JP2010187293A - 電力線搬送通信用の復調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】三相電力線の零相を利用して通信を行う電力線搬送通信用の復調装置において、零相回路の時定数の変化に適応して信号を復調する。
【解決手段】本実施形態の電力線搬送通信用受信システム1(図1参照)の復調装置10は、対地インピーダンスに応じて変化する零相回路の時定数を求め、その時定数に基づいて受信した信号波形の振幅の大小を判定する検出レベルを算出するレベル設定部21を備えている。また、復調装置10は、零相回路の時定数に応じて変化する送信符号の時間遅れを算出し、その時間遅れに基づいて、復調用のクロックを生成する基準クロック生成部27を備えている。そのため、本実施形態の電力線搬送通信用受信システム1の復調装置10は、零相回路時定数の変化に適応して、安定して送信データを受信側で復調することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、三相電力線の零相回路を利用して通信を行う電力線搬送通信における復調技術に関する。
電力分野では、三相電力線の零相を利用する電力線搬送通信が用いられている。零相を利用する電力線搬送通信の送信側では、図12に示すように、配電線の一相(図12ではb相)と大地との間に、コンデンサCsとスイッチSWとを直列に接続して零相回路を設定し、送信符号の「1」、「0」に応じてスイッチSWをON、OFFさせることによって、伝送する信号が生成される。この零相を利用する電力線搬送通信の利点は、通信線を別途敷設する必要がないためコストを抑えられること、三相電力線を伝搬する商用周波数信号の減衰が少ないため無中継で長距離伝送できること等である。
そして、特許文献1には、復調側において、信号伝送の信頼度低下を防止するために、伝送される信号に重畳する残留零相電圧や低次周波数や高調波の影響を排除する発明が開示されている。
特開平2−72728号公報
しかしながら、信号伝送に利用される三相電力線は、そのほとんどが非接地系配電線またはリアクトル接地系配電線となっている。非接地系配電線では、対地静電容量および対地漏れ抵抗が対地インピーダンスの構成要素となって、対地インピーダンスの変化にともなって、配電線の零相回路の時定数が変化し、伝送する信号を歪ませ、信号伝送の信頼度に影響を及ぼす恐れがある。
また、リアクトル接地系配電線では、対地静電容量、対地リアクトル、リアクトル並列抵抗、対地漏れ抵抗が対地インピーダンスの構成要素となって、対地インピーダンスの変化にともなって、配電線の零相回路の時定数が変化し、伝送する信号を歪ませ、信号伝送の信頼度に影響を及ぼす恐れがある。
対地インピーダンスは、配電線の亘長の長短によって主に異なるが、晴雨または湿度等の気象状態の違いによっても時々刻々と変化する。特に、リアクトル接地系配電線の場合、対地静電容量と対地リアクトルとによって並列共振回路が形成されるため、対地静電容量の変化が零相回路の時定数の変化に顕著な影響を及ぼす。
特許文献1に記載の電力線搬送信号伝送装置は、対地インピーダンスの変化については通常の限られた想定範囲について対応可能ではあるが、想定範囲を超える対地インピーダンスの変化が起きた場合には、信号伝送の信頼度低下を招くという問題がある。そこで、本発明は前記した従来技術の問題点に鑑みて、零相回路の時定数の変化に適応して信号を復調する電力線搬送信号伝送装置の復調装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明における電力線搬送通信用の復調装置は、対地インピーダンスに応じて変化する零相回路の時定数を求め、その時定数に基づいて受信した信号波形の振幅の大小を判定する検出レベルを算出し、信号波形の振幅が検出レベル以上か否かに基づいて復調することを特徴とする。また、復調装置は、零相回路の時定数に応じて変化する送信符号の時間遅れを算出し、その時間遅れに基づいて、復調用のクロックを生成することを特徴とする。
本発明によれば、三相電力線の零相を利用して通信を行う電力線搬送通信用の復調装置において、零相回路の時定数の変化に適応して信号を復調することが可能となる。
本実施形態における電力線搬送通信用の復調装置を含む電力線搬送通信用受信システムの構成を示す図である。 (a)〜(k)は、復調装置の各部の信号波形の例を示す図である。 (b)〜(e)は、零相回路時定数が小さい場合(対地静電容量が約0.01μF)の電圧波形を示す図である。 (b)〜(e)は、零相回路時定数が大きい場合(対地静電容量が約30μF)の電圧波形を示す図である。 (a)は、零相回路時定数が大きい場合の第2フィルタの出力信号の一例を示す図であり、(b)は、零相回路時定数が小さい場合の第2フィルタの出力信号の一例を示す図である。 (a)は、レベル設定部の構成を示す図であり、(b)は、零相回路時定数の検出について説明する図であり、(c)は、係数Kの特性例を示す図である。 (a)は、ピーク値検出部の入力信号の一例を示す図であり、(b)は、絶対値算出部の出力信号および高値選択部の出力信号の一例を示す図である。 (a)は、零相回路時定数が大きい場合の第2フィルタの出力および検出レベルの一例を示す図であり、(b)は、零相回路時定数が小さい場合の第2フィルタの出力および検出レベルの一例を示す図である。 (a)および(g)〜(k)は、零相回路時定数が大きい場合における復調装置の各部の信号波形の例を示す図である。 (a)および(g)〜(k)は、零相回路時定数が小さい場合における復調装置の各部の信号波形の例を示す図である。 基準クロック生成部における基準クロックの生成について説明する図である。 零相回路を用いる電力線搬送通信用の送信システムの構成の一例を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態(以降、「実施形態」と称す)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態における電力線搬送通信用の復調装置を含む電力線搬送通信用受信システムの構成について、図1を用いて説明する。
電力線搬送通信用受信システム1は、図1に示すように、高圧配電線40を伝搬してくる信号を高圧結合器30を介して取得し、送信された信号を復調する復調装置10を備えている。
復調装置10には、高圧配電線40の三相電圧を検出するための高圧結合器30から、各相の電圧が入力される。なお、各相の電圧は、高圧結合器30に備えられている分圧用コンデンサC11とC12との間,分圧用コンデンサC21とC22との間,分圧用コンデンサC31とC32との間から取り出される。
復調装置10は、Vo合成部11、乗算部12、復調フィルタ部13、第1波形記憶部14、入力フィルタ部15、第2波形記憶部16、波形整形部20によって構成される。
Vo合成部11は、高圧結合器30から入力される各相の電圧のゲインおよび位相を調整する図示しない入力フィルタ回路と、入力フィルタ回路の出力である三相電圧信号のベクトル和を出力する図示しない回路とによって構成されている。そして、Vo合成部11は、各相の電圧に基づいて、零相の零相信号V2を出力する。
入力フィルタ部15は、基準相(図1ではb相)の電圧のゲインと位相とを調整し、基準相信号V1を出力する。なお、基準相は、図12に示す送信側において、零相回路が接続されている相(b相)である。なお、送信側でa相に零相回路が備えられていれば、基準相はa相となる。
乗算部12は、零相信号V2と基準相信号V1とを乗算し、信号V3を出力する。信号V3は、基準相信号V1の2倍の周波数である第2高調波を含む。
復調フィルタ部13は、第1フィルタ131と第2フィルタ132とによって構成される。第1フィルタ131は、乗算部12の出力信号V3から第2高調波を除去する特性を有する。そして、第1フィルタ131の出力信号V4は、矩形波のような信号となる。第2フィルタ132は、中心周波数f0が基準相周波数のほぼ1/(2n)(ただし、n(nは自然数)は、1ビットデータが基準相周波数のサイクルの何倍の長さで表されるかを表す変数である。)で、周波数選択度Q=0.5の帯域通過フィルタ特性を有する。そして、第2フィルタ132の出力信号V5は、1ビットデータ長の時間区間に振幅0から最大振幅となって、再び振幅0に戻るような滑らかな曲線を描く波形となる。
次に、第1波形記憶部14は、第1フィルタ131の出力信号V4および第2フィルタ132の出力信号V5を、少なくとも最低1送信データ長ごとに、時系列的に記憶する。また、第2波形記憶部16は、入力フィルタ部15の出力である基準相信号V1を、第1波形記憶部14に記憶された信号との対応関係が付くように(同期がとれるように)記憶する。なお、1送信データ長とは、全送信データを2以上に分割して送信する場合には分割された一塊のデータの長さであって、分割しない場合には全送信データを一塊とするデータの長さを意味する。
波形整形部20は、第1波形記憶部14に記憶されていた第1フィルタ131の出力信号V4および第2フィルタ132の出力信号V5と、第2波形記憶部16に記憶されていた基準相信号V1とを入力として、受信した信号の波形を整形して、復調信号Voutを出力する。
次に、波形整形部20の詳細な構成について、以下に説明する。波形整形部20は、レベル設定部21、第1レベル判定部22、第2レベル判定部23、フリップフロップ回路24,トリガフリップフロップ回路25、零点検出部26、および基準クロック生成部27によって構成される。
レベル設定部21は、第1フィルタ131の出力信号V4および第2フィルタ132の出力信号V5の入力を受け付け、第1フィルタ131の出力信号V4から零相回路時定数を算出し、その零相回路時定数に基づいて、第2フィルタ132の出力信号V5の振幅の大小を判定する検出レベルVLを出力する。なお、第2フィルタ132の出力信号V5の振幅の絶対値が検出レベルVL以上であれば、出力信号V5に符号(すなわち、送信符号の「1」「0」に相当する符号)の変り目が存在していることを意味する。なお、レベル設定部21の構成および処理の詳細については後記する。
第1レベル判定部22は、第2フィルタ132の出力信号V5の正負に変化する波形に対して、正側の信号の振幅と検出レベルVLとを比較し、振幅が検出レベルVL以上の場合、出力信号V6を「1」とし、それ以外は「0」とする。
また、第2レベル判定部23は、第2フィルタ132の出力信号V5の正負に変化する波形に対して、負側の信号の振幅の絶対値と検出レベルVLとを比較し、振幅の絶対値が検出レベルVL以上の場合、出力信号V7を「1」とし、それ以外は「0」とする。
フリップフロップ回路24は、出力信号V6および出力信号V7の入力を受け付けて動作する。フリップフロップ回路24では、出力信号V6が「1」で出力信号V7が「0」の場合、Qの出力信号V8は「1」、 ̄Qの出力信号は「0」となる。そして、出力信号V6が「0」で出力信号V7が「1」の場合、Qの出力信号V8は「0」、 ̄Qの出力信号は「1」となる。また、出力信号V6が「0」で出力信号V7が「0」の場合、Qの出力信号V8および ̄Qの出力信号は、それ以前の状態のままとなる。
そして、トリガフリップフロップ回路25は、基準クロック生成部27からトリガとなる基準クロック信号V9の「1」が入力されたときに、入力の「1」「0」に応じて復調信号Voutを出力する。
なお、基準クロック生成部27には、零点検出部26の出力信号V10およびフリップフロップ回路24の出力信号V8が入力される。零点検出部26では、入力された基準相信号V1の信号の振幅が、負から正に変化するときの零点で「1」となるクロック信号V10が生成される。そして、基準クロック生成部27では、フリップフロップ回路24の出力信号V8の「1」または「0」の期間のほぼ中央でクロック信号V10を受け付けられるように、クロック信号V10のタイミングを調整することによって、基準クロック信号V9が生成される。なお、基準クロック生成部27の処理の詳細については後記する。
次に、復調装置10における処理の流れを、図2に示す信号波形を用いて説明する(適宜図1参照)。図2(a)〜(k)は、復調装置の各部の信号波形の例を示す図である。
図2(a)に示す太い実線は、入力フィルタ部15の出力信号である基準相信号V1の波形である。
そして、図2(b)に示す太い実線は、図12に示す送信側において、変調する際に基準相信号のnサイクル長(nは自然数)を1ビットデータとして、送信符号「1」「0」に従って、零相回路のスイッチSWを「ON」「OFF」したものである。なお、図2は、n=1の場合を示している。
図2(c)の太い実線は、Vo合成部11の出力信号の零相信号V2である。そして、乗算部12では、基準相信号V1と零相信号V2とが乗算されることによって、図2(d)の太い実線に示すような、信号V3が生成される。
次に、図2(e)の太い実線に示す矩形波のような第1フィルタ131の出力信号V41(V4)は、信号V3に含まれる第2高調波が第1フィルタ131によって除去されたものである。そして、第2フィルタ132の出力信号V5は、図2(f)に示すように、1ビットデータ長の時間区間に振幅0から最大振幅となって、再び振幅0に戻るような滑らかな曲線を描く波形となる。なお、信号V5のピーク値の絶対値Vcは、信号V41の電圧Vbに比例する。
次に、図2(g)に示す信号V6は、第1レベル判定部22において、送信符号「0」「1」の変り目を判定する検出レベルVLを用いて、信号V5の正の振幅が検出レベルVL以上のときに「1」、それ以外は「0」となる波形を表している。また、図2(h)に示す信号V7は、第2レベル判定部23において、送信符号「0」「1」の変り目を判定する検出レベルVLを用いて、信号V5の負の振幅の絶対値が検出レベルVL以上のときに「1」、それ以外は「0」となる波形を表している。
図2(i)に示す信号V8は、フリップフロップ回路24のQ側の出力信号である。そして、トリガフリップフロップ回路25にフリップフロップ回路24の出力信号が入力され、図2(j)に示す基準クロック信号V9がトリガとして入力されると、図2(k)に示す復調信号Voutが得られる。すなわち、図2(b)に示した送信符号「0,1,0,1,1,0」のパターンが、図2(k)に示す復調信号Voutにおいて、同様の「0,1,0,1,1,0」のパターンとして得られる。
なお、図2(c),(d),(e)に太い実線で示した各信号V2,V3,V41は、零相回路時定数が小さい(ほぼゼロの)場合の波形例である。そして、図2(c),(d),(e)に破線で示した各信号V2a,V3a,V42は、零相回路時定数が大きい場合の波形例である。すなわち、零相回路時定数が大きい場合(破線)は、零相回路時定数が小さい場合(実線)に比較して、信号の波形が緩慢な変化となる。
ここで、零相回路時定数が小さい場合および大きい場合について、リアクトル接地系配電系統を対象として行ったシミュレーションによって得られた電圧波形について、図3および図4を用いて説明する。図3(b)〜(e)は、零相回路時定数が小さい場合(対地静電容量が約0.01μF)の電圧波形を示す図であり、図4(b)〜(e)は、零相回路時定数が大きい場合(対地静電容量が約30μF)の電圧波形を示す図である。なお、図3および図4の(b)〜(e)は、図2の(b)〜(e)に対応する復調装置10の各部における電圧波形を示している。そのため、図3,4では、(a)は記載していない。
図3,4の(b)〜(e)の電圧波形の形状を比較すると、零相回路時定数が小さい場合には、図3(e)に示すように、第1フィルタ131の出力波形V4は、直流電圧成分が積算されることもなく、送信符号(図3(b)参照)にかなり追従できている。しかし、零相回路時定数が大きい場合には、図4(e)に示すように、第1フィルタ131の出力波形V4は、直流成分に埋もれて微小に変化するような波形となる。
そこで、本実施形態では、零相回路時定数の大きい場合に対応可能なように、復調フィルタ部13(図1参照)の周波数特性を設定(固定)する。そして、図4(e)に示す(直流成分に埋もれた微小に変化する)波形から信号成分を抽出可能にするため、第2フィルタ132の周波数特性を、微分特性を強調した特性に設定する。
(第2フィルタの出力信号の波形)
ここで、第2フィルタ132の周波数特性を微分特性の強調された特性に設定した場合の、第2フィルタ132の出力信号V5の波形について、図5を用いて詳細に説明する。
図5(a)は、零相回路時定数が大きい場合の第2フィルタの出力信号の一例を示す図であり、(b)は、零相回路時定数が小さい場合の第2フィルタの出力信号の一例を示す図である。
図5(a)に示すように、零相回路時定数が大きい場合の第2フィルタ132の出力信号V51の波形は、第2フィルタ132への入力信号V4の波形が信号V42(図2(e)参照)のように大きくなまっているために、そのピーク値の変動が大きく現れたものとなる。それに対して、図5(b)に示すように、零相回路時定数が小さい場合の第2フィルタ132の出力信号V52の波形は、第2フィルタ132への入力信号V4の波形が、図2(e)の太い実線または図3(e)の波形のように立ち上がりが急峻になっているために、信号V52のピーク値は、前記の信号V51に比較して、変動は小さくなる。しかし、第2フィルタ132の周波数特性が微分特性の強調された特性になっているため、信号V52には、‘はねかえり’(一点鎖線で囲まれた部分)V53が発生してしまう。
このため、図2(f)に示すように、検出レベルVLを固定していたのでは、図5(a)に示す信号V51に対しては、変動するピーク値の低い部分を検出できなかったり、図5(b)に示す信号V52に対しては、‘はねかえり’V53におけるピーク値を検出してしまったりして、誤動作が発生する。
(波形整形部)
そのため、本実施形態における復調装置10の波形整形部20には、零相回路時定数に応じて検出レベルVLを自動的に調整するレベル設定部21(図1参照)が設けられている。また、後記するように、零相回路時定数の変動にともなって、フリップフロップ回路24の出力信号V8(図1参照)と、送信符号の「1」「0」を復調するタイミングを決定するクロック信号V10(図1参照)との相対的なタイミングがズレてくるため、そのタイミングの調整を自動的に行う基準クロック生成部27が設けられている。以下に、レベル設定部21の構成および処理の詳細と、基準クロック生成部27の処理の詳細とについて説明する。
(レベル設定部の構成および処理)
まず、波形のピーク値の変動に対応するレベル設定部21の構成および処理について、図6,7,8を用いて説明する。図6(a)は、レベル設定部の構成を示す図であり、(b)は、零相回路時定数の検出について説明する図であり、(c)は、係数Kの特性例を示す図である。図7(a)は、ピーク値検出部の入力信号の一例を示す図であり、(b)は、絶対値算出部の出力信号および高値選択部の出力信号の一例を示す図である。図8(a)は、零相回路時定数が大きい場合の第2フィルタの出力および検出レベルの一例を示す図であり、(b)は、零相回路時定数が小さい場合の第2フィルタの出力および検出レベルの一例を示す図である。
レベル設定部21は、図6(a)に示すように、ピーク値検出部211、零相回路時定数検出部212、および乗算部213を備えている。そして、レベル設定部21は、送信符号の変り目を検出するため、対象とする信号の振幅の大小を判定する検出レベルVLを出力する。
ピーク値検出部211は、絶対値算出部221、高値選択部222、および係数G乗算部223を備えている。
絶対値算出部221は、入力される信号V5の振幅について絶対値を出力する。例えば、絶対値算出部221によって、図7(a)に示す入力信号V51が、図7(b)に示す出力信号V54に変換される。
高値選択部222は、係数G乗算部223の出力と絶対値算出部221の出力とのうち、どちらか大きい方の振幅の値を選択し、出力する。
係数G乗算部223は、高値選択部222の出力をフィードバックするときに乗算する係数Gを予め記憶しており、高値選択部222の出力に係数Gを乗算して、フィードバックする値を算出する。
係数Gが1の場合は、ピーク値検出部211は、ピーク値ホールド回路として動作する。また、係数Gを1より小さくした場合、ピーク値検出部211は、ピーク値が大きくなる方向には時間遅れなく追従し、ピーク値が小さくなる方向には、回路演算時間との関係で決まる時間遅れをともなって追従する。例えば、離散値演算(ソフトウェア処理)の場合は演算周期、連続値演算(ハードウェア処理)の場合は演算回路の応答時間によって決まる時間遅れが生じる。
本実施形態では、係数Gは、1よりわずかに小さい値(例えば、0.999等)に設定する。このことによって、図7(b)に示す信号V55(一点鎖線)が生成される。すなわち、高値選択部222は、絶対値算出部221の出力信号V54が係数G乗算部223の出力以上の場合、絶対値算出部221の出力信号V54を選択して出力する。また、高値選択部222は、絶対値算出部221の出力信号V54が係数G乗算部223の出力未満の場合、係数G乗算部223の出力を選択して出力する。
次に、零相回路時定数検出部212における処理について、図6(b)(c)を用いて説明する。なお、零相回路時定数検出部212は、ピーク値検出部211から出力される信号V55の大きさを決定する係数Kを出力する。
図6(b)に示すように、零相回路時定数検出部212は、第1フィルタ131の出力信号V4の波形(過渡応答波形V41,V42)に基づいて、零相回路時定数を検出する。具体的には、図6(b)に示すように、送信符号が「0」から「1」に変化したタイミングから電圧が一定値になった時の電圧値を正規化して1としたときに0.63の電圧値に達するときの時間を零相回路時定数τとしている。すなわち、信号V41(零相回路時定数が小さい場合)では、零相回路時定数がτ1、信号V42(零相回路時定数が大きい場合)では零相回路時定数がτ2として求められる。
そして、図6(c)に示すように、零相回路時定数の大きさと係数Kとの関係を、予め記憶しておく。本実施形態では、零相回路時定数τ1以下では係数Kは0.67、また、零相回路時定数τ2以上では係数Kは0.40である。そして、零相回路時定数τ1とτ2との間は、係数Kは、零相回路時定数τが大きくなるにしたがって小さくなるように決められる。なお、図6(c)では、零相回路時定数τ1とτ2との間の係数Kは、直線で示されているが、これに限られない。
なお、零相回路時定数の大きさと係数Kとの関係は、予め表形式で記憶しておいてもよいし、関数形式で記憶しておいてもよい。また、図6(b)に示すような送信符号は、例えば、1送信データ長の先頭に、第1フィルタ131の出力信号V4の電圧を一定にする長さの「0,1,1,1,1・・」となる符号を付加することによって実現できる。
乗算部213は、ピーク値検出部211の出力信号V55と、零相回路時定数検出部212の出力である係数Kとを乗算し、検出レベルVLを出力する。
図8(a)(b)には、それぞれ第2フィルタ132の出力信号V51と算出された検出レベルVL1との関係および第2フィルタ132の出力信号V52と算出した検出レベルVL2との関係を示している。図8(a)では、ピーク値の変動に対しても、ピーク値を逃すことなく検出できている。また、図8(b)では、‘はねかえり’V53のピーク値を検出しないように、検出レベルVL2が設定されていることが分かる。
(基準クロック生成部の処理)
次に、零相回路時定数の大きさが変化した場合、送信符号の変り目(送信符号が「0」から「1」に変わる時点または「1」から「0」に変わる時点のこと)が基準相信号V1に対して遅れる度合い(遅れ時間)は異なる。そのため、波形整形部20において送信符号を復調するときの基準クロックのタイミングを調整する必要がある。
零相回路時定数が大きい場合および小さい場合において、送信符号のタイミングと基準相信号V1との時間関係について、それぞれ図9,10を用いて説明する。図9の(a)および(g)〜(k)は、零相回路時定数が大きい場合における復調装置の各部の信号波形の例を示す図である。図10の(a)および(g)〜(k)は、零相回路時定数が小さい場合における復調装置の各部の信号波形の例を示す図である。なお、図9(g)〜(k)および図10(g)〜(k)は、図2の(g)〜(k)と同じ箇所における信号の波形を示している。そのため、図9、図10において、(b)〜(f)は記載していない。
図9(g)〜(i)から明らかなように、零相回路時定数が大きい場合は、基準相信号V1(図9(a)参照)に対して、遅れ時間T1でもって波形整形処理が進められる。そして、図9(g)(h)に示す信号V6,V7の矩形パルスの立ち上がりのタイミングに応じて、図9(i)に示す信号V8の符号‘1’,‘0’が生成される。ここで、基準クロック生成部27(図1参照)によって、信号V8のタイミングに合わせて、基準クロック信号V9が生成されたとものとする。この場合、図9(k)に示す復調信号Voutは「0,1,0,1,1,0」となって、送信符号(図2(b)参照)と一致する。
仮に、図9(j)に示す基準クロックV9のタイミングで、図10に示す、零相回路時定数が小さい場合の信号を復調する場合について説明する。
図10(g)〜(i)から明らかなように、零相回路時定数が小さい場合は、基準相信号V1(図10(a)参照)に対して、遅れ時間T2でもって波形整形処理が進められる。なお、遅れ時間T2は、遅れ時間T1より小さい。
したがって、零相回路時定数が大きい場合から小さい場合に変化したとき、図9(j)に示す基準クロック信号V9のタイミングのままに設定していたのでは、フリップフロップ回路24の出力信号V8と基準クロック信号V9との相対的なタイミングが合わない事態が発生する。すなわち、図10(k)に示すように、復調信号Voutが「0,1,0,1,0,0」となり、送信符号(図2(b)参照)に一致しない。
そのため、波形整形部20には、基準クロック生成部27を設けて、零相回路時定数の変化に適応するように、基準クロック信号V9を生成している。
ここで、基準クロック生成部27における基準クロック信号V9の生成処理について、図11を用いて説明する(適宜図1参照)。図11は、基準クロック生成部における基準クロックの生成について説明する図である。なお、図11(l)には、零点検出部26によって生成された、基準相信号V1の零点のタイミングを示すクロック信号V10が示されている。
まず、基準クロック生成部27には、零点検出部26の出力信号であるクロック信号V10およびフリップフロップ部24の出力信号V8が入力される。基準クロック信号V9を生成するためには、フリップフロップ回路24の出力信号V8が「0,1,0,1,0,1」のパターンとなるものが用いられる。そして、図11(i)に示す信号V8において、「0,1,0,1,0,1」のパターンの各「0」および各「1」の幅T3の中心点と、図11(l)のクロック信号V10との時間差を、「0」「1」ごとに算出し、それらの時間差の平均値T4を算出する。そして、時間差の平均値T4だけ、図11(l)に示すクロック信号V10をずらして、図11(j)に示す基準クロック信号V9を生成する。
なお、「0,1,0,1,0,1」のパターンを用いる理由は、第2フィルタ132の出力波形V5のピーク値が安定するためである。また、「0,1,0,1,0,1」のパターンを、前記零相回路時定数を検出するための「1,1,1,1,1,1」のパターンの次に送信することに予め決めておけば、このパターンを受信することによって、零相回路時定数の変動に適応して、検出レベルの調整や基準クロックの調整を行うことが可能となる。なお、「1,1,1,1,1,1」のパターンや「0,1,0,1,0,1」のパターンは、所定の間隔で周期的に送信する、または、1送信データごとに送信すると、零相回路時定数の変化に敏感に適応することが可能となる。
以上、本実施形態の電力線搬送通信用受信システム1(図1参照)の復調装置10は、対地インピーダンスに応じて変化する零相回路の時定数を求め、その時定数に基づいて受信した信号波形の振幅の大小を判定する検出レベルを算出するレベル設定部21を備えている。また、復調装置10は、零相回路の時定数に応じて変化する送信符号の時間遅れを算出し、その時間遅れに基づいて、復調用のクロックを生成する基準クロック生成部27を備えている。そのため、本実施形態の電力線搬送通信用受信システム1の復調装置10は、零相回路時定数の変化に適応して、安定して送信データを受信側で復調することが可能となる。
1 電力線搬送通信用受信システム
10 復調装置
11 Vo合成部
12 乗算部
13 復調フィルタ部
20 波形整形部
21 レベル設定部
22 第1レベル判定部
23 第2レベル判定部
24 フリップフロップ回路
25 トリガフリップフロップ回路
26 零点検出部
27 基準クロック生成部
30 高圧結合部
40 高圧配電線(三相電力線)
131 第1フィルタ(第1のフィルタ)
132 第2フィルタ(第2のフィルタ)
211 ピーク値検出部
212 零相回路時定数検出部
213 乗算部
221 絶対値算出部
222 高値選択部
223 係数G乗算部
K 係数
V1 基準相電圧
V2 零相電圧
V41,42 過渡応答波形
VL 検出レベル
V55 高値選択部の出力、ピーク値検出部の出力
τ 零相回路時定数

Claims (2)

  1. 三相電力線(40)に設定された基準相電圧(V1)に同期させて当該基準相電圧の周波数の整数nサイクルを1ビットデータとして送信データにしたがって変化させた前記電力線の零相電圧(V2)と、前記基準相電圧とを検出し、検出した前記零相電圧と前記基準相電圧との積を求める乗算部(12)と、前記乗算部の出力に含まれる第2高調波を減衰させる第1のフィルタ(131)と、その第1のフィルタの出力を入力として前記基準相電圧の周波数の1/(2n)の周波数成分を通過させ他の周波数成分を減衰させる第2のフィルタ(132)と、を備える電力線搬送通信用の復調装置(10)であって、
    前記復調装置(10)は、
    前記送信データと共に送信されてくる零相回路時定数算出用のデータに対する前記第1のフィルタの出力の過渡応答波形(V41,V42)に基づいて零相回路時定数(τ)を求め、前記第2のフィルタの出力に基づいてその第2のフィルタの出力の正負のピーク値を検出し、前記零相回路時定数と前記ピーク値とに基づいて、前記送信データの符号の変り目を判定する検出レベル(VL)を求めるレベル設定部(21)と、
    前記レベル設定部によって求められた前記検出レベルと、前記第2のフィルタの出力(V5)の振幅との大きさを比較し、前記第2のフィルタの出力の振幅の絶対値が前記検出レベルより大きい場合にオン信号を出力するレベル判定部(22,23)と、
    前記レベル判定部の出力を入力として動作するフリップフロップ回路部(24)と、
    前記フリップフロップ回路の出力の1ビットデータに対応するオン期間またはオフ期間の中心点の近傍にクロックを設定するように基準クロックを生成する基準クロック生成部(27)と、
    前記基準クロック生成部によって生成された前記基準クロックをトリガとして、前記フリップフロップ回路部の出力信号を出力するトリガフリップフロップ回路部(25)と、
    を備えることを特徴とする電力線搬送通信用の復調装置。
  2. 前記レベル設定部(21)は、
    ピーク値検出部(211)と零相回路時定数検出部(212)と第1の乗算部(213)とを備え、
    前記ピーク値検出部は、第2のフィルタの出力の振幅の絶対値を求める絶対値算出部(221)と、2つの入力される値を比較して大きい方の値を出力する高値選択部(222)と、係数乗算部(223)とを備え、
    前記高値選択部(222)は、一方の入力を前記絶対値算出部(221)の出力とし、他方の入力を前記高値選択部の出力に前記係数乗算部(223)によって1未満の係数を乗算した値とし、前記一方の入力の値と前記他方の入力の値とを比較して大きい方の値(V55)を出力し、
    前記ピーク値検出部は、前記高値選択部の出力(V55)を出力し、
    前記零相回路時定数検出部(212)は、零相回路時定数が大きいほど係数(K)が小さくなる特性を予め記憶部に記憶しており、前記送信データと共に送信されてくる零相回路時定数算出用のデータに対する前記第1のフィルタの出力を入力として零相回路時定数を求め、前記記憶部を参照して、その検出した零相回路時定数に対応する係数(K)の値を算出し、
    前記第1の乗算部(213)は、前記ピーク値検出部の出力(V55)と前記零相回路時定数に対応する係数(K)の値とを乗算し、前記検出レベルを求めること
    を特徴とする請求項1に記載の電力線搬送通信用の復調装置。
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