JP2010199389A - 太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率を向上させることが可能な太陽電池を提供する。
【解決手段】光照射により電子及び正孔を生成するキャリア発生層、第1電極、及び第2電極を備え、第1電極及びキャリア発生層は直接又はキャリア移動層を介して接続されるとともに、第2電極及びキャリア発生層は直接又はキャリア移動層を介して接続され、さらに、キャリア発生層の内部に電極が配置され、該電極とキャリア発生層とが直接又はキャリア移動層を介して接続されていることを特徴とする、太陽電池とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池に関する。
太陽電池は、発電量当たりの二酸化炭素排出量が少なく、発電用の燃料が不要という利点を有している。そのため、様々な種類の太陽電池に関する研究が、盛んに進められている。現在、実用化されている太陽電池の中では、単結晶シリコン又は多結晶シリコンを用いた、一組のpn接合を有する単接合太陽電池が主流となっている。ところが、単接合太陽電池の光電変換効率の理論限界(以下において、「理論限界効率」という。)は約30%に留まっているため、理論限界効率をさらに向上させる新たな方法が検討されている。
これまでに検討されている新たな方法の1つに、ホットキャリア理論を応用した太陽電池(以下において、「ホットキャリア太陽電池」ということがある。)がある。ホットキャリア太陽電池では、高エネルギーの電子や正孔(以下において、電子及び正孔をまとめて「キャリア」ということがある。)と低エネルギーのキャリアとの相互作用により、エネルギーの授受及び再放出が起こり、所定のエネルギー分布を有する電子が伝導帯中に、所定のエネルギー分布を有する正孔が価電子帯中に、それぞれ生成されることを利用する。このようなホットキャリア太陽電池によれば、理論限界効率を60%以上にまで向上させることも可能になると考えられている。
太陽電池(光起電力素子も含む)に関する技術として、例えば特許文献1には、pin構造で構成され、光検知層であるi層に3次元量子閉じ込め作用をもつ量子ドットを含み、量子ドット及びそれを囲むバリア層のエネルギ・バンド構造がtypeIIを成す太陽電池が開示されている。また、特許文献2には、受光面を有する半導体基板と、半導体基板内部に埋め込まれた複数の第1の電極と、半導体基板内部に埋め込まれ第1の電極とは極性の異なる複数の第2の電極と、を備え、第1の電極は受光面から第1の距離にあり、第2の電極は受光面から第2の距離にあり、第1及び第2の距離は異なっている内部電極型太陽電池が開示されている。また、特許文献3には、n型又はp型半導体基板と、この半導体基板の光入射側とは反対面に設けられ少数キャリアのみに対するポテンシャルバリアとして機能する障壁層と、この障壁層の裏面側に設けられた裏面電極を備え、障壁層が、n型又はp型半導体基板と同型でかつ半導体基板を構成する材料よりバンドギャップの大きい半導体材料により構成されている太陽電池が開示されている。また、特許文献4には、基板上にi型半導体層が非晶質シリコンからなる第1のpin接合と、i型半導体層が結晶質シリコンを含む第2のpin接合とを直列に配置した構成を含む光起電力素子が開示されている。また、特許文献5には、両面受光型の太陽電池セルを備え、太陽電池セルの表面から直射光が入射し、かつ表面の裏面から散乱光が入射する太陽電池モジュールが開示されている。
特開2006−114815号公報 特開2007−305927号公報 特開平7−249787号公報 特開2004−335823号公報 特開2000−91614号公報
特許文献1に開示されている技術によれば、光検知層に量子ドットを形成しているので、発生したキャリアのエネルギー損失を抑制することが可能になると考えられる。しかしながら、特許文献1に開示されている技術において、光の吸収量を増大させるために光検知層の厚さを厚くすると、発生したキャリアが電極へ到達するまでの移動距離が長くなる。移動距離が長くなると、キャリアと結晶格子との相互作用等によりエネルギーが失われるため、特許文献1に開示されている太陽電池では、高効率化を図り難いという問題があった。かかる問題は、特許文献1に開示されている技術と、特許文献2〜特許文献5に開示されている技術とを単に組み合わせたとしても、解決することが困難であった。
そこで本発明は、光電変換効率を向上させることが可能な太陽電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明は、光照射により電子及び正孔を生成するキャリア発生層、第1電極、及び第2電極を備え、第1電極及びキャリア発生層は直接又はキャリア移動層を介して接続されるとともに、第2電極及びキャリア発生層は直接又はキャリア移動層を介して接続され、さらに、キャリア発生層の内部に電極が配置され、該電極とキャリア発生層とが直接又はキャリア移動層を介して接続されていることを特徴とする、太陽電池である。
ここに、本発明において、「キャリア移動層」とは、壁層中に、量子井戸層、量子細線、又は、量子ドット等に代表される量子構造部を有する層をいう。キャリア移動層の量子構造部では、量子効果により、離散準位を形成し、所定のエネルギーを有するキャリアを透過させるエネルギーフィルターの役割を果たす。本発明における「キャリア移動層」は、所定のエネルギーを有する電子の移動を許容し正孔の移動を阻止する機能を有する層(電子移動層)、及び、所定のエネルギーを有する正孔の移動を許容し電子の移動を阻止する機能を有する層(正孔移動層)を含む概念である。また、「直接又はキャリア移動層を介して接続される」とは、電極が負電極である場合には、該負電極及びキャリア発生層は、キャリア移動層(電子移動層)を介して接続され、電極が正電極である場合には、該正電極及びキャリア発生層は、キャリア移動層(正孔移動層)を介して接続されても良く、キャリア移動層(正孔移動層)を介さずに接続されても良いことを意味する。さらに、本発明において、「キャリア発生層の内部に電極が配置され」とは、キャリア発生層の表面に電極の表面が剥き出しにならないように電極がキャリア発生層の内部に埋設される形態のほか、例えば、キャリア移動層を介してキャリア発生層と電極とが交互に積層される形態のように、複数のキャリア発生層によって電極が狭持される形態も含む概念である。
また、上記本発明において、第1電極がキャリア発生層の表面側に配置され、且つ、第2電極がキャリア発生層の裏面側に配置されることが好ましい。
また、第1電極がキャリア発生層の表面側に配置され、且つ、第2電極がキャリア発生層の裏面側に配置される上記本発明において、キャリア発生層の裏面側に、光を反射させる光反射手段が備えられることが好ましい。
ここに、本発明において、「光反射手段」は、キャリア発生層の裏面側に光を反射させることが可能であれば、その形態は特に限定されるものではなく、公知の光反射手段を用いることができる。光反射手段の具体例としては、反射鏡等を挙げることができる。
また、第1電極がキャリア発生層の表面側に配置され、且つ、第2電極がキャリア発生層の裏面側に配置される上記本発明において、キャリア発生層の内部に、電極A及び電極Bが少なくとも配置されるとともに、キャリア発生層の表面側から裏面側に向けて、第1電極、電極A、電極B、及び、第2電極がこの順に配置され、第1電極と電極Aとの間、電極Aと電極Bとの間、及び、電極Bと第2電極との間に、キャリア発生層がそれぞれ配設されていることが好ましい。
また、第1電極がキャリア発生層の表面側に配置され、且つ、第2電極がキャリア発生層の裏面側に配置される上記本発明において、キャリア発生層の内部に配置された電極が、絶縁層を介して分割され、分割された電極と、第1電極と、第2電極とが、直列に接続されていても良い。
また、キャリア発生層の内部に配置された電極が、絶縁層を介して分割され、分割された電極と、第1電極と、第2電極とが、直列に接続されている上記本発明において、表面側へと入射する光の強度、及び、裏面側へと入射する光の強度を考慮して、キャリア発生層の内部に配置された電極と第1電極との間に配設されているキャリア発生層の厚さ、及び、キャリア発生層の内部に配置された電極と第2電極との間に配設されているキャリア発生層の厚さが決定されていることが好ましい。
また、キャリア発生層の内部に配置された電極が、絶縁層を介して分割され、分割された電極と、第1電極と、第2電極とが、直列に接続されている上記本発明において、表面側へと入射する光の強度をI、裏面側へと入射する光の強度をI、キャリア発生層の内部に配置された電極と第1電極との間に配設されているキャリア発生層の厚さをd、キャリア発生層の内部に配置された電極と第2電極との間に配設されているキャリア発生層の厚さをd、キャリア発生層の光吸収係数をα、及び、I=I/Iとするとき、d及びdが下記式(1)を満たすことが好ましい。
Figure 2010199389
また、第1電極がキャリア発生層の表面側に配置され、且つ、第2電極がキャリア発生層の裏面側に配置される上記本発明において、キャリア発生層の内部に配置された電極と、第1電極と、第2電極とが、並列に接続されていても良い。
また、キャリア発生層の内部に配置された電極と、第1電極と、第2電極とが、並列に接続されている上記本発明において、表面側へと入射する光の強度、及び、裏面側へと入射する光の強度を考慮して、キャリア発生層の内部に配置された電極の第1電極側に配設されているキャリア移動層の障壁位置、及び、キャリア発生層の内部に配置された電極の第2電極側に配設されているキャリア移動層の障壁位置が決定されていることが好ましい。
ここに、「キャリア移動層の障壁位置」とは、キャリア移動層に存在できるキャリアの離散準位の位置(エネルギー)をいう。すなわち、キャリア移動層が、所定のエネルギーを有する電子の移動を許容し正孔の移動を阻止する機能を有する層(電子移動層)である場合には、電子移動層に存在できる電子の離散準位の位置が、キャリア移動層の障壁位置である。同様に、キャリア移動層が、正孔の移動を許容し電子の移動を阻止する機能を有する層(正孔移動層)である場合には、正孔移動層に存在できる正孔の離散準位の位置が、キャリア移動層の障壁位置である。
本発明の太陽電池では、キャリア発生層の内部に電極が配置され、該電極とキャリア発生層とが直接又はキャリア移動層を介して接続される。そのため、キャリア発生層の表面及び/又は裏面にのみ電極を配置した場合と比較して、キャリア発生層で発生したキャリアが電極へと到達するまでの移動距離を低減することができる。キャリアの移動距離を低減することにより、移動時にキャリアから失われるエネルギーを低減することが可能になり、その結果、光電変換効率を向上させることが可能になる。したがって、本発明によれば、光電変換効率を向上させることが可能な、太陽電池を提供することができる。
また、本発明において、キャリア発生層の表面側に第1電極が、裏面側に第2電極がそれぞれ配置され、裏面側に光反射手段が備えられることにより、両面受光の太陽電池を提供することができる。両面受光とすることにより、キャリア発生層に吸収される光の量を増大させることが可能になる。したがって、かかる形態とすることにより、光電変換効率を向上させることが容易になる。
また、本発明において、キャリア発生層の表面に第1電極が、キャリア発生層の内部に電極A及び電極Bが、キャリア発生層の裏面側に第2電極が、それぞれ配置され、第1電極と電極Aとの間、電極Aと電極Bとの間、及び、電極Bと第2電極との間に、キャリア発生層がそれぞれ配設されることにより、キャリアの移動距離を低減しつつ、太陽電池に含まれるキャリア発生層全体の厚さを増大させることが可能になる。したがって、かかる形態とすることにより、光電変換効率を向上させることが容易になる。
また、本発明において、キャリア発生層の内部に配置され、且つ、絶縁層を介して分割された電極と、第1電極及び第2電極とを直列に接続しても、光電変換効率を向上させることができる。
また、キャリア発生層の内部に配置された電極と第1電極及び第2電極とが直列に接続される本発明において、表面側へと入射する光の強度及び裏面側へと入射する光の強度を考慮して、キャリア発生層の厚さが決定されることにより、電流整合が図られ光電変換効率を向上させることが容易になる。
また、キャリア発生層の内部に配置された電極と第1電極及び第2電極とが直列に接続される本発明において、d及びdが上記式(1)を満たすことにより、電流整合が図られ光電変換効率を向上させることが容易になる。
また、本発明において、キャリア発生層の内部に配置された電極と、第1電極及び第2電極とを並列に接続しても、光電変換効率を向上させることができる。
また、キャリア発生層の内部に配置された電極と、第1電極及び第2電極とが並列に接続される本発明において、表面側へと入射する光の強度、及び、裏面側へと入射する光の強度を考慮して、キャリア発生層の内部に配置されたキャリア移動層の障壁位置が決定されることにより、光電変換効率を向上させることが容易になる。
太陽電池10の形態例を示す断面図である。 太陽電池20の形態例を示す断面図である。 太陽電池30の形態例を示す断面図である。 各電極が直列に接続された様子を示す断面図である。 各電極が並列に接続された様子を示す断面図である。
これまでに提案されているホットキャリア太陽電池は、キャリア発生層で発生させたキャリアを、その寿命内に電極へと到達させるべく、キャリア発生層の厚さを薄くしてキャリアの移動距離を低減する等の対策を施していた。ところが、キャリア発生層の厚さを薄くすると、キャリア発生層における光路長が短くなって光の吸収効率が低下するため、光電変換効率を向上させ難い。一方で、キャリア発生層の厚さを単に厚くすると、キャリアが電極へ到達するまでの移動距離が長くなり、キャリアがエネルギーを失いやすくなるため、光電変換効率を向上させ難い。それゆえ、ホットキャリア太陽電池の光電変換効率を向上させるためには、キャリア発生層の厚さを厚くしてもキャリアの移動距離が増大し難い形態とすることが有効であると考えられる。
本発明者らは、鋭意研究の結果、キャリア発生層の内部にも電極を配置し、当該電極とキャリア発生層との間にキャリア移動層を配置することによって、キャリアが電極へと到達するまでの移動距離を低減させることを知見した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されるものではない。
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態にかかる本発明の太陽電池10の形態例を示す断面図である。図1では、太陽電池10の一部のみを抽出し、拡大して示している。
図1に示すように、太陽電池10は、キャリア発生層11a、11b(以下において、キャリア発生層11a、11bをまとめて「キャリア発生層11」ということがある。)と、第1電極12(以下において、「正電極12」という。)と、第2電極13(以下において、「正電極13」という。)とを有し、キャリア発生層11a、11bの間に、電極(以下において、「負電極14」という。)が配置されている。さらに、正電極12側に配置されたキャリア発生層11aと正電極12との間に正孔移動層15aが配置され、正電極13側に配置されたキャリア発生層11bと正電極13との間には、正孔移動層15bが配置され、負電極14とキャリア発生層11aとの間には、電子移動層16aが配置され、負電極14とキャリア発生層11bとの間には、電子移動層16bが配置されている。そして、キャリア発生層11a、11bの裏面側には、光反射手段として機能する反射鏡17が配置され、反射鏡17を用いて、図1の紙面上方から入射した光を反射させることにより、正電極12側のみならず、正電極13側からも光を入射可能なように構成されている。
太陽電池10に、図1の紙面上方から太陽光を照射すると、キャリア発生層11a、11bで電子及び正孔が生成される。キャリア発生層11a、11bで生成された電子は、キャリア発生層11a、11bから電子移動層16a、16bを通って負電極14へと達する。図1に示すように、負電極14は、キャリア発生層11a及びキャリア発生層11bの間、すなわち、キャリア発生層11の内部に配置されている。そのため、キャリア発生層11aの厚さとキャリア発生層11bの厚さとを足した厚さのキャリア発生層の表面又は裏面に負電極が配置されている場合と比較して、太陽電池10によれば、キャリア発生層11a、11bで生成された電子が負電極14へと達するまでの移動距離を低減することができる。それにより、太陽電池10に含まれるキャリア発生層11のトータルの厚さを厚くでき、光吸収量を増大させつつ、電子のエネルギー損失を低減することが可能になる。さらに、太陽電池10では、キャリア発生層11の内部に配置された負電極14とキャリア発生層11との間に、電子移動層16a、16bが配置され、負電極14は電子移動層16a、16bを介してキャリア発生層11と接続されている。電子移動層16a、16bは、壁層となる広いバンドギャップ材料に、複数の量子構造部を分散して埋設した構造を有し、量子構造部の量子効果により、電子移動層16a、16bの離散準位は、限られた狭いエネルギー幅とされている。かかる構成とすることにより、キャリア発生層11で生成された電子のうち、電子移動層16a、16bの離散準位のエネルギー幅と一致するエネルギーを有する電子のみを、電子移動層16a、16bへと移動させることができるので、所定の電子のエネルギーを取り出すことができる。
一方、キャリア発生層11a、11bで生成された正孔は、キャリア発生層11a、11bから正孔移動層15a、15bを通って正電極12、13へと達する。図1に示すように、正電極12はキャリア発生層11の表面側に配置され、正電極13はキャリア発生層11の裏面側に配置され、太陽電池10は両面受光構造とされている。そのため、キャリア発生層11aの厚さとキャリア発生層11bの厚さとを足した厚さのキャリア発生層の表面又は裏面に正電極が配置されている場合と比較して、太陽電池10によれば、キャリア発生層11a、11bで生成された正孔が正電極12、13へと達するまでの移動距離を低減することができる。すなわち、かかる形態とすることにより、キャリア発生層11の厚さを厚くした場合であっても、正孔の移動距離の増大を抑制することができる。さらに、太陽電池10では、キャリア発生層11a、11bと正電極12、13との間に、正孔移動層15a、15bが配置され、正電極12、13は正孔移動層15a、15bを介してキャリア発生層11と接続されている。正孔移動層15a、15bは、壁層となる広いバンドギャップ材料に、複数の量子構造部を分散して埋設した構造を有し、量子構造部の量子効果により、正孔移動層15a、15bの離散準位は、限られた狭いエネルギー幅とされている。かかる構成とすることにより、キャリア発生層11で生成された正孔のうち、正孔移動層15a、15bの離散準位のエネルギー幅と一致するエネルギーを有する正孔のみを、正孔移動層15a、15bへと移動させることができる。かつ、正孔のエネルギー損失を低減することができる。
一方、キャリア発生層11に太陽光を入射させると、キャリア発生層11のうち、太陽光の受光面に近い領域で相対的に高エネルギーのキャリアが生成され、太陽光の受光面から遠い領域で相対的に低エネルギーのキャリアが生成されやすい。ホットキャリア太陽電池は、高エネルギーのキャリアと低エネルギーのキャリアとを相互作用させる過程を通じて高効率化を図るため、ホットキャリア太陽電池の光電変換効率を向上させるためには、高エネルギーのキャリア及び低エネルギーのキャリアを移動させ、空間的に同じ領域で相互作用させることが必要とされる。この点、両面受光の太陽電池10では、図1の紙面上方から正電極12へと入射した太陽光によって、相対的に高エネルギーのキャリアがキャリア発生層11aで生成され、相対的に低エネルギーのキャリアがキャリア発生層11bで生成される。さらに、反射鏡17によって反射されることにより紙面下方から正電極13へと入射した太陽光によって、相対的に高エネルギーのキャリアがキャリア発生層11bで生成され、相対的に低エネルギーのキャリアがキャリア発生層11aで生成される。すなわち、太陽電池10によれば、正電極12側及び正電極13側から光を入射させることにより、相対的に高エネルギーのキャリア及び相対的に低エネルギーのキャリアを、キャリア発生層11a及びキャリア発生層11bに存在させることができる。このように、太陽電池10によれば、高エネルギーのキャリア及び低エネルギーのキャリアを空間的に同じ領域に存在させることができるので、高エネルギーのキャリアが低エネルギーのキャリアと相互作用するために移動する距離、及び、低エネルギーのキャリアが高エネルギーのキャリアと相互作用するために移動する距離を低減することができる。
以上、説明したように、太陽電池10によれば、(i)電子及び正孔の移動距離を低減することによりエネルギー損失を低減することができ、(ii)さらに、両面受光とすることにより高エネルギーキャリア及び低エネルギーキャリアの移動距離を低減することができ、その結果、相互作用が促進される。そのため、本発明によれば、光電変換効率を向上させることが可能な、太陽電池10を提供することができる。
太陽電池10において、キャリア発生層11は、光を照射することにより電子及び正孔を生成する半導体材料によって構成されていれば、その形態は特に限定されるものではなく、公知の半導体材料を用いることができる。キャリア発生層11は、例えば、厚さが50nm〜200nm、バンドギャップが0.5eV〜2.0eVの半導体材料によって構成することができる。
また、太陽電池10において、正電極12及び正電極13は、太陽電池の正電極として利用可能な各種導電性材料によって構成することができる。正電極12及び正電極13は、例えば、厚さが20nm〜100nmの透明なITO(Indium Tin Oxide)又はZnOによって構成することができる。なお、正電極12及び正電極13の形態は、透明電極に限定されるものではなく、厚さ数nm程度の金属電極のほか、くし形形状の金属電極とすることも可能である。
また、太陽電池10において、負電極14は、太陽電池の負電極として利用可能な各種導電性材料によって構成することができる。負電極14は、例えば、厚さが5nm〜50nmの透明なITO(Indium Tin Oxide)又はZnOによって構成することができる。なお、負電極14の形態は、透明電極に限定されるものではなく、厚さ数nm程度の金属電極のほか、くし形形状の金属電極とすることも可能である。
また、太陽電池10において、正孔移動層15は、壁層となる広いバンドギャップ材料に複数の量子構造部が埋設された構造を有していれば、その形態は特に限定されるものではない。太陽光を吸収せず、且つ、絶縁体を担保するという観点から、壁層を構成する材料のバンドギャップは、3.0eV〜4.0eVとすることが好ましく、壁層の厚さは5nm〜50nmとすることが好ましい。正孔移動層15の量子構造部の形態例としては、量子井戸、量子細線、又は、量子ドット等を挙げることができる。
また、太陽電池10において、電子移動層16は、壁層となる広いバンドギャップ材料に複数の量子構造部が埋設された構造を有していれば、その形態は特に限定されるものではない。太陽光を吸収せず、且つ、絶縁体を担保するという観点から、壁層を構成する材料のバンドギャップは、3.0eV〜4.0eVとすることが好ましく、壁層の厚さは5nm〜50nmとすることが好ましい。電子移動層16の量子構造部の形態例としては、量子井戸、量子細線、又は、量子ドット等を挙げることができる。
また、太陽電池10において、反射鏡17は、正電極12側から入射する太陽光を反射させて正電極13へと入射させることが可能であれば、その構成材料及び形態は特に限定されず、公知のものを用いることができる。
このような太陽電池10は、例えば、基板上に形成した正電極13の表面に、正孔移動層15、キャリア発生層11b、電子移動層16、負極14、電子移動層16、キャリア発生層11a、正孔移動層15、及び、正電極12を、公知の方法で順に形成し、正電極13側に反射鏡17を配置することにより、作製することができる。
上記説明では、両面受光形態の太陽電池10を例示したが、本発明の太陽電池は両面受光形態に限定されるものではない。ただし、上記(i)及び(ii)の効果を奏することができ、かつ、光吸収量を増大させやすい形態の太陽電池を提供する等の観点からは、両面受光形態の太陽電池とすることが好ましい。
また、太陽電池10に関する上記説明では、キャリア発生層11a及びキャリア発生層11bの間に、電子移動層16a、16bに挟まれた負電極14が配置される形態を例示したが、本発明の太陽電池は当該形態に限定されるものではない。本発明の太陽電池は、キャリア移動層に囲まれた電極がキャリア発生層の内部に埋設される形態とすることも可能である。
また、太陽電池10に関する上記説明では、2つのキャリア発生層11a、11bの間(内部)へ、電子移動層16a、16bに挟まれた1つの負電極14が配置される形態を例示したが、本発明の太陽電池は当該形態に限定されるものではない。本発明の太陽電池は、キャリア発生層の内部に複数の電極が配置される形態とすることも可能である。
2.第2実施形態
図2は、第2実施形態にかかる本発明の太陽電池20の形態例を概略的に示す断面図である。図2では、太陽電池20の一部のみを抽出し、拡大して示している。図2において、太陽電池10と同様に構成されるものには、図1で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
図2に示すように、太陽電池20は、キャリア発生層21と、正電極12と、正電極13と、キャリア発生層21及び正電極12の間に配設された正孔移動層15と、キャリア発生層21及び正電極13の間に配設された正孔移動層15と、を備え、さらに、電子移動層22、22に囲まれた負電極23、23がキャリア発生層21の内部に埋設されている。そして、キャリア発生層21の裏面側には、光反射手段として機能する反射鏡17が配置され、反射鏡17を用いて、図2の紙面上方から入射した光を反射させることにより、正電極12側のみならず、正電極13側からも光を入射可能なように構成されている。かかる形態の太陽電池20であっても、太陽電池10と同様の効果(上記(i)、(ii))を奏することができる。太陽電池20において、キャリア発生層21はキャリア発生層11と同様の材料によって構成することができる。また、太陽電池20において、電子移動層22は電子移動層16と同様の材料によって構成することができ、負電極23は負電極14と同様の材料によって構成することができる。
3.第3実施形態
図3は、第3実施形態にかかる本発明の太陽電池30の形態例を概略的に示す断面図である。図3では、太陽電池30の一部のみを抽出し、拡大して示している。図3において、太陽電池10と同様に構成されるものには、図1で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
図3に示すように、太陽電池30は、紙面上側から、正電極12、正孔移動層15、キャリア発生層11a、電子移動層16、負電極14、電子移動層16、キャリア発生層31、正孔移動層15、正電極13、正孔移動層15、キャリア発生層11b、電子移動層16、及び、負電極32が順に配置されている。そして、キャリア発生層11及びキャリア発生層31の裏面側には、光反射手段として機能する反射鏡17が配置され、反射鏡17を用いて、図3の紙面上方から入射した光を反射させることにより、正電極12側のみならず、負電極32側からも光を入射可能なように構成されている。このように、キャリア発生層11a及びキャリア発生層11bに加え、さらにキャリア発生層31が備えられる形態とすることにより、太陽電池10によって得られる効果に加え、光吸収量を増大させることが容易になる。太陽電池30において、キャリア発生層31は、例えばキャリア発生層11と同様の材料によって構成することができ、負電極32は負電極14と同様の材料によって構成することができる。太陽電池30のように、奇数個のキャリア発生層が備えられる場合には、太陽電池10、20の場合とは異なり、キャリア発生層11の表面側に配置される第1電極(正電極12)と、キャリア発生層11の裏面側に配置される第2電極(負電極32)とが、反対極になる。
太陽電池30において、受光面から離れているキャリア発生層31では、キャリア発生層11aやキャリア発生層11bと比較して高エネルギーのキャリアが発生し難く、キャリア発生層11aやキャリア発生層11bよりもキャリアが拡散し難いことが予想される。そのため、キャリアを容易に拡散させやすい形態にする等の観点から、キャリア発生層31はpin構造とすることが好ましい。かかる形態とすることにより、内部電界が発生するため、キャリアをドリフトにより移動拡散させることが容易になる。
太陽電池30に関する上記説明では、3つのキャリア発生層が備えられる形態を例示したが、本発明の太陽電池は当該形態に限定されるものではない。本発明の太陽電池は、4以上のキャリア発生層が備えられる形態とすることも可能である。
以上説明した本発明の太陽電池10、20、30は、各電極を直列に接続しても良く、並列に接続しても良い。そこで、以下に、各電極を直列に接続した場合、及び、各電極を並列に接続した場合のそれぞれについて、具体的に説明する。
<直列接続の場合>
図4は、各電極が直列に接続された太陽電池40の形態例を示す図である。図4において、太陽電池10と同様に構成されるものには、図1で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
図4に示すように、太陽電池40は、紙面上側から、正電極12、正孔移動層15、キャリア発生層11a、電子移動層16、負電極41、電子移動層16、キャリア発生層11b、正孔移動層15、及び、正電極13が、順に配置されている。また、キャリア発生層11の裏面側には、光反射手段として機能する反射鏡17が配置され、反射鏡17を用いて、図4の紙面上方から入射した光を反射させることにより、正電極12側のみならず、正電極13側からも光を入射可能なように構成されている。キャリア発生層11の内部に配置されている負電極41は、絶縁膜42によって、絶縁膜42の上側の負電極41a、及び、絶縁膜42の下側の負電極41bに分割されている。太陽電池40において、負電極41a及び正電極13は導線43を介して接続されており、正電極12及び負電極41bには、それぞれ導線44、45が接続されている。かかる形態とすることにより、太陽電池40に備えられる各電極を、直列に接続することができる。
各電極を直列に接続する場合、直列回路内を流れる電流は一定になる。ここで、正電極12へと入射する太陽光の強度をI、正電極13へと入射する太陽光の強度をIとするとき、I=Iであれば、キャリア発生層11aの厚さdとキャリア発生層11bの厚さdとを等しくすることにより、キャリア発生層11aから取り出せる電流値A、及び、キャリア発生層11bから取り出せる電流値Aを等しくすることができる。ところが、IとIとが等しくない場合(以下において、I>Iと仮定する。)、d=dにすると、A>Aとなり、太陽電池40からは電流値Aが取り出される。すなわち、I>Iの場合にd=dとすると、電流値A−Aに相当するエネルギーが損失となる。したがって、エネルギー損失を低減して光電変換効率を向上させやすい形態の太陽電池40を提供する等の観点からは、IとIとが等しくない場合であっても、A=Aとすることが好ましい。IとIとが等しくない場合にA=Aとするには、I及びIに応じてd及びdを最適化すれば良い。
以下、d及びdの最適化について説明する。なお、簡略化のため、キャリア発生層11の光吸収係数を固定し、キャリア発生層11の内部に配置された電子移動層16a、16b、負電極41、及び、絶縁膜42の厚さは無視する。
キャリア生成率G(x)は、次の式で与えられる。
G(x)=αIexp(−αx)
ここで、αは光吸収係数、Iは入射光の強度、xは侵入長である。
=Aとするためには、キャリア発生層11aで生成されるキャリア数とキャリア発生層11bで生成されるキャリア数とを等しくすれば良い。そのため、以下の式を満たすことが必要とされる。
Figure 2010199389
この式は、次のように書き換えることができる。
Figure 2010199389
ここで、I=I/Iである。
したがって、Iを与えれば、d及びdの最適比を求めることができ、最適構造を得ることができる。例えば、キャリア発生層11がGaAsによって構成される場合、I=0.8、波長500nmにおける光吸収係数α=1.08×10−5cm−1として、d=100nmを上記式(1)へ代入すると、d=88nmとなる。したがって、この場合、キャリア発生層11aとキャリア発生層11bとの厚さの比d/dの最適値は、d/d=0.88となる。
太陽電池40において、負電極41は、負電極14と同様の材料によって構成することができ、導線43、44、45は公知の導電性材料によって構成することができる。また、太陽電池40において、絶縁膜42は、厚さ10nm〜50nmのSiOによって構成することができる。
太陽電池40に関する上記説明では、2つのキャリア発生層11a、11bが備えられる形態を例示した。一方で、上述のように、本発明の太陽電池は、3つ以上のキャリア発生層が備えられる形態とすることも可能である。3つ以上のキャリア発生層が備えられる太陽電池の各電極を直列に接続する場合も、IとIとが異なる場合には、I及びIに応じて各キャリア発生層の厚さを決定することが好ましい。そこで、キャリア発生層が3つの場合、及び、4つ以上の場合について、充足すべき関係式を以下に示す。
・キャリア発生層が3つの場合
太陽電池の表面へと入射する光の強度をI、裏面へと入射する光の強度をI、3つのキャリア発生層の厚さを、表面側から順にd、d、dとし、I=I/Iとする。キャリア発生層が3つの場合も、エネルギー損失を低減するためには各キャリア発生層で生成されるキャリア数を等しくすれば良い。そのため、以下の式を満たすことが必要とされる。
Figure 2010199389
この式を積分し、(−α+1)をかけると、以下の式を得ることができる。
Figure 2010199389
この式を、I=I/Iを用いて整理すると、次の3つの式を得ることができる。
Figure 2010199389
Figure 2010199389
Figure 2010199389
すなわち、キャリア発生層が3つの場合には、上記式(2)、式(3)、及び、式(4)を満たすように、d、d、dを決定すれば良い。
・キャリア発生層がn(≧4)個の場合
太陽電池の表面へと入射する光の強度をI、裏面へと入射する光の強度をI、キャリア発生層の厚さを、表面側から順にd、d、…、dとする。キャリア発生層がn(≧4)個の場合も、エネルギー損失を低減するためには各キャリア発生層で生成されるキャリア数を等しくすれば良い。そのため、以下の式を満たすことが必要とされる。
Figure 2010199389
キャリア発生層が4つ以上の場合には、キャリア発生層が3つの場合と以下同様にして、d、d、…、dを決定すれば良い。
<並列接続の場合>
図5は、各電極が並列に接続された太陽電池10の形態例を示す図である。図5に示すように、太陽電池10は、正電極12及び正電極13を導線18で接続し、負電極14に導線19を接続することにより、各電極を並列に接続することができる。
各電極を並列に接続する場合、並列回路内の電圧は一定になる。そのため、各電極を並列に接続する場合には、キャリア発生層11aの電流値、及び、キャリア発生層11bの電流値をそれぞれ最大化することにより、太陽電池10の光電変換効率を最大化することが可能になる。ここで、正電極12へと入射する太陽光の強度をI、正電極13へと入射する太陽光の強度をIとするとき、I=Iであれば、キャリア発生層11aで生成されるキャリアの平均エネルギーは、キャリア発生層11bで生成されるキャリアの平均エネルギーと等しくなると考えられる。そのため、この場合には、負電極14とキャリア発生層11aとの間に配置された電子移動層16aの障壁、及び、負電極14とキャリア発生層11bとの間に配置された電子移動層16bの障壁を、何れも、キャリア発生層11で生成されたキャリアの平均エネルギー値に設けることにより、太陽電池10の光電変換効率を最大化することが可能になる。
これに対し、IとIとが等しくない場合(以下において、I>Iと仮定する。)には、キャリア発生層11aで生成されるキャリアの平均エネルギーが、キャリア発生層11bで生成されるキャリアの平均エネルギーよりも高くなると考えられる。この場合、キャリア発生層11aの電流値を最大化するには、電子移動層16aの障壁を、キャリア発生層11aで生成されたキャリアの平均エネルギー値に設ければ良く、キャリア発生層11bの電流値を最大化するには、電子移動層16bの障壁を、キャリア発生層11bで生成されたキャリアの平均エネルギー値に設ければ良い。すなわち、例えば、キャリア発生層11aで生成されたキャリアの平均エネルギー値が1.3eVであり、キャリア発生層11bで生成されたキャリアの平均エネルギー値が1.2eVである場合、電子移動層16aの障壁を1.3eVの位置に設け、電子移動層16bの障壁を1.2eVの位置に設けることにより、太陽電池10の光電変換効率を最大化することが可能になる。
以上、表面側から、正電極、正孔移動層、キャリア発生層、電子移動層、負電極、電子移動層、キャリア発生層、正孔移動層、正電極、…の順で配置される形態の太陽電池10、20、30、40について説明したが、本発明の太陽電池は当該形態に限定されるものではない。本発明の太陽電池は、表面側から、負電極、電子移動層、キャリア発生層、正孔移動層、正電極、正孔移動層、キャリア発生層、電子移動層、負電極、…の順で配置される形態とすることも可能である。なお、正孔は有効質量が大きいため、正孔密度分布が価電子帯の上端に近づき、その結果正孔エネルギー分布も価電子帯の上端に位置する。そのため、これまでの本発明の説明では正孔移動層が備えられる形態について説明したが、本発明の太陽電池において、正孔移動層は必須の構成要素ではない。
本発明の太陽電池は、電気自動車の動力源や太陽光発電システム等に利用することができる。
10…太陽電池
11…キャリア発生層
11a…キャリア発生層
11b…キャリア発生層
12…正電極(第1電極)
13…正電極(第2電極)
14…負電極
15…正孔移動層(キャリア移動層)
16…電子移動層(キャリア移動層)
17…反射鏡(光反射手段)
18…導線
19…導線
20…太陽電池
21…キャリア発生層
22…電子移動層(キャリア移動層)
23…負電極
30…太陽電池
31…キャリア発生層
32…負電極(第2電極)
40…太陽電池
41…負電極
41a…負電極
41b…負電極
42…絶縁膜
43…導線
44…導線
45…導線

Claims (9)

  1. 光照射により電子及び正孔を生成するキャリア発生層、第1電極、及び第2電極を備え、前記第1電極及び前記キャリア発生層は直接又はキャリア移動層を介して接続されるとともに、前記第2電極及び前記キャリア発生層は直接又はキャリア移動層を介して接続され、
    さらに、前記キャリア発生層の内部に電極が配置され、該電極と前記キャリア発生層とが直接又はキャリア移動層を介して接続されていることを特徴とする、太陽電池。
  2. 前記第1電極が前記キャリア発生層の表面側に配置され、且つ、前記第2電極が前記キャリア発生層の裏面側に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記キャリア発生層の裏面側に、光を反射させる光反射手段が備えられることを特徴とする、請求項2に記載の太陽電池。
  4. 前記キャリア発生層の内部に、電極A及び電極Bが少なくとも配置されるとともに、前記キャリア発生層の前記表面側から前記裏面側に向けて、前記第1電極、前記電極A、前記電極B、及び、前記第2電極がこの順に配置され、
    前記第1電極と前記電極Aとの間、前記電極Aと前記電極Bとの間、及び、前記電極Bと前記第2電極との間に、前記キャリア発生層がそれぞれ配設されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の太陽電池。
  5. 前記キャリア発生層の内部に配置された前記電極が、絶縁層を介して分割され、
    分割された前記電極と、前記第1電極と、前記第2電極とが、直列に接続されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池。
  6. 前記表面側へと入射する光の強度、及び、前記裏面側へと入射する光の強度を考慮して、前記キャリア発生層の内部に配置された前記電極と前記第1電極との間に配設されている前記キャリア発生層の厚さ、及び、前記キャリア発生層の内部に配置された前記電極と前記第2電極との間に配設されている前記キャリア発生層の厚さが決定されていることを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池。
  7. 前記表面側へと入射する光の強度をI、前記裏面側へと入射する光の強度をI、前記キャリア発生層の内部に配置された前記電極と前記第1電極との間に配設されている前記キャリア発生層の厚さをd、前記キャリア発生層の内部に配置された前記電極と前記第2電極との間に配設されている前記キャリア発生層の厚さをd、前記キャリア発生層の光吸収係数をα、及び、I=I/Iとするとき、d及びdが下記式(1)を満たすことを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池。
    Figure 2010199389
  8. 前記キャリア発生層の内部に配置された前記電極と、前記第1電極と、前記第2電極とが、並列に接続されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池。
  9. 前記表面側へと入射する光の強度、及び、前記裏面側へと入射する光の強度を考慮して、前記キャリア発生層の内部に配置された前記電極の前記第1電極側に配設されている前記キャリア移動層の障壁位置、及び、前記キャリア発生層の内部に配置された前記電極の前記第2電極側に配設されている前記キャリア移動層の障壁位置が決定されていることを特徴とする、請求項8に記載の太陽電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011111567A1 (ja) 2010-03-09 2011-09-15 株式会社資生堂 照明装置、画像解析装置、画像解析方法及び評価方法

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