JP2010193414A - 電気音響変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】動電型の電気音響変換器において、これを表面実装可能な構成とした上で、その汎用性を確保し、かつ、背圧調整孔からの異物の侵入を未然に防止する。
【解決手段】背圧調整孔16eを、フレーム16の下端コーナ部においてその底面壁16Aと外周壁16Bとに跨るように形成する。これにより、外部基板2への表面実装状態において、ダイアフラム12よりも下方側の内部空間40と外部空間との間における空気の流通を図る。また、フレーム16の内面に、背圧調整孔16eを塞ぐ繊維シート26(防塵部材)が固定支持された構成とする。これにより、内部空間40の圧力を調整可能とした上で、内部空間40への異物の侵入を防止し、また、音圧レベル周波数特性のフラット化を図る。その際、繊維シート26として耐熱温度150℃以上のものを用いる。これにより、リフロー処理の際の熱により繊維シート26の防塵機能が損なわれてしまうのを未然に防止する。
【選択図】図1

Description

本願発明は、いわゆる動電型の電気音響変換器に関するものであり、特に、その背圧調整孔の周辺構造に関するものである。
一般に、動電型のスピーカ等の電気音響変換器は、ダイアフラムと、このダイアフラムの下面に固定されたボイスコイルと、このボイスコイルの下端部を収容する磁気間隙が形成された磁気回路ユニットと、この磁気回路ユニットとダイアフラムの外周縁部とを固定支持するフレームとを備えた構成となっている。
その際「特許文献1」には、このような動電型の電気音響変換器において、そのダイアフラムよりも下方側の内部空間の圧力を調整するための背圧調整孔がフレームに形成された構成が記載されている。
また「特許文献2」には、上記背圧調整孔が磁気回路ユニットに形成されるとともに、この磁気回路ユニットに上記背圧調整孔を塞ぐ防塵部材(フィルタ部)が配置された構成が記載されている。
特開2004−266410号公報 特開2008−312086号公報
上記「特許文献2」に記載された電気音響変換器のように防塵部材を備えた構成とすれば、ダイアフラムよりも下方側の内部空間の圧力を背圧調整孔により調整可能とした上で、この背圧調整孔から内部空間に塵埃やハンダ等の異物が侵入してしまうのを未然に防止することが可能となる。
しかしながら、この「特許文献2」に記載された電気音響変換器においては、その背圧調整孔が磁気回路ユニットの位置において下方へ向けて開口しているので、この電気音響変換器をそのまま外部基板(例えば携帯電話機の基板等)に実装すると、その背圧調整孔が外部基板によって塞がれてしまうこととなる。これを未然に防止するためには、外部基板にも背圧調整孔と対応する位置に開口部を予め形成しておく必要があり、このため電気音響変換器として汎用性に欠けたものとなってしまう、という問題がある。
また、電気音響変換器の外部基板への実装が表面実装によって行われる場合には、リフロー処理(すなわち、クリームハンダが塗布された基板上に電気音響変換器を配置した後、リフロー炉で加熱してクリームハンダを溶かすことにより電気音響変換器を基板に実装する処理)が施されることとなるので、その際の熱によって電気音響変換器の構成部材に変形や変質が生じてしまわないように配慮することが必要となる。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、動電型の電気音響変換器において、これを表面実装可能な構成とした上で、その汎用性を確保し、かつ、背圧調整孔からの異物の侵入を未然に防止することができる電気音響変換器を提供することを目的とするものである。
本願発明は、背圧調整孔の形成位置および防塵部材の構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る電気音響変換器は、
ダイアフラムと、このダイアフラムの下面に固定されたボイスコイルと、このボイスコイルの下端部を収容する磁気間隙が形成された磁気回路ユニットと、この磁気回路ユニットと上記ダイアフラムの外周縁部とを固定支持するフレームと、を備えてなる電気音響変換器において、
上記フレームが、底面壁と外周壁とを有する筐体として、上記磁気回路ユニットを囲むようにして配置されており、
上記フレームの下端コーナ部に、上記電気音響変換器における上記ダイアフラムよりも下方側の内部空間の圧力を調整するための背圧調整孔が、上記底面壁と上記外周壁とに跨るようにして形成されており、
上記フレームの内面に、耐熱温度150℃以上の防塵部材が、上記背圧調整孔を塞いだ状態で固定支持されている、ことを特徴とするものである。
上記構成において「下面」や「下端部」等の方向性を示す用語は、電気音響変換器を構成する各部材相互間の位置関係を明確にするために便宜上用いたものであって、これにより電気音響変換器を実際に使用する際の方向性が限定されるものではない。
上記「電気音響変換器」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、スピーカやレシーバ等が採用可能である。
上記「背圧調整孔」は、フレームの下端コーナ部においてその底面壁と外周壁とに跨るようにして形成されたものであれば、その具体的な開口形状は特に限定されるものではなく、また、この「背圧調整孔」の形成個数は、単数であってもよいし複数であってもよい。
上記「防塵部材」は、空気の流通を許容する一方、塵埃等の異物の侵入を阻止し得るように構成された耐熱温度150℃以上の部材であれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。また、この「防塵部材」は、背圧調整孔を塞いだ状態でフレームの内面に固定支持されたものであれば、シート状に形成されたものであってもよいし、ブロック状に形成されたものであってもよい。
上記構成に示すように、本願発明に係る電気音響変換器は、動電型の電気音響変換器として構成されているが、その背圧調整孔が、底面壁と外周壁とを有する筐体として構成されたフレームの下端コーナ部において、その底面壁と外周壁とに跨るようにして形成されているので、この電気音響変換器を外部基板に表面実装するようにした場合においても、その実装状態において、電気音響変換器におけるダイアフラムよりも下方側の内部空間と電気音響変換器の外部空間との間における空気の流通を図ることができる。このため、外部基板に開口部を予め形成しておく必要をなくすことができる。
また、本願発明に係る電気音響変換器においては、そのフレームの内面に、背圧調整孔を塞ぐ防塵部材が固定支持されているので、上記内部空間の圧力を調整可能とした上で、この内部空間に塵埃やハンダ等の異物が侵入してしまうのを未然に防止することができる。しかも、このように背圧調整孔を塞ぐ防塵部材を設けることにより、音圧レベル周波数特性のフラット化を図ることが可能となり、これにより電気音響変換器として好ましい音響特性を確保することができる。
さらに、本願発明に係る電気音響変換器においては、その防塵部材の耐熱温度が150℃以上に設定されているので、電気音響変換器にリフロー処理が施される場合であっても、その際の熱により防塵部材の防塵機能が損なわれてしまうのを未然に防止することができる。
すなわち、リフロー処理が行われるリフロー炉の雰囲気温度は200〜230℃程度である。このリフロー炉を電気音響変換器が通過する際、防塵部材にも熱が伝達されて、その温度が上昇することとなる。その際、リフロー炉を通過する時間内における防塵部材の温度上昇は、せいぜい150℃程度までである。したがって、この防塵部材の耐熱温度が150℃以上に設定されていれば、リフロー処理の際の熱によりその防塵機能が損なわれてしまうのを未然に防止することができる。
このように本願発明によれば、動電型の電気音響変換器において、これを表面実装可能な構成とした上で、その汎用性を確保し、かつ、背圧調整孔からの異物の侵入を未然に防止することができる。
特に、電気音響変換器にリフロー処理が施される場合には、その背圧調整孔を介して上記内部空間にハンダが侵入しやすくなるので、本願発明の構成を採用することが特に効果的である。
また、本願発明に係る電気音響変換器においては、背圧調整孔を塞ぐ防塵部材が配置されていることにより、リフロー処理の際の熱が上記内部空間に侵入するのを抑制することができる。そしてこれにより、ダイアフラムやボイスコイル等の構成部材に変形や変質が生じてしまうのを効果的に抑制することができる。
さらに、本願発明に係る電気音響変換器は、その背圧調整孔を塞ぐ防塵部材がフレームの内面に固定支持されているので、外部基板への表面実装を何ら支障なく行うことができる。
上記構成において、フレームが、平面視において略矩形状の外形形状を有しているとともに、背圧調整孔が、フレームの下端コーナ部における各辺の略中央部にそれぞれ形成された構成とすれば、背圧調整孔の開口面積を十分に確保することが容易に可能となる。また、このような構成を採用することにより、フレームの四隅に電気音響変換器の端子部材を配置することが可能となり、これにより電気音響変換器の外部基板への表面実装を安定的に行うことができる。
上記構成において、防塵部材が、繊維シートにより構成されたものとすれば、その密度を精度良く設定することができるので、所要の背圧調整機能を確保した上で、その防塵機能を十分に確保することができる。
その際、繊維シートの密度が、0.6〜0.9g/cm3に設定された構成とすれば、背圧調整機能と防塵機能との両立をバランス良く図ることができる。
上記構成において、繊維シートが、外周縁の4箇所に突起部が形成された環状のシートとして構成されたものとした上で、その各突起部を略L字形に折り曲げた状態でフレームの底面壁に接着固定された構成とすれば、背圧調整孔が、平面視において略矩形状の外形形状を有するフレームの下端コーナ部における各辺の略中央部にそれぞれ形成されている場合においても、簡易な工程で、防塵部材を所定位置に配置することができる。
上記構成において、繊維シートとして、フッ素繊維シートを採用するようにすれば、音圧レベル周波数特性のフラット化を図った上で、その耐熱性を十分に確保することができる。
上記構成において、繊維シートとして、アラミド繊維シートを採用するようにすれば、音圧レベル周波数特性のフラット化をより一層効果的に図ることができる。
本願発明の一実施形態に係る電気音響変換器を、上向きに配置した状態で示す側断面図 図1のII方向矢視図 上記電気音響変換器を下方から見て示す斜視図 上記電気音響変換器の繊維シートを単品で示す平面図 上記実施形態およびその変形例の作用を示す、音圧レベル周波数特性図
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る電気音響変換器10を、上向きに配置した状態で示す側断面図であり、図2は、図1のII方向矢視図である。また、図3は、この電気音響変換器10を下方から見て示す斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る電気音響変換器10は、小型の動電型スピーカであって、外部基板(例えば携帯電話機等の外部機器の基板)2に表面実装により取り付けられた状態で使用されるようになっている。その際、この電気音響変換器10は、平面視において略正方形の外形形状を有しており、その一辺の長さは25mm以下(例えば20mm程度)の値に設定されている。
この電気音響変換器10は、ダイアフラム12と、このダイアフラム12の下面に固定されたボイスコイル14と、このボイスコイル14の下端部を収容する磁気間隙が形成された磁気回路ユニット18と、この磁気回路ユニット18とダイアフラム12の外周縁部とを固定支持するフレーム16と、ダイアフラム12を上方側から覆うカバー20と、フレーム16に固定支持された1対の端子部材22および1対のダミー端子部材24と、防塵部材としての繊維シート26とを備えた構成となっている。
ダイアフラム12は、電気音響変換器10の外形形状の一辺の長さよりも僅かに小さい直径を有する円形の外形形状を有している。このダイアフラム12は、ポリイミドフィルム等の合成樹脂フィルムに熱プレス成形を施すことにより形成されている。
このダイアフラム12は、中央領域12Aがドーム状に形成されており、その周辺領域12Bが、上向き円弧状の断面形状で円環状に延びるように形成されている。また、このダイアフラム12には、その中央領域12Aと周辺領域12Bとの間に環状の中間平面部12aが形成されるとともに、その周辺領域12Bの外周側に環状の外周縁平面部12bが形成されている。そして、このダイアフラム12は、その中間平面部12aにボイスコイル14の上端面が接着固定されており、また、その外周縁平面部12bにおいてフレーム16に接着固定されている。
ボイスコイル14は、その巻回形状が円筒状に設定されている。このボイスコイル14は、その上端面においてダイアフラム12の中間平面部12aに接着固定されている。また、このボイスコイル14は、該ボイスコイル14から延出する1対のコイル端末14aの先端部において、1対の端子部材22に電気的に接続されている。
フレーム16は、合成樹脂製の射出成形品であって、底面壁16Aと外周壁16Bと内周壁16Cとを有する筐体として、磁気回路ユニット18を囲むようにして配置されている。このフレーム16は、平面視において略正方形の外形形状を有しており、その中央には円形開口部16aが形成されている。
このフレーム16の外周壁16Bは、その底面壁16Aの外周端から上方へ立ち上がるようにして形成されている。この外周壁16Bの上端面内周部には、ダイアフラム12の外周縁平面部12bを固定支持するためのダイアフラム支持部16bが段下がりで形成されている。
また、このフレーム16の内周壁16Cは、その底面壁16Aの内周端から上方へ立ち上がるようにして形成されている。その際、この内周壁16Cは、外周壁16Bよりも低い高さに設定されている。
そして、このフレーム16においては、底面壁16Aと外周壁16Bと内周壁16Cとにより、略U字形の断面形状で円環状に延びる環状溝部16cを形成するようになっている。
磁気回路ユニット18は、内磁型の磁気回路ユニットであって、鋼製のベース28と、マグネット30と、鋼製のヨーク32とからなっている。
ベース28は、背の低い有底円筒状に形成されている。マグネット30は、円板状部材であって、ベース28の底壁部上面にこれと同心で接着固定されている。ヨーク32は、マグネット30よりも僅かに径の大きい円板状部材であって、マグネット30の上面にこれと同心で接着固定されている。これにより磁気回路ユニット18は、ヨーク32の外周面とベース28の円筒状部の内周面との間に、ボイスコイル24の下端部を収容する円筒状磁気間隙を全周同一幅で形成するようになっている。
そして、この磁気回路ユニット18は、フレーム16の円形開口部16aに下方から嵌め込まれるようにしてフレーム20の内周壁16Cに接着固定されている。この内周壁16Cの上端部には、ベース28における円筒部分の上端部と係合するようにして磁気回路ユニット18を受ける位置決め係止部16dが形成されている。
カバー20は、合成樹脂製の射出成形品であって、平面視においてフレーム16と略同じ外形形状を有している。このカバー20には、その複数箇所に放音孔20aが形成されている。そして、このカバー20は、その外周縁部において、フレーム16の外周壁16Bの上端面に接着固定されている。
1対の端子部材22は、インサート成形によりフレーム16と一体で形成されている。これら各端子部材22は、環状溝部16cの外周側においてフレーム16の上面に露出するランド部22Aと、フレーム16の下面から側方へ延びる外部基板接続部22Bとを備えている。
そして、これら1対の端子部材22のランド部22Aに対して、1対のコイル端末14aが、それぞれ熱圧着により電気的に接続されている。また、これら1対の端子部材22の外部基板接続部22Bは、フレーム16の下面と面一で互いに反対方向に延びており、さらにフレーム16の外周壁16Bの外面から僅かに離れた位置において略直角に折れ曲がって上方へ向けて延びている。
1対のダミー端子部材24は、1対の端子部材22と左右対称の位置関係で、インサート成形によりフレーム16と一体で形成されている。
本実施形態に係る電気音響変換器10においては、そのダイアフラム12とフレーム16と磁気回路ユニット18とにより、ダイアフラム12よりも下方側の内部空間40が形成されるようになっている。
そして、この電気音響変換器10においては、そのフレーム16の下端コーナ部における各辺の略中央部に、内部空間40の圧力を調整するための背圧調整孔16eが形成されている。これら4つの背圧調整孔16eは、いずれも底面壁16Aと外周壁16Bとに跨るようにして形成されている。
また、この電気音響変換器10においては、そのフレーム16の内面に、防塵部材としての繊維シート26が、4つの背圧調整孔16eを塞いだ状態で固定支持されている。
この繊維シート26は、耐熱温度150℃以上のフッ素繊維シートにより構成されている。その際、この繊維シート26は、その密度が0.6〜0.9g/cm3の範囲内の値に設定されており、また、その繊維間距離が0.03〜0.09mmの範囲内の値に設定されている。
図4は、この繊維シート26を、単品で示す平面図である。
同図にも示すように、この繊維シート26は、外周縁の4箇所に突起部26aが形成された環状のシートとして構成されている。これら4つの突起部26aは、周方向に等間隔(すなわち90°間隔)をおいて形成されている。そして、この繊維シート26は、フレーム16の環状溝部16cに落とし込むようにして配置され、その各突起部26aをフレーム16の外周壁16Bに沿って略L字形に折り曲げた状態で、フレーム16の底面壁16Aに接着固定されるようになっている、
この繊維シート26の内径は、フレーム16の内周壁16Cの外径よりも僅かに大きい値に設定されている。また、この繊維シート26における各突起部26aの周方向の幅は、各背圧調整孔16eの周方向の幅よりも多少大きい値に設定されている。一方、これら各突起部26aの径方向の突出量は、略L字形に折り曲がった状態において、その先端部が、外周壁16Bにおける背圧調整孔16eの上方に位置する部分に多少掛かるような値に設定されている。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る電気音響変換器10は、動電型スピーカとして構成されているが、その背圧調整孔16eが、底面壁16Aと外周壁16Bと内周壁16Cとを有する筐体として構成されたフレーム16の下端コーナ部において、その底面壁16Aと外周壁16Bとに跨るようにして形成されているので、この電気音響変換器10を外部基板2に表面実装するようにした場合においても、その実装状態において、電気音響変換器10におけるダイアフラム12よりも下方側の内部空間40と電気音響変換器10の外部空間との間における空気の流通を図ることができる。このため、外部基板2に開口部を予め形成しておく必要をなくすことができる。
また、本実施形態に係る電気音響変換器10においては、そのフレーム16の内面に、背圧調整孔16eを塞ぐ防塵部材としての繊維シート26が固定支持されているので、内部空間40の圧力を調整可能とした上で、内部空間40に塵埃やハンダ等の異物が侵入してしまうのを未然に防止することができる。しかも、このように背圧調整孔16eを塞ぐ繊維シート26を設けることにより、音圧レベル周波数特性のフラット化を図ることができ、これにより電気音響変換器10として好ましい音響特性を確保することができる。
さらに、本実施形態に係る電気音響変換器10においては、その繊維シート26の耐熱温度が150℃以上に設定されているので、電気音響変換器10にリフロー処理が施される場合であっても、その際の熱により繊維シート26の防塵機能が損なわれてしまうのを未然に防止することができる。
すなわち、リフロー処理が行われるリフロー炉の雰囲気温度は200〜230℃程度である。このリフロー炉を電気音響変換器10が通過する際、繊維シート26にも熱が伝達されて、その温度が上昇することとなる。その際、リフロー炉を通過する時間内における繊維シート26の温度上昇は、せいぜい150℃程度までである。したがって、繊維シート26の耐熱温度が150℃以上に設定されていれば、リフロー処理の際の熱によりその防塵機能が損なわれてしまうのを未然に防止することができる。
このように本実施形態によれば、動電型の電気音響変換器10において、これを表面実装可能な構成とした上で、その汎用性を確保し、かつ、背圧調整孔16eからの異物の侵入を未然に防止することができる。
特に、電気音響変換器10にリフロー処理が施される場合には、その背圧調整孔16eを介して内部空間40にハンダが侵入しやすくなるので、本実施形態の構成を採用することが特に効果的である。
また、本実施形態に係る電気音響変換器10においては、背圧調整孔16eを塞ぐ繊維シート26が配置されていることにより、リフロー処理の際の熱が内部空間40に侵入するのを抑制することができる。そしてこれにより、ダイアフラム12やボイスコイル14等の構成部材に変形や変質が生じてしまうのを効果的に抑制することができる。
さらに、本実施形態に係る電気音響変換器10は、その背圧調整孔16eを塞ぐ繊維シート26がフレーム16の内面に固定支持されているので、外部基板2への表面実装を何ら支障なく行うことができる。
その際、本実施形態においては、フレーム16が、平面視において略矩形状の外形形状を有しているとともに、背圧調整孔16eが、フレーム16の下端コーナ部における各辺の略中央部にそれぞれ形成された構成となっているので、背圧調整孔16eの開口面積を十分に確保することが容易に可能となる。また、このような構成を採用することにより、フレーム16の四隅に電気音響変換器10の端子部材22およびダミー端子部材24を配置することが可能となり、これにより電気音響変換器10の外部基板2への表面実装を安定的に行うことができる。
しかも本実施形態においては、防塵部材が繊維シート26により構成されているので、その密度を精度良く設定することができ、これにより、所要の背圧調整機能を確保した上で、その防塵機能を十分に確保することができる。
その際、繊維シート26は、その密度が0.6〜0.9g/cm3に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、繊維シート26は、その密度が0.6g/cm3よりも小さいと、空気が繊維シート26を介して流通しにくくなり、背圧調整機能が低下してしまい、一方、その密度が0.9g/cm3よりも大きいと、小さい異物が繊維シート26を介して内部空間40に侵入しやすくなる。そこで、繊維シート26の密度を0.6〜0.9g/cm3に設定することにより、背圧調整機能と防塵機能との両立をバランス良く図ることができる。
本実施形態においては、繊維シート26が、外周縁の4箇所に突起部26aが形成された環状のシートとして構成されており、その各突起部26aを略L字形に折り曲げた状態でフレーム16の底面壁16Aに接着固定された構成となっているので、簡易な工程で、繊維シート26を所定位置に配置することができる。
特に本実施形態においては、フレーム16に環状溝部16cが形成されているので、この環状溝部16cに繊維シート26を落とし込んで、これを底面壁16Aに押し付けて接着するだけの簡単な作業で、繊維シート26を所定位置に配置することができる。しかもその際、繊維シート26は、その内径が環状溝部16cの内径(すなわち内周壁16Cの外径)よりも僅かに大きい値に設定されているので、その径方向の位置決めを精度良く行うことができる。
さらに本実施形態においては、繊維シート26として、フッ素繊維シートが用いられているので、音圧レベル周波数特性のフラット化を図った上で、その耐熱性を十分に確保することができる。
図5は、本実施形態の作用効果を確認するために行った実験の結果を示す音圧レベル周波数特性図である。
同図(a)は、本実施形態に係る電気音響変換器10に対して、繊維シート26が配置されていない状態(すなわち背圧調整孔16eが開放された状態)にある電気音響変換器を用いて測定した結果を示す特性図である。
同図(b)は、本実施形態に係る電気音響変換器10を用いて測定した結果を示す特性図である。
同図(c)は、本実施形態に係る電気音響変換器10に対して、繊維シート26の代わりにアラミド繊維シートを配置した電気音響変換器を用いて測定した結果を示す特性図である。
なお、この実験においては、各電気音響変換器の周囲にバッフル板を配置した状態で、各電気音響変換器から10cmの距離において音圧を測定した。
同図(a)に示すように、背圧調整孔16eが開放状態にある場合には、950〜1kHz付近の音圧が、1.5k〜4kHz付近の音圧に比してかなり高くなってしまっている。
これに対し、同図(b)に示すように、フッ素繊維シートからなる繊維シート26で背圧調整孔16eを塞いだ場合には、同図(a)の場合に比して、950〜1kHz付近の音圧が2〜3dB低くなる一方、1.5k〜4kHz付近の音圧は略同等であるため、全体としてフラットな特性となっている。
また、同図(c)に示すように、アラミド繊維シートからなる繊維シートで背圧調整孔16eを塞いだ場合には、同図(a)の場合に比して、950〜1kHz付近の音圧が5〜6dB低くなる一方、1.5k〜4kHz付近の音圧は略同等であるため、全体として同図(b)の場合よりも一層フラットな特性となっている。
耐熱性の点では、フッ素繊維シートの方がアラミド繊維シートよりも優れているので、音圧レベル周波数特性のフラット化および耐熱性の確保を両立させる観点からは、フッ素繊維シートを用いることが好ましく、音圧レベル周波数特性のフラット化を優先させるのであれば、アラミド繊維シートを用いることが好ましい。
なお、フッ素繊維シートは、260℃以下の温度範囲内において連続使用が可能である。一方、アラミド繊維シートは、その分解開始温度が約500℃であり、250℃でも常温の半分以上の強度を示し、200℃では長時間の使用に耐えることができる。
ところで、上記実施形態に係る電気音響変換器10は、そのボイスコイル14の巻回形状が円筒状に設定されているものとして説明したが、これ以外の巻回形状に設定されている場合においても、上記実施形態と略同様の作用効果を得ることが可能である。
上記実施形態に係る電気音響変換器10は、平面視において略正方形の外形形状を有しているものとして説明したが、これ以外の外形形状を有している場合においても、上記実施形態と略同様の作用効果を得ることが可能である。
上記実施形態に係る電気音響変換器10は、その繊維シート26を周方向に位置決めする構成を備えていないが、例えば、フレーム16の外周壁16Bの内周面に適当な突起部を形成することと等により、繊維シート26を周方向に位置決めする構成を備えた構成とすることも可能である。その際、フレーム16の内周壁16Cの外周面形状および繊維シート26の内周縁形状を平面視において円形以外の形状に設定しておくことによっても、繊維シート26の周方向の位置決めを図ることが可能である。
上記実施形態に係る電気音響変換器10においては、繊維シート26が単一の部材として構成されているものとして説明したが、繊維シート26が複数の部材として構成され、それぞれが各背圧調整孔16eを塞ぐように配置された構成とすることも可能である。
なお、上記実施形態において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
上記実施形態においては、電気音響変換器10がスピーカであるものとして説明したが、レシーバ等のようなスピーカ以外の電気音響変換器である場合においても、上記実施形態と同様の構成を採用することにより上記実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
2 外部基板
10 電気音響変換器
12 ダイアフラム
12A 中央領域
12B 周辺領域
12a 中間平面部
12b 外周縁平面部
14 ボイスコイル
14a コイル端末
16 フレーム
16A 底面壁
16B 外周壁
16C 内周壁
16a 円形開口部
16b ダイアフラム支持部
16c 環状溝部
16d 位置決め係止部
16e 背圧調整孔
18 磁気回路ユニット
20 カバー
20a 放音孔
22 端子部材
22A ランド部
22B 外部基板接続部
24 ダミー端子部材
26 防塵部材としての繊維シート
26a 各突起部
28 ベース
30 マグネット
32 ヨーク
40 ダイアフラムよりも下方側の内部空間

Claims (7)

  1. ダイアフラムと、このダイアフラムの下面に固定されたボイスコイルと、このボイスコイルの下端部を収容する磁気間隙が形成された磁気回路ユニットと、この磁気回路ユニットと上記ダイアフラムの外周縁部とを固定支持するフレームと、を備えてなる電気音響変換器において、
    上記フレームが、底面壁と外周壁とを有する筐体として、上記磁気回路ユニットを囲むようにして配置されており、
    上記フレームの下端コーナ部に、上記電気音響変換器における上記ダイアフラムよりも下方側の内部空間の圧力を調整するための背圧調整孔が、上記底面壁と上記外周壁とに跨るようにして形成されており、
    上記フレームの内面に、耐熱温度150℃以上の防塵部材が、上記背圧調整孔を塞いだ状態で固定支持されている、ことを特徴とする電気音響変換器。
  2. 上記フレームが、平面視において略矩形状の外形形状を有しており、
    上記背圧調整孔が、上記フレームの下端コーナ部における各辺の略中央部にそれぞれ形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の電気音響変換器。
  3. 上記防塵部材が、繊維シートにより構成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の電気音響変換器。
  4. 上記繊維シートの密度が、0.6〜0.9g/cm3に設定されている、ことを特徴とする請求項3記載の電気音響変換器。
  5. 上記繊維シートが、外周縁の4箇所に突起部が形成された環状のシートとして構成されており、上記各突起部を略L字形に折り曲げた状態で上記フレームの底面壁に接着固定されている、ことを特徴とする請求項3または4記載の電気音響変換器。
  6. 上記繊維シートが、フッ素繊維シートである、ことを特徴とする請求項3〜5いずれか記載の電気音響変換器。
  7. 上記繊維シートが、アラミド繊維シートである、ことを特徴とする請求項3〜5いずれか記載の電気音響変換器。
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