JP2010195116A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】応急修理装置を用いた応急修理に適応させたタイヤを提供すること。
【解決手段】本発明によるタイヤ1は、内周面を構成するインナーライナー7と、内周面全体に亘って修理液を均一に拡散する、周方向溝8と、周方向溝8に対して傾斜する周方向傾斜溝9と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗用車、トラック、バス等の車輪に用いられるタイヤがパンクした場合に、パンクしたタイヤをスペアのタイヤと交換することなく、パンクしたタイヤそのものを応急修理して継続して使用することを可能とする応急修理装置を適用するに当たって、より適切な性能を有するタイヤに関する。
車両に使用される空気入りタイヤすなわちタイヤが路面上のガラスの破片や釘等の尖鋭形状を有する異物を乗り越えた場合、あるいは、尖鋭形状を有する例えばナイフ等により人為的な器物損害を受けた場合に、タイヤのトレッド部、ショルダー部、サイドウォール部を構成するゴムと。それぞれの部位の内側に配置されるインナーライナーを構成するゴムに尖鋭形状が突き刺さって穴が形成され、タイヤ内の設定空気圧の空気が漏洩して、タイヤ内の空気圧が設定空気圧を保つことができなくなる不具合が発生する。
このような事象すなわちパンクが発生した時において、タイヤ及びタイヤが装着されるホイールにより構成される車輪そのものを交換することなく、前述した穴をシーリング剤すなわち修理液により閉塞、シールしてタイヤ内に空気を充填して空気圧を設定空気圧に復帰させる応急修理を行うための応急修理装置としては、例えば以下のようなものが提案されている。
この応急修理装置は、シーリング剤を収容したシーリング剤容器と、シーリング剤容器からタイヤ内にシーリング剤を注入し、加圧された空気をタイヤ内に供給するコンプレッサと、注入及び供給用のホースを備えている。
このような応急修理装置を用いて、タイヤにパンクが発生した場合には、運転者又は作業者のマニュアル操作により、ホイールのバルブにホースを連結した後は、応急修理装置はコンプレッサの動作に基づいてシーリング剤をタイヤ内に注入する注入処理を実行し、注入処理が完了した後にコンプレッサの動作に基づいて加圧された空気をタイヤ内に供給する供給処理を実行する。
これに対して、タイヤ側における技術としては、パンクそのものをなるべく防止する例えば特許文献1に記載されたようなタイヤが提案されている。
特開平11−189019号公報
しかしながら、このような特許文献1に示すようなタイヤにおいては、タイヤ内のインナーライナーに相当する部分において、タイヤのパンクそのものを極力防止する技術が提案されているものの、上述したような応急修理装置によりタイヤ内に修理液を注入する場合に、修理液をタイヤ内に均等に行き渡らせパンクの原因となった穴に対するシールを確実に実行する一助となる方策は提案されていないという問題が残る。この問題は、タイヤ内部に騒音低減のための吸音スポンジを装備している場合に、より顕著となる。また、修理液がタイヤ内部に残留している場合に走行した場合において、残留している修理液がタイヤ内に均等に行き渡らずに、タイヤにアンバランスが発生して、振動が発生するという問題も生じる。
このように、従来技術においてはパンク発生時の応急修理を可能とする応急修理装置に対して、より確実な応急修理を実行するにあたってより適切な形態のタイヤを提供できているとは言えず、応急修理装置による応急処理に適応させたタイヤを必ずしも提供できていないという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑み、応急修理装置を用いた応急修理に適応させたタイヤを提供することを目的とする。
上記の問題を解決するため、本発明によるタイヤは、
内周面を構成するインナーライナーと、
前記内周面全体に亘って修理液を均一に拡散する、周方向溝と、前記周方向溝に対して傾斜する周方向傾斜溝と、を含むことを特徴とする。
なお、前記周方向溝及び前記周方向傾斜溝は、前記インナーライナーの内周面に形成されていても良いし、前記タイヤが前記インナーライナーの内周側に、騒音防止用の吸音スポンジを含む場合には、前記吸音スポンジの前記インナーライナーの前記内周面に接する外周面に形成されていても良い。
ここで、前記周方向傾斜溝は、前記タイヤの周方向であって前進方向の回転方向から回転方向反対側に向けて、前記タイヤの赤道面から幅方向外側に向かうに従い離隔する方向に傾斜させることが好ましい。
本発明によるタイヤによれば、前述したような応急修理装置による応急修理を実行するに当たって、前記タイヤ内に前記修理液を注入した場合において、前記周方向溝及び前記周方向傾斜溝による重力及び遠心力に基づく案内作用に基づいて、前記修理液を前記タイヤの接地面近傍の空間の下部に行き渡らせて一旦貯留することができる。
これとともに、前記タイヤを備える前記車両が予備走行を行って、前記タイヤが回転している場合において、前記タイヤ内に注入された前記修理液は、前記周方向溝及び前記周方向傾斜溝の重力及び遠心力に基づく案内作用に基づいて、前記内周面全体に行き渡らせることができる。これにより、前記修理液の注入処理後において、前記タイヤのパンクの原因となった穴を迅速に閉塞してシールすることができる。
加えて、前記穴を閉塞してシールした後においてシール用として用いられた量以外の余った前記修理液であって、前記タイヤ内に残留している前記修理液を、前記周方向溝及び前記周方向傾斜溝の重力及び遠心力に基づく案内作用に基づいて、前記タイヤの回転時において周方向の一箇所に集中させて位置させることなく、前記内周面全体に行き渡らせることができるため、走行時において前記修理液が偏在することにより発生するアンバランスによる前記タイヤの振動を防止することができる。
なお、前記周方向溝と前記周方向傾斜溝の、幅方向及び周方向における延在形態は、前記タイヤ成型時の製造段階における製造容易性等に基づき適宜決定することができる。一般には、前記タイヤ回転に伴い、前記タイヤ内の内周面全体に前記修理液を行き渡らせるにあたっては、前記タイヤ内の赤道面近傍に一条又は複数条の前記周方向溝を配置し、前記周方向溝に繋がって、又は分離された状態で前記周方向傾斜溝を進行方向から進行方向反対側に向けて、前記タイヤ赤道面から離隔する方向に傾斜させることが好ましい。
前記周方向溝と前記周方向傾斜溝とは繋がっていることが好ましく、特に、前記カーカスの一般的に外周側に備えられるトレッド部の外周面に備えられる、走行時の路面との水膜を除去するためのパターンに較べて、路面と接触することがないため、路面走行時のパターン音の発生、偏摩耗の発生を抑制することは考慮する必要がないことから、比較的自由度の高い設計を行うことができる。
また、前記周方向傾斜溝は前記進行方向側を湾曲させて、前記周方向に所定ピッチにて配列して、所定ピッチ毎に前記周方向にオフセットされる前記周方向傾斜溝の前記進行方向側端を、一所定ピッチ前方の前記周方向傾斜溝の前記進行方向途中部分に連結させ繋げる形態とすることができる。これにより、前記修理液を前記周方向及び幅方向により円滑に行き渡らせることができる。
本発明によれば、応急修理装置を用いた応急修理に適応させたタイヤを提供することができる。
本発明に係わるタイヤの一実施形態を示す模式図である。 本発明に係わるタイヤの一実施形態の一部を示す模式図である。 本発明に係わるタイヤの一実施形態を示す模式図である。 本発明に係わるタイヤの一実施形態の一部を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るタイヤの一実施形態をタイヤの中心軸線を含む断面において示す模式図である。図2は、本発明に係わるタイヤの一実施形態の一部を径方向内側から視て接地面形状の範囲において示す模式図である。図3は、本発明に係わるタイヤの一実施形態をタイヤの中心軸線を含む断面において示す模式図である。図4は、本発明に係わるタイヤの一実施形態の一部を径方向内側から視て接地面形状の範囲において示す模式図である。
図1に示すようにタイヤ1は、図示しないカーカスと、ベルト2と、トレッド部3と、ショルダー部4と、サイドウォール部5と、ビード部6と、インナーライナー7と、を含んで構成される。
図示しないカーカスは左右一対のスチールワイヤーを束ねたビードコア相互間においてトロイダル状に延在させた一枚以上のカーカスプライにより構成され、タイヤの骨格を構成する。
ベルト2は、カーカスの外周側に配置されて、カーカスを桶のタガのように強く締め付けてトレッド部3の剛性を高める機能を有する。
トレッド部3は、ベルト2の外周側に配置されるゴム層により構成され、タイヤ1が路面と接触する接地面を構成し、路面や路面上の異物から伝達される衝撃力や尖突物のタイヤ1内部への進入を極力防止して、カーカスを保護するとともに、タイヤ1全体の摩耗寿命を延長する機能を有する。
ショルダー部4は、ベルト2の両側に位置するカーカスの外周側に配置されるゴム層により構成され、トレッド部3とサイドウォール部5との間に位置するゴム層を構成し、主に走行時にタイヤ1内部に発生する熱を放出して拡散する機能を有している。
サイドウォール部5は、ショルダー部4とビード間のカーカスの幅方向外側に主に位置するゴム層により構成され、カーカスの側部を保護する機能を有する。
ビード部6は、左右一対のビードとビードに巻回されるカーカスプライとカーカスプライの外部を保護するゴム層により構成され、タイヤ1を図示しないリムに保持する機能を有する。
インナーライナー7は、カーカスの内周側全体に貼り付けられるゴム層であって、タイヤ1内部の気密性を保持する機能を有する。インナーライナー7の内周面には、赤道面近傍において二条のタイヤ1の周方向に沿って延在する周方向溝8が設けられ、周方向溝8の幅方向外側には、周方向傾斜溝9が所定ピッチ毎に周方向に設けられて、図2中下方が回転方向を指すものとすると、周方向傾斜溝9は回転方向反対側に向かうに従い、周方向溝8から離隔する方向に傾斜する。
周方向傾斜溝9の回転方向側端部は、回転方向に向かうに従い、周方向溝8から離隔するように湾曲する形態を有する湾曲部9aを有しており、湾曲部9aの回転方向端9aeは、一所定ピッチ回転方向側に位置する他の周方向傾斜溝9に連結され、所定ピッチ毎に周方向に並列される周方向傾斜溝9相互間は回転方向端9aeを介して相互に連結され繋がれる。
ここでタイヤ1を含む車両が路面上のガラスの破片や釘等の尖鋭形状を有する異物を乗り越えた場合、あるいは、尖鋭形状を有するナイフやガラスにより外部から人為的な器物損害を受けた場合に、タイヤ1のトレッド部3、ショルダー部4、サイドウォール部5を構成するゴム層の保護機能を超えた力が作用すると、それぞれの部位の内側に配置されるカーカスを押しのけてインナーライナー7を構成するゴム層に尖鋭形状が侵入することとなり、尖鋭形状がゴム層に突き刺さって穴が形成され、タイヤ1内の設定空気圧の空気が漏洩して、タイヤ1内の空気圧が設定空気圧を保つことができなくなるパンクが発生する。この場合において、応急修理装置による応急修理が実行される。
なお、ここでは図示は省略するが、応急修理装置は、容器と、コンプレッサ、ホースと、ライザーチューブと、入口バルブと、出口バルブと、ホースと、コネクタとにより構成される。
容器は、例えば有底有蓋円筒状の金属製又は樹脂製の容器により構成されて、コンプレッサの加圧に耐えうる内圧強度を備える容器であって、パンクしたタイヤ1に形成された穴をシールするにあたって必須となる必要量のシーリング剤を予め貯留する。
容器の下底面には円形状の孔部である入口が設けられ、入口にはライザーチューブが挿通されて、入口の内周面とライザーチューブの外周面とは液密に接合されている。ライザーチューブの入口側は入口バルブを介してホースに液密に連通されている。なお、入口側とは、コンプレッサ側を指し、出口側とは、タイヤ1側を示す。
ライザーチューブの出口側は容器に貯留されたシーリング剤の液面から常に上方に突出するように、つまり、必要量のシーリング剤を充填された状態においてライザーチューブの出口側が液面を突出するように、ライザーチューブの長さは適宜設定される。ホースの入口側はコンプレッサの出口に液密に連結される。
コンプレッサは、レシプロ式、スクロール式、ベーン式のいずれであってもよく外部空気を圧縮して、ホース内に圧縮された空気を供給するものである。
容器の下底面には円形状の孔部である出口が設けられ、出口には出口バルブを介してホースの入口側が液密に連通され、ホースの出口側はコネクタが液密に連通されている。タイヤバルブは、図1に示すタイヤ1のビード部を支持するビードシート部、ハンプ部を備えるホイールに設けられて、タイヤ1内に空気を充填するためのバルブである。
上述したような応急修理装置においては、まず入口バルブ及び出口バルブをともに閉位置とした状態で、コネクタの雄ネジ部をタイヤバルブの雌ネジ部に螺合させて液密に連結して、コンプレッサを起動させて圧縮された空気をホースに供給してホース内に空気を供給して充填する。
このように空気がホース内に充填された状態で入口バルブ及び出口バルブを開位置とすると、ホース内の空気はライザーチューブを通過して容器内のシーリング剤の液面より上部に形成される上空間に、圧縮された空気が送り込まれ、上空間に充填された圧縮された空気によりシーリング剤の液面は下方に押し下げられて、シーリング剤は出口、出口バルブ、ホース、コネクタ、タイヤバルブを介してタイヤ1内に注入される。
容器内のシーリング剤の液面が圧縮された空気により、容器の下底面に到達して、必要量のシーリング剤の全てが容器からホースに送出されると、コンプレッサにより発生される圧縮された空気は、ホース、入口バルブ、ライザーチューブ、容器、出口を介してホースに供給され、供給された圧縮された空気により、ホース内のシーリング剤は、ホース、コネクタ、タイヤバルブを通過してタイヤ1内部に注入され、必要量のシーリング剤の全てがタイヤ1内に注入される。このようにタイヤ1内にシーリング剤を注入してパンクしたタイヤ1の有する穴をシールする注入処理がまず実行された後、圧縮された空気がタイヤ1内に供給処理の一部が実行される。
この注入処理によりタイヤ1の内部にシーリング剤が注入されて、注入されたシーリング剤は図3の右肩部及び図4中右側に示すように、重力と周方向傾斜溝9の案内作用に基づいて、サイドウォール部5、ショルダー部4を介してトレッド部3の内周側に一旦案内されて、接地面近傍のインナーライナー7の内周側に一旦貯留される。
必要量のシーリング剤の全てがタイヤ1内に注入された後において、車両を予備走行させるとタイヤ1は回転されて、図3の左肩部及び図4中左側に示すように、一旦貯留されたシーリング剤はタイヤ1の回転に伴う遠心力と重力による周方向溝8と周方向傾斜溝9の案内作用に基づいて、タイヤ1のインナーライナー7の内周面全体に案内され拡散される。
なお、図3中右肩部及び図4中右側に示すシーリング剤の流れは、同時間において、図3中左肩部及び図4中左側においても発生しており、図3中左肩部及び図4中左側に示すシーリング剤の流れは、同時間において、図3中右肩部及び図4中右側においても発生している。単に図示の都合上、図3中右肩部及び図4中右側において、シーリング剤の注入後タイヤ1が停止している期間のシーリング剤の流れを示し、図3中左肩部及び図4中左側において、その後の予備走行時、走行時におけるシーリング剤の流れを示すこととしている。
穴にシーリング剤が充填されてシールが実行された後、ホース、コネクタ、タイヤバルブにはシーリング剤が残留していない状態となり、コンプレッサが発生した圧縮された空気は、ホース、入口バルブ、ライザーチューブ、容器、出口、出口バルブ、ホース、コネクタ、タイヤバルブを介してタイヤ1内に供給される。これに伴って、タイヤ1内の空気圧は設定空気圧まで昇圧される。このようにして注入処理を経て穴がシールされた後のタイヤ1内に空気を供給する供給処理が実行される。
以上述べた本実施例のタイヤ1によれば、前述したような応急修理装置による応急修理を実行するにあたり、以下のような作用効果を得ることができる。つまりタイヤ1内にシーリング剤をコンプレッサの動作に基づいて注入した場合において、タイヤ1の内周面を構成するインナーライナー7に設けられた周方向溝8及び周方向傾斜溝9による重力及び遠心力に基づく案内作用に基づいて、シーリング剤をインナーライナー7の内周面全体に拡散させて行き渡らせることができる。
より具体的には、タイヤ1にシーリング剤を注入する注入処理を実行している最中においては車両が停止していて、タイヤ1は回転せず停止しているので、タイヤ1内に注入されたシーリング剤は、インナーライナー7の内周面の周方向に設けられた周方向溝8と、周方向に傾斜して設けられた周方向傾斜溝9により、タイヤ1の接地面近傍のインナーライナー7上の空間の下部に一旦貯留されることとなる。
この後において、タイヤ1を備える車両が予備走行を行って、タイヤ1が回転している場合において、タイヤ1内に注入されたシーリング剤は、周方向溝8及び周方向傾斜溝9の重力及び遠心力に基づく案内作用に基づいて、インナーライナー7の内周面全体に行き渡らせることができる。これにより、シーリング剤の注入処理後において、タイヤ1のパンクの原因となった穴をシーリング剤の充填により迅速に閉塞してシールすることができる。
さらに、パンクの原因となったタイヤ1の穴を閉塞してシールした後において余ったシーリング剤は、タイヤ1内に残留されることとなり、タイヤ1が静止している場合には接地面近傍のインナーライナー7上の空間に貯留されて滞留していることとなるが、シーリング剤を、周方向溝8及び周方向傾斜溝9の重力及び遠心力に基づく案内作用に基づいて、タイヤ1の回転時において周方向の一箇所に集中させて位置させることなく、インナーライナー7の内周面全体に拡散させて行き渡らせることができるため、タイヤ1内において余ったシーリング剤の偏在が生じて、アンバランスによる振動が発生することを防止することができる。
特には、図3に示すように、タイヤ1を構成するインナーライナー7の内周側に騒音防止用の吸音スポンジ10が配置される場合においては、従来の内周面が平坦であるインナーライナーでは、シーリング剤を注入した場合、その後の予備走行時、その後の走行時全てにおいて、インナーライナー7の内周面上においてシーリング剤が移動するための隙間が確保できないことから、予備走行時におけるシーリング剤の十分な拡散と、走行時におけるシーリング剤の十分な拡散と偏在の防止つまりアンバランスの防止を図ることができなかったが、本実施例のようにインナーライナー7の内周面に適宜周方向溝8と周方向傾斜溝9を設けることにより、シーリング剤の拡散及び移動経路を確保して、シーリング剤の十分な拡散と、偏在の防止を図ることができる。
ここで、本実施例においては、周方向溝8と周方向傾斜溝9の、幅方向及び周方向における延在形態を、タイヤ赤道面近傍に二条の周方向溝8を設け、周方向溝8の両側に周方向傾斜溝9を設ける形態としているが、これらの形態は、タイヤ成型時の製造段階におけるインナーライナー7の製造容易性や要求されるシーリング剤の拡散性能等に基づき適宜決定することができる。
なお、タイヤ1が回転することに伴って、タイヤ1内の内周面全体にシーリング剤を十分に拡散させて行き渡らせるにあたっては、周方向溝8による周方向へのシーリング剤の拡散作用と、周方向傾斜溝9による幅方向へのシーリング剤の拡散機能のバランスを取ることが重要となり、タイヤ1内の赤道面近傍において周方向への拡散機能を主に分担させ、幅方向外側において幅方向への拡散機能を主に分担させることが有利となることから、タイヤ1内の赤道面近傍に複数条の周方向溝8を配置し、周方向溝8の幅方向外側に周方向傾斜溝9を設けることが一般的である。
また、本実施例のタイヤ1のインナーライナー7の内周面の形態を示す図2及び図4においては、周方向溝8と周方向傾斜溝9とは連結せず繋がっていないが、周方向溝8と周方向傾斜溝9とは繋がっていることとしてもよい。この場合の連結点は周方向傾斜溝9の回転方向側に適宜構成することとなる。
なお、カーカスの外周側に備えられるトレッド部3の外周面に備えられる、走行時の路面との水膜を除去するためのパターンにおいては、路面と接触することから、路面走行時のパターン音の発生、偏摩耗の発生は考慮する必要が生じるため、周方向溝8と周方向傾斜溝9とを繋げて連結することはタイヤ1の耐久性から一定の制限がかかるが、インナーライナー7における周方向溝8と周方向傾斜溝9によるパターンは路面との接触がないことから、シーリング剤の拡散性能のみを考慮すればよく、パターン音の発生や偏摩耗の発生を考慮する必要がないため、拡散性能のみを考慮した比較的自由度の高い設計を行うことができる。
さらに、本実施例においては、周方向傾斜溝9は進行方向側を湾曲させて湾曲部9aを含み、周方向に複数の周方向傾斜溝9を所定ピッチにて配列して、所定ピッチ毎の周方向傾斜溝9の進行方向側端9aeを、一所定ピッチ前方の周方向傾斜溝9の進行方向中と部分に連結させ繋げる形態としていることにより、周方向溝8の両側のインナーライナー7の内周面のシーリング剤をより円滑に周方向傾斜溝9に導いて、周方向傾斜溝9の幅方向外側端に向けてシーリング剤を周方向及び幅方向に均一に拡散させて、タイヤ1内部に均等に行き渡らせることができる。
特に、現状の応急修理装置、つまり、シーリング剤を充填してタイヤのパンクの原因となった穴を閉塞するシーリングポンプアップ装置においては、シーリング剤を注入する注入処理において、タイヤ1の穴の位置を特定することが難しく、シーリング剤をタイヤ1の穴が発生している部分に限定して集中的に注入することが難しいことから、注入後の予備走行によるシーリング剤の拡散と、シール後に余ったシーリング剤に起因するアンバランスが問題となりやすいため、本実施例のタイヤ1はこれらを解決する上で有用なものである。
さらに、本実施例のタイヤ1によれば、タイヤ1を構成する部材の内、トレッド部3、ショルダー部4、サイドウォール部5等に比して、タイヤ1内の空気圧を保持するのみで走行性能にはダイレクトに影響しにくい、設計の自由度の高いインナーライナー7又は吸音スポンジ10に、周方向溝及び周方向傾斜溝を適宜設定することにより、シーリング剤の拡散効果を実現することができるので、比較的軽微な変更のみにより所望の拡散効果を得ることができる。
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
例えば、吸音スポンジを内部に含むタイヤ1においては、インナーライナー7の内周面に、周方向溝8及び周方向傾斜溝9を設けることに換えて、吸音スポンジ10のインナーライナー7の内周面に接触する外周面に、周方向溝、周方向傾斜溝を設けることもできる。
また、インナーライナー7の内周面に設ける周方向溝8及び周方向傾斜溝9の設置範囲は、トレッド部3の内周側のみならず、ショルダー部4、サイドウォール部5の内側に拡大させることもできる。
本発明は、自動車のタイヤのパンクが発生した場合に適用される応急修理装置に適用されるタイヤに関するものであり、応急修理装置を用いた応急修理に適応させたタイヤを提供することができるので、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に適用して有益なものである。
1 タイヤ
2 カーカス
3 トレッド部
4 ショルダー部
5 サイドウォール部
6 ビード部
7 インナーライナー
8 周方向溝
9 周方向傾斜溝
9a 湾曲部
9ae 回転方向側端
10 吸音スポンジ

Claims (1)

  1. 内周面を構成するインナーライナーと、前記内周面全体に亘って修理液を均一に拡散する、周方向溝と、前記周方向溝に対して傾斜する周方向傾斜溝と、を含むことを特徴とするタイヤ。
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