JP2010184551A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】後輪転舵装置に温度検出手段を設けずに、後輪転舵装置の過熱を抑制する車両制御装置を提供する。
【解決手段】車両制御装置において、電動パワーステアリング装置は、運転者による操舵量に応じて前輪用モータを駆動し、車両のステアリング機構に操舵補助力を与える。後輪転舵装置は、後輪用モータ68を駆動し、後輪を転舵する。温度センサ30は、前輪用モータ28の温度を検出する。後輪転舵装置は、後輪用モータ68への通電を制御するEPS−ECU56を有する。EPS−ECU56は、温度センサ30の出力にもとづいて後輪用駆動機構への通電量を導出し、温度センサ30で検出した温度が第1の所定値を超えると、後輪用モータ68への通電量を制限する。
【選択図】図2
【解決手段】車両制御装置において、電動パワーステアリング装置は、運転者による操舵量に応じて前輪用モータを駆動し、車両のステアリング機構に操舵補助力を与える。後輪転舵装置は、後輪用モータ68を駆動し、後輪を転舵する。温度センサ30は、前輪用モータ28の温度を検出する。後輪転舵装置は、後輪用モータ68への通電を制御するEPS−ECU56を有する。EPS−ECU56は、温度センサ30の出力にもとづいて後輪用駆動機構への通電量を導出し、温度センサ30で検出した温度が第1の所定値を超えると、後輪用モータ68への通電量を制限する。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両制御装置に関し、とくに、ステアリングを制御する技術に関する。
従来、前輪の操舵状態に応じて後輪を転舵する制御を実行する後輪転舵装置が知られている。後輪転舵装置は、後輪を転舵するための駆動モータを備える。この駆動モータへの負荷が高まれば、駆動モータが発熱し過ぎて、作動不良になるおそれがある。そこで、後輪転舵装置の駆動モータの温度が高くなれば、駆動モータへの通電を停止する技術がある。
たとえば、特許文献1には、前輪の操舵状態に応じて後輪を転舵する前後輪操舵車両の駆動モータ制御装置において、後輪舵角付与手段を駆動する駆動モータと、後輪の駆動モータの温度を検出するサーミスタとが開示されている。そして、サーミスタが検出した温度にもとづいて駆動モータの制御態様を変更することで、後輪の駆動モータの過熱を防止することが開示されている。
特許文献1に記載の駆動モータ制御装置には、後輪の駆動モータの温度を検出するサーミスタが設けられているが、後輪の駆動モータにサーミスタを設けるとコストがかかる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コストを抑えつつ、後輪転舵装置の過熱を防止する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両制御装置は、運転者による操舵量に応じて前輪用駆動機構を駆動し、車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置と、後輪用駆動機構を駆動し、後輪を転舵する後輪転舵装置と、前輪用駆動機構の温度を検出する温度検出手段と、を備える。後輪転舵装置は、後輪用駆動機構への通電を制御する後輪用制御ユニットを有する。後輪用制御ユニットは、操舵量と温度検出手段の出力とにもとづいて後輪用駆動機構への通電量を導出し、温度検出手段で検出した温度が第1の所定値を超えると、後輪用駆動機構への通電量を制限する。
この態様によると、前輪用駆動機構の温度を検出する温度検出手段の出力をもとに後輪用駆動機構への通電量を導出することができる。すなわち、前輪用駆動機構の温度を検出する温度検出手段の出力をもとに後輪用駆動機構の発熱状態を推定し、後輪用駆動機構への通電量を導出することができる。
後輪用制御ユニットは、操舵量から決定される後輪用駆動機構への通電量を、温度検出手段で検出した温度に応じて減少させるように制限してもよい。これにより、後輪用制御ユニットは、前輪用駆動機構の温度を検出する温度検出手段の出力をもとに後輪用駆動機構の過熱を防止することができる。
電動パワーステアリング装置は、前輪用駆動機構への通電を制御する前輪用制御ユニットを有してもよい。前輪用制御ユニットは、操舵量と温度検出手段の出力とにもとづいて前輪用駆動機構への通電量を導出してもよい。前輪用制御ユニットは、温度検出手段で検出した温度が第1の所定値より大きい第2の所定値を超えると前輪用駆動機構への通電を停止し、後輪用制御ユニットは、温度検出手段で検出した温度が第2の所定値を超えると後輪用駆動機構への通電を停止してもよい。これにより、電動パワーステアリング装置および後輪転舵装置の両方を同時に停止させることができる。
本発明によれば、コストを抑えつつ、後輪転舵装置の過熱を防止することができる。
本実施形態の車両制御装置は、電動パワーステアリング装置の前輪用モータの温度にもとづいて、電動パワーステアリング装置だけでなく後輪転舵装置に対しても過熱保護制御を実行する。これにより、後輪転舵装置に温度検出手段を設けることなく、後輪転舵装置の過熱を防止することができる。また、電動パワーステアリング装置および後輪転舵装置のうち一方の機能のみが停止すると、電動パワーステアリング装置または後輪転舵装置の残りの一方の制御によって前輪と後輪の舵角のバランスが悪くなり、走行が不安定になるおそれがある。そこで、本実施形態の車両制御装置は、後輪転舵装置および電動パワーステアリング装置のいずれか一方のみが停止しないよう制御する。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
図1は、実施形態に係る車両制御装置10を模式的に示した構成概略図である。車両制御装置10は、電動パワーステアリング装置32と、後輪転舵装置58と、温度検出手段として機能する温度センサ30と、ステアリング機構36と、を備える。
ステアリング機構36は、ステアリングホイール12、ステアリングシャフト14、連結軸17、およびステアリングシャフト14の動きを前輪の動きに変換する前輪用ギヤ装置40と、を有する。ステアリング機構36は、ハンドルとしてのステアリングホイール12の回動を左前輪54Lおよび右前輪54R(以下、総称する場合は「前輪54」という)の転舵運動に変換する。
ステアリングホイール12は、車両室内に設けられ、運転者によって回動操作される。ステアリングシャフト14は、ステアリングホイール12とともに回転するように一端がステアリングホイール12に連結されており、ステアリングホイール12の回転を前輪用ギヤ装置40に伝達する回転軸として機能する。ステアリングシャフト14の他端は、ユニバーサルジョイント34を介して連結軸17の一端に連結されている。連結軸17の他端にはピニオンギヤ(図示せず)が設けられている。
前輪用ギヤ装置40は、前輪用ギヤボックス44と、操舵軸46と、前輪用ラックアンドピニオン機構42とを備える。前輪用ギヤボックス44は略円筒形状に形成されている。前輪用ギヤボックス44の内部には操舵軸46が挿通されている。操舵軸46の両端部には前輪54が設けられる。操舵軸46は、両端が前輪用ギヤボックス44から突出するよう配置されている。操舵軸46にはラックギヤ(図示せず)が設けられている。連結軸17のピニオンギヤと操舵軸46のラックギヤが前輪用ギヤボックス44内部において噛合し、前輪用ラックアンドピニオン機構42が構成されている。前輪用ラックアンドピニオン機構42によって、ステアリングホイール12の回転が操舵軸46の軸方向の移動に変換される。操舵軸46が軸方向に移動すると、前輪54が転舵する。
電動パワーステアリング装置32は、前輪用モータ28、減速機構26、舵角センサ16と、トルクセンサ24と、EPS−ECU(electric power Steering−Electronic control unit)56を備える。電動パワーステアリング装置32は、運転者による操舵量に応じて前輪用モータ28を駆動し、車両のステアリング機構36に操舵補助力を与える。
前輪用モータ28のモータ軸は減速機構26に接続されている。減速機構26にはギヤが設けられ、ステアリングシャフト14に設けられたギヤ部と噛合する。前輪用モータ28が作動すると、その回転運動が減速機構26によって減速されつつ、ステアリングシャフト14が回転駆動される。
舵角センサ16は、ステアリングシャフト14に設けられ、ステアリングホイール12の操舵角および操舵方向を検出する。舵角センサ16は、EPS−ECU56に接続されている。舵角センサ16の検出値は、EPS−ECU56に出力される。
トルクセンサ24は、ステアリングシャフト14に設けられ、ステアリングシャフト14に与えられる操舵トルクを検出する。トルクセンサ24にはトーションバーが設けられている。トルクセンサ24は、トーションバーの捻れ角度を検出することによってステアリングシャフト14に与えられる操舵トルクを検出する。トルクセンサ24は、EPS−ECU56に接続されている。トルクセンサ24の検出値は、EPS−ECU56に出力される。なお、EPS−ECU56には、車両の車速を検出する車速センサなどの各種センサ類20が接続されてよい。
EPS−ECU56は、舵角センサ16およびトルクセンサ24の検出値にもとづいて、ステアリングシャフト14を駆動する目標アシストトルクを算出する。EPS−ECU56は、算出した目標アシストトルクを発生させるための電流を前輪用モータ28に供給し、前輪用モータ28を駆動させる。このようにEPS−ECU56は、操舵角や操舵トルクに応じて運転者によるステアリングホイール12の操舵をアシストする。
後輪転舵装置58は、後輪用ギヤボックス64と、後輪用モータ68と、変位センサ66と、後輪用ギヤ装置70と、操舵軸72と、ARS−ECU(Active Rear Steering−Electronic control unit)60とを備える。
後輪用ギヤボックス64は略円筒形状に形成されている。後輪用ギヤボックス64の内部には操舵軸72が挿通されている。操舵軸72の両端部には左後輪62Lおよび右後輪62R(以下、総称する場合は「後輪62」という)が設けられる。操舵軸72は、両端が後輪用ギヤボックス64から突出するよう配置されている。後輪用ギヤボックス64の内部において、後輪用モータ68のモータ軸(図示せず)が、後輪用ギヤ装置70と噛合されている。後輪用ギヤ装置70は、操舵軸72と噛合されている。後輪用ギヤ装置70によって、後輪用モータ68の回転が操舵軸72の軸方向の移動に変換される。操舵軸72が軸方向に移動すると、後輪62が転舵する。
変位センサ66は、操舵軸72の軸方向への変位を検出する。変位センサ66は、EPS−ECU56に接続され、変位センサ66の検出値は、ARS−ECU60に出力される。また、ARS−ECU60には、舵角センサ16と、各種センサ類20が接続され、それぞれの検出値を出力している。各種センサ類20には、車両に生じたヨーレートを検出するヨーレートセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、および車両の速度を検出する車速センサが含まれる。舵角センサ16および各種センサ類20は運転状態量を検出する。
たとえば後輪転舵装置58は、舵角センサ16により検出する操舵角と同位相に後輪62を転舵させることによって、操舵量に対する車両の旋回感度を鈍くし、少ない回頭量で車両をレーンチェンジさせる。すなわち、車両の横移動に対する応答性を増加させる。また、後輪転舵装置58は、ヨーレートセンサにより検出したヨーレートを抑制する方向に後輪62を転舵させることによって、操舵量に対する旋回感度を鈍くし、車両の安定性を向上させる。また、後輪転舵装置58は、加速度センサにもとづいて車両の不安定な走行を検出して、車両のスピンを防ぐように後輪62を転舵してもよい。
また、後輪転舵装置58は、舵角センサ16により検出する操舵角と逆位相に後輪62を転舵させることによって、操舵量に対する車両の旋回感度を鋭くし、駐車時等における旋回移動に対する応答性を向上させる。
温度検出手段は、たとえば温度センサ30であってよい。温度センサ30は、前輪用モータ28の温度を検出する。温度センサ30の検出値は、EPS−ECU56に出力される。また、前輪用モータ28および/または駆動回路へ流れる電流量から前輪用モータ28の温度を推定して検出する温度検出手段が設けられてもよい。この温度検出手段は、前輪用モータ28への電流量に応じて前輪用モータ28が発熱するとして、前輪用モータ28の温度を推定して検出してよい。EPS−ECU56とARS−ECU60は電気的に接続され、EPS−ECU56は、ARS−ECU60に温度センサ30の検出値を供給する。
図2は、実施形態に係るEPS−ECU56およびARS−ECU60の機能構成を示す。EPS−ECU56は、EPSセンサ値取得部74と、送信部76と、アシストトルク演算部78と、EPS温度算出部80と、EPS制御部82と、EPS駆動回路84とを備える。ARS−ECU60は、受信部86と、ARSセンサ値取得部88と、後輪変位演算部90と、ARS制御部94と、ARS駆動回路96とを備える。
まず、EPS−ECU56について説明する。EPSセンサ値取得部74は、舵角センサ16、トルクセンサ24および温度センサ30からそれぞれサンプリング周期で出力される検出値を取得する。
EPS温度算出部80は、温度検出手段として機能してよく、たとえば温度センサ30の検出値を受け取り、前輪用モータ28の温度を算出する。また、EPS温度算出部80は、前輪用駆動機構の電流量から前輪用駆動機構の温度を推定して算出してもよい。なお、前輪用駆動機構は、前輪用モータ28とEPS駆動回路84とを含む。
アシストトルク演算部78は、舵角センサ16およびトルクセンサ24の検出値を受け取り、操舵量である操舵角と操舵トルクにもとづいてステアリングシャフト14を駆動する目標アシストトルクを算出する。
EPS制御部82は、アシストトルク演算部78から目標アシストトルクを受け取り、目標アシストトルクに応じて第1制御電流値を導出する。EPS制御部82は、導出した第1制御電流値および温度検出手段の出力にもとづいて前輪用駆動機構への通電量を導出する。
具体的には、EPS制御部82は、EPS温度算出部80により算出された前輪用モータ28の温度情報にもとづいて、導出した第1制御電流値を制限する。EPS制御部82は、後述する図3(a)に示す第1制御マップを用いて、温度情報に応じたEPS出力係数を導出し、導出したEPS出力係数を第1制御電流値に乗算する。EPS制御部82は、EPS出力係数に応じて制限した第1制御電流値をEPS駆動回路84に供給する。前輪用モータ28の温度情報を用いて第1制御電流値を制限することで、前輪用モータ28の過熱を防止することができる。
EPS駆動回路84は、EPS制御部82から供給された制限した第1制御電流値を駆動電流として前輪用モータ28に供給し、前輪用モータ28を作動させる。なお、EPS出力係数が1であれば、EPS駆動回路84は、目標アシストトルクを発生させる駆動電流を前輪用モータ28に供給する。
送信部76は、温度検出手段で検出した温度情報をARS−ECU60の受信部86に送信する。具体的に、送信部76は、EPS温度算出部80により算出された前輪用モータ28の温度情報を、受信部86に送信する。
次に、ARS−ECU60について説明する。ARSセンサ値取得部88は、舵角センサ16、トルクセンサ24、各種センサ類20および変位センサ66からそれぞれサンプリング周期で出力される検出値を取得する。受信部86は、送信部76から前輪駆動機構の温度情報を受信する。
後輪変位演算部90は、舵角センサ16、トルクセンサ24および/または各種センサ類20の検出値にもとづいて後輪62に与える目標変位量を算出する。すなわち、後輪変位演算部90は、操舵量を含む運転状態量にもとづいて目標変位量を算出する。後輪変位演算部90は、変位センサ66の出力にもとづいて、操舵軸72に与える変位量が目標変位量に近づくようにフィードバックしてよい。なお、後輪62は、操舵軸72の軸方向の変位量に応じて転舵する。
ARS制御部94は、後輪変位演算部90から受け取った目標変位量に応じて第2制御電流値を導出する。ARS制御部94は、導出した第2制御電流値および温度検出手段の出力にもとづいて後輪用駆動機構への通電量を導出する。後輪用駆動機構とは、後輪用モータ68とARS駆動回路96をいう。
具体的には、ARS制御部94は、受信部86により受信した前輪用モータ28の温度情報にもとづいて、導出した第2制御電流値を制限する。ARS制御部94は、後述する図3(b)に示す第2制御マップを用いて、温度情報に応じたARS出力係数を導出し、導出したARS出力係数を第2制御電流値に乗算する。ARS制御部94は、ARS出力係数に応じて制限した第2制御電流値をARS駆動回路96に供給する。つまり、ARS制御部94は、前輪用モータ28の温度情報にもとづいて後輪用モータ68およびARS駆動回路96の過熱を防止する。
そこで、前輪用モータ28が発熱していれば、後輪用モータ68も発熱していることが推定される。ARS制御部94は、EPS制御部82と同一の前輪用モータ28用の温度検出手段の出力にもとづいて、モータへの駆動電流を制限する。これは、電動パワーステアリング装置32および後輪転舵装置58はともにステアリングに連動する装置であり、前輪用モータ28の通電量が大きい場合は、後輪用モータ68の通電量も大きい場合が多いことにもとづく。たとえば、電動パワーステアリング装置32および後輪転舵装置58はともに、車速が比較的小さいと、モータへ比較的大きい駆動電流を供給し、車速が比較的高くなると、モータへ駆動電流をほとんど供給しない。これは、車速が比較的高くなれば、大きな旋回をすることが少ないからである。また、後輪転舵装置58は、電動パワーステアリング装置32と同様に操舵量にもとづいて制御を行う。以上より、前輪用モータ28が発熱していれば、後輪用モータ68も発熱している可能性はきわめて高い。これにより、後輪転舵装置58に対する過熱保護において、後輪転舵装置58に温度検出手段を設けずにすみ、コストを抑えることができる。
ARS駆動回路96は、ARS制御部94から供給された第2制御電流値にもとづいて駆動電流を後輪用モータ68に供給し、後輪用モータ68を作動させる。なお、ARS出力係数が1であれば、ARS駆動回路96は、目標変位量を発生させる駆動電流を後輪用モータ68に供給する。
図3(a)は、実施形態における前輪用モータ28への駆動電流を制限するための第1制御マップを示す。図3(b)は、実施形態における後輪用モータ68への駆動電流を制限するための第2制御マップを示す。
図3(a)において、縦軸は、EPS出力係数を示し、横軸は前輪用モータ28の温度情報を示す。前輪用モータ28の温度がt0からt1までのEPS出力係数は、1である。EPS出力係数が1であれば、目標アシストトルクに応じた第1制御電流値をそのままEPS駆動回路84に伝える。前輪用モータ28の温度が上昇し、温度がt1を超えれば、EPS出力係数を1より小さくする。すなわち、前輪用モータ28への駆動電流に出力制限をかける。
前輪用モータ28の温度が温度t1から温度t2に上昇する間、EPS出力係数は徐々に漸減する。すなわち、前輪用モータ28の温度上昇に応じて、前輪用モータ28への駆動電流の出力制限の割合を緩やかに大きくする。これは、前輪用モータ28への駆動電流の出力制限の割合を急激に大きくして、運転者によるステアリングホイール12の回動操作のフィーリングが急に変化することを抑えるためである。
前輪用モータ28の温度がさらに上昇し、温度t2を超えると、EPS出力係数を一定にし、温度t3に達すると、EPS出力係数をゼロにする。EPS出力係数がゼロとなると、前輪用モータ28への通電が停止される。
図3(b)において、縦軸はARS出力係数を示し、横軸は後輪用モータ68の温度情報を示す。後輪用モータ68の温度がt0からt4までのARS出力係数は、1である。ARS出力係数が1であれば、目標変位量に応じた第2制御電流値をそのままARS駆動回路96に供給する。
後輪用モータ68の温度が上昇し、温度がt4を超えると、ARS出力係数を減少させ、後輪用モータ68への駆動電流に出力制限をかける。ここで、前輪用モータ28が発熱していれば、後輪用モータ68も発熱していると推定し、温度t1と温度t4は同一の値に定められる。温度t1および温度t4は、制限境界値という。なお、温度t1と温度t4には、微少な誤差があってよい。これにより、後輪用モータ68に温度検出手段を設けることなく、後輪用モータ68への駆動電流の出力を制限することができ、コストを抑制しつつ、後輪用モータ68の過熱を防止することができる。
後輪用モータ68の温度が温度t4から温度t5に上昇する間、ARS出力係数は急激に減少する。後輪用モータ68の温度が温度t4を超えると、ARS出力係数を所定値sまで小さくしてよい。これは、後輪転舵装置58が、主に、比較的大きい駆動電流を必要とする緊急時制御と、比較的小さい駆動電流で制御可能な走行安定化制御を行っていることにもとづく。すなわち、ARS制御部94は、後輪用モータ68の温度が温度t4を超えると、比較的小さい駆動電流で制御可能な走行安定化制御に切り替える。なお、第2制御マップの温度t4から温度t5までのARS出力係数の傾きの絶対値は、第1制御マップの温度t1から温度t2までのEPS出力係数の傾きの絶対値より大きくなる。
後輪用モータ68の温度がさらに上昇し、温度t5を超えると、ARS出力係数を一定値sにし、温度t6に達すると、ARS出力係数をゼロにする。ここで、温度t6と温度t3は同一の値に定められてよく、停止境界値という。停止境界値は、制限境界値より大きい値である。これにより、後輪転舵装置58の作動と、電動パワーステアリング装置32の作動とを同時に停止することができ、一方の機能のみが停止されることを回避し、車両走行が不安定になることを回避することができる。
図4は、実施形態に係るEPS−ECU56およびARS−ECU60の各モータへの出力制限を示すシーケンス図である。本図に示す制御は、所定の制御周期で実行されてよい。
EPSセンサ値取得部74は、温度検出手段の出力値を取得する(S100)。EPS温度算出部80は、温度検出手段の検出値から温度情報を算出する(S110)。送信部76は、温度検出手段で検出された温度情報をARS−ECU60の受信部86に送信する(S120)。
EPS制御部82は、温度検出手段で検出された温度情報にもとづいてEPS出力係数を導出する(S130)。EPS制御部82は、目標アシストトルクにもとづいて決定された前輪用モータ28への通電量を、EPS出力係数に応じて減少させる(S150)。すなわち、EPS制御部82は、前輪用モータ28への通電量をEPS出力係数にもとづいて制限する。EPS駆動回路84は、制限した前輪用モータ28への通電量に応じた駆動電流を前輪用モータ28に供給する(S170)。
ARS制御部94は、受信した温度検出手段で検出された温度情報にもとづいてARS出力係数を導出する(S140)。ARS制御部94は、目標変位量にもとづいて決定された後輪用モータ68への通電量を、ARS出力係数に応じて減少させる(S160)。すなわち、ARS制御部94は、後輪用モータ68への通電量をARS出力係数にもとづいて制限する。ARS駆動回路96は、制限した後輪用モータ68への通電量に応じた駆動電流を後輪用モータ68に供給する(S180)。
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明した。本実施形態では、ステアリングに連動する電動パワーステアリング装置32および後輪転舵装置58に対する過熱保護制御において、温度検出手段を共通化することでコストを抑える。また、後輪転舵装置および電動パワーステアリング装置の過熱保護制御を統合して、いずれか一方の機能のみが停止しないよう制御する。
これは例示であり、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
たとえば、温度検出手段には、EPS駆動回路84の発熱体の温度を検出する温度センサが含まれてよい。EPS温度算出部80は、EPS駆動回路84の発熱体の温度を検出する温度センサの出力にもとづいてEPS駆動回路84の温度を算出してよい。また、EPS温度算出部80は、EPS駆動回路84への通電量からEPS駆動回路84の温度を推定して検出してもよい。EPS制御部82は、EPS温度算出部80により算出されたEPS駆動回路84の温度情報とEPS出力係数の関係を示す制御マップを用いて、EPS駆動回路84の過熱を防止してよい。また、ARS制御部94は、EPS駆動回路84の温度情報とARS出力係数の関係を示す制御マップを用いて、EPS駆動回路84の温度情報にもとづいてARS駆動回路96の過熱を防止してよい。このように、モータの駆動回路においても、温度検出手段を共通化して、EPS駆動回路84およびARS駆動回路96の過熱保護を制御してよい。これにより、コストを抑えることができる。
10 車両制御装置、 12 ステアリングホイール、 14 ステアリングシャフト、 16 舵角センサ、 17 連結軸、 20 各種センサ類、 24 トルクセンサ、 26 減速機構、 28 前輪用モータ、 30 温度センサ、 32 電動パワーステアリング装置、 34 ユニバーサルジョイント、 36 ステアリング機構、 40 前輪用ギヤ装置、 42 前輪用ラックアンドピニオン機構、 44 前輪用ギヤボックス、 46 操舵軸、 54 前輪、 56 EPS−ECU、 58 後輪転舵装置、 60 ARS−ECU、 62 後輪、 64 後輪用ギヤボックス、 66 変位センサ、 68 後輪用モータ、 70 後輪用ギヤ装置、 72 操舵軸、 74 EPSセンサ値取得部、 76 送信部、 78 アシストトルク演算部、 80 EPS温度算出部、 82 EPS制御部、 84 EPS駆動回路、 86 受信部、 88 ARSセンサ値取得部、 90 後輪変位演算部、 94 ARS制御部、 96 ARS駆動回路。
Claims (4)
- 運転者による操舵量に応じて前輪用駆動機構を駆動し、車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置と、
後輪用駆動機構を駆動し、後輪を転舵する後輪転舵装置と、
前記前輪用駆動機構の温度を検出する温度検出手段と、を備え、
前記後輪転舵装置は、前記後輪用駆動機構への通電を制御する後輪用制御ユニットを有し、
前記後輪用制御ユニットは、
操舵量と前記温度検出手段の出力とにもとづいて前記後輪用駆動機構への通電量を導出し、
前記温度検出手段で検出した温度が第1の所定値を超えると、前記後輪用駆動機構への通電量を制限することを特徴とする車両制御装置。 - 前記後輪用制御ユニットは、操舵量から決定される前記後輪用駆動機構への通電量を、前記温度検出手段で検出した温度に応じて減少させるように制限することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記電動パワーステアリング装置は、前記前輪用駆動機構への通電を制御する前輪用制御ユニットを有し、
前記前輪用制御ユニットは、操舵量と前記温度検出手段の出力とにもとづいて前記前輪用駆動機構への通電量を導出することを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御装置。 - 前記前輪用制御ユニットは、前記温度検出手段で検出した温度が第1の所定値より大きい第2の所定値を超えると前記前輪用駆動機構への通電を停止し、
前記後輪用制御ユニットは、前記温度検出手段で検出した温度が前記第2の所定値を超えると前記後輪用駆動機構への通電を停止することを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009029092A JP2010184551A (ja) | 2009-02-10 | 2009-02-10 | 車両制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009029092A JP2010184551A (ja) | 2009-02-10 | 2009-02-10 | 車両制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010184551A true JP2010184551A (ja) | 2010-08-26 |
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ID=42765481
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010184551A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10574173B2 (en) | 2016-09-02 | 2020-02-25 | Kongsberg Inc. | Techniques for limiting electrical current provided to a motor in an electric power steering system |
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2009
- 2009-02-10 JP JP2009029092A patent/JP2010184551A/ja active Pending
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