度プロファイル−
30℃→−50℃ (50℃/分で冷却)
−50℃→230℃ (20℃/分で昇温)
230℃→−50℃ (50℃/分で冷却)
−50℃→230℃ (20℃/分で昇温)
水性分散物10mLをそれぞれ15mLのガラス瓶に密栓して、60℃14日間放置後に、平均粒径を測定した。放置前と放置後における平均粒径の変化率[(放置後の平均粒径−放置前の平均粒径)/放置前の平均粒径]を算出し、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1に示した。
尚、放置前の測定は複合粒子の水性分散物を調製してから室温で24時間以内に行った。
○… 平均粒径の変化率が10%未満であった。
△… 平均粒径の変化率が10%以上50%未満であった。
×… 平均粒径の変化率が50%以上であった。
[水性インク組成物の調製]
《シアンインクC−1の調製》
(水不溶性着色粒子としてのシアン分散液の調液)
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)4部、ブレンマーPP−500(日油(株)製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、メチルエチルケトン24部の混合溶液を調液した。
一方、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)9部、ブレンマーPP−500(日油(株)製)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部からなる混合溶液を調液し、滴下ロートに入れた。
・シアン顔料(ピグメントブルー15:3、大日精化製) … 4 %
・上記ポリマー分散剤(固形分換算) … 2 %
・PL−01(固形分換算) … 8 %
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル … 10 %
(水溶性溶剤、和光純薬製)
・サンニックスGP250 … 5 %
(水溶性溶剤、三洋化成工業(株)製)
・オルフィンE1010(日信化学) … 1 %
・イオン交換水 … 合計が100%となるように添加
シアンインクC−1における複合粒子の水性分散物PL−01の代わりに、下記表2に示した複合粒子の水性分散物をそれぞれ用いたこと以外はシアンインクC−1と同様の方法で、水性インク組成物のシアンインクC−2〜10、CH−1〜3をそれぞれ調製した。尚、CH−3は複合粒子の水性分散物を用いないでシアンインクを調製した。
上記で得られたシアンインクの調液直後(24時間以内)の物性値を、表2に示す。
〜評価基準〜
○… 6.5mPa・s未満
△… 6.5mPa・s以上10mPa・s未満
×… 10mPa・s以上
下記組成となるように各成分を混合し、処理液(1)を調製した。処理液(1)の物性値は、粘度2.6mPa・s、表面張力37.3mN/m、pH1.6(25℃)であった。
〜処理液(1)の組成〜
・マロン酸 :15.0%
(2価のカルボン酸、和光純薬工業(株)製)
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル :20.0%
(和光純薬工業(株)製)
・N−オレオイル−N−メチルタウリンナトリウム :1.0%
(界面活性剤)
・イオン交換水 :64.0%
上記の如く調製した各シアンインク(以下、単に「インク」ということがある)についてインクの経時安定性試験ならびに打滴試験および画像の定着性試験を行った。インクの経時安定性試験は、インクを打滴する前、即ちインク貯留槽(あるいはカートリッジ)にインクが収納されているときの粒径や粘度の安定性についての評価であり、安定性が悪いとインクジェット装置の打滴ノズルから吐出する際に、打滴ノズルが詰まる等の問題が生じる。また、打滴試験は、吐出方向性に関する評価であり、インク粘度が高いとノズルに目詰まりが発生して方向性不良が生じる。
インク10mLをそれぞれ15mLのガラス瓶に密閉して、(1)60℃14日間放置後、及び(2)40℃3ヶ月間放置後に、平均粒径及び粘度をそれぞれ測定した。放置前と放置後における平均粒径の変化率[(放置後の平均粒径−放置前の平均粒径)/放置前の平均粒径]及び粘度の変化率[(放置後の粘度−放置前の粘度)/放置前の粘度]をそれぞれ算出した。評価基準は、次の通りである。
尚、放置前の測定はインク組成物を調液してから室温で24時間以内に行った。
〜評価基準〜
○…平均粒径の変化率、又は粘度の変化率が5%未満であった。
△…平均粒径の変化率、又は粘度の変化率が5%以上10%未満であった。
×…平均粒径の変化率、又は粘度の変化率が10%以上であった。
そして、×の評価を、使用不可と判断した。結果を表3に示した。
打滴安定性試験は次のように行った。特菱両面アートN(三菱製紙(株)製)上に、リコー社製GELJET G717プリンターヘッドを用いて、解像度1200×600dpi、インク打滴量12pLになるように打滴した。連続して打適して5時間後の状態を観察することで、打滴安定性を評価した。表3に打滴安定性試験結果を示した。尚、表3の打滴安定性試験の評価基準は、次の通りである。尚、×の評価を使用不可と判断した。
〜評価基準〜
○… 吐出不良がなく、方向不良もなかった。
○△…吐出不良がなく、方向不良が少し生じた。
△… 吐出不良が殆どなく、方向不良が少し生じた。
×… 吐出不良が多かった。
GELJET GX5000プリンターヘッド(リコー社製)を用意し、これに繋がる貯留タンクを上記で得たシアンインクに詰め替えた。記録媒体として特菱アート両面N(三菱製紙(株)製)を、500mm/秒で所定の直線方向に移動可能なステージ上に固定し、ステージ温度を30℃で保持し、これに上記で得た処理液(1)をバーコーターで約1.2μmの厚みとなるように塗布し、塗布直後に50℃で2秒間乾燥させた。
その後、GELJET GX5000プリンターヘッドを、前記ステージの移動方向(副走査方向)と直交する方向に対して、ノズルが並ぶラインヘッドの方向(主走査方向)が75.7度傾斜するように固定配置し、記録媒体を副走査方向に定速移動させながらインク液滴量2.4pL、吐出周波数24kHz、解像度1200dpi×1200dpiの吐出条件にてライン方式で吐出し、シアンのベタ画像を印画した。
印画直後、60℃で3秒間乾燥させ、更に60℃に加熱された一対の定着ローラ間を通過させ、ニップ圧0.25MPa、ニップ幅4mmにて加熱定着処理を実施し、評価サンプルを得た。
得られた評価サンプルを3.5cm×4cmのサイズに2枚裁断し、10cm×10cmのアクリル板(厚み7mm)の上に印画面同士が向かい合うように評価サンプルを載せ、更にこの評価サンプルの上に重ねて同じサイズに裁断した未印画の特菱アート両面N(三菱製紙(株)製)を10枚載せた上に、更に10cm×10cmのアクリル板(厚み7mm)を載せ、25℃、50%RHの環境条件下で12時間放置した。
放置後、最上部のアクリル板の上に1kgの分銅を載せて更に24時間放置した(加重700kg/m2に相当)。
更に、25℃、50%RHの環境条件下で2時間保管した後、評価サンプル上に重ねた未印画の特菱アート(未印画紙)を剥がした。このときの剥がれ易さ及び剥がした後の接着を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
〜評価基準〜
○:印画面に接着しなかった。
×:印画面に接着が生じ、紙の付着が目視で確認できた。
王子製紙(株)製OKトップコート+(記録媒体)を500mm/秒で稼動するステージ上に固定し、処理液(1)をワイヤーバーコーターで約1.2μmの厚みとなるように、に塗布し、直後に50℃で2秒間乾燥させた。その後、走査方向に対して斜め(75.5度)に配置して固定してあるリコー社製GELJET GX5000プリンターヘッドで解像度1200×1200dpi、打滴量2.4pL、ライン方式でシアンインクをベタ印画した。印画直後、60℃で3秒間乾燥させ、さらに60℃に加熱された一対の定着ローラ間を通過させ、ニップ圧0.25MPa、ニップ幅4mmで加熱定着処理を実施し、印画サンプルを得た。
上記印画サンプルについて、王子製紙(株)製OKトップコート+を文鎮(重量470g、サイズ15mm×30mm×120mm、荷重260kg/m2に相当)に巻きつけたもので、印画サンプルを3往復擦って画像はがれを目視で観察し、下記評価基準にしたがって評価した。
尚、3往復で画像はがれが確認できなかった場合には、更に6往復まで擦った。
〜評価基準〜
◎ :6往復擦りでも画像のはがれが視認できなかった。
○ :3往復擦りで印画サンプル面に画像のはがれが視認できなかったが、6往復擦りでは確認できた。
× :3往復擦りで印画サンプル面に画像のはがれが視認できた。
以上より、本発明である複合粒子の水分散物を含有するインク組成物を用いることで、従来にない高いインク安定性と、安定した吐出性、良好な耐ブロッキング性と耐擦性を有するインク組成物を提供することができたことが分かる。
Claims (9)
- 着色剤を含む水不溶性着色粒子と、
2種以上のポリマーを含み、カルボキシル基を有するポリマーの少なくとも1種およびガラス転移温度が120℃以上であるポリマーの少なくとも1種を含む複合粒子と、
を含有する水性インク組成物。 - 前記複合粒子は、pH環境の変化により凝集する特性を有する請求項1に記載の水性インク組成物。
- 前記複合粒子は、ガラス転移温度の差の絶対値が40℃以上である2種のポリマーを含む請求項1または請求項2に記載の水性インク組成物。
- 前記複合粒子は、カルボキシル基含有ポリマーの水溶液またはエマルションの存在下で、モノマーの乳化重合により得られる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
- 前記カルボキシル基含有ポリマーの水溶液又はエマルションは、塩基性化合物を更に含む請求項4に記載の水性インク組成物。
- 前記複合粒子は、酸価が30以上500以下の第1のポリマーと、酸価が30未満の第2のポリマーとを含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水性インク組成物と、前記水性インク組成物と接触することで凝集体を形成可能な処理液と、を含むインクセット。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水性インク組成物を、記録媒体に付与する工程と、
前記水性インク組成物が付与された記録媒体を加熱定着して画像を形成する工程と、を備える画像形成方法。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水性インク組成物と接触することで凝集体を形成可能な処理液を、記録媒体に付与する工程をさらに備える請求項8に記載の画像形成方法。
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