JP2010194623A - ねじ研削盤及びねじ溝研削方法 - Google Patents

ねじ研削盤及びねじ溝研削方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010194623A
JP2010194623A JP2009039293A JP2009039293A JP2010194623A JP 2010194623 A JP2010194623 A JP 2010194623A JP 2009039293 A JP2009039293 A JP 2009039293A JP 2009039293 A JP2009039293 A JP 2009039293A JP 2010194623 A JP2010194623 A JP 2010194623A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thread groove
workpiece
rotation axis
grindstone
thread
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009039293A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Yoshimi
隆行 吉見
Satoshi Okubo
聡 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2009039293A priority Critical patent/JP2010194623A/ja
Publication of JP2010194623A publication Critical patent/JP2010194623A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ねじ溝の位置に砥石を自動的に位置決めすることが可能であり、且つ加工精度を自動的に測定できるとともに加工時間が長くなることを抑制し、測定の結果得られた補正を当該ワークの加工に反映可能なねじ研削盤、及びねじ溝研削方法を提供する。
【解決手段】一部の円筒面を周回するように形成されたねじ溝NMを有する略円筒状のワークWをワーク回転軸CZ回りに回転可能に支持する支持手段と、ねじ溝を仕上げ研削する砥石Tと、リード方向移動手段と、切り込み方向移動手段と、を備え、ねじ溝NMの研削時におけるワークWと砥石Tとの接点である加工点Kpから、ワーク回転軸CZ方向にねじ溝NMのリード幅Lpに対応した距離だけ離れた位置に、物体に接触することなく物体までの距離に応じた検出信号を出力する非接触変位検出手段S1が、ワークWの方向に向けて設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、円筒状のワークの一部の円筒面を周回するように形成されたねじ溝を仕上げ研削するねじ研削盤、及びねじ溝研削方法に関する。
従来のねじ研削盤を用いたねじ溝(本明細書では例としてボールねじ用のねじ溝について説明する)の仕上げ研削では、砥石とねじ溝との位相合わせは、作業者が目視しながら手動操作にて砥石をねじ溝の位置に移動させているのが一般的である。
なお、ねじ溝の1溝のみを測定する自動位相合わせ装置もあるが、ワーク形状が異なる場合(ワークの径が異なる場合等)は段取替えが必要であり、手間がかかる。
また図6(A)に示すように、加工精度の一つであるオーバーボール径の測定には、対象とするワークWのねじ溝NMに対応するボールと同じ径を有する平行な2本のピンHをねじ溝に入れてワークWを挟み、そのピンHの径を含めた間隔を測定している。
また図6(B)に示すように、加工後のねじ溝NM(ボールねじのねじ溝)にボールBを入れた場合、一般的にはねじ溝NMとボールBとの接点が、点PL及び点PRの2点となるようにねじ溝NMの形状を設定している。加工精度の一つであるねじ溝形状の測定として、点PLの位置、点PRの位置、及び円弧PL−PRの径(すなわち、ねじ溝NMの形状)の測定を必要としている。
そして、これらの測定時には、加工後または仕上げ研削前に工作機械を停止させて作業者が手動で測定しており、測定の結果によって得た補正値を、次のワークの加工に反映している。
また、例えば特許文献1に記載された従来技術では、ねじ溝に対して昇降自在、且つ進退自在に設けられた非接触型の距離検出用のセンサをねじ軸の径方向、軸方向、回転方向に移動させて、当該センサに対向しているねじ溝の両肩部の位置を、ねじ軸回転方向と水平方向とで検出してねじ溝の中心位置を割り出し、自動的にねじ溝の中心位置に砥石を位置決めする、ボールねじ軸の溝位置合わせ装置が開示されている。
特開2001−269863号公報
作業者の目視による手動操作でのねじ溝への砥石の位置合わせや、ねじ溝形状の測定には、異なる作業者間の熟練度の差によるバラツキや、同一作業者でも発生する作業毎のバラツキがあるため、安定した品質を得ることは困難である。また、前記した位相合わせや、加工精度の測定時に工作機械を停止させる必要があるので、加工時間が長くなる。更に、加工後に加工精度を測定して次の加工に補正を反映する方法では、量産加工の場合、不良品の発生頻度が高くなる可能性がある。
例えば砥石が摩耗した場合、オーバーボール径やねじ溝の形状等の加工精度が悪化するが、加工後に測定する場合は不良品の発生頻度が高くなる。また、これを防止するためには砥石のツルーイングインターバルを短くして摩耗が進む前に砥石をツルーイングすればよいが、工具コストが高くなる。
また、特許文献1に記載された従来技術は、ねじ溝の位置を測定して砥石の位置決めを自動的に行う自動位相合わせ装置であり、加工前の砥石の位置決め精度を向上させてバラツキなく安定した位置決めを行うことができるが、装置が大型化する。また、加工後の加工精度の測定に当該センサを用いてねじ溝の深さを測定することも可能と考えられるが、加工と測定を同時に行うものではなく、加工が終わってから測定を開始するので、加工時間が長くなる。更に、同一ワークにて、加工−測定−補正を反映した加工を繰り返すと加工時間が非常に長くなる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、ねじ溝の位置に砥石を自動的に位置決めすることが可能であり、且つ加工精度を自動的に測定できるとともに加工時間が長くなることを抑制し、測定の結果得られた補正を当該ワークの加工に反映可能なねじ研削盤、及びねじ溝研削方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのねじ研削盤である。
請求項1に記載のねじ研削盤は、少なくとも一部の円筒面を周回するように形成されたねじ溝を有する略円筒状のワークをワーク回転軸回りに回転可能に支持する支持手段と、略円筒状の形状を有するとともに回転可能に支持され、外周面にて前記ねじ溝を仕上げ研削する砥石と、前記支持手段にて支持した前記ワークに対して前記砥石を前記ワーク回転軸方向に相対的に移動させるリード方向移動手段と、前記支持手段にて支持した前記ワークに対して前記砥石を前記ワーク回転軸に交差する方向に相対的に移動させる切り込み方向移動手段と、を備えたねじ研削盤である。
前記ねじ溝の研削時における前記ワークと前記砥石との接点である加工点から、前記ワーク回転軸方向に前記ねじ溝のリード幅に対応した距離だけ離れた位置に、物体に接触することなく前記物体までの距離に応じた検出信号を出力する非接触変位検出手段が、前記ワークの方向に向けて設けられている。
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのねじ研削盤である。
請求項2に記載のねじ研削盤は、請求項1に記載のねじ研削盤であって、前記非接触変位検出手段は複数設けられており、それぞれの非接触変位検出手段は、前記加工点から前記リード幅に対応したそれぞれの距離だけ離れるように、前記ワーク回転軸方向に沿って一列に設けられている。
そして、それぞれの非接触変位検出手段にて、前記ねじ溝の任意の位置における前記ワーク回転軸方向の凹形状に対して、それぞれ異なる個所までの距離を検出可能とするために、隣り合う非接触変位検出手段における前記ワーク回転軸方向の間隔は、それぞれ異なる間隔に設定されている。
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのねじ研削盤である。
請求項3に記載のねじ研削盤は、請求項1または2に記載のねじ研削盤であって、少なくとも1つの非接触変位検出手段は、前記ワーク回転軸に直交する方向に対して、前記ワーク回転軸方向に所定の傾斜角度を有するように設けられて、当該非接触変位検出手段にて前記ねじ溝の一方の側面の近傍までの距離を検出可能となるように設けられている。
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのねじ溝研削方法である。
請求項4に記載のねじ溝研削方法は、請求項1に記載のねじ研削盤を用いたねじ溝研削方法であって、以下のステップを有する。
前記ワークを静止させた状態にて、前記ワークに対して前記非接触変位検出手段を相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させながら検出信号に基づいて特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の形状を測定するステップ。
測定した前記特定位置のねじ溝の形状に基づいて、当該特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の中心位置を求めるステップ。
求めた前記特定位置のねじ溝の中心位置に前記加工点が一致するように、前記ワークに対する前記砥石の相対位置を位置決めするステップ。
更に、前記ワークを前記ワーク回転軸回りに回転させるとともに、前記ワークに対する前記砥石の位置を、前記ねじ溝のリード幅と前記ワーク回転軸回りの回転速度とに基づいて、相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させ、前記ねじ溝を研削しながら前記非接触変位検出手段の検出信号を取り込んで、前記非接触変位検出手段の先端部から前記ねじ溝までの距離を連続的に測定し、前記ねじ溝の深さを連続的に測定するステップ。
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりのねじ溝研削方法である。
請求項5に記載のねじ溝研削方法は、請求項2に記載のねじ研削盤を用いたねじ溝研削方法であって、以下のステップを有する。
前記ワークを静止させた状態にて、前記ワークに対して複数の前記非接触変位検出手段を相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させながら検出信号に基づいて特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の形状を測定するステップ。
測定した前記特定位置のねじ溝の形状に基づいて、当該特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の中心位置を求めるステップ。
求めた前記特定位置のねじ溝の中心位置に前記加工点が一致するように、前記ワークに対する前記砥石の相対位置を位置決めするステップ。
更に、前記ワークを前記ワーク回転軸回りに回転させるとともに、前記ワークに対する前記砥石の位置を、前記ねじ溝のリード幅と前記ワーク回転軸回りの回転速度とに基づいて、相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させ、前記ねじ溝を研削しながら複数の前記非接触変位検出手段のそれぞれの検出信号を取り込んで、それぞれの非接触変位検出手段の先端部から前記ねじ溝までのそれぞれの距離を連続的に測定し、前記ねじ溝における前記ワーク回転軸方向の凹形状を連続的に測定するステップ。
また、本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりのねじ溝研削方法である。
請求項6に記載のねじ溝研削方法は、請求項3に記載のねじ研削盤を用いたねじ溝研削方法であって、以下のステップを有する。
前記ワークを静止させた状態にて、前記ワークに対して単数または複数の前記非接触変位検出手段を相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させながら検出信号に基づいて特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の形状を測定するステップ。
測定した前記特定位置のねじ溝の形状に基づいて、当該特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の中心位置を求めるステップ。
求めた前記特定位置のねじ溝の中心位置に前記加工点が一致するように、前記ワークに対する前記砥石の相対位置を位置決めするステップ。
更に、前記ワークを前記ワーク回転軸回りに回転させるとともに、前記ワークに対する前記砥石の位置を、前記ねじ溝のリード幅と前記ワーク回転軸回りの回転速度とに基づいて、相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させ、前記ねじ溝を研削しながら単数または複数の前記非接触変位検出手段のそれぞれの検出信号を取り込んで、それぞれの非接触変位検出手段の先端部から前記ねじ溝までのそれぞれの距離を連続的に測定し、前記ワーク回転軸方向に所定の傾斜角度を有するように設けた非接触変位検出手段による前記距離に基づいて前記ねじ溝における前記ワーク回転軸方向の位置を連続的に測定するステップ。
また、本発明の第7発明は、請求項7に記載されたとおりのねじ溝研削方法である。
請求項7に記載のねじ溝研削方法は、請求項5に記載のねじ溝研削方法であって、以下のステップを有する。
前記ねじ溝における前記ワーク回転軸方向の凹形状を連続的に測定し、測定した凹形状に基づいて前記砥石の摩耗量を推定するステップ。
推定した摩耗量に基づいて前記砥石をツルーイングすべきか否かを判定するステップ。
請求項1に記載のねじ研削盤を用いれば、加工前には図2(A)に示すように、非接触変位検出手段を用いてねじ溝の位置を測定することが可能であるため、ねじ溝の位置に砥石を自動的に位置決めすることが可能である。
また加工精度の測定については図2(B)に示すように、砥石で加工を行いながら非接触変位検出手段にて、加工とほぼ同時にねじ溝の深さを自動的に測定することが可能であり、加工中にオーバーボール径を測定することができる。また、往復させて加工することで、加工の直前または加工の直後のねじ溝の深さを測定することができる。
従って、加工時間が長くなることを抑制することができる。そして、測定結果から得られた補正を当該ワークの加工に反映することが可能となる。
また、請求項2に記載のねじ研削盤によれば、加工前には図2(A)と同様に、ねじ溝の位置を測定して砥石を自動的に位置決めすることが可能である。
また加工精度の測定については図3に示すように、砥石で加工を行いながら非接触変位検出手段にて、ねじ溝NMにおける異なる位置(S1〜S3)においてそれぞれの位置の深さを加工とほぼ同時に自動的に測定することが可能であり、加工中にオーバーボール径を測定できるとともに加工中にねじ溝の形状を測定することができる。また、往復させて加工することで、加工の直前または加工の直後の測定をすることができる。
従って、加工時間が長くなることを抑制することができる。そして、測定結果から得られた補正を当該ワークの加工に反映することが可能となる。
また、請求項3に記載のねじ研削盤によれば、加工前には図2(A)と同様に、ねじ溝の位置を測定して砥石を自動的に位置決めすることが可能である。
また加工精度の測定については図4に示すように、砥石で加工を行いながら非接触変位検出手段S1にてねじ溝NMの深さを測定し、非接触変位検出手段Skにてねじ溝NMのリード方向の位置を加工とほぼ同時に自動的に測定することが可能であり、加工中に、オーバーボール径の測定と、ねじ溝のリード方向の位置(熱変位等によるずれ)を測定することができる。また、往復させて加工することで、加工の直前または加工の直後の測定をすることができる。
従って、加工時間が長くなることを抑制することができる。そして、測定結果から得られた補正を当該ワークの加工に反映することが可能となる。
また、図5に示すように非接触変位検出手段Sk、S1〜S3を配置すれば、上記に加えて、加工を行いながらねじ溝NMの「形状」をも測定することができる。
また、請求項4に記載のねじ溝研削方法によれば、ねじ溝の位置を測定し、測定したねじ溝の位置に砥石を自動的に位置決めすることを容易に実現することができる。
また、砥石で加工を行いながら非接触変位検出手段にて、加工とほぼ同時にねじ溝のオーバーボール径を自動的に測定可能であり、測定結果から得られた補正を当該ワークの加工に反映することを容易に実現可能であり、加工時間が長くなることを抑制することができる。
また、請求項5に記載のねじ溝研削方法によれば、ねじ溝の位置を測定し、測定したねじ溝の位置に砥石を自動的に位置決めすることを容易に実現することができる。
また、砥石で加工を行いながら非接触変位検出手段にて、加工とほぼ同時にねじ溝のオーバーボール径に加えて「形状」も自動的に測定可能であり、測定結果から得られた補正を当該ワークの加工に反映することを容易に実現可能であり、加工時間が長くなることを抑制することができる。
また、請求項6に記載のねじ溝研削方法によれば、ねじ溝の位置を測定し、測定したねじ溝の位置に砥石を自動的に位置決めすることを容易に実現することができる。
また、砥石で加工を行いながら非接触変位検出手段にて、加工とほぼ同時にねじ溝のオーバーボール径に加えて、「リード方向の位置」、あるいは「リード方向の位置」と「形状」を自動的に測定可能であり、測定結果から得られた補正を当該ワークの加工に反映することを容易に実現可能であり、加工時間が長くなることを抑制することができる。
また、請求項7に記載のねじ溝研削方法によれば、ねじ溝におけるワーク回転軸方向の凹形状に基づいて砥石の摩耗量を推定することで、より適切に砥石のツルーイングタイミングを判定することができる。
これにより、不良品の発生頻度を低減することができるとともに、不要なツルーイングを減らすことができるので、加工時間をより短縮化することができる。
本発明のねじ研削盤1の一実施の形態における平面図(A)と側面図(B)の例を説明する図である。 ねじ溝NMの位置の測定方法(A)と、第1の実施の形態における、加工しながらねじ溝NMの深さを連続的に測定する方法(B)を説明する図である。 第2の実施の形態における、加工しながらねじ溝NMの形状を連続的に測定する方法を説明する図である。 第3の実施の形態における、加工しながらねじ溝NMの深さとリード方向の位置を連続的に測定する方法を説明する図である。 第3の実施の形態において、更に、加工しながらねじ溝NMのリード方向の位置に加えて、形状を連続的に測定する方法を説明する図である。 従来のねじ溝NMの精度の測定方法の例を説明する図である。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1(A)は、ワークWのねじ溝NMを仕上げ研削する、本発明のねじ研削盤1の一実施の形態における概略外観図(平面図)を示している。また、図1(B)は、図1(A)に示すねじ研削盤1の右側面図の例を示している。なお、図1(B)では心押装置40等の記載を省略している。
なお、本実施の形態の説明では、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Y軸は鉛直上方を示しており、X軸とZ軸は水平方向を示している。また、X軸は砥石TがワークWから離間する方向を示しており、Z軸は一対の支持手段(図1の例では、センタ部材30Cと、センタ部材40C)をとおる主軸回転軸方向を示している。
●[ねじ研削盤1の全体構成(図1)]
図1(A)及び(B)に、略円筒形状のワークWの少なくとも一部の円筒面を周回するように形成(粗研削等にて形成)されたねじ溝NMを仕上げ研削するねじ研削盤1の例を示す。なお、本実施の形態の説明では、ボールねじのねじ溝について説明する。
ねじ研削盤1は、基台2と、主軸テーブル20と、砥石テーブル10とを備えている。なお、各検出手段からの信号を取り込むとともに各モータに駆動信号を出力する数値制御装置等の制御手段は記載を省略している。
また、図1(A)及び(B)では、ワークWをワーク回転軸回りに回転可能に支持する支持手段が、センタ部材30C、40Cである場合の例を示しているが、センタ部材30C、40Cの少なくとも一方は、挿通されたワークを爪部にて把持可能なチャックであってもよい。
主軸テーブル20は、基台2に設けられた主軸テーブル駆動モータ20M(リード方向移動手段に相当)と送りねじ20B、及び主軸テーブル20に設けられたナット(図示省略)により、基台2に対してZ軸方向に移動可能であり、制御手段は、エンコーダ等の検出手段20Eの検出信号によって、基台2に対する主軸テーブル20のZ軸方向の位置を検出できる。なお、Z軸は、一対の支持手段(図1の例では、センタ部材30C、センタ部材40C)をとおる主軸回転軸CZ(以下、主軸回転軸CZをワーク回転軸CZと記載する)に平行な軸であり、送りねじ20BはZ軸と平行である。
主軸テーブル20の上には、主軸台30Dと心押台40Dが載置されている。
主軸台30Dには、主軸装置30をZ軸方向に往復移動可能な主軸移動モータ30Mが設けられており、制御手段は、エンコーダ等の検出手段30Eの検出信号によって、主軸台30Dに対する主軸装置30のZ軸方向の位置を検出できる。また、主軸装置30の先端には、心押装置40のセンタ部材40Cと一対となるセンタ部材30Cが設けられている。また、主軸装置30には、センタ部材30Cを回転させる主軸回転モータが設けられており、一対の支持手段(この場合、センタ部材30C、40C)にて支持したワークWをワーク回転軸CZ回りに回転させる。そして、主軸回転モータには、ワークWの回転角度または回転速度を検出する検出手段(エンコーダ等)が設けられている(主軸装置30と心押装置40は一対の支持装置に相当する)。なお、図1(A)の例では、ワークWは連結部材32にて主軸(センタ部材30Cと一体となって回転する部材)に接続されている。
心押台40Dには、心押装置40をZ軸方向に往復移動可能な心押装置移動手段42が設けられている。また、心押装置40の先端には、主軸装置30のセンタ部材30Cと一対となるセンタ部材40Cが設けられている。
また、ねじ研削盤1には、砥石Tの反対の側からワークWを支持する支持装置や、クーラントを加工個所に噴出するクーラントノズル等を備えているが、これらについては説明及び図示を省略する。
砥石テーブル10には、略円筒状の砥石Tを備えている。軸受12に設けられた砥石Tは、例えば鉄製のコアの外周にCBNチップ砥石が貼り付けられて整形されており、砥石テーブル10に載置された砥石駆動モータ11により、Z軸に平行な砥石回転軸TZを中心に回転する。
また、砥石テーブル10は、基台2に設けられた砥石テーブル駆動モータ10M(切り込み方向移動手段に相当)と送りねじ10B、及び砥石テーブル10に設けられたナット(図示省略)により、基台2に対してX軸方向に往復移動可能であり、ワーク回転軸CZに交差する方向に砥石Tを進退移動させる。なお、X軸は、前記Z軸に直交する方向の軸であり、送りねじ10BはX軸と平行である。
また、砥石テーブル駆動モータ10Mには砥石テーブル10のX軸方向の位置を検出する検出手段10E(エンコーダ等)が設けられている。
なお、図1(A)及び(B)の例では、砥石駆動モータ11には検出手段を設けていないが、砥石駆動モータ11にも速度検出手段等を設け、砥石駆動モータ11の回転速度をフィードバック制御することも可能である。
また、数値制御装置(図示省略)は、ワークWの回転角度(あるいは回転速度)を検出する検出手段(図示省略)からの信号、砥石テーブル10のX軸方向の位置を検出する検出手段10Eからの信号、主軸テーブル20のZ軸方向の位置を検出する検出手段20Eからの信号等と、加工データ及び加工プログラム等に基づいて、主軸回転モータ(図示省略)、砥石テーブル駆動モータ10M、主軸テーブル駆動モータ20M、砥石駆動モータ11を制御する。
本発明のねじ研削盤1の特徴は、図1(A)の部分拡大図、及び図1(B)の部分拡大図に示すように、物体に接触することなく先端部からの延長線上において前記物体までの距離に応じた検出信号を出力する非接触センサS1(非接触変位検出手段に相当し、レーザ光を用いて非接触で距離を測定するレーザ測定装置等)が、(砥石テーブル10の軸受12における)所定の位置に設けられていることが構造上の特徴である。
また、ねじ溝NMの研削時におけるワークWと砥石Tとの接点を加工点Kpとした場合、非接触センサS1の先端部はワーク回転軸CZと加工点Kpとを含む平面内にあり、非接触センサS1の先端部はワーク回転軸CZに直交する方向に向けられている。
更に、非接触センサS1における加工点KpからのZ軸方向(ワーク回転軸方向)の距離L1は、ねじ溝NMのリード幅Lpに対応した距離に設定されている(図1(A)の例では、距離L1=リード幅Lp−αに設定されており、図6(B)に示す点PLの位置におけるねじ溝NMの深さを測定する)。
●[第1の実施の形態(1個の非接触センサS1にて、ねじ溝NMにおける1個所の「深さ」を測定(図2))]
次に図2(A)及び(B)を用いて第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、非接触センサS1を1個設け、加工しながらねじ溝NMの所定個所の「深さ」を連続的に測定可能である。
図2(A)の例では、非接触センサS1におけるリード方向の位置は、砥石Tにおける加工点Kp(ワークWを研削した場合の加工点)から、ねじ溝NMのリード幅Lpに対して距離Lp−αだけ離れた位置としており、例えば当該位置は図6(B)における点PLの位置であり、ねじ溝NMにボールBを入れた場合にねじ溝NMとボールBとが接する位置の一方である。これにより、砥石Tで加工しながらねじ溝NMにおけるボールBとの接点となる位置の深さ(すなわち、オーバーボール径)を自動的、且つ連続的に測定することができる。なお、オーバーボール径の測定に加えて、振れや真円度の判定を行うこともできる。
[ねじ溝NMのリード方向の位置の測定と砥石Tの位置決め方法(図2(A))]
ねじ溝NMの仕上げ研削を行うため、まずねじ溝NMのリード方向の位置を測定する。
この場合、ワークWを回転させずに停止(静止)させておく。
最初のステップでは、ワークWに砥石Tが接触しないように、砥石テーブル駆動モータ10Mにて砥石TをワークWに接近させ、続いて主軸テーブル駆動モータ20MにてワークWをワーク回転軸CZ方向(リード方向)に移動させながら、ワークWにおけるリード方向の位置に応じた非接触センサS1の検出信号を連続的に取り込み、取り込んだ検出信号をグラフ化すると図2(A)の例に示すようなグラフを得る。この例では、ねじ溝NM毎にグラフ形状が変化しており、非接触センサS1が対向している特定位置のねじ溝NMの形状を測定することができる。
次のステップでは、グラフの凸部の頂点位置(非接触センサS1から最も遠い位置)が、当該グラフの凸部に対応するねじ溝NMの最深部の位置(すなわち、所定の個所のねじ溝NMのリード方向における中心位置)であると認識する。
次のステップでは、この特定位置のねじ溝NMの中心位置と砥石Tの加工点Kpとが一致するように、砥石テーブル駆動モータ10M、及び主軸テーブル駆動モータ20Mを用いて砥石Tを位置決めする。
[砥石Tでねじ溝NMを加工しながら非接触センサS1にて連続的にねじ溝NMの所定個所の「深さ」を測定する方法(図2(B))]
そして次のステップでは、ワークWをワーク回転軸CZ回りに回転させるとともに、ワークWに対する砥石Tの位置をワーク回転軸CZ方向に移動させる。なお、この移動の際、ねじ溝NMのリード幅LpとワークWの回転速度とに基づいてワーク回転軸CZ方向に移動させる。更に、前記回転及び移動にてねじ溝NMを砥石Tにて仕上げ研削しながら、ワークWにおけるリード方向の位置に応じた非接触センサS1の検出信号を連続的に取り込み、取り込んだ検出信号をグラフ化すると図2(B)の例に示すようなグラフを得る。このグラフが許容範囲内に収まっていればよい。
図2(A)及び(B)の例では、砥石Tの加工点Kpから非接触センサS1までのリード方向の距離は、リード幅Lp−αに設定されており、図6(B)に示す点PLの深さ(すなわち、オーバーボール径)を自動的、且つ連続的に測定している。
また、ねじ溝NMを一通り加工した後、ワークWを逆回転させるとともに逆のリード方向へ移動させながら加工し、ワークWを往復させて加工する。このように往復させることで、非接触センサS1にて加工直前、及び加工直後の状態を検出することができる。
以上に説明した第1の実施の形態では、加工点Kpから非接触センサS1までのリード方向の距離を、リード幅Lp−αに設定して点PL(図6(B)、(C)参照)の深さを連続的に測定したが、加工点Kpから非接触センサS1までのリード方向の距離を、リード幅Lpに設定して点PC(図3参照)の深さを連続的に測定するようにしてもよいし、リード幅Lp+αに設定して点PR(図6(B)、(C)参照)の深さを連続的に測定するようにしてもよい。
第1の実施の形態では、加工前にねじ溝NMの位置、形状、外周からの距離(深さ)を把握することが可能であり、加工中にねじ溝NMの加工精度(この場合、オーバーボール径)を測定できるので(加工と測定を同時に行うので)、加工と測定を別々に行う従来よりも加工時間を短縮することができるとともに加工中に補正を反映することが可能であるため、高精度な加工が可能である。
また、大型なねじ溝位置測定装置を追加する必要がなく、小さな非接触センサS1を追加するだけで済むので安価であり、ねじ形状が異なる場合等であっても、加工プログラムの変更で対応できるので、段取替え時間を短縮することもできる。
●[第2の実施の形態(複数の非接触センサS1〜S3にて、ねじ溝NMにおける複数個所の深さを測定することでねじ溝NMの「形状」を測定(図3))]
次に図3を用いて第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、非接触センサを複数個(図3ではS1〜S3)設け、それぞれの非接触センサにてねじ溝NMの凹形状における異なる個所(点PL、点PC、点PRの位置)を測定することで、加工しながらオーバーボール径に加えてねじ溝NMの形状を自動的、且つ連続的に測定可能である。
図3の例では、非接触センサS1のリード方向の位置は砥石Tの加工点KpからLp−α1の位置に設定されており、ねじ溝NMの凹形状における点PLの深さを自動的、且つ連続的に測定することができる。また非接触センサS2のリード方向の位置は砥石Tの加工点Kpから、2*Lpの位置に設定されており、ねじ溝NMの凹形状における点PCの深さを自動的、且つ連続的に測定することができる。また非接触センサS3のリード方向の位置は砥石Tの加工点Kpから、3*Lp+α2の位置に設定されており、ねじ溝NMの凹形状における点PRの深さを自動的、且つ連続的に測定することができる。
[ねじ溝NMのリード方向の位置の測定と砥石Tの位置決め方法]
ねじ溝NMのリード方向の位置の測定方法は、第1の実施の形態と同様であるので省略する。また、測定した特定個所のねじ溝NMの中心位置に砥石Tを位置決めする方法も第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[砥石Tでねじ溝NMを加工しながら非接触センサS1〜S3にて連続的にねじ溝NMの所定個所の「深さ」を測定することでねじ溝NMの凹形状を測定する方法(図3)]
次のステップでは、ワークWをワーク回転軸CZ回りに回転させるとともに、ワークWに対する砥石Tの位置をワーク回転軸CZ方向に移動させる。なお、この移動の際、ねじ溝NMのリード幅LpとワークWの回転速度とに基づいてワーク回転軸CZ方向に移動させる。更に、前記回転及び移動にてねじ溝NMを砥石Tにて仕上げ研削しながら、ワークWにおけるリード方向の位置に応じた非接触センサS1〜S3の検出信号のそれぞれを連続的に取り込み、取り込んだそれぞれの検出信号をグラフ化すると図3の例に示すようなグラフを得る。このグラフのそれぞれが許容範囲内に収まっていればよい。
これにより、円弧(点PL−点PC−点PR)の形状を自動的、且つ連続的に測定することが可能であり、点PL、PRの位置(すなわち、オーバーボール径)のみでなく、PL−PC−PRで形成される円弧の径を求めることも可能であり、凹形状を測定することができる。
また、第1の実施の形態と同様、ワークWを往復させて加工することで、非接触センサS1〜S3にて加工直前、及び加工直後の状態を検出することができる。
以上に説明した第2の実施の形態では、加工前にねじ溝NMの位置、形状、外周からの距離(深さ)を把握することが可能であり、加工中にねじ溝NMの加工精度(この場合、点PL、PC、PRのそれぞれの深さ)を測定してねじ溝NMの凹形状を測定できるので(加工と測定を同時に行うので)、加工と測定を別々に行う従来よりも加工時間を短縮することができるとともに加工中に補正を反映することが可能であるため、高精度な加工が可能である。
また、大型なねじ溝位置測定装置を追加する必要がなく、小さな非接触センサS1〜S3を追加するだけで済むので安価であり、ねじ形状が異なる場合等であっても、加工プログラムの変更で対応できるので、段取替え時間を短縮することもできる。
また、ねじ溝NMの形状(円弧PL−PC−PRの径)に基づいて砥石Tの形状(摩耗状態)を推定することが可能であり、加工精度の判定に加えて、砥石Tのツルーイングの要否の判定を行うこともできる。これにより、より適切なタイミングで砥石Tのツルーイングを行うことができる。
また、更に、ワークWの外周面(ねじ溝NMの両脇の肩部)までの距離を測定する非接触センサ(a)を追加し、非接触センサ(a)と非接触センサS1との差分、及び非接触センサ(a)と非接触センサS2との差分、非接触センサ(a)と非接触センサS3との差分、のそれぞれを求めるように構成することも可能である。
差分を用いた場合はオフセット誤差の相殺を期待でき、純粋にねじ溝NMの各位置の深さを測定することができるので、より高精度なねじ溝NMの凹形状を得ることを期待できる。これにより、砥石Tの摩耗量を求めることも可能であり、適切なインターバルで、適切な形状に砥石Tを成形することが可能である。従って、加工時間が長くなることを抑制することができる。
●[第3の実施の形態(非接触センサSkを追加して、更に、ねじ溝NMの「リード方向の位置」の測定を追加(図4、図5))]
次に図4及び図5を用いて第3の実施の形態について説明する。図4に示す第3の実施の形態は、図2に示す第1の実施の形態に対して非接触センサSkを追加している。また図5に示す第3の実施の形態は、図3に示す第2の実施の形態に対して非接触センサSkを追加している。
この追加した非接触センサSkにてねじ溝NMのリード方向の位置を自動的、且つ連続的に測定することができる。
なお、非接触センサSkは、ワーク回転軸CZに直交する方向に対して先端部の方向がワーク回転軸CZに対して傾斜角θを有するように、傾斜させて設けられている(これに対して非接触センサS1〜S3はワーク回転軸CZに直交する方向に向けて設けられている)。そして非接触センサSkの先端部からねじ溝NMの一方の側面の近傍位置PSまでの距離を測定することが可能である。これにより、図4左下に示すように、非接触センサSkによるPSまでの距離を測定することで、ねじ溝NMのリード方向の位置を測定することができる。(例えば非接触センサS1ではねじ溝NMの位置がTyp、R4、R5と変化した場合、R4とR5の区別がつかないが、非接触センサSkならばTyp、R4、R5の位置を区別することができる。)
[ねじ溝NMのリード方向の位置の測定と砥石Tの位置決め方法]
ねじ溝NMのリード方向の位置の測定方法は、第1の実施の形態と同様であるので省略する。また、測定した特定個所のねじ溝NMの中心位置に砥石Tを位置決めする方法も第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[砥石Tでねじ溝NMを加工しながら非接触センサS1にて連続的にねじ溝NMの所定個所の「深さ」を測定し、非接触センサSkにて連続的にねじ溝NMのリード方向の位置を測定する方法(図4)]
図4に示す例の場合、砥石Tの位置決めを行った次のステップでは、ワークWをワーク回転軸CZ回りに回転させるとともに、ワークWに対する砥石Tの位置をワーク回転軸CZ方向に移動させる。なお、この移動の際、ねじ溝NMのリード幅LpとワークWの回転速度とに基づいてワーク回転軸CZ方向に移動させる。更に、前記回転及び移動にてねじ溝NMを砥石Tにて仕上げ研削しながら、非接触センサS1とSkの検出信号のそれぞれを自動的、且つ連続的に取り込み、取り込んだ検出信号をグラフ化すると図4の例に示すようなグラフを得る。このグラフのそれぞれが許容範囲内に収まっていればよい。
図2(B)に対して図4の例では、非接触センサSkが追加されており、ねじ溝NMの1個所の「深さ」に加えて、非接触センサSkによってねじ溝NMのリード方向の位置も連続的に測定することができ、熱変位等によるリード方向のずれを補正することができる。
また、第1の実施の形態と同様、ワークWを往復させて加工することで、非接触センサS1、Skにて加工直前、及び加工直後の状態を検出することができる。
[砥石Tでねじ溝NMを加工しながら非接触センサS1〜S3にて連続的にねじ溝NMの所定個所の「深さ」を測定することでねじ溝NMの凹形状を測定し、非接触センサSkにて連続的にねじ溝NMのリード方向の位置を測定する方法(図5)]
図5に示す例の場合、砥石Tの位置決めを行った次のステップでは、ワークWをワーク回転軸CZ回りに回転させるとともに、ワークWに対する砥石Tの位置をワーク回転軸CZ方向に移動させる。なお、この移動の際、ねじ溝NMのリード幅LpとワークWの回転速度とに基づいてワーク回転軸CZ方向に移動させる。更に、前記回転及び移動にてねじ溝NMを砥石Tにて仕上げ研削しながら、非接触センサSk、S1〜S3の検出信号のそれぞれを連続的に取り込み、取り込んだそれぞれの検出信号をグラフ化すると図5の例に示すようなグラフを得る。このグラフのそれぞれが許容範囲内に収まっていればよい。
図3に対して図5の例では、非接触センサSkが追加されており、ねじ溝NMの「凹形状」に加えて、非接触センサSkによってねじ溝NMのリード方向の位置も連続的に測定することができ、熱変位等によるリード方向のずれを補正することができる。
また、第1の実施の形態と同様、ワークWを往復させて加工することで、非接触センサS1〜S3、Skにて加工直前、及び加工直後の状態を検出することができる。
以上に説明した第3の実施の形態では、加工前にねじ溝NMの位置、形状、外周からの距離(深さ)を把握することが可能であり、加工中において、第1の実施の形態または第2の実施の形態に加えて、ねじ溝NMのリード方向の位置を測定できるので(加工と測定を同時に行うので)、加工と測定を別々に行う従来よりも加工時間を短縮することができるとともに加工中に補正を反映することが可能であるため、高精度な加工が可能である。
また、小さな非接触センサSk、S1〜S3を追加するだけで済むので安価であり、ねじ形状が異なる場合等であっても、加工プログラムの変更で対応できるので、段取替え時間を短縮することもできる。
本発明のねじ研削盤1、及びねじ溝研削方法は、本実施の形態で説明した外観、構成、構造、処理等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態では、切り込み方向移動手段(砥石テーブル駆動モータ10M)が、砥石TをワークWに切り込む方向に移動させ、リード方向移動手段(主軸テーブル駆動モータ20M)が、ワークWをリード方向に移動させるねじ研削盤1の例を示したが、切り込み方向移動手段は、ワークWに対して砥石Tを相対的に切り込む方向に移動させるものであり、リード方向移動手段は、ワークWに対して砥石Tを相対的にリード方向に移動させるものである。
本実施の形態では、ワーク回転軸CZと砥石の回転軸とが平行な状態で加工する例を説明したが、ねじ溝NMのリード幅Lpに応じた傾斜角に合わせて、ワーク回転軸に対して砥石回転軸を所定角度に傾斜させて加工するねじ研削盤にも適用することができる。この場合、非接触センサS1〜S3、Skを砥石Tの軸受12に設けず、砥石テーブル10等からアーム等を介して本実施の形態にて説明した位置(ワーク回転軸と加工点を含む平面上)に、非接触センサS1〜S3、Skが配置される。
なお、いずれかの方向に向けて一通りねじ溝NMを加工した後、ワークWの回転を停止させて図2(A)で説明したようにねじ溝NMの形状を測定し、位相ずれ量を算出して補正量を求め、求めた補正量を反映して再度ねじ溝NMの加工を行うようにしてもよい。
また、本実施の形態では、砥石Tに対してリード方向の一方に非接触センサを配置したが、リード方向において砥石Tの両側に非接触センサを配置してもよい。
1 研削盤
2 基台
10 砥石テーブル
10M 砥石テーブル駆動モータ(切り込み方向移動手段)
11 砥石駆動モータ
20 主軸テーブル
20M 主軸テーブル駆動モータ(リード方向移動手段)
30 主軸装置
30C センタ部材(一対の支持手段)
30D 主軸台
30M 主軸移動モータ
40 心押装置
40C センタ部材(一対の支持手段)
40D 心押台
CZ ワーク回転軸(主軸回転軸)
Kp 加工点
Lp リード幅
NM ねじ溝
S1〜S3、Sk 非接触センサ(非接触変位検出手段)
T 砥石
TZ 砥石回転軸
W ワーク
θ 傾斜角

Claims (7)

  1. 少なくとも一部の円筒面を周回するように形成されたねじ溝を有する略円筒状のワークをワーク回転軸回りに回転可能に支持する支持手段と、
    略円筒状の形状を有するとともに回転可能に支持され、外周面にて前記ねじ溝を仕上げ研削する砥石と、
    前記支持手段にて支持した前記ワークに対して前記砥石を前記ワーク回転軸方向に相対的に移動させるリード方向移動手段と、
    前記支持手段にて支持した前記ワークに対して前記砥石を前記ワーク回転軸に交差する方向に相対的に移動させる切り込み方向移動手段と、を備えたねじ研削盤において、
    前記ねじ溝の研削時における前記ワークと前記砥石との接点である加工点から、前記ワーク回転軸方向に前記ねじ溝のリード幅に対応した距離だけ離れた位置に、物体に接触することなく前記物体までの距離に応じた検出信号を出力する非接触変位検出手段が、前記ワークの方向に向けて設けられている、
    ねじ研削盤。
  2. 請求項1に記載のねじ研削盤であって、
    前記非接触変位検出手段は複数設けられており、それぞれの非接触変位検出手段は、前記加工点から前記リード幅に対応したそれぞれの距離だけ離れるように、前記ワーク回転軸方向に沿って一列に設けられており、
    それぞれの非接触変位検出手段にて、前記ねじ溝の任意の位置における前記ワーク回転軸方向の凹形状に対して、それぞれ異なる個所までの距離を検出可能とするために、隣り合う非接触変位検出手段における前記ワーク回転軸方向の間隔は、それぞれ異なる間隔に設定されている、
    ねじ研削盤。
  3. 請求項1または2に記載のねじ研削盤であって、
    少なくとも1つの非接触変位検出手段は、前記ワーク回転軸に直交する方向に対して、前記ワーク回転軸方向に所定の傾斜角度を有するように設けられて、当該非接触変位検出手段にて前記ねじ溝の一方の側面の近傍までの距離を検出可能となるように設けられている、
    ねじ研削盤。
  4. 請求項1に記載のねじ研削盤を用いたねじ溝研削方法であって、
    前記ワークを静止させた状態にて、前記ワークに対して前記非接触変位検出手段を相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させながら検出信号に基づいて特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の形状を測定するステップと、
    測定した前記特定位置のねじ溝の形状に基づいて、当該特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の中心位置を求めるステップと、
    求めた前記特定位置のねじ溝の中心位置に前記加工点が一致するように、前記ワークに対する前記砥石の相対位置を位置決めするステップと、
    更に、前記ワークを前記ワーク回転軸回りに回転させるとともに、前記ワークに対する前記砥石の位置を、前記ねじ溝のリード幅と前記ワーク回転軸回りの回転速度とに基づいて、相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させ、前記ねじ溝を研削しながら前記非接触変位検出手段の検出信号を取り込んで、前記非接触変位検出手段の先端部から前記ねじ溝までの距離を連続的に測定し、前記ねじ溝の深さを連続的に測定するステップと、を有する、
    ねじ溝研削方法。
  5. 請求項2に記載のねじ研削盤を用いたねじ溝研削方法であって、
    前記ワークを静止させた状態にて、前記ワークに対して複数の前記非接触変位検出手段を相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させながら検出信号に基づいて特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の形状を測定するステップと、
    測定した前記特定位置のねじ溝の形状に基づいて、当該特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の中心位置を求めるステップと、
    求めた前記特定位置のねじ溝の中心位置に前記加工点が一致するように、前記ワークに対する前記砥石の相対位置を位置決めするステップと、
    更に、前記ワークを前記ワーク回転軸回りに回転させるとともに、前記ワークに対する前記砥石の位置を、前記ねじ溝のリード幅と前記ワーク回転軸回りの回転速度とに基づいて、相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させ、前記ねじ溝を研削しながら複数の前記非接触変位検出手段のそれぞれの検出信号を取り込んで、それぞれの非接触変位検出手段の先端部から前記ねじ溝までのそれぞれの距離を連続的に測定し、前記ねじ溝における前記ワーク回転軸方向の凹形状を連続的に測定するステップと、を有する、
    ねじ溝研削方法。
  6. 請求項3に記載のねじ研削盤を用いたねじ溝研削方法であって、
    前記ワークを静止させた状態にて、前記ワークに対して単数または複数の前記非接触変位検出手段を相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させながら検出信号に基づいて特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の形状を測定するステップと、
    測定した前記特定位置のねじ溝の形状に基づいて、当該特定位置のねじ溝における前記ワーク回転軸方向の中心位置を求めるステップと、
    求めた前記特定位置のねじ溝の中心位置に前記加工点が一致するように、前記ワークに対する前記砥石の相対位置を位置決めするステップと、
    更に、前記ワークを前記ワーク回転軸回りに回転させるとともに、前記ワークに対する前記砥石の位置を、前記ねじ溝のリード幅と前記ワーク回転軸回りの回転速度とに基づいて、相対的に前記ワーク回転軸方向に移動させ、前記ねじ溝を研削しながら単数または複数の前記非接触変位検出手段のそれぞれの検出信号を取り込んで、それぞれの非接触変位検出手段の先端部から前記ねじ溝までのそれぞれの距離を連続的に測定し、前記ワーク回転軸方向に所定の傾斜角度を有するように設けた非接触変位検出手段による前記距離に基づいて前記ねじ溝における前記ワーク回転軸方向の位置を連続的に測定するステップと、を有する、
    ねじ溝研削方法。
  7. 請求項5に記載のねじ溝研削方法であって、
    前記ねじ溝における前記ワーク回転軸方向の凹形状を連続的に測定し、測定した凹形状に基づいて前記砥石の摩耗量を推定するステップと、
    推定した摩耗量に基づいて前記砥石をツルーイングすべきか否かを判定するステップと、を有する、
    ねじ溝研削方法。

JP2009039293A 2009-02-23 2009-02-23 ねじ研削盤及びねじ溝研削方法 Pending JP2010194623A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009039293A JP2010194623A (ja) 2009-02-23 2009-02-23 ねじ研削盤及びねじ溝研削方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009039293A JP2010194623A (ja) 2009-02-23 2009-02-23 ねじ研削盤及びねじ溝研削方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010194623A true JP2010194623A (ja) 2010-09-09

Family

ID=42819899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009039293A Pending JP2010194623A (ja) 2009-02-23 2009-02-23 ねじ研削盤及びねじ溝研削方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010194623A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016064458A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 株式会社ワークス 自動研削加工装置
JP2018528871A (ja) * 2015-07-24 2018-10-04 テリー エイ. ルイス、 ねじ山修理工具、並びにその製造方法及び使用方法
CN108844506A (zh) * 2018-05-25 2018-11-20 泰山(银川)石膏有限公司 一种可调节石膏板切割用长度测量装置
CN108907047A (zh) * 2018-09-14 2018-11-30 沈阳达益汽车零部件有限公司 用于汽车加油口的旋牙机及其加工方法
KR102257434B1 (ko) * 2021-02-18 2021-05-31 티아이씨(주) 유성롤러스크류용 스크류 랩핑장치
JP2021527573A (ja) * 2018-04-09 2021-10-14 ロロマティク・ソシエテ・アノニム らせん溝を備える工作物を加工する方法及び研削盤
CN115609361A (zh) * 2022-12-01 2023-01-17 成都和鸿科技股份有限公司 一种多槽零件的加工方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016064458A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 株式会社ワークス 自動研削加工装置
JP2018528871A (ja) * 2015-07-24 2018-10-04 テリー エイ. ルイス、 ねじ山修理工具、並びにその製造方法及び使用方法
JP2021527573A (ja) * 2018-04-09 2021-10-14 ロロマティク・ソシエテ・アノニム らせん溝を備える工作物を加工する方法及び研削盤
JP7227270B2 (ja) 2018-04-09 2023-02-21 ロロマティク・ソシエテ・アノニム らせん溝を備える工作物を加工する方法及び研削盤
CN108844506A (zh) * 2018-05-25 2018-11-20 泰山(银川)石膏有限公司 一种可调节石膏板切割用长度测量装置
CN108907047A (zh) * 2018-09-14 2018-11-30 沈阳达益汽车零部件有限公司 用于汽车加油口的旋牙机及其加工方法
CN108907047B (zh) * 2018-09-14 2024-03-29 沈阳达益汽车零部件有限公司 用于汽车加油口的旋牙机及其加工方法
KR102257434B1 (ko) * 2021-02-18 2021-05-31 티아이씨(주) 유성롤러스크류용 스크류 랩핑장치
CN115609361A (zh) * 2022-12-01 2023-01-17 成都和鸿科技股份有限公司 一种多槽零件的加工方法
CN115609361B (zh) * 2022-12-01 2023-04-11 成都和鸿科技股份有限公司 一种多槽零件的加工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010194623A (ja) ねじ研削盤及びねじ溝研削方法
JP5332507B2 (ja) 研削盤および研削加工方法
JP5082621B2 (ja) 工作物の研削方法及び加工装置
US8920211B2 (en) Truing device of grinding machine
EP2921259B1 (en) Grinding wheel truing method and grinding machine
JP2009006447A5 (ja)
JP2018069391A5 (ja) 研削装置およびこれを用いる転がり軸受の製造方法
JP2012143830A (ja) 工作物の芯出し装置および芯出し方法
KR101503616B1 (ko) 연삭 가공반 및 연삭 가공 방법
CN102259291B (zh) 偏心工件的相位调整方法及装置和工件供给方法及装置
JP6101115B2 (ja) 工作機械及び、工作機械によるワークの加工方法
JP5581825B2 (ja) 工作機械の基準位置検出装置および基準位置検出方法
KR20170094248A (ko) 중심 공작물 영역을 지지 및 측정하기 위한 측정 스테디 레스트, 이 측정 스테디 레스트를 갖는 연삭기, 및 중심 공작물 영역을 지지 및 측정하기 위한 방법
JP6165464B2 (ja) 歯車研削装置
JP5395570B2 (ja) 円筒研削方法及び装置
JP5402546B2 (ja) 筒状ワークの研削方法
JP4998078B2 (ja) 研削盤および非真円形状または偏心形状のワークの研削方法
JP5440159B2 (ja) ワークの研削方法及び研削盤
JP2010274405A (ja) 回転体の表面粗さの測定方法、砥石における砥粒の突き出し量の測定方法、及び研削盤
JP2009113161A (ja) 研削方法および研削装置
JP3840389B2 (ja) 加工方法および加工装置
JP5471055B2 (ja) 砥石の成形方法及び研削盤
JP2010046778A (ja) 非接触型ネジ溝位置検出装置及び工作機械
JP2012061578A (ja) 工作機械
JP3898437B2 (ja) 溝加工方法及びその実施に直接使用する加工装置