JP2010186761A - 露光装置、露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
撥液性部材の劣化を抑制して信頼性の高い露光装置を提供する。
【解決手段】
露光装置EXは、マスクMのパターンを基板Pに投影する投影光学系PLと基板Pとの間に液体を満たした状態で、マスクM及び投影光学系PLを介して基板Pを露光する露光装置であって、露光画角を変更する遮光部材MBを備えた照明光学系ILと、基板Pを支持するように構成され、基板Pの支持領域の周囲に撥液性部材が設けられた基板ステージPSTと、露光画角の周囲のオフセット領域を調整するように遮光部材MBを制御する制御装置MAINDとを有し、制御装置MAINDは、同面板Dに形成されるオフセット領域を基板Pに形成されるオフセット領域よりも小さくする。
【選択図】図9
撥液性部材の劣化を抑制して信頼性の高い露光装置を提供する。
【解決手段】
露光装置EXは、マスクMのパターンを基板Pに投影する投影光学系PLと基板Pとの間に液体を満たした状態で、マスクM及び投影光学系PLを介して基板Pを露光する露光装置であって、露光画角を変更する遮光部材MBを備えた照明光学系ILと、基板Pを支持するように構成され、基板Pの支持領域の周囲に撥液性部材が設けられた基板ステージPSTと、露光画角の周囲のオフセット領域を調整するように遮光部材MBを制御する制御装置MAINDとを有し、制御装置MAINDは、同面板Dに形成されるオフセット領域を基板Pに形成されるオフセット領域よりも小さくする。
【選択図】図9
Description
本発明は、液浸法を用いた露光装置に関する。
LSI又は超LSI等の極微細パターンで構成される半導体デバイスの製造工程において、マスクに形成されたパターンを感光剤が塗布された基板上に縮小投影して転写する縮小型投影露光装置が使用されている。半導体デバイスにおける集積密度の向上に伴い、パターンの更なる微細化が要求され、レジストプロセスの発展と同時に露光装置の微細化への対応がなされてきた。
半導体デバイスの微細化に対応するため、従来から、投影光学系と基板との間に液体を満たした状態で基板を露光する液浸露光装置が用いられている。例えば特許文献1には、液槽(チャンバ)内に液体を満たすことにより、投影光学系の最終面(光学素子)とウエハとの間の空間を液体で満たして露光を行う露光装置が開示されている。また特許文献2には、投影光学系とウエハ面とで挟まれた空間だけに液体を流し、投影光学系とウエハ面の間の空間を液体で満たして露光を行う露光装置が開示されている。
ところで、基板の中央付近のショットに対する露光に加えて、基板の外周付近(エッジ領域)を露光する場合がある。例えば、基板のエッジ領域についても露光してパターンを形成することで、後工程であるCMP(化学的機械的研磨)処理時においてCMP装置の研磨面に対する基板の片当たりを防止することができる。または、基板を有効活用するためにエッジ領域にも小さなデバイスパターンを形成する場合がある。
このような場合、露光領域一部が基板の外側にはみ出て、露光光が基板を保持する基板ステージにも照射される。液浸露光の場合、露光領域を覆うように液浸領域が形成される。エッジ領域を露光する際には、液浸領域の一部は、基板の外側にはみ出て、基板ステージ上に配置される。液浸領域の一部が基板ステージ上に配置されると、基板ステージ上に液体が残留する可能性が高くなる。例えば、基板の置かれている環境(温度、湿度)が変動して基板や基板ステージの熱変形するため、又は、基板の位置情報等を計測する各種計測光の光路が変動するため、露光精度が劣化するおそれがある。
基板ステージ上における液体の残留を防止するため、基板ステージのうち少なくとも液体との接触面は撥液性部材で構成される。基板ステージを撥液性にすることにより、液体が残留した場合でもその液体を容易に回収することができる。
ところが、基板ステージを撥液性にするために撥液性部材を塗布した場合や基板ステージを撥液性部材で形成した場合、露光光が撥液性部材に照射されると、その撥液性が劣化するおそれがある。特に、撥液性材料として例えばフッ素系樹脂を用い、露光光として紫外光を用いた場合、そのような基板ステージの撥液性は劣化しやすい(親液化しやすい)。その結果、液体が基板ステージ上に残留しやすくなり、露光精度の劣化を招く。
本発明は、撥液性部材の劣化を抑制して信頼性の高い露光装置を提供する。
本発明の一側面としての露光装置は、原版のパターンを基板に投影する投影光学系と該基板との間に液体を満たした状態で、該原版及び該投影光学系を介して該基板を露光する露光装置であって、露光画角を変更する遮光部材を備えた照明光学系と、前記基板を支持するように構成され、該基板の支持領域の周囲に撥液性部材が設けられた基板ステージと、前記露光画角の周囲のオフセット領域を調整するように前記遮光部材を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記撥液性部材に形成されるオフセット領域を前記基板に形成されるオフセット領域よりも小さくする。
本発明の他の側面としての露光方法は、原版のパターンを基板に投影する投影光学系と該基板との間に液体を満たした状態で、該原版及び該投影光学系を介して該基板を露光する露光方法であって、基板ステージに設けられた撥液性部材に形成されるオフセット領域を前記基板に形成されるオフセット領域よりも小さくするように、露光画角の周囲のオフセット領域を設定するステップと、設定された前記オフセット領域を形成するように遮光部材を制御するステップと、前記遮光部材で前記オフセット領域を形成して前記基板を露光するステップとを有する。
本発明の他の側面としてのデバイス製造方法は、前記露光装置を用いて基板を露光するステップと、露光された前記基板を現像するステップとを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、撥液性部材の劣化を抑制して信頼性の高い露光装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本実施例における露光装置の構成について説明する。図1は、本実施例における露光装置EXの概略構成図である。露光装置EXは、マスク(原版)のパターンを基板に投影する投影光学系と基板との間に液体を満たした状態で、マスク及び投影光学系を介して基板を露光する液浸露光装置である。
図1において、露光装置EXは、マスクステージMST、基板ステージPST、照明光学系IL、投影光学系PL、及び、制御装置MAIND(制御手段)を備えている。マスクステージMSTはマスクMを支持し、基板ステージPSTは基板P(ウエハ)を支持するように構成されている。照明光学系ILは、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する。投影光学系PLは、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPSTに支持されている基板Pに投影露光する。制御装置MAINDは、露光装置EX全体の動作を統括制御する。
本実施例では、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとを走査方向において互いに異なる向き(逆方向)に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンを基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を一例として説明する。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内でマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をX軸方向、Z軸方向及びY軸方向に垂直な方向(非走査方向)をY軸方向とする。また、本実施例における「基板」は半導体ウエハ上にレジストを塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。
照明光学系ILは、露光用光源、オプティカルインテグレータ、コンデンサレンズ、リレーレンズ系、及び、遮光部材MB(マスキングブレード)等の可変視野絞りを備えている。オプティカルインテグレータは、露光用光源から射出された光束の照度を均一化する。コンデンサレンズは、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光する。可変視野絞りは、露光光ELによるマスクM上の照明領域をスリット状に設定する。特に本実施例の遮光部材MBは、後述のように露光画角を変更する。
マスクM上の所定の照明領域は、照明光学系ILにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば、水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)が用いられる。また、露光光ELとして、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等を用いることもできる。本実施例の露光装置EXでは、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光が用いられる。
マスクステージMSTは、マスクMを支持し、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内すなわちXY平面内で2次元移動が可能であり、またθZ方向に微小回転が可能である。マスクステージMSTは、リニアモータ等のマスクステージ駆動装置MSTDにより駆動される。マスクステージ駆動装置MSTDは、制御装置MAINDにより制御される。マスクステージMST上のマスクMの2次元方向の位置及び回転角は、レーザ干渉計IMによりリアルタイムで計測され、その計測結果は制御装置MAINDに出力される。制御装置MAINDは、レーザ干渉計IMの計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置MSTDを駆動することで、マスクステージMSTに支持されているマスクMの位置決めを行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターンを所定の投影倍率βで基板Pに投影露光する。投影光学系PLは、複数の光学素子(レンズ)を備えて構成されており、これらの光学素子は、ステンレス(SUS403)等の金属部材で形成された鏡筒PKで支持されている。本実施例の投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4又は1/5の縮小系である。ただしこれに限定されるものではなく、等倍系又は拡大系の投影光学系を採用してもよい。また、投影光学系PLの基板P側の先端部には、石英、フッ化カルシウム(蛍石)等のガラス部材から形成された平行平面板(光学素子OE)が設けられている。この光学素子OEは、鏡筒PKに対して着脱(交換)可能に設けられている。投影光学系PLの先端部は、光学素子OEと、これを保持する鏡筒(保持部材)PKの一部により構成されている。
基板ステージPSTは、基板Pを支持するように構成されており、基板ホルダを介して基板Pを保持するウエハステージWSとウエハステージWSを支持するベースBとを備えて構成されている。基板ステージPSTは、リニアモータ等の基板ステージ駆動装置PSTDにより駆動される。基板ステージ駆動装置PSTDは、制御装置MAINDにより制御される。ウエハステージWS(基板ステージPST)を駆動することにより、基板PのZ軸方向における位置(フォーカス位置)、及びθX、θY方向における位置が制御される。
また、ウエハステージWSをXY方向に駆動することにより、基板PのXY方向における位置(投影光学系PLの像面と実質的に平行な方向の位置)が制御される。すなわち、ウエハステージWSは、基板Pのフォーカス位置及び傾斜角を制御して、基板Pの表面をオートフォーカス方式及びオートレベリング方式で投影光学系PLの像面に合わせ込むことができる。またウエハステージWSは、基板PのX軸方向及びY軸方向における位置決めを行うことができる。
本実施例の露光装置EXでは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするため、液浸法が用いられる。このため、少なくともマスクMのパターンの像を基板P上に転写している間、基板Pの表面と投影光学系PLの先端部との間は所定の液体Lで満たされる。
前述のように、投影光学系PLの先端部には光学素子OE及び鏡筒PKの一部が配置されており、液体Lは光学素子OE(ガラス部材)と鏡筒(金属部材)PKとに接触する。本実施例において、この液体Lとしては純水が用いられる。純水は、ArFエキシマレーザ光のみならず、露光光ELとして例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)を用いた場合、露光光ELを透過可能である。なお、本実施例では、基板Pの表面と投影光学系PLの先端部との間を、有機溶媒等の純水以外の液体で満たすこともできる。
また露光装置EXは、投影光学系PLの先端部と基板Pとの間の空間に所定の液体Lを供給する液体供給装置LS(液浸装置、供給装置)と、空間の液体Lを回収する液体回収装置LR(液浸装置、回収装置)とを備えている。液体供給装置LSは、液体Lを収容するタンク及び加圧ポンプ等を備え、投影光学系PLと基板Pとの間の少なくとも一部に、基板Pの走査方向と平行に液体Lを流すように構成されている。液体供給装置LSには供給管SPの一端部が接続され、供給管SPの他端部には供給ノズルが接続されている。液体供給装置LSは、供給管SP及び供給ノズルを介して基板Pと光学素子OEとの間に液体Lを供給する。
液体回収装置LRは、吸引ポンプ、回収した液体Lを収容するタンク等を備えている。液体回収装置LRには回収管RPの一端部が接続され、回収管RPの他端部には回収ノズルが接続されている。液体回収装置LRは、回収ノズル及び回収管RPを介して空間の液体Lを回収する。空間に液体Lを満たす際、制御装置MAINDは液体供給装置LSを駆動し、供給管SP及び供給ノズルを介して空間に対して単位時間当たり所定量の液体Lを供給する。また、制御装置MAINDは液体回収装置LRを駆動し、回収ノズル及び回収管RPを介して単位時間当たり所定量の液体Lを空間より回収する。これにより、投影光学系PLの先端面と基板Pとの間の空間は液体Lで満たされることになる。この空間における液体Lの状態は、検出装置DTにより検出される。
走査露光時には、投影光学系PLの先端面の直下における矩形の露光領域に、マスクMの一部のパターン像が投影される。また、マスクMが投影光学系PLに対して−X方向(又は+X方向)に速度Vで移動するのに同期して、ウエハステージWSを介して基板Pが+X方向(又は−X方向)に速度β・V(βは投影倍率)で移動する。そして、1つのショットへの露光終了後、基板Pのステッピングによって次のショットが走査開始位置に移動し、以下、ステップ・アンド・スキャン方式で各ショットに対する露光処理が順次行われる。
図2は、本実施例の露光装置EXにおける供給ノズル及び回収ノズルを示す平面図である。液体が満たされた液浸領域AR2は、露光領域AR1を含むように回収ノズルに囲まれた領域内に配置されている。また、液浸領域AR2は、基板P上の一部に局所的に形成される。本実施例では、投影光学系PLの露光領域AR1は、X軸方向を長手方向とする矩形状に設定されているが、Y軸方向を長手方向とする矩形上に設定してもよい。また、露光装置EXにおいて、供給ノズル及び回収ノズルは円形状の部材を用いて構成されているが、各ノズルの形状はこれに限定されるものではない。例えば、各ノズルを矩形形状で構成した場合でも、本実施例と同様の効果を得ることができる。
図3は基板ステージPSTの上方から見た平面図である。基板ステージPSTは、その略中央部にて基板Pが支持されるように構成されている。基板ステージPSTには、互いに垂直な2つの縁部に移動鏡BMが配置されている。また、基板ステージPSTには、基板Pの支持領域の周囲に、基板Pの表面と略同一高さの平坦面を有する環状の同面板Dが設けられている。同面板Dは、少なくともその表面が撥液性である撥液性部材として基板ステージPSTに設けられている。
図3に示されるように、同面板Dと基板Pとの間にはギャップGが形成されている。このギャップGは、例えば0.1〜1mm程度の隙間であるため、液体の表面張力により、ギャップGに液体が浸入することが防止される。また、基板Pの側面や同面板Dのうち側面と対向する内側面を撥液処理で撥液性にすることにより、ギャップGに対する液体の浸入をさらに効果的に防止することが可能となる。また、同面板Dの上面だけではなく、基板ステージPSTの上面を撥液性部材として構成してもよい。この場合、基板ステージPSTの上面のうち、少なくとも基板ステージPSTに保持された基板Pの外側の領域を撥液性部材とする。このような構成により、液浸露光中における基板ステージPSTの外側への液体の流出を効果的に抑制することができる。また、液浸露光後においても、液体を円滑に回収でき、基板ステージPST上に液体が残留することを抑制することが可能となる。
なお、同面板Dは、基板ステージPSTと一体で構成してもよく、又は、基板ステージPSTに対して脱着可能に構成してもよい。また、基板ステージPST上に環状の同面板Dを設けることなく、基板ステージPSTの上面全域を基板Pと略同一高さ(面一)となるように基板ステージPSTを形成してもよい。この場合、基板ステージPSTの上面のうち少なくとも基板Pの外側の領域(液体と接触する領域)は、撥液性部材として構成される。
図4は、本実施例において、基板P上に配置されたショットレイアウトの一例である。図4に示されるように、本実施例では複数のショットSH1〜SH20(基板Pに形成される露光領域)が設定されている。制御装置MAINDは、基板P上に設定された複数のショットSH1〜SH20を順次露光する。
本実施例において、制御装置MAINDは、投影光学系PLの光軸AX(露光領域AR1)が図4中の波線矢印に沿って進むように、レーザ干渉計IMの出力をモニタしながら基板ステージPSTを移動させる。そして制御装置MAINDは、露光光ELに対して基板Pを移動しながら、複数のショットSH1〜SH20を順次走査露光する。具体的には、1つのショットへの露光終了後、基板Pのステッピング移動によって次のショットが走査開始位置に移動する。同様に、ステップ・アンド・スキャン方式で基板Pを移動しながら全てのショットに対して走査露光処理が行われる。
図5は、本実施例において、基板P上のショットレイアウトの一例である。通常のとおり露光を行うと、図5に示されるように、露光領域ARの一部が基板Pの外側にはみ出る。このとき、露光光ELは、基板Pの外側に設けられた撥液性部材である同面板Dに照射される。このため、図5中の領域Aにおいて、同面板Dの撥液性が劣化するおそれがある。そこで、制御装置MAINDは、予め入力された基板Pの直径(大きさ)及びショットレイアウトに基づいて、各ショットの露光画角を算出する。例えば最も単純な算出方法としては、基板Pの外縁と各ショットの四辺のうち走査方向に延びる辺とが交差する位置を求めて、この交差位置まで走査露光を行うような露光画角を算出すればよい。なお、露光画角を算出する際には、基板Pの公差や有効領域(Invalid area)等を考慮することが好ましい。
図6は、基板Pの外周部の拡大図である。露光画角の算出方法の一例としては、図6に示されるように、基板Pの最外周から所定のオフセット量だけ基板Pの内側にある境界位置C1で実露光領域を算出する方法がある。この場合、露光領域は領域YBとなる。
図6中の領域YBの場合、パターンが形成されるレジスト領域にはぼけた像が露光されず、同面板Dに対する露光光ELの照射も確実に防止することができる。しかし、基板Pを現像する際にレジストが残留する可能性がある。このため、基板Pの最外周を基準として実露光領域YAを算出する方法もある。
図7は、ショットの設定画角とショット毎に算出された実露光領域の関係を示す表である。本実施例において、ショットSH2、SH3の設定画角は33mmであるが、ショットSH2、SH3の露光画角はそれぞれY1mm、Y2mmと変更されている。また、ショットSH4では、X方向の設定画角26mmが露光画角X1mmに変更されている。
一般的に、遮光部材MB(マスキングブレード)は、基板Pと光学的に共役な位置の近傍に設けられているが、共役な位置からは僅かに離れた位置に配置されている。このため、遮光部材MBの基板P上での像にぼけが生じる。このような像ぼけを補正するため、露光の際には、露光画角に対してオフセット領域が加算される。図8は、設定画角、露光画角、及び、オフセットの関係を示す図である。本実施例では、図8に示されるように、像ぼけを補正するために露光画角に対して領域Cで表されるオフセット領域が露光画角の領域の外周部(四辺)に設けられている。
ところが、ショットレイアウトによっては、オフセット領域(領域C)を反映することで、同面板D上に余分な光が照射されることになる。すなわち、基板Pの最外周にかかるショットでは、同面板D上に、加算されたオフセット領域における光が余分に照射される。このため、露光条件(マスクパターン、マスク透過率、レイアウト、露光順序、露光画角、露光方向等)によって補正領域を適宜選択することが好ましい。
図9は、本実施例における基板Pの右上外周部の拡大図である。図9に示されるように、ショットS1の外周には、露光画角のぼけ量を補正するための領域CU、CD、CL、CR(オフセット領域)が設けられている。通常、露光画角は遮光部材MBにより設定されるが、露光画角の外周では露光光ELのぼけが発生する。このため、露光画角の外周には、より大きく露光制御を行うためのオフセット領域を設けることが好ましい。なお、本実施例におけるショットS1の露光方向は、基板Pの内側から外側にスキャン露光する方向(図中の矢印方向)に設定されているものとする。
図9に示されるように、ショットS1の周囲(四辺)に設けられたオフセット領域のうち、ショットS1の上側及び右側のオフセット領域(領域CU、CR)は、基板Pの外部(基板Pの最外周の外側)にある。ここで、ショットS1の上側及び右側のオフセット領域(領域CU、CR)を露光すると、撥液性部材である同面板Dに、余分な露光光ELが照射される。このため、ショットS1においては、領域CU、CRを照射しないほうが好ましい。
そこで、本実施例の露光装置EXは、ショットS1(基板周辺ショット)を露光する際、遮光部材MBの開口部(領域CU、CRに対応する部分)を狭くして、同面板Dに余分な光を照射しないように制御する。具体的には、制御装置MAINDが、露光画角(ショットS1)の周囲のオフセット領域(領域CU、CD、CL、CR)を調整するように遮光部材MBを制御する。そして制御装置MAINDは、撥液性部材である同面板Dに形成されるオフセット領域(領域CU、CR)を基板Pに形成されるオフセット領域(領域CD、CL)よりも小さくする。好ましくは、同面板Dの上にはオフセット領域(領域CU、CR)を形成しない。
このように、本実施例の露光方法では、まず、露光画角の周囲のオフセット領域をショット毎に設定する。ここで、基板ステージPSTに設けられた同面板Dに形成されるオフセット領域を、基板Pに形成されるオフセット領域よりも小さくするように設定する。次に、設定されたオフセット領域を形成するように遮光部材MBを制御する。そして、遮光部材MBでこのようなオフセット領域を形成して基板Pを露光する。
図10は、本実施例における基板Pの左下外周部の拡大図である。ショットS2の外周には、オフセット領域としての領域CU、CD、CL、CRが設けられる。ショットS2において、領域CL、CDは基板外部(基板Pの最外周の外側)にある。このため、ショットS2の下側及び左側のオフセット領域(領域CD、CL)を露光すると、撥液性部材である同面板Dに、余分な露光光ELが照射される。このため、ショットS2においては、領域CD、CLを照射しないほうが好ましい。そこで、本実施例の露光装置EXは、ショットS2を露光する際、遮光部材MBの開口部(領域CD、CLに対応する部分)を狭くして、同面板Dに余分な光を照射しないように制御する。
図9及び図10に示されるように、本実施例の露光装置EXは、ショットの露光条件に応じて、露光画角のぼけ量を補正するためのオフセット領域(領域CU、CD、CL、CR)を調整する。すなわち、基板Pの外側にあるオフセット領域を無くしたり変更したりする。本実施例において、オフセット領域の調整は露光光ELのショット毎に調整可能である。このため、露光画角のぼけ量を補正しながら、基板Pの外側に配置された撥液性部材としての同面板Dに余分な光が照射されるのを抑制することが可能である。
図14は、本実施例における遮光部材MB(マスキングブレード)の概略構成図である。露光画角及びオフセット領域は、遮光部材MBによりショット毎に調整される。図14に示されるように、遮光部材MBは、Y方向において露光光を遮光する遮光板YU、YD、X方向において露光光を遮光する遮光板XL、XR、及び、これらの遮光板を駆動するX駆動手段、Y駆動手段を備えて構成される。遮光板YU、YD、XL、XRで囲まれて形成された開口部が露光領域となる。X駆動手段及びY駆動手段により、露光画角のオフセット領域は、遮光部材MBの駆動軸毎に設定可能である。またY駆動手段は、走査露光時において、遮光板YU、YDを互いに同期して走査するように駆動する。
図11は、本実施例における基板Pの右上外周部の拡大図である。ショットS3は、オフセット領域として領域CU3、CD3、CL3、CR3を有する。またショットS4は、オフセット領域として領域CU4、CD4、CL4、CR4を有する。
本実施例では、上述の遮光部材MBの動作をショット毎(S3、S4)に制御することにより、これらの各オフセット領域をショット毎に調整する。例えば、図11に示されるように、ショットS3を露光する際には、領域CU3、CD3、CL3、CR3の全てのオフセット領域を反映させる。すなわち、全てのオフセット領域に露光光を照射する。一方、ショットS4を露光する際には、基板Pの最外周の外側にある領域CU4、CR4に露光すると、同面板Dに余分な露光光が照射されることになる。このため、基板Pの最外周の内部にある領域CL4、CD4のみのオフセット領域を反映させる。
本実施例では、遮光部材MBの駆動による駆動誤差や遮光部材MBの律速により、露光処理の速度(スループット)が低下する可能性がある。このため、本実施例の露光装置EXは、マスクMのパターン密度から遮光部材MBを駆動する必要性を判断する。このような構成により、遮光部材MBの駆動誤差を軽減し、また、露光処理の速度の低下を軽減することができる。以下、遮光部材MBを駆動するか否かについての制御について説明する。
図12は、本実施例におけるマスクの概略構成図である。例えば、図12(a)に示されるように、透過部が遮光部に比べて大きな面積を占めているマスクパターンの場合、マスクMに照射された露光光ELの大部分は、投影光学系PLを経て基板Pへ到達する。逆に、図12(b)に示されるように、遮光部が透過部に比べて大きな面積を占めているマスクパターンの場合、マスクMに照射された露光光ELの大部分はマスクMで吸収され、基板Pに到達する露光光ELは少ない。
ここで、図11に示されるショットS4の露光画角におけるマスク透過率をRT4とする。マスク透過率RT4は、マスクMの設計値情報やマスクMの透過率マップ等から算出された値である。また、遮光部材MBを駆動するか否かの判断基準となる値(トレランス)をTとする。トレランスTは、露光パラメータ及び装置パラメータとして、露光装置EXに保存されている。
本実施例の露光装置EXは、マスク透過率RT4とトレランスTを比較することで、実際にショットS4を露光する際に遮光部材MBを駆動するか否かを判断する。例えば、RT4<Tの場合、ショットS4において遮光部材MBを駆動しない。一方、RT4≧Tの場合、ショットS4において遮光部材MBを駆動するように制御する。
このように、本実施例では、ショットNにおけるマスク透過率RTNとトレランスTとを比較する。すなわち、制御装置MAINDは、マスクMの透過率が所定値(トレランスT)より大きい場合に露光画角のオフセット領域を調整する。このため、遮光部材MBの無駄な駆動を減らし、遮光部材MBの駆動誤差の発生及び露光処理速度の低下を抑制することが可能である。
また、本実施例では、露光装置EXが露光条件(マスクの透過率、露光画角等)に応じて決定したオフセット領域(各オフセット領域を反映させるか否か)を、ユーザが自由に編集することができる。図13は、露光装置EXが露光条件に応じて決定したオフセット領域と、ユーザにより編集されたオフセット領域とを示す表である。
図13(a)は、露光装置EXが露光条件に応じてショット毎(ショットSH1〜SH4)に決定される領域CU、CD、CL、CR(オフセット領域)の算出結果の一例である。図13(a)において、領域CU、CD、CL、CRのうち「○」印が付されたショットにおいては、露光時にそのショットにおいて各オフセット領域を反映する(有効にする)ことを表している。例えばショットSH1の場合、領域CU、CD、CLを反映し、領域CRについては反映しない。
図13(b)は、図13(a)に示される算出結果に対して、ユーザが任意に編集した結果の一例である。例えばショットSH1の場合、領域CU、CD、CLを反映しない(無効にする)ように編集されている。その結果、ショットSH1の場合には全てのオフセット領域が反映されないことになる。このように、ユーザが露光装置EXによる算出結果を自由に閲覧及び編集することにより、各ショットでの駆動軸を任意に編集することができる。このため、露光装置EXが算出した駆動軸を柔軟に変更可能となる。
デバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)は、前述のいずれかの実施例の露光装置を使用して感光剤を塗布した基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、その基板を現像する工程と、他の周知の工程と、を経ることにより製造される。
以上のとおり、本実施例によれば、基板の露光中に基板外部に照射される露光光の照射領域が小さくなるため、露光光の照射に起因する基板ステージや基板周辺部材の撥液性の劣化を抑制することができる。また、基板ステージ上や基板周辺部材上に液体が残留することを抑制することもでき、液体が残留したとしてもその液体を円滑に回収することができる。その結果、本実施例によれば、撥液性部材の劣化を抑制して信頼性の高い露光装置を提供することができる。また本実施例によれば、信頼性の高い露光方法及びデバイス製造方法を提供することができる。
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
EX:露光装置
IL:照明光学系
L:液体
MB:遮光部材
M:マスク
PL:投影光学系
PST:基板ステージ
MAIND:制御装置
D:同面板
CU、CD、CL、CR:領域(オフセット領域)
IL:照明光学系
L:液体
MB:遮光部材
M:マスク
PL:投影光学系
PST:基板ステージ
MAIND:制御装置
D:同面板
CU、CD、CL、CR:領域(オフセット領域)
Claims (5)
- 原版のパターンを基板に投影する投影光学系と該基板との間に液体を満たした状態で、該原版及び該投影光学系を介して該基板を露光する露光装置であって、
露光画角を変更する遮光部材を備えた照明光学系と、
前記基板を支持するように構成され、該基板の支持領域の周囲に撥液性部材が設けられた基板ステージと、
前記露光画角の周囲のオフセット領域を調整するように前記遮光部材を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記撥液性部材に形成されるオフセット領域を前記基板に形成されるオフセット領域よりも小さくすることを特徴とする露光装置。 - 前記オフセット領域は、前記遮光部材の駆動軸毎に設定されることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
- 前記制御手段は、前記原版の透過率が所定値より大きい場合に前記オフセット領域を調整することを特徴とする請求項1又は2記載の露光装置。
- 原版のパターンを基板に投影する投影光学系と該基板との間に液体を満たした状態で、該原版及び該投影光学系を介して該基板を露光する露光方法であって、
基板ステージに設けられた撥液性部材に形成されるオフセット領域を前記基板に形成されるオフセット領域よりも小さくするように、露光画角の周囲のオフセット領域を設定するステップと、
設定された前記オフセット領域を形成するように遮光部材を制御するステップと、
前記遮光部材で前記オフセット領域を形成して前記基板を露光するステップと、を有することを特徴とする露光方法。 - 請求項1乃至3のいずれか一に記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
露光された前記基板を現像するステップと、を有することを特徴とするデバイス製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009027960A JP2010186761A (ja) | 2009-02-10 | 2009-02-10 | 露光装置、露光方法及びデバイス製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013219117A (ja) * | 2012-04-05 | 2013-10-24 | Canon Inc | 照明光学系、露光装置及びデバイス製造方法 |
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2009
- 2009-02-10 JP JP2009027960A patent/JP2010186761A/ja active Pending
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