JP2010190027A - スロープレール - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の車いす用段差解消レールは、その形式に係わらず構造上は、地面と段差最上部との間に渡す両端自由支持の「はり」の構造であり、使用時の部材の最大たわみはそのレール長手方向全長中間部で生じる構造となっているため、使用中の安全のために全長を伸ばして傾斜角度を小さくすると大きな重量と高価なものとなり、利用の普及の障害となっている。
【解決手段】車いす用段差解消レールの中間部分に、地面からの反力を同車いす用段差解消レールの本体に伝える第三の反力支点を設けることにより、同様の素材形状と荷重に対して使用時の「たわみ」量を減少させることが可能となり軽量化、コストダウンを可能とすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】車いす用段差解消レールの中間部分に、地面からの反力を同車いす用段差解消レールの本体に伝える第三の反力支点を設けることにより、同様の素材形状と荷重に対して使用時の「たわみ」量を減少させることが可能となり軽量化、コストダウンを可能とすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、車いす用段差解消レールに関する。
従来の車いす用段差解消レールには、車いすの幅に合わせた一枚板レールのものや、車いすの両輪に合わせた2本のレールを一式としたものがあり、各々二つに折りたためたり、伸び縮みしたりするものもある(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。)。
「ダンスロープライト カタログ」、株式会社ダンロップホームプロダクツ 「ワンタッチスロープ カタログ」、株式会社リッチェル
「ダンスロープライト カタログ」、株式会社ダンロップホームプロダクツ 「ワンタッチスロープ カタログ」、株式会社リッチェル
以下、従来の車いす用段差解消レールについて説明する。従来の車いす用段差解消レールは、その形式に係わらず構造上は、地面と段差最上部との間に渡す両端自由支持の「はり」の構造であり、使用時の部材の最大たわみはそのレール長手方向中間部で生じる構造となっている。
車いすの幅に合わせた一枚板レールの場合は、レール長手方向中間部断面における断面二次モーメントを比較的大きくとれるメリットがあるが、その結果として重量の増大や、車いすの押し上げ/引き降ろしの際に介護人も斜面を登らねばならぬというデメリットがある。また、その構造上幅方向には折りたたむ構造にできても、長手方向への折りたたみには構造が複雑となりコストを押し上げてしまう事となる。重量の増加も当然コストアップの要因となっている。
従来の2本のレール式は、構造上長手方向への折りたたみが比較的容易であるために、使用後の収納に優れ、車いすの押し上げ/引き降ろしの際の介護人が二本のレールの間を移動できるというメリットがある。レールが2本である事でハンドリングの際のレール1本当たりの重量も一枚板レールに比べて軽量にできる事もメリットであるが、その結果として部材形状固有の断面二次モーメントは一枚板レールよりも小さくなりがちで「たわみ」に対する強度を確保するために、軽量化を犠牲にしたり、軽量化のために高価な素材を使う事となるデメリットがある。
従来の伸び縮み可能な2本式レールも、長手方向折りたたみ可能2本式レールと同様のメリットを有するが、伸び縮みを可能としながら許容内「たわみ」に抑えるという構造上の理由から、軽量化を犠牲にしたり、高価な素材を使う事となるデメリットがある。
以上のような理由から、従来の車いす用段差解消レールは主に20〜30cmの段差を想定したものが主流であり、近年福祉・介護の分野で問題となっている集合住宅1階階段部の平均80〜95cmの段差や、デイケア用車両との平均50〜65cmの段差のためのレールは前述のような理由から大きな重量や高価なものとなっている。
本発明は、このような従来の構造が有している問題を解決しようとするものであり、使用時の車いす用段差解消レールの「たわみ」を小さくすることにより、軽量且つ安価な車いす用段差解消レールを実現する事を目的とするののである。
そして、本発明は上記目的を達成するために、蝶番で二つに折りたためるようになった車いす用段差解消レールのほぼ中間部に、地面からの反力を車いす用段差解消レールに伝える第三の中間反力支点を設けたものである。
また、第二の課題解決手段は、地面のでこぼこなどの理由から生じる第三の中間反力支点となる支柱と地面との隙間を調整し、地面からの反力を確実に車いす用段差解消レールに伝えためのアジャスターを配置した構成としたものである。
上記第1の課題解決による作用は次の通りである。すなわち、車いす用段差解消レールのほぼ中間の蝶番の付近に第三の中間反力支点となる支柱を備えることにより、地面と段差最上部との間に渡す両端自由支持の「はり」の構造である従来の車いす用段差解消レールの、使用時の部材の最大「たわみ量」に比べて、「たわみ量」が部材の支点間の3乗に比例することから理論上1/8に減少させることができる。その結果として」を同一の断面二次モーメントを有する部材形状の同一素材であれば同じ「たわみ量」でより長い車いす用段差解消レールが可能となり、使用時の傾斜角度を小さくできる。
また、「たわみ量」は素材固有の縦弾性係数(E)に反比例するが、中間支点の追加によって得られる「たわみ量」の減少1/8を活用すると、縦弾性係数(E)が非鉄金属などよりは劣るが、軽量で安価な素材の使用が可能となる。
また、第2の課題解決手段による作用は、車いす用段差解消レールを使用状態に設置した状態でアジャスターを調整することにより、地面の反力を確実に支柱を通して第3の中間反力支点へ伝える効果を発揮する。
昨今の核家族の老齢化から、車いす利用者と老老介護の状況の増大を考えると、できるだけ軽量な車いす用段差解消レールが求められ、軽量であることは利用者の助けとなり、重量を従来と同様にした場合は、従来よりも強度の劣る安価な素材の利用が可能となりコストダウンにつながり、やはり利用者の助けとなる。特に集合住宅1階階段部の平均80〜95cmの段差や、デイケア用車両との平均50〜65cmの段差のための車いす用段差解消レールは、その安全性上できるだけ傾斜角度を小さくするためにレールの長さが求められるが、その場合の重量増加という不都合を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1は本発明の車いす用段差解消レールを車両に対して用いている状態を示す図である。
蝶番5で接続されたレール1aとレール1bを一直線に拡げて、地面と車両床面にその両端を設置した状態で、蝶番5の取り付け位置の付近に設けられたアジャスター3を備えた中間反力支点支柱2によっても、レール1a又はレール1b上の荷重が受け持っている。
蝶番5で接続されたレール1aとレール1bを一直線に拡げて、地面と車両床面にその両端を設置した状態で、蝶番5の取り付け位置の付近に設けられたアジャスター3を備えた中間反力支点支柱2によっても、レール1a又はレール1b上の荷重が受け持っている。
図2は同車いす用段差解消レールの全体構造を示しており、レール1aとレール1bは蝶番5で接続されていて、レール1aの蝶番5取り付け位置付近には中間支点支柱2がピンによって回転可能な取り付けをされており、レール1aとレール1bが折りたたまれた時に中間支点支柱2を自動的に所定の位置に収納するためのリンク4が、中間支点支柱2とレール1bにピンによって回転可能な取り付けをされている。
レール1aとレール1bが完全に開かれた使用状態では、蝶番5の軸受け金具の背中同士が接触して、物理的に180度以上には開かない構造になっている。
レール1aとレール1bが完全に開かれた使用状態では、蝶番5の軸受け金具の背中同士が接触して、物理的に180度以上には開かない構造になっている。
図3は図2のA−A線断面図であり、中間支点支柱2にはアジャスター3がねじ込まれており、アジャスター3を回転させて伸び縮みさせて設置後における地面とも隙間をなくす。
また、レール1aとレール1bの形状断面は、車いす車輪が接する水平床面と、両側面のフランジ部からなるH型をしている。
また、レール1aとレール1bの形状断面は、車いす車輪が接する水平床面と、両側面のフランジ部からなるH型をしている。
図4〜図6は、使用後のレール1aとレール1bの折りたたみ具合を1/3折りたたみ状態、2/3折りたたみ状態、完全折りたたみ状態で示したものである。レール1aとレール1bが背中合わせに完全に折りたたまれた状態では、中間支点支柱2及びアジャスター3は、レール1aとレール1bの両側面フランジ部が作りだす空間内に収納される。
以上のような構造によって、使用中のレール1aとレール1bは物理的に折れたたまれることがなく、また中間支点支柱2を折りたたむためにもレール1aとレール1bが折りたたむ方向に動かなければならず、荷重方向が下向きのことから中間支点支柱2が使用中に折りたたまれるこおともなく安全である。以上のように、本実施形態によれば比較的低強度の安価な素材を用いて、従来より軽量な車いす用段差解消レールが得られる。
1a レール
1b レール
2 中間支点支柱
3 アジャスター
4 リンク
5 蝶番
1b レール
2 中間支点支柱
3 アジャスター
4 リンク
5 蝶番
Claims (2)
- 両端反力支点に加えて第三の中間反力支点を備えた段差解消用レール。
- 第三の中間反力支点と、地面支持部との距離を調整できる機能を有する請求項1の段差解消用レール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009060208A JP2010190027A (ja) | 2009-02-18 | 2009-02-18 | スロープレール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009060208A JP2010190027A (ja) | 2009-02-18 | 2009-02-18 | スロープレール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010190027A true JP2010190027A (ja) | 2010-09-02 |
Family
ID=42816347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009060208A Pending JP2010190027A (ja) | 2009-02-18 | 2009-02-18 | スロープレール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010190027A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10524969B2 (en) | 2017-03-09 | 2020-01-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Ramp and vehicle ramp device |
-
2009
- 2009-02-18 JP JP2009060208A patent/JP2010190027A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10524969B2 (en) | 2017-03-09 | 2020-01-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Ramp and vehicle ramp device |
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