JP2010192614A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】色覚障害者にも認識することができる赤色発光装置を提供する。
【解決手段】発光ダイオード100は、リードフレーム3及び4を備え、リードフレーム3の一端部には凹部3aが設けられている。凹部3aの底部には、青色発光素子としての青色のLEDチップ1がダイボンディングにより接着固定されている。LEDチップ1は、例えば、波長が430〜480nmの範囲で発光ピークを有する青色光を発することができる。凹部3a内には、透光性の樹脂が充填されることによって、LEDチップ1を覆う被覆部2を形成している。被覆部2は、LEDチップ1が発する青色光を励起光として、発光ピークが波長620〜660nmの赤色光を発光する赤色蛍光体10を含有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤色の光を発する発光装置に関し、特に色覚障害者にも視認することができる発光装置に関する。
人間の目の視細胞は、その形態から杆体と錐体に分類され、錐体は、その異なる分光吸収特性により赤錐体、緑錐体、及び青錐体の3種類に分類されている。各錐体の分光吸収特性は、視物質の性質に依存し、赤錐体は赤視物質、緑錐体は緑視物質、青錐体は青視物質を発現しており、目に入った光がどのような波長成分を有するかに応じて、各視物質を介して各錐体が刺激され、色として知覚される。
赤視物質、緑視物質、青視物質のいずれかの機能が損なわれた状態を色覚障害という。色覚障害の大多数は、赤視物質の遺伝子に変異を生じた第1色覚障害(色覚障害全体の約25%)か、緑視物質の遺伝子に変異を生じた第2色覚障害(色覚障害全体の約75%)であり、赤視物質又は緑視物質のどちらの機能が失われても、緑〜赤の波長域で色の差を感じにくいという似た症状になるため、赤緑色覚障害と総称されている。一方、青視物質の遺伝子に変異を生じた第3色覚障害は、色覚障害全体の約0.02%と少ない。
色覚障害のうち大多数を占める赤緑色覚障害(第1色覚障害、第2色覚障害)は、緑〜赤の波長域において、明度が類似した色を見分けること(対象物の色識別)が困難になっている。特に、光の波長域において、黄緑〜黄の波長域を中心に左右(短波長側と長波長側)の色がほぼ同一に見えており、「緑と赤」、「黄緑と黄」の差を区別して認識することが困難となっている。
一方、赤色の光を発する発光装置として、例えば、赤色発光ダイオード(LED)は、情報表示装置、家電製品やAV機器、携帯電話、車載機器、信号機など、様々な分野で利用されている。
図7は従来の赤色発光ダイオードの発光スペクトルの一例を示す説明図である。図7に示すように、波長が620nm〜630nmの範囲に発光スペクトルのピークが存在するとともに、600nm付近の短波長領域で相対発光強度がゼロに近づいている。また、特許文献1には、このような従来の赤色発光ダイオードが歩行者用信号灯器に使用されている例が開示されている。
特開2008−234134号公報
しかしながら、健常者であれば、特許文献1の歩行者用信号灯器に使用されている赤色発光ダイオードが発する赤色を認識することができるものの、色覚障害者の赤視物質の機能障害の程度によっては、赤が暗く感じられる場合や、赤色を認識することができない場合がある。このため、色覚障害者にも認識することができる赤色発光装置が望まれていた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、色覚障害者にも認識することができる赤色発光装置を提供することを目的とする。
第1発明に係る発光装置は、波長が430〜480nmの範囲で発光ピークを有する青色発光素子と、該青色発光素子からの励起光により、発光ピークが波長620〜660nmの光を発光する赤色蛍光体と、該赤色蛍光体を含有し、前記青色発光素子を覆う被覆部とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る発光装置は、第1発明において、前記発光ピークが波長620〜660nmの光のスペクトル半値幅が80nm以上であることを特徴とする。
第3発明に係る発光装置は、第1発明又は第2発明において、前記発光ピークが波長620〜660nmの光のスペクトルの下限値が少なくとも550nmより小さいことを特徴とする。
第1発明にあっては、青色発光素子(青色LEDチップ)は、波長が430〜480nmの範囲で発光ピークを有する青色を発する。この青色の光が青色発光素子を覆う被覆部を透過する際に、被覆部に含有された赤色蛍光体は、青色の光により励起されて、発光ピークが波長620〜660nmの赤色の光を発する。すなわち、発光装置は、赤色の光と青色の光とを同時に発する。健常者の赤錐体の相対的な感度は、波長560nm付近でピークを有し、560nm付近から700nm付近に至る波長域で減少する。一方、健常者や赤緑色覚障害者の青錐体の相対的な感度は、440nm付近でピークを有し、440nm付近から540nm付近に至る波長域で減少し、540nm程度で急激に減少するが640nm付近まで感度を保っている。発光装置が発する赤色のドミナント波長(発光ピーク)を620〜660nm付近とすることにより、色覚障害者(赤緑色覚障害者)の赤錐体の相対的な感度が健常者の場合に比べて低下する場合でも、色覚障害者の青錐体の相対的な感度が保たれている波長域(例えば、620nm〜660nm)において、赤錐体に対する相対的な反応度合いを高める。また、発光装置が発する青色のドミナント波長(発光ピーク)を430〜480nm付近とすることにより、色覚障害者の青錐体の相対的な感度が低下する波長域(例えば、440nm〜480nm)において、青錐体に対する相対的な反応度合いを高める。
そして、赤色に青色を組み合わせることにより、赤錐体の相対的な感度が低下する波長域において赤錐体に対する相対的な反応度合いを高めるのみならず、青錐体の相対的な感度が低下する波長域においても青錐体の相対的な反応度合いも高めることにより、赤色だけの場合に比較して、色再現性が良くなり、色覚障害者の対する赤色の識別力を向上させることができ、健常者にとっても違和感なく赤色を認識することができる。
第2発明にあっては、発光ピークが波長620〜660nmの光のスペクトル半値幅を80nm以上とする。赤色光のスペクトルの半値幅を従来の赤色発光ダイオードの場合に比較して大きくすることにより、赤色光の相対発光強度を短波長側でも相対的に大きくする。これにより、赤錐体の相対的な感度が長波長側で低下するような色覚障害の場合、すなわち、赤錐体の相対的な感度を維持することができる波長域が短波長側に限られているような色覚障害の場合でも、赤色の識別力を向上することができ、あるいは、赤色の存在を認識することができる。
第3発明にあっては、発光ピークが波長620〜660nmの光のスペクトルの下限値を少なくとも550nmより小さくする。下限値は、光の相対発光強度がゼロになるときの波長のうち下限の方である。赤色光のスペクトルの下限値を従来の赤色発光ダイオードの場合に比較して小さくする(短波長側にする)ことにより、赤色光の相対発光強度を短波長側でも相対的に大きくする。特に、赤錐体の相対的な感度は、波長560nm付近でピークを有し、560nm付近から700nm付近に至る波長域で減少するので、赤色光のスペクトルの下限値を少なくとも550nmより小さくすれば、赤錐体に対する相対的な反応度合いを高めることができる。これにより、赤錐体の相対的な感度が長波長側で低下するような色覚障害の場合、すなわち、赤錐体の相対的な感度を維持することができる波長域が短波長側に限られているような色覚障害の場合でも、赤色の識別力を向上することができ、あるいは、赤色の存在を認識することができる。
第1発明によれば、赤色に青色を組み合わせることにより、色覚障害者の対する赤色の識別力を向上させることができ、健常者にとっても違和感なく赤色を認識することができる。
第2発明によれば、赤色光のスペクトルの半値幅を80nm以上とすることにより、赤錐体の相対的な感度が長波長側で低下するような色覚障害の場合、すなわち、赤錐体の相対的な感度を維持することができる波長域が短波長側に限られているような色覚障害の場合でも、赤色の識別力を向上することができ、あるいは、赤色の存在を認識することができる。
第3発明によれば、赤色光のスペクトルの下限値を少なくとも550nmより小さくすることにより、赤錐体の相対的な感度が長波長側で低下するような色覚障害の場合、すなわち、赤錐体の相対的な感度を維持することができる波長域が短波長側に限られているような色覚障害の場合でも、赤色の識別力を向上することができ、あるいは、赤色の存在を認識することができる。
本発明に係る発光装置の実施の形態1である発光ダイオードの構成例を示す正面断面図である。 発光ダイオードの発光スペクトルの一例を示す説明図である。 発光ダイオードの発光色を示すCIE色度図である。 健常者の各錐体の相対的な感度を示す説明図である。 赤緑色覚障害者(第1色覚障害者)の各錐体の相対的な感度の一例を示す説明図である。 本発明に係る発光装置の実施の形態2である発光ダイオードの構成例を示す正面断面図である。 従来の赤色発光ダイオードの発光スペクトルの一例を示す説明図である。
実施の形態1
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る発光装置の実施の形態1である発光ダイオード100の構成例を示す正面断面図である。図1に示すように、本発明に係る発光装置としての発光ダイオード100は、リードフレーム3及び4を備え、リードフレーム3の一端部には凹部3aが設けられている。凹部3aの底部には、青色発光素子としての青色のLEDチップ1がダイボンディングにより接着固定されている。LEDチップ1は、例えば、波長が430〜480nmの範囲で発光ピークを有する青色光を発することができる。
LEDチップ1の一方の電極は、ワイヤ5によりリードフレーム3とワイヤボンディングされ、他方の電極はワイヤ5によりリードフレーム4とワイヤボンディングされている。凹部3a内には、透光性の樹脂が充填されることによって、LEDチップ1を覆う被覆部2を形成している。被覆部2が形成されたリードフレーム3及び4の端部は、先端部が凸状のレンズ部をなすモールド部6に収納されている。モールド部6は、エポキシ樹脂等の透光性の樹脂で形成されている。
被覆部2は、LEDチップ1が発する青色光を励起光として、発光ピークが波長620〜660nmの赤色光を発光する赤色蛍光体10を含有している。赤色蛍光体10は、例えば、硫化カルシウム(CaS)及び硫化ユーロピウム(EuS)からなる混合物を焼成してなる。具体的には、CaS及びEuSを混合する混合過程、混合過程後の生成物を900〜1100℃の温度で所定時間保持する保持過程、保持過程後の生成物を冷却する冷却過程、冷却過程後の生成物の温度を再度上昇させて600〜900℃の温度で所定時間保持する保持過程により所望の赤色蛍光体を得ることができる。この場合、硫化ユーロピウム(EuS)のモル比は、硫化カルシウム(CaS)及び硫化ユーロピウム(EuS)の合計を100として、例えば、0.01〜10程度の範囲にすることができる。あるいは、赤色蛍光体10として、酸窒化物蛍光体を用いることもできる。例えば、α−Si3 4 と同一の結晶構造を有し、一般式αで表される無機化合物にEu2+を付活したものである。ここで、一般式αは、α:M(Si、Al)12(O、N)16であり、Mは、Li、Mg、Ca、Sr、Y、又はランタノイド元素である。
上述の構成により、発光ダイオード100は、LEDチップ1からの青色光と、赤色蛍光体10からの赤色光とを同時に発する。
図2は発光ダイオード100の発光スペクトルの一例を示す説明図である。図2に示すように、発光ダイオード100は、波長が430〜480nmの範囲で発光ピークを有する青色光と、波長が620〜660nmの範囲で発光ピークを有する赤色光とを発する。赤色光のスペクトル半値幅は80nm以上である。ここで、スペクトル半値幅とは、相対発光強度がピーク値に対して半分(50%)になる2つの波長の幅である。図2の例では、発光スペクトルの相対発光強度が半分になる波長は、略580nmと略680nmとであり、半値幅は略100nm(680−580)となっている。
また、赤色光のスペクトルの下限値が少なくとも550nmより小さい。下限値は、赤色光のスペクトルの相対発光強度がゼロになるときの波長のうち下限の方である。すなわち、赤色光のスペクトルは、550nmより長波長側では上限値までの範囲においてゼロではないということである。図2の例では、下限値は略520nmである。
なお、図2の例では、赤色光のピークの相対発光強度が1に対して、青色光のピークの相対発光強度が0.3程度である場合を例示しているが、赤色光と青色光との相対発光強度の比は、図2の例に限定されるものではなく、例えば、赤色光と青色光との相対発光強度の比が、1:1から1:0.1程度の範囲内であってもよい。
図3は発光ダイオード100の発光色を示すCIE色度図である。図3に示すように、発光ダイオード100の発光色は、色座標(x、y)で特定することができ、図3において、台形状の領域(図中模様ありの領域)が発光ダイオード100の色度範囲Aである。すなわち、色度範囲Aは、次の4点の(0.54、0.234)、(0.54、0.302)、(0.631、0.35)、(0.68、0.3)で囲まれる領域である。なお、色度範囲A内の所望の色座標値を得るには、例えば、赤色蛍光体の濃度を調整すればよい。発光ダイオード100の発光色を色度範囲A内にすることにより、健常者にも違和感なく赤色と認識される。
図4は健常者の各錐体の相対的な感度を示す説明図である。横軸は光の波長を示し、縦軸は各錐体の相対的な感度(分光感度)をLog換算で示している。青錐体の相対的な感度(受光スペクトル)は、440nm付近でピークを有し、440nm付近から540nm付近に至る波長域で減少し、540nm程度で急激に減少するが640nm付近まで感度を保っている。また、赤錐体の相対的な感度は、波長560nm付近でピークを有し、560nm付近から700nm付近に至る波長域で減少する。また、緑錐体の相対的な感度は、540nm付近でピークを有し、広い波長域で赤錐体の相対的な感度と重複しているが、少しずれている。
健常者では、ある波長の光が目に入った場合、青錐体、緑錐体及び赤錐体の3つの各錐体がその波長での分光感度に応じて反応し、3種の反応度合いが異なることにより、光の色を弁別することができる。すなわち、健常者は、各錐体の反応度合いの違いにより、異なる色として知覚することができる。
図5は赤緑色覚障害者(第1色覚障害者)の各錐体の相対的な感度の一例を示す説明図である。横軸は光の波長を示し、縦軸は各錐体の相対的な感度(分光感度)をLog換算で示している。図5の例では、赤錐体の相対的な感度が健常者の場合に比べて小さく、また、波長が600nm以上では感度が急激に低下している。すなわち、図7に例示する従来の赤色発光ダイオードの場合、波長が600nm以下では相対発光強度がゼロに近づくため、従来の赤色発光ダイオードから発せられる赤色は、色覚障害者には認識することができないか、あるいは赤色が暗く感じられる。なお、以下の説明においては、色覚障害者は、赤緑色覚障害者であるとする。また、図5の例は、色覚障害者の各錐体の相対的な感度を模式的に示したものであり、あくまで一例であって、これに限定されるものではない。
上述のとおり、健常者の赤錐体の相対的な感度は、波長560nm付近でピークを有し、560nm付近から700nm付近に至る波長域で減少する。一方、健常者や色覚障害者の青錐体の相対的な感度は、440nm付近でピークを有し、440nm付近から540nm付近に至る波長域で減少し、540nm程度で急激に減少するが640nm付近まで感度を保っている。発光ダイオード100が発する赤色のドミナント波長(発光ピーク)を620〜660nm付近とすることにより、色覚障害者の赤錐体の相対的な感度が健常者の場合に比べて低下する場合でも、色覚障害者の青錐体の相対的な感度が保たれている波長域(例えば、620nm〜660nm)において、赤錐体に対する相対的な反応度合いを高める。また、発光ダイオード100が発する青色のドミナント波長(発光ピーク)を440〜480nm付近とすることにより、色覚障害者の青錐体の相対的な感度が低下する波長域(例えば、440nm〜480nm)において、青錐体に対する相対的な反応度合いを高める。
そして、発光ダイオード100は、赤色と青色を同時に発光することにより、赤錐体の相対的な感度が低下する波長域において赤錐体に対する相対的な反応度合いを高めるのみならず、青錐体の相対的な感度が低下する波長域においても青錐体の相対的な反応度合いも高めることにより、赤色だけの場合に比較して、色再現性が良くなり、色覚障害者の対する赤色の識別力を向上させることができ、健常者にとっても違和感なく赤色を認識することができる。
また、発光ダイオード100の赤色光のスペクトル半値幅を80nm以上とする。赤色光のスペクトルの半値幅を従来の赤色発光ダイオードの場合に比較して大きくすることにより、赤色光の相対発光強度を短波長側でも相対的に大きくする。これにより、赤錐体の相対的な感度が長波長側で低下するような色覚障害の場合、すなわち、赤錐体の相対的な感度を維持することができる波長域が短波長側に限られているような色覚障害の場合でも、赤色の識別力を向上することができ、あるいは、赤色の存在を認識することができる。
また、発光ダイオード100の赤色光のスペクトルの下限値を少なくとも550nmより小さくする。下限値は、光の相対発光強度がゼロになるときの波長のうち下限の方である。赤色光のスペクトルの下限値を従来の赤色発光ダイオードの場合に比較して小さくする(短波長側にする)ことにより、赤色光の相対発光強度を短波長側でも相対的に大きくする。特に、赤錐体の相対的な感度は、波長560nm付近でピークを有し、560nm付近から700nm付近に至る波長域で減少するので、赤色光のスペクトルの下限値を少なくとも550nmより小さくすれば、赤錐体に対する相対的な反応度合いを高めることができる。これにより、赤錐体の相対的な感度が長波長側で低下するような色覚障害の場合、すなわち、赤錐体の相対的な感度を維持することができる波長域が短波長側に限られているような色覚障害の場合でも、赤色の識別力を向上することができ、あるいは、赤色の存在を認識することができる。
実施の形態2
図6は本発明に係る発光装置の実施の形態2である発光ダイオード200の構成例を示す正面断面図である。実施の形態1では、発光ダイオード100は、いわゆる砲弾型のモールド部6とリードフレーム3及び4とを備えたLEDランプの例であったが、発光ダイオードは表面実装型の構成でもよい。図6において、7は配線基板であり、配線基板7の表面には銅箔による配線パターン71及び72が互いに離隔して形成されている。配線基板7の表面に形成された一方の配線パターン71の表面に、青色のLEDチップ1を実装してある。LEDチップ1の一方の電極は、ワイヤ5により配線パターン71とワイヤボンディングされ、他方の電極はワイヤ5により配線パターン72とワイヤボンディングされている。LEDチップ1の周囲には、実施の形態1と同様の赤色蛍光体10を含有したエポキシ樹脂等の樹脂で形成されたモールド部6を形成してある。なお、発光ダイオード200の発光スペクトルや発光色は、実施の形態と同様であるので説明を省略する。
以上説明したように、本発明によれば、赤色に青色を組み合わせることにより、色覚障害者の対する赤色の識別力を向上させることができ、健常者にとっても違和感なく赤色を認識することができる。
また、赤色光のスペクトルの半値幅を80nm以上とすることにより、赤錐体の相対的な感度が長波長側で低下するような色覚障害の場合、すなわち、赤錐体の相対的な感度を維持することができる波長域が短波長側に限られているような色覚障害の場合でも、赤色の識別力を向上することができ、あるいは、赤色の存在を認識することができる。
また、赤色光のスペクトルの下限値を少なくとも550nmより小さくすることにより、赤錐体の相対的な感度が長波長側で低下するような色覚障害の場合、すなわち、赤錐体の相対的な感度を維持することができる波長域が短波長側に限られているような色覚障害の場合でも、赤色の識別力を向上することができ、あるいは、赤色の存在を認識することができる。
また、従来、赤色発光ダイオードは、情報表示装置、家電製品やAV機器、携帯電話、車載機器、信号機など様々な分野で利用されているものの、色覚障害者にとってみれば、赤色を認識できない事態や、認識しにくい事態が存在していた。上述の実施の形態1、2の発光ダイオード100、200を用いることにより、色覚障害者には、赤色の光を赤錐体の相対的な感度に応じて(色覚障害の程度に応じて)、擬似赤色の光として認識することができ、従来、赤色の光の点灯の判断ができないという問題や判断しにくいという問題を解消することができる。同時に、健常者にとっても、違和感のない範囲で赤色としての発光ダイオードを提供することができる。
なお、白色やパステル色の発光ダイオードの場合には、蛍光体を励起させるための青色発光ダイオードが発する光の波長を細かく管理する必要があるが、赤色と青色の2色の光を発光させる発光ダイオードの場合には、青色発光ダイオードが発する光のピークは、上述した範囲のものを使用することができ、この範囲であれば、いずれの波長の発光素子でも良いので、歩留まりを向上させることができる。
1 LEDチップ(青色発光素子)
2 被覆部
6 モールド部(被覆部)
10 赤色蛍光体

Claims (3)

  1. 波長が430〜480nmの範囲で発光ピークを有する青色発光素子と、
    該青色発光素子からの励起光により、発光ピークが波長620〜660nmの光を発光する赤色蛍光体と、
    該赤色蛍光体を含有し、前記青色発光素子を覆う被覆部と
    を備えることを特徴とする発光装置。
  2. 前記発光ピークが波長620〜660nmの光のスペクトル半値幅が80nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記発光ピークが波長620〜660nmの光のスペクトルの下限値が少なくとも550nmより小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
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