JP2010193875A - 遺伝子導入ベクターとしての非イオン性界面活性剤Span80二重ベシクルの調製と遺伝子導入機能 - Google Patents

遺伝子導入ベクターとしての非イオン性界面活性剤Span80二重ベシクルの調製と遺伝子導入機能 Download PDF

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Abstract

【課題】遺伝子導入に際して、導入効率の良い遺伝子ベクターを提供する。
【解決手段】ベシクルの中に遺伝子固定化小粒径ベシクルを抱えた、二重構造の、膜融合能に優れたSpan80ベシクルを用いた遺伝子ベクター。このベシクルを血中に投与すると、目的細胞まではDNaseなどの攻撃から保護して、遺伝子を目的細胞表面まで送達する。さらに、そのベシクルが目的細胞と膜融合して、ベシクル内の遺伝子固定化小粒径ベシクルを細胞内に放出する。その小粒径ベシクルが細胞形質内で遺伝子ベクターの役割を果して、細胞核まで遺伝子を効率良く送達する、核内への遺伝子導入法。
【選択図】図5

Description

本発明は、カチオニックSpan80ベシクルからなる二重ベシクルを用いて、生体内遺伝子導入効率の良い遺伝子ベクターを開発し、その機能を解明する技術に関する。
遺伝子治療などの生体内遺伝子導入を試みるとき、血中に遺伝子ベクターを投与することになる。この場合ベクターに固定化された遺伝子は血中のDNaseなどの攻撃を受け分解され易い。そのため従来のような、遺伝子をベクター表面に固定化したものは生体内では有効性が低下する。さらに、細胞形質内に導入された遺伝子ベクターは、血中での攻撃を受けるため、細胞形質内での遺伝子ベクターとしての機能が低下する。また、エンドサイトーシスで導入された遺伝子ベクターでは、その遺伝子活性も低下する。そのため血中、および細胞形質内で有効に機能するベクターの開発が望まれている。
特許公開2003−001097号公報
遺伝子導入に際して、導入効率の良い遺伝子ベクターを開発することを目的とする。
従来のリポソームを用いた遺伝子導入では、リポソームの外表面に遺伝子を固定化しているため、血中ではその遺伝子がDNaseなどの攻撃を受け、活性劣化する。また目的細胞に取り込まれる場合のメカニズムはエンドサイトーシス(細胞貪食)であるため、細胞形質内で遺伝子が核まで送達される効率が悪い。このような状況下、効率の良い遺伝子ベクターの開発が望まれている。
遺伝子ベクターとして、ベシクル表面に遺伝子を固定化した小粒径ベシクルを内包させた、その内包ベシクルよりも大きい粒径の二重構造のベシクルを調製する。これらのベシクルにはカチオン界面活性を混合させ、カチオニックなベシクルとして用い、細胞への親和性を増強させた。この二重ベシクルは、膜融合能に優れたSpan80ベシクルが基本となっており、高効率の生体内遺伝子導入が期待できる。この二重ベシクルを血中に投与すると、目的細胞までは、内包遺伝子を血中のDNaseなどの攻撃から保護して、遺伝子を目的細胞表面まで送達する。さらに、その二重ベシクルの外側のベシクルが目的細胞と膜融合して、ベシクル内に存在する遺伝子固定化小粒径ベシクルを細胞内に放出する。その放出された小粒径の遺伝子固定化ベシクルが細胞形質内で、遺伝子を核まで運ぶ遺伝子ベクターの役割を果して、細胞核まで遺伝子を効率良く送達して核内への遺伝子導入を図る。
生体内遺伝子導入において、血中と細胞形質内での、二段構えの遺伝子送達機能を有しており、さらに膜融合能、生体安全性に優れたSpan80のベシクルを用いているため。高効率で安全な遺伝子導入が実現できる。
使用した遺伝子 種々のベシクル模型図 プラスミド内包ベシクル(VP)の顕微鏡写真 種々のベシクルによる相対遺伝子発現量のグラフ(ヒト骨肉腫細胞株(OST)の場合) 種々のベシクルによる相対遺伝子発現量のグラフ(ヒトEGFR抗原組み込みマウス細胞(ERM5−1細胞)の場合)
1.使用した癌細胞
OST:ヒト骨肉腫細胞
ERM5−1:ヒトEGFR抗原組み込みマウス細胞
2.使用したベシクル
VPV: プラスミド外付けベシクルを内包したベシクル
IVPV:プラスミド外付けベシクルを内包したイムノベシクル
VP: プラスミド内包ベシクル
PV: プラスミド外付けベシクル
VV: ベシクル内包ベシクル
3.使用した遺伝子:pEGFPLuc
4.IAOE:Isocyanic Acid Octadecyl Ester
5.DOTAP:カチオニック脂質(化学式:C4383NOS)
レポーター遺伝子として、遺伝子導入されるとルシフェラーゼを産性するpEGFPLucを用いて、そのプラスミドを大腸菌で培養して増殖させた。一方、二段階乳化法により調製する、界面活性剤Span80ベシクルを基本として種々のベシクルを調製し、上記遺伝子のベクターとして用いた。このSpan80ベシクルには、膜強化剤として微量の大豆レシチンおよびコレステロールを混合し、さらにはカチオン界面活性剤であるDOTAPを上記のSpan80中に20wt%の割合で混合させ、カチオニックSpan80ベシクルとして用いた。このベシクルはエクストルダーによる粒径制御や二次乳化後の長時間撹拌により、そのベシクル粒径を約150nm以下にして小粒径のベシクルをまず調製した。
▲1▼この小粒径のカチオニックSpan80ベシクルの表面にp−L−Lysinを媒体としてプラスミドを結合させた、いわゆるプラスミド外付けベシクル(PV)を調製した。▲2▼またカチオニックSpan80ベシクル内プラスミドを内包したベシクル(VP)も二段階乳化法により調製した。▲3▼さらに上記のPVを内包した遺伝子外付けベシクルを内包する二重ベシクル(VPV)も調製した。▲4▼またこのVPVベシクルの表面に抗体を固定化したIVPVを調製した。このような4種類のベシクルを用いて、二種の癌細胞に対する遺伝子導入実験を行った。使用した癌細胞はヒト骨肉腫細胞(OST)およびヒトEGFR抗原組み込みマウス細胞(ERM5−1)である。OST細胞の遺伝子導入実験に対しては、PV、VP、VPVの三種類のベクターを、また、ERM5−1に対する遺伝子導入実験では、PV、VP、VPV IVPVの4種類を用いた。IVPVの抗体にはERM5−1を標的させるための抗EGFR抗体を用いた。
これらの実験から、二重ベシクルVPVの内部に存在するPVが、ベシクルと細胞が融合した後、細胞形質内で核まで遺伝子を送達させるベクターとして機能し、遺伝子導入効率を上昇させることができることを実証した。
ERM5−1細胞、OST細胞のメンテナンスは以下のように行った。
細胞が入った10mlシャーレの上澄みを除去し、5mlの滅菌PBSで洗浄し、0.025%トリプシンを1ml添加後、細胞をインキュベーターに移し、約30秒インキュベートする。
その後、血清をトリプシンと同量添加して、6mlのDMEM培地で細胞をはがし、遠心管に移して遠心処理する。(1000rpm、5min)。その後、新しいシャーレに血清1ml、DMEM培地8mlを添加する。遠心後、上澄みを除去し、希釈したい量の培地で沈殿した細胞を懸濁する。1mlの細胞懸濁液を上記のシャーレに添加する。速やかにインキュベーターへ細胞を移す。
使用したプラスミドを図1に示す。プラスミド調製法は以下のように行った。▲1▼ (LB培地の調製法)NaCl1g、BactoYeastExtract1g、ポリペプトン2g、蒸留水200mlを加え攪拌する。オートクレーブ滅菌(121℃、20min)し、ある程度冷えたら冷蔵保存する。▲2▼ (50mg/mlカナマイシンの調製)カナマイシン500mg、蒸留水10mgをビーカーに測り取り、攪拌する。ドラフト内でシリンジに取り、フィルターを通して、15ml遠心管(3本)に分けて凍結保存する。▲3▼ (寒天プレートの作成)LB培地300ml、寒天4.5gを三角フラスコに入れ、オートクレーブ滅菌(121℃、20min)後、65℃近傍で50mg/mlカナマイシン600μlを加える。その溶液を10mlシャーレに約10mlずつ分注し、固まったら冷蔵保存する。▲4▼ (大腸菌の形質転換)試験管にLB培地2ml、大腸菌培養液0.1mlを入れる。37℃で二時間振盪する(166min−1)。この大腸菌1.5mlをエッペンチューブに移し、遠心処理後(12000rpm,30秒)、上澄みを吸引除去して、50mM CaCl0.5mlを加え、ボルテックスする。100μlをエッペンチューブに移し、目的のプラスミド10μlを加え、氷上に20分間以上放置する。その後、試験管にLB培地1mlと7の大腸菌を入れ、37℃で1時間振盪する(166min−1)る。LBプレートに200μlから全量をまき、コンラージ棒でプレート一面にぬる。▲5▼ (大腸菌培養)▲1▼15ml遠心管にLB培地2ml、50mg/mlカナマイシン4μlを入れる。▲2▼前日培養したシャーレから大腸菌のコロニーをセルスクレーパを用いて取り、(▲1▼)の培地に加える。▲3▼37℃で10〜20時間振盪する(166min−1)。▲4▼LB培地20ml、50mg/mlカナマイシン40μlを入れた100ml三角フラスコに、(▲3▼)を加える。▲5▼37℃で7〜8時間振盪する(100〜110min−1)。▲6▼LB培地1000ml、50mg/mlカナマイシン2mlを入れた2L三角フラスコに、(▲5▼)を加える。▲7▼37℃で10〜20時間振盪する。(100〜110min−1)▲6▼ (Plasmidの調製)Maxiprep Kit Protcol(QIAGEN Plasmid Maxi Kit,lot No.42147533)により、以下のようにした。▲1▼培養液を遠心管に移し、4℃で5000×g,10分間遠心操作しバクテリア細胞を収集する。▲2▼遠心後、上澄みを棄て、バクテリアペレットを10mlのBuffer P1でペレットが無くなるまで懸濁する。▲3▼10mlのBuffer P2を添加後4〜6回静かに転倒混和して充分に混合し、5分間室温に放置する。▲4▼10mlのBuffer P3(4℃に冷却しておく)を添加後、直ちに4〜6回静かに転倒混和して充分に混合した後、20分間氷上でインキュベートする。▲5▼4℃,7000×g以上で30分間遠心操作する。遠心後、プラスミドDNA(上澄み液)を素早く回収する。▲6▼回収した上澄み液を4℃,7000×g以上で15分間再度遠心操作する。プラスミドを含む上澄み液を素早く回収する。▲7▼10mlのBuffer QBTを静置流出して平衡化しておいたQIAGEN−tip500に回収した上澄み液を添加し、自然落下により樹脂に浸透させる。▲8▼QIAGEN−tip500を2×30mlのBuffer QCで洗浄する。▲9▼15mlのBuffer QFでDNAを溶出する。▲10▼10.5mlの室温のイソプロパノールを添加し、よく混合した後、直ちに4℃、5000×g以上で60分間遠心操作する。遠心後、上清を捨てる。▲11▼DNAペレットを5mlの室温70%エタノールで洗浄し5000×g以上で60分間遠心操作する。▲12▼上清を捨て、5000×g以上で1分間遠心操作する。▲13▼上清をピペットマンで慎重に取り除く。▲14▼5〜10分間放置し、ペレットを100μlのTE Bufferに溶解する。▲15▼分光光度計によりDNA濃度を測定し、濃度を1mg/mlになるように調整する。
種々のベシクルの調製法を以下に示す。なおここで調製した遺伝子ベクターとしてのベシクルの模型図を図2に示す。
▲1▼ Plasmid内包ベシクルVPの調製<内水の調整>Plasmid20μl(濃度500μg/ml)、Poly−L−Lysine70μl、TE buffer60μlを加えて、15分間放置した。<ベシクルの調製>▲1▼茶瓶(1)にSpan80を52.8mg,茶瓶(2)にTween80を24mg計り取る。▲2▼茶瓶(2)にTE buffer 3.0mlを加え撹拌子を入れて撹拌させる。▲3▼茶瓶(1)にDOTAP13.2mg、コレステロール3mg,レシチン6mg,ヘキサン2.0mlを加える。(コレステロール+レシチンの量は全量の12%になるようにする。コレステロール:レシチン=1:2になるようにする)。▲4▼内水(Plasmid溶液)を150μl入れながらホモジナイザーにより撹拌する。(回転数10000rpm、15秒攪拌+15秒休みを8セット。)▲5▼茶瓶(1)をヘキサンで洗いながらすり付きナスフラスコに入れ替え、エバポレーターでヘキサンを除去する。▲6▼(▲2▼)で撹拌しておいたTween80溶液を加える。(ナスフラスコの壁面についた物を割り箸で落とし分散させる。)▲7▼ホモジナイザーで分散させる。(回転数3500rpm、1min)▲8▼先程の茶瓶(2)に移し変え、撹拌子を入れて一昼夜冷蔵庫で撹拌する。<ベシクルの精製>▲1▼瓶のふたを緩めて15分程度撹拌する。▲2▼遠心管に3mlのベシクル溶液を移し変える。▲3▼ベシクル溶液を遠心にかける。(50000rpm,2hour,4℃)▲4▼遠心後、上層の油玉を取り除く。
▲2▼ Plasmid外付けベシクル(PV)の調製 <ベシクルの調製>▲1▼茶瓶(1)にSpan80を52.8mg、茶瓶(2)にTween80を24mg計り取る。▲2▼茶瓶(2)にTE buffer3.0mlを加え撹拌子を入れて撹拌させる。▲3▼茶瓶(1)にDOTAP13.2mg、コレステロール3mg,レシチン6mg,ヘキサン2.0mlを加える。(コレステロール+レシチンの量は全量の12%になるようにする。コレステロール:レシチン=1:2になるようにする。)▲4▼内水(TE buffer)を150μl入れながらホモジナイザーにより撹拌する。(回転数10000rpm、15秒攪拌+15秒休みを8セット。)▲5▼茶瓶(1)をヘキサンで洗いながらすり付きナスフラスコに入れ替え、エバポレーターでヘキサンを除去する。▲6▼(▲2▼)で撹拌しておいたTween80溶液を加える。(ナスフラスコの壁面についた物を割り箸で落とし分散させる。)▲7▼ホモジナイザーで分散させる。(回転数3500rpm、1min)▲8▼先程の茶瓶(2)に移し変え、撹拌子を入れて一昼夜冷蔵庫で撹拌する(こうして長時間撹拌することにより、ベシクル粒径が約30〜150nmの小粒径のベシクルが調製される)。▲9▼より小さいベシクルを調製するときは、100nmのメンブランを用いたエクストルダーを用いて、この小粒径ベシクルの粒径制御をして、約100nmのほぼ均一な小粒径ベシクルを調製した。<ベシクルの精製>▲1▼茶瓶のふたを緩めて15分程度撹拌する。▲2▼遠心管に3mlのベシクル溶液を移し変える。▲3▼ベシクル溶液を遠心にかける。(50000rpm,4hour,4℃)▲4▼遠心後、上層の油玉を取り除く。▲5▼Plasmid4.2μl,Poly−L−Lysine15μl、精製したベシクル10μlをエッペンチューブに加え、15分間放置する。こうしてPoly−L−Lysineを結合媒体として、ベシクルに、Plasmidを結合させてPVを調製する。
▲3▼ Plasmid外付けベシクル内包ベシクル(VPV)の調製 <ベシクルの調製>▲1▼茶瓶(1)にSpan80を52.8mg,茶瓶(2)にTween80を24mg計り取る。▲2▼茶瓶(2)にTE buffer 3.0mlを加え撹拌子を入れて撹拌させる。▲3▼茶瓶(1)にDOTAP13.2mg、コレステロール3mg,レシチン6mg,ヘキサン2.0mlを加える。(コレステロール+レシチンの量は全量の12%になるようにする。コレステロール:レシチン=1:2になるようにする。)▲4▼内水(plasmid外付けベシクル)を150μl入れながらホモジナイザーにより撹拌する。(回転数10000rpm、15秒攪拌+15秒休みを8セット。)▲5▼茶瓶(1)をヘキサンで洗いながら、すり付きナスフラスコに入れ替え、エバポレーターでヘキサンを除去する。▲6▼(▲2▼)で撹拌しておいたTween80溶液を加える。(ナスフラスコの壁面についたクリームを割り箸で落とし分散させる。)▲7▼ホモジナイザーで分散させる。(回転数3500rpm、1min)▲8▼先程の茶瓶(2)に移し変え、3時間撹拌して、ヘキサンを完全除去し、一昼夜冷蔵庫で保存する(こうして比較的大粒径のVPVベシクル(平均粒径で300nmであるが、マイクロサイズのベシクルも生成する)が調製される)。<ベシクルの精製>▲1▼茶瓶のふたを緩めて15分程度撹拌する。▲2▼遠心管に3mlのベシクル溶液を移し変える。▲3▼ベシクル溶液を遠心にかける。(50000rpm,2hour,4℃)▲4▼遠心後、上層の油玉を取り除く。<二重ベシクルの確認>▲1▼このようにして調製したベシクルの顕微鏡写真を図3に示すが、大粒径ベシクル内に小粒径ベシクルが存在している様子が確認できる。実際には、蛍光物質FITCを内包させたナノサイズベシクルを調製して、それを大粒径ベシクルに内包させた。蛍光測定により、そのナノサイズベシクルが大粒径ベシクルに内包されている事を確認した。
▲4▼ Plasmid外付けベシクル内包イムノベシクル(IVPV)の調製<IAOE−proteinA調製>▲1▼エッペンチューブにproteinA100μl,Carbonate buffer100μlを入れ攪拌する。▲2▼別のエッペンチューブにIAOE10mg,N−Nジメチルホルムアミド1〜2滴を入れ、(▲1▼)を50μl加える。▲3▼湯槽上で2時間放置する(30分毎に攪拌)。<ベシクル調製>▲1▼茶瓶(1)にSpan80を132mg,茶瓶(2)にTween80を48mg計り取る。▲2▼茶瓶(2)にpH9.0Carbonate buffer3.0ml,IAOE−proteinA50μlを加え撹拌子を入れて撹拌する。▲3▼茶瓶(1)にDOTAP26.4mg、コレステロール6mg,レシチン12mg,ヘキサン3.0mlを加える。(コレステロール+レシチンの量は全量の12%になるようにする。コレステロール:レシチン=1:2になるようにする。)▲4▼内水を300μl入れながらマイクロホモジナイザーで攪拌する。(回転数20000rpm、3min)▲5▼茶瓶(1)をヘキサンで洗いながらすり付きナスフラスコに入れ替え、エバポレーターでヘキサンを除去する。▲6▼(▲2▼)で撹拌しておいたTween80溶液、調整したIAOE−proteinを加える。(ナスフラスコの壁面についた物を割り箸で落とし分散させる。)▲7▼ホモジナイザーで分散させる。(回転数3500rpm、1min)▲8▼先程の茶瓶(2)に移し変え、3時間撹拌してヘキサンを除去する。▲9▼一昼夜冷蔵庫内で保存し、残ったヘキサンを除去する。<ベシクルの精製>▲1▼瓶のふたを緩めて15分程度撹拌する。▲2▼遠心管に3mlのベシクル溶液を移し変える。▲3▼ベシクル溶液を遠心にかける。(50000rpm,2hour,4℃)▲4▼遠心後、上層の油玉を取り除く。▲5▼EGFR抗体を75μl加え、冷蔵庫内で48時間放置する。
ERM5−1細胞およびOST細胞への遺伝子導入をする方法を以下に示す。
▲1▼ (遺伝子外付けベシクル(PV)の場合)▲1▼遺伝子導入実験を行う前日に、6穴プレートに約2×10個/mlに調整したERM5−1細胞をプレーティングしておく。▲2▼Plasmid4.2μl,Poly−L−Lysine 15μl,DMEM培地1.5mlを混合し、15分間室温に放置する。(3穴あたり)▲3▼15分間放置後、DOTAPを混入させたベシクル6μlを添加し、15分間室温に放置する。▲4▼1日前にプレーティングしておいたERM5−1細胞をPBSで一回洗浄し、3の細胞培養液を1穴あたり0.5ml添加する。▲5▼37℃、5%CO下で3時間保温後、液を全て吸い、DMEM培地を1ml加え、さらに24時間培養する。▲2▼ (PV以外のベシクルは下記の方法によった)▲1▼遺伝子導入実験を行う前日に、12穴プレートに約2×10個/mlに調整したERM5−1細胞を1mlずつプレーティングする。▲2▼プレートの上澄みを除去しPBSで洗浄後、10%FBS−DMEM培地を0.50ml入れ、濁度調製した各ベシクルサンプルを25μl添加する。▲3▼3時間後、液を全て吸い、DMEM培地を1ml加え、37℃、5%CO下で24時間インキュベートする。▲3▼ Luciferase assay(pEGFP−luc)▲1▼各wellをPBSで二回洗浄後Lysis buffer500μl加える。▲2▼セルスクレーパーで回収した細胞溶解液を1.5mlチューブにいれ氷上におく。▲3▼LuminescenserJNRを立ち上げ、基質投入管を蒸留水で洗浄後、基質でリンスする。▲4▼サンプルを遠心処理(13000rpm,4℃,1min)し、上澄みを96wellプレートに20μlずつ加え波長562nmでルミネセンサーにより発光量を測定する。
上記のようにして行ったOST細胞への遺伝子導入実験の結果を図4に、またERM5−1への遺伝子導入の結果を図5に示す。 図4では、二重ベシクルのVPVの遺伝子導入はVPの約4倍、PVの約40倍になり、二重ベシクルVPVの遺伝子ベクターとしての優位性が示された。一方、ERM5−1細胞では、二重ベシクルVPVの遺伝子導入はVPの約2.7倍、PVの1.5倍となり、やはりVPVの優位性が示された。さらには、外側のベシクルに抗体を取り付けたIVPVではVPVの約2.8倍となり、抗体固定化の効果が明らかになった。

Claims (3)

  1. ベシクル表面に遺伝子を固定化したベシクルを、さらにベシクルの中に内包した二重ベシクルが、遺伝子導入ベクターとして効率が良いこと。
  2. この二重ベシクルの内部ベシクルが、細胞形質内で二段目の遺伝子ベクターとして働くこと
  3. ベシクルの主成分がSpan80であるため、このベシクルが膜融合により遺伝子導入すること。
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