JP2010194664A - インパクト回転工具 - Google Patents

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秀規 清水
Fumiaki Sawano
史明 沢野
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Abstract

【課題】 メンテナンス時期の判定精度の向上したインパクト回転工具を提供する。
【解決手段】 本発明のインパクト回転工具は、ハンマ21及びアンビル22からなるインパクト機構2を備えたものである。そして、インパクト機構2の打撃により生じる振動を検出する振動検出部32と、振動検出部32で検出した振動の周波数分析を行う振動分析部と、振動分析部による分析結果を所定の設定値Nと比較してメンテナンス時期を判定する判定部と、を備えた。これにより、周波数Sからインパクト機構2の摩耗等のインパクト回転工具の劣化に基づいたメンテナンス時期を判定でき、判定精度を向上することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インパクト回転工具、殊にインパクト回転工具のメンテナンス時期を判定するための制御に関するものである。
従来から、ボルトナットやねじ等の固定具の締め付け作業を行う回転工具として、モータに回転駆動されるハンマと、出力軸に設けたアンビルとを衝撃的に係合させることで回転駆動を伝達するインパクト機構を備えたインパクト回転工具があった。
インパクト回転工具はハンマによるアンビルへの打撃によって回転駆動を伝達しているため、インパクト機構の摩耗や打撃による振動で内蔵部品の保持固定が緩む等の不具合を生じることがあった。
そこで、特許文献1に示すように、メインスイッチの操作回数やモータの稼働時間等からインパクト回転工具のメンテナンス時期を判定することで、不具合の生じた回転工具での作業を防止していた。
特開2002−18744号公報
しかしながら、インパクト回転工具は高回転・高トルクであるため、様々な作業負荷で使用されていた。
そのため、特許文献1のように操作回数や稼働時間等ではインパクト機構の摩耗等の作業負荷の影響を強く受ける部位の劣化状況を正確に把握できず、判定精度が低いという問題があった。
そこで、本発明は上記問題に鑑みて発明したものであり、インパクト機構の打撃により生じる振動をメンテナンス時期の判定に用いることで、作業負荷に基づいた判定を行える判定精度の向上したインパクト回転工具を提供することを課題とした。
上記課題を解決するために、本発明のインパクト回転工具は、ハンマ21及びアンビル22からなるインパクト機構2を備えたものである。そして、インパクト機構2の打撃により生じる振動を検出する振動検出部32と、振動検出部32で検出した振動の周波数分析を行う振動分析部と、振動分析部による分析結果を所定の設定値Nと比較してメンテナンス時期を判定する判定部と、を備えたものであることを特徴としている。
このような構成としたことで、インパクト機構2の摩耗等のインパクト回転工具の使用に伴う劣化の影響を受ける振動からメンテナンス時期の判定を行うことができる。
また、請求項2に係る発明は、設定値Nを変更する設定変更部を備えたものであることを特徴としている。
また、請求項3に係る発明は、判定部によるメンテナンス時期の判定結果を外部に出力する出力部を備えたものであることを特徴としている。
また、請求項4に係る発明は、判定部はモータ12停止直前の所定の時間に検出された振動からメンテナンス時期の判定を行うものであることを特徴としている。
また、請求項5に係る発明は、インパクト機構2の打撃を検知しカウントする打撃数検知部を備えており、判定部が所定の打撃数毎にメンテナンス時期の判定を行うものであることを特徴としている。
上記のように、本発明の請求項1に係るインパクト回転工具は、周波数の分析結果からインパクト機構の摩耗等のインパクト回転工具の使用に伴う劣化に基づいたメンテナンス時期の判定を行うことができ、判定精度の向上したものとなっている。
また、請求項2に係る発明は、判定基準となる設定値を変更可能としたことで、メンテナンス時期の判定条件をインパクト回転工具の作業内容等の所望の条件に対応したものに変更することができ、判定精度及び使い勝手を向上させることができる。
また、請求項3に係る発明は、判定結果を外部に出力可能としたことで、メンテナンス時期を容易に把握することができる。
また、請求項4に係る発明は、インパクト回転工具による作業完了の目安となるモータ停止直前の振動からメンテナンス時期の判定を行ったことで、作業負荷の安定した振動でメンテナンス時期の判定を行え、より判定精度を向上させることができる。
また、請求項5に係る発明は、インパクト機構の打撃数を検知可能としたことで、一定打撃数毎に判定するため、判定条件を一定に保つことができ、判定精度をより向上させることができる。
本発明のインパクト回転工具の一部を省略した断面図である。 同上のメンテナンス時期の判定を行う制御部及びその周辺部品のブロック図である。 同上の振動検出部の検出情報の説明図である。 同上の制御部が分析した周波数の説明図であり、点線が劣化前の初期状態であり、実線が劣化後の要メンテンナス状態である。 同上の初期状態における周波数毎の加速度を設定値とした説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
本発明のインパクト回転工具は、図1に示すように、モータ12からの回転駆動を減速する減速部13と、減速された回転駆動を伝達する駆動軸14と、駆動軸14からの回転駆動を出力軸15に伝達するインパクト機構2と、を備えたものである。
詳しくは、駆動軸14にカム係合したハンマ21と、出力軸15に設けたアンビル22と、ハンマ21をアンビル22側に付勢するハンマバネと、からなるインパクト機構2をモータ12及び減速部13と共にハウジング1内に備えたものである。
そして、インパクト機構2は作業負荷である出力軸15にかかる負荷が小さいとハンマ21とアンビル22とが係合したまま回転して回転駆動を伝達する。
しかし、上記負荷が大きいとハンマ21とアンビル22との係合が打撃動作を伴って回転駆動を伝達するものとなる。
なお、符号16はモータ12に電力を供給する電源部であり、符号11は電源部16からの電力供給のオン・オフ操作を行うトリガスイッチである。
また、ハウジング1内部には、図2に示すように、インパクト動作で生じた振動を検出する振動検出部32と、検出結果からメンテナンス時期を判定する制御部31と、制御部31の判定基準を変更する設定部34と、判定結果を報知する報知部33と、が設けてある。
上記振動検出部32はハウジング1のモータ12の外周を保持する部位に設けてあり、インパクト機構2の打撃動作により生じた振動を検出すると共に、検出結果を制御部31に出力するものである。
そして、振動検出部32が出力する検出結果は、例えば図3に示すように、振動の加速度Aを検出したものであり、インパクト機構2の打撃動作毎にピークを有する波形信号となっている。
また、振動検出部32はインパクト機構2の振動を直接検出せずに、インパクト機構2からハウジング1を介して伝達された振動を検出しており、該振動は減速部13等のハウジング1に内蔵した部品の保持状態の影響を受けたものとなっている。
つまり、ハウジング1と内蔵部品との保持部(特に図示しない)や固定具(特に図示しない)の摩耗や緩み等の劣化によって、ハウジング1の内蔵部品に対する保持力が低下すると、検出される振動に変化が生じるものとなっている。
また、制御部31は振動検出部32から入力された検出結果を周波数分析して、例えば図4及び図5に示すように、周波数S毎の加速度A及びメンテナンス時期の判定基準となる設定値Nを算出している。
例えば、図4中の点線に示すように、制御部31は判定基準となる出荷直前等の劣化前の初期状態で振動検出部32に振動を検出させた後、検出結果を1/3オクターブ分析して各周波数S域の加速度Aを算出することで周波数分析を行っている。
そして、図5に示すように、演算部31は上記初期状態の算出結果を設定値Nに設定すると共に、各設定値Nの±10%を周波数S毎の各加速度Aの許容範囲として記憶し、上記許容範囲をメンテナンス時期の判定基準として用いるものである。
上記設定値N及び設定値Nの許容範囲を記憶すると、制御部31は以後振動検出部32が検出した振動に対して周波数分析後に上記許容範囲を用いてメンテナンス時期の判定を行うものとなっている。
つまり、上記許容範囲決定後、振動検出部32がねじ締め作業等により生じた振動を検出して検出結果を制御部31に入力すると、制御部31は入力された検出結果を周波数分析した後、分析結果が上記許容範囲に収まるか否かの判定を行う。
このとき、図4中の実線に示すように、インパクト機構2のハンマ21とアンビル22との互いの係合部位が摩耗する等のインパクト回転工具が劣化した状態では分析結果の中に各設定値Nの許容範囲に収まらない加速度Aが生じることとなる。
そして、上記分析結果の中に許容範囲内に収まらないものが生じると、制御部31は許容範囲外の加速度Aの周波数Sの数をカウントし、カウントした数が所定数を超えていると、メンテナンス時期であると判定を下すものとなっている。
なお、上記周波数分析や設定値Nの許容範囲等で数値を記載しているが、特に限定するものではなく例示に過ぎず適宜設定変更可能なものである。
また、制御部31はメンテナンス時期であると判定を下すと、モータ駆動調整部(特に図示しない)及び報知部33に上記判定結果に基づいた出力信号を出力する。
そして、上記出力信号を受けたモータ駆動調整部はモータ12への電力供給を遮断することで、メンテナンスが行われるまで不具合の生じているインパクト回転工具での作業を禁止するものとなっている。
また、上記出力信号を受けた報知部33は表示や音により外部へメンテナンス時期であることを報知して、インパクト回転工具に生じた不具合の解消を指示するものとなっている。
なお、上記出力信号を受ける出力部はモータ駆動調整部や報知部33に限らず、インパクト回転工具を用いて製品の生産を行っているラインや工場の生産管理コンピュータ等の外部端末に無線装置等を介して出力するものであってもよい。
また、周波数S毎の加速度Aは作業負荷により異なるものであるため、判定基準である設定値Nは作業負荷毎に変化させる必要があり、上記設定部34により設定値Nを切り替えることで各作業負荷に対応するものとなっている。
つまり、制御部31は複数の設定値Nを記憶しており、設定部34で設定値Nを切り替えることで、インパクト回転工具が行う作業内容に合った設定値Nに変更され、作業負荷に対応した条件で判定を行えるものとなっている。
また、上記メンテナンス時期の判定は締め付け作業の完了直前等の加速度Aの変化が安定する状態の振動から行われることが好ましい。
そこで、例えば制御部31が図3に示す波形信号のピーク回数をカウントすることで、締め付けトルクやインパクト機構2の打撃数を算出することができるため、算出値が所定値となった際にメンテナンス時期の判定を行うものとしてもよい。
つまり、制御部31は振動検出部32の検出結果から締め付けトルクあるいは打撃数を常時算出すると共に、算出した値と予め与えられた所定値とを比較している。
そして、上記算出値が所定値と略一致すると、加速度Aの変化が安定したメンテナンス時期の判定に使用可能な状態であるとして、該算出値の算出に用いた検出結果を周波数分析して、分析結果からメンテナンス時期の判定を行うものである。
また、従来から複数のねじを均一に締め付けるために前述のモータ駆動調整部により打撃数が使用者により設定された所定の回数に達すると、モータ12の駆動を遮断するものがある。
上述のように一定打撃数毎に毎回モータ12が停止するものでは、モータ12停止時が作業完了時であるため、モータ12の停止を制御部31が判断することができる。
そのため、制御部31はモータ12の停止直前の所定の時間に検出された振動を用いて、メンテナンス時期の判定を行うことができる。
また、毎回同一条件でのメンテナンス時期の判定を行うことができるため、メンテナンス時期に到達する打撃数を演算して推移することができ、事前に予想メンテナンス時期を報知する等の制御もでき好ましい。
もちろん、制御部31が打撃数を算出せずに、インパクト機構2の打撃を検知しカウントする打撃数検知部を別途インパクト回転工具に設けてもよい。
特に、打撃数検知部やモータ駆動調整部は従来から回転工具に内蔵されたものであり、新たに装置を増設せずに済むため、インパクト回転工具の内部構造の複雑化や生産費用の増加を抑えることができる。
このように、インパクト機構2の打撃動作により生じる振動から周波数分析してメンテナンス時期の判定を行うことで、作業負荷に伴うインパクト機構2の劣化に基づいて、メンテナンス時期を判定するものとなっている。
また、インパクト機構2からの振動を振動検出部32がハウジング1を介して間接的に検出することで、検出される振動が内蔵部品に対するハウジング1の保持状態の影響を受けたものとなり、内蔵部品の保持状態を加味して判定することができる。
そして、振動検出部32が加速度Aで振動を検出することで、周波数Sの高いものほど出力強度が大きくなるため、検出結果が内蔵部品のハウジング1との保持状態による影響を受け易いものとなっており、メンテナンス時期の判定精度が向上している。
また、メンテナンス時期の判定に用いる設定値Nを切替可能とした設定部34を設けたことで、作業内容に合わせて設定値Nを切り替えることで、作業負荷に合ったメンテナンス時期の判定が可能となっている。
また更に、打撃数や締め付けトルクからモータ12停止直前等の作業完了直前の加速度Aの変化が安定した状態を制御部31が把握することで、判定に用いる振動の負荷条件を一定に保て、安定した負荷条件での判定を行え、判定精度が向上している。
1 ハウジング
11 トリガスイッチ
12 モータ
13 減速部
14 駆動軸
15 出力軸
16 電源部
2 インパクト機構
21 ハンマ
22 アンビル
31 制御部
32 振動検出部
33 報知部
34 設定部
A 加速度
S 周波数
N 設定値

Claims (5)

  1. ハンマ及びアンビルからなるインパクト機構を備えたものであり、上記インパクト機構の打撃により生じる振動を検出する振動検出部と、振動検出部で検出した振動の周波数分析を行う振動分析部と、振動分析部による分析結果を所定の設定値と比較してメンテナンス時期を判定する判定部と、を備えたものであることを特徴とするインパクト回転工具。
  2. 前記設定値を変更する設定変更部を備えたものであることを特徴とする請求項1に記載のインパクト回転工具。
  3. 前記判定部によるメンテナンス時期の判定結果を外部に出力する出力部を備えたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインパクト回転工具。
  4. 前記判定部はモータ停止直前の所定の時間に検出された振動からメンテナンス時期の判定を行うものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインパクト回転工具。
  5. 前記インパクト機構の打撃を検知しカウントする打撃数検知部を備えており、前記判定部が所定の打撃数毎にメンテナンス時期の判定を行うものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインパクト回転工具。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105682858A (zh) * 2013-06-12 2016-06-15 阿特拉斯·科普柯工业技术公司 用于诊断转矩脉冲发生器的方法
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JP2018122429A (ja) * 2018-03-19 2018-08-09 パナソニックIpマネジメント株式会社 工具及び工具システム
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