JP2010202600A - 血中脂質上昇抑制剤 - Google Patents

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【課題】血中脂質上昇抑制剤を提供する。
【解決手段】血中脂質上昇抑制剤は、少なくとも有機溶媒を含む抽出溶媒により抽出されたオオバギ抽出物を有効成分として含有する。オオバギ抽出物の原料であるオオバギは、マカランガ・タナリウスとも呼ばれる植物であって、トウダイグサ科オオバギ属に属する常緑広葉樹である。オオバギは、樹木の中でも成長が極めて早く、荒廃地における成長も可能である。こうした血中脂質上昇抑制剤は、ニムフェオール−A、ニムフェオール−B及びニムフェオール−Cから選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有している。
【選択図】 なし

Description

本発明は、血中脂質の濃度の上昇を抑制する血中脂質上昇抑制剤に関する。
血中脂質が基準値より高い状態は、高脂血症と呼ばれている。高脂血症の基準となる血中脂質としては、コレステロール、リン脂質、中性脂肪、遊離脂肪酸等が挙げられる。こうした高脂血症は、動脈硬化を進行させることで、高血圧、虚血性心疾患、心筋梗塞等の危険性を高めるとされている。一方、トウダイグサ科オオバギ属に属するオオバギ(大葉木)の抽出物は抗酸化作用を発揮することが知られている(特許文献1参照)。また、沖縄産プロポリスには、抗酸化作用を発揮する化合物が含有されていることが知られている(特許文献2及び3参照)。
特開2006−008783号公報 特開2005−029560号公報 特開2005−029778号公報
本発明は、本研究者らによる鋭意研究の結果、オオバギ抽出物が血中脂質の上昇を抑制する作用を発揮することを見出すことでなされたものである。本発明の目的は、血中脂質上昇抑制剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の血中脂質上昇抑制剤は、少なくとも有機溶媒を含む抽出溶媒により抽出されたオオバギ抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明の血中脂質上昇抑制剤は、ニムフェオール−A、ニムフェオール−B及びニムフェオール−Cから選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の血中脂質上昇抑制剤において、前記有効成分は、オオバギ抽出物由来又は沖縄産プロポリス由来であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の血中脂質上昇抑制剤において、前記血中脂質がトリグリセリド又は遊離脂肪酸であることを特徴とする。
本発明によれば、血中脂質上昇抑制剤が提供される。
(a)は、実施例1における血清中のトリグリセリド(TG)の濃度を示すグラフ、(b)は、実施例1における血清中の遊離脂肪酸(NEFA)の濃度を示すグラフ。 実施例2における血清中のトリグリセリド(TG)の濃度を示すグラフ。
以下、本発明の血中脂質上昇抑制剤を具体化した実施形態を詳細に説明する。
血中脂質上昇抑制剤は、少なくとも有機溶媒を含む抽出溶媒により抽出されたオオバギ抽出物を有効成分として含有する。オオバギ抽出物の原料であるオオバギ(大葉木)は、マカランガ・タナリウス(Macaranga tanarius)とも呼ばれる植物であって、トウダイグサ科オオバギ属に属する常緑広葉樹(雌雄異株)である。オオバギは、沖縄、台湾、中国南部、マレー半島、フィリピン、マレーシア、インドネシア、タイなどの東南アジア、オーストラリア北部などに生育している。また、オオバギは、樹木の中でも成長が極めて早く、荒廃地における成長も可能である。
オオバギ抽出物の原料としては、オオバギの各器官やそれらの構成成分を用いることができる。原料としては、単独の器官又は構成成分を用いてもよいし、二種以上の器官や構成成分を混合して用いてもよい。血中脂質の上昇を抑制する作用が高まるという観点から、原料には果実、種子、花、根、幹、茎の先端部、葉身、及び分泌物(ワックス等)を含むことが好ましい。茎の先端部は、茎の成長点及び葉芽を含んでおり、葉身に比べて柔軟であるため、抽出操作を効率的に行うことが容易である。また、オオバギの全体に対して各器官が占める割合を比較すると、幹、根、及び葉の占める割合は高い。このため、オオバギの葉身をオオバギ抽出物の原料として用いることは、原料確保が容易であるという観点から、工業的に好適である。こうした原料は、採取したままの状態、採取後に破砕、粉砕若しくはすり潰した状態、採取・乾燥後に粉砕、破砕若しくはすり潰した状態、又は、採取後に粉砕、破砕若しくはすり潰した後に乾燥させた状態として、抽出操作を行うことができる。抽出操作を効率的に行うべく、破砕した原料を用いることが好ましい。こうした破砕には、例えばカッター、裁断機、クラッシャー等を用いることができる。また、粉砕した原料を調製する際には、例えばミル、クラッシャー、グラインダー等を用いることができる。すり潰した原料を調製する際には、ニーダー、乳鉢等を用いることができる。
上述した原料からオオバギ抽出物を抽出するための抽出溶媒としては、水と有機溶媒との混合溶媒、低級アルコール、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン、グリセリン、プロピレングリコール等の有機溶媒が挙げられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。有機溶媒としては、単独種を用いてもよいし、複数種を混合した混合溶媒を用いてもよい。抽出溶媒として水と有機溶媒の混合溶媒を用いる場合、混合溶媒中における有機溶媒の含有量は、好ましくは50体積%以上、より好ましくは80体積%以上である。混合溶媒中における有機溶媒の含有量が50体積%未満の場合、オオバギに含まれる有効成分を効率的に抽出できないおそれがある。なお、有機溶媒としては、低級アルコールが好ましく、エタノールがより好ましい。
なお、抽出溶媒中に、有機塩、無機塩、緩衝剤、乳化剤、デキストリン等を溶解させてもよい。
抽出操作としては、抽出溶媒中に上記原料を所定時間浸漬させる。こうした抽出操作においては、抽出効率を高めるべく、必要に応じて攪拌操作、加温等を行ってもよい。また、原料から抽出される夾雑物を削減すべく、抽出操作に先だって、別途水抽出操作又は熱水抽出操作を行ってもよい。血中脂質の上昇抑制に対して有効な成分は、オオバギに含まれるニムフェオール類である。ニムフェオール類は、水に対して不溶の成分であるため、オオバギを例えば熱湯で煮沸することで、ニムフェオール類以外の不必要な侠雑物を効率的に除去することができる。
抽出操作の後には固液分離操作が行われることで、オオバギ抽出液と原料の残渣とを分離する。こうした固液分離操作の分離法としては、例えばろ過、遠心分離等の公知の分離法を利用することができる。得られたオオバギ抽出液は、必要に応じて濃縮してもよい。
また、オオバギ抽出液に含まれる抽出溶媒を必要に応じて除去することにより、固体状のオオバギ抽出物を得ることができる。こうした溶媒の除去は、例えば減圧下で加熱することにより行ってもよいし、凍結乾燥により行ってもよい。
少なくとも有機溶媒を含む抽出溶媒により抽出されたオオバギ抽出物には、ニムフェオール類が含有されている。ニムフェオール類は、ニムフェオール−A、ニムフェオール−B及びニムフェオール−Cから選ばれる少なくとも一種を含む。ニムフェオール−A(nymphaeol−A)は、5,7,3´,4´-テトラヒドロキシ-6-ゲラニルフラバノン(5,7,3´,4´-tetrahydroxy-6-geranylflavanone)である。ニムフェオール−B(nymphaeol−B)は、5,7,3´,4´-テトラヒドロキシ-2´-ゲラニルフラバノン(5,7,3´,4´-tetrahydroxy-2´-geranylflavanone)である。ニムフェオール−C(nymphaeol−C)は、5,7,3´,4´-テトラヒドロキシ-6-(3´´´,3´´´-ジメチルアリル)-2´-ゲラニルフラバノン(5,7,3´,4´-tetrahydroxy-6-(3´´´,3´´´-dimethylallyl)-2´-geranylflavanone)である。
オオバギ抽出物の主要な成分は、上述したニムフェオール類であり、こうしたニムフェオール類が血中脂質の上昇抑制に対して大きく寄与している。
さらにオオバギ抽出物には、プロポリンAが含有されている。プロポリンA(propolinA)は、5,7,3´,4´-テトラヒドロキシ-2´-(7´´-ヒドロキシ-3´´,7´´-ジメチル-2´´-オクテニル)-フラバノン(5,7,3´,4´-tetrahydroxy-2´-(7´´-hydroxy-3´´,7´´-dimethyl-2´´-octenyl)-flavanone)である。オオバギ抽出物には、微量成分として、5,7,3´,4´-テトラヒドロキシ-5´-ゲラニルフラバノン(イソニムフェオールB:isonymphaeol−B:5,7,3´,4´-tetrahydroxy-5´-geranylflavanone)、5,7,3´,4´-テトラヒドロキシ-5´-(7´´-ヒドロキシ-3´´,7´´-ジメチル-2´´-オクテニル)-フラバノン(5,7,3´,4´-tetrahydroxy-5´-(7´´-hydroxy-3´´,7´´-dimethyl-2´´-octenyl)-flavanone)、5,7,3´,4´-テトラヒドロキシ-6-(7´´-ヒドロキシ-3´´,7´´-ジメチル-2´´-オクテニル)-フラバノン(5,7,3´,4´-tetrahydroxy-6-(7´´-hydroxy-3´´,7´´-dimethyl-2´´-octenyl)-flavanone)、5,7,4´-トリヒドロキシ-3´-(7´´-ヒドロキシ-3´´,7´´-ジメチル-2´´-オクテニル)-フラバノン(5,7,4´-trihydroxy-3´-(7´´-hydroxy-3´´,7´´-dimetyl-2´´-octenyl)-flavanone)、5,7,4´-トリヒドロキシ-3´-ゲラニルフラバノン(5,7,4´-trihydroxy-3´-geranylflavanone)等が挙げられる。なお、オオバギの各部位から抽出された抽出液の中でも、花、種子及び実の部位(ワックスを含む)から抽出された抽出液には、ニムフェオールA,B,C及びイソニムフェオールBが高濃度で含有されている。
また、エタノール等の溶媒抽出により得られる沖縄産プロポリス抽出物にも、ニムフェオールA、B、C及びイソニムフェオールBが高濃度で含有されている。
本実施形態の血中脂質上昇抑制剤は、血中脂質の上昇抑制を目的とする製品に適用してもよいし、例えば食後において上昇した血中脂質を低下させることを目的とする製品に適用してもよい。血中脂質上昇抑制剤には、そうした目的を損なわない範囲で上記有効成分以外の成分を含有させてもよい。上記有効成分以外の成分としては、例えば賦形剤、基剤、乳化剤、安定剤、香料等が挙げられる。
血中脂質上昇抑制剤を適用した製品としては、例えば、医療用剤(薬剤を含む)及び飲食品が挙げられる。上記医療用剤としては、例えば、医薬品及び医薬部外品が挙げられる。飲食品としては、例えば、健康飲料、健康食品が挙げられる。
本実施形態の血中脂質上昇抑制剤を医療用剤に適用して使用する場合には、服用(経口摂取)により投与する方法の他に、血管内投与、経皮投与等のあらゆる投与方法、皮膚や物品等へ塗布する方法を採用することが可能である。剤形としては、特に限定されないが、例えば、散剤、粉剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、坐剤、液剤、注射剤、塗布剤等が挙げられる。こうした医療用剤には、上記目的を損なわない範囲において、添加剤としての賦形剤、基剤、乳化剤、溶剤、安定剤等を配合してもよい。
本実施形態の血中脂質上昇抑制剤を飲食品に適用して使用する場合には、種々の食品素材又は飲料品素材に添加することで、例えば、粉末状、錠剤状、顆粒状、液状(ドリンク剤等)、カプセル状、シロップ、キャンディー等の形状に加工することで、健康食品製剤、栄養補助食品等として使用することができる。飲食品としては、具体的にはスポーツドリンク、茶葉やハーブなどから抽出した茶類飲料、牛乳やヨーグルト等の乳製品、ペクチンやカラギーナン等のゲル化剤を含有したゲル状食品、ハードキャンディやソフトキャンディ、グミ等のキャンディー類、及びチューイングガムが挙げられる。こうした飲食品には、上記目的を損なわない範囲において、グルコースやショ糖、果糖、乳糖、デキストリン等の糖類、香料、ステビアやアスパルテーム、糖アルコール等の甘味料、植物性油脂及び動物性油脂等の油脂等を配合してもよい。
本実施形態の血中脂質上昇抑制剤が作用する血中脂質としては、コレステロール、リン脂質、中性脂肪、遊離脂肪酸等が挙げられる。血中脂質量を示す検査項目としては、例えばLDLコレステロール定量(LDL−C)又は総コレステロール(TC)、トリグリセリド(TG)、リン脂質(PL)及び遊離脂肪酸(FFA又はNEFA)が挙げられる。血中脂質が基準値よりも高い状態は、高脂血症と呼ばれており、高脂血症としては、例えば高コレステロール血症、高中性脂肪(高トリグリセリド)血症、及び高LDLコレステロール血症に分類される。なお、これらの高脂血症と低HDLコレステロール血症とを含めることで脂質異常症と呼ばれている。一般に、ヒトにおける血中脂質の基準値は、各種文献により若干異なることもあるが、例えば次のような基準値が挙げられる。LDLコレステロール定量の基準値は、例えば60〜139mg/dLであり、140mg/dL以上の場合、高LDLコレステロール血症となる。総コレステロールの基準値は、例えば140〜219mg/dLであり、220mg/dL以上の場合、高コレステロール血症となる。トリグリセリドの基準値は、例えば149mg/dL以下であり、150mg/dL以上の場合、高中性脂肪血症となる。リン脂質の基準値は、例えば145〜257mg/dLである。遊離脂肪酸の基準値は、例えば0.10〜0.90mEq/Lである。本実施形態の血中脂質上昇抑制剤は、血中脂質の中でも、トリグリセリド又は遊離脂肪酸に対して、特に有効に作用する。
本実施形態の血中脂質上昇抑制剤は、高脂血症の予防又は治療に有用である。高脂血症は、一般に、動脈硬化を進行させることで、高血圧、虚血性心疾患及び心筋梗塞の危険性を高めるとされているため、本実施形態の血中脂質上昇抑制剤は、高血圧、虚血性心疾患及び心筋梗塞の危険因子を削減するという観点から有用である。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)血中脂質上昇抑制剤は、少なくとも有機溶媒を含む抽出溶媒により抽出されたオオバギ抽出物を有効成分として含有している。そして本研究者らは、こうしたオオバギ抽出物に含まれるニムフェオール類が血中脂質の上昇を抑制することを見出している。こうした血中脂質上昇抑制剤は、オオバギ抽出物の新規な用途を提供するものであり、高脂血症を予防することができる。
(2)オオバギは、樹木の中でも成長が極めて早く、荒廃地における成長も可能である。このようにオオバギは、その栽培管理に手間がかからない。また、オオバギ抽出物は、植物由来の原料であるため、安全性が高い。従って、本実施形態の血中脂質上昇抑制剤は、原料の供給、生産性、安全性等についても優れている。
(3)一般に、低密度コレステロール(低密度リポ蛋白:LDL)は、酸化変性することで動脈硬化を進行させることが知られている。オオバギ抽出物は、血中脂質の上昇抑制作用に加えて抗酸化作用を発揮することから、本実施形態の血中脂質上昇抑制剤は、動脈硬化の進行を抑制する点で極めて有利である。
(4)本実施形態の血中脂質上昇抑制剤は、トリグリセリド又は遊離脂肪酸に対して、特に有効に作用する。従って、例えば血中トリグリセリド上昇抑制剤又は血中遊離脂肪酸上昇抑制剤として有効に利用することができる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記血中脂質上昇抑制剤は、ニムフェオール−A、ニムフェオール−B及びニムフェオール−Cから選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有した構成としてもよい。すなわち、血中脂質の上昇抑制に対する有効成分は、ニムフェオール−A、ニムフェオール−B及びニムフェオール−Cから選ばれる少なくとも一種であるため、その有効成分は、オオバギ抽出物を由来とする以外に、例えば化学合成により得られるものであってもよい。また、上記有効成分は、オオバギの自生する沖縄で採取された沖縄産プロポリスにおいても含有されているため、沖縄産プロポリスを由来として得られたものであってもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ニムフェオール−A、ニムフェオール−B及びニムフェオール−Cを有効成分として含有する血中脂質上昇抑制剤。
・前記オオバギ抽出物が、水と有機溶媒との混合溶媒から抽出されたものである血中脂質上昇抑制剤。
次に、実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
<オオバギ抽出物の調製>
沖縄県で採集して冷凍したオオバギの生葉を解凍した後に、はさみでその生葉を細かくカットした。カットした生葉1kgに対し、90体積%エタノール水溶液20Lを加え、室温で2週間浸漬させて溶媒抽出を行った後、ろ過、濃縮、及び凍結乾燥の各操作を順に行うことで、粉末状のオオバギ葉抽出物を調製した。オオバギ葉抽出物に含まれるニムフェオール類の濃度は、以下に示されるHPLC条件で分析した結果、35質量%であった。なお、このニムフェオール類の濃度は、ニムフェオールA、ニムフェオールB、及びニムフェオール−Cを合計した濃度を示している。
(HPLC条件)
システム :PDA−HPLCシステム(島津製作所:LC10ADvp)
カラム :Intact製 CadenzaCD−C18 (4.6×250mm)
カラム温度:40℃
溶媒 :A:5%酢酸水溶液、B:メタノール
溶出条件 : 0−20min
(グラジエント溶出;A:B=80:20→A:B=30:70)
20−50min
(グラジエント溶出;A:B=30:70→A:B=0:100)
50−60min(A:B=0:100)
流速 : 0.6ml/min
PDA検出:UV190−370nm
注入量 : 20μl
<投与試験>
投与試験では、ddYマウス(雄・8週齢:日本エスエルシー社から購入)を用いて、4週間の経口投与を実施した。経口投与は、オオバギ葉抽出物を予め飼料に混合し、その飼料を自由摂食させることで実施した。飼料の組成は、一般的な高脂肪食をモデルとし、それにオオバギ葉抽出物の濃度が1.25質量%(ニムフェオール類として0.43質量%)となるように、オオバギ葉抽出物を配合した。コントロールのマウス及び投与マウスは、各5匹としている。
投与終了後、血清中のトリグリセリド(TG)の濃度及び遊離脂肪酸(NEFA)の濃度を測定した。図1(a)及び図1(b)には、オオバギ葉抽出物を含まない飼料を投与した対照群とオオバギ葉抽出物を含む飼料を投与した投与群とを対比したグラフを示している。対照群に対して投与群では、血清中のトリグリセリド(TG)の濃度及び血清中の遊離脂肪酸(NEFA)の量のいずれについても有意に低下した(t検定:p<0.01)。
(実施例2)
オオバギの生葉の代わりとして沖縄産プロポリス原体を用い、前記と同様にして沖縄産プロポリス原体のエタノールによる溶媒抽出物(粉末状)を得た。前記沖縄産プロポリス原体としては、沖縄県那覇市を産地とするものを用いた。沖縄産プロポリス原体の溶媒抽出物に含まれるニムフェオール類の濃度は、上記のHPLC条件で分析した結果、80質量%であった。オオバギ葉抽出物の代わりとして、沖縄産プロポリス原体の溶媒抽出物を0.5質量%(ニムフェオール類として0.4質量%)となるように、飼料に混合した以外は、上記投与試験と同様に投与試験を行った。投与終了後、血清中のトリグリセリド(TG)の濃度を測定した。図2には、沖縄産プロポリス原体の溶媒抽出物を含まない飼料を投与した対照群と、沖縄産プロポリス原体の溶媒抽出物を含む飼料を投与した投与群とを対比したグラフを示している。対照群に対して投与群では、血清中のトリグリセリド(TG)の濃度について有意に低下した(t検定:p<0.01)。

Claims (4)

  1. 少なくとも有機溶媒を含む抽出溶媒により抽出されたオオバギ抽出物を有効成分として含有することを特徴とする血中脂質上昇抑制剤。
  2. ニムフェオール−A、ニムフェオール−B及びニムフェオール−Cから選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有することを特徴とする血中脂質上昇抑制剤。
  3. 前記有効成分は、オオバギ抽出物由来又は沖縄産プロポリス由来であることを特徴とする請求項2に記載の血中脂質上昇抑制剤。
  4. 前記血中脂質がトリグリセリド又は遊離脂肪酸であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の血中脂質上昇抑制剤。
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